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廊下のむし探検 甲虫

廊下のむし探検 第1011弾

6月24日にマンションの廊下で見つけた虫の続きです。所用で昨日から奈良に行っていました。夕方やっと帰ってきて、急いで虫の名前を調べ始めたのですが、慌てて調べたので違っているかもしれません。



初めはこの甲虫です。ヒゲナガゾウムシの仲間です。「原色日本甲虫図鑑IV」の図版を見ていくと、Ozotomerus属辺りが似ています。図鑑にはマダラツツヒゲナガゾムシ、ウスモンツツヒゲナガゾウムシ、フタモンツツヒゲナガゾウムシの3種が載っています。説明を読むと、前胸側隆条に特徴があるようです。この写真をよく見ると、側縁に黒い筋が途中まで走っています。たぶん、これのことかなと思いました。マダラは前縁角まで達し、ウスモンとフタモンは先端の1/3にまで達するというので、この個体は後2者の方です。このうち、フタモンは上翅に明瞭な黒紋があるのが特徴なので、たぶん、残ったウスモンツツヒゲナガゾウムシ Ozotomerus japonicusではないかと思っています。さらに、♂触角第4節が異常に大きいのも特徴です。これは大きくないので♀のようです。過去の記録を見ると以前は♂の方を見ていました。



キイロテントウは間違いないでしょうね。



これも問題のゾウムシです。図鑑の図版と比べてみたのですが、マダラメカクシゾウムシ Mechistocerus nipponicus辺りが似ている感じなのですが、「前胸中央に明瞭な隆起条があり、腿節基部の灰色部分が中央を越えない」という説明のいずれも合いません。やはり違うのかもしれません。





これはたぶん、アカタデハムシ



これも問題です。まず、形からはジョウカイモドキであることは確かそうです。全体の形・色や脚の色などを参考に探してみると、ヒメジョウカイモドキ Nepachys japoicus辺りが似ていそうです。説明に「尾節板の先端は♂では深く切れ込み、♀では中央が溝状にくぼみ、先端はわずかに湾入する」とのことです。この写真をよく見ると、尾節板の先端に溝があるようにも見えます。ひょっとしたら、ヒメジョウカイモドキ♀かもしれません。



またまた難問です。これも絵合わで調べてみたのですが、ニセキクイサビゾウムシ Dryophthoroides sulcatusというオサゾウムシ科ではないかと思ったのですが、どうでしょうね。今日はとりあえずここまでにしておきます。
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廊下のむし探検 蛾

廊下のむし探検 第1010弾

6月24日にマンションの廊下を歩いてみました。梅雨時はやはり蛾が多いですね。この日だけでも20種ちょっといました。その中には図鑑を見ても分からないのも。



見た順に書いていきます。これは家のすぐそばの廊下の壁に止まっていました。この間から何度も見ているカノコガです。



そのすぐ横にはアカシマメイガがいました。



これもそのすぐ横にいました。ウスギヌカギバです。廊下を歩き始めてわずか10mほどの間で3匹もいたので、幸先がいいですね。



でも、羽アリはいたものの意外に見つかりません。やっと廊下の端っこでこんなハマキガを見つけました。斑紋がえらくはっきりしていたので、図鑑を見てみました。でも、いつものトビモンハマキ Gnorismoneura mesofomaみたいです。最近、「図鑑もどき」を作っているので、後の整理のために図鑑を調べたときには極力学名を書いておくことにします。



ここで階段を降りました。その途中でこんな蛾を見ました。メイガは確かなのですが、斑紋がはっきりしないので、ほとんど迷宮入りになりそうでした。今朝、ちょっと写真のコントラストを上げてみました。



そうしたら斑紋が少し見えてきました。これを手掛かりに探すと、Pleuroptya属と似ているようです。その中でも、外横線の曲がり方とか、外縁の帯とか、中室の点の形などがウスイロキンノメイガ Pleuroptya punctimarginalisと似ている感じです。よく分かりませんが・・・。





階段の踊り場にこんな蛾が止まっていました。どこかで見たことのある蛾です。調べてみると、ギンシャチホコ Harpyia umbrosaというシャチホコガ科の蛾でした。記録を見ると、「廊下のむし探検」では初みたいです。



次の階の廊下を歩き始めました。これはできたら写したくない蛾です。マエグロホソバ♀とヨツボシホソバ♀という殆ど区別のつかない蛾がいるからです。とりあえず、翅脈を見ると違いが分かることになっています。これについては以前、標本を使って調べたことがあります。一応、見てみるかぁ。



翅脈の位置があまりはっきりとは分からないのですが、何となく名前を付けていくとM2脈がないようです。だとすると、マエグロホソバ。よく分かりませんが・・・。



撮った時はいつものシバツトガだろうと思っていたのですが、どうも違う感じです。だとすると、クロフタオビツトガの方かな。



これはクロスジノメイガ



マンションの下の階に近づくと何となくハグルマエダシャクが増えてきます。この日は4匹も見ました。



これも見たくない蛾です。綺麗なのですが・・・。ほとんど外観では区別がつかないのが6種ほどいます。この個体は横脈上の黒環がはっきり見えるので、ヒトスジ、クロ、ヘリグロ、ヒメの4種のうちのどれかというところまでです。



これはフタホシシロエダシャク Lomographa bimaculata。





これはたぶん分からないだろうなと思って撮ったのですが、やはり分かりませんでした。丸い感じの翅やら、オレンジ色の毛状の鱗粉が見えていますが・・・。



1階に着くと蛾がいっぱいいます。模様がはっきりしたエダシャクで、ウスクモエダシャク Menophra senilisです。これまでに見たのかどうか自信はなかったのですが、調べてみると、やはり「廊下のむし探検」初でした。「廊下のむし探検」も5年半ちょっと。蛾も1000種を越えたので、そろそろ尽きてきたかなと思ったのですが、この日だけでも2-3種増えました。



これはこの間も見たモンシロルリノメイガ



これはたぶん、オオウスベニトガリメイガではないかと思うのですが、どうしてこんなにも色褪せたのだろうか。



これは小さな蛾です。写したときはてっきりホソコヤガの仲間だと思ったのですが、図鑑を見てもそれらしいのが見つかりません。もっとも図鑑の写真が小さすぎてよく分からないのですが・・・。ということで、今のところ、迷宮入り寸前です。



これはマンションの入り口のガラス戸に止まっていました。ガラスに斜めからフラッシュの光を当てると光が反射してこないので真っ黒に写り、こんな写真になってしまいます。キバラエダシャクです。



これは先ほど♀らしきのがいたマエグロホソバの♂の方です。



これは隅に止まっていたアカシマメイガです。



それにホタルガ



これはハナオイアツバ Cidariplura gladiataと



アオアツバです。いずれも天井に止まっていました。これでやっと蛾が終わりました。残りは次回です。

虫を調べる ミズアブ科Cephalochrysa属?

ミズアブは綺麗なので、何とかして名前を調べてみたい虫の一つです。このところ、田植えや水遊びやらで水際で虫探しをする機会が多かったので、ミズアブをよく見かけました。今回は頑張って調べてみました。



今回対象にしたのは6月22日に見つけたこのミズアブです。左右の複眼がくっついているので♂です。この個体は採集して冷凍庫に入れておいたのですが、先日、取り出して調べてみました。時々、利用させていただいている「ミズアブ図鑑」を見ると、Sarginae亜科のMicrochrysa属辺りに似たような種が見られます。そこで、その辺りかなと思って調べてみました。

検索表は次の論文のものを用いました。

A. Nagatomi, "The Sarginae and Pachygasterinae of Japan (Diptera: Stratiomyidae)", Transactions of the Royal Entomological Society 126, 305 (1974). (ここからダウンロードできます)

この検索表は以前にも使わせていただいたことがあります。その時は♀だったのですが、翅脈からMicrochrysa属らしいことが分かり、そこで止まっていました。今回はもう少し気合を入れて調べてみました。



Sarginae亜科の属への検索表では上の2項目を調べれば、Microchrysa属であることが分かります。それに対抗するCephalochrysa属の項目も入れておきました。いつものように赤字は調べられなかった項目です。実は、この検索表で調べると、Microchrysaではなく、Cephalochrysaらしいことが分かりました。それを写真で確かめていきたいと思います。



まずは全体像です。体長は6.6mmでした。光沢が出ないように虫をトレーシングペーパで囲って照明で照らしているので、一見、光沢がないように見えるのですが、実際は胸部にはかなりの光沢があります。



これは背側から撮ったものですが、腹部が濃い藍色であることが分かります。この写真では合眼的(左右の眼が接していること)であることと腹部が短くて広いことを見るのですが、腹部については相対的な表現なのでよくは分かりません。



①にある"cerebrale"という単語がよく分かりません。ネットで調べたのですが、ほとんど使われていない単語です。それで、たぶん、頭部の後縁を指すのかなと勝手に思って調べてみました。「距離が三角板より短い」という表現も変です。というのは三角板(triangle)は長さではないからです。これを意訳して上のAとBの長さの比較のことかなと思いました。これなら三角板の方が確かに長いので問題はありません。



①の前額は矢印で示した部分だと思いますが、特に隆起はしていません。後から前額三角板という表現も出てくるので、一応、書いておきました。確かに三角形状をしています。口肢はどれだか分かりません。頭状はcapitateの訳なのですが・・・。

追記2018/06/29:複眼が上半分と下半分が何か違うようです。下の方が個眼が小さいし、色も違っています。中央に帯のような区切りもあります。ちょっと調べてみると、トンボも背側と腹側で見える色が違っているという研究が見つかりました(こちら)。産総研での研究です。アキアカネでは、腹側部分で紫外線から赤色の部分を検出して、背側で紫外線から青色まで検出しているそうです。この研究はPNASという雑誌に出されているので一度読んでみます

追記2018/07/12:通りすがりさんから、「この辺のミズアブは綺麗で良いですね。複眼の模様と色は、個眼の違いに因るものでしたか。ヒラタアブでも個眼の大きさに違いがある種があるけど、やっぱり同じ様な働きなのかな。複眼の模様が複雑なハエなんかはどうなってるんでしょうね。」というコメントをいただきました。複眼が上下で違っているという話はよく聞くのですが、個眼の大きさにも違いがあるみたいですね。個眼が小さいということは角度の分解能が高いということで、下を見るときは細かいところまで見ているということかな。複眼の上半分が青っぽいということはその補色の黄色付近を吸収していることで、紫外を除けば黄色付近を検出していることになり、下半分が緑っぽいということはその補色の赤付近を吸収しているということで、意外にトンボの場合と似ているかもしれません



次は翅脈です。これはMicrochrysa属か、Cephalochrysa属かを見分ける重要な項目です。cua室が2つの基室(br+bm)より狭いか同程度かを調べるのですが、実際に測ってみると、1:1.38で確かにcua室がかなり狭くなっていることが分かります。この写真は上にガラス板を載せ、翅をできるだけ平面的にしてから撮影しました。次のM1~M4脈はほぼ翅縁にまで達しています。Microchrysa属では途中で消えてしまうので、この両方の性質はかなり明確にCephalochrysa属であることを示しています。



胸弁はthoracic squamaの訳だったのですが、これがstrap状というのは何のことか分かりませんでした。対抗する項目はfan状だというのですが、この辺は論文に絵が欲しいところです。



体に長い軟毛があるのはこの写真でも分かります。



最後は前額三角板の軟毛が触角第1節と第2節の和より長いかどうかです。次の写真の方がよく分かると思います。



これは触角を拡大したものですが、矢印で示した毛などは確かに触角の第1節と第2節の和より長くなっています。これでたぶん、Microchrysa属ではなく、Cephalochrysa属らしいことが分かりました。「日本昆虫目録第8巻」(2014)によると、この属にはCephalochrysa stenogaster一種だけが記録されていて、分布には本州も含まれています。たぶん、これかなと思っています。

ところで、上の論文に載っている種の各論には細かな部分を計測した結果も載っています。それで、確認する意味で、翅についての計測結果と今回の個体とを比較してみました。



まずは、翅縁に沿って上のi~nまでの長さを測ります。基本的に翅脈が翅縁に達する位置で区切られています。



それから中央にある翅室(中室)の周りの脈の長さを計測します。a~hについては論文ではbの長さを100として規格化しているのですが、一つの長さだけを基準にするとその長さがたまたま違っていたり、異常な値を取った場合には大きな誤差になってしまいます。それで、今回はa~hまでの平均値で規格化して論文の数値と比較してみました。



これがその結果です。横軸が長さを測った部位を表しています。計測した長さは翅脈の中心から中心までです。縦軸は平均値を1としたときの長さです。CsはCephalochrysa stenogaster、MfはMicrochrysa flaviventris、MjはMicrochrysa japonicaを表しています。後二者はMicrochrysa属での候補たちです。赤線が今回の個体についての値ですが、ひいき目に見ると青点線のCsと近いことが分かります。



こちらは折れ線近似で翅縁の長さを測ったものですが、Microchrysa属のM脈は翅縁にまで達していないので、IとJの値しかありません。それで、この場合はJの長さを100と規格化した論文の方式をそのまま用いました。このグラフからは今回の個体の値が青点線のCsと極めてよく合っていることが分かります。こんな長さの比較だけからではあまりはっきりしたことが言えませんが、決定した種が本当に合っているかどうかを確かめるときには少しは役に立つかなと思いました。こんなところから、今回の個体はたぶん、Cephalochrysa stenogaster♂で間違いないのではと思っています。

ついでに、検索に用いなかった写真も載せておきます。



これは胸部背面の写真です。胸背の中央で黒っぽく見えるところは、リング照明を用いているので、照明のない中心部分が黒く写っているのではと思っています。



次は口器です。びっくりするような構造ですね。これで舐めるのでしょうね。



腹部末端を横から撮ったものです。交尾器の構造を何とか知りたいと思って撮ったのですが、結局、よく分かりませんでした。



これは同じ場所を後方から撮ったものです。



それから腹面から撮った写真です。交尾器による検索表も論文には載っているのですが、まだ使いこなせません。これから勉強をしなくては。

家の近くのむし探検 ハチ、甲虫など

家の近くのむし探検 第406弾

6月22日に家の近くのいつもの観察場所に行き、虫探しをしたときの続きです。まだ、あまりよく分かっていないものもいるのですが、とりあえず出しておきます。



最初はこのハチです。後脚腿節が太いので、たぶん、アシブトコバチの仲間だと思うのですが、それ以上は調べていません。



次はコガシラアワフキで、この日は2匹見ました。例年、6月10日ごろから7月10日くらいまで見ています。



この日はこのカシルリオトシブミがたくさんいました。みな、イタドリの葉にくっついてこんな食べ跡を残しています。





ちょっと拡大してみました。



ナガタマムシの仲間です。名前は分かりません。



これはクロウリハムシ





このハチは翅脈からコハナバチ科コハナバチ属らしいところまでは分かりましたが、それ以上は分かりませんでした。



カマキリの幼虫です。オオカマキリか、チョウセンカマキリか、幼虫でも分かるのかな。



これはヒメギス幼虫です。



そして、これはキバネマルノミハムシ



クサギカメムシの幼虫です。2齢か3齢のどちらかなのですが、「図説カメムシの卵と幼虫」によると、後胸背板側縁の2本の突起が顕著な角状だと2齢、鋸歯状だと3齢。これは角状みたいなので、2齢なのかな。



これはルリマルノミハムシ



それにナミガタチビタマムシ。探すとなんだかんだといますね。



これは翅脈を調べていないので、よくは分かりませんが、以前、調べたハグロハバチに似ている感じです。詳しくはこちらこちらを見て下さい。





川の土手に行ったらこんなハムシがいっぱいいました。





中にはこんな色の違うのもいます。これはアオバネサルハムシの色変化でしょうね。「原色日本甲虫図鑑IV」を見ると、頭部、前胸背板、上翅は青、緑、銅、赤、黄色のいろいろな組み合わせがあり、肢も赤褐色から黒色までいろいろな変異があるそうです。



これがついていた植物ですが、図鑑に書いてあるヨモギではなく、たぶん、ベニバナボロギクかなと思ったのですが、どうだか分かりません。



後はいつもの風よけのところを探してみました。これはウロコチャタテ



そして、ヒシウンカの仲間です。この日はこんなところでした。





最後は土手に咲いていたオトギリソウだと思われる花です。

家の近くのむし探検 ハエ、チョウ、クモ

家の近くのむし探検 第405弾

6月22日にいつもの道路脇の茂みと土手にある作業小屋のあたりで虫探しをしました。道路脇の茂みは半日陰になっていて虫探しには好適なのですが、車が通るたびに風が起きるので、写真はなかなか大変です。一方の土手にある作業小屋の隣は畑の風よけのネットが張っていて、近くに用水路も流れているので、虫探し、特に水生昆虫の成虫を探すのに好適な場所です。まだ、整理がついていなくて、とりあえず、ハエ、クモあたりから出すことにします。



最初はこのミズアブです。これは♀なのですが、採集しようとしたら逃げられてしまいました。でも、6月14日に山麓にある茂みで探したときに(たぶん、同じ種だと思うのですが)、それを採集したので、そちらを調べてみました。検索には次の論文に載っている検索表を用いました。

A. Nagatomi, "The Sarginae and Pachygasterinae of Japan (Diptera: Stratiomyidae)", Transactions of the Royal Entomological Society 126, 305 (1974). (ここからダウンロードできます)

予想はハラキンミズアブ Microchrysa flaviventrisだったのですが、検索結果は意外にも、Microchrysa japonica♀の方になってしまいました。この両者の見分け方は、触角第3節が何節に分かれるかだったのですが、たぶん、間違いないのではと思っています。



ついでにこちらも近くにいたのですが、これは両方の眼が接しているので♂の方です。こちらは採集しました。これも検索したのですが、さらに意外なことにこちらはCephalochrysa stenogasterになりました。決め手は体や顔面に生えている毛が長いことです。さらに、後脛節に黒い帯がないこともポイントになりました。これも次回に詳細を載せることにします。でも、たぶん、この辺には似たようなミズアブが2種いるのではと思われます。



これはいつものヤマギシモリノキモグリバエではと思います。このハエについては以前、属の検索をしたことがあります(こちらこちら)。そのときはモリノキモグリバエ属 Rhodesiellaまでは達したのですが、そこでストップです。



このハエは今頃、あちこちの葉に止まっています。イエバエ科のチャバネヒメクロバエです。これについても以前調べたことがありました(こちらこちら)。



これも以前見たことがあります。ツヤホソバエ科のヒトテンツヤホソバエかなと思っているハエです。採集しようと思ってちょっと動いたらさっと逃げてしまいました。



ハエはこのくらいにして、次はハエトリグモです。これはアオオビハエトリ。アリを捕まえているのかな。



これは胴が細長いのでヤガタアリグモ♂かなと思います。



最後のこのクモは「ハエトリグモハンドブック」を見て見つけました。たぶん、ヒトリコゲチャハエトリ



最後はおまけでヒメウラナミジャノメのカップルです。今日はとりあえずここまで。

廊下のむし探検 蛾、甲虫など

廊下のむし探検 第1009弾

6月18日に大阪北部で地震が起きました。私の住んでいるところは大阪北西部で、震源からは少し離れていたので、被害は少なかったのですが、被害の様子を見がてら、18日と19日に廊下をちょっとだけ歩いてみました。



まずは6月18日分です。これは、この間、田んぼから取ってきた水を置いていたら出てきた虫です。小さなカップに入れてシャーレの蓋をかぶせて顕微鏡の横に置いておいたものですが、地震でこぼれていないかと思って様子を見るついでに写真を撮りました。翅の模様に特徴があります。「図説日本のユスリカ」の図版と比べて、たぶん、ヤモンユスリカ♀だと思われます。



これは廊下の様子を見に行ったときに見つけました。たぶん、以前教えていただいたマツアワフキ Aphrophora flavipesではないかと思います。マツアワフキについては、以前、文献を調べたことがありました。採集していないので調べられないのですが・・・。



ここからは6月19日分です。これはコヨツメアオシャク



これはクロオビリンガ。これまでの記録を見ると、5月から10月にかけて何度か見ていました。



そして、これはモンシロルリノメイガ。記録を見ると、これは「廊下のむし探検」初でした。



この手のコケガはよく分かりません。ヤネホソバあたりかなと思ったのですが・・・。



次はこんな甲虫です。てっきり汚れたコアオハナムグリだと思いました。それで、一応、腹面も撮影しました。



でも、これがよかったみたいです。上翅に複雑な模様があるので、念のために「日本産コガネムシ上科標準図鑑」の図版を見てみました。そうしたら、そっくりな甲虫がいました。クロハナムグリ Glycyphana fulvistemmaです。ちょっとびっくりです。念のため、この図鑑に載っている属の検索表で調べてみました。





①と②の2項目を調べると、クロハナムグリ属 Glycyphanaであることが確かめられます。まず、上の写真で中胸腹板突起は普通のハナムグリとは異なり、あまり目立たない扁平な形をしています。また、後基節は明瞭に離れています。また、二枚目の写真で前胸背板後縁に湾曲は見られません。ということで、クロハナムグリ属であることは確かそうです。日本産のこの属にはクロハナムグリとホソコハナムグリの2種が記録されているのですが、外観がかなり違うので、クロハナムグリで間違いなさそうです。





このハムシがまだ分かりません。外観からはサルハムシ亜科のBasilepta属のムナゲクロサルハムシやドウイロムナゲサルハムシあたりが似ているのですが、この両種は前胸背板に剛毛を密生していることになっています。写真で見る限りは剛毛が見当たりません。もしかすると、Pagria属かもと思ってネットを調べると、これについては次のサイトに詳しく載っていました。でも、前胸背板の形はやはり違うようです。採集していたら、何とかなったかもしれませんが、たぶん、採集しなかった・・・。

植物観察会で見た花 II

昨日の続きで、6月17日の日曜日に大阪府北部と兵庫県の県境で行われた植物観察会の報告です。千軒キャンプ場でお昼を食べた後、また、延々と歩きました。





最初はミズキ科のクマノミズキ Cornus macrophyllaです。これは私の家の近くにもあります。今頃が咲き始めのようです。





このシダは歩き始めてからすぐのところにありました。イワデンダ科のイワデンダ Woodsia polystichoidesです。これは初めて見たシダです。シダは以前観察していたので、もっと一生懸命に撮影したらよかったのですが、メンバーがもっと先の方に行っていて落ち着かなかったからか、ほとんど写真を撮りませんでした。ソーラス(胞子嚢群)さえも撮らなかったとは・・・。ちょっと悔やまれます。





クワ科のツルコウゾ Broussonetia kaempferiだそうです。つる状になっているからツルコウゾという説明があっただけでしたが、「樹に咲く花」を見ると、葉の基部が浅いハート型になっているとのことでした。あまりちゃんと写っているのがないのですが、何となくそんな感じです。







午後の部の目玉はこの花かなと勝手に思っています。ムラサキ科のオニルリソウ Cynoglossum asperrimumです。植物体全体は散漫な感じですが、花はしっかりムラサキ科の花でした。



ミカン科のサンショウ Zanthoxylum piperitumがあちこちにありました。やはり強烈な匂いです。参加者は実がないかと探し回り、ないことが分かると葉っぱを取り始めました。



イヌザンショウとは刺が対生であるところが違います。(追記2018/06/27:通りすがりさんから、「サンショウは雌雄異株だから、雌株は既に持ち去られたんでしょうね。山野ではよくあることですが、山に来たと思って民家の庭からでも勝手に持っていったり採っていったりされますね。正しくは盗って…かな。」というコメントをいただきました



これは家の近くでもよく見かけるトウダイグサ科のヤマアイ Mercurialis leiocarpaです。ここでは染料の話がありました。アイはタデ科で、これとは違いますとか・・・。「山に咲く花」を見ると、ヤマアイの葉には青藍の色素を含まないので緑色に染まるとのことです。





用水路脇にミズキ科のハナイカダ Helwingia japonicaがありました。花がないかなと探してみたのですが、見る限りありません。



でも、花の痕跡を残した実が見つかりました。ちょっと見ると虫こぶみたいですが、この写真を見ると、やはり実なんだということが分かります。



すぐ横にはクマツヅラ科のムラサキシキブ Callicarpa japonicaもありました。





「樹に咲く花」によると、よく似ているコムラサキシキブとは花序の柄が葉腋より上につき、葉の鋸歯が上半分しかないことで見分けられるとのことです。また、ヤブムラサキシキブの蕚、茎、葉が白色の軟毛や星状毛で覆われるとのことです。



用水路脇にはユキノシタ科のユキノシタ Saxfraga stoloniferaがいっぱいでした。もう少し近寄ることができれば、花を拡大したのだけど・・・。



道沿いにはキキョウ科のホタルブクロ Camponula punctataがいっぱい咲いていました。





畑にはドクダミ科のハンゲショウ Saururus chinensisがいっぱいでした。たぶん、観賞用に植えてあるのでしょうね。



道は旧丹波街道に入りました。この道はほとんど暗い山道で特に見るべきものはありません。それで、延々と続く下り坂を黙々と降りることになりました。その山道も終わって畑の脇の道になったらサクラソウ科のオカトラノオ Lysimachia clethroidesが咲いていました。





一応、拡大してみたのですが、花よりは小さなアリがいるのが気になります。



最後はシソ科のウツボグサ Prunella vulgaris var. lilacinaです。

これで全行程を歩いたことになります。私より高齢の方がほとんどだと思うのですが、皆さん、不思議とへばりませんね。杖をついておられたり、脚を引きずっておられる方も何人かいらっしゃったのですけど・・・。

植物観察会で見た花 I

6月17日の日曜日に大阪府北部と兵庫県の県境辺りで植物観察会がありました。最近は植物も勉強してみたいと思っているので、極力参加することにしています。私は花の他、虫も撮影しているので、いつも説明には遅れてしまいます。リーダーの声は大きくないので、その周りの数人にしか聞こえません。そこへ、少し遅れて別の人たちがやってくるので、今度は話を聞いた人からその人たちに名前が伝えられます。そこへ、また遅れた人たちがやってきます。次々とこんなことをして、私が行ったときには何人か伝わった後の名前になっています。それで、たいがい、ちょっとおかしな名前になっています。家に戻ってから、図鑑で調べ直してはいるのですが、よく分からないものもあります。





最初はマメ科のクララ Sephora flavescensです。これは毒草でしたね。後で整理するときに便利なようにできるだけ科名と学名を入れておくことにしました。(追記2018/06/27:信州の案山子さんから、「クララはオオルリシジミの食草で今では貴重です。現在長野県内3か所と阿蘇でしか見れなくなった蝶です。餌がなくなってしまって激減したそうです。」というコメントをいただきました



次はイネ科のエノコログサなのですが、ちょっと紫がかった色をしています。これをムラサキエノコログサというようです。「野に咲く花」によると、エノコログサの1品種として扱われています。学名は、Setaria viridis var. minor f. miseraです。var.は変種(variant)、f.は品種(forma)の略です(詳しくはWikipediaに載っています)。



次はイネ科のスズメノチャヒキ Bromus japonicusです。





ここまでは車道だったのですが、ここから、少し山側に道を取りました。そして、見つけたのがユキノシタ科のヤマアジサイ Hydrangea serrataです。清楚な感じがいいですね。



ウマノスズクサ科のカンアオイ Asarum kooyanum var. nipponicumもありました。カンアオイ属 Asarumも種類が多いので、葉だけだと何だか分かりません。



また、車道に戻りました。右側の崖の上に花が咲いていました。





ユリ科のイワギボウシ Hosta longipesだそうです。この中にカキランが咲いていると言われたのですが、よく分かりません。



ひょっとしたらこの花のことかな。(追記2018/06/23:後からこの写真をよく見てみると、何となくショウジョウバカマの花の後のような気もします



道を歩く観察会のメンバーです。



観察会ではカヤツリグサ科のヤガミスゲだと教わったのですが、「野に咲く花」を見ると、ミコシガヤ Carex neurocarpaの方が似ています。そちらではないでしょうか。





こんな花が道端にいっぱい咲いています。名前を聞き損ねてしまいました。「日本帰化植物写真図鑑」で調べると、イヌコモチナデシコというヨーロッパ原産の外来種に似ています。この名でネットを調べると、いつも詳しく調べられている「松江の花図鑑」のイヌコモチナデシコのページにはミチバタナデシコに変更されたと書かれ、「イヌコモチナデシコの正しい学名」というページを参照されていました。この写真の花がそれなのかどうかはもう少し検討してみないと分からないのですが・・・。







これも道端にたくさんありました。カモメヅルと教わったのですが、たぶん、ガガイモ科のコイケマ Cynanchum wilfordiiではないかと思っています。



可憐な花で、観察会では一番人気でした。でも、これも帰化植物で地中海沿岸原産です。リンドウ科のハナハマセンブリです。「日本帰化植物写真図鑑」には、Centaurium pulchellumの学名になっていますが、環境省の外来生物リストなどではC. tenuiflorumになっているので、こちらの方が正しいのかなと思っています(例えば、次の資料など。「我が国に定着している外来生物(植物)のリスト(暫定版)」(ここからpdfが直接ダウンロードできます))。





ケシ科のタケニグサ Macleaya cordataです。なかなか立派な植物です。





これはベンケイソウ科のメノマンネングサ Sedum japonicumです。





すぐ横には同じベンケイソウ科のツルマンネングサ Sedum sarmentosumも生えていました。こちらは花が咲いていませんでした。





これで午前の部が終わり、お昼は千軒キャンプ場で食べました。こんな川のすぐ横のところです。

雑談)この間から、これまでブログに出してきた写真をEXCELに入力する作業をしていたのですが、動物がやっと昨日の分まで入力が終わりました。まだ、ちゃんと調べていないのですが、蛾は1022種、陸生カメムシが146種、甲虫が518種、その他の昆虫と動物を合わせて734種で、とりあえずの合計が2420種になりました。これを手作りの「図鑑もどき」に入れると、昨日までの分までの図鑑が完成することになります。さらに、これに植物も加えるとなると、本当に果てしない作業になりますねぇ。

植物観察会で虫撮り

6月17日に植物観察会が行われました。最近は植物も調べてみようと思っているので参加することにしています。今回は大阪府北部と兵庫県の県境付近にある知明湖の北側で行われ、最終的には日生中央駅まで歩きました。後で測ってみると、距離は7 kmほどだったのですが、山道が長かったせいか、高齢者が多かったせいか、ともかくこの距離を7時間もかけて歩いたことになります。私は例によって植物の写真も撮りつつ、虫がいたらそれも撮りと、結構忙しく動き回っていました。今回は虫編です。





最初はこんなハエです。以前に似たようなハエを見たことがあります。このときは「学研生物図鑑昆虫III」に載っているマルボシハナバエに似ているので、それにしていました。ただ、その時の個体と比べると胸背の色がかなり違います。マルボシハナバエは「原色昆虫大図鑑III」によると、マルボシヒラタハナバエ Gymnosoma rotundataという和名になっていて、「♂の胸背前半部は黄金色で後半部は黒色であるが、♀では肩部のみ白粉を装い他は黒色」となっているので、これはその♀である可能性があります。さらに、「日本昆虫目録第8巻」によると、この種はさらにマルボシヒラタヤドリバエと和名が変更になっていました。Gymnosoma属にはさらに、inornatumという種が載っていて、分布に本州も入っています。文献を探してみたのですが、この種の情報は見つかりませんでした。それで、とりあえず、ここではマルボシヒラタヤドリバエ?♀ということにしておきます。





次はこんなハチです。どうせ、ヒメバチかコマユバチあたりだろうなとは思ったのですが、腹部が赤いし、翅に黒い帯が2本も入っているので、ちょっと調べてみる気になりました。まずは科を調べないといけません。それには翅脈が必要です。上の写真から何とか翅脈を読み取ってみました。



かなり苦しいのですが、何とか読み取ることができました。要は、Aに2m-cuという横脈がなく、BにRs+M脈という脈がありそうなことが分かります。これはコマユバチ科の特徴です。それで、いつもお世話になっている"Information station of Parasitoid Wasps"というサイトのコマユバチ科の亜科を順番に見ていきました。そうしたら意外に早くそれらしい種にぶつかりました。タテスジコマユバチ亜科のクロヒゲアカコマユバチCremnops desertorです。翅の黒帯、腹部の色、後脚脛節末端が黒いところなどはよく似ています。このサイトのタテスジコマユバチ亜科のページには属の検索表も載っているのですが、脚の爪と転節を見ないといけないので、この写真では無理そうです。それで、この検索表の基になっている文献も調べてみました。

M. J. Sharkey, "The Agathidinae (Hymenoptera: Braconidae) of Japan", Bull. Natl. Inst. Agro-Envion. Sci. 13, 1 (1996). (ここからダウンロードできます)

検索表は基本的に同じでした。この論文にはCremnops属にdesertorとpappiの2種が載っているのですが、"Information station of Parasitoid Wasps"では、後者はCremnoptoides属に移されていました。とりあえず、クロヒゲアカコマユバチCremnops desertor♀ということにしておいて、今度採集したら頑張って検索をしてみたいと思っています。と、こんな風に書いた虫はこれまでにもたくさんありますね。クロヒゲアカコマユバチはメイガ等の幼虫に寄生するそうです。



これは観察会の参加者が見つけました。たぶん、リンゴドクガの幼虫ですね。葉は何だろう。タデ科かな。



ちょっと変わったゾウムシを見つけました。調べてみると、トホシオサゾウムシAplotes roelofsiというオサゾウムシ科オサゾウムシ亜科の虫みたいです。この2匹、その後どうするのかなぁと思って見ていたら、



こんな風に二匹が近寄り、



一匹が逆向きに上に乗っかり、



向きを変えて交尾の態勢になりました。



この黒いコガネもだいぶ迷いました。「日本産コガネムシ上科標準図鑑」を見て、触角の先端がこんなに大きくてそれらしいコガネとして、ウスチャ、アオウスチャ、キスジ、それにセマダラが候補に挙がりました。前胸背板側縁の形と上翅の筋がはっきりしているところから、最終的にセマダラコガネの黒色型かなと思ったのですが、どうだか分かりません。



これはマメ科のクララの花にくっついていた幼虫です。何となくヒトリガかなと思ったので、「みんなで作る日本産蛾類図鑑」を調べてみました。何となくスジモンヒトリの若齢幼虫に似ている感じです。スジモンヒトリの幼虫は雑食性だそうです。





草の中で金色に光るものが動いていました。頑張って写してみたら、カメノコハムシの仲間でした。ヒメカメノコハムシかなと思ったのですが、この写真を撮った後、さっと飛んで逃げていってしまいました。(追記2018/06/22:星谷 仁さんから、「カメノコハムシの仲間はセモンジンガサハムシだと思います。」というコメントをいただきました。セモンジンガサハムシ、初めて聞いた名前です。確かに図鑑と見比べると、X字型の黄色の模様が見えているような感じです。これかもしれません。カメノコハムシ類も検索しようと試みるのですが、最初の項目が脚の爪が分岐するかどうかなので、生態写真では確かめられず、いつも挫折します。ちょうどよい機会なので、少し調べてみようと思います。ご指摘、どうも有難うございました



道に小さなヘビがつぶれていました。でも、頭が左右に動いています。観察会の参加者は頭はまだ生きていると言ってびっくりしていたのですが、よく見ると下に黒い甲虫がいました。(追記2018/06/22:星谷 仁さんから、「死骸のヘビはヤマカガシですね。」というコメントをいただきました。どうもありがとうございました



前胸背板の瘤の形状から、コブマルエンマコガネ♂ではないかと思ったのですが、どうでしょう。



カタバミに止まっているのはヤマトシジミです。



これはマイマイガの幼虫。



それからヒョウモンエダシャク



大きなミミズがいたので、思わず撮ってみたのですが、ミミズの種類なんて分かるのかなぁ。



最後はコースの最後で見つけたキアゲハです。次回は植物を出します。

追記2018/06/17:一枚写真を載せるのを忘れていました。追加します。



スジグロシロチョウです

雑談)余震もそろそろ治まってきたようなので、今日は先日の地震で倒れた棚を直したり、本棚から落ちた本を元に戻す作業をしました。食器棚の中の食器だとか、棚の上の飾りだとか、なんだかんだと被害を受けていました。私の部屋も棚に置いていたカメラやレンズが落ちたり、机の上の物がだいぶ下に落ちていました。それらを片付けたので、そろそろ日常に戻れるかなと思っています。ネットで阪神大震災のときの各地の震度調査を見ると、私の住んでいる地域の震度はやはり5でした。それにしては、ほとんどの家具は倒れ、冷蔵庫が動いて壁に穴をあけるし、食器棚の中の食器はほとんど外に放り出され台所の床は割れた食器の山になっていました。てっきり震度6以上はあったと思っていたのですが、マンションの高階は振動がかなり増幅されるようです。震度6や7だったらいったいどうなることでしょう。心配になってきました。

家の近くのむし探検 ハチ、チョウ、トンボなど

家の近くのむし探検 第404弾

6月14日に校外学習のあったコースをまた歩いてみました。その時に見た虫の続きです。



歩き始めてすぐにこんなハチを見つけました。マルハナバチの♂みたいなのですが、どの種類なのかは分かりません。(追記2018/06/22:通りすがりさんから、「オスのマルハナバチはコマルハナバチですね。綺麗で可愛くて好きなハチの1つです。」というコメントをいただきました。コマルハナバチ。そうなんですか。違いがどうもよく分かりません。もう少し勉強してみます。どうも有難うございました



次に見たのはルリシジミでした。校外学習で歩いたコースは、いつも観察している道路沿いの茂みの横を通り、民家のあるところを通り過ぎ、そこから田んぼや畑の間を通ってようやく到着します。家から歩いていくと20分くらいのところかな。





水を張った田んぼの横では巣作りのための材料を探しにツバメが来ていました。



こちらはシオカラトンボのカップルです。



それに、ハラビロトンボ♂。



ノアザミに来ていたモンシロチョウ。何となく、のどかな田園風景ですね。



こちらはヒカゲチョウ





道端にはウツボグサが咲き始めていました。花の色がいいですね。



この間から咲き始めたホタルブクロ



校外学習のコースはあまり目立ったものはいませんでした。でも、歩いていたら、黒い蝶がひらっと飛び立ちました。きっと止まりたがっているなと思ってじっと見ていたら、案の定、アゲハチョウ独特の止まり方で止まりました。



近づいても意外に逃げません。でも、写す角度が変わったからか、翅全体が青く光りました。カラスアゲハでしょうね。性標があるので♂かな。この日はこんなところでした。

家の近くのむし探検 甲虫やらハチやら

家の近くのむし探検 第403弾

先週火曜日に小学校の校外学習が終わり、日曜には植物観察会も終わり、今週はやっと暇になるだろうと思っていたら、月曜に大きな地震が起きて、何となく落ち着かない毎日を過ごしています。この機会に今までに撮った写真の整理でもしておこうと思って、6月14日分を整理しました。この日は田植え体験と校外学習があった近傍を歩いてみました。何となく虫好きとしては面白そうな場所なので・・・。



まずは田植え体験があった近傍で虫を探してみました。これはそこに行く前の茂みで見つけた虫で、カシルリオトシブミ。カシという名前がついていますが、食べていたのはイタドリの葉です。



そして、これはハムシダムシ



道路では毛虫がのたうち回っていました。アリにたかられています。毛虫の名前は分かりませんが・・・。







田植え体験をしていた田んぼの近くを流れている用水路の脇にある茂みに着きました。ここは、先日、フタスジモンカゲロウがいっぱいいたところです。案の定、この日も何匹かいました。このすらっとした姿が何とも言えず美しくて、つい何枚も撮影してしまいました。



そのすぐ近くにいたテントウです。ナミテントウかなと思ったのですが、少し小さいこと、前翅前縁角がちょっと反り返っているような感じなので、ヒメアカホシテントウの方かなと思ったのですが、自信はありません。





このアブラムシはセイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシという長い名前のアブラムシの有翅型に似ています。そうかもしれません。



葉がツツジだと思うので、これはルリチュウレンジの幼虫かな。



この間もカノコガがたくさんいたのですが、この日もいました。





雰囲気、ヒシウンカかなと思ったのですが、手元にある図鑑には載っていないので、どうしようもありません。それで、ネットで探してみると、「あおもり昆虫記」という東奥日報という新聞社のサイトに載っている写真と似ています。ヤナギカワウンカ Andes marmoratusというヒシウンカ科ヒシウンカ亜科の虫です。Andesはカワウンカ属なのですが、「日本昆虫目録第4巻」には4種載っています。この中で本州産は2種、オビカワウンカとヤナギカワウンカです。前者はかなり外観が違うので、これはヤナギカワウンカでよいのかもしれません。





このガガンボは以前、エゾホソガガンボNephrotoma subpallidaだと思った種とかなり似ていますが、中胸盾板の模様が少し違います。実際に属の検索表を調べると、Nephrotoma属にはなりそうな感じです。この属の別種かもしれません。



これは翅脈からはハナアブ科みたいです。採集したはずなので、今度調べてみます。(追記2018/10/10:ハナアブ科ハナアブ亜科のCheilosia属の一種のようです。詳細はこちら



そして、これはいつも見ているミズアブ科のMicrochrysaです。今度は採集したので、触角を調べてみます。(追記2018/06/23:今日、後日捕まえた♂と共に検索をしてみました。この写真の種はたぶん、Microchrysa japonicaだと思われます。根拠は触角第3節が3節だったところです。ところが、後日捕まえた方の♂が問題でした。こちらは体毛が長く、cua室がやや狭く、M1~M4脈がもう少しはっきりしていました。また、脚が全体に黄色でした。それに対して、この写真の個体は後脛節の先端近くが暗色になっていることが写真でも分かります。このことから、後日捕まえた方はMicrochrysaではなく、Cephalochrysa stenogaster♂の可能性があります。この辺りにどうやら2種のSarginaeがいるようです





2mmほどしかない小さなハムシです。採集しようとしたら、逃げられてしまいました。形からすると、サルハムシ亜科かツヤハムシ亜科のような感じなのですけど・・・。



模様が変わっているので、「原色昆虫大図鑑III」の図版でも探し当てられました。ミバエ科のヒラヤマアミメケブカミバエ Campiglossa hirayamaeだと思います。真ん中に手前の草が写り込んでしまって失敗写真でしたが・・・。



アシナガバエはフラッシュをたいて撮るとするといつもこんな感じで写ってしまいます。でも、何度か写しているとそのうち諦めて、



ちゃんと写すことができます。これはマダラホソアシナガバエだと思います。





とにかく、頭部が変わった形です。最初、ヒメバチか、コマユバチあたりかなと思ったのですが、試しに、「日本産有剣ハチ類図鑑」の図版を見て、見つけました。ギングチバチ科のアリマキバチ亜科みたいです。その中でも特に、オオエンモンバチ Carinostigmus filippovi♂によく似ています。そこで、アリマキバチ亜科の属への検索表を調べてみました。



こんな点を調べると、スジエンモンバチ属 Carinostigumusであるかどうかを確かめられます。①と③は翅脈が中心なので、上の写真で何とか翅脈を調べてみました。



かなり苦しいのですが、何とか、①と③の翅脈に関する記述を確かめられます。そのほか、①の触角の位置は上の写真でもかなり前方にあることが分かります。また、②は腹部が細くなっていて、柄がありそうな感じです。最後の④は確かめられませんが、スジエンモンバチ属だとすると、この属は1種だけなので、オオエンモンバチに決まります。採集すればよかったですね。オオエンモンバチはアブラムシを捕まえては、ニワトコやヤマブキの枯れ枝に掘った坑道にある育房に蓄えるそうです。

廊下のむし探検 久々の探検

廊下のむし探検 第1008弾

今朝8時前、大阪北部で大きな地震がありました。私の住むところは大阪の北西部で震度5弱だったのですが、マンションの高階だったので、揺れはかなりひどかったです。いきなり強く揺れ始め、立っているのがやっとという状態でしたが、20-30秒で揺れが治まったような気がしました。治まってから、家の中を点検してみると、棚が一つ倒れ、タンスの引き出しは半分ほど出て、本棚の本は上半分が落ちていました。小さなテレビは床に落ち、棚や机の上のものが落ちていました。幸い、私が虫を調べている部屋は無事で、顕微鏡がちょっと動いたり、棚の上のものが少し落ちたりした程度でした。余震があると怖いので、まだ、片付けていません。それで、やることがないので、ブログを出すことにします。

6月13日に久々にマンションの廊下を歩いてみました。最近は校外学習やら田んぼの虫などに振り回されて、じっくり虫を調べる時間がありませんでした。それで、これまでに撮っていた写真の整理をしました。



まずは蛾からです。これはオオウスベニトガリメイガ。いつも夏によく見る蛾です。



これはウスアオエダシャクだと思います。



たぶん、シバツトガ



ヒメシャクもいたのですが、特徴がなくて名前はよく分かりませんでした。



次は地下駐車場の天井に止まっていたマダラニジュウシトリバ



これは大型の蛾です。オオゴマダラエダシャクだと思います。



次はヨツボシホソバ♂です。これは2匹いました。



これも天井に止まっていたものですが、ヨスジキヒメシャクだと思います。



そして、これはキシタエダシャク。マンションはやはり蛾が多いですね。でも、どれも常連さんでした。



次は甲虫で、これはアカクビボソムシです。



これはたぶん、クシコメツキではないかと思っています。一応、採集はしたのですが、果たして種まで分かるかどうか自信(地震ではない!)はありません。



キイロテントウは何匹かいました。いつ見ても可愛いですね。



これはたぶん、キアシチビツツハムシとしていたハムシと似ています。これも採集したのではないかと思うので、一度調べてみたいなと思っています。



天井に止まっていて、ちょっと距離があり、あまりはっきりとはしないのですが、口のあたりの特徴がキバネカミキリモドキと似ています。これかなと思っているのですが、あまり自信がありません。



これも天井に止まっていたので、はっきりしないのですが、たぶん、ミドリカミキリ



その他の虫です。これは以前にも見たことがあります。その時はヒロクチバエ科Pterogenia属の未記載種だろうということになっていました。その後、進展はありません。一応、採集はしたのですが・・・。





これはホオズキカメムシ





ホシササキリの幼虫です。こんなに触角が長いのですね。



最後はヤネホソバ近傍の蛾の幼虫だと思います。壁などについた苔を食べて、毒毛を持っているのでしたね。この日はこんなところでした。

家の近くのむし探検 校外学習の当日

家の近くのむし探検 第402弾

6月12日は近くの小学校2年生の校外学習の日でした。私は手伝いをすることになっていたので、この日はゆっくりと虫を見る暇は全くなくて、写真はほとんど撮りませんでした。少しだけ撮ったので、一応、記録として載せておきます。





まずは出かけるときにマンションの廊下で見つけたシロスジカミキリです。大きなカミキリが壁にくっついていたのでびっくりしました。





水遊びをする田んぼは合鴨農法をしているところで、こんな合鴨の雛がいました。上と下の模様が違うのは品種の違いなのだろうか。





水遊びはこんな感じでした。肖像権があるので、写真は少しぼかしてあります。子供達にはマリンシューズを持ってくるように学校から指示があり、最初はそれを履いて水に入っていたのですが、下が泥なので、シューズが埋まって片方なくなった子供が続出し、後半のグループでは裸足で入るように指示がなされていました。泥に足をとられて転びそうになるのですが、転びそうになっても他の子をつかんだりしないで、一人で転びなさいと先生方は大声で叫んでいました。



校外学習が終わって、最後の挨拶をしているときにふと足元にある石垣を見たら、こんなヘビが顔を出していました。縞がちょっとだけ見えるので、シマヘビかなと思うのですが、この間もやったように鱗に名前をつけてみました。



pは頭頂板なのですが、左右対称ではありませんね。これについては、こんな論文を見つけました。

L. Tomovic et al., "Evidence for post-natal instability of head scalation in the meadow viper (Vipera ursinii) – patterns and taxonomic implications", Amphibia-Reptilia 29, 61 (2008). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)

この論文はノハラクサリヘビというヘビの鱗を4年間に渡って観察したという研究です。モンテネグロにある山の斜面で全部で159頭のヘビを見つけたのですが、そのうち、53頭は2度以上再捕獲でき、さらに、そのうち23頭は鱗の写真を撮ることができたそうです。この23頭のうち、39%は鱗の融合が見られ、30%は鱗の分割やサイズ変化が起きていたそうです。ヘビの鱗は不変なものではなく、脱皮の時に隣合わせの鱗がくっついたり、鱗が分割したり、サイズ変化が起きるということを意味しています。この上の写真のヘビも向かって右側の頭頂板が何らかの変調をきたし、鱗の分割とサイズ変化が起きたものだと考えられます。

雑談)今日は植物観察会があり、大阪北部、大阪府と兵庫県の県境あたりを歩きました。ただ、行程がやけに長くて、朝8時に家を出たのですが、家に戻ってきたのが18時。10時間も出かけていたことになります。植物はいろいろあったのですが、暑い中を歩き回ってすっかりくたびれてしまいました。

家の近くのむし探検 フタスジモンカゲロウ、甲虫など

家の近くのむし探検 第401弾

6月9日に家の近くで田植え体験があったのですが、それを見学に行ったときに見た虫の続きです。最近は校外学習やら、田植えやらで、ずっと続けてきた虫の観察がむちゃくちゃになっている感じです。早くその時の写真整理が終わって、日常に戻らなくては。でも、未だに部屋では昨日羽化したシナハマダラカに加えて、小さな蚊が新たに羽化して、容器の中で飛び回っています。なんだか落ち着かない・・・。



田植えをしているところのすぐ脇に山から水を引いている用水路があります。その脇の茂みにこんなカゲロウがぶら下がっていました。翅がピカピカでいかにも羽化したばかりです。腹部の模様からフタスジモンカゲロウではないかと思います。





こちらも羽化したてでしょう。脱皮殻がすぐ横にありました。



これは亜成虫。まるで森の妖精のように白く輝いています。ここで荷物を置いて、この茂みでじっくりと虫探しをすることにしました。



まずは小さなハチです。小さいのですが、動き回るのでちょっと気になります。吸虫管で捕まえようとするとさっと逃げてしまいます。



これはミズアブで、以前、Microcrysa flaviventrisとjaponicaで迷ったときの個体と似ています(こちらこちらを参照してください)。過去の記事を読むと触角鞭節により見分ければよいようです。採集しようと思ったのですが、また逃げられてしまいました。でも、数日後もう一度来た時に無事に採集しました。早く顕微鏡で観察したいのですが、顕微鏡周りが田んぼからとってきた水でいっぱい。それに、あの蚊を何とかしなくては・・・。(追記2018/06/26:触角第3節が3節に分かれているところがこの写真でも辛うじて分かり、また、後脚脛節切端近くに黒い帯があります。Nagatomi(1974)の検索表によれば、これでたぶん、Mcrocrysa japonicaか、nigrimaculaのどちらかになるのですが、後者は九州以南の分布なので、たぶん、Microcrysa japonica♀でよいのではと思っています。別の個体での検索結果はまだ出していないのですが、とりあえずはこちらに書いてあります



それに、やたらカノコガがいっぱい止まっています。カノコガはキク科のタンポポが食草なのに、どうしてでしょう。



大型のカワゲラもいました。せっっかく「原色川虫図鑑成虫編」を手に入れたのですが、まだ心に余裕ができていなくて、今回もパスです。



この茶色の翅のハエは何度か見たと思うのですが、まだ調べていなかったなと思って採集しました。そもそも何科なのだろうか。(追記2018/07/04:この写真の個体は採集していたので、「絵解きで調べる昆虫」に載っているハエ目の検索表で調べてみました。たぶん、シマバエ科だろうということになりました。属への検索は、株式会社エコリスのホームページにある「日本のシマバエ科 属への検索試案」を使わせていただきました。かなり怪しいところもあるのですが、とりあえずMinettia属になりました。この名でネットの画像検索をすると、よく似た写真が出てくるので、ひょっとしたら合っているかもというところです。ここから先は種の検索表がないので、よく分かりません



用水路脇の茂みを離れて、いつもの校外学習のコースを歩いてみました。これはこの間、「絵解きで調べる昆虫2」で検索して、ベニボタル属になり、触角第3節の形状から、とりあえず、ベニボタルLycostomus (L.) modestusにしておこうと思った個体です。今回は綺麗に撮れました。



こちらはギンボシキヒメハマキ



これはハムシダマシ



これは初めての甲虫だと思うのですが、「原色日本甲虫図鑑III」で調べてみました。肩の部分が赤いので、たぶん、ホタル科ミナミボタル亜科のカタモンミナミボタル Driloster axillarisではないかと思います。



これはムラサキシラホシカメムシだと思うのですが、一応、「原色カメムシ図鑑第3巻」に載っている検索表で確かめました。小盾板の基部に大きな三角形の黒紫色紋はない→前胸背側角は棘状にならない→革質部の先端は小盾板の先端まで届くか、わずかに届かない→小盾板前側角の黄色紋は通常大きく、小盾板基部の幅の約1/4、となり、無事にムラサキシラホシカメムシになりました。ついでにアリはトビイロシワアリかな。



最後はゲジです。背面に黄色い点があるので、いつもマンションで見ているオオゲジの幼体ではないかと思われます。オオゲジ、オオゲジと言っているのですが、これにも種類があるのかな。Wikipediaでは、Thereuopoda cluniferaという学名が当てられていました。(追記2018/06/22:通りすがりさんから、「日本のゲジはゲジとオオゲジの2種だけなので、オオゲジの幼体で合ってますね。オオゲジは南方系なので長野じゃ寒くて見られませんけど、千葉では両種とも見られました。」というコメントをいただきました。以前、カマクラオオゲジ Thereuopeda feroxというのがいると聞いたことがあったので、いろいろ種類があるのかなと思っていたのですが、Catalogue of Lifeを見ると、これはオオゲジ Thereuopoda cluniferaのシノニムになっていました。ということは、安心してオオゲジと呼んでよいのですね。コメントどうも有難うございました

田んぼのむし

6月12日に近くの小学校の校外学習があって、その手伝いをしました。午前中は水の張った田んぼで水遊び、午後は近くの農道での虫探し。私は午後の部を担当することになっていたので、午前中は田んぼにいる虫探しをしました。いろいろと採集しては写真を撮って、一部は家まで持って帰りました。得体の知れないものが多くてどれも名前が分からないのですが、とりあえず写真だけでも出しておこうかと思って出しました。





最初は甲虫です。これはネットで調べて、キイロヒラタガムシではないかと思っています。家に持って帰ってきたので、今度、属程度は調べてみたいなと思っています。(追記2018/06/16:本屋に行って、「ゲンゴロウ・ガムシ・ミズスマシ ハンドブック」(文一総合出版、2017)を買ってきました。本州産としてEnochrus(キイロ、チビ、マル)、Helochares(ルイス)辺りが似ていますが、前胸背の黒い模様で比較すると、やはりキイロが一番近いようです



次はこの虫です。1mmほどしかない小さな虫ですが、元気よく泳ぎ回っています。これもネットで調べてみました。ケシカタビロアメンボの仲間の幼虫みたいです。「日本産水生昆虫」によると、この仲間は♂生殖器の形態で同定されているので、外観や♀では分類が困難とのことです。ということは幼虫ではとても無理かもしれません。





小さいころはアカムシと呼んでいた虫です。ネットで調べると、ユスリカの幼虫みたいです。何だか気持ち悪いですね。





これはさらに気持ちの悪い虫です。これもネットや図鑑で調べたのですが、ガムシの幼虫かなと思っています。よく分かりませんが・・・。





これはこの間出したホウネンエビです。





これは何だか分からない正体不明の虫です。こんなところを現地で写してきました。なお、水が濁っていて全体に白っぽくなったので、だいぶ画像処理をしています。



田んぼから持ってきた液を大きな容器に移し替えてそのまま2日間置いておきました。元の容器を洗おうと思って覗いてみたら、底でもそもそ動いているものがありました。羽化しようとしているみたいです。



だいぶ出たのですが、また、引っ込んでしまいました。それでそのままにして翌日見てみました。



こんなのが出ていました。たぶん、ユスリカですね。翅が伸びていないので、羽化に失敗したのかな。



移し替えた方の容器を見ると、キイロヒラタガムシと共に、田んぼの横で見たこの正体不明の虫が泳いでいました。



その横では小さなこんな訳の分からない虫も何匹か泳いでいます。



ついでにこれも。虫だかものだか何だか分かりませんが、突然、速い速度で移動します。本当に気持ちの悪い世界です。



そして今日の夕方再び見てみました。今度はこんなカが容器の中で飛び回っていました。しかも♀ですね。



よく見ると、脱皮殻も。どうやら4枚上の正体不明の虫がカの幼虫だったみたいです。それで、このカの同定をしてみました。カの同定には、動物衛生研究所の「蚊の鑑別」というサイトが役に立ちます。そこに載っている検索表を用いて検索すると、ハマダラカ亜科のシナハマダラカになりました。一応、その検索手順を書いておきます。



これを写真で確かめていきたいと思います。



まずは止まり方が頭を下げたハマダラカ型をしています。翅には白黒の斑点があります。後脚腿節中央には白帯はありません。これで①~③まではOKです。



小顎肢が殆ど吻と同じ長さです。これはハマダラカ亜科の特徴です。また、小顎肢には白い帯が4つ(矢印)あります。これで①、④はOKです。



最後は翅脈です。翅脈の名称は「日本産水生昆虫第二版」を参考にしました。前縁脈はCと書いた脈ですが、基部には白斑はありません。Cu2脈の縁飾(矢印の部分)は白くなっています。これでシナハマダラカになりました。「日本産水生昆虫」によると、シナハマダラカはコガタアカイエカと共に水田発生の代表的なカで、日本のハマダラカ亜科の中でもっとも多い種だそうです。いずれにしても、私の部屋に置いてある容器の中でぶんぶん言って飛び回っています。

家の近くのむし探検 田植え見学

家の近くのむし探検 第400弾

6月9日の朝、マンションのベランダから眺めていると、山の斜面にたくさんの人が集まっているのが見えました。地元の自然グループの予定を見ると、この日が田植え体験の日でした。早速、様子を見にいきました。



こんな感じで親子で田植え体験をしていました。



稲を植えるときはこんな赤いマークの付いたひもを伸ばして、



それに合わせて植えていくので一直線に植えられるのですね。初めて知りました。



しばらく見ていたのですが、その横を通り抜けて田んぼのあぜ道を歩いてみました。途中で、こんなトンボがいました。腹部末端にある上附属器と下附属器の長さがほぼ等しいので、これはたぶん、ヤマサナエだと思います。



翅が光っています。羽化直後のオオシオカラトンボでしょうね。



遠くを見ると、キジが堂々と歩いている姿が見えました。



こちらはシオカラトンボ





カワトンボもあちこちで見られます。でも、アサヒナカワトンボかニホンカワトンボのどちらかよく分かりません。



これはダイミョウセセリ





たぶん、ヤマトシリアゲだと思うのですが、「原色昆虫大図鑑III」によると、マルバネシリアゲなどともよく似ています。♂腹部末端の下付器の違いで見分けるのですが、それをすっかり忘れていました。上の写真でははっきり下付器が写っていたのですが・・・。もう少しちゃんと撮ればよかったと後悔しています。



いつも見ている樹液の出るクヌギの木の幹に変わった貝が2つ登っていました。雰囲気はカタツムリなのですが、この殻の長さは普通じゃありません。それで、「カタツムリハンドブック」を見てみました。そうしたら、これはキセルガイ科のカタツムリみたいです。でも、種類が多くて種までは分かりません。どうやら殻口の襞や殻内部の襞を見て区別をしなければならないようです。



後は植物です。これはコウゾリナ



チガヤ



ホタルブクロも咲いていました。



畑の隅にはこんな帰化植物も咲いていました。アメリカオニアザミです。小さな虫は次回に回します。

家の近くのむし探検 田んぼ

家の近くのむし探検 第399弾

6月12日に開かれる小学校の校外学習についていくことになったので、その下見として7日にコースを歩いてみました。校外学習は2年生で、午前中は水を張った田んぼで水遊び、午後は農道を一周歩くことになっています。私は午後の部を担当することになっています。



先日は花を探したので、この日は主に昆虫を探しました。蝶と蛾は出したので、今回は残りの昆虫です。この写真の個体はベニボタルの仲間だと思われます。こんな写真でも、「絵解きで調べる昆虫2」に載っている「ベニボタル科の絵解き検索」で結構調べることができました。前胸背板は幅広く縁取られ、背面は一室になるか・・・→前胸背板は5室に分かれることはあっても中央室は小さい→体は幅広い→頭部は前方に向けて吻状に長く伸びるを選んで、ベニボタル属 Lycostomusになりました。「日本列島の甲虫全種目録(2018年)」によると、Lycostomus属には5種1亜種が記録されていて、そのうち、4種が本州に分布しています。「原色日本甲虫図鑑III」にはこのうち2種(フトベニボタルとベニボタル)が載っているのですが、触角第3節が幅に比べて長いことから、ベニボタルの方の可能性が高い感じです。残りの2種についてはよく分からないのですが、とりあえず、ベニボタルL. (L.) modestusを第1候補にしておきます。



これはハラビロトンボ



これはたぶん、オオアオイトトンボ。(追記2018/06/22:立西さんから、「縁紋が赤褐色であること,そして時期から3枚目のトンボは二ホンカワトンボかアサヒナカワトンボだと思います。外見から見分けられるポイントはかなり相対的なので,どちらの種類か野外で見分けるのは難しいことが多いですね。」というコメントをいただきました。ほんとですね。確かに、これは以前ニシカワトンボと呼んでいた種です。下から見て緑色が見えたので、オオアオイトトンボだとばかり思って勘違いしてしまいました。図鑑を見ると、全然違いますね。ご指摘どうも有難うございました

見つけた虫はこんなところで、そろそろ帰ろうかと思ったときに、水を張った田んぼの持ち主に出会いました。この田んぼは高台にあって、しかも周囲が塀で囲まれているので、外からは中が見えなかったのですが、中を見せていただきました。



合鴨のヒナが来たばかりだといわれるのでそれも見せてもらいました。可愛いですね。



田んぼには水が張られていて、よく見ると、いろいろと虫がいます。これは逆さまになって泳いでいる得体のしれないものです。ネットで調べてみると、大阪府立環境農林水産総合研究所のホームページに大阪府の水生生物(在来種)というページがあり、そこに載っていました。ホウネンエビというようです。Wikipediaによると、ホウネンエビ目ホウネンエビ科の属する小動物で、初夏の水田で仰向けになって泳いでいるのがよく見かけられるということです。学名はBranchinella kugenumaensis。エビというよりは、カブトエビやミジンコに近い原始的な部類に属するようです。いずれにしても校外学習の当日にはもう少しちゃんとした写真を撮ろうっと。



これはカワゲラの幼虫でしょうね。種類までは分かりませんが・・・。



これも上のサイトに載っていました。載っていた種と同じなら、ニッポンヨコエビではないかと思います。いずれにしても子供たちが水遊びしている間に写真を撮るというちょっとした楽しみができました。

田んぼの横に大きな檻と小さな檻があったので聞いてみたら、大きな方はイノシシ用で、以前はよく入ったのですが、情報伝達が進んだのか最近はちっとも入らないということでした。小さな方はアライグマか、ハクビシンで、最近もよく入るということでした。昨年の校外学習の時は小学生を連れて歩いていたら、近くの茂みでゴソゴソするのでひょいと見たら、大きなイノシシがこちらを見ていたという話でした。その時は多勢に無勢で、イノシシの方が逃げ出し、事なきを得たようです。



そんな話を聞いて、農道を歩いていたら、そこに大きな猫のような動物が突然顔を出しました。頭の中心に白い縦筋があるので、後で調べたらハクビシンみたいです。その時はパッと目が合ってしまいました。カメラを出そうとちょっと動いたらさっと逃げ出しました。その後姿です。まるで猫ですが、頭のところにちょっとだけ白い毛が見えています。昼間でもこんな動物がいるのですね。びっくりしました。





最後は植物です。イグサ科のだと思います。

この日はいろいろ変わった生き物を見ました。さすがに、マンションの廊下を歩いているときとは違いますね。

虫を調べる イトトンボのヤゴ

昨日、突然、見ず知らずの方から電話がありました。自宅のメダカを飼っている池に変な虫のようなものがいるから見てほしいという内容でした。電話の内容からイトトンボのヤゴかなとは思ったのですが、一応、「日本産水生昆虫」と「日本産トンボ幼虫・成虫検索図説」、シャーレ、ルーペなどを持って行ってみました。



その方はペットボトルに入れて持って来られたのですが、それをシャーレに移し替えて写真を撮ったものがこれです。やはり、イトトンボのヤゴみたいです。そのまま家に持って帰り、「日本産トンボ幼虫・成虫検索図説」に載っている検索表で調べてみました。

その結果、ホソミイトトンボか、アオモンイトトンボのどちらかというところまで辿り着きました。



これがその両者に至る検索項目を書いたものです。動き回るので下唇が調べられません。それで、赤字の部分が確かめられないのですが、そのほかは調べることができました。それを写真で確かめていきたいと思います。



まずは全体の写真です。体長は10.7mmでした。腹部は10節ありました。検索表ではまず、尾鰓が3個で、いずれも葉状であることを見ます。それで、①と②はOKです。④は実際に測ってみると、尾鰓は腹部の長さの0.77倍で、腹部よりは短いことが分かります。これで、④もOKです。



次は頭部に関するものです。触角は一部しか写っていませんが、各節はほぼ同じ長さみたいです。検索表は絵解きなので、それを見ると、対抗する項目はカワトンボ科で、これは第1節が長大です。③は矢印で示したように頭部の両側が窪んでいることで、これはアオイトトンボ科が丸くなっていることに対抗するものです。⑤については、頭部の後角が突出していないことが矢印の部分を見ると分かります。これは、モートンイトトンボ、アオナガイトトンボを除外する項目です。ついでに、この写真はヤゴの動きが止まった時に、実体顕微鏡の焦点位置を変えながら30枚ほど写真を撮り、深度合成をしたものです。意外にうまく撮れました。



泳いでいるのでなかなかうまく撮れないのですが、これは両側にある尾鰓の一方です。先端がかなり尖っていることが分かります。尾鰓について調べる項目はたくさんあります。④、⑦、⑧は見るとすぐに分かります。⑥については、写真では尾鰓がちょっと斜めになっているので、幅はよく分かりません。でも長さの1/3以下というのは確かそうです。尾鰓の中央に分節という筋がある場合があるのですが、これには特に構造は見られません。これが⑨です。⑩、⑪は書いてある通りです。

以上で分かるところはすべて見たことになり、その結果、ホソミイトトンボか、アオモンイトトンボかというところまで到達しました。



これは胸の部分を拡大したものですが、翅芽と呼ばれる、将来翅になる部分が見られます。「日本のトンボ」によると、幼虫は10回前後脱皮をして、翅芽は中齢以降に現れるとのことでした。完全な翅の形になるのは終齢みたいです。ヤゴについては、yagopediaという非常に詳しいサイトがあります。それを見ると、ホソミイトトンボとアオモンイトトンボの各齢の写真も載っています。体長を考えると、亜終齢あたりの可能性が高そうですが、その齢での頭部と比較すると、頭部の形などがホソミイトトンボにかなり似ています。今のところ、これが第1候補になっています。

「日本産幼虫図鑑」には多くのヤゴの写真が載っています。この両者も載っているのですが、ホソミイトトンボの腹部各節腹面の後縁中央には刺さった棘のように見える黒褐色の点が並ぶと書かれています。今度、容器に入れて下から覗いてみたいと思っています。

追記2018/06/15:ヤゴの腹面の撮影をしてみました。



これはヤゴを小さなシャーレに入れて、上をラップで蓋をして、床に寝っ転がりながら、写真を撮ったものです。腹部を拡大します。



右側が頭側です。確かに腹部各節に褐色の小さな筋状の斑紋があります。「日本産幼虫図鑑」のホソミイトトンボの項には、「腹部各節腹面の後縁中央に、刺さった刺のように見える黒褐色の点が並ぶ」と書かれていて写真も載っています。それと比べると、位置は合っているのですが、この個体では褐色の濃さはかなり薄く感じます。図鑑の写真はおそらく液浸標本の写真だと思われるので、生体写真との違いなのか、あるいは個体差なのか分かりません。とにかく、斑紋があることは確かそうです。これでホソミイトトンボで決まりなのかなぁ。最終的にはやはり下唇を見ないと判断できないのでしょうね

雑談)今日は小学校2年生の校外学習の日でした。昨年、足の骨折をしながら「紅葉とイモ」の話をしたときにいた生徒たちでした。去年は車いすだったねとか、虫博士こっちへ来てとか、リュックにクモが入ったので取ってとか、みんな気軽に話しかけてきます。小学校2年生くらいだと、大勢集まると、ほとんどカオスに近い状態ですね。元気のいいことはよいのですが、子供の声に慣れていない私にとっては声を聴いているだけでくたびれてしまいました。午前中はときどき雨が降ったのですが、午後からは晴れ間も出て、虫もそこそこいました。ノコギリクワガタがいたのには驚きました。

家の近くのむし探検 蛾と蝶

家の近くのむし探検 第398弾

6月7日に小学校の校外学習の下見をしました。この日は虫を撮影しようと思って行ってみました。



まずはこの蛾です。初め、ホンドコブヒゲアツバかなと思ったのですが、どうも内横線の曲がり方が違います。それで、「標準図鑑」をずっと見ていき、トビフタスジアツバだろうということが分かりました。



次はこの毛虫です。これはネットで調べました。たぶん、セスジスズメという蛾の幼虫。



普段、チョウはあまり撮らないのですが、今回は校外学習の資料に虫の写真の入ったプリントを配ろうと思って撮りました。モンシロチョウ



次はスジグロシロチョウ



当日のコースを歩いてみると、クヌギの木に樹液が出ているところがありました。そこにいた、ヒカゲチョウサトキマダラヒカゲです。よく見ると、ハエやら、スズメバチやらも見えます。こんな場所があると虫探しにはいいですね。



同じ木にヒョウモンエダシャクも止まっていました。



もう少し歩くと、ウラギンシジミがいました。こんなチョウも当日出てくるといいですね。



それから、ヒロオビトンボエダシャクです。





ついでに、帰りにマンションの廊下で見つけた蛾も出しておきます。これはクロマダラシロヒメハマキという蛾みたいです。初めて見ました。他の虫は次回に回します。

家の近くのむし探検 甲虫、ヘビ

家の近くのむし探検 第397弾

今度、小学校2年生の校外学習に付き合うので、その下見で6月4日にコースを歩いてみました。校外学習は水を張った畑で水遊びすることと、周辺の農道で虫探しをする2つのコースをそれぞれ1時間ほど体験する予定になっています。私は後者を担当するのですが、必ずしも虫好きの子供たちばかりではないと思うので、そんな子供たちには花を探してもらおうと思って、この日は花の撮影に行きました。よくある花ばかりなので、花の写真は省略しますが、ちょっとだけ虫も撮ったので、そちらを出しておきます。



まずは出かけに写したカミキリです。これはキイロトラカミキリだと思います。これまで5月終わりから6月中旬の間で何回か見ています。



それから、これはマメコガネ。こちらは校外学習のコースで見つけました。後は花ばかりを撮影したのですが、もう帰る間際に死んだヘビを見つけました。



裏返っていたので、ピンセットでひっくり返してみました。小さかったので、きっと幼蛇でしょう。名前はたぶん分からないだろうなとは思ったのですが、頭部だけ写して帰ってきました。

ヘビの頭は鱗で覆われていますが、ひょっとするとこの鱗にも名前がついていて、種によっても違うのかもと思ってちょっと調べてみました。手元にある「日本の両生爬虫類」にはトカゲの図は出ていますが、ヘビはでていません。トカゲの図をこのヘビと比べると少し違います。それで、snakeのWikipediaを見てみるとそこに図が載っていました。実に、1890年の本を引用していました。調べてみると、次の本でした。

G. A. Boulenger, "Reptilia and Batrachia. The Fauna of British India, including Ceylon and Burma", Taylor and Francis, London  (1890). (ここからダウンロードできます)

この本は100年以上経っているので、著作権は切れていると思われます。それでその図を転載します。


Reproduced from G. A. Boulenger, "Reptilia and Batrachia. The Fauna of British India, including Ceylon and Burma", Taylor and Francis, London  (1890). 

これを参考にして名前を付けてみたのですが、側面の鱗でちょっと分からないところがあったので、ネットでもう少し探してみました。それで、"Identifying snakes by scalation and other details"というサイトを見つけました。ここにもヘビの鱗の図が出ているので、これも参考にして今回のヘビの鱗に当てはめてみました。





これがその結果です。ただし、若干、略称をBoulengerの本から上に書いたサイトの方に変えたものがあります(pto→po、pro→pr、ul→sl、n', t'はダッシュを取る)。鱗の日本語名の分かるものは論文を見てできるだけ書いてみました。まだ怪しいところも多いのですが、何となく名前が付けられると安心します。nostrilというのは鼻孔で、次のサイト"What Are the Nostrils on Snakes for?"によると、呼吸が主で、匂いの検出も少ししているようです。人間の鼻と同じですね。ところで、鱗に名前をつけている過程でpで表した頭頂板がずいぶん広い感じがしました。これが広いということは頭が平坦だということです。これを手掛かりに図鑑を見てみると、この辺りにいるシマヘビ、アオダイショウ、ヤマカガシの中ではシマヘビに一番近い感じです。ひょっとしたらシマヘビの幼蛇かな。

追記2018/06/22:星谷 仁さんから、「首の背面のつながらない首輪模様からヒバカリだと思います。この画像では確認できませんが、腹板の縁が写った画像があれば、黒い点線模様が確認できると思います。」というコメントをいただきました。一方、corn_snake2017 さんからは、「ジムグリ?」というコメントもいただきました。いろいろコメントをいただいたので、もう一度写してこようと思って、同じ場所に行ったのですが、影も形もなくなっていました。ヘビは近くで撮影できないので、難しいですね。こんな風に死んだヘビがいたときに、頑張って調べてみようと思います。皆様、いろいろとコメントを有難うございました

雑談)この間から作っていた「図鑑もどき」がだいたいでき上がりました。最後は鳥が残っていたのですが、この辺で撮ったものよりあちこち出かけて撮った写真が多かったので、「近畿の鳥」として範囲を広げておきました。一応、100ページほどに分けて小冊子の形にしたのですが、全部で11冊にもなってしまいました。昆虫は今年の1月までにブログに出した写真を基にしているので、この後の半年間に出した写真をExcelに入力して、図鑑に加えなければいけません。写真だけでなく、虫について調べたことも一口知識として載せたいし・・・。いろいろやりたいことはあるのですが、何だかきりがないですね。

虫を調べる アメイロアリ

最近、「図鑑もどき」を作ったり、小学校の校外学習の準備などで、顕微鏡を覗いて虫を調べることから遠ざかっていました。でも、これまで撮影した記録も何匹分か残っているので、そろそろまとめようと思って虫調べを始めました。まずは記憶の新しい分からで、6月1日に校外学習の下見に行ったときに見つけた小さなアリを調べてみました。



こんなアリです。体長は2mmほどだったのですが、きちんと測ってみました。



体が折れ曲がているので、どうやって測ればよいかと迷ったのですが、図の黄色の線に沿って測ってみると、体長は1.8mmになりました。頭部と腹部が黒っぽく、後は赤っぽい色をした二色性のアリです。

いつものように、「日本産アリ類図鑑」(朝倉書店、2014)に載っている検索表で調べてみました。その結果、ヤマアリ亜科アメイロアリ属アメイロアリになったので、その過程を見ていきたいと思います。



まずは亜科の検索です。この3項目を調べればヤマアリ亜科になります。赤字は写真を撮ったと思ったのですが、うまく写っていなくて保留の項目です。特に腹部第1節の背板と腹板が融合していないことが写真ではよく分かりませんでした。後でもう一度確かめてみます。いつものように検索順ではなく、部位別に見ていきます。



これは頭部の拡大ですが、図で示した頭盾の前縁側方には特に突起と言えるものは見られません。



次は胸部を側面から撮ったものです。腹柄節は矢印で示した部分ですが、1節だけで小さく幅狭いというのも何となく分かります。



次は腹部の写真です。アリはハチの仲間なので、腹部第1節と後胸が結合して前伸腹節を作り、また、腹部の一部である腹柄節があるので、節の数え方が複雑です。ここに書かれた数字は見かけの腹部の節(後体節)を表しています。第1節と第2節の間にくびれはありません。



これは後体節を腹側から写したものです。腹部末端に噴火口みたいなものが見えます。これがヤマアリ亜科の特徴です。ということで、若干調べていない項目はあるのですが、ヤマアリ亜科は確かそうです。



次は属の検索です。この8項目を調べることでアメイロアリ属であることが確かめられます。これも部位別に見ていきます。



まずは大腮の部分を拡大してみました。大腮は三角形状で、歯が6本あります。これで、⑤と⑪はOKです。



⑩は複眼の位置ですが、測ってみるとちょうど中央にありました。また、⑪の立毛は触角柄節について示しています。矢印の部分に立毛が見られますが、コントラストが弱くでよく分かりません。これは後でもっと鮮明な画像をお見せします。とりあえず、⑩も⑪もOKとします。



触角は12節。これはOKです。



④はたぶん、OKだと思います。⑧は矢印で示した部分ですが、何となく円形というのも分かります。ここが長い楕円形だとヤマアリ属になります。⑨はヒゲナガアメイロアリ属を除外する項目で、このアリでは前胸は普通の長さなのでこれもOKです。


⑦の中胸気門は背面側に寄っています。これが側面にあるとオオアリ属になります。⑩と⑪は立毛に関するものです。このアリでは前胸と中胸背板にそれぞれ2対ずつ長い立毛があります。でも、前伸腹節背面にはありません。この辺りの特徴がアメイロアリ属の特徴かなと思われます。これですべての項目を調べたので、無事にアメイロアリ属になりました。



最後は種の検索です。この5項目を調べればアメイロアリになります。これも部位別に見ていきます。



まずは外見上の色についてですが、⑭も⑯も項目に書いてある通りだと思われます。



次は何となくすっきりしなかったところです。まず、⑫の前半は触角柄節の長さですが、頭部後縁を越えていますが、柄節の長さの1/2以上が越えているということはないので、これはOKです。次は複眼の大きさです。直径をどちら向きに測るかはよく分かりませんが、上の写真のように測りました。複眼後縁から頭部最後縁までの距離を直線的に測ると1.93倍、面に沿って測ると2.08倍。いずれも項目の約3倍には達しません。ただ、対抗する項目が1~1.5倍なので、たぶん、大丈夫かなと思いました。ひょっとしたら、面に沿って首の付け根まで測るのかもしれないなと今書いていて思いました。

追記2018/06/12:通りすがりさんから、「検索表の表現を見ると、触角柄節の長さの表現の時の「頭部後縁」と、複眼の直径との比の時の「頭部最後縁」と言う違いがあるので、後から感じた「面に沿って首の付け根まで」が正解でしょうね。言葉による表現だけだと、どうしても分かりにくいところもあるんで、図があると良いんですけど、全てに図を入れるのは膨大な量になりすぎて無理ですよね。」というコメントをいただきました。それで、ちょっと測ってみました。



図のように複眼の後縁から「頭部後縁」まで面に沿って測ると複眼直径の2.08倍、首の付け根までを「頭部最後縁」だとして面に沿って測ると3.19倍になりました。確かに後者は約3倍という表記と合っています。やはり、「頭部最後縁」というのは首の付け根の部分までのことだったのかもしれません



⑭は頭部の丸いヤエヤマアメイロアリを除外する項目です。矢印部分あたりを見ればよいのですが、本に書かれている絵と比較しても、これは丸みの弱い方みたいです。



触角柄節の立毛がうまく写らないので、透過照明に少し横からの照明も加えて撮りました。こうすると立毛はよく見えました。確かに柄節の直径よりは短いようです。これで⑮はOKです。伏毛というのは矢印で示した毛だと思うのですが、多いか少ないかは相対的なので、この写真だけでは判断できません。この⑯はクロアメイロアリと言って体全体が黒褐色のアリを除外する項目なので、たぶん、大丈夫でしょう。



最後が先ほども書いた前胸、中胸背面の立毛で、それぞれ2対ずつあります。これですべての項目をチェックしたので、項目の内容を誤解していなければ、たぶん、アメイロアリで合っているのではと思っています。

図鑑によると、アメイロアリは体長2~2.5mm。日本全土に分布して、本州平野部の林床部での最普通種の1つだそうです。

家の近くのむし探検 ハエ、ハチ、アブラムシほか

家の近くのむし探検 第396弾

昨日の続きで、6月2日に近くの公園で見つけた虫です。



まず、出かけにマンションの廊下で見つけた虫です。どうせ、ニセケバエだろうと思っていい加減に写真を撮ったのですが、後で見ると、ケバエの♀だったようです。それなら、せめて前脛節末端の刺を写すだけでもある程度種の見当がついたかもしれないのに・・・。





次はアブラムシです。実は、これもいい加減に撮ってしまいました。たぶん、ヒメジョオンではなかったかなと思うのですが、植物もちゃんと確認せずに・・・。アブラムシはホストが分かるとある程度種の見当がつくのですが、ヒメジョオンだとすると、「日本原色アブラムシ図鑑」によれば、マメアブラムシ、ミカンミドリアブラムシ、ムギワラギクオマルアブラムシが載っています。また、「アブラムシ入門図鑑」によると、ヒメムカシヨモギヒゲナガアブラムシが載っています。ミカンミドリアブラムシは以前にも調べたのですが、現在ではユキヤナギアブラムシになっています。今回の種はユキヤナギアブラムシに近い感じですが、ピタリかどうか分かりません。やはり今度、ホストも含めてちゃんと見てきます。



次はシラカシの幹を見てみました。ここは昨年、トビイロケアリの蟻道ができていたところです。今回はこんな屋根ができていました。これからどうなるのかな。ちょっと楽しみです。



ツツジの葉を見ていたら、小さなハエが止まっているのに気が付きました。それで、クローズアップレンズを取り付け、2.5倍くらいに拡大して写してみました。何となく見覚えがあるので、この間から作っている「図鑑もどき」で探したら一発で見つかりました。昨年の10月に淀川河川敷で植物観察会があった時に写していたものと同じみたいです。やはり図鑑は便利です。ただ、キモグリバエらしいということころまでしか分かってはいないのですが・・・。



クローズアップレンズをつけたままルリチュウレンジの幼虫も撮ってみました。白いのはヤドリバエの卵かなぁ。



そして、これはアシナガバエ。クローズアップレンズは拡大はするのですが、焦点深度が極端に浅くなるので、なかなか難しいです。



後脚脛節末端に可動性の距がついていないのでウンカ科ではなく、ヒシウンカ科みたいです。以前、ヒシウンカ科を調べたことがあったので、翅脈の比較をしてみました。



翅脈の名称は以前用いたものと同じ論文を参考にしたのですが、Sc1~RA2辺りの名称の付け方がよく分かりません。いずれにしても、以前の個体と比べると、この写真の名称でSc2が分岐していないこと、RAとRPがそれぞれ分岐している点が違いました。こんな情報からもう少し突っ込めないかと思ったのですが、やはり文献が見つかりません。



シマバエだと思うのですが、しきりにツツジの葉をなめています。葉から何か出ているのかなぁ。



セダカバエ科Hybos属のハエです。昨年もよく見ました。知らなかったのですが、これについては、「原色昆虫大図鑑III」に種の検索表が載っていました。早速調べてみたら、「前脚が黒色」という条件だけで、H. japonicusになるのですが、種の説明を読んでみると、中脛節と全跗節は特徴的に橙黄色というので、この種とは異なります。説明によれば、脚が黒色の種はほとんど未研究とのことで、これも未記載種である可能性が高そうです。



これは腹部の色から、ナカオビツヤユスリカ♂だと思われます。



これはクサギカメムシの幼虫です。「図説カメムシの卵と幼虫」によると、「後胸背板の側縁は弧状で平滑であるか、ここに2本の顕著な角状突起がある」と2齢以下、「2本の突起はごく小さい鋸歯状」ならば3齢以上になります。この写真の個体の角状突起ははっきりしていて前者の方に当たると思われるので、たぶん、2齢幼虫ではないかと思います。



このハエのカップルはよく分かりません。



このハエもよく分かりません。



これはヘリグロハナレメイエバエ



このツヤのあるユスリカはいつかは調べてみたいなと思っています。





最後は以前にも見たことのある虫です。調べてみると、以前はヒメガガンボ科のミスジガガンボにしていました。ネットで調べただけで自分ではまだ調べてはいないのですが・・・。

家の近くのむし探検 甲虫と蛾

家の近くのむし探検 第395弾

6月2日に公園に行ってみました。最近は小学校の校外学習の下見で山の畑に行くことが多いのですが、この日は運動を兼ねて公園行きです。



まずは行く前に通ったマンションの廊下で見つけたカミキリです。似た種は多いのですが、よく見ると上翅に端刺が見えるので、たぶん、エグリトラカミキリだと思われます。





これもマンションの廊下です。たぶん、トビモンハマキだと思います。



ここからは公園です。葉の上に小さな虫がいるのに気が付きました。たぶん、テントウの幼虫だと思うのですが、名前まではよく分かりません。





この間から名前を調べようと思って採集はしているのですが、まだ調べていません。脚が黄色いので、たぶん、キアシノミハムシではないかと思っているのですが・・・。



これはアオカミキリモドキ



それから、たぶん、ツツジコブハムシ。ツツジコブハムシについては以前、調べたことがあります。同じかどうか分かりませんが・・・。



これは桜の木に止まっていました。図鑑で調べると、ヨツボシオオキスイみたいです。



それからシバツトガ



白い蛾があちこちでひらひら飛んでいました。止まるのを待って撮ったのがこの写真です。脚が黄色ので、キアシドクガだと思います。



最後はマンションで見つけた蛾です。コブガは確かなのですが、コブガには似た種が多くて困ってしまいます。これもヨシノコブガとか、シロフチビコブガ辺りが似ています。ただ、「標準図鑑」の説明を読むと、後者は「前縁中央の黒褐色紋は前種(ヨシノコブガ)に比べて不明瞭なことが多く、中室内の小黒点はこの紋から分離していることが多い」となっています。特徴はよく合っているので、たぶん、シロフチビコブガの方かなと思っています。

家の近くのむし探検 校外学習の下見の続き

家の近くのむし探検 第394弾

来週、行われる小学校の校外学習の下見の続きで、6月1日の分です。





校外学習は水の張った田んぼでの水遊びの後、農道を歩いて虫探しをすることになっています。その虫探しのコースを歩いてみました。農道の横に溝があるのですが、きっと子供たちはこんなところを覗くだろうなと思って覗いてみたら、変な虫が登ってきては跳ねていました。何だろうと思って横から撮ってみると、





なぁんだ、ショウリョウバッタの幼虫みたいでした。





バッタもいたのですが、みな幼虫みたいです。種類までは分からない・・・。



これはタケトゲハムシ。当日、こんなのが見られるとよいですね。



これはマミジロハエトリか、マミクロハエトリの♀。





そして、これはニジュウヤホシテントウ



ヒメテントウがいました。今度こそは名前を調べようと、まず、写真を撮ってからと思ったら、ころっと下に落ちてしまいました。写真もこんなピンボケ。なかなか思い通りにはいかないですね。



これは昨年よく見ました。チャバネヒメクロバエ。これについては以前、調べたことがあります(こちらこちら)。



たぶん、ヒメバチの仲間だと思うのですが、まだ、ヒメバチまでは手が回りません。採集はしませんでした。



これはドウガネツヤハムシ



たぶん、ミズアブの仲間でしょうね。早速、この間作った「図鑑もどき」で調べてみると、ルリミズアブ Sargus niphonensisにちょっと似ています。ただ、脚腿節がルリミズアブでは黒いのですが、これは黄色です。さらに、盾板の後半部分にある毛が気になります。それで、Sargusの仲間かもと思って文献を探してみました。

A. Nagatomi, "Species-Groups of Sargus and a New Japanese Species (Diptera, Stratiomyidae)", Jpn. J. Ent. 58, 735 (1990). (ここからダウンロードできます)

ここにSargusの種群に対する検索表と代表的な種についての検索表が載っていました。これは複眼が離れていて♀だと思われるので、♀の検索表で調べてみると、metallinusになるのですが、この検索表には肝心のniphonensisが載っていません。ということで、まだよく分からない状態です。



次はクロウリハムシ



カシルリオトシブミ



それにヒメマルカツオブシムシ



それに何だから分からないアシブトコバチの仲間。こんな小さな虫ならたくさんいるのですけど、子供たちはあまり興味がないでしょうね。



と思っていたら、目の前を白い蝶が飛んでいき、クリの花に止まりました。イシガケチョウです。こんなのが出てくるといいですね。



最後はルリシジミでした。やはりチョウとトンボ、甲虫をもっと見つけないといけないですね。

雑談)来週行われる小学校2年生の校外学習の詳しい資料が送られてきました。それを見ると、私は「虫のおじさん」から「虫博士」に格上げされていました。子供たち全体を二分して、一方は田畑での活動、もう一方が農道を歩いて虫探しになるみたいです。虫が好きな子ばかりが集まるとすると、花の写真は要らないのかなぁ。当日にならないとよく分からない。

この間から作っていた「図鑑もどき」に昆虫以外の写真も載せようと思って、昆虫以外の無脊椎動物と脊椎動物の写真も加えてみました。まだ水鳥が残っているのですが、それ以外は一応、写真を貼り付けました。哺乳類や爬虫類などはまだほとんど写真がないので不十分な感じはするのですが、とりあえず当初の目的だった「身近な生き物の名前を知りたい」に沿うようなものができました。魚の写真が全くないなど、水生生物が特に弱いですね。

家の近くのむし探検 校外学習の下見

家の近くのむし探検 第393弾

来週、小学校の校外学習に「虫のおじさん」としてついていくことになったので、6月1日にコースの下見に行ってみました。私も知らなかった細い道を通り、山の中の道なき道を通り、畑を突っ切り、やっと農道に出ました。その後、その農道をぐるっと一周するコースです。虫はそんなにいないかなと思ったのですが、いつものようにじっくりと見ていくといろいろといました。あまり会いたくない虫もいたのですが・・・。



まずは山に入る前の細い道で見つけました。ホソオビヒゲナガ♂だと思います。



それからシマサシガメです。この辺りはいつもの常連です。



触角第2節が円筒形なので、たぶん、ホシハラビロヘリカメムシのカップルだと思います。



これもいつも見かけるエゾホソガガンボです。



Pyrrhalta属はこれまで、アカタデ、エノキ、サンゴジュ、ニレを見てきたのですが、それらと比較するとニレハムシに近いかなと書こうと思ったら、日本列島の甲虫全種目録 (2018年)」によると、ニレハムシだけ、Pyrrhalta属からXanthogaleruca属に移されていました。Pyrrhalta属がやっと検索できるようになったと思ったら、もう一度、調べ直さないといけないみたいです。(追記2018/06/06:アカタデハムシもPyrrhalta属からTricholochmaea属に移されていました。しかも、これらが入ったヒゲナガハムシ亜科の属への検索表が見つからない・・・



ここからは茂みを抜けて農道に出てから見たものです。まずは綺麗な花を。これは外来のキキョウソウです。





で、そのすぐ横で見たくない虫を見つけました。マダニの仲間です。マダニについては以前調べたことがありました。それによると、幼ダニ、若ダニ、成ダニと3回宿主を変えて吸血をすることになっています。これはまだ小さかったので、若ダニかなと思いました。いずれにしても、こんなのがいるようなら、校外学習も気をつけないといけません。



葉の上にはアリが結構いました。それで写したのですが、名前までは分かりません。



これはいつも見ているシベリアカタアリ



2mmほどの小さなアリですが、これくらいは調べてみようと思って採集してきました。先ほど、検索をしてみたのですが、ヤマアリ亜科のアメイロアリになりました。合っているかどうかは分かりませんが・・・。顕微鏡写真を撮ったので、詳細は今度出すことにします。



これも小さなノミハムシの仲間です。こんな風に点刻列が綺麗に並んでいるハムシは先日調べたことがありました。その時はダイコンナガスネトビハムシになったので、これも同じかなと思っています。



このハエはよく分かりません。イエバエかなぁ。



これはたぶん、ナミガタチビタマムシ





これはコブハムシの仲間です。いつも見ているツツジコブハムシに比べるとかなり大きな気がしました。それで、一応、採集してきたのですが、まだ、調べていません。「原色日本甲虫図鑑IV」に検索表が出ていたのでしたね。



これはササグモ



鱗粉が取れていてよく分かりませんが、いつも見ているミダレカクモンハマキではないかと思いました。これでこの日見た虫の約半分です。続きは次回に回します。

廊下のむし探検 甲虫

廊下のむし探検 第1008弾

「廊下のむし探検」というわけでもないのですが、5月28日に外出から帰ってきたときにマンションの廊下で見つけた虫です。



フタモンウバタマコメツキです。オオフタモンウバタマコメツキ Cryptalaus larvatusには2亜種があって、その本土亜種がフタモンウバタマコメツキと呼ばれているということを以前書きました。ただし、いつも使わせていただいている「日本列島の甲虫全種目録 (2018年)」のリストによれば、本州産はオオフタモンウバタマコメツキ本土亜種、もう一方が基亜種となっているので、こちらの呼び方の方がよいのかもしれません。原色日本甲虫図鑑III」には検索表が載っているのですが、見分け方は翅端の形で、この写真のように湾曲しているのが本土亜種、直線的なのが基亜種で、後者は小笠原、琉球に分布しているそうです。



次はこのカミキリでアメイロカミキリです。「日本産カミキリムシ」を見ると、似た種はこれしかなくてすぐに分かります。ただ、基亜種とリュウキュウアメイロカミキリという亜種があり、両者は後脚腿節端(本には脛節端になっているのですが、腿節の誤りではないかと思います)が翅端を越えるかどうかです。越えればリュウキュウ、越えなければ基亜種となります。これは越えていないようなので、基亜種でよさそうです。さらに、検索表では、アメイロカミキリ属は「上翅は微小な毛が疎生する」という項目があります。それで、一応、見ておきました。



確かに毛がまばらに生えています。こんな感じなのですね。





最後はウスモンカレキゾウムシでした。

雑談)来週の火曜日に小学生2年生の校外学習についていくことになりました。近くの山の斜面を歩くだけなのですが、一応、下見をしてきました。こんなところに道があるのかなと思うような細い道を山に向かって歩き、途中で道がよく分からないまま竹林の中に入り、茂みを越えると突然畑に出てきます。その畑を突っ切ると道に出て、それをしばらく歩くと水を張った田んぼに着くようです。こんな道を本当に2年生が歩くのかなとちょっと驚きました。田んぼにはまだ水が張っていないのですが、当日はそこで水遊びをして、畑で種をまき、昼ご飯を食べた後、畑の間を通る道を歩いて虫探しをするということでした。でも、皆が虫好きというわけではないだろう、嫌いな子や怖い子には花でも探してもらおうと思って、今日は花の写真を撮ってきました。咲いてる花はせいぜい10種程度だろうなと思ったのですが、実際に撮ってみると全部で30種あまり。名前を入れてプリントにしてグループごとに配布しようと思ったのですが、これはちょっと多すぎです。それで、10種ぐらいに絞ってプリントを作ろうかなと思っています。

家の近くのむし探検 カゲロウ、ハエなど

家の近くのむし探検 第392弾

5月27日に家の近くにある林の入り口で見つけた虫の続きです。



見た順に出していきます。これはカゲロウの亜成虫です。尾が3本あるので、たぶん、マダラカゲロウの仲間だと思います。



これは大きなミノムシです。たぶん、オオミノガ。以前、外来の寄生バエの影響でほとんど姿を消したという話だったのですが、その後はどうなったのでしょう。(追記2018/06/22;通りすがりさんから、「ミノムシはチャミノガのもので、大型ならメスかも。最近はキタクロミノガが続々と羽化してましたよ。 」というコメントをいただきました。だいぶ大きかったのでオオミノガかなと思ったのですが、チャミノガの♀ですか。残念です。キタクロミノガというのは聞いたことがなかったですが、一応、近畿でも分布しているようですね。探してみようかな。でもミノガの♂はあまり見ないからなぁ



キンバエの仲間です。採集しないと種は分からないのですが、この程度の大きさだとちょっと迷いますね。どうもハエは苦手。



同じハエでもガガンボは怖くはないのですが、脚が長くて標本にするときに取れやすいのでこれも躊躇します。でも、採集すればよかったかな。これは♂みたいなので。



小さなハエですが、ヤマギシモリノキモグリバエではないかと思っているハエです。頭頂部が金属光沢で光っていて、拡大すると意外に綺麗です。今年の正月に検索したことがありました(こちらこちら)。そのときはモリノキモグリバエ属 Rhodesiellaまでは達したのですが、そこから先の種の検索はまだできていません。



葉を曲げてその中に隠れているクモがいました。以前も見たことがあって、その時は追い出してみたのですが、そうしたらアオオニグモであることが分かりました。これもたぶんそれでしょう。



これはヒメバチだと思うのですが、採集していないので亜科までは分かりません。



これはシマサシガメです。



写真がかなり暗くなってしまったのですが、これはクサグモ





こんな変な虫が活発に動き回っていました。止まってくれないので、なかなかうまく撮れないのですが、これはクサカゲロウの幼虫です。千葉大のサイトにクサカゲロウが成虫、幼虫の写真が載っているのですが、それと比較するとスズキクサカゲロウの幼虫みたいです。



これは尾が2本。たぶん、ヒラタカゲロウ科の亜成虫♂みたいです。



そして、ミダレカクモンハマキ





ハルノノゲシにアブラムシがいっぱいついていました。体に暗い帯があるので、たぶん、タイワンヒゲナガアブラムシみたいです。



よく見たら子供を産んでいるのも見られました。アブラムシは胎生だったですね。



これはこの間からいるカミムラカワゲラあたりの種。



葉の裏についていたので、横からしか撮れなかったのですが、これはドクガの幼虫かなぁ。



川の土手にある畑の風よけにヒシバッタが止まっていました。以前、ヒシバッタの検索をしたことがあったのですが、こんな写真でも結構、検索することができます。腿節末端に窪みがあるので成虫。第2のノッチ(窪み)があるのでヒシバッタ属。



前胸背板を前から見ると、断面の上面が少し膨らんでいることからハラヒシバッタではないかと思います。

家の近くのむし探検 甲虫

家の近くのむし探検 第391弾

5月27日に家の近くにある林の入り口まで行ってみました。この日は意外に虫は少なかったです。まずは甲虫から。



道路脇の茂みをずっと見ていくと、虫はそこそこ見つかります。これはハナウドに来ていたヒメマルカツオブシムシです。アリの方はよく分かりません。





これは同じ個体ですが、写し方で前胸背板後縁近い横溝がうまく写ったり写らなかったりします。下の写真では深い横溝が見えるので、たぶん、クワハムシではないかと思います。



これはウリハムシ



これはナガタマムシの仲間です。よく見かけるので、何とか名前が分からないかなと思って、「原色日本甲虫図鑑III」を見てみたのですが、どれもよく似ていて違いが分かりません。似たような形状のものはほとんどAgrilus属なので、たぶん、この属だろうと思われます。「日本列島の甲虫全種目録 (2018年)」によると、Agrilus属には102種が記録されています。それで、検索表がないかなと思って文献を探してみました。

E. Jendek and V. Grebennikov, "Agrilus (Coleoptera, Buprestidae) of East Asia", Nakladatalstvi Jan Farkac (2011). (ここからダウンロードできます)

こんな本が見つかりました。これは日本を含む東アジアのAgrilus属だけを対象にして書かれた本で、内容は充実しているのですが、驚いたことにAgrilusだけで34の種群に分けられています。一応、各種群の形質が表になっているので、一つずつ調べていけば種群くらいは分かりそうですが、ちょっと途方に暮れてしまいそうな量です。やはり今回はパスして、今度採集したときにでも見てみることにしましょう。



触角が長くて基部が互いに近いのでヒゲナガハムシ亜科みたいです。脚が黄褐色で、特に後腿節が黒くないのでキアシノミハムシではないかと思っているのですが、どうでしょう。



これはこの間間違えたチャバネツヤハムシだと思います。



これはドウガネサルハムシ



最後のテントウムシはいろいろな可能性を考えたのですが、結局、ナミテントウではないかと思っています。残りの虫は次回に回します。

雑談)この間から作っていた「図鑑もどき」がやっと出来上がりました。全部で2000種以上入っているので、ちょっとした分量になりました。特に、蛾は1000種以上載っているのでかなり充実しています。今は科別になっている配列を亜科に分けたりとか、♂♀の写真を入れたりとか、手直しをしているところです。全部で700ページ以上あるので、印刷するのも大変だし、ネットにあげるのも容量が大きすぎるし、これからどうしたらよいか迷っています。

京都府立植物園の花

5月25日に久しぶりに京都府立植物園に行きました。私は虫探しが目的なのですが、花も少し撮ったので載せておきます。撮影は主に植物生態園という野草が植えてある場所で行いました。





最初はオカタツナミソウです。「野に咲く花」によると、丘陵の林縁などに生えるそうです。





次はシチダンカです。アジサイの品種です。





次はキョウカノコです。涼しそうな花ですね。



でも、さらに拡大すると何だか暑苦しくなりました。



家の近くでもこんな葉があったので、一応、写しておきました。ヤブサンザシだそうです。



よく見ると実がなっていました。





ヤマボウシの花は高い木のてっぺんあたりが満開だったので、普通に歩いていると気が付きません。それでだと思うのですが、ひもで枝を引っ張って見えるようにしてありました。





次はムサシアブミです。花はもう終わりみたいです。昔、野草を育てていた頃にはこのムサシアブミも植木鉢に植えていました。





これはホウロクイチゴというようです。



この日の目的の一つはこのオオバウマノスズクサの花を見ることです。



とにかく変わった花です。もうちょっと拡大してみます。





これは何が見えているのでしょうね。



ユキノシタの花はいつ写しても格好いいですね。



池の縁に生えていたこの草には葉の途中に変わった花が咲いていました。



名札がなかったので、この花を手掛かりに「野に咲く花」で探してみると、カヤツリグサ科のカンガレイという植物がよく似ています。「カヤツリグサ科入門図鑑」にも出ていました。この図鑑によると、タタラカンガレイという似た種もあるようですが、違いはよく分かりません。





生態園での撮影の最後はこのシロバナクサナギオゴケです。クサナギオゴケは「山に咲く花」に載っていました。ガガイモ科でえんじ色の花でした。



生態園を出て半木神社の方に向かって歩いていたら、バイカモはどこですかという質問を何度かされました。どうやら新聞で報道されていたようです。90年前に京都で絶滅したとされていた花を植物園で10年前から試験栽培してやっと咲かせたという内容だったようです。探していたら、やっと見つかりました。結構、狭い場所で咲いていました。



思ったより、小さな花です。



拡大してみたのですが、ちょっとクモが邪魔でしたね。



最後は「四季彩の丘」の水槽にあった水草です。たぶん、外来種だろうなとは思ったのですが、一応、写しておきました。在来種とどう違うのだろうと疑問に思ったのですが、調べてみると意外にややこしい話です。日本の在来種としてはアカウキクサAzolla imbricataとオオアカウキクサ Azolla japonicaの2種が知られているのですが、前者は三角形状に増殖するので、これとは違います。従って、オオアカウキクサの方なのですが、在来種は現在では絶滅危惧種になっているそうです。外来種については次の論文に載っていました。

T. Suzuki, I. Watanabe, and T. Shiraiwa, "Allozyme Types of Water Fern Azolla Japonica and its Relatives (Azollaceae) Growing in Japan", Acta Phytotax. Geobot. 56, 71 (2005). (ここからダウンロードできます)

要は、水田にAzollaを繁殖させると、これに共生するシアノバクテリアの作用で窒素固定ができるようになるのでAzollaが肥料の役割を果たし、また、Azollaが水田を覆うことで他の雑草が生えにくくなるので、中国南部やベトナムでは「緑の肥料」として広く用いられていました。それで、フィリピンのIRRI(International Rice Research Institute;国際稲研究所)では世界中からAzollaを集めて、そこで選ばれた株を生物肥料として広めました。日本では1993年から合鴨農法が発達し、Azollaは有機農業の一環として急速に取り入れられました。Azollaは肥料としてのほか、合鴨の餌としても用いられました。そのため、様々なAzollaとそれらの交雑種が導入されました。これらのAzollaがあちこちに広がったという話です。

この論文ではアロザイム分析という手段を用いて全国73個所のAzollaを調べています。アロザイムというのは突然変異で酵素のアミノ酸配列の一部に変化を生じたけれど、酵素機能自体は変わらないというものです。アロザイム分析とはこのわずかな配列の違いから種を調べていく方法です。実際には九州から東北までに分布するAzollaについて、8種類の酵素のアロザイムを調べてみた結果、日本に分布するAzollaは全体として6つのグループに分かれることが分かりました。それらはA. caroliniana、人工的交雑種(A. filiculoides×A. microphylla)、A. filiculoidesとA. microphyllaのそれぞれに非常に近いもの、それにA. rubraに近い2グループになりました。最後のA. rubraに近い2グループが日本の在来種A. japonicaに相当するかもしれないとのことです。つまり、A. japonicaにもいくつかのアロザイムタイプが存在するということのようです。いずれにしても、外見上でこれらのグループを見分けるのはかなり難しそうです。ネットで見ると、A. filiculoidesはニシノオオアカウキクサ、A. carolinianaとA. microphyllaなどは統合されてA. cristata(アメリカオオアカウキクサ)、A. rubraはミナミオオアカウキクサ、A. filiculoides×A. cristataはアイオオアカウキクサと和名の書いてあるサイトがありました。出典は分からないのですが・・・。

追記2018/06/02:詳しくは分からないのですが、アロザイム分析とは、目的とする酵素を酵素電気泳動法で分離して、そのパターンを見る方法のようです。酵素をゲルの端に入れ、ゲルの両端に電圧をかけると、電荷を持った酵素は動き出します。その動きやすさ(易動度)は酵素の持つ荷電量やゲルとの親和性などにより変化するので、僅かなアミノ酸配列の違いでも見いだせるのではと思います。よく分かりませんが・・・
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