家の近くのむし探検 甲虫、蛾ほか
家の近くのむし探検 第438弾
10月8日にいつもの道路脇の茂みで探した虫の続きです。
まずは道路脇に行く前にマンションの廊下で見つけた虫です。種名までは分からないのですが、マツノシラホシゾウムシの仲間です。
それにウスベニコヤガです。
道路脇に着いて、すぐにがさっと音がして足元の枯葉の中を何かが動きました。すぐに枯葉をのけたらこんなコオロギがいました。オカメコオロギ類の♂です。本州産のオカメコオロギ類にはハラオカメ、タンボオカメ、モリオカメがいて、なかなか見分けが付きません。♂にはいくつか違いが見られるのでちょっと調べてみました。
松浦一郎、「日本産オカメコオロギ属(Loxoblemmus: Orthoptera) 近似種の分類」、New Entomol. 37, 17 (1988).
この論文がハラオカメとモリオカメの記載論文になっています。この論文の中で、オカメコオロギ類は、①♂の前翅末端の網状部、②若齢幼虫の触角の白色部の有無、③鳴き声の特徴で見分けられるとされていて、♀では識別点はないということです。幸い、これは♂なので、この写真から前翅末端の網状部を調べてみることにしました。論文の前翅末端に関する記述ではそれぞれ次のようになっています。
ハラオカメ:前翅末端は丸みを帯びていて、網状脈のところは短い
タンボオカメ:前翅の先端網状部は短く、ハラオカメに比べてやや丸みを帯びている
モリオカメ:前翅の末端網状部はとがっている
この写真を見る限り、前翅末端は尖っていて、網状部は論文の絵のように広くなっています。これからだけで判断すると、これはモリオカメコオロギかなと思いました。よく分かりませんが・・・。
次はクモです。何かを捕まえていますが、後体節腹面の模様からシロカネグモ類の♀のようです。折角、「日本産クモ類」を買ったので、調べてみようと思ってちょっとだけ見てみました。
写真のピントが一部しかあっていなかったので、2枚の写真をくっつけています。各部の名称を書き入れようと思ったのですが、気門を始めとしてよく分からないところが沢山あります。とりあえず、外雌器で区別できるということなので、その部分を拡大してみました。
あ~ぁ、これでは何が何だか分かりません。外雌器の絵は、昔、古本屋で買った「原色日本蜘蛛類大図鑑」(保育社、1968)の方が分かりやすいのですが、それでもこれでは駄目です。何となくチュウガタシロカネグモに似ているような感じですが・・・。クモは前途多難です。
これは、刈田敏、「フライフィッシャーのための水生昆虫小宇宙PartI」の写真と比べてみると、シロタニガワカゲロウ♀とよく似ています。
写真を撮った時は共にギンバネヒメシャクだろうと思ったのですが、後で見てみると、翅の色がやや茶色っぽいし、翅形もちょっと違うような気がしてきました。でも、斑紋を見る限りはギンバネみたいなので、やはりギンバネヒメシャクかなと思っています。
これはツマグロキンバエ。
ササキリ♀。
たぶん、ヤドリバエです。実は、この日は先日見たヤドリバエの採集が主目的でした。というのは、フトツリアブさんに、ヤドリバエ科の検索表を教えてもらったからです。この検索表は検索項目が549もあって、挑戦することさえ恐ろしいものだったのですが、その時に候補として教えていただいたThelaira属が実は14項目で到達でき、全部で7項目を調べればよいだけなので、何とかなるかなと思ったからです。でも、この日はこのハエだけで、肝心のハエはいませんでした。
これはハグロハバチだと思われます。ハグロハバチは以前調べたことがあって、その時の写真と見比べながら調べてみたら、たぶん、同じだろうと思いました。
これはワキグロサツマノミダマシ。
それにハムシダマシ。
道路脇の茂みを離れ、川の土手に行ってみました。アリがせわしなく動き回っているのですが、それに交じってこんなコバチの仲間も動き回っていました。ちっとも止まってくれないのではっきりとは写りませんでしたが・・・。
それにイボバッタ。そういえば、この間、中学生が捕まえたマダラバッタの検索が残っているなぁ。発音器と摩擦器がどれだかよく分からなくて止まっています。
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