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家の近くのむし探検 ハエ3種

家の近くのむし探検 第51弾

一昨日の公園でのむし探検の結果ですが、この日は面白いハエがいたので、まずそれから出そうと思います。





初めはまずこの強烈な写真から。オドリバエの仲間が何か小さな虫を捕まえて体液を吸っているところです。下の写真をよく見ると、黒くて長い口吻が虫に刺さっている様子が分かります。薄茶色の虫のすぐ右にある黒い太いものは、実はオドリバエの後脚で、その腿節の内側に太い剛毛が並んでおり、たぶん、捕獲脚になっていると思われます。ツツジの葉っぱの先に止まっているので、葉の刺から大きさが分かるかもしれませんが、結構、小さいです。



これは単独での写真です。胸背の白いごみから同じ個体であることが分かります。この写真から翅脈がよく見えます。



その部分を抜き出しました。オドリバエについては、「双翅目(ハエ目)昆虫の検索システムに関する研究」という三枝豊平氏の科研費の報告書(この題目で検索するとpdfがダウンロードできます)を見ると詳しい説明と検索表が載っています。これを使って検索をしてみると、Hybos属になりました。検索表のうち、その部分の項目だけを抜き出すと次のようになります。


(三枝豊平、「双翅目(ハエ目)昆虫の検索システムに関する研究」から抜粋)

翅脈と翅室の名称は写真を見てください。Cu1室がこの写真ではcua室になっているところを除けば、この写真でほとんどの検索ができます。まず、前脚は普通の脚です。次に翅に中室があり、そこからM1+2とM3+4という2本の脈が出ています。上から2番目の写真を見ると、やや長い口吻が前を向いていることが分かります。cua室は第2基室より長いことは明らかで、また、M脈の基部(Mと書いておきました)があることも確かです。Rs脈については相対的な表現なので、この写真だけではよく分かりません。というので、やや不確定なところもありますが、ほぼ間違いなく、Hybos属になりました。こんな風に写真から属の同定ができるとちょっと嬉しくなります。(追記:
Hybos属はモモブトセダカバエ属のことで、「日本昆虫目録第8巻双翅目」によると、sp4種を含めて9種が載っていました




次はこの綺麗なハエです。一応、採集してきました。これもこの写真から翅脈が読み取れます。



この写真だけではちょっと検索はできないのですが、たぶん、アシナガバエ科です。さらに、MND(Manual of Nearctic Diptera)Vol. 1を見ると翅脈との比較からGymnopternus属が候補に挙がっています。ポイントはM1+2脈が途中で少し上側に湾曲しているところと、最終的にはR4+5脈と平行になっているところです。MNDには属の検索表があるので、今度、試してみます。



次はこのハエです。実は、以前にも似たような個体を見ていました。初めて見たときはイエバエ科のPygophora属だとMSWiさんに教えていただきました。その後、自分でも検索をしてみた結果、MSWiさんのお見立て通り、Pygophora属になりました。そのときに使った検索表は次の通りです。


(「一寸のハエにも五分の大和魂・改」に載っていたハナレメイエバエ亜科の属の検索表から抜粋)

大変長いのですが、これだけ調べるとPygophora属であることが分かります。上の写真でこれらの項目を見てみると次の通りになります。



額内剛毛とか後脚脛節剛毛とか翅脈はこの写真からだいたい分かります。ただ、分かる部分は上の検索表の赤字で書いた部分だけでした。もう少し写真を工夫しないといけないなと猛省しました。少なくとも、胸の側面の写真、脚の脛節刺を写した写真が必要です。

写真だけからで同定するのは、よほどその種類を知っている人しかできないですね。というのは、初めての種だとどこを撮ってよいのか分からないからです。うーむ。何かちょっと矛盾していますね。
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