廊下のむし探検 タマナギンウワバ?
廊下のむし探検 第803弾
何だか暖かい日が続いていますね。今頃になって秋の蛾がいろいろと出てきたみたいです。
模様がいつもと違うなとは思ったのですが、ぱっと見てよく分かりませんでした。白い点が離れていること、外縁に沿って明るい線が走っていることなどから、タマナギンウワバかなと思ったのですが、ちょっと自信はありません。「標準図鑑」によると、成虫は4~5月から9月に見られることが多いが、暖地では通年見られるというので、ひょっとしたら今頃でも出るのかもしれません。昔の私の記録を見ると、3月に1頭採っているだけでした。
こんなハチがいました。たぶん、ヒメバチ科のトガリヒメバチ亜科かなと思うのですが、今、別のハチを抱えているので今回はパスです。
後はハエばかりです。小さいですが、綺麗なハエですね。捕まえなかったので何科かは分かりません。(追記2016/01/03:そらさんから、「三枚目の写真のハエですが、ショウジョウバエ科のルリセダカショウジョウバエが怪しいと教えて頂いたことがあります。」というコメントをいただきました。確かにこの名前で検索すると似た写真が沢山出てきました。皆さん、興味をお持ちだったのですね)
(追記2016/01/03:上の写真をもとに、「絵解きで調べる昆虫」の中の検索表を使って、科の検索を行ってみました。
この写真は翅脈に名前をつけたところです。ポイントは肩切目とsc切目という2つの切目が前縁脈Cにあるところです。このことを用いて検索をしていくと、ショウジョウバエ科にだいぶ近いところまで行くことができます。Sc脈がこの写真では見えないので最終的にはよく分からないのですが・・・。たぶん、ショウジョウバエ科でよいのでしょう。ルリセダカショウジョウバエの学名はLiodrosophila aerea Okada, 1956なのですが、次の本が記載論文になっていました。
T. Okada, "Systematic study of Drosophilidae and allied families of Japan", Gihondo (1956). (ここからpdfがダウンロードできます)
それにしてもショウジョウバエの世界はすごいですね。日本ショウジョウバエデータベースというサイトがあって、この本を初めてとして、過去に遡っていろいろな記載論文が集められていました。上の本の中で、属の検索表も載っていました。全部を確かめることはできないのですが、Liodrosophila属に至るちょっと前の辺りだけを見ると、この写真の様に中胸背板が盛り上がっているのはキノコショウジョウバエ(Mycodrosophila)属とセダカショウジョウバエ(Liodrosophila)属があるみたいです。ただ、キノコショウジョウバエ属はC脈がsc切目に達する端が膨れるのですが、セダカショウジョウバエ属は膨らまないようです。この写真では膨らんでいないので、セダカショウジョウバエ属でよいのかもしれません。また、「日本昆虫目録 第8巻 双翅目」によると、セダカショウジョウバエ属には5種記録されているのですが、このうち、本州にいるのは1種、ルリセダカショウジョウバエだけのようです。上の本にはこの種の細かい特徴も載っているのですが、これはまた採集した時に調べてみます。いずれにしても、そらさん、貴重なヒントをどうも有難うございました)
これは両方共クロバエ科かな。
それに例によってヌカカ。最近、多いですね。(追記2018/02/15:コメントをいただき、Forcipomyia属らしいことは分かりました。まだ、調べていないのですが、一応、そのように記録しておきます)
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