家の近くのむし探検 「変わったハエ」ほか
家の近くのむし探検 第24弾
昨日の続きで、家の近くの公園で見た虫です。昨日はコデマリの花に集まる虫を調べていたのですが、公園の中も歩いてみました。そうしたらツツジにこんな変なハエが止まっていました。
左側からと右側から撮ったものです。背中を曲げ、頭は丸く、触角はほとんど見えないくらい小さいですね。初め何かなと思ったのですが、覆弁があるのでたぶんハエだなと思って撮ってみました。採集したので、検索をしてみればよいのですが、一応、「変なハエ」というキーワードで画像検索してみました。すると引っ掛かりました。どうやら、コガシラアブ科のセダカコガシラアブの仲間のようです。セダカコガシラアブで検索するといっぱい引っ掛かりました。皆さん見てられるのですね。
「日本昆虫目録(2014)」で調べてみると、コガシラアブ科にはAcrocerinaeとPhilopotinaeという2亜科が日本に分布しているようです。この違いはよく分からないのですが、MNDを見ると、検索表の最初にPhilopotinaeの項目が出てきました。
後前胸背板が強く発達して、盾板の背側を両側から覆う Philopotinae
となっています。後前胸背板については、「原色昆虫大図鑑III」のハエ目にも図が載っていますが、普段は盾板の前縁の下に隠れている部分です。これが発達しているというのがよくは分かりませんが、MNDに載っている図を参考にしてみると、次の図で示した部分のようです。
確かに盾板の前側を覆っているように見えます。したがって、Philopotinaeらしいということが分かりました。この亜科には日本産はOligoneura属だけが記録されていて、「日本昆虫目録」には全部で8種載っています。そのうち本州には5種分布しているようです。記載論文を見てみようと思って調べてみると、
E. I. Schlinger, "The Acroceridae of Japan, Part I. Resurrection of the philopotine genus Oligoneura Bigot, with a revision of the Japanese species and descriptions of seven new species", Pages 185-200 in Entomological essays to commemorate the retirement of Professor K. Yasumatsu. Hokurykan Publishing, Tokyo (1971).
という退官記念論文集の中に載っているようです。この本をCiNiiで探すと14大学図書館にはおいてあるようですが、近くの大学にはありません。どうやらまた文献の壁にぶつかったようです。ということで、とりあえずOligoneura属の一種というところまでです。このアブはクモに寄生するので、spider fliesとも言われています。
ハエ目のついでにこの綺麗なハエも出しておきます。翅脈のM1脈の曲がり方からイエバエかなと思うのですが、採集できませんでした。
こちらは小さなハエを趣味的に撮っただけなので、科もよく分かりません。
こんなハエがクモの巣に引っ掛かっていました。翅脈からはクロバネキノコかなと思ったのですが、眼を拡大してみます。
左右の複眼が中央で接しているように見えます。クロバネキノコでいいのかな。
後は、この間から見ているセグロカブラハバチ。
そして、これはこの間調べた
それにナミマガリケムシヒキ。
ヒメナガカメムシ。
これはツマグロオオヨコバイあたりのの幼虫でしょうね。
それにマイマイガの若齢幼虫。
最後は民家の門柱にいたシラヒゲハエトリでした。
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