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廊下のむし探検 甲虫、ハエ、ハチなど

廊下のむし探検 第956弾

10月31日にマンションの廊下で見た虫の続きです。



また、この甲虫がいました。これまで、5-6月、10-12月に何度か見ています。ただ、マルトゲムシ科Microchaetes属らしいというところまでしか分かっていません。少し、文献を調べてみました。

辻雄介、「山口県におけるMicrochaetes 属(マルトゲムシ科)の一種の初記録」、豊田ホタルの里ミュージアム研究報告書第9号、105 (2017). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)

今年の報告に載っていました。この報告の中にこれまでの記録についても載っています。Microchaetesはオーストラリアのタスマニアで何種か報告されていますが、なぜか日本でも2000年ごろから観察されているようです。マルトゲムシ科の研究をしているPützの論文を見ても、日本で見つかっているのはMicrochaetes sp.になっていました。

A. Pütz, "Vierter Beitrag zur Kenntnis der Pillenkäfer Japans (Col., Byrrhidae)", Entomol. Nachricht. Ber. 48, 39 (2004). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)

なかなか難しそうです。





そのほか、アルファルファタコゾウムシ



ハナムグリもいました。





一応、腹面と頭盾は写したのですが、結局、採集して先ほど調べてみました。たぶん、ナミハナムグリではないかと思います。



ハムシもいました。ウリハムシです。最近、ハムシを調べているので、これも採集しました。





こんな脈を持っているのはクロバネキノコバエかタマバエなのですが、前縁脈が一周回っていないので、たぶん、クロバネキノコバエの方かなと思います。





色が少し違うのですが、これもクロバネキノコバエの仲間ではないかと思います。





これはアメリカミズアブ



ハエがいたので、横から撮ったのですが、これから科ぐらいは分かるかなぁ。上からも撮ればよかった。

追記2017/11/05:科が分からないかなと思って少しあがいてみました。まずは剛毛です。



各部の名称は「新訂 原色昆虫大図鑑III」を参考にしました。また、剛毛の略称のだいたいは「絵解きで調べる昆虫」の中の笹川満廣、「双翅目昆虫の絵解き検索による検索」に載っているものを使いました。剛毛のどれがどれに相当するかのはだいぶ怪しいです。そのつもりで見てください。

まず、微かに中脚副基節の剛毛が見えている感じです(hy?と書いたところ)。それで、ヤドリバエ、ニクバエ、クロバエあたりになるのですが、外観からはヤドリバエではないなと思い、ニクバエかクロバエかを疑ってみました。「新訂 原色昆虫大図鑑III」の検索表では、外側の肩後剛毛が横線前剛毛(横線直前の翅背剛毛)より明らかに外側に位置するとクロバエ、上方(内側)に位置するとニクバエと書いてあります。外側の肩後剛毛はphと書いた剛毛、横線直前の翅背剛毛はacと書いた部分の左端の剛毛を意味するすれば、phはasの上方にあるのでニクバエの可能性があります。

次に、盾板の背側域には2本の背側剛毛があればクロバエ、このほかに2本の二次的な刺毛を生じればニクバエという項目もあります。背側域の背側剛毛というのはptと書いた部分ですが、この部分をよく見ると、2本の長い剛毛と2本の短い剛毛があります。それで、これもニクバエの可能性になります。次は、翅脈です。もう一枚撮った写真の方は翅がわずかに見えていました。



M1脈が中室端より翅縁に近い位置で前方に屈曲すればクロバエ、中室端に近いところだとニクバエという項目もあります。M1脈は白矢印で示した部分で屈曲しています。翅縁と中室端の中間の位置みたいです。これもニクバエを支持するかもしれません。ということで、ニクバエ科が第1候補になりました。この写真を見ると、何となく腹部に市松模様があるような気もします。いずれにしても背側からとか、側面からとか、前面とか、いろいろな方向から撮らないと駄目ですね




蛾もいました。カブラヤガかなと思ったのですが、前翅後縁側の色が薄いので、オオカブラヤガではないかと思います。



小さなハチがいたのですが、よく分かりません。



こちらはセグロアシナガバチです。触角の先が曲がっているので、♂だろうと思います。





前翅に鏡胞があって、後体節第1節の気門が基部よりなので、アメバチ亜科ではなく、たぶん、ハバチヤドリヒメバチ亜科のアメバチモドキの仲間ではないかと思います。合っているかどうかは分かりませんが・・・。

雑談)今日は冷凍庫に入れておいたハムシ3種の検索をしてみました。ウリハムシ、ハッカハムシ、ルリマルノミハムシの3種です。大体は見たらすぐに分かる種だったのですが、検索表を順番に調べていき、検索項目の内容を確認しておきました。触角の基部が近いか離れているかとか、前胸腹板突起の幅が狭いか広いかなどは、文章では表せないものがありますね。やっぱり分かった種で確かめておく必要があるようです。顕微鏡写真も撮ったので、随時ブログに載せていきます。
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