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虫を調べる クサカゲロウ幼虫

先日来、家の近くの公園で虫を探していると、やけにクサカゲロウの幼虫を見ます。



こんな感じで、背中にいっぱいごみを載せています。頭部には特徴的な模様があるので、千葉大のサイトや塚口氏の本

S. Tsukaguchi, "Chrysopidae of Japan (Insecta, Neuroptera)", (1995).

の中の図を見て調べると、クサカゲロウ科クサカゲロウ亜科クサカゲロウ族アペルトクサカゲロウ属のシロスジクサカゲロウに似ている感じなのですが、私は成虫を観察したことがないのでどうも自信がありません。

それで、一度、幼虫の検索をしてみようと思って、一匹捕まえて冷凍庫に入れておきました。幼虫なので触っているうちにぐちゃぐちゃにならないか、あの背負っているごみをどうしたらいいのか、などと考えているとやる気が起きなくて、そのままになっていたのですが、今日は思い切って解凍して調べてみました。



幼虫は結構硬くてピンセットで触ってもまったく大丈夫でした。また、ごみはピンセットで簡単に外れました。後で説明しますが、体に生えている毛(刺毛)の先端が曲がっていて、なんでも引っかかりやすいようになっていました。ちょうど、マジックテープの仕組みと同じですね。体長を測ってみると4.2mmになりました。



3齢幼虫の検索表は上の本に載っていました。この幼虫が3齢かどうか分からないのですが、とりあえず調べてみました。まず、検索表の1番目の項目は塵載せ型か通常型かという項目で、これは塵載せ型なので1bを選ぶことになります。これを選ぶと全部で10属あるクサカゲロウ族のうち、4属が選ばれます。項目の2以下は図を見ながら調べていきます。



まずは全体像です。この写真に前胸、中胸、後胸にあたる部分を書き入れました。それぞれ、前脚、中脚、後脚に対応する胸の部分です。



方向が逆になっていますが、左が頭です。この図から、2bの腹部第1節背面の後半部分の刺毛列は2列であることが分かります。また、胸部のsubmedian tuberclesには毛が二本はえていることも分かります。



次は横から見たところです。毛の先がみな湾曲していることが分かります。これが検索表のフック状というのに対応していて、ごみをひっかけるのに役立っているみたいです。ピンセットで触ってもすぐにくっついてしまいました。ここで、2bは後胸にもこのような曲がって刺毛があることを示しています。



上の写真の腹部の部分を拡大したものです。左側が前です。一か所から出ている毛に後ろ向きのものと前向きの毛が向かい合っている様子が分かります。これが検索表の3bに当たります。実は、この辺りが顕微鏡を見ていてもなかなか分からなかった点です。背中についているごみを外すときに、毛があちこち向いてしまっていたからです。でも、幸い、乱れていない部分もあって、それが上の写真です。

これで、検索が終わり、結局、4aのApertochrysa(アペルトクサカゲロウ)属になりました。この属には、キチジョウクサカゲロウとシロスジクサカゲロウの2種が入っているのですが、キチジョウは北海道だけに分布していて、幼虫は見つかっていないとのことでした。したがって、今のところ、初めに予想した通り、シロスジクサカゲロウでよさそうです。



最後はおまけで、頭部の拡大写真です。眼が変わっていますね。単眼が取り巻いているような感じです。

クサカゲロウ幼虫の検索を初めて試みてみました。体に生えている毛の向きや毛列の数、本数などがポイントになるのですが、毛が透明なので、実体顕微鏡でもかなり見にくかったです。さらに、写真でもなかなかうまく表現できません。上の写真では、仕方なく、下に黒い板を入れて撮影してみました。もう少し簡単に幼虫の同定ができるようになるには、かなり慣れる必要があるみたいです。
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