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バッタを調べる

どうも昔からバッタは苦手で、その苦手の克服を兼ねて、以前、問題になったマダラバッタを探しに家の近くの原っぱと河原の土手に行ってみました(12日)。捕虫網を持って、草むらをスウィープしたのですが、いるのはショウリョウバッタとイボバッタくらい。やっぱり暑いとバッタもいなくなるのかぁと思って諦めかけていた時にやっとバッタに出会えました。





クルマバッタ辺りかなと思って、写真を撮った後、網で捕まえ、各部の写真を撮りました。そして、「バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑」に載っている検索表に従って調べてみました。



まずは検索表です。これはトノサマバッタ亜科の属への検索表で、後で出てくるトノサマバッタ属もついでに載せておきました。クルマバッタだとすると、1A→2B→3A→4A→5Aと進んでいくはずです。これを例によって、各部を見ながら確かめてみました。



まずは頭部と胸部を横から見た写真です。この写真では2B、4A、5Aが確かめられます。調べる前に、勉強のために「原色昆虫大図鑑III」の図を参考にして、各部の名称を入れてみました。まず、2Aですが、前胸背背面というのは前胸背板の面を指しています。それが凸凹ではないということですが、ここはイボバッタ属と比較してなので、十分に平らだといえるでしょう。次の中隆線は、たぶん、ここに書いた背隆線のことだと思うのですが、一本まっすぐに走っていることが分かります。これは次の図を見るともっと分かりやすいと思います。次は4Aなのですが、前胸背板は前域と後域に分かれて、その間に境目があります。これがはっきりした溝になっているかどうかを見ます。このバッタでは溝は浅く、はっきりしません。後でトノサマバッタの写真を載せますが、この溝はもっと深くはっきりしています。

5Aは前胸背板がアーチを描くかどうかという項目です。この項目で、クルマバッタか、クルマバッタモドキかに分かれます。実は、ここで迷い始めました。図鑑を見ると、もっと顕著なアーチ型のバッタの写真が載っています。ところが、ネットで画像検索すると、はっきりしたアーチ型もあれば、それほどでもない個体もいます。「バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑」のクルマバッタの写真でも、それほどアーチ型になっていない個体も載っていました。それで、これはちょっと保留にしておきます。



今度は背側からの写真です。前胸背板にまっすぐな背隆線が前縁から後縁まで走っていることが分かります。これで3Aは確かめられました。続いて、先ほど出てきた5Aの残りの項目で、前胸背板に白いX字形の紋があるかないかです。あればクルマバッタモドキ、なければクルマバッタになります。微かなX字形の紋があるようにみえますが、顕著な紋はありません。これはやはりないとすべきかと思って、クルマバッタなのだろうなと思いました。でも、この辺り、さっきの保留の項目と合わせてちょっともやもやです。



次は、頭部を前から撮った写真です。これも各部の名称を入れてみました。「大図鑑」には載っていない構造もあったので、Grasshoppers of the Western U.S.というサイトの用語集を参考にしました。



これはちょっと斜め上から撮った写真です。1Aの頭頂部と額の境目がないことが確かめられます。マダラバッタだと、矢印の部分に境目があるのだろうかと思って探しにいったのですが、捕まえたのは境目のない種でした。



ちょっと後翅を広げてみました。バッタを持つのは慣れてないし、口からは黒い液を出してくるし・・・。慌てて撮ったら、後翅の後ろ半分だけが写ったみたいです。でも、ともかく褐色の帯はありました。

この結果、5Aがもやもやだった以外はすべて確認できました。私はたぶん、クルマバッタでよいと思うのですが、皆さんはどう思われますか。



次は河原で捕まえたトノサマバッタです。



トノサマバッタならば、検索表の1A→2B→3A→4B→6B→7Aと進んでいくはずなのですが、実は検索表を事前に確かめなかったので、後半の検索に必要な後翅と後脚の撮影をしませんでした。大失敗です。それで、3Aまでのところを見てみます。先ほどと異なるのは前胸背板の前域と後域の境にはっきりした溝があることです。写真を撮ってみて初めて分かりました。



この写真も失敗ですね。背隆線(中隆線)が後縁まで達しているのか確かめられません。でも、ともかく、まっすぐな背隆線が走っています。



頭頂と額の間の境目はなさそうですが、これもちょっとはっきりしません。いずれにしても、トノサマバッタはもう一度撮り直さなければなりませんね。まず、生態写真を撮って、それから採集しようとすると、その間にすぐ逃げてしまうので、結構、追いかけるのが大変でした。でも、面白かったので、また、こんなバッタ探しをやってみます。(追記2016/08/31:菅井 桃李さんから、「クルマバッタで良さそうに見えますね。」というコメントをいただきました

次は余談です。

明日と明後日、地域のコミュニティープラザというところで「虫展」を開きます。これまでマンションの集会場でやっていたのを、今年はもう少し公の場所でやることにしました。今はその準備で大わらわです。昨日はポスターを作って、会場近くのお店に貼ってもらうようにお願いにいきました。展示は標本箱を13箱、パネルを5枚、小型の実体顕微鏡2台、それに、ハネカクシの翅の折り方を体験する折り紙コーナーを設けています。ただ、標本がみな古いので、今回は生態写真や顕微鏡写真も壁に貼ることにしました。まだ、標本箱の整理がついていないし、壁に貼る写真も乾燥中の状態です。さらに、明日と明後日1回ずつ、パワーポイントを使って30分ほどの説明をしようかと思っています。こちらの準備はだいたい済んだので、ちょっと一安心です。来場者がそこそこいるといいのですけどねぇ~。
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No title

クルマバッタで良さそうに見えますね。
まあ、バッタは苦手と公言してる身ではありますけど(笑)
お盆に海岸でマダラバッタを見付けましたが、夕方で薄暗くて頭頂と額の境ははっきり見えませんでしたね。
ただし、角度はハッキリと鋭角でしたから、他の特徴からもマダラバッタだと思います。
見慣れたツマグロバッタは境がハッキリしてて、と言うか、分かりやすいんですけどね。

No title

クルマバッタ、賛同者がいてほっとしました。虫の名前調べは迷い始めると、いろんなことに疑問が湧いてきて困ってしまいます。マダラバッタ、マンションには一度やって来たことがあったのですが、今回は2度とも空振りです。ツマグロバッタは以前見たことがあったのですが、どこでだったかなぁ。バッタは野外を歩いているときはよく見かけるのですが、いざ、探すとなるとなかなかいないですねぇ。でも、苦手なバッタが少しずつ分かってくると楽しいので、もう少し頑張ってみます。
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