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廊下のむし探検 蛾

廊下のむし探検 第1024弾

8月5日にマンションの廊下で見た虫の続きで、蛾ばかりです。



まずはゴマケンモン。これまで5-6月と8月に何度か見ていました。



これはウスベニトガリメイガ。いつもは天井に止まっているのですが、この日は床の上だったので拡大して撮れました。



これはこの間から何度か見ているプライヤハマキ



それから苦手なヒメシャク。これはマエキヒメシャクだろうと思います。



で、これは何だろう。Idaea属みたいなのですが、斑紋がはっきりしません。それで、いつも迷うウスモンキ、オオウスモンキ、ウスキ、オイワケ、サクライキの5種の翅の特徴を部位別にまとめてみました。



①は日本産蛾類標準図鑑に載っていた記述から、②は日本産蛾類大図鑑に載っていた記述を載せています。こうやってまとめてみるとちょっと分かった気がします。



ついでに各部の名称を書き入れてみました。外横線が各脈上で濃色になるオイワケとサクライキはとりあえず違いそうです。また、外横線が直線状のオオウスモンキも違いそうです。後翅外横線が内入し、外縁に黒点列のないウスモンキも違いそうです。だとすると、ウスキなのですが、ウスキは外横線が明瞭なので、それとも違うようです。でも、その他の特徴は合っているようなので、ひょっとして外横線の薄い個体があるのかなと思ったのですが、どうだか分かりません。



これはミドリリンガです。独特の深い緑色をしていますね。以前、アオシャクの緑色について調べたことがあったのですが、それとは違うような気がします。誰か調べているかなぁ。



こちらはボクトウガ



これはコヨツメアオシャク



それにシロオビノメイガ



今日の目玉はこれかな。初めゴマフリドクガかなと思って撮ったのですが、黒い点の範囲が限定されているし、触角の軸が黒いのも気になります。それで、図鑑を調べてみて、クロモンドクガ♀ではないかと思いました。だとすれば、初めて見ることになります。





最後はオオミズアオです。こういう大型蛾は以前はよく見たのですが、最近は本当に少なくなりました。一昨年1匹、昨年は0、今年はこれが初めてです。それ以前は年に3-4度見ていたのですが・・・。
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虫を調べる ヒラズオオアリ♀有翅アリ(続き)

昨日の続きで、ヒラズオオアリの♀有翅アリの検索です。実は、昨日のところまではうまくいったのですが、その先はさっぱりうまくいきませんでした。



ヒラズオオアリの♀有翅アリというのはこんなアリです。体長は6.4mm。中型の大きさです。


昨日は「日本産アリ類図鑑」に載っているヤアマリ亜科の属への検索表を、近畿地方に生息する属だけに限り、また、有翅アリでは中胸が発達するので、前・中胸、前伸腹節の形態に関する項目を除いて作った検索表を試してみました。赤字はその変更部分です。ヒラズオオアリの場合、この検索表を用いて、①b→②b→③a→④b→⑥bと進みました。実は、④で前伸腹節気門の形はこれまで見てきた有翅アリが斜めになったスリット状だったので、円形だったのは今回が初めてでした。それで、それから先がどうもうまくいきません。



やはり赤字で書いた部分は変更部分です。とりあえず、最初に注目したのは、⑦にある後胸側腺の開口部です。日本産アリ類画像データベース」に載っている♂アリ用の検索表では、オオアリ属とケアリ属を分ける形質に使われていたので、これは使えるかもと思って書いてみました。確かに、オオアリ属に後胸側腺の開口部がないことは、「日本産アリ類図鑑」のオオアリ属の項にも載っています。



これは前伸腹節の部分を拡大した写真ですが、黄矢印で示した部分に通常、穴が開いていていますが、この個体にはありません。後胸側腺はアリに特有の分泌器官で殺菌性のある液体を分泌するとされています。それを少し調べてみようと思って、以前、ダウンロードした論文を読んでみました。

S. H. Yek and U. G. Mueller, "The metapleural gland of ants", Biol. Rev. 86, 774 (2011). (ここからpdfが直接ダウンロードできます。また、supporting materalはここから直接ダウンロードできます)

これは後胸側腺について書かれた最近の総説で、この中のsupporting material(付録のようなもの)に後胸側腺の有無が種別に出ていました。種数としてはわずかなのですが、オオアリ属は働きアリ、女王アリ共にほとんど後胸側腺がないことが分かります。一方、ケアリ属の働きアリと女王アリも意外にないものが多いことが分かりました。アメイロアリ属、サクラアリ属については分かりません。それで、とりあえず⑦aの項目はどうも使えないようです。

そうなると、もうどうしてよいのかよく分かりません。アメイロアリ属とサクラアリ属は小型なので、大きさから見分けられるかもしれませんが、ケアリ属は中型なので、大きさからでは区別が付きません。「日本産アリ類図鑑」の検索表には、ケアリ属は一般に前・中胸背板に軟毛や剛毛が乱立するという項目が書かれています。♀有翅アリは中胸背板が発達するので、とりあえず、ここを中胸背板にして、その違いで区別ができないかと思いました。ただ、オオアリ属にもケブカ〇〇という毛の多い種がいるので、一概には区別できません。



とりあえず、この個体の中胸背板には黄矢印で示したところに毛が生えているだけで、他は殆ど生えていません。それで、ケアリ属ではないだろうと思われ、また、大きさが中型なので、アメイロアリ属やサクラアリ属でもないだろうと思って先へ進むことにしました。



次のオオアリ属の種への検索表はやけに簡単です。この一行でヒラズオオアリになることが分かります。



これは頭部を横から撮ったものですが、黒矢印で示すように前方が切断されたような形になっています。ということで、こんな行先が分かった種でも、なかなかうまく行きませんでした。

B. E. Boudinot, "The male genitalia of ants: musculature, homology, and functional morphology (Hymenoptera, Aculeata, Formicidae)", J. Hymenoptera Res. 30, 29 (2013). (ここからダウンロードできます)

以前、紹介したBoudinotの♂アリの論文には、全世界で12800種いるアリ科のうち、♂アリが記述されたのは約27%の種しかなく、1/4の属では♂アリが分かっていないそうです。♀有翅アリについては属の検索表も見つからないので、たぶん、それ以下の状況ではないかと思います。なかなか難しいですね。まぁ、焦らないでぼちぼちやっていくことにしましょう。

ついでに検索に使わなかった写真を載せておきます。



これは頭部をやや上から撮ったものです。頭部前方が切れ落ちているというところが絶壁のように見えます。



これは顔の拡大です。頭盾の形をはっきりさせようと思って撮ったのですが、検索には使いませんでした。



それから、翅です。翅脈の名称は次の論文を参考にしました。

K. S. Perfilieva, "Trends in Evolution of Ant Wing Venation (Hymenoptera, Formicidae)", Zoologicheskii Zhurnal 89, 965 (2010). (ここからダウンロードできます)

ついでにこの論文に載っているやり方で翅脈の型を決めてみました。IVeという型になります。決め手は矢印で示すところで翅脈がほぼ1点で交わっていることと、R1とRs+Mで囲まれた翅室がほぼ長方形になっていることです。この型はヤマアリ亜科には多いのですが、ほかの亜科で同じ型のものもいるので、亜科も決められません。



最後は腹柄節を撮ったものです。

今回は近畿地方に生息する種に限った♀有翅アリの検索表を何とか作ろうと思って、名前の分かった種で検索を試みてみました。でも、属の検索のところでつまづいてしまいました。なかなか難しいですね。アメイロアリ属、サクラアリ属、ケアリ属の♀有翅アリがいるといいのですが、どれがそれだかさえ分からないし・・・。
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