家の近くのむし探検 オドリバエ、ヒロクチバエほか
家の近くのむし探検 第58弾
マンションの廊下と違って、野外はやはり虫が多いですね。でも、それが面白くて、暇ができるとつい見に行ってしまいます。3日前に公園で見た虫の続きです。
この日はこんなアクロバットをしているオドリバエのカップルがいました。
これは前から見たものですが、2匹とも頭を少し持ち上げたので、こんな写真になってしまいました。翅脈がよく見えないので属までは分かりませんでしたが、この日はこんなカップルを2組見ました。(追記2016/05/31:翅脈がよく見えないと書きましたが、そんなことはないですね。たぶん、この間と同じHybos属(モモブトセダカバエ属)みたいです。「日本昆虫目録第8巻」によると、この属には未記載種4種を含め9種が載っています。記載種5種については「原色昆虫大図鑑III」に検索表が載っています。しかし、脚全体が黒という種は載っていません。未記載種の一つなのか、まったく違う種なのか、それとも属への検索で間違ったのか、今のところ、よく分かりません)
次はこんなハエです。たぶん、この間見たヒロクチバエ科のハエですね。ヒロクチバエ科については旧北区(日本を含む)の属への検索表が次の論文に載っていました。
V. A. Korneyev, "A Key to Genera of Palaearctic Platystomatidae (Diptera), with Descriptions of a New Genus and New Species", Entomological problems 32, 1 (2001). (ここからpdfがダウンロードできます)
この検索表を訳してみたのですが、その途中までで属がだいたい分かりました。
上の写真から翅の部分を拡大してみます。
さらに翅の基部を拡大します。
まず、腹部が細長いので1bを選びます。次にbcu室がアーチ状の脈で閉じているので2bを選びます。さらに、bm室が斜めの脈で閉じている(矢印)ので、Lamprophthalma属になります。「日本昆虫目録第8巻」によると、この属にはL. japonica(ヒゲナガヒロクチバエ)とL. sp., Tamaki 1997の2種が載っているのですが、後者は埼玉県昆虫記2, 126 (1997)に載っています。なぜか、この本が手元にあるのですね。早速、見てみると、埼玉県で採集した個体がこの属の模式種L. metallicaとは異なっているが、日本産のL. japonicaが未入手のためにspとしたと書かれていました。特徴も書かれているのですが、たぶん、L. japonicaではないかと思われます。Korneyevの論文には、L. japonicaの翅の絵も出ているのですが、前縁部分と翅端部分がうっすらと色づいています。以前、マンションで見たときはかなり濃い色でした。今回のはうっすら色づいているだけでほぼ透明に近いのですが、たぶん、変異の範囲内なのでしょうね。いずれにしても何匹か採集しないとはっきりしたことは分かりませんね。
後はシマバエらしきハエ。
それにこのハエ。こんなハエ、いつ撮ったのだろう。
この日はそのほか、面白いものが見られました。ツツジコブハムシのカップルです。以前、菅井 桃李さんが縦と横だといわれましたが、まさにそんな恰好になっていますね。カメラを近づけたら、こんな恰好のまま動き始めました。
邪魔をしてしまったのですが、本当に面白いカップルですね。
これはキイロテントウです。草を登ってきたので、上から撮ったらこんな姿に写ってしまいました。
クサカゲロウ、よく見ますね。
顔を拡大。クロヒゲフタモンクサカゲロウかな。
こちらは別の種。
スズキクサカゲロウかな。
こちらはカゲロウ。翅を広げて止まるのは、フタバコカゲロウですね。さらに、♀亜成虫のようです。
小さなカマキリがいるのですが、どうやって見分けたらよいのか分かりません。○○知恵袋みたいなところを見ると、胸の斑紋の色でオオカマキリかチョウセンカマキリが見分けられるそうです。今度、見てみます。
後はクモです。これはキハダカニグモ。
ギンメッキゴミグモ。
この凄まじい光景を演じているカニグモは誰だろう。
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