FC2ブログ

朝の散歩3

4日前の10日の朝、散歩に行ったときにちょっとだけ写真を撮りました。普段は歩くことを中心にしているのですが、最初に写真を撮るとついついその勢いで撮ってしまいます。





歩き始めてすぐ、道路わきの法面にあまりにユリがいっぱい咲いていたので、ついつい写してしまいました。これについては、先日、帰化植物として広がったタカサゴユリとテッポウユリの自然交配種か、両者を人為的に交配して作った栽培種シンテッポウユリをワイルドフラワー緑化工法で植えられたものが広がったという説があることを紹介しました。この写真の近くではタカサゴユリは見られず、この白いユリだけが異常に多いので、私は後者の可能性が高いかなと思っていました。でも、緑化の一環でシンテッポウユリを植えたという記録はネットでは見つかりませんでした。ということで、今のところはっきりしていません。

ところで、タカサゴユリについて次のような論文を読んでみました。

稲垣栄洋、「タカサゴユリ (Lilium formosanum Wallace) の自殖性について」、雑草研究47, 147 (2002). (ここからダウンロードできます)

この論文は一つの花の中の花粉の数と種(胚珠)の数との比を使って、自家受粉が行われているかどうかを推定し、また、花を袋で覆って、他家受粉を防いで自家受粉だけさせてその出芽率を調べたりというようないろいろな実験をした結果を報告したものです。まず、花粉と胚珠の数の比はP/O比といって、自家受粉をどの程度行っているかという目安になります。自家受粉ではそれほど花粉を多く作る必要がないのでP/O比は小さく、他家受粉では逆に花粉を多く作らないといけないので比は多くなります。それを調べた研究がありました。

R. W. Cruden, "Pollen-Ovule Ratios: A Conservative Indicator of Breeding Systems in Flowering Plants", Evol. 31, 32 (1977).(ここからダウンロードできます)

多くの植物でこの比を求めて平均をとると、次のように分類できたそうです。



稲垣氏はLilium属に属するササユリ、テッポウユリ、シンテッポウユリ、タカサゴユリについて調べたところ、それぞれ、886、725、305、186になったと報告しています。ササユリは自家受粉では種になる率が低下し、テッポウユリでは自家不和合性(自家受粉できない性質)を持っているので、共に、他家受粉が主流になっています。上の表に当てはめると、共に部分他殖性となりました。これに対して、タカサゴユリは部分自殖性になり、自家受粉がかなり盛んに行われていることを示唆しています。一方、シンテッポウユリはテッポウユリとタカサゴユリの中間の性質を示したことになります。

タカサゴユリでは自家受粉でも矮小化することなく、他家受粉よりはむしろ茎数が多かったそうです。これに対して、発芽率は自家受粉の方がやや小さく、その代り、冬の低温を経験しないと発芽しない休眠性を示す種が多かったそうです。このように自家受粉の割合の多いことがタカサゴユリが帰化植物として広まった大きな原因になっていると推測されます。この研究の結果からだと、シンテッポウユリよりタカサゴユリの方がはるかに繁殖は盛んに行われるような気がしますが、上の写真のように白いユリばかり見られるのは、やはり、シンテッポウユリを人為的に広めたからということなのかもしれません。



散歩で歩いていると、道路にこんな足跡がいっぱいついていました。これはシカの足跡なのかな。それにしても数が多い~。



最後は道で死んでいたタマムシです。
スポンサーサイト



プロフィール

廊下のむし

Author:廊下のむし

カテゴリ
リンク
最新記事
最新コメント
カウンター
月別アーカイブ