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家の近くのむし探検 クサカゲロウ、甲虫など

家の近くのむし探検 第298弾

朝の続きで、7月24日に公園に行ったときの記録です。



公園に行く前に、マンションの廊下でこんなクサカゲロウを見つけました。何となく白っぽく、翅に黒い横脈があるので、いつも見ているクサカゲロウとは違った感じです。クサカゲロウは顔を見るのでしたね。



頬に黒い模様が一つあるだけです。たぶん、フタモンクサカゲロウかなと思ったのですが、確か、ヒメニセコガタクサカゲロウもそうだったなと思い出し、復習ついでにもう一度検索表を見てみました。

S. Tsukaguchi, "Chrysopidae of Japan (Insecta, Neuroptera)", (1995).

検索表はいつも使わせていただいている、塚口氏の本に載っているものを翻訳したものです。



この2種はニセコガタクサカゲロウ属に入っているのですが、そこに至る過程と種への検索を書いてみました。ついでに間違い易い4種についても違いが分かるようにしておきました。要は、触角柄節に斑点がなく、口肢が黒褐色に色づかない、腹部背面に黄色の縦筋が明瞭であるの条件でフタモンクサカゲロウに達します。それで、確かめてみました。



前額の紋が触角でちょっと見えないのですが、ないとすれば、触角柄節外側に紋がなく、口肢も色づいていません。たぶん、間違いないでしょう。ただ、腹部背面中央の黄色の縦筋がややはっきりとはしないのですが・・・。



ついでに復習のために前翅基部付近の翅脈も見てみました。翅脈については以前、ヨツボシクサカゲロウの検索のときに少し勉強しました。

.H. Comstock、"The Wings of Insects"(1918).

この複雑な翅脈は、Comstockが発生時の翅脈の変化から判断して上のように解釈していました。検索表ではim室の先端とRs-M脈がどちらが翅端側にあるかどうかということですが、im室付近の翅脈はこの写真のようにかなり複雑です。im室の先端から出ている部分はM1+2とM3+4が重なっていると解釈しています。ややこしいのですが、発生段階を追いかけているので、もっとも説得力がある感じです。



甲虫ではこのヨツスジトラカミキリを公園で見つけました。最近は、めったに大きな虫に出会わないので、カミキリなんて久しぶりです。



後はマンションの廊下で見た、たぶん、アオカミキリモドキ



それとこの甲虫でした。体長は3.0mm。かなり小さいのですが、活発に動き回っていました。名前調べはずいぶん苦労したのですが、触角の特徴や前胸背板の後縁が曲がっていることなどを参考にして、「原色日本甲虫図鑑」を探した結果、マルハナノミ科ではないかと思いました。種までは分からなかったのですが・・・。



最後もマンションの廊下で見つけたクビキリギスです。これは公園に行くときに見つけたのですが、戻ってきたらもう翅だけになっていました。後はハエとハチが残っています。もう少しです。
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家の近くのむし探検 カメムシ目

家の近くのむし探検 第297弾

7月24日に家の近くの公園へ行ったときに見た虫の続きです。公園に行くと、いつも、何か注目する虫が出てきます。この日はイトカメムシがそれでした。それで、イトカメムシばかりを撮っていました。





例によってイトカメムシの幼虫です。翅が一部出かかっているので、5齢あたりかなと思います。





で、なぜかいつもハチが犠牲になっています。捕まえようとしているところも見たいのですが、いつもこんな状態です。



これは脱皮殻。脱皮殻もあちこちで見ました。





こちらは翅が伸びているので、成虫みたいです。成虫は色がやや茶色っぽくなります。



こちらは翅が伸びているのですが、色は緑色です。脱皮直後なのかなぁ。イトカメムシだけを見ていても飽きませんね。



こちらはホシハラビロヘリカメムシ。ハラビロヘリカメムシとの違いは以前にも書いたのですが、「日本原色カメムシ図鑑第3巻」の検索表によると、ハラビロは「触角第1節が短く、複眼を含む頭部の幅より短い」とあります。一方、ホシハラビロは、「触角第1節が長く、複眼を含む頭部の幅より長い」という仲間に入ります。そのほか、ハラビロヘリカメムシは触角第2、3節が扁平な三角形状になっているために、写真では太く写ることが多いのですが、これはそうでもありません。というところから、ホシハラビロヘリカメムシにしました。



カスミカメは毎回苦労するのですが、これは以前にも見たことがありました。その時はズアカシダカスミカメにしています。絵合わせで決めているのですが、毎回調べてこの種になっているので、たぶん、大丈夫でしょう。



これもカメムシ目です。アオバハゴロモ。公園に行く途中の道で見ました。幼虫は綿毛で覆われているので、周りが白いのはそのせいなのかな。



腹部末端付近から長い線のようなものが飛び出しています。幼虫は図鑑がないので調べようがなく、仕方なく、ネットの画像検索をしてみました。グンバイウンカ科のミドリグンバイウンカとしているサイトがいくつか見つかりました。ただ、この種は九大の昆虫学データベースにも、「原色昆虫大図鑑III」にも載っていません。「ウンカ・ヨコバイ・キジラミ類図鑑」には成虫の標本が載っていました。「生態:平地~山地の樹上で見られる。国内分布:本州、四国、九州・・・」とのことです。学名はKallitaxila sinica (Walker, 1851)だそうです。

九大の昆虫学データベースにグンバイウンカ科は次の15種記録されていました。Cixiopsis(1), Mesepora(4), Kallitaxila(5), Catullia(1), Trypetimorpha(2), Ossoides(1), Ommatissus(1)で、カッコ内は種数です。ヨコバイなどの幼虫はよく見るのですが、幼虫の情報は極めて少なく、いつも困ってしまいます。今回は調べてみると、次の論文が見つかりました。

C.-T. Yang and W.-B. Yeh, "Nymphs of Fulgoroidea (Homoptera: Auchenorrhyncha) with Descriptions of two New Species and Notes on Adults of Dictyopharidae", 中華昆蟲特刊第八號 (1994). (ここからダウンロードできます)

台湾昆虫学会の特別号みたいですが、ビワハゴロモ上科の幼虫121種を扱ったなかなかの力作です。この中に、Kallitaxila sinicaも載っているのですが、残念ながら詳細はこの前に出された本の中にあるみたいで、それはダウンロードできませんでした。したがって、よくは分からないのですが、グンバイウンカ科の特徴を読んでみました。腹部末端の線状の構造が気になったので、腹部について見てみると、この科では腹部は9節だそうです。それで、さっきの写真から腹部の節を数えてみました。



見かけ上は8節なのですが、最後の9節は小さく隠れているみたいです。このうち、7節と8節にワックスを出す穴(wax-pore)が並んでいるそうです。第7節の両側には30個以下がplate上に分布し、あるいは、1-6個が曲線状に並んでいて、第8節には20個以下、あるいは、2-6個が曲線状に並ぶとのことです。写真がはっきりしないのでよく分かりませんが、7節からは1本、8節からは2-3本ほど見られます。これが手掛かりになるかもしれません。もっとも、台湾産については科、属、種の検索表も載っているので、採集したら何とかなるかもしれません。ただし、5齢幼虫が対象とのことで、この個体が何齢かよく分かりません。それでもう少し文献を探してみました。

M. J. Fletcher, "The External Morphology of Kallitambinia australis Muir (Homoptera: Tropiduchidae)", J. Aust. ent. Soc. 20, 157 (1981). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)

この論文では、属は違うのですが、同じグンバイウンカ科の幼虫の齢について書かれていました。絵があるので、分かりやすいのですが、以前、カメムシ科の幼虫の齢についてまとめたときと似ている感じなので勝手に解釈すると、前翅包(写真の黒矢印)がはっきり見えているのが3齢以上です。さらに、前翅包が後翅包を覆いかぶさるようになっているのが5齢でした。それで、この写真の個体は3齢か4齢かという感じなのですが、何となく、4齢のような気がしました。今度、この辺に注意してもう少し探してみようと思います。





次はこれ。何となくオサヨコバイに似ているので、オサヨコバイの幼虫かなと思いました。前翅包が後翅包を覆いかぶさるようになっているので、これは5齢かもしれません。先ほどの規則がグンバイウンカ科以外まで適用できるかどうか分かりませんが・・・。



これはたぶん、マエジロオオヨコバイでしょうね。本当はもう少し書く予定だったのですが、時間が無くなったので、ここでとりあえずストップです。

家の近くのむし探検 蛾とクモ

家の近くのむし探検 第296弾

7月24日に家の近くにある公園で見た虫です。この日は虫が多くて、なおかつ、難しい虫が多くて、名前調べは結構手こずっています。とりあえず、蛾が終わったので、蛾とクモを出すことにします。







時間がかかったのはこの蛾です。マンションの廊下で見つけました。翅に黒い紋があるので、「日本産蛾類標準図鑑III」をぱらぱら見ていたら、イッテンシロナガヒロズコガというヒロズコガ科の蛾らしいことはすぐに分かりました。でも、こんな感じの蛾は多いので、本当にそうかなと解説を見たら、「触角は発達した繊毛をもち、基部の節は太い。前翅は灰色で、横脈上に黒点をもつ」としか書かれていません。この種は「日本産蛾類大図鑑」にも載っていないので、もう少し詳しく書いてくれてもいいのにと思って、ちょっと文献を探してみることにしました。そうしたら、うまい具合に記載論文が見つかりました。

D. R. Davis, "A World Classification of the Harmacloninae, a New Subfamily of Tineidae (Lepidoptera: Tineoidea)", Smithonian Institution Press (1998). (ここからダウンロードできます)

この論文の中に特徴が詳しく載っていました。どうせ、写真では胸部と前翅くらしか見えないので、その部分だけ翻訳すると次のようになります。

 胸部背面は頭部と同じ色だが、より暗く、先端がより暗褐色の鱗粉に覆われる。さらに、淡い金銅色の鱗粉が散在する;中胸小盾板の上には長くて、暗い鱗粉の盛り上がりがある。腹面は頭部と同じ色。
 前翅は白色から明るい灰色で、先端が暗褐色の鱗粉が様々に散在し、線や点の模様を形成している。前縁領域はもっとも淡色で、暗褐色の斑紋が後縁(背側)から径脈の間にあり、中室の端にはもっとも大きな暗褐色の斑紋がある;暗色領域では幅の広い、淡金銅色の鱗粉が散在する;後縁(背側)の1/3と2/3付近には一対の房がある;縁毛は暗褐色の帯をもつ白色鱗粉と一つの明瞭な端近くの帯がある;・・・

鱗粉の詳細までは写真で分からないのですが、だいたいは合っている感じがします。特に、「後縁(背側)の1/3と2/3付近には一対の房がある」というところはよく合っています。ただ、縁毛に関してははっきりしなかったのですが・・・。最近、虫の検索をよくやっているので、蛾の図鑑の説明がちょっと簡単すぎるような気がしました。



これは公園で見つけたフタナミトビヒメシャクです。蛾はこれだけでした。



次はクモです。これはマンションの廊下で見つけました。たぶん、シラヒゲハエトリではないかと思います。



これは公園で見つけたハエトリですが、腹部背面の模様からネコハエトリの幼体かなと思っています。



最後はこの間から見ているハエトリで、イワテハエトリか、ヤガタハエトリかなと思っています。とりあえず、今日はここまでです。

家の近くのむし探検 甲虫、蛾など

家の近くのむし探検 第295弾

昨日の続きで7月23日に家の近くの公園で見つけた虫です。



相変わらずハムシはよく分かりません。これは前胸背板が茶色なのでいつものサルハムシとは違うのかなと思ったのですが、図鑑を見るとチャイロサルハムシの前胸背板の点刻はもう少し顕著に見えます。以前、Basilepta属の検索は少しだけ試みたことがありました。でも、採集しないとほとんど分からないですね。



これはいつものウスイロサルハムシでしょうか。(追記2017/10/06:これはサクラサルハムシの色変わりかもしれません。詳細はここをご覧ください。ひょっとすると、この上の個体もそうかもしれません





これは以前から何回も見ているヒレルクチブトゾウムシかな。





蛾はなかなか渋い写真ばかり。上はたぶん、コウンモンクチバ、下はモンキクロノメイガかな。



これはホソオビキマルハキバガ



そして、例によって難解なヒメシャクです。これは翅頂近くの黒点が目に付きます。クロテンシロヒメシャクあたりかなと思うのですが、タカオシロヒメシャクとどうやって区別をつけたらよいのやら。(追記2017/09/21:ささきさんから、「Scopulaはほぼ典型的なクロテンシロヒメシャクapicipunctataですね。タカオとの違いはうまく言葉で表現できないんですが、前翅の亜外縁部に特徴が出やすいように思っています。」というコメントをいただきました。やはりクロテンでよさそうですか。そうではないかとは思ったのですが、ちょっと自信がありませんでした。どうも有難うございました。タカオも出てきてくれると比較できるのですけど・・・



後はイトカメムシの5齢幼虫。



それにウシカメムシの5齢幼虫。





ツヤユスリカは腹部に模様があって分かりやすいのですが、♀はどうもはっきりしません。上は分かりません。下はナカオビツヤユスリカあたりかな。







こういった感じの小さなハエトリがたくさんいるのですが、腹部背面の模様を見ると、ネコハエトリの幼体かなと思いました。



これはイワテハエトリか、ヤガタハエトリというところ。





これは初めて見たのではないかと思います。「ハエトリグモハンドブック」を見ると、たぶん、キアシハエトリ





最後はホシミスジでした。

家の近くのむし探検 ヒトスジシマカ

家の近くのむし探検 第294弾

7月23日に公園に行って見つけた虫です。この日もいろいろと見られたのですが、その中で蚊を調べてみました。







今日の最初はこの蚊です。どうもいつものヤブカと違います。しかも、触角を見ても、膨れたおなかを見てもいかにも♀です。それで、こわごわ近寄って写したので、写真がどれもはっきりしませんでした。それでも、名前を調べてみようと、いつも利用させていただく農研機構動物衛生研究所の「蚊の情報」を見てみました。写真では詳細が分からないところが多くて検索表を追いかけることができません。でも、ぱらぱら見ていると、胸背に一本筋のあるのはヤブカ属のヒトスジシマカ周辺の種のようです。この辺だけの検索表を見てみると、ヒトスジシマカか、ヤマダシマカかということになるのですが、その区別がちょっとはっきりしません。

それで、ネットを探していたら次の論文を見つけました。

K. Tanaka, K. Mizusawa, and E. S. Saugstad, "A Revision of the Adult and Larval Mosquitoes of Japan (Including the Ryukyu Archipelago and the Ogasawara Islands) and Korea (Diptera: Culicidae)", Contrib. Amer. Ent. Inst. 16, 1 (1979). (ここからダウンロードできます)

これは900ページ以上にもなる大作です。蚊の形態についても詳細な説明があり、検索表もあり、すばらしい文献で、蚊はどんとこいという感じです。そこで、早速、使ってみることにしました。ヒトスジシマカはAedes属Stegomyia亜属に入っていたので、その亜属の種への検索表を見てみました。



その部分だけ訳したものがこれです。実は分からない表現が多くて結構翻訳には苦労しました。ここで出てくる種は、galloisi(ミスジシマカ)、riversi(リバースシマカ)、flavopictus(ヤマダシマカ)、albopictus(ヒトスジシマカ)の4種です。上の写真だけでは分からないところがかなりあったのですが、頑張って検索をしてみると、とりあえず、ヒトスジシマカには達しました。その過程を写真で見ていきたいと思います。


この写真では盾板中央に白い一本筋があることと、複眼が上部で離れていることを見ます。ついでに、触角がこんな感じなのは♀で、♂はもっとふさふさです。



この写真では分からなかったところが多かったのですが、?で書いているのが確かめられなかった部分です。中心に長く伸びているのが口吻、根元にあるのが口肢(小顎肢)です。口肢の節までは分からなかったので?です。また、fossal areaは肩後あたりなのですが、これもよく分からないので?です。ミスジシマカは両横に筋があるので三筋なのですが、これにはありません。



④bはここにある模様についてなのですが、動物衛生研究所では「胸背後方のW字斑」と書かれていました。確かにW字型に見えなくはありません。ここが白だとヒトスジシマカ、黄色だとヤマダシマカと書かれているのですが、ちょっとはっきりしません。でも、白い感じですね。



この写真を見ると、③bはともにOKみたいです。②bのpostspiracular areaは矢印の部分ではないかと思うのですが、はっきりしません。ちなみにpostspiracularは気門の後ろという意味です。もう少し鮮明な写真を撮ればよかったと後悔しています。



最後は後脚跗節第4節の白色部分の長さなのですが、実測は0.60-0.61になりました。ヤマダシマカはこれがもっと長いので、たぶん、ヒトスジシマカでよいのではと思いました。いろいろと分からないところが多かったのですが、一応、検索表は追いかけられたので、たぶん、大丈夫ではないかと思います。ヤマダシマカか、ヒトスジシマカの区別にはこの後跗節第4節を見るのが一番簡単みたいです。なお、「日本昆虫目録第8巻」(2014)によると、この属と亜属はStegomyia属Quasistegomyia亜属になっていました。また、ヤマダシマカはflavopictusの亜種flavopictaになっていました。

他の虫は次回に回します。

家の近くのむし探検 甲虫、ハエ、ハチ

家の近くのむし探検 第293弾

昨日の続きで7月21日に公園に行ったときに見た虫たちです。この日は甲虫を何匹か見たのですが、どれもみな難しい・・・。





公園に行く途中でアオカナブンを見ました。あの奥深い緑色を何とか出せないかなと思って、フラッシュをたかないで光の方向を考えながら撮ったのですが、緑が薄べったいですね。





公園に着いてツツジの葉表を調べていったら、こんなハムシがいました。体長2.1mm。小さな小さなハムシです。後脚腿節が黒くて太いので、こういうハムシがいるといつもツブノミハムシあたりと書いているのですが、この間紹介した論文を見てみると、なかなか複雑です。

S. Kimoto, "The Chrysomelidae of Japan and the Ryukyu Islands. X  Subfamily Alticinae III", J. Fac. Agriculture, Kyushu Univ. 13, 602 (1966). (ここからダウンロードできます)

この中にはツブノミハムシの含まれるAphthona属についても書かれているのですが、そもそも属の検索が半端じゃないです。一方、Aphthona属には5種が載っていて、検索表も載っているのですが、点刻のこと、色のこと、触角の節の太さのことを言われるとどうもはっきりしません。やはり採集しないと無理ですね。





これは以前からキアシチビツツハムシだと思っていた種ですが、検索をしたことがないので何となく不安になってきました。検索表が手に入ると、ハムシも亜科、属の検索をきちんとしてみないと得心がいかなくなってきますね。





これはヒメクロオトシブミで大丈夫でしょう。





これは公園の帰りに道端の塀に止まっていたのを見つけました。体長は7.7mm。最初、なんだか分からなかったのですが、図鑑をパラパラ見ていたら、スナゴミムシダマシ Gonocephalumの仲間みたいです。「原色日本甲虫図鑑III」にはこの属は16種が載っています。このうち、本州に生息するものは8種です。図鑑の説明には触角第3節が第4+第5節より短いかどうかが書かれているのですが、これは測ってみると、第3節/(第4+第5節)=0.78になるので、これにより8種のうちのヒメカクが除けます。後は頬の張り出し方が出ているのですが、その部分を拡大してみます。



複眼の前が盛り上がっているような感じで、なんだかよく分かりません。大きさはあまり当てにはならないのですが、一応、それでフィルターをかけてみると、コ、ヤマト、ヒメの3種が残りました。解説に載っている前頭幅と複眼横径の比はちょっと測れません。残るは前胸背板の形ですが、コとヒメは前角が三角形で尖る、ヤマトは先はやや丸くなるとなっていました。この写真、どう判断してよいのか分かりませんが、何となくヤマトスナゴミムシダマシに近いかなと思いました。けど、よく分かりません。



ハエではこのハキナガミズアブがいました。一時期、大量にいたのですが、今は少し減ってきた感じです。



翅脈のM1+2が曲がってR4+5に近づいているので、イエバエ、ヤドリバエ、クロバエ、ニクバエ辺りになるのですが、雰囲気的にはヤドリバエみたいです。特徴があるので、名前が分からないかなと思ったのですが、残念ながら分かりませんでした。




これはたぶん、フチグロユスリカ♂。



これは全体が黒いので、以前、ヤマツヤユスリカかもと書いていたのですが、「図説 日本のユスリカ」に載っている検索表を見ると、ヤマツヤユスリカは前脚跗節第2、第3節が白、把握器が淡色と書かれていました。ということはたぶん、これは違うのでしょうね。♂なので、捕まえてくればよかったですね。



葉の上にいたので、撮ったのですが、どうやら死んでいたみたいです。ハチはどうも分かりません。さて、なんでしょうね。



最後はマンションの廊下で見つけたヒラズオオアリの雌有翅アリが翅を落としたものです。

家の近くのむし探検 イトカメムシほか

家の近くのむし探検 第292弾

7月21日に家の近くの公園へ行ったときに見つけた虫たちです。



脚や触角がまだら模様なのでヒメイトカメムシかなと思って、「原色日本カメムシ図鑑第3巻」を見てみたのですが、イトカメムシの幼虫もこんな感じです。第1巻でヒメイトカメムシとされていた写真がイトカメムシ5齢幼虫だったと書かれていました。ヒメイトカメムシは以前にも見たことがあるのですが、色が褐色だったので、たぶん、これはイトカメムシの5齢幼虫だろうと思われます。ハチが犠牲になったみたいですね。



しばらく見ていたら、そこから離れていきました。



こちらは別の個体です。これもイトカメムシの幼虫みたいです。



こちらはコガシラアワフキ



これはベッコウハゴロモか、アミガサハゴロモの幼虫ですね。後ろからだとよく分かりません。でも、何だか顔みたいに見えますね。



蛾ではこんなのがいました。「標準図鑑」で調べたのですが、翅の基部に黒い点が3つありそうで、たぶん、ヒロバミツボシキバガかなと思ったのですが、よくは分かりません。



この間から何度も見ているヒメクダマキモドキの幼虫です。





小さなハエトリですが、腹部背面の模様から、ネコハエトリ幼体かなと思いました。





これは公園からマンションに戻る途中で見たものです。ヤマノイモの雄花かなと思いました。



最後はマンションの壁に止まっていたもので、たぶん、ホソバネグロシャチホコだと思います。後、甲虫、ハエ、ハチが残っているのですが、次回に回します。

廊下のむし探検 ハエ、甲虫など

廊下のむし探検 第929弾

7月20日にマンションの廊下で見つけた虫の続きです。この日は蛾が多かったのですが、それ以外はそれほどいませんでした。



最初は消防設備に止まっていたアブです。両眼がくっついているので♂です。検索表は♀用なので、残念ながら調べられません。でも、近づいて写そうとすると、何だか睨みつけられているようでこちらもちょっと警戒です。(追記2018/03/05:検索表が♀用しかないので、♂の場合はTabanus sp.としておきます



次はキクイムシです。この間、怪しいながらも検索してみたのですが、たぶん、同じ仲間でしょうね。なかなか面白い格好の甲虫なのですが、慣れないせいか検索は難しかった・・・。



次はアズチグモかなと思います。



クサカゲロウがいました。これは顔をアップすると名前が分かります。



この模様、小腮鬚の外側だけが黒いところからヤマトクサカゲロウだと思われます。これについては以前調べたことがありました。ただし、私の住んでいるところでは、幼虫で見る限り、ヤマトクサカゲロウとクロズヤマトクサカゲロウの2種が混在しているみたいです。この2種は成虫の鳴き声と幼虫でしか区別できません(この辺りのことは以前書きましたので、そちらをご覧ください)。したがって、ヤマトクサカゲロウの仲間としか言えません。パッと見て名前が言えなくなるのはつらいですね。



後は小さなハナノミです。ハナノミは今のところお手上げです。



これはイタドリハムシです。





ガガンボもよほど特徴がある種を除いては、お手上げです。



最後はウスバカゲロウです。翅に模様のないのはウスバカゲロウとコウスバカゲロウなのですが、縁紋あたりの前縁小脈に翅脈間をつなぐ横脈があるかないかで見分けられるのでした。これについても以前書いたことがありました。



これも拡大してみると横脈があるので、ウスバカゲロウの方みたいです。

廊下のむし探検 羽アリ、蛾

廊下のむし探検 第928弾

7月20日にマンションの廊下を歩いて見つけた虫たちです。今回は羽アリと蛾についてです。





この間から、いろいろな羽アリが見られるようになってきました。これは以前、オオハリアリの有翅♂だと教えていただいたものと同じだと思います。その後、調べていなかったので、ちょっと調べてみました。"Ants (Formicidae) of Southeastern United States"というサイトで、Brachyponera chinensis (Emery) 1895 [=Pachycondyla chinensis]として紹介されていました。♂の特徴も書かれていたのですが、アリにしては触角が特徴的なので、触角を比較してみました。



記述には、「触角は13節で、第1節の長さは第2節の2倍で、それ以降の節よりやや短い」と書かれていたのですが、この写真を見ると、まさにその通りみたいです。通常、アリの第1節(柄節)は長く、第2節の間は折れ曲がるのですが、これはそれとは違っています。初めて見たときはコマユバチだと思ってしまいました。

追記2017/07/25:上で紹介したサイトを見ていたら、このアリに刺されると、かなり痛くて、腫れが長時間続くそうです。

M. P. Nelder et al., "Emergence of the introduced ant Pachycondyla chinensis (Formicidae: Ponerinae) as a public health threat in the southeastern United States", J. Med. Entomol. 43, 1094 (2006). (ここでAbstractを見ることができます)

引用されていたこの論文の要旨を読むと、
オオハリアリは70年以上も前に北米にもたらされたようです。このアリ自身は攻撃的ではないのですが、巣を乱されたり、飛んできた雌有翅アリが皮膚についたり、服の隙間に入ったりしたときに刺すようです。刺されると、80%の人が5cm以下の腫れができ、繰り返し痛みや腫れ、蕁麻疹が2時間から5日程度続くようです。12%の人は痛みや腫れはほとんどなく、あってもせいぜい1時間ほど消えるそうです。残りの8%は5cm以上の腫れができ、繰り返し痛みや腫れ、ひどい蕁麻疹などが3日から15日も続くそうです。ネットで探すと、アナフィラキシーを起こしたという報告も散見されました。意外に危険なアリみたいです。いずれにしてもこれは♂だから大丈夫かな





これは頭部が四角いので、たぶん、ヒラズオオアリのようです。この日はたくさん見られました。「日本産アリ類全種図鑑」によると、樹上営巣性で結婚飛行は6-7月だそうです。



後は蛾です。また、苦手はヒメシャクです。この手のヒメシャクにもいろいろいます。

ウスキ: 外横線が鮮明
オイワケ:外横線が点状で、後縁で濃色になる
サクライキ:外横線は直線状で、脈上で黒くなる。外縁に明瞭な黒点列
ウスモンキ:外横線は直線状で、後翅外横線が横脈点側に凸に内入
オオウスモンキ:外横線は直線状、後は特徴があまりない

よく似ているのはこの5種ですが、こんなところで見分けられることになっています。この写真の個体は特徴があまりないので、オオウスモンキヒメシャクかなと思ったのですが・・・。



これは以前も見たキバガ科のヤマモモキバガだと思います。



ツマキエダシャクの仲間ですが、翅裏で区別できることなっています。この写真ではよく分かりません。



こちらも以前見たオオナミガタアオシャクだろうと思います。



ゴマフリドクガ



アオアツバ



で、これがまた問題です。何の気なしに撮ったのですが、外横線が直線的とか、中室中に白い紋があるとか、その外側に暗色の2本線があるなど、多少変わっています。「大図鑑」と「標準図鑑」を見たのですが、よく分かりませんでした。それで、「南四国の蛾」に載っている写真をずっと見ていくと、ツチイロノメイガあたりの蛾が似ています。たぶん、ホソオビツチイロノメイガではないかと思ったのですが、よくは分かりません。



最後はフタテンオエダシャクでした。

マダニ吸血の仕組み

この間、写真を撮りにいって帰ってきたら、手首にマダニがついていました。びっくりして取り除いたのですが、それをきっかけにマダニについて調べてみました。



いつも行っている林の入り口の道端でマダニを見たことがあります。この写真はその時に撮ったものです。葉先に止まっていて、長い前脚を開いたり閉じたりしていました。ちょうどUFOキャッチャーみたいにして・・・.。きっと、ここを通る獣の毛に捕まるのでしょう。マダニは蚊ほどは馴染みがないですが、ヒトにとっては蚊についで第2位、動物では第1位の疾病媒介節足動物になっているそうです[5]。

そこで、ダニがどうやって血を吸うのか、少し文献を調べてみました。参考にしたのは次の論文です。

[1] 佐伯英治、「マダニの生物学」、動薬研究 No. 57, 13 (1998).(ここからpdfが直接ダウンロードできます)
[2] 藤崎幸蔵、「マダニとマダニ媒介性疾病の対策、とくにマダニの吸血生理と自然免疫に関する知見をもとにして (1)抗止血機構」、動薬研究 No. 62, 1 (2003).(ここからpdfが直接ダウンロードできます)
[3] 辻尚利、「マダニの吸血調節物質」、日獣会誌 64, 263 (2011).(ここからpdfが直接ダウンロードできます)
[4] 辻尚利、藤崎幸蔵、「マダニの生存戦略と病原体伝播」、化学と生物 50, 119 (2012).(ここからpdfが直接ダウンロードできます)
[5] 藤崎幸蔵、「マダニの吸血消化の分子基盤に関する最近の話題:とくにビテロジェニン受容体とバベシア原虫の介卵伝搬」、動物の原虫病 25, 7 (2010). (ここからダウンロードできます)

その結果は驚くべきものでした。文献[2]と[4]に描かれた図を参考にして、その仕組みを絵にしたものが次の図です。



マダニの体は顎体部と胴体部に分けることができますが、顎体部には脳組織も目もないことから頭部というよりはむしろ口器だけに相当するそうです[1]。皮膚に取りついたマダニは、鋏角を使って皮膚を切り刻み、そこに口下片を差し込みます。鋏角の先端は動くことができて、その辺りの毛細血管を破り、そこに血のプール(blood pool)を作ります。また、セメント物質を分泌し、体を固定します。よくマダニに食いつかれても引っこ抜こうとすると頭を残して取れてしまうので、無理に引き抜かない方がよいということを聞きますが、たぶん、このセメント物質があるせいだと思います。

蚊などは皮膚に口吻を刺して、皮下にある血管を探して血を吸うのですが、皮膚にある血管は全体の容積の5%に過ぎないというので、探すのはなかなか大変です[2]。また、たとえ探し出しても、血管が細いので、そこから大量に血を吸うのは難しいのです。マダニ成虫は皮膚に取りついて1週間から10日間も血を吸い続け、体は100倍にも膨れ上がると言われています。それだけ長い間、大量の血を吸うために、この図のようなblood poolを作るのです。

でも、ここで問題が起きます。ヒトも動物も血が出ればそれを防ぐ止血機構を持っています。また、異物に対しては免疫機構により防ごうとします。蚊ぐらいの短い時間ならば問題はないのですが、マダニのように1週間も血を固まらないようにするためには特別の仕組みが必要になります。

その仕組みを知るために、まず、ヒトの止血の仕組みについて調べてみました。



これは、一般社団法人日本血液製剤協会HPの図を参考に描いてみた止血・血管修復の仕組みです。血管が破れると、そこに血小板が集まってきて血小板血栓ができます。これだけだと弱いので、そこにフィブリンというたんぱく質が覆いをつくり、それを網目状にして頑丈なフィブリンネットを作ります。こうして一時的に止血した後、表皮細胞を再生させ、その後、血小板やフィブリンを分解して血管の修復が終わります。

つまり、血管の止血は次の3つの過程から成り立っていると考えられています[2]。
1.血小板凝集により血栓形成→血管破たん部分に栓をつくる
2.血漿の凝固メカニズムの活性化→フィブリンメッシュが血栓を固着
3.血管収縮

1、2は上の絵で説明しましたが、さらに、血管平滑筋を収縮させて血が流れないようにします。つまり、マダニがblood poolを作ろうとすると、これだけの過程をすべて潰さないといけないのです。上の論文[2-4]によりますと、これらに関与するさまざまな物質が唾液腺から分泌されていることが分かってきました。それらをまとめてみると、次のようになります[2-4]。

抗止血
 抗血小板物質:アピラーゼ、ディスインテグリン、モウバチン
 抗血液凝固物質:マダニ抗凝固ペプチド(TAP)、トロンビン阻害因子、ロンギスタンチン
 抗血管収縮物質:プロスタグランディン、ヒスタミン結合蛋白
抗血管修復
 血管新生抑制物質:ヘマンギン

これらの物質が唾液腺から分泌され、止血や血管修復を巧妙に抑制して、長時間、blood poolが維持されるようにしているのです。これは数億年の昔から動物とそれから吸血するマダニの間で互いに進化しながら獲得されてきた仕組みなのです。薬理学者の間では、マダニは「節足動物界最強の薬理学者」だと呼ばれてきた所以であります[2]。このマダニの唾液腺に含まれる物質をヒントにしてさまざまな薬の研究も行われています。


(イラストはフリー素材を用いました)

マダニの生活史はこの図のようになっています(「マダニ対策、今できること」、国立感染症研究所昆虫医科学部(ここからpdfが直接ダウンロードできます)を参考にしました)。卵から孵った幼ダニは野ネズミなどの小動物に取りつきます[1]。そして、4-5日吸血して飽血すると、セメント物質を溶かして落下し、1週間後に若ダニに脱皮します(血を十分に吸っていっぱいになることを飽血といいます)。若ダニはウサギなどの中型の動物に取りつき、やはり4-5日吸血して飽血すると落下して、2-3週間後に成ダニに脱皮します。成ダニはシカなどの大型の動物に取りつき、6-10日ほど吸血して約10倍の体重増加になります。吸血中に交尾すると、その後は急速な吸血を行い、さらに約10倍に増え飽血すると落下します。その後、数日~1か月程度で産卵することになります。吸血中に交尾できないと長時間吸血を行いますが、落下後産卵はしないで、そのまま生涯を閉じることになります。一方、♂は少量(数倍)吸血するだけで♀を探し、交尾に至ります。ただし、マダニの交尾は精子を入れた袋を♀の生殖門に送り込むだけのものだそうです[1]。受精後、♀は300-数千個の卵を産卵します。受精をしても受精卵と未受精卵ができ、未受精卵は♂、受精卵は♀になります。このように、幼ダニ、若ダニ、成ダニと異なった宿主から吸血するので、3宿主性と呼ばれています。

抗免疫についてははっきり書かれていなかったのでここでは書きませんでした。また、マダニには病原体を媒介するというヒトや動物にとっては厄介な役割も果たしています。でも、長くなったので、この話はまた別の機会にします。

家の近くのむし探検 蛾と甲虫

廊下のむし探検 第927弾

7月18日と19日に出かけるときにマンションの廊下で見つけた虫たちです。





まずは18日から。これは階段に止まっていました。見たことがなかったので、一応、撮影しておいたのですが、帰りに見たら誰かに踏まれてつぶれてしまっていました。調べてみたら、クロスジシャチホコというようです。



これはそのすぐ横に止まっていました。たぶん、ミジンキヒメシャク



こちらは天井に止まっていたナシイラガ。(追記2017/07/23:tar*ait*さんから、「ナシイラガとある個体ですがおそらくヒメクロイラガではないでしょうか?」というご指摘を受けました。ヒメクロイラガ、その通りです。いつも見ていたので、よく調べずにうろ覚えで書いてしまいました。恥ずかしいので、早速、直しておきます。ご指摘どうも有難うございました



それにフタスジヨトウです。







次は19日で、家の前の蛍光灯の傍に止まっていました。キイロゲンセイです。これまで、6月終わりから9月中旬まで6回見ていました。



やはり天井に止まっていました。小さかったので、あまり綺麗に写らなかったのですが、触角が途中で膨らんでいて奇妙です。調べてみると、ウスモンツツヒゲナガゾウムシという名前のようです。「原色日本甲虫図鑑IV」によると、これの含まれるOzotomerus属は♂触角第4節が異常に大きいようです。

家の近くのむし探検 ハムシ、カメムシ幼虫ほか

家の近くのむし探検 第291弾

7月16日の午前中にちょっとだけ公園に行ってみました。今日は時系列で出します。



まずはマンションの倉庫の壁にいたジュウシホシツツハムシです。この壁はなぜか虫がよくついていますね。公園に行く前にはいつもここを覗いてから行くことにしています。



公園に着いて最初に見つけたのがこの虫でした。触角の柄節が長いので、羽アリかなと思うのですが、それ以上は分かりません。



公園を見渡しても、あまり虫の姿は見当たりません。後で気温を見ると32度。もう本当に夏ですね。そうなると、いつもは無視しているアシナガバエを写すしかないですね。このハエはフラッシュをたくと必ずぴょんと近くに飛んでしまうので、最初の何発かまったく何も写っていません。そのうち、諦めたのかじっとしているので、こうやって撮ることができます。この間、調べたように、複眼に比べて頭頂部が凹んでいて、M1がぐにゃっと曲がり、M2があり、R4+5がM1に大きく近寄るのはホソアシナガバエ亜科の特徴でした。さらに、M1が一度基部に向かうように大きく分岐し、R2+3がまっすぐではなく、翅縁近くで緩やかに後縁側に曲がるのはAmblyosilopus属でした。したがって、これはAmblyosilopus属ということになります。「日本産アシナガバエ科チェックリスト」によると、この属にはspを含めて5種。だいぶ近づきましたが、たぶん、未記載種も多いのではないかと思うので、どうなることか。





同じハエですが、何枚か撮ったので、載せておきます。アシナガバエは綺麗でいいですね。



次はナカオビツヤユスリカ♂ですが、腹端近くに何かついています。ダニなのかな。相当に小さなユスリカなのですが、それにつくダニがいるというのもまた驚きです。





これもホソアシナガバエ亜科Amblyosilopus属だろうと思うですが、先ほどと何となく色が違っていました。



それから、アカガネサルハムシでした。

暑いからそろそろ帰ろうかと思って、植え込みから出ている葉を見ると、



孵化したばかりのようなこんなカメムシの幼虫がくっついていました。卵が12個、幼虫が12匹なので、全員集合です。「日本産幼虫図鑑」や「原色日本カメムシ図鑑」をぱらぱら見たのですが、若齢幼虫が載っているのは少ないので、分かりません。それで、ネットで画像検索をしてみました。キマダラカメムシの1齢か2齢幼虫としているブログがいくつか見つかりました。相変わらず出典や根拠は書かれていません。それで、文献を探してみたのですが、適当なものが見つかりません。先ほどの図鑑はすべて5齢幼虫しか載っていないので駄目でした。それで、いろいろなブログを読んでいったら、卵から、孵化直後、1齢、2齢、・・・と丁寧に観察しているブログが見つかりました。どうやら、キマダラカメムシで大丈夫そうです。



ちょっと拡大して寸法を測ってみました。体長は3.7mm。孵化した後の卵の殻は幾何学的で綺麗ですね。



さらに拡大です。次は幼虫の齢です。キマダラカメムシだと、カメムシ科なので、この間の幼虫の齢の検索表が使えそうです。

翅包は認められない
 後胸背板は左右それぞれへら型かオール型で、中胸背板に比べてほとんどの種では広いが、稀に等幅かやや狭い種もある
  複眼はあまり突出しない                    第1齢
  複眼は顕著に突出する                     第2齢
 後胸背板は左右それぞれオール型、長刀刃型、矛刃型などで、中胸背板に比べてほとんどの種で狭いが稀に等幅かやや広い種もある               第3齢
前翅包は認められる
 後翅包は認められない                        第4齢
 前・後翅包が明瞭に認められる             第5齢

これは次の本に載っていたものです。

小林尚、立川周二、「図説カメムシの卵と幼虫―形態と生態―」、養賢堂 (2004).

翅包は将来翅になる原基のようなものですが、もちろん、これにはありません。したがって、1齢から3齢ということになります。次の後胸背板の幅の意味がこの間はよく分からなかったのですが、たぶん、次の写真のようだと思われます。



つまり、横幅ですね。こうして比べると、確かに後胸背板の幅は中胸背板より広いので、これは1齢か2齢かになります。さらに、複眼が埋もれているようだと1齢、飛び出していると2齢です。これは矢印で示すように少し飛び出しています。従って、2齢ではないかと思います。

雑談)夏になって虫がだいぶ減ってきて、少しは楽になってきました。今度展示するパネル4枚も水曜日に作り上げたのでひとまずほっとしています。後は高齢者向けに話すための準備だけです。でも、夏はどうしてこうも忙しいのだろう。

家の近くのむし探検 カメムシ、ハチ

家の近くのむし探検 第290弾

7月12日に公園で見つけた虫たちの続きです。



これはマンションの近くにいたカメムシで、この間からいるフタモンホシカメムシではないかと思います。



これもマンションの花壇にいたウスモンミドリカスミカメです。



たぶん、アカガネコハナバチだろうと思いますが、こんな写真からもある程度、属の検索ができます。「日本産ハナバチ図鑑」に載っている検索表を使うと次のようになります。



翅脈の太さまでは分からないのですが、その他はみな確認できました。これで、アカガネコハナバチの含まれるアトジマコハナバチ属 Halictusになったので、たぶん、大丈夫でしょう。



カマキリの幼虫です。オオカマキリか、チョウセンカマキリかよく分かりません。昨年、調べた感じではオオカマキリでしたが・・・。



次は甲虫です。これはいつもいるカシルリオトシブミ





これはたぶん、ウスイロサルハムシ。(追記2017/10/06:これはサクラサルハムシかもしれません。詳細はこちらをご覧ください



この手のハムシは苦手です。何でしょうね。



ヒメクロオトシブミ。葉がぼろぼろになっています。





クチブトゾウムシなのですが、もう少し背側から撮ればよかった。これだとよく分かりません。



最後はムーアシロホシテントウでした。それにしてもハムシは難しいですね。

虫を調べる キクイムシの検索で苦戦

この間から、マンションの廊下でキクイムシをよく見かけるので、一度検索をしてみようと思って採集してきました。でも、論文の英語で分からないところがあったり、検索の項目で迷うところが何か所かあったりで、散々迷いに迷っています。でも、いつまでも抱えていても仕方がないので、一度出そうと思って、まとめてみました。



調べたのはこのキクイムシです。検索表は次の論文のものを用いました。

A. Nobuchi, "Studies of Scolytidae IX (Coleoptera) Key to the Subfamilies, Tribes and Genera of Japan", Bull. Gov. For. Exp. Sta. 238, 149 (1971). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)

この中には亜科、族、属の検索表がそれぞれ載っていて、また、図も豊富に用意されているので、一見、検索は簡単そうなのですが、よく分からないところも多く、意外に苦戦しました。とりあえず、検索の結果、Ipinae亜科になり、次いで、Xyleborini族になったのですが、この族への検索が怪しいかもしれません。仮にこれが合っているとすると、ほぼ間違いなくXyleborus属にはなります。このように怪しいところが多いのですが、とりあえず、Xyleborus属に至る過程を写真で見ていきたいと思います。



まずは亜科への検索です。①から③までを確かめることにより、Ipinae亜科になります。いつものように、検索順でなく、部位別に調べていきたいと思います。



まずは背側から写したものです。体長をどうやって測ったらよいのか分からないので、寸法を入れておきました。ここでは前胸背板側縁が凹まないことと前胸背板中央部に穴のないことを見ます。それぞれ矢印で示した部分です。次に上翅の前縁が前胸背板側に伸びていないことを見ます。




次は横から見たものです。丸い頭部がこんな下側についています。これでは上から見えないはずです。



次は口の部分を見たものですが、顎葉というのがよく分かりません。たぶん、①で示した部分だと思うのですが・・・。この内側に毛が生えているので、①はそのことかなと思っています。



これはその部分を拡大したものです。毛が生えていることだけは確かです。体のわりに大顎がしっかりしています。さすが、キクイムシといわれるだけはあります。



これは前胸背板で、表面が凸凹していることが分かります。これが③です。後方に向いた刺(spines)は刺毛のことかなと思いました。



これは前脚脛節ですが、①の腹面の皺というがはっきりしないのですが、論文の絵から①→のところにある凹みのことを指しているのではと思いました。これにはないのでOKです。②は歯状の突起です。これで、すべての項目を確かめたので、たぶん、Ipinae亜科までは確かだと思います。



次は族と属への検索です。⑧についてはどうも自信がないので、⑧aとbの両方を書いています。また、英語が分からないところがあるので、元の単語と注釈を入れています。



これは複眼を写したものです。複眼は2分していないことは確かなのですが、内側が深くえぐれているようにも見えます。これは、たぶん、"not or"と書いてある英語の解釈が間違ったのかなと思っています。もう一方の項目では「複眼は2分する」なので、たぶん、大丈夫だと思いますが・・・。



④は触角のこん棒状部の形で、丸いというより、上が扁平な半球型みたいな感じがしますが、もう一方の項目が長細いというので、これでもOKでしょう。⑧aの額葉の放射状の棘というのがあるような気がしたので、⑧bも書いてみました。ただし、この後で出てくる中・後脛節の形は明らかに⑧aが正しいので、たぶん、大丈夫だと思うのですが、怪しいところです。



これは属の検索で出てくる項目で、鞭状節(たぶん、中間節のこと)は5節です。


ここは前胸背板と上翅に関するもので、項目がたくさんあります。たぶん、すべてOKでしょう。




これは腹側から見た写真です。後胸前側板は矢印で示した部分だと思いますが、明瞭に見えています。また、前脚基節の基部は互いに接するほど接近しています。



これは、たぶん、後脚脛節の写真ですが、途中で太くなって徐々に細くなっています。それで、⑧aで合っているのではと思っています。これで、Xyleborus属にはなったのですが、額葉のあたりがどうも不明確です。論文にはその部分の絵も載っているのですが、どうもこの個体とは違うようで、怪しいところです。解釈が違っているかもしれません。今度、別の種の検索をしてみると、あるいは分かるかもしれません。

ついでに撮った写真です。



前胸背板を拡大したものです。まるで鱗のようになっています。



さらに拡大してみました。まるでまつぼっくりですね。変わった構造です。



最後は額葉と触角を撮ったものです。

キクイムシの検索を初めてやってみました。検索表の英語の表現が分からなくて、翻訳に苦労しました。だいぶ癖のある英語でした。とりあえず、Xyleborus属にはなったのですが、次の論文によると、Xyleborus属には49種が記録されていて、たとえ、属の同定が合っていたとしても先はまだまだ長いです。

後藤秀章、「日本産キクイムシ類分類学研究の歴史と種のリスト」、日林誌 91, 479 (2009). (ここからダウンロードできます)

家の近くのむし探検 蛾、ハエ

家の近くのむし探検 第289弾

7月12日に公園で見つけた虫たちです。暑さが増してきて、虫もだんだん少なくなってきました。そうなると、ついついハエを撮ってしまいます。



でも、まずはマンションの壁にいた蛾からです。これも苦手な蛾の仲間です。というのは、似た種が何種もいるからです。そこで、ちょっと特徴をまとめてみました。



シロテンとあるのは、シロテンウスグロノメイガのことです。すべて、ウスグロノメイガを後ろにつけてください。この仲間の♂は腹部が長く伸びるので、この写真の個体は♀のようです。それで、「標準図鑑」に載っている♀の特徴だけを書いてみました。赤字はどうも違うと思われるところです。それらを加味した判定を最後に載せました。これからは、ヒメアカとアカが第1候補になるのですが、外横線が直線的で前縁に近いところで角張るというヒメアカが一番合っているかなと思って、ヒメアカウスグロノメイガにしてみました。



このアミメケンモンもマンションの廊下の壁にいたものです。



後は公園で見ました。公園ではこんな感じで撮れることが多いですね。たぶん、フタホシシロエダシャク



チャドクガ



フタテンオエダシャク。蛾はこんなところでした。





ユスリカはこの手のが多かったです。これは以前調べたことのあるフチグロユスリカではないかと思います。ともに♂ですね。



もっと小さなユスリカもいました。たぶん、ナカオビツヤユスリカの♂。



これはキモグリバエの仲間のようです。



今年はこのハキナガミズアブが多いです。あちこちに止まっていました。



最後のこのハエは何でしょうね。残りの虫は次回に回します。

家の近くのむし探検 甲虫、カメムシほか

家の近くのむし探検 第288弾

7月11日に公園で見た虫たちの続きです。かなり頑張って虫の名前調べをしているのですが、遅れが一向に解消しません。とうとう8日遅れになってしまいました。







最初はマンションの倉庫の壁で見つけた甲虫からです。このゾウムシ、どうしても名前が分かりません。「原色日本甲虫図鑑IV」と「原色昆虫大図鑑II」を何度か見たのですが、どうしても見つかりません。果てはゾウムシモドキとか、ゾウムシダマシなんていうのがいるじゃないかなんて思ったりして・・・。お分かりの方、お教えいただけると助かります。大きさを測るの忘れたのですが、そこそこの大きさだった記憶が・・・。

追記2017/07/19:立西さんから、「ツツゾウムシかその近縁種ではないかと思います。」というコメントをいただきました。ツツゾウムシか、コゲチャツツゾウムシかってところですね。やはりブログに出してよかったです。名前が分からず、ずっと悩んでいました。教えていただき、どうも有難うございました。「原色日本甲虫図鑑IV」によると、コゲチャツツゾウムシは「触角第1中間節が第2中間節の1.5倍あり、中胸腹板突起は隆起し、中・後脛節端の刺毛列は直線状」となっています。一方、ツツゾウムシは「触角第1中間節は第2中間節とほぼ等長、中胸腹板突起は隆起しない、中・後脛節端の刺毛列は曲がる」とのことです。後2者は写真では分からなかったのですが、触角は簡単に確かめられます。



これによると第1中間節は第2中間節の1.52倍になり、たぶん、コゲチャツツゾウムシだと思われます。忘れないように触角の各部の英語も書いておきます。柄節はscape、中間節はfunicle、棍棒状部はclub




次は公園で見つけました。たぶん、セマダラコガネ





次はこれ。今まで見ていた、ニレハムシとは色がだいぶ違って赤っぽいです。それに前胸背板の中央に黒点が一つ、小盾板も黒です。写真から測った体長は4.0mm。たぶん、ニレハムシなどと同じPyrrhalta属は確かだろうと思って、いつものように採集、と思ったら逃げられてしまいました。ハムシは近づくと下にぽたっと落ちることが多いので、下で小さなチャック付きの入れ物(チャック袋というのかな)の口を開けて置いておくと、手を近づけただけでうまく袋に入ります。でも、袋がちょっと小さすぎました。口の横をするっと落ちてしまいました。そうなるとどこにいったのかもう分かりません。仕方ないので、この写真で調べてみることにします。ニレハムシらしき個体は以前、詳しく調べたことがあります。その時用いた文献が次の論文です。

S. Kimoto, "The Chrysomelidae of Japan and the Ryukyu Islands. VI Subfamily Galerucinae I", J. Fac. Agriculture, Kyushu Univ. 13, 287 (1964). (ここからダウンロードできます)

この論文の中にPyrrhalta属の種の検索表が載っています。原文は英語なので、えっちらおっちら翻訳しています。以前は一部だけだったので、ちょっと補充して全体を翻訳してみました。




①aの触角の第5節から第10節は幅の2倍より短いというのは、写真で判定する限りほぼ確かなので①bの方は訳していません。ところが実際に検索してみようと思ったら、②にあるような上翅側縁のconvexityとか、⑥にある上翅側片、それに腹部の色などが写真では分かりません。それで、検索はギブアップかなと思って、図鑑の図版を見たのですが、写真が不鮮明で細部までよく分からないこと、図版に出ていない種がやたら多いことで、絵合わせでもうまくいきません。それで、検索表を見て、消去法で明らかに異なる種を消していくことにしました。



対象となるのは①aを選んだ場合に出てくるこの8種です。この8種について検索表を見て、実際の写真と合致しない部分を書き出し、判定をしました。ただ、体長、色などはかなり変異があるのでそのことを考慮します。その結果が上の表です。例えば、takeiiについては前胸背板側縁に凹みがあるというのですが、この写真の個体ではありません。さらに、小盾板や脚の色も異なるようです。そこで、これは×にしました。また、lineolaは体長が少し違うのと、図鑑で見た分布が北海道だけなのですが、体長も分布もあまり確定的でないと思い、△にしました。こうしてみると、×でなく、△でもないものが1種だけ残り、それが第1候補になりました。それから、△が3種で、これらが第2候補になります。第1候補のsemifulvaはアカタデハムシで、ネットで見ても同じような写真が多いので、たぶん、これかなと思っています。最初はよく分からなかったのですが、こうやって表にまとめてみるとよく分かるようになりました。絵合わせと比べると、かなりまどろっこしいですが・・・。



次はカメムシで、これはエビイロカメムシ



それにツヤアオカメムシ







これはヒメクダマキモドキの幼虫かなと思っている個体です。よく分かりませんが・・・。





ハムシが落ちた辺りを探していて見つけました。上はマダラスズの♀、下は♂ではないかと思っています。



これはたぶん、フチグロユスリカの♂。これについては以前調べたことがあります。



アシナガバエですね。M1+2脈が途中から少し前縁側に曲がってその後R4+5脈とほぼ平行に進んでいきます。こんな翅脈の特徴を持つ属は結構います。まだ、まとまっていないのですが、Diaphorinae亜科ChrysotusとArgyra、Dolichopodinae亜科Dolichopus、Neurigoninae亜科Neurigona、Rhaphiinae亜科Rhaphiumなどです。ここからどう進むかはまだ分かりません。



こちらのM1+2は途中でゆるく曲がっています。このような翅脈を持つのは5亜科7属があります。アシナガバエも攻め方がなかなか難しいですね。



後はクモです。これは行く途中で見たマミジロハエトリ♂。



これは腹部下面が黒っぽいので、ワキグロサツマノミダマシではないかと思います。



最後はマンションで見つけたオオメコナガカワゲラ辺りのカワゲラです。これもいい加減決着をつけたいのですが、カワゲラはどうやって調べたらよいのか分かりません。

家の近くのむし探検 オオムラサキ、ウスバカゲロウ、コナカゲロウなど

家の近くのむし探検 第287弾

7月11日に家の近くの公園へ虫探しに行きました。着いたら、いつものようにツツジの葉表を調べていたのですが、近くをオオゴマダラみたいな蝶が飛び回ってうるさいので、ちょっと手を休めてそちらを見ていました。すると、すぐ前の木に幹に止まりました。



翅裏が白っぽいので、ひょっとしてオオムラサキ。ちょっと興奮しました。でも、しばらく止まった後、また飛び去ってしまいました。紫色の翅表が撮れなかったので残念だなと思って、まだその辺にいるかもと思って公園内を探してみると、砂場にいました。



砂に口吻を刺して吸水している様子です。



時々、翅を開くのでこんな写真も撮れました。普段、チョウはあまり撮らないのですが、オオムラサキは別格です。ちょっと気分がよくなりました。



こちらは公園に行く途中で見つけたウスバカゲロウです。複雑な模様ですが、その模様からコマダラウスバカゲロウかなと思いました。



これは頭部の拡大です。よく見ると、変わった虫ですね。





公園のツツジの葉にこんな白い虫がいました。コナジラミよりはかなり大きいので、以前、教えていただいたコナカゲロウだろうと思いました。これについては以前検索を試みて、シロコナカゲロウかもという判定になりました。この時のブログを読むと、翅脈が分かると判断がつくと書いてあったので、今回も調べてみました。ただ、こんなに白いと翅脈が見えません。そこで、明るさを変えて何とか翅脈が見えるようにしてみました。



これがそれです。ついでに、翅脈の名称と、検索で前翅の翅脈が問題になる項目を前のブログに習って書き入れました。この前翅で見る限りは以前と全く同じなので、たぶん、これもシロコナカゲロウだろうと思いました。翅が白く写ったので翅脈は無理かなと思ったのですが、やはり、やってみるものですね。



後は蛾です。公園で蛾を撮るといつもこんな感じになってしまいます。翅は葉で隠れているし、正面からは写せないし・・・。でも、これはヨスジノメイガではないかと思います。



こちらはフタテンオエダシャクかな。



それに、シバツトガ



この蛾が迷いました。腹部が赤い蛾にはハラアカアオシャク、ウスハラアカアオシャク、ホソバハラアカアオシャクがいます(と書きながら、自分が作ったアオシャクの画像リストを見てみると、キバラヒメ、コウス、ヘリグロヒメ、ハラアカヒメ、コシロスジなんかも赤とは言えないまでも何らかの色がついていました)。外横線の内側、内横線の外側が褐色になっていて、横脈点は丸い?などから、ホソバハラアカアオシャクかなと思ったのですが、よくは分かりません。



これはマンションの廊下で撮ったものです。また、白い蛾が死んでいました。この間はスカシドクガかもと教えていただいたのですが、これは触角が違う感じです。鱗粉がだいぶ取れているので、これも翅脈から何か分かるかな。まだ調べてはいないのですが・・・。



最後は最近よく見る、マエキオエダシャクと思ったら、横線の形がだいぶ違いますね。調べ直さないといけません。これは、失敗、失敗。

廊下のむし探検 甲虫、蛾など

廊下のむし探検 第927弾

7月8日にマンションの廊下で見た虫の続きです。最近は、7月終わりの市役所ロビーでの展示、8月初めの地域のコミュニティプラザでの自然展、7月末に行われる高齢者用の講義の準備でてんてこ舞いです。さらに、10月初めにマンションで文化祭をしようという話まで持ち上がって、その準備もすることになってしまいました。そんなわけで、虫の名前調べがだんだん滞って、とうとう1週間以上の遅れになってしまいました。以前は、図鑑やネットで名前をざっと調べるだけだったのですが、できるだけ正確に、また、詳しく調べようと思うと一匹に費やす時間も必然的に長くなります。でも、その分、面白い話が次々に出てくるので、なかなかやめられない・・・。





今日はまず甲虫から。これはイタヤカミキリではないかと思います。3年前の6月末に見ているので、これが2回目です。(追記2017/07/20:立西さんから、「最初のカミキリムシはヒメヒゲナガカミキリのように思えます。イタヤカミキリの過去の記録も拝見しましたが,そちらもヒメヒゲナガカミキリではないかと思います。」というコメントをいただきました。やはり違ってましたか。図鑑で見たらちょっと違和感があったのですが、前もそうしたのでそのまま名前を書いてしまいました。甲虫は難しいですね。ヒメヒゲナガカミキリ、覚えておきます。どうも有難うございました





キクイムシが2匹いました。この2匹を採集して、先日、亜科と属の検索をしてみました。検索には次の論文に載っている検索表を用いました。

A. Nobuchi, "Studies on Scolytidae IX (Coleoptera) Key to the Subfamilies, Tribes and Genera of Japan", Bull. Gov. For. Exp. Sta. 238, 149 (1971). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)

その結果、Ipinae亜科のXyleborus属になりました。ただ、Xyleborus属には、九大の昆虫学データベースでは68種も載っています。

後藤秀章、「日本産キクイムシ類分類学研究の歴史と種のリスト」、日林誌 91. 479 (2009). (ここからダウンロードできます)

一方、この論文では50種が載っていました。九大は1985年の「日本産甲虫目録」によっていると思うのですが、2009年の論文で数が減っているので、属の移動やらシノニムなどがあったのでしょうね。いちいち調べるのが大変なのでそのままになっています。そのままといえば、検索した際、顕微鏡で写真を何枚も撮ったのもそのままになっていました。ばたばたしていてすっかり忘れていました。いけない、いけない。



アオカミキリモドキだと思います。以前、アオカミキリモドキ♂と♀については調べたことがありました。カトウカミキリモドキやシリナガカミキリモドキのように似た種があるのですが、アオカミキリモドキ♂の生殖節が特徴的で、♀は第5腹板で見分けるのでした。この写真は♀みたいですが、採集しないとよく分かりません。でも、とりあえず、この辺でよく見るアオカミキリモドキということにしておきます。



次は蛾です。ちょっと色を濃くしすぎたかもしれません。実は、野外で撮るときと、マンションで撮るときでは背景がまったく違うので、カメラの設定を変えないといけなかったのですが、それをすっかり忘れていて、みな、露出オーバーになっていました。それで、ちょっと画像を修正しています。これはマダラニジュウシトリバです。



あぁ、またヒメシャクだ。しかも、特徴のない。この特徴のなさから、オオウスモンキヒメシャクかなと思ったのですが、違っているかな。



これはたぶん、キスジツマキリヨトウ



羽アリがたくさんいます。昔、アリは働き者で通っていたのですが、ヒアリが侵入してくるとそのうち、アリ全体が危険な虫というイメージが定着してしまうかもしれません。ちょっと悲しいですね。



その働き者のアリです。中胸気門が上ではなしに側面についているのでオオアリ属ですね。たぶん、クロオオアリだと思います。何かの翅を加えているのかな。何だろう。



後はモリチャバネゴキブリ



オオメコナガカワゲラ辺りのカワゲラ。







以前はこのような小型のハエトリを調べるのは四苦八苦だったのですが、先日、「ハエトリグモハンドブック」(文一総合出版、2017)を買ってから、調べるのが楽しみになりました。これはヒトリコゲチャハエトリ♀だと思われます。似た種に、シラホシコゲチャ、モンシロコゲチャがいると書いてあるのですが、腹部背面の模様はヒトリコゲチャが一番似ています。





最後はミノムシみたいなのですが、なんだか変なので写しました。ミノムシという上から顔を出してもそもそ動いているのが普通なのですが、これは下から顔を出しています。どうしたのだろう。なんて考えているとまた長くなりそうなので、とりあえずここで出しておきます。お分かりの方はお教えください。(追記2017/07/20:通りすがりさんから、「チャミノガのメス成虫のコーリングかも?」というコメントをいただきました。これはいいヒントをいただきました。早速調べてみます。どうも有難うございました

ついでに7月9日に見た蛾も出しておきます。





私の家のすぐそばの壁に止まっていたボクトウガです。この蛾の幼虫が西日本での樹液に深く関係していたのでした。調べると、いろいろと面白いことが出てくるので楽しいですね。

廊下のむし探検 カメムシとハエ

廊下のむし探検 第926弾

7月8日マンションの廊下を歩いたときに見つけた虫です。7月になると、6月よりは虫も少し減ってきた感じです。その分、いろいろと面白い虫にも出会えますが・・・。





まず最初はこのカメムシの幼虫です。「原色日本カメムシ図鑑」をぱらぱら見ていると、クサギカメムシの1齢幼虫あたりに似ています。それで、今度は「図説カメムシの卵と幼虫-形態と生態―」を見てみました。以前、カメムシ科の幼虫の齢について書いたことがありました。それによると、胸部背面が前胸、中胸、後胸と三つに分かれ、そのうち、後胸背面が中胸背面より広いか等幅のものが1齢と2齢で、さらに、複眼が突出しないのが1齢でした。クサギカメムシでは2齢以降は側縁に突起が出るので、もし、これがクサギカメムシなら、これは1齢となります。この本には図が載っているのですが、それと比べるとよく似ている感じです。ただ、決め手がないので何とも言えないですが・・・。



これはいつも見るシマサシガメです。今年はなんだか多いですね。





これはこの間見たサビヒョウタンナガカメムシではないかと思います。



7月2日に見たアカサシガメの卵、その後どうなったのかなと思って見に行きました。ユスリカもそのままくっついていたのですが、蓋がみな開いて、どうやら羽化した後でした。羽化の瞬間を見たかったのですが・・・。





こんなヨコバイが死んでいました。複眼の形に特徴があります。ヨコバイ亜科かなと思ったのですが、ヒメヨコバイ亜科かもしれないと思って調べてみました。「絵解きで調べる昆虫」には検索表が載っているのですが、その部分を抜き出すと次のようになります。



①と②は単眼の位置に関してです。vertexは頭頂、clypeusは頭盾です。上の写真で単眼を探したのですが、それらしい部分は見つかるのですが、どうもはっきりしません。ヨコバイ亜科に進むにはvertexの前縁にないといけないので、とりあえずそちらを選んで進みました。後の③から⑥は写真からでも判断できます。⑦がヒメヨコバイ亜科とヨコバイ亜科などを区別する項目ですが、前翅ScR脈を見ればよいことになっています。



上の写真はコントラストがないので、色を変換したあと、グレイスケールに変換しました。ヨコバイの翅脈については以前書いたことがありました。人によって翅脈の名称が違っているので、どれを採用したらよいのか判断できない状態でした。この写真の名称は「絵解きで調べる昆虫」に載っているものを使ったのですが、これはEmel'yanovによるものを採用したものです。いずれにしても、ScR脈を見ると中央部がはっきりしません。このことからヒメヨコバイ亜科の方かなと思いました。ついでですが、⑦aの最後には「単眼を欠如することが多い」と書いてあります。それでは、いったい、①と②で単眼の位置について書いてあるのは何の意味があったのだろうと思ってしまいました。



次はハエです。これはたぶん、クロバネキノコバエの仲間。





次はこのハエ。奇妙な感じのするハエでした。廊下にある排水管に止まって、その周りをうろうろ這いまわっています。採集しようとしたら、毒瓶に一度入ったのですが、ちょっとした隙に逃げてしまいました。それで、この写真で判断するしかありません。後で翅脈をお見せますが、M1+2脈が前縁に向かって曲がっていなくて、CuA+CuP脈が翅縁まで達しています。これで、ヤドリバエ、クロバエ、ニクバエ、イエバエはすべて除外されます。残りはハナバエ、ヒメハナバエなどですが、およそ雰囲気が違います。それで、ひょっとして、無弁翅類かもと思って、前縁に切目はないことと翅脈からヒロクチバエ科に達しました。それでネットの検索していると、「一寸のハエにも五分の大和魂・改」の記事が見つかりました。写真の個体と同じかどうかははっきりしないのですが、この記事ではPterogenia属の未記載種のようだとの判断でした。

私も検索してみようと思って調べると、ヒロクチバエ科の属の検索を以前試みたことがありました。

V. A. Korneyev, "A Key to Genera of Palaearctic Platystomatidae (Diptera), with Descriptions of a New Genus and New Species", Entomological problems 32, 1 (2001). (ここからpdfがダウンロードできます)

その時はこの論文に載っていた属の検索表を用いました。それで、もう一度それを使って調べてみました。



Pterogenia属は検索表の最初に出てきます。腹部が長さより顕著に幅広く、胸よりも短いというところはあっていそうです。


翅脈も調べてみました。検索表でbcu室とあるのはたぶん、この写真のcua室に相当すると思いますが、確かにbm室の方が少し長くなっています。斜めになっているので、広さまでは定量的に分かりませんが・・・。採集できなかったので、何とも言えないのですが、ひょっとするとヒロクチバエ科Pterogenia属かもしれません。ハエはつい油断してしまうからか、いつも逃げられてしまいますね。

家の近くのむし探検 ヨコバイなど

家の近くのむし探検 第286弾

7月7日に家の近くの公園で見つけた虫の続きです。





今日の最初はこの虫からです。脱皮直後なのか、殻が見えています。これについては以前、ヨコバイ科ヒメヨコバイ亜科のNaratettix rubrovittatusだと教わったことがあります。でも、この種は九大の昆虫学データベースで検索しても出てきません。出てくるのは、N.. zonatus(オビヒメヨコバイ)だけです。「原色昆虫大図鑑III」で調べてみても、オビヒメヨコバイだけが載っていて、この種は載っていません。それで、ちょっと不安になって調べてみました。

W. Lee et al., "A new record of the Naratettix rubrovittatus (Matsumura, 1920) (Hemiptera: Cicadellidae) from Korea", J. Asia-Pacific Entomol. 17, 63 (2014). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)

この論文によると、N. rubovittatusは松村松年氏が見つけてから、日本以外では見つかっていなかったのですが、2011年に韓国で見つかり、2012年には大発生したようです。寄生植物として、サツキ、カラムラサキツツジ、チョウセンヤマツツジ、カンボクが載っていました。やはりツツジなのですね。この論文には写真も載っていて、模様はまさにこれと一致しました。たぶん、Naratettix rubrovittatusで大丈夫だと思われます。ちょっと安心しました。ついでに、松村氏の論文も調べてみました。

S. Matsumura, "A Revision of the Palaearctic and Oriental Typhlocybid-Genera with Descriptions of new Species and new Genera", Insecta Matsumurana 6, 55 (1931). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)

この論文の中では、N. zonatusの一品種(N. zonatus f. rubrovittatus)として記録されていました。



ヨコバイついでに、コガシラアワフキも載せておきます。昨年は6月中旬から7月中旬まで何回か見ていました。





キマダラカメムシは本当によく見かけるようになりました。



後は甲虫です。これはナミガタチビタマムシかな。



それにヒメクロオトシブミ





最近、いっぱいいるハキナガミズアブです。綺麗なので、つい撮りたくなってしまいます。



これはフチグロユスリカか、ヒシモンユスリカあたり。♂だったので、採集して調べてみればよかったのですが・・・。フチグロユスリカについては以前、検索を試みたことがありました。時々、復習しないとすぐにやり方を忘れてしまいますね。





ホソヒメヒラタアブのカップルがいました。





ハチは相変わらず分かりません。下は何とかなるかなと思ったのですが・・・。



最後はカニグモの幼体かな。「日本のクモ」をつらつら眺めたのですが、分かりませんでした。

家の近くのむし探検 蛾

家の近くのむし探検 第285弾

7月7日に公園に行ったときの写真整理がまだ終わっていません。一週間以上も遅れてしまいましたが、まぁ、のんびりとやっていこうと思います。今回は蛾です。でも、蛾も難しいですね。なかなか分かりません。



まずは公園に行く前にマンションの廊下で見た蛾です。模様は覚えていたのですが、名前は思い出せません。調べてみると、マエモンツマキリアツバでした。このブログを始めてからは初めてですが、20年ほど前に集めていた時には6-7月に2匹採集していました。



蛾で困ったのはこの蛾でした。同じくマンションの壁に止まっていました。マダラメイガであることは確かで、横線や斑紋など特徴は出ているのですが、全体に色がなくなってしまっています。Ortholepis、Sciota、Acrobasisあたりかなと思って、何度か「標準図鑑」の図版を見たのですが、決断がつきません。保留です。



これは公園に行く途中で見つけたアカスジシロコケガです。これについては以前、性標をを調べると言って、頑張ってみたことがありました。ちょっと読み直してみると懐かしいですね。♂と♀は黒点の数で見分けられると書かれていました。これは黒点が1個なので、♀のようです。





公園に着くと、ツツジの植え込みに蛾はいることはいるのですが、葉裏に止まっているか、近づくと逃げてしまうので、なかなか撮れません。やっと撮らせてくれたのはこのハマキガです。翅端の模様からヒメハマキらしいことは分かるのですが、これがなかなか分からなくて、「標準図鑑」を何度も見直しました。結局、Olethreutesらしいことが分かり、コケキオビヒメハマキかなと思ったのですが、違っているかもしれません。



これは特徴的な形をしています。キベリハイヒゲナガキバガです。



最後は公園から帰るときにマンションで見つけました。たぶん、ヤマガタアツバ

雑談)7月も半ばを過ぎました。今年は7月終わりから8月かけて忙しくなります。まず、私の住んでいる市のいくつかの市民グループと共に市役所のロビーで展示を行います。毎年出しているのですが、今年は4月の写真展で出した植物の写真と解説の載ったパネルを出そうと思っています。また、7月終わりには隣の市で頼まれた高齢者向けの講義があります。これも毎年頼まれているのですが、今年はツユクサの仮雄蕊の話、チョウの口吻の話など、このブログに出してきた話と、この間マンションの「お茶の会」で話したマダニの話をしようかなと思っています。最後は8月の最初の土日に地域のコミュニティプラザで開く自然展です。これは4人で行うのですが、昨日やっと会場の割り当てが決まりました。私は市役所に出したのと同じパネルを展示しようかと思っています。人数が増えると展示の負担は減りますが、連絡をしたり、全員の了解を取るのがとにかく大変です。

家の近くのむし探検 アシナガバエ

家の近くのむし探検 第284弾

7月7日に家の近くの公園に行ってみました。あまり虫はいなかったのですが、そうなるとすぐにハエを撮ってしまいます。この日はいつものようにアシナガバエを撮りました。








いつも見ている大きめのアシナガバエです。たぶん、ホソアシナガバエ亜科のAmblypsilopus属だろうと思うのですが、この際だから少し翅脈の整理をしてみました。

まずは亜科の検索ですが、「知られざる双翅目のために」というサイトに、「日本産アシナガバエ科の亜科への検索」というページがあって、絵解きで検索することができます。それによると、ホソアシナガバエ亜科は

頭頂は凹む。翅のM1+2脈は分岐し、M2脈は痕跡的にでも存在する。 ただしMesorhaga属ではM2脈は無い。

という項目で一発で到達します。「頭頂が凹む」というのは上から3番目の写真でも分かります。また、「翅のM1+2脈は分岐し、M2脈は痕跡的にでも存在する」というのは2番目の写真から分かります。このように、採集しないで写真だけで判定するときには、翅脈は大いに役立つ情報です。そこで、ホソアシナガバエ亜科だけでも、属の特徴が翅脈に出ていないかと思って、次の論文を調べてみました。

田悟敏弘、「関東地方にて採集したアシナガバエ科の記録」、はなあぶ 30-2、1 (2011)

この論文の中には翅脈の写真がずらっと載っているので、こういう比較の作業をするときには大変便利です。「日本産アシナガバエ科チェックリスト」によると、ホソアシナガバエ亜科には種名未確定の種も加え、6属が載っています。そこで、それらの属の翅脈を調べてみました。



まずはCondylostylus属です。手書きなので、ちょっと見にくいのですが、とりあえず特徴だと思われる点を書き込んでみました。素人がやっているので、怪しいぞと思いながら見ていただければ幸いです。M1+2が翅縁近くでM1とM2に分岐し、分岐したM1は翅の基部側に一度戻ってから翅縁側に急激に曲がります。R4+5はM1側に大きく曲がりますが、これはホソアシナガバエ亜科共通の特徴の様です。R2+3はほぼ直線状というのがこの属の特徴です。



Amblypsilopus属はR2+3も翅縁で少し曲がります。



Sinosciapus属ではM1は途中で緩やかに曲がります。



Chrysosoma属はこれまでの属と異なり、M1脈はほぼ直角に分岐します。R2+3はやや強く曲がります。



Sciapus属はChrysosoma属に似ていますが、R2+3はほぼ直線状です。



Mesorhaga属はこれまでの属とは全く異なっています。つまり、M1+2脈は翅縁で分岐せず、前縁側に緩やかに曲がるだけです。これは亜科の検索表でも例外として扱っていました。こんな感じなので、まず頭頂が凹んでいることを見てホソアシナガバエ亜科であることを確かめ、次に、翅脈を見るとだいたい属が想像できるということになります。そういう視点で最初の写真を見ると、やはり、Amblypsilopus属かなという感じです。





でも、公園内で見つけたこんなアシナガバエではM1+2脈がほぼまっすぐなので、ホソアシナガバエ亜科ではなく、上で書いたような翅脈による判定はできません。これはこれからの課題です。

家の近くのむし探検 蛾、ハエなど

家の近くのむし探検 第283弾

7月6日の公園での虫探しの続きです。



最初はマンションの壁で見たこのマエキオエダシャク。記録を見ると、これまで6月から8月初めにかけて10匹ほど見ていました。



これはシバツトガ。こちらは大阪の隣の兵庫県三田市のゴルフ場に入れた芝から全国的に広がっとされる蛾です。そのせいか、これまで5月から10月まで40匹ほど撮っていました。



これは公園の街路灯の柱に止まっていました。たぶん、ヘリグロコブガ。これまで1匹しか見ていません。







虫が少ないとついユスリカを撮ってしまいます。でも、この日はみな♀だったみたいです。



これはクロバネキノコバエかな。



アメリカミズアブです。これについては以前調べてみたことがありました。触角が変わっていたのでしたね。



ルリチュウレンジだと思って撮ったのですが、触角が違っていました。何だろう。







小さなハエトリがいたので、追いかけて何枚も写真を撮りました。体長は2.4mmしかありません。



こちらはもうちょい拡大です。先日、須黒達巳、「ハエトリグモハンドブック」(文一総合出版、2017.6)という本を買いました。先月末に出たばかりの本です。これには日本産で筆者が確かだと思う種105種のうち、103種が載っているということです。写真が大きいので見やすいのと、簡単な検索表が載っているのが楽しみです。この本で調べてみると、Pseudeuophrys属のイワテハエトリ、ヤガタハエトリ、Laufeia属のエキスハエトリのどれかの♀かなと思われました。でも、本の写真よりは毛が長い感じです。幼体かもしれません。

家の近くのむし探検 甲虫とカメムシ

家の近くのむし探検 第283弾

7月6日に家の近くの公園に行って見つけた虫たちです。写真整理がだいぶ追いついたと思ったら、もう13日。結局、一週間遅れになっています。でも、林の入り口でマダニにまたくっつかれるのが嫌なので、それからは公園にばかり行っているので、虫の数が少なくて少し楽になりました。







今日はまずこのハムシからです。いつも見ているニレハムシより触角が少し長いような気がしました。また、上翅の側縁に黒い筋が入っています。それで、ひょっとして違う種、と思って採集してきました。でも、まだ冷凍庫に入っているので、とりあえず、この写真から判定しました。検索に必要な各部の寸法を測ってみました。まず、体長は6.4mm。触角の長さ/体長>≒0.83。不等号がついているのは触角の先端が若干曲がっているからです。触角第5節から7節までの平均の長さ/幅=3.3、触角第3節の長さ/第2節の長さ=1.86。いずれもこれらの写真から測ったので、それほど正確ではありません。

S. Kimoto, "The Chrysomelidae of Japan and the Ryukyu Islands. VI Subfamily Galerucinae I", J. Fac. Agriculture, Kyushu Univ. 13, 287 (1964). (ここからダウンロードできます)

Pyrrhalta属の検索表はこの間ニレハムシかもと思って調べたときに用いた論文と同じです。このときも最終的にはもやもやしてしまったのですが、実は今回ももやもやしています。



原文は英語だったので、私の拙い語学力で訳してみました。したがって、違っているかもしれません。先日のニレハムシらしい個体の場合は

①a 触角はややがっちりしている。第5節から第10節はほとんど幅の2倍より短い

という項目の方に進んだのですが、今回はもう一方の

①b 触角はやや細長い。第5節から第10節はほとんど幅の3倍より長い

の方に進みます。それで、そちら側の項目を訳しました。詳細は追って載せますが、検索は①b→②b→③aと進んでいきます。最後の③aは点刻が細かくて疎らか、強くて密かを選ぶことになるのですが、相対的な表現のためによく分かりません。でも、後の方で、密な場合は点刻間の距離と点刻の直径がほぼ等しいという表現が見られるところから、これは疎らでよいのではと思って③aを選びました。④の上翅側片は採集した個体を見ないと分からないのですが、体長からはサンゴジュハムシ humeralisかなと予想しています。

ただ、困ったのは触角第3節と第2節の長さの比です。この検索表では humeralisは2倍以上となっているのですが、実測は1.86倍です。1.5倍だとブチヒゲケブカ annulicornisになります。ところで、「原色日本甲虫図鑑IV」を見ると、これは逆になっていて、サンゴジュでは約1.5倍、ブチヒゲケブカは約2倍です。ついでに、エグリバケブカ esakiiでは約3倍でした。しかも同じ著者が書いています。一方、「原色昆虫大図鑑II」では、humeralisはサンゴジュウスバヒゲナガハムシに和名変更になっているのですが、今度はesakiiがブチヒゲウスバヒゲナガハムシになっていて、annulicornisは載っていません。いずれも触角の寸法は書かれていません。なんだか訳が分からなくなってきました。まずはこの辺から調べていかないといけないみたいです。(追記2017/07/13:「ハムシハンドブック」(文一総合出版、2014)によると、annulicornisがブチヒゲケブカハムシ(ブチヒゲウスバヒゲナガハムシ)になっていました。「大図鑑」が間違っているのかな。学名が?和名が?

追記2017/07/13:今日は吹田市立中央図書館に行って、木元新作, 滝沢春雄、「日本産ハムシ類幼虫・成虫分類図説」(東海大学出版会, 1994)を見てきました。日本語の簡単な検索表と英語の検索表が載っていました。英語の方は論文とほとんど同じだったのですが、触角第3節と第2節の比はhumeralisが1.5倍以上、annulicornisが2倍となっていました。「以上」だとちょっまずいのですが・・・。日本語の検索表では、humeralisは「前胸背板中央部の黒色紋は前縁近くまで達する」、annulicornisは「黒色紋は前縁に達しない」になっていました。こっちの方が分かりやすいですね。たぶん、この個体はサンゴジュハムシでよいのではと思います。「大図鑑」は和名を間違えたのかな





マメコガネはツツジの植え込みにたくさんいます。なんだか害虫っぽくて憎たらしい感じなのですが、横から撮ると、結構勇ましく写りました。



これもいつもいるヒメクロオトシブミ



林の入り口ではイタドリについていたカシルリオトシブミは公園ではほとんど見かけません。やっと1匹見つけました。



これはツツジの葉にいるので、たぶん、ツツジコブハムシ



次はカメムシです。キマダラカメムシも2,3年前まではまったく見なかったのですが、今は普通にいます。



ツツジの葉にはこのイトカメムシもたくさんいます。とにかくたくさんです。脚や触角が長いので、全体を写るように撮るとこんな感じになります。



これは本体部分です。



カップルもいました。



長い脚の下をグンバイムシが通過していきました。



ツツジグンバイみたいですね。



これはコガシラアワフキ





これはリンゴマダラヨコバイ。去年は6月に3回ほど見ていたのですが、綺麗なヨコバイですね。



最後はマンションの壁で見つけたカメムシです。この手のカメムシは横からも撮ることにしています。



白い部分が見えるので、たぶん、フタモンホシカメムシだと思われます。

家の近くのむし探検 ハエやらハチやら

家の近くのむし探検 第282弾

7月2日に家の近くにある林の道に行ったときの写真整理がまだ残っていました。この日はマダニをくっつけて帰ってきたので、そのことを思い出して写真を見る勇気がなく、ずっとそのままになっていました。でも、もう1週間以上も経ってしまったので、早く整理しなけりゃ・・・。





まずはハエからです。以前、ヤマギシモリノキモグリバエだと教えていただいた種だと思います。キモグリバエ科は手元に検索表がないので、そのとき以来調べていないのですが、今頃はたくさんいます。



こんなカップルも見つけました。



このハキナガミズアブもこの頃多いですね。いっぱいいても綺麗なので、ついつい撮ってしまいます。



アシナガバエも綺麗なので、ついつい写してしまうのですが、なかなか調べる手段がなくて、属さえもよく分かりません。以前、翅脈をもとに属の分類を試みたのですが、この個体のようにM1+2脈がほぼまっすぐか、途中で少しだけ曲がる属は10属以上もあって、どうしようもありません。今のところ、特徴ある曲がり方をするSciapodinae亜科とDolichopodinae亜科Dolichopus属ぐらいが何とか分かる程度でほとんど役にたちません。





ユスリカもいろいろといるのですが、検索をしてからだいぶ経ったら、見るポイントをすっかり忘れてしまいました。下は腹部の斑紋である程度分かるツヤユスリカの仲間です。ナカオビツヤユスリカあたりかな。



これはアシブトハナアブ





ハチはほとんどお手上げ状態です。下は以前ブログに出してコメントをいただいたような記憶があるのですが、いくら探しても見つかりません。何だったのでしょう。(追記2017/07/20:そらさんから、「ルリチュウレンジの上は、ハチではなくヒョウタンカスミカメの仲間でしょうね。クロヒョウタンカスミカメあたりが近いのかも知れませんが良く分かりません。その上は、コマユバチ科の仲間かな~。」というコメントをいただきました。いやぁ、本当ですね。びっくりしました。以前、ヒョウタンカスミカメを見たことがあったので、形が似ているからどこかで見たような記憶があったのかもしれません。「原色日本カメムシ図鑑第2巻」を見る限り、仰る通りクロヒョウタンカスミカメみたいです。どうも有難うございました。しかし、これがカメムシだとは。とにかくびっくりです。上はコマユバチみたいですか。私はハチは捕まえて調べない限り、さっぱり分かりません。これからもよろしくお願いします



後はルリチュウレンジ



シベリアカタアリだと思われるアリでした。





最後はおまけで、いつも土の上でしか見たことなかったトビムシがこんな葉の上を歩いていました。ぴょんと飛び上がって葉っぱの上に降りてしまったのかな。トビムシは2,3度検索を試みたのですが、いずれも種までたどり着く前に挫折してしまいました。書いてあることと合わなかったり、書いてあることが分からなかったりで。ピンセットで持っても潰れてしまうし・・・。それで、消毒用アルコールに入れて顕微鏡写真を撮ろうとすると、思った通りの向きになかなかできなくて・・・。いっそ、プレパラートにしてしまえばよいのですが・・・。そのままの形で撮りたいので、いつもイライラしてしまいます。どうも私の苦手な虫になりつつあります。

家の近くのむし探検 甲虫、バッタ、蝶

家の近くのむし探検 第281弾

7月2日に林の入り口で撮った虫の続きです。今日は甲虫やバッタを紹介します。この日はマンションの廊下と林の道の両方で撮ったので、見た虫が全部で80種近くにもなりました。それで、名前調べがとにかく大変です。でも、整理しとかないと埋もれてしまうし・・・。





今日の最初はこのテントウからです。写真を撮っていてふとズボンを見ると止まっていました。前胸背後縁に4つの白い点があるので、ムーアシロホシテントウだろうと思われます。最近、白い点のテントウが少しずつ分かってきたので嬉しくなりました。



で、これは以前ネットを調べてムーアシロホシテントウかもと書いた幼虫と似ています。ただ、ネットの情報はどれだけ信用してよいのか分からないので何とも言えません。せめて、どうやってその名前を決めたとか、何を見てそう決めたのかという出典を書いておいてくれるとよいのですけど・・・。とにかく、幼虫は図鑑がなくてなかなか分かりません。



こちらは普通のナミテントウでしょうね。





斑紋に変化があるようで、「原色日本甲虫図鑑III」の図版を見てもぴったりとくるテントウはいませんでした。コカメノコテントウに似ている感じでしたが、解説を読むと腿節に黒色部があるとのことで、これにはないので、たぶん、普通のヒメカメノコテントウではないかと思いました。





カシルリオトシブミです。最近はいつも見るので、写真を出すまでもないのですが今頃成虫を見たという記録だと思って撮っておきました。



キクイムシかなと思われる甲虫もいました。8日にマンションの廊下で見られたキクイムシ(まだ、ブログには出していないのですが、 2日に見たのと同じ種だろうと思います)を検索してみました。たぶん、合っていると思うのですが、Ipinae亜科Xyleborus属になりました。ただ、この属には数十種が含まれているので、まだ、種までは到達していません。その時の種と比べるとちょっと違うような気がします。触角がピンボケなのが痛いです。



これはこの間教えていただいたササキリの幼虫です。今頃、林にいると日陰にいっぱいいます。



これもネット情報しかないので怪しいですが、ヒメクダマキモドキの幼虫かなと思っている虫です。昨年は7月4日に公園で見ていました。翌7月5日には少し齢が進んだような幼虫も見られました。いずれにしても今頃、見られるのでしょう。




最後はキマダラセセリです。写真を撮っていたら、すぐ近くの葉に止まりました。普段、蝶は撮らないのですが、写してほしいというような顔をしていたので撮りました。

家の近くのむし探検 カメムシ

家の近くのむし探検 第280弾

7月2日はマンションの廊下で虫を探した後、近くの林の入り口にも行ってみました。だから、この日だけでも80種ほどの虫が見られました。廊下の分の整理が終わったので、林の入り口の分も早めに整理しました。でも、この日は家に帰ってからマダニがついているのに気が付いた日でした。それから林の入り口には行っていません。





この日はウズラカメムシを2匹見ました。「廊下のむし探検」では初めてです。まぁ、今回は廊下ではないのですけど・・・。



コバネナガカメムシの仲間です。絵合わせだと、ニッポンコバネナガカメムシか、ホソコバネナガカメムシとかに似ているようです。「原色日本カメムシ図鑑第3巻」に載っている検索表では、この両者は前胸基節窩が開いているか、閉じているかで見分けられます。したがって、採集しないと分かりません。でも、小盾板や脚の色から、前から見ているホソコバネナガカメムシの方かなと思っています。





オオメナガカメムシあたりの幼虫です。「原色日本カメムシ図鑑第3巻」にはオオメナガカメムシの幼虫の写真がありますが、それに似ている感じです。おそらく、オオメナガカメムシ



それにいつもいるアワダチソウグンバイ



アミガサハゴロモか、ベッコウハゴロモかいつも迷うのですが、その区別はフッカーSさんが書かれていました。傘の下にわずかに見える頭部の模様から、たぶん、アミガサハゴロモの方かな。





こちらは目の前の葉に飛んできて止まった幼虫です。しばらくしたら、傘を広げました。こちらはひょっとするとベッコウハゴロモの幼虫かもしれません。

廊下のむし探検 蛾の続き

廊下のむし探検 第925弾

7月2日にマンションの廊下で見た蛾の続きで、小蛾ばかりです。名前調べにだいぶ苦労しました。かなり怪しいのも含んでいますので、そのつもりで見ていただければ幸いです。



まずはオオウスベニトガリメイガ。これは大丈夫でしょう。



次はハマキガです。ハマキガは模様がみな似ているので、なかなか覚えられません。これはたぶん、トビモンコハマキではないかと思います。



次のこの蛾に苦労しました。隙間に止まっていたので、撮影はこれがやっと。もう少し背側から写すことができればよかったのですけどね。暗色の帯に斜めの白い線が入っているのが気になって、それを中心に「標準図鑑」を見ていったのですが、ツツマダラメイガあたりかなと思いました。でも、だいぶ怪しいです。



これもだいぶ悩みました。というか、よく分かりません。触角の先端近くが白いこと、頭長に淡色の毛が生えていること、翅が紫がかっていること、翅頂部が暗いことなどで図鑑を見ていき、クチブサガ科のムラサキクチブサガに行き当たったのですが、ほとんど確信が持てません。



これは以前も見たことがあったので、名前はすぐに分かったのですが、改めて「標準図鑑」を見ると、シロヒメシンクイとニセシロヒメシンクイが似ているようです。図鑑にも、いろいろと混乱があったことが書かれ、また、両者の違いがはっきりとは書かれていないので、何ともしようがありません。とりあえず、シロヒメシンクイあたりということにしておきます。



これはヨモギネムシガ



次はこれですね。鱗粉がだいぶ取れていますが、翅にある黒点3つはよく分かります。その辺りを手掛かりに探すと、マルハキバガ科のコクマルハキバガあたりにたどり着きます。ただ、これもニセコクマルハキバガがあって、違いがよく分かりません。



これはたぶん、コホソスジハマキかな。



最後のヤマメイガはいつもよく分かりません。それで、外横線の曲がり方を見て、スジボソかホソバのどちらかにしているのですが、その意味ではスジボソヤマメイガの方かなと思っています。小蛾は見知らぬ蛾が多いので、写真を写す分には面白いのですが、名前調べがいつも大変です。

廊下のむし探検 蛾

廊下のむし探検 第924弾

7月2日のマンションの廊下で見つけた虫の続きです。この日は蛾がたくさんいたのですが、小さな蛾の名前調べで苦戦しています。とりあえず、大きめの蛾から出すことにします。



面倒なので、見た順に出していきます。これはマエモンコブガだと思います。記録を見ると、初めて見たことになっていました。コブガはみな似ているので、実感が湧きませんが・・・。



これはアカジママドガ。これは過去4年で4月、7月、8月に各1匹だけ見ていました。



色が薄れていて分かりにくいのですが、黒い紋や外横線がはっきりしてるので、何とか分かりました。たぶん、ミスジアツバではないかと思っています。



これはオオハガタナミシャク



この白い蛾は何だろう。(追記2017/07/20:ささきさんから、「白い蛾はスカシドクガかな。」というコメントをいただきました。なるほど、そう言われるとそんな感じです。よく見ると黒い点もあります。さすがですね



これはマエグロホソバ



それに、クロテンハイイロコケガ



この蛾はブログを始めてから初めてかもしれません。たぶん、アカフヤガ



これはクロシタアオイラガ



それにヒロズイラガ。これでほぼ半分で、まだまだ小さな蛾がいっぱい残っています。フー・・・。

雑談)今日はマンションの「お茶の会」でマダニの話をしました。ちょうど噛まれたばかりの方もいて、それなりに好評でした。論文を6本ほど読んでマダニの吸血機構を調べていると、マダニは「節足動物最強の薬理学者」だと書かれていたのですが、読んでいるうちにその意味が少し分かってきて、面白く思いました。そのうち、このブログでも紹介したいのですが、著作権の関係で論文に載っている絵が使えないのがちょっと痛いですね。
 「お茶の会」が終わってから、この間捕まえたキクイムシの検索をしてみました。予想通り、Ipinae亜科で、さらに、Xyleborini族に到達し、その先、Xyleborus属までは達しました。ただ、この属には数十種が含まれるので、種まではまだまだです。でも、とりあえず、顕微鏡写真を撮ったので、今度、属までの検索をまとめて出してみます。

廊下のむし探検 カゲロウ、チャタテなど

廊下のむし探検 第923弾

7月2日、マンションの廊下で見つけた虫の続きで、甲虫、カメムシ、バッタ以外で蛾を除いたものです。





マンションの近くには小さな川が流れているので、カゲロウは結構やってきます。これはキイロカワカゲロウですが、少し汚れた中流から下流で見られるとされています。昔は川の水は綺麗だったのですが、最近は相当汚れてきました。



眼が小さいので♀のようです。尾が3本あります。これだけだと、いろいろな科が該当しますが、何となく翅の形がマダラカゲロウ科のような感じがしました。





これも水生昆虫で、カゲロウカワゲラの仲間です。以前、オオメコナガカワゲラ辺りと教えていただいたので、一つ調べてみようと思って、先ほどまで格闘していたのですが、どうやら♀だったようです。「日本産水生昆虫」の検索表は♂用なので使えません。残念!一応、少しだけ顕微鏡写真を撮ったので、今度、まとめて載せますが・・・。





チャタテです。最初、以前見たヨツモンホソチャタテに似ているなと思ったのですが、よく見ると、ホソチャタテ科の特徴であるr1-r2+3横脈とm-cu横脈がありません。だとすると、これも以前見たケチャタテ科に近い仲間かもしれません。



これも以前教えていただいたホソバヒメカゲロウだと思います。





こんな大きな羽アリがいっぱいいました。昨年トビイロケアリの雌有翅アリかもと思ったものと同じかもしれません。



だとすると、ちょっと小型のこっちが雄有翅アリかな。いずれにしても、羽アリは種までの検索表がないので、採集しても分からないと思ってそのままにしています。



最後はヤミイロカニグモかな。クモは相変わらずよく分かりません。これで、残りは蛾だけになりました。
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