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家の近くのむし探検 毛虫とかハチとか

家の近くのむし探検 第276弾

6月23日の続きを出します。もう大した虫は残っていないのですが、とりあえず記録のため。



ママコノシリヌグリにこんな毛虫がついていました。派手な模様なので何とか分かるかなと思って、「原色日本蛾類幼虫図鑑」を見たのですが、見つかりません。



コカゲロウの仲間です。コカゲロウは前翅の間脈の数と後翅で種が分かるのでしたね。間脈は2本みたいですが、何度見ても後翅が見当たりません。でも、フタバカゲロウやフタバコカゲロウではないみたいだし・・・。うーむ。





こんな模様はいつもスジチャタテと呼んでいたのですが、以前撮った写真と比べると、翅の暗色部分が少し少ないみたいです。本当に一緒なのかどうか分かりません。







ハチは格好いいのでつい撮っちゃうのですが、名前はまったく分かりません。(追記2017/07/20:そらさんから、「チャタテムシの次の最初のコバチは、ハエヤドリクロバチ科の仲間のように見えますが、その先は良く分かりません。その次は、ナガコバチ科の仲間のように見えますが、当てにしないでくださいね。」というコメントをいただきました。そらさん、いつも教えていただいて有り難うございます。ハエヤドリクロバチ科ですか。この名で検索すると、おちゃたてむしさんのところでもずいぶん検討されているようでした。私も採集して検索してみたいなとファイトが湧いてきたのですが、今のところ、ハチは採集していなくて・・・。今度、片端から採集してくるかな



このハバチは採集したと思うのですが、今度調べてみます。



バッタも幼虫は分かりません。



最後はダニですが、これも分かりません。ということで、ほとんどどれも分かりませんでした。情けないですねぇ。
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家の近くのむし探検 ハエ

家の近くのむし探検 第275弾

6月23日の続きで、林の入り口で見たハエ目です。ハエは変化があって面白いのですが、捕まえないと科すら分からないので、私にとってはなかなか苦しい虫たちです。





この日はこんなハエがいました。一応、捕まえたのですが、見覚えがあるなと思ったら、以前、調べたことがありました。このときはKorneyev(2001)に載っている検索表を使って検索した結果、ヒロクチバエ科Elassogaster属になり、翅の斑紋からツマグロホソナガヒロクチバエ E. hilgendorfiかなと思ったのですが、もう一度調べてみます。

V. A. Korneyev, "A Key to Genera of Palaearctic Platystomatidae (Diptera), with Descriptions of a New Genus and New Species", Entomological Problems (Bratislava) 32, 1 (2001). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)



前脚腿節の先端に橙色の帯があるので、マガリケムシヒキ Neoitamus angusticornisだと思っている種です。



♂なのでついでに腹部末端も写しておきました。



これは何でしょう。残念ながら採集しませんでした。以前、吸虫管の先をハエに近づけて吸っていたのですが、失敗ばかりするので、最近は捕虫網で捕まえた後に吸虫管で吸っています。これが確実です。(追記2017/07/20:おちゃたてむしさんから、「5枚目のハエは私もよく似たものを何度か撮影しているのですが、ブログに載せたところ詳しい方からコメントで、ハネオレホソバエ科の一種と教えていただきました。ミナミハネオレホソバエStrongylophthalmyia crinitaかもしれないが確実ではないとのことでした。写真を拝見した限りでは同種の可能性が大きいと思います。」というコメントをいただきました。いつも貴重な情報を有り難うございます。ハネオレホソバエ科という聞いたことのない科なのですね。おちゃたてむしさんの写真はいつも綺麗でそのままでも十分検索に使えそうですが、私の方はうまく撮れていないので、今のところ、採集しないといけないのがネックになっています。でも、採集してでもぼちぼち調べていこうかなと思っています。これからもよろしくお願い致します



これは♀なのではっきりしませんが、ナカグロツヤユスリカではないかと思っています。



アシナガバエもいろいろと調べたいのですが、なかなか手がかりがつかめません。これは背中剛毛の1本が内側にあるので、この間から気になっている種です。





ドクダミの花に来ていたハエです。最初、何だか分からなかったのですが、頭部を見ると、ハナアブの仲間の感じがします。それで、「ハナアブの世界」の写真集で調べてみました。細長くて、腹部に面白い模様があるので、簡単に見つかりました。合っているかどうか分かりませんが、ツマグロコシボソハナアブ Allobaccha apicalisではないかと思っています。



これは以前おちゃたてむしさんから、ヒロクチバエ科のRivellia属だと教えていただいた種です。その後、調べて、Rivellia cestroventris辺りの種ということにしていました。

H.-Y. Han, "A Checklist of the Families Lonchaeidae, Pallopteridae, Platystomatidae, and Ulidiidae (Insecta: Diptera: Tephritoidea) in Korea with Notes on 12 Species New to Korea", Anim. Syst. Evol. Divers. 29, 56 (2013). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)

この論文に翅のパターンが載っていました。似てはいますね。合っているかどうかは分かりませんが・・・。



後単眼剛毛が交差しているので、シマバエ科でしょうね。外観の似ている種が違う属に属しているので、私は捕まえないと分かりません。

とりあえず、ハエだけ出しました。残りは次回です。

家の近くのむし探検 カメムシ、甲虫

家の近くのむし探検 第274弾

6月23日にいつもの林の入り口と土手に行ってみました。



まずは林の入り口で見た虫です。この日見つけたのはこのグンバイです。これはたぶん、初めて見たのだと思います。「原色日本カメムシ図鑑」を調べてみると、ヒメグンバイとクルミグンバイが似ている感じです。図鑑には違いも載っていたので、ちょっとまとめてみました。



まずは各部の名称から。「原色日本カメムシ図鑑第3巻」の最初に出ている「カメムシ類の形態」を見ながら名称を付けていきました。



両者の特徴をまとめたのがこの表です。クルミグンバイの欄にはヒメグンバイとの違いが書いてあります。これを見ると、翼状片の外縁が僅かに内側に湾曲するとか、前縁域の小室が4室、盤状域と縫合域の境界が明瞭など、ヒメグンバイの特徴と一致しています。従って、たぶん、ヒメグンバイでしょう。



こちらはいつも見ているアワダチソウグンバイです。



そして、これはいつものヒメセダカカスミカメ



それに、シマサシガメ。これはいつもいますね。





次は甲虫です。テントウの蛹があったのですが、上は何でしょう。下はナナホシテントウかな。



これは、アトボシアオゴミムシだと思っている種です。昨年も見ました。なんかこの辺をうろうろしていますね。



これはたぶん、ドウガネツヤハムシ





それから、アカガネサルハムシ。林の入り口のカメムシと甲虫はこんな感じでした。



土手の倉庫にかけてあるネットにはいつも虫が止まっています。この日はこのヒシウンカ。



それにマルシラホシカメムシ。これも似た種がいろいろといるのですが、その見分け方は以前、書きました



最後はこの間調べたシロヘリナガカメムシ群ですね。たぶん、アムールシロヘリナガカメムシ。少し、違いが分かってきました。



家に戻る途中、虫が飛んできていきなり私の顔に止まりました。慌てて手で払ったら、このカミキリでした。キボシカミキリ。こんな大きな虫が顔に止まったのか~。(追記2017/10/31:通りすがりさんから、キボシカミキリは外来だが、西日本のキボシカミキリについては、自然分布の可能性もあってよく分からないというコメントをいただきました

家の近くのむし探検 ダニ、いやですね

家の近くのむし探検 第273弾

6月22日に林の入り口で見つけた虫の続きです。



いつものように虫の写真を撮っていたら、葉の先端にこんなダニがいることに気が付きました。体長2.4mm。前脚を伸ばして、まるでUFOキャッチャーみたいに開いたり閉じたりを繰り返しています。たぶん、ここを通る獣(人間を含めて)に捕まって血を吸うのでしょうね。昔、これに食いつかれたことがあるのですが、取れかかったカサブタだとばかり思っていて、ダニだと気がつきませんでした。大きくなってダニだと気がついたときの驚き。急いで、皮膚科に行って取ってもらいました。その後、1週間も抗生物質を飲まされて・・・。そんなことにならないように、これを見つけてからは写真を撮るときは、ダニがいないかまず確かめてからにしました。

追記2017/07/01:ささきさんから、「ダニが媒介する病気はたくさんあります。SFTSという病気は致死率も結構高くて怖い病気ですが、大阪ではまだ報告例はないようです(兵庫県にはあります)。稀な病気なので過度に神経質になる必要はありませんが…。最近は六甲山系で日本紅斑熱が多く発生しているようです。これもダニが媒介するので注意が必要ですが、刺されただけで症状がないのなら抗生物質は必要ないでしょう。経過観察だけでいいと思います。ちなみにSFTSはウイルス性疾患なので抗生物質は無効です。」というコメントをいただきました。こんな話を聞くと山道を歩くのが怖くなってきますね



8本脚ついでにクモを出しておきます。このハエトリグモは初めて見ました。「日本のクモ」を見ると、たぶん、ヒメカラスハエトリではないかと思います。



写真を撮っていると、カメラを気にするので、いっつもこんな写真になってしまいますね。





これは変わったハチなのですが、どうやって調べたらよいのやら。(追記2017/07/01:おちゃたてむしさんから、「4,5枚目のきれいなコバチはナガコバチ科で、おそらくAnastatus属だと思います。」というコメントをいただきました。ハチの名前、よくご存知なのに驚いています。おちゃたてむしさんの撮られた写真も見つかりました。いつもながらすごい写真を撮っておられますね





これはルリチュウレンジでしょうね。





後はスジチャタテ





何か分からない生き物。(追記2017/07/01:yas*****さんから、「わからない生き物 ハイイロチビフサヤスデの仲間じゃないでしょうか。」というコメントをいただきました。これは驚きました。まさか、ヤスデとは・・・。ハイイロチビフサヤスデで画像検索すると、気味の悪い写真がいっぱい出てきました。世の中、知らない生き物が多いですね。もう少し調べてみます。貴重なコメント、どうもありがとうございました



土手の倉庫の壁にはこんなカワゲラが止まっていました。一瞬、フタツメカワゲラかなと思ったのですが、以前、オオメコナガカワゲラかもと教えていただいた種みたいです。以前も書きましたが、この種は昔、Gibosia thoracicaとされていましたが、Flavoperlaに属名が変更になりました。「カワゲラ目録」によると、その他にもGibosia linguambitaもシノニムの一つになっています。そこで、その名で検索して次の記載論文を見つけました。

T. Kawai, "STONEFLIES (Plecoptera) FROM THE RYUKYU ISLANDS IN THE BISHOP MUSEUM, HONOLULU", Pacific Insects 10, 231 (1968). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)

この中には頭部・前胸部の絵と翅脈などが載っていました。頭部・前胸部の模様はよく合っている感じなので、次に翅脈も比較してみました。


Aはオオメコナガカワゲラだと思っているカワゲラの翅脈です。翅脈の名称は次の論文を参考にしました。

O. Bethoux, "WING VENATION PATTERN OF PLECOPTERA (INSECTA: NEOPTERA)", Illiesia 1, 52 (2005). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)

翅脈としてはちょっと変わった名称を用いていますが、この論文には今まで用いられたいろいろな名称の比較が載っていることと、被引用件数が56件もあるので、とりあえず採用しました。Bは参考のために載せたフタツメカワゲラ属の翅脈です。Kawai氏の論文の翅脈の図と比較すると、今回の個体はRPとCuAのところが少し違っています。ひょっとしたらそのものズバリではなくて近縁種かもしれません。フタツメカワゲラと比較すると、MとCuA辺りがだいぶ違います。やはり採集して調べなければないといけませんね。



川を離れて用水路脇を歩きました。するっと動くものがあって、その尻尾を写しました。アオダイショウかな。





用水路にはトンボがいました。これはキイロサナエだと思っている種です。



キイロサナエ♂の特徴としては、「上付属器の先端は斜めに切れ、下付属器より短い」というのが「日本のトンボ」に載っていました。これはまさにそれですね。

家の近くのむし探検 甲虫

家の近くのむし探検 第272弾

まだ6月22日の写真整理をしています。この日はいつもの林の入り口と、用水路脇、畑の中を歩いてみました。写真を撮った「むし」は全部で25種。それほど多いというわけではないのですが、一匹ずつこだわって調べていると結構時間がかかってしまいます。昨日、カメムシを出したので、今日は甲虫です。





今日はこのテントウからです。前胸背板に4つの白紋。たぶん、ムーアシロホシテントウでしょうね。「原色日本甲虫図鑑III」を読むと、「前胸背板に4個の白紋が横列し、上翅に2-2-2-1に配列する白紋があり、そのうち会合線に沿う前方の3個は弧状に並ぶ。」とあります。ほとんど書いてある通りです。上翅の白紋の最初の1列の外側の紋がだいぶ弱い感じです。



こちらは別の個体ですが、これも最初の1列の外側の白紋が弱いようです。こんなもんなのかな。





これはナミテントウでしょうね。先日、ナミテントウの斑紋について少し調べました。それによれば、これは紅型というのでした。こういう斑紋のグランドプランにメンデルの法則が使えるのですね。当たり前かもしれませんが・・・。





次はこれ。この日はたくさん見ました。カシルリオトシブミです。上はだいぶ食い散らしているようですが、たぶん、イタドリの葉ではなかったかと思います。





こちらも食べてます。ハムシダマシだと思います。葉はよく見なかったのですが、たぶん、イノコズチではなかったかと思います。なかなか葉だけでは植物の名前が分からなくって・・・。



大きなダニをくっつけているのはキベリクビボソハムシ



さて、問題のニレハムシ Pyrrhalta maculicollisらしき個体です。サンゴジュハムシなど似た種がいろいろいるので、いつもあやふやでした。今回は採集しました。まだ、冷凍庫の中ですが・・・。先程、予習のためにこの間紹介した論文の検索表をパラパラと眺めてみました。

S. Kimoto, "The Chrysomelidae of Japan and Ryukyu Islands. VI  Subfamily Galerucinae I", J. Fac. Agriculture, Kyushu Univ. 13, 287 (1964). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)

で、ちょっとびっくり。サンゴジュハムシとニレハムシは触角の太さで検索表の最初の段階で分かれてしまいます。触角の5節から10節の長さが、前者は幅の3倍以上、後者は2倍以下になるようです。今度調べてみます。



これはアカガネサルハムシ。これも今年はちょこちょこ見かけます。



こんな風にクズノチビタマムシが翅を広げていました。翅を広げた姿なんて珍しいなと思って撮っていたら、





どうやら交尾中でした。上に載っている♂?は翅を閉じたり開いたりしていました。





これはオジロアシナガゾウムシ



林を離れて川の土手に建っている倉庫に行きました。ここには写真のような細かいネットが張ってあるので、結構、虫が止まっていて、私のお気に入りの場所です。これはマメコガネ



最後はナガメがいっぱいいた場所で見つけたハムシです。これだと何だか分かりません。1週間ほど前になるので、採集したのか、それとも逃げられたのか忘れてしまいました。

最後は甲虫とカメムシ以外で、それは次回に回します。

シロヘリナガカメムシ族の検索



先日、こんなカメムシを見つけました。「原色日本カメムシ図鑑第3巻」に載っている検索表を使って調べると、アムールシロヘリナガカメムシになりました。たぶん、合っていると思うのですが、同じように白い点のあるカメムシは多いので、この際、ちょっと整理しておこうと思ってまとめてみました。

こういう白い点のあるカメムシには、オオモンシロナガカメムシ、オオシロヘリナガカメムシ、モンシロナガカメムシ、アムールシロヘリナガカメムシなどがいますが、これらは皆、ヒョウタンナガカメムシ科ヒョウタンナガカメムシ亜科のシロヘリナガカメムシ族に含まれています。そこで、シロヘリナガカメムシ族の属の検索表のうち、上の4種が含まれる部分だけを抜き出してみました。



シロヘリナガカメムシ属だけは種の検索表も載せています。この検索表に従って調べていくと、自然にそれぞれの種に行き着きます。ちょっと試しにモンシロナガカメムシについて確かめてみます。



モンシロナガカメムシの場合は上の6項目を調べれば良いことになります。



各部の名称と見るべきポイントを書き込みました。私は側隆起というのを知りませんでしたが、これが重要だったのですね。



次はオオモンシロナガカメムシです。この場合はこの4項目を調べればよいことになります。前胸背の側隆起が狭くて、前葉・後葉に分かれるところが見るポイントのようです。



こんな感じになります。検索表を見ると、どこを見たらよいかが分かるのでいいですね。



最初の写真の個体は、シロヘリナガカメムシ属までの検索は省略すると、種の検索ではこの2項目を調べれば良いことになります。この項目だと上の写真だけでも判定できます。



同様にこの2種もそうだと分かります。

今回はちょっと勉強になりました。でも、次に見たときに分かるかなぁ。すぐに忘れてしまうので・・・。

家の近くのむし探検 カメムシ

家の近くのむし探検 第271弾

6月22日の虫探しの結果です。この日はいつもの林の入り口のほかに、用水路脇や畑の中も歩いてみました。





そして、こんなナガメの集団を見つけました。




これは成虫。



そして、こちらは5齢幼虫。一匹ずつ見ると結構綺麗なのですが、こんなにいるとちょっとぞっとします。「原色日本カメムシ図鑑」によると、ナガメはアブラナ科だそうですが、上の植物は何だったかなぁ。(追記2017/07/01:通りすがりさんから、「ナガメが集っているのは…ヨモギ?個別に写ってる方はコンロンソウ?植物って、成長段階や栄養状態などで変わっちゃうから、分かりにくい…。」というコメントをいただきました。コメントどうも有難うございました。今度見てきます。葉だけで分かるかどうか分かりませんが・・・)





ちょっとピントが甘かったのですが、これは土手の倉庫の壁にいたものです。「原色日本カメムシ図鑑第3巻」に載っている検索表で調べると、アムールシロヘリナガカメムシになりました。翅に白い紋のある、この手のナガカメムシの区別がよくわからなかったので、検索表をもとにまとめてみました。次回にお見せします。



こんな幼虫もいました。前翅包が発達しているので、ナガカメムシの5齢幼虫でしょうね。「原色日本カメムシ図鑑第3巻」のシロヘリナガカメムシ族の説明を読むと、「(成虫の外部形態が区別つかないカワラナガカメムシ族とは)、幼虫では腹部の革質化が弱いこととY字縫合線(Y-suture)がよく発達することにより見分けられる。」と書いてありました。前半はよく分からないのですが、後半の「Y字縫合線」というのが気になって調べてみました。

H.-J. Xue and W.-J. Bu, "Morphology of abdominal evaporatoria in larvae of some Lygaeoidea (Insecta: Hemiptera: Heteroptera): function and bearing on classification", J. Nat. Hist. 42, 35 (2008). (ここからダウンロードできます)

この論文に写真が載っていました。



たぶん、矢印の部分のことを指しているのではと思いました。これがはっきりしていると、シロヘリナガカメムシ族だということです。ただ、この族にはヒョウタンナガカメムやシロヘリナガカメムシなどたくさん種が含まれているので、名前まではよく分かりません。





後はいつもの林の入り口の道端で見つけたものです。これはヨツボシカメムシ



そして、これは以前も見たことがあるヒメセダカカスミカメだと思われます。「原色日本カメムシ図鑑第2巻」には近似種にミナミコセダカカスミカメがあると書かれています。この2種は中脛節と後脛節の暗化の位置で見分けられるようです。図鑑に描かれている絵と比較すると、やはりヒメセダカカスミカメのようです。

残りの虫は次回以降に回します。

家の近くのむし探検 ハラボソムシヒキ(失敗談)

家の近くのむし探検 第270弾

昨日の続きで6月20日に公園で探した虫たちです。







この日はこんなハエがいました。初めて見た虫なのですが、複眼が大変綺麗です。パット見でクサアブ辺りかなと思ったのですが、後で考えるとこれが間違いのもとでした。



まず翅脈を調べてみました。「絵解きで調べる昆虫」に載っている翅脈の図と比べると、クサアブ科やシギアブ科によく似ています。この手の翅脈の場合、r1、m3、cuaという翅室が閉じるか開くかが問題になることが多いのですが、この個体の場合は全てが開いています。こんなところもよく一致しています。



ただ、触角が非常に変わっています。節の番号は名前が分かってからつけたもので、最初見たときは何節なのかはさっぱり分かりませんでした。

それで、いつものように「新訂 原色昆虫大図鑑III」に載っている検索表で調べてみることにしました。クサアブ科あたりとイエバエ科辺りは「絵解きで調べる昆虫」では分からないことが多いので、「大図鑑」で調べることにしています。



生態写真では下小楯板は分からないので、両方の可能性を載せています。また、前縁脈がどこまで伸びているかも写真でははっきりしなかったので可能性を残しておきました。後は検索項目で妥当と思われるものだけを拾っていくと上のように最終的に4科の可能性が残ります。それで、個別に調べていきました。まず、キアブモドキ科はm3とcua室が共に閉じるので違います。アブ科類は触角が違います。そして、クサアブ科もシギアブ科も触角が異なります。つまり、すべて☓になってしまいました。

後はネットでキアブ科を探してみると、似たような触角の種の写真が載っているので何処かで間違えたかなぁとか、クサアブ科やシギアブ科で似たような触角の種はないだろうかとか、ほとんど一日中うんうんうなりながら調べていました。おまけに天気は悪くて、気分もすぐれなくて・・・。ハエ目は「絵合わせ」をできるだけ避けて、「検索」一本で頑張ってみようと思っていたのですが、とうとう負けて「大図鑑」の図版をぱらぱら見て、こんな触角の持ち主を探してみました。すると、ムシヒキアブに似たような触角の種がいました。ムシヒキアブ科の翅脈は変化に富んでいて、MNDを見ると、クサアブ科などとそっくりのものもいます。

そこで、いつもの「ムシヒキアブ図鑑」を利用させていただきました。そして、見つけました。ハラボソムシヒキ Dioctria nakanensisというヒゲボソムシヒキ亜科でした。脚の色もよく似ているので、たぶん、これでしょう。これで、画像検索するといっぱい出てきました。やはり、絵合わせの方が速かったかなぁとがっかりしながら、敗因を調べてみることにしました。



ムシヒキアブ科とクサアブ科などとはそもそも出発点が異なりました。脚の爪の間に爪間体というのがあるのですが、ここが問題でした。初めからクサアブ科かもと思って進んでいったので爪間体を調べなかったのが失敗のもとでした。爪間体というのは次の写真のようなものです。



左がムシヒキアブ、右は普通のアブです。褥盤が爪の下側にありますが、その間に爪間盤(爪間板)というのがあるかないかです。左は細い刺毛が生えているだけですが、右は何やらその間は詰まっています。つまり、クサアブ科などはこの爪間板があったのですね。



普段、爪の写真は撮らないのでなかなか分からないのですが、先程の個体の写真を拡大してみると、たしかに、褥盤とその間にある刺毛がかすかに見えました。ムシヒキアブの場合は褥盤は見やすいので、見ておく必要がありますね。とりあえず、先入観をもたないことが重要だというのが今回の教訓です。







ついでに他の虫も出しておきます。林の入り口の道端ではマダラホソアシナガバエが多いのですが、この公園ではこんな感じのアシナガバエとかもっと小さなのがいっぱいいます。アシナガバエは翅脈が変わっているので、それで属が分からないかなと思って、田悟敏弘、はなあぶ 30-2, 1 (2010)に載っている翅脈で分類をしてみました。Sympycninaeとか、Dolichopodinaeなどは見事に1~2群にまとめられるのですが、他のものではなかなか一筋縄ではいきません。特に、この写真の個体のように翅脈に特徴のない種は全部で8属が絡んでいて結構大変です。もう少しやってみますが、やや期待薄です。



これはミズアブ科です。死んでいるのか、複眼の色が変色しています。翅脈を見ると、中室が小さいので、たぶん、今まで見てきたMicrochrysaか、Cephalochrysaだと思いますが、♂の割には複眼が小さいので、ちょっと疑問になりました。採集すればよかったのですが、うっかり忘れていました。



これは以前調べたフチグロユスリカの♀に似ているなと思ったのですが、ちょっと違うような感じもします。とりあえず、ユスリカ亜科ということにします。



ハエは採集しない限り科も分からないので、写さないぞと決めていたのですが、ハナレメイエバエかなと思ってつい写してしまいまして。でも、頭頂に後傾の刺毛がないので、他の仲間のようです。



後はハチですね。今のところ、手付かずなのですが、そのうち、挑戦したいと思います。でも、小さなハチって山ほどいますね。



これはいつものアオバネサルハムシかな。



それにセスジヒメナガカメムシ。最近見るのはセスジばかりです。

家の近くのむし探検 蛾

家の近くのむし探検 第269弾

6月20日に今回は家の近くの公園で見つけた虫のうち、蛾についてです。実は、そのとき公園で見つけたハエの科や属が分からず、朝からウンウン唸っていました。それで、とりあえず、整理のついた蛾についてです。



まずはマンションの壁に止まっていた蛾からです。後翅にこれだけ突起の出るアオシャクはヒロバツバメ、ヒメツバメ、ハガタツバメの3種くらいです。「標準図鑑」によると、ヒロバツバメの縁毛は黄緑色で外縁線ははっきりしません。ヒメツバメも縁毛は黄緑色ですが、赤褐色から赤紫色の外縁線があり、それが脈のところで途切れます。ハガタツバメの外縁線は赤褐色で、縁毛は黄白色ですが、縁毛の脈の延長部は外縁線と同じ赤褐色になります。これから判断するとヒロバツバメアオシャクではないかと思います。



こちらはコヨツメアオシャクです。





公園に行く途中の道端にこんな花があちこち咲いていました。葉の特徴から、ハマナデシコかなと思っていたのですが、花が少し違うようです。ネットで調べると、ベニナデシコの名前で売られている栽培種のようです。



公園に着いたら、ヤマトカギバを見つけました。昨年はこの蛾が公園にたくさんいました。



それから、マエグロホソバです。



帰りにマンションの廊下の壁で見つけた蛾です。横脈紋がはっきりしていて、外横線がほぼ直線的、外縁の黒点がはっきりしています。翅形も何となく丸っぽい感じです。こんな特徴で探してオオウスモンキヒメシャク、サクライキヒメシャクが候補に挙がったのですが、確信が持てず、保留になりました。



最後はネジロキノカワガですね。これはブログを始めてから初めて見ました。

家の近くのむし探検 ハエ、ハチなど

家の近くのむし探検 第268弾

6月19日に林の入り口に行ったときの続きです。





2枚めの写真で翅の模様がよく見えます。これから以前も見たクロホソスジハマダラミバエかなと思いました。



初めハチかなと思ったのですが、触角がどうも違います。次にタマバエかなと思ったのですが、翅脈が少し違うようです。結局、以前調べたヌカカ科であることが分かりました。その時はモモグロヒラタヌカカ Atrichopogon femoralisと教えて頂いたのですが、その種か、その近傍の種だと思われます。





前脚脛節の刺が見えないのですが、たぶん、マダラホソアシナガバエだと思います。



これは翅の模様がないのですが、翅脈のM1が基部に少し戻ってほぼ直角に曲がっている点、M2脈が翅縁まで達していることなどから、同じCondylostylus属だと思われます。「日本産アシナガバエ科チェックリスト」によると、この属にはitoi、japonicus、luteicoxa、nebulosusの4種が載っています。そのどれかかなぁ。





ハチは一応、撮ることは撮るのですが、小さいハチは実は山ほどいます。でも、名前はおろか、科もさっぱりわかりません。



ヤマトシリアゲの♀だとは思うのですが、一度、♂の交尾器をきちんと調べてみたいと思っています。





ササキリ類の幼虫でしょうね。結構、可愛いですね。





大きなダニをくっつけています。スジチャタテだと思います。





アリグモの♂が二匹いました。この日はこんなところです。

虫を調べる ツヤハダコメツキ属?

今年は「甲虫の年」に決めたので、この間からハムシを調べたりしていたのですが、いよいよ私にとっては本命中の本命のコメツキムシを調べてみました。「絵解きで調べる昆虫」に大平仁夫氏の詳しい説明があるので、何とかなるかなと思って何度か挑戦したのですが、いつももやもやで終わってしまい、挫折していました。今回は少し気合を入れてやってみました。でも、素人がやっていることなので、話半分程度で見ていただけると幸いです。



調べたのはこのコメツキです。特に理由があったわけでなく、たまたま家の近くにいたのを捕まえたので調べてみただけでした。いつものように冷凍庫に入れていたのですが、数日前に出してきて「絵解きで調べる昆虫」に載っている検索表と照らし合わせながら調べていきました。私にとって難しかったのは、用語がよくわからなかった点です。絵解きなので絵は載っているのですが、それを見てもどうも分かりませんでした。それでいろいろな文献やインターネットサイトを見ながら調べていったので、時間がかかってしまいました。

まず、この個体の亜科から調べていきました。「絵解きで調べる昆虫」の検索表を使って調べるとカネコメツキ亜科になったので、まず、その過程から見ていきます。



これはその検索過程を示したもので、①から⑥まではいろいろな亜科を除外するための項目で、最後に残った⑦でカネコメツキ亜科かコメツキ亜科かを決めます。この最後の⑦がいつもよく分からなかったのですが、今回はちょっと分かった気がしました。いつものように、検索順ではなくて部位別に見ていきます。



冷凍庫から出してそのまま置いていたらホコリまみれになってしまいました。ホコリを取ってから写せばよかったですね。この個体は体長13.9mm。かなり大きかったので楽だったのですが、意外とつるつるしていて、ピンセットで挟むと滑って飛んでいってしまうことが何度かありました。この写真からは⑤の翅端が丸いというところを見ます。これは翅端の尖ったヒゲコメツキ亜科を除外する項目です。



次は顔の部分です。この詳しい説明は後ほどするとして、この写真では触角の取付部が複眼の内側に接していることを見ます。これは離れているツツコメツキ亜科を除外する項目です。次の⑤の大顎の歯なのですが、毛が邪魔をして、あるようなないような。はっきりとは分かりませんでした。でも、⑤のもう一つの項目がOKだったので、たぶん、大丈夫でしょう。



さて、これは頭部を上から見たところです。ここがいつも迷ってしまうところでした。検索表の⑦は本来( )の部分がなくて、頭部が矩形状か、楕円形状かというのですが、どこが矩形なのか楕円形なのか分かりません。それで、先日ブログにも書いたようにStibickの論文を見て、はたと気が付きました。



そこには矩形とか楕円形とかは書いてなくて、頭が平坦か丸いかと書かれていたのです。それならば、横から見ればよいと思って撮った写真がこれです。確かに頭頂部は矢印で示すように平坦です。さらに、こうやって見ると、口器は下前方に開くというのも何となく分かります。でも、ともに絶対的な記述ではなくて、相対的なので、コメツキ亜科と思われる個体と比べてみることにしました。幸い、アカハラクロコメツキというコメツキ亜科の標本があったので、それと比べたのが次の写真です。



頭部が丸いか平坦かはAとBを比べると何となく分かります。それよりも口器の位置がだいぶ違います。コメツキ亜科と思われるAでは確かに下の方についていますが、Bでは前の方についています。これは上から見た写真Dを見ても口器が上から見えていることからよく分かります。CとDは頭部を上から写したものですが、楕円形、矩形と言うのも分かるような気がしますが、私にははっきりとは分かりません。



次は腹側から見た写真です。ついでに「絵解きで調べる昆虫」を参考にして各部の名称を入れてみました。②の前胸腹板突起は中央に見える部分ですが、長く伸びています。この項目は突起の短いハナコメツキ亜科を除外する項目です。



次も分かりにくい項目です。中肢基節腔が「開く」か「閉じる」かということなのですが、この写真を見ると、黄矢印で示した中胸腹側板側が凹んでいます。たぶん、これが「開く」ということに対応しているのだと思われます。閉じているとミズギワコメツキ亜科になります。



最後は脚の爪です。③の爪の内側基部は多分、湾曲している内側の基部を指すのだと思うのですが、その部分には刺毛はありません。爪の基部にはありますが・・・。これはサビキコリ亜科を除外する項目なので、たぶん、大丈夫だと思います。⑥はクシコメツキ亜科を除外する項目で、櫛歯がないことを言っています。

以上で、亜科の検索が終わりました。多少、疑問になる点や調べられなかった部分があったのですが、たぶん、カネコメツキ亜科で大丈夫だろうと思っています。「絵解きで調べる昆虫」ではこの亜科は4群に分けられることになっています。ただ、その検索表はありません。それで、各群の特徴から調べてみました。その結果、第4群の中のツヤハダコメツキ族の可能性が高いことが分かりました。そこで、その属・亜属の検索を一気に試みてみました。その結果、ツヤハダコメツキ属Pseudathous亜属になったので、その部分の検索の過程をお見せします。



これも順番にお見せすれば良いのですが、同じ図をあっちこっちで参照してややこしいので、やはり部位別に見ていくことにします。



先程と同じ写真なのですが、⑪から⑬はいずれもこの写真から判断できます。



これも先程と同じ写真なのですが、⑨で迷ったのは前頭横隆起線と前頭横溝がどれを指すかというところです。隆起線は何となく分かるのですが、溝が分かりませんでした。それで、「コメツキムシ談話会」の記事の中からその説明を見て、この写真のように判断しました。いずれにしても、この個体は隆起線も横溝もよく発達しています。隆起線が中央で不明瞭になる種もあって、それはシモフリコメツキなどが含まれるヒラタコメツキ族になります。



ここでは前胸腹側板線が一重であることを見ます。カネコメツキ属の様に第2群には2重になっている属もあります。また、前胸腹側板後縁の外角部分にとくにえぐれはありません。これはフトツヤハダコメツキ属を除外する項目です。



次は微妙ですが、前胸背板後角に見られる2本の隆起線についてです。この2本の隆起線が完全に平行ではなく、後角に向かって少し収斂しているように見えることからPseudathous亜属を選びました。しかし、これも比較の問題なので、ちょっと怪しいところです。



これは小楯板の拡大です。中央部分は平坦になっています。手元にあるルリツヤハダコメツキはMiwacrepidius亜属に入るのですが、ここが屋根型に膨らんでいます。



そして、ツヤハダコメツキ族を特徴づける脚の跗節の下の膜状構造です。ここでは第2、第3跗節末端に完全な、第1跗節末端にやや不完全な膜状構造が見られます。



拡大するとこんな感じになります。第4跗節にも微かにありそうなのですが、検索表の上からはこれはないと判断してよいようです。

ということで全ての項目を確認したので、ツヤハダコメツキ属Pseudathous亜属 Hemicrepidius (Pseudathous)でよいのではと思っています。どこかで間違ってとんでもない方向に行っているかも知れませんが・・・。この亜属にはクロツヤハダコメツキがいます。それで、その辺りの種ではないかと思っています。「コメツキムシの部屋」というサイトよると、この亜属には11種載っていました。従って、種まではまだまだ大変そうです。せめて属が合っていると嬉しいのですけど・・・。

追記2017/07/01:通りすがりさんから、「クロツヤハダコメツキみたいですね。鞘翅の毛がよく写っていたんで、別種に感じてしまいました。」と、「鞘翅が毛深いクロツヤハダコメツキは、メスでした。どういう訳かメスは殆ど見ないので、完全に忘れてました。」というコメントをいただきました。すごい知識ですね。♂♀の違いなんて。私の持っている図鑑にはまったく書いてありませんでしたよ。甲虫の♂♀はよく分からなくて、いつも決めるときに困ってしまいます。貴重なコメントどうも有難うございました

家の近くのむし探検 甲虫と蛾

家の近くのむし探検 第267弾

6月19日に家の近くにある林の入口で見つけた虫のうち、甲虫と蛾です。写真整理がなかなか終わらないので、焦ってやっています。





ヒラズゲンセイの♂がまだ同じ場所にいました。初めて見つけたときから3日が経つのですが、ほとんど同じ場所です。一方、♀の方は見つかりませんでした。それにしてもごつい大顎ですね。



キベリコバネジョウカイです。これも最近よく見ます。





これはゴミムシ類の幼虫でしょうか。





ハムシだか、カミキリだか分からなかったのですが、以前見た写真と比べてハムシダマシであることが分かりました。昨年と一昨年の6月中旬から7月初めにかけて見ていました。



ケヤキの葉に止まっているところをやっと見つけました。たぶん、ナミガタチビタマムシだと思うのですが、一応、採集したので、今度調べてみます。



次は蛾です。これはアカイラガです。





小さかったので、木の実かなと思って写したら、ひょっとしたら蛾かも。「標準図鑑」で探したのですが、結局、よく分かりませんでした。





たぶん、ハマキガ科の幼虫だと思うのですが、よく分かりません。残りは次回に回します。

雑談)数日前から、先日採集したコメツキを調べています。



このコメツキです。検索表で一つずつ調べていき、先程やっと亜属まで到達しました。合っているかどうか分かりませんが・・・。結局、カネコメツキ亜科ツヤハダコメツキ族ツヤハダコメツキ属Pseudathous亜属です。この亜属にはクロツヤハダコメツキがいます。その辺りではないかと思っています。「コメツキムシの部屋」によると、この亜属には11種載っています。種まではまだまだ大変そうですが、せめて属が合っていると嬉しいのですけど・・・。顕微鏡写真を撮ったので、今度載せます。

廊下のむし探検 甲虫、カメムシなど

廊下のむし探検 第917弾

写真整理が溜まってきているので、慌ててやっています。6月17日にマンションの廊下を歩いて見つけた虫たちです。







まずはこんなカミキリからです。翅を半分広げてのっさのっさ動き回るので、案外、撮影は難しかったです。ホソカミキリだと思います。(追記2017/06/24:ささきさんから、「冒頭のカミキリムシはミドリカミキリではないでしょうか?」というコメントをいただきました。そうですね。ミドリカミキリみたいです。過去にも何度か見ていたんですが・・・。最近、駄目ですね。ご指摘どうも有難うございました



これは前胸背板側縁が後縁近くで角張っているのでアオバネサルハムシだと思いました。



これはフナガタクチキムシだと思ったのですが・・・。



ツマキヘリカメムシとオオツマキヘリカメムシという似た種がいます。「原色日本カメムシ図鑑」を見ると生殖節の形を較べて調べることになっていて、♂♀ともその写真が出ています。



この部分です。それと比べると、ツマキヘリカメムシ♂に似ています。この手のカメムシはこの部分の写真をちゃんと撮っておかないといけないですね。






セスジヒメナガカメムシです。これはマンションの庭にある花壇の花を探すとすぐに見つかります。花はペラペラヨメナではないかと思います。以前、前胸背板の色が側縁を除いて黒かったらヒメナガカメムシ、全体が淡色で中央にT字型の黒い部分があるとセスジヒメナガカメムシだと教えていただいたことがあります。「原色日本カメムシ図鑑第3巻」を見ると、その他にもクロ、エチゴ、ヘリグロ、オガサワラの4種が載っていました。検索表も載っているのですが、ざっと調べた感じだとまずセスジで間違いなさそうです。



交尾している個体も見つかりました。これもセスジですね。以前はヒメナガカメムシと思っていたのですが、こうやって写真を撮ってみると、ほとんどセスジばかりです。



ということはこの幼虫もセスジなのかなぁ。



花壇の花をよく調べてみると、実に小さなアザミウマがいました。アザミウマの検索も一度やったきりで、途中になっています。そのうちやらないといけませんね。でも、小さいからなぁ。プレパラートにしても、脱色をしないといけないみたいだし・・・。



マンションの廊下に戻って、コガタシロモンノメイガ



ヨコジマナミシャク



これは前日にもいたオオナミガタアオシャクかな。



カゲロウがいました。尾が2本で、小さな後翅が見えているので、たぶん、コカゲロウ科でしょうね。眼が小さいので♀。こんな写真から少し分からないかなと思って次の論文を見てみました。

御勢久右衛門、「日本産カゲロウ類①~⑫」、海洋と生物 (1979~1981)

これは昔、図書館でコピーしたものです。ちょっと古いのですが、カゲロウの検索にはいつもこの論文を見ています。コカゲロウ科の属の検索を見ると次のような感じになっています。



①の後翅はあるはOKなのですが、次は前翅後縁の間脈と後翅を見ないといけません。



その部分を拡大してみました。うーむ、だいぶ無理がありますね。間脈は見えますが、これが縦脈間に1本だか2本だかはっきりしません。もし1本ならウスバコカゲロウ属になり、2本ならコカゲロウ属になります。前者だとウスバコカゲロウか成虫の未記載種になるのですが、後翅の突起の形が鈎状にはなっていないみたいです。後者だと③に進んでいきます。ここで、後翅の翅脈の数になるのですが、これがよく分かりません。というわけで、生態写真で属や種を決めるには、コカゲロウ科ではこのあたりを詳しく撮っておかないといけないことが分かりました。次は頑張ってみます。

廊下のむし探検 蛾ほか

廊下のむし探検 第916弾

6月16日にマンションの廊下も少し歩いていたのを忘れていました。少しだけですが、出しておきます。



夕方に歩いたのですが、結構、蛾がいました。これはセスジスズメ





これはたぶん、シラフクチバ。(追記2017/06/24:ささきさんから、「『シラフクチバ』はアヤシラフクチバのようですよ。」というコメントをいただきました。あー、ホントですね。うろ覚えで書くといつも違っています。最近、他の虫ばかり調べているので、蛾にだんだん疎くなってきてしまいました。ささきさん、ご指摘どうも有難うございました)



アオアツバ



このアオシャクでだいぶ迷いました。アオシャクは模様がみな似ているので、以前、まとめたことがありました。それと比べて、さらに、大きさがそれほど小さくなかったという記憶をあわせて、オオナミガタアオシャクかなと思ったのですが、自信はありません。



これは何でしょうね。蛾がまるでチョウのように止まっています。フトジマナミシャク辺りかな。



これはモンキクロノメイガ



ヤマメイガですね。たぶん、スジボソヤマメイガかなと思うのですが、はっきりとは分かりません。



蛾以外ではトンボが閉じ込められていました。フタスジサナエですね。



スジチャタテだと思います。こんな小さな虫にもダニがくっついている・・・。



トビケラですが、名前は分かりません。



アシブトハナアブ



最後は蚊です。蚊もじっくり見ると見事な造形ですね。ヤマトヤブカだと思います。前に突き出しているものは中心から、口吻、小顎肢、触角の順になっています。

家の近くのむし探検 コウゾ、アシナガバエなど

家の近くのむし探検 第266弾

6月16日に家の近くにある林の入口の道に行ってみました。



その途中でこんな実を見ました。今まで目立たなかった植物に赤い実がなっています。てっきりイチゴだと思いました。



でも、葉にこんなに不規則に切れ込みが入っています。イチゴだと思ったので、「樹に咲く花」や「日本の野生植物 木本」でバラ科を探しましたが、見つかりません。きっと帰化植物なのだろうと思って諦めようと思ったときに、ふとクワ科を思い出しました。調べてみると、コウゾが似ています。



そう思って写真を見直すと、赤い実の上に特徴的な形の幼果?がありました。図鑑を見ると、ヒメコウゾが野生種でヒメコウゾとカジノキの雑種がコウゾで栽培種だそうです。違いはコウゾの方が葉柄が長く(1-2cm)、有毛、ヒメコウゾは葉柄は0.5-1cm、短毛が散生するとのことです。一番上の写真を見ると、葉柄は長く、短い毛が密生しています。おそらく、コウゾの方かなと思っています。(追記2017/06/24:通りすがりさんから、「確認したところ、この辺ではコウゾもヒメコウゾも林縁に普通に生えてます。コウゾの葉柄はツルツル、ヒメコウゾの葉柄はザラザラでした。まだまだ実は熟しませんが、毎年食べてます。熟した実を軽く揉んでおくと、カナブンとアオカナブンが集まります。今はモミジイチゴが食べ頃です。」というコメントをいただきました。コウゾの実があんなイチゴみたいな実だなんて知りませんでした。葉っぱが切れ込んでいるのでクワ科を思い出したのが良かったみたいです。こちらのがコウゾなのか、ヒメコウゾなのかはまだよく分かりません。今度、葉柄を触ってみます。この間、葉柄の長さを測ったら1-1.2mm程度だったのでコウゾなのかなぁと思っていますが・・・。この実は食べられるのですね。それも知りませんでした。モミジイチゴはこちらにもありますね。最近、下ばかり見て虫を探しているので気が付かなかったのですが・・・





林の入り口に着きました。この日はこの写真のような大きめのアシナガバエがたくさんいます。頭頂が凹んでいて、複眼の横に瘤のある独特の構造を持つホソアシナガバエ属だと思います(こちらに写真があります)。アシナガバエというと以前、捕まえて検索をしてみたのですが、種のところで迷ってしまった経験があります。その時は菅井 桃李さんから、ヤマトマダラホソアシナガバエの色の薄い個体だとご指摘いただいたのですが、同属のヒメマダラ、マダラ、ヤマトマダラの3種の特徴をまとめていたら、だんだん分からなくなってしまい、挫折してしまいました。今回は2匹捕まえ、今、冷凍庫で眠っています。この3種の違いで分かりやすいのは前脚脛節背面の刺毛の数です。ヤマトマダラは短い刺毛が2-3本、マダラは1本、ヒメマダラは0本です。ヒメマダラは代わりに強い先端刺毛を2本持つとのことです。そこで、上の写真で調べてみました。



これは1本だけです。たぶん、マダラホソアシナガバエで間違いないのではと思いました。今度じっくり調べてみます。



何となく腹部の斑紋パターンがいつもと違うのですが、いつものフタスジツヤユスリカということにしておきます。





これは帰り道で見つけたアブです。ばっちり撮れたのですが、複眼がくっついているので♂です。♂は検索表がなくて残念ながら調べられません。



翅脈で矢印のところに小さい刺のような突起があるので、ウシアブ群であることは間違いなさそうですが・・・。





これは以前に調べたヒメトビイロカゲロウ♂だと思います。コカゲロウのようなターバン眼をしていますが、トビイロカゲロウ科です。





これはシロタニガワカゲロウとしているカゲロウの♂です。眼の黒いパターンが面白いですね。



また、カザリバが葉の上でくるくる回っていました。とにかく見ていて飽きません。その代わり、止まってくれないので、写真がみなぶれてしまっています。



この毛虫はなんでしょうね。



後は例によって名前の分からないハチ。



アワダチソウグンバイ



ササコナフキツノアブラムシはすっかり数が減っていました。まだ、兵隊みたいなのはいるみたいですが・・・。



最後は川の土手にある倉庫にかけてあるネットで見つけたものです。ヒシウンカだと思うのですが、頭の上に角があります。何とか調べたいと思うのですが、手がかりがありません。

家の近くのむし探検 ヒラズゲンセイほか

家の近くのむし探検 第265弾

6月16日にまたいつもの林の入り口に行ってみました。もう病みつきになっています。でも、そこに着く直前に見たこともない虫に出会いました。







こんな変わった虫です。これともう一匹、オヤブジラミの枯れかけた草に止まっていました。





もう一匹はこんな感じです。下の方が大きな顎をしています。上は落ち着きなく動き回っていましたが、下はこんな格好でじっとしています。でも、全体に動作がのろくて、スローモーションを見ているような感じでした。

写真をいっぱい撮って、家に戻ってから調べてみると、ツチハンミョウ科のヒラズゲンセイみたいで、上が♀、下が♂のようです。「新訂 原色昆虫大図鑑II」によると、「熱帯性で、幼虫はクマバチの巣に寄生」とのことで、四国、九州の太平洋岸が分布に挙げられていました。この名で検索すると、大阪市立自然史博物館のサイトがトップに出てきました。それによると、南方系の虫で北上を続けていて、1976年に和歌山県湯浅町で見つかったのが近畿初で、大阪では1999年に貝塚市が初めてだそうです。大阪市と松原市の境を流れる大和川より南は記録が多いので、これより北部の記録に注目しているそうです。(追記2017/06/22:体長を書くのを忘れていました。♂は19.8mm、♀は24.6mmでした)(追記2017/06/24:通りすがりさんから、「ヒラズゲンセイは見付けてみたいですが、会いに行かないと見られない羨ましい虫ですねえ。この毒々しさを見てみたい。」というコメントをいただきました。枯草の枝を大型の赤い虫がうねるように動いていたので、何じゃこれはと思いました。カンタリジンを出すので、触るのは気をつけろということですが、こんな色だと気持ち悪くてちょっと触る気がしません。市内の別の個所でも見られた方がいるようなので、私の住む北摂でも生息するようになったのでしょう。クマバチの巣の近くで写真を撮られているのですが、そもそもクマバチの巣を見たことがありません・・・



他の甲虫です。林の入り口にはこのキベリコバネジョウカイをよく見ました。



これは腹側からの写真です。



後はナミテントウ



クズノチビタマムシ




甲虫の最後はコメツキです。これは採集して、この間から調べています。今日、「絵解きで調べる昆虫」に載っている検索表を使って調べた結果では、カネコメツキ亜科ツヤハダコメツキ族になりましたが、ここからの属の検索がまだうまくいっていません。コメツキは難しいですね。でも、そのうち、まとめて出します。ほかの虫は次回に回します。(追記2017/06/24:通りすがりさんから、「ツヤハダコメツキ族ですか。これは見たこと無いかも。こちらではクロツヤハダコメツキだらけです。」というコメントをいただきました。その後、亜属まで検索を行いました。合っているかどうか分かりませんが・・・。結局、カネコメツキ亜科ツヤハダコメツキ族ツヤハダコメツキ属Pseudathous亜属です。この亜属にはクロツヤハダコメツキがいます。その辺りではないかと思っています。「コメツキムシの部屋」によると、この亜属には11種載っています。種まではまだまだ大変そうですが、せめて属が合っていると嬉しいのですけど・・・

家の近くのむし探検 丸山湿原へ至る道

家の近くのむし探検 第264弾

家の近くというわけではないのですが、6月15日に車で40分ほどのところにある宝塚西谷の森公園から丸山湿原にかけての道で虫探しをしてみました。ずっと家の近くにある公園や林ばかりに行っていたので、本当に久しぶりの「遠出」になります。

西谷の森公園に車を置いて、丸山湿原に向かってゆっくり歩いていきました。丸山湿原は兵庫県最大規模の湿原なのですが、周りを柵で囲まれ、湿原にはまったく近づくことができません。それで、私は湿原そのものよりは、そこに至る道が好きです。



歩き始めてまず出迎えてくれたのはウツギの花でした。道は畑の間からやがて林の中の道に変わります。



しばらく歩くとヒゲナガガに出会えました。これは♂で、鬚もじゃではないので、ホソオビヒゲナガかなと思いました。





この辺りはこんなオドリバエがやたらたくさんいます。口が前向きについていて、前胸背板が盛り上がっています。また、後脚が捕獲脚にみたいに太くなっています。ということで、いつも公園で見ているHybos属ではないかと思います。



これは何かを捕まえているところなのですが、何を捕まえているのでしょう。





ここでシマハナアブ♀を見つけました。



そのすぐ横ではメンガタカスミカメ。これはこのブログ初めてです。



オカトラノオはまだつぼみでした。



ササユリはもうすぐ咲きそうですね。



いつものヒメクロオトシブミもいました。



このジョウカイは何でしょうね。



そしてこれはその顔です。(追記2017/06/24:通りすがりさんから、「ジョウカイボンの顔はヘリグロリンゴカミキリに見えるのですが…。」というコメントをいただきました。すみません。私の勘違いでした。調べてみると撮影時間に3分のずれがありました。止まっている葉も違います。脚の色も違うし、これは別の種ですね。ネットで調べると、確かにヘリグロリンゴカミキリの顔にそっくりです。そうかもしれません。ご指摘、どうも有難うございました

丸山湿原は予想通りまったく見るべきものがありませんでした。ハッチョウトンボでも見つかるといいなとは思っていたのですが、そもそも柵から湿原までの距離が遠いので、いてもほとんど見えないのですが・・・。



その代り、すぐ横にテングチョウが来て止まりました。こうやって見ると、ほとんど枯葉そのものです。



そして、これはクビワウスグロホソバ



「原色日本甲虫図鑑III」に前胸背板の形がいろいろ出ているのですが、それと比べるとホソベニボタルというのに似ている感じがしました。よくは分かりません。





ミスジチョウを見つけました。私の家の近くでは時々見られるのですが、ここでは初めてです。



駐車場まで戻ってくると、そのすぐ前でクリの花が咲いていました。まだ虫は来ていませんね。

久しぶりに遠出して虫探しをしたのですが、やはり歩いているとそれほど虫が見つかりませんね。いつもは林の入り口や公園で同じ場所を行ったり来たり2時間ほど粘っているのですが、その方がよほどたくさんの虫が見つかります。

廊下のむし探検 カメムシ、蛾、甲虫など

廊下のむし探検 第915弾

昨日の続きで6月13日にマンションの廊下で見つけた虫たちです。



こんな異様なものが廊下の壁についていました。



近寄って見ると、まるでケチャップの容器みたいです。



上から見たところです。中心は凹んでいますが、蓋は閉じているようです。何かの卵でしょうね。この形、どこかで見たことがあるなと思って考えていたのですが、「日本産幼虫図鑑」をぱらぱらめくっていたら見つけました。アカサシガメの卵だそうです。白いキャップのような蓋が開いて羽化するそうです。その後の変化を楽しみにしていたのですが、後日見てみると跡形もなくなっていました。掃除のおじさんが綺麗に片付けてしまったようです。ちょっと残念!



サシガメついでにこのヤニサシガメもいました。





小さな蛾で、初め蛾だとは気が付きませんでした。何かがついているので、一応、撮っておこうと思って撮り、後から見てみると確かにこれは蛾です。「標準図鑑」で調べたのですが、結局、分かりませんでした。



後はキオビベニヒメシャクがいたくらい。この日はちょっと寂しかったですね。



先日、サルハムシのあたりを調べたおかげで観察するポイントが分かったきました。これは前胸背板の後縁の手前の側面がやや角張っています。また、この写真で見ると、中後脚脛節の背面のえぐれはほとんど見えません。こんなところから、たぶん、アオバネサルハムシではないかと思いました。



これはたぶん、アオカミキリモドキだと思います。



それにコガネムシ





このガガンボは見覚えがあります。以前、検索をしてNephrotoma subpallidaになった種です。



確か、黄色で囲まれた部分が無光沢でしたね。そう言われると、そのようにも見えます。昨年調べたのが6月22日。ほぼ同じ頃ですね。



こちらはアシブトハナアブ♀。



これは以前、おちゃたてむしさんから教えていただいたヒロクチバエ科Rivellia属ですね。最初、ミバエだと思ったのですが、最近、やっと違いが分かるようになってきました。この時はRivellia cestroventrisかその辺りとしたのですが、今回もその辺りでしょうね。



後はなんだか分からない雄有翅アリ。



それにアカマダラカゲロウ♂でした。

廊下のむし探検 チャバネヒメカゲロウ

廊下のむし探検 第914弾

6月13日にマンションの廊下を歩いてみました。この日はあまり虫はいませんでした。でも、いないといないで、何かと写真整理に時間がかかってしまいます。





この日、時間がかかったのはこのヒメカゲロウです。こんな感じのヒメカゲロウを見るといつもチャバネヒメカゲロウと言っているのですが、そういえばちゃんと検索したことがなかったかなぁと思って、過去のブログを見てみました。不思議としていません。それで、ちょっとやってみようと思ってし始めたのが、深入りの始まりでした。

W. Nakahara, "On the Hemerobiinae of Japan", 日本動物学彙報 9, 11 (1915).(ここからダウンロードできます)

検索に用いているのはこの論文に載っている検索表です。だいぶ古いのですが、ほかに適当な検索表が見つからないので、いつも使っています。この検索表を使ってHemerobius属の検索をしたこともありました。この写真の種はいちばん普通に見られる種なのですが、どうしてか調べていませんでした。



原文は英語なのですが、私の拙い語学力で訳した検索表がこれです。



①のrecurrent veinというのは黒矢印の部分にあるはずの回帰する翅脈です。本来、翅脈は翅縁に向かって伸びているのですが、recurrent veinというのは翅の基部に戻る翅脈を指しています。実際の翅脈は先ほどのHemerobius属の検索で見ることができます。この個体にはないので、②に進みます。この②はM脈とCu脈が融合しているかどうかを聞く項目で、この写真でも分かるようにこの個体では融合していません。②bの書き方では前翅であたかも融合しているように書かれているので、一見、ここで選択枝がなくなってしまうのですが、この②の意味は上記論文の本文中に詳しく書かれています。「前翅では中脈は肘脈と融合せず、1本または2本の横脈で結ばれる。稀に2つの脈が短い距離で融合することがある;後翅では中脈は肘脈と融合しない。」つまり、通常、前翅ではM脈とCu脈は融合せずに横脈によって結ばれているということを意味しているのです。この写真では1m-cuから3m-cuの3本の横脈で結ばれています。したがって、②bのEumicromus属を選ぶことになります。なお、チャバネヒメカゲロウの翅脈はこちらに標本写真を載せていますので、参照して下さい。

次は種の検索です。



これも同じ論文に載せられています。⑦~⑨までを確認することによりEumicromus numerosus、つまり、チャバネヒメカゲロウになります。ところで、この論文に出てくる種名と、九大の昆虫学データペースに載っている種名を比較すると、驚くほど一致していません。たぶん、種名や属名に変更があったのだろうと思って、Catalogue of Lifeというサイトで一種ずつ調べていきました。その結果を図示すると次の図のようになります。



左の欄がNakahara (1915)に載っているMicromus属とEumicromus属の種、右端が九大のサイトに載っている種です。この両属はCatalogue of Lifeによるとシノニムになっていて、Micromus属に統一されているようです。その対応を見ると、Nakahara氏の論文の方が種類数が多くて7種、九大の方は結果的には4種となりました。今回の検索は種類の多いNakahara氏の検索表で行っているので、まぁ大丈夫だろうと思われます。

ただ、気になるのはM. timidusです。これはNakahara氏の論文に載っていませんが、九大のデータベースによると、分布に本州が入っています。千葉大のサイトにも?付きで載っているのですが、写真の質が悪くて詳細はほとんど分かりません。そこで、文献を調べてみると次の論文が見つかりました。

V. N. Makarkin, "The brown lacewings from Vietnam (Neuroptera Hemerobiidae)", Tropical Zool. 6, 217 (1993). (ここからダウンロードできます)

これはベトナム産のヒメカゲロウの論文ですが、この中にM. timidusについても書かれていました。これを見ると、翅の斑紋の位置が少し違う感じがしました。はっきりとは分かりませんが、たぶん、これではなくて、チャバネヒメカゲロウでよいのではないかと思いました。長くなったので、ほかの虫は次回に回します。

「廊下のむし探検」 コメツキの検索(雑談)

先日、家の近くにある林の入口の道でコメツキを見つけました。



いつもなら写真を撮るだけなのですが、一度検索をしてみようと思って採集してきました。コメツキの検索は「絵解きで調べる昆虫」という本の中に、大平仁夫氏の「コメツキムシの絵解き検索」という節があって、この中に詳しく載っています。実は、以前にもこの本を手がかりにコメツキの検索をしてみたことがあったのですが、分からないところが多々あって最後はもやもやで終わってしまいました。その原因は検索表に書かれている内容がよく分からなかったことと、本文中にある検索表と図で示された分岐図が違うことでした。。

昨日、上のコメツキの検索を始めたのですが、再び、同じようなところで躓いてしまいました。途中で諦めようかと思ったのですが、もう一度本の説明をじっくり読んでみようと思って、そこに引用されている文献を当たってみることにしました。

J. N. L. Stibick, "Classification of the Elateridae (Coleoptera) - Relationships and classification of the subfamilies and tribes", Pacific Insects 20, 145 (1979). (ここからpdfを直接ダウンロードできます)

この中に載っている図を見てはたっと気が付きました。その部分を日本語に訳して図示してみると、次のようになります。



これはコメツキの祖先からいろいろな形質を獲得して、現在の亜科になっていく様子を模式化したものです。例えば、最初に中・後腹板が合着しているか、離れているかで2つに分岐し、さらに、爪の基部の刺毛のあるなしでさらに分岐しという風に各亜科に分かれています。これは形質の変化を表しているだけなので、必ずしも検索表にはなっていません。例えば、一番上の分岐を進むと、一度、「爪の基部に刺毛」があると言いながら、その先には「爪の基部に刺毛を欠く」という形質があり、一見、矛盾しています。でも、これは「爪の基部に刺毛」にある状態から、形質が変化し、刺毛がなくなったものが出てきたと解釈すればよいようです。たぶん、大平仁夫氏の「コメツキムシの絵解き検索」の中の図もこれを模して描かれたものだと思われます。いずれにしても、この図を見ると、コメツキを分類する上で重要な形質がよく分かります。

ちょっと分かって喜んでいたのですが、ここで扱われた亜科の名称が大平氏の記事の中に出て来る亜科とはだいぶ違っています。ここで再び悩んでしまいました。いろいろと調べているうちに次の論文を見つけました。

P. Bouchard et al., "Family-group names in Coleoptera (Insecta)", Zookeys 88, 1 (2011). (ここからダウンロードできます)

この論文は甲虫の各科の亜科、族で現在認められている名称とその変遷をリストアップしたもので、全972ページの膨大なデータです。この中にコメツキムシ科の亜科も載っていました。その対応を図示すると次の様になります。



左端がStibickの扱った亜科、右端は大平氏の記事に出てくる亜科です。中央はこの論文にあるリストで、赤字はこのリストに載っていない亜科名です。赤字の亜科については対応がやや怪しいのですが、破線で結んでみました。大平氏の扱った亜科はほぼ2011年のリストに対応していますが、Stibickが用いた亜科名はかなり変わっていました。

ということで、コメツキの検索が少しだけ分かってきたという感じがします。今回の個体で言えば、コメツキ亜科とカネコメツキ亜科のどちらかになったのですが、その区別に頭部の形状と口器の向きを使います。ここが分からず躓いていました。でも、上の模式図を見ながら考えてみると、ちょっと分かったような気がしました。その結果はまた今度載せることにします。

家の近くのむし探検 ハエ、ヒシバッタなど

家の近くのむし探検 第263弾

6月11日に家の近くの林の入り口の道端で見つけた「むし」の続きです。



甲虫とカメムシを前回出してしまったので、残ったのはかなり地味な虫ばかりになってしまいました。まずは、一瞬だけ顔を出したこの虫からです。前脚脛節末端に1対の棘があるのでケバエ科の仲間です。さらに、左右の複眼が接しているので♂です。ケバエも採集すると調べられるのですが、ちょっと見ただけでは種類は分かりません。





これは何でしょうね。写真から翅脈が読み取れなくて、科が分かりません。



後単眼剛毛が交差しているので、たぶん、シマバエ科ですね。翅にかすかに模様があるのが、以前調べた種と似ています。だとすれば、Homoneura属かもしれません。



アシナガバエですね。昨年、翅脈などから調べていったのですが、最終的に迷路に入ってしまい、それからは調べていません。ただ、綺麗なので、いつも撮ってしまうのですが・・・。翅脈のヒントとしては、M1+2脈が横脈の後、ちょっと進んでから方向を変えて、R4+5脈とほぼ平行に翅縁まで走っているあたりが特徴ですが・・・。



小さなハチはたくさんいるのですが、撮ってもどうせ分からないだろうと思って、無視するようにしています。たまには撮るのですが・・・。



このハマキガはちょっと迷ったのですが、ミダレカクモンハマキにしてしまいました。





クモもよく分かりませんね。上はサラグモの仲間かな。そして、下はマミジロハエトリあたりの♀かな。



次は、川の土手にある倉庫の近くに行ってみました。倉庫の横にはシートが張ってあり、そこに虫がよく止まっています。これはたぶん、チュウガタシロカネグモかな。





それからヒシバッタを見つけました。これも以前、検索をしたなと思い出し、側面と上面の写真を撮っておきました。たぶん、ハラヒシバッタかなと思って、検索表のハラヒシバッタに至る部分を見てみると、次のようになります。



この4項目を調べればよいことになります。







一応、項目に関係する部分を書き込んだのですが、最後の④がどうも自信がないですね。産卵管の太さと、前胸背板の前縁が膨らんでいるかどうかがはっきりとは分かりません。ここが確かでないと、ハラヒシバッタ以外になってしまうのですが・・・。ほかの可能性を調べるには翅の長さを見ないといけないのですが、この写真では後脚が邪魔をして写っていません。どうもいつももやもやで終わりますね。



モリチャバネゴキブリですね。如何にも卵を産みそうな感じ。(追記2017/06/24:立西さんから、「モリチャバネゴキブリの腹部に見えるのは卵鞘ですね。なので既に卵は産んでいることになるでしょうか。中々本物を捕まえて観察しようとは思いませんがゴキブリの卵鞘は本当に精巧な作りをしていますね。これからも楽しみにしています。」というコメントをいただきました。卵鞘なのですか。変な形なので、中に卵が入った状態なのかと思ってしまいました。確かにゴキブリだと捕まえて調べる気はしませんね。代わりに文献で調べてみたいと思います。どうも有難うございました



最後はアオオビハエトリでした。

家の近くのむし探検 甲虫とカメムシ

家の近くのむし探検 第262弾

6月11日にいつもの林の入り口に行ったときの記録です。まずは甲虫とカメムシ目から。





これはヤマイモハムシですね。



これは何でしょうね。背中側から撮ろうとしたら、下にぽたっと落ちてしまいました。そうなるともう分かりません。



クロウリハムシ



このハムシは初めてです。たぶん、ヨツボシハムシ



甲虫の最後はヒメカメノコテントウでした。



最近、アワダチソウグンバイをあちこちで見ます。



何が何だか分からないような姿のも見つけたのですが、これは交尾しているみたいです。



後はいつものシマサシガメ



これに似たのを以前見たことがあります。その時はオオモンシロナガカメムシ5齢幼虫にしていました。それ以上の情報がないので、一応、そうしておきます。



こちらはその成虫です。



「日本産幼虫図鑑」を見ると、アオバハゴロモの幼虫かなと思うのですが、これもそれ以上調べようがないです。



アブラムシ有翅型です。こんな模様だから、何とか分かるかなと思って「日本原色アブラムシ図鑑」の図版をずっと見ていったのですが、ツリフネソウ、カラムシコブ、クワクサヒゲナガ、ヨモギクギケ、ホップイボ、ムギワラギクオマルなど候補はいくらでもいます。みんなこんな感じなのですね。やはり単独ではよく分かりませんね。



こちらはもっと分かりません。アブラムシはホストにいっぱいいないとなかなか分かりませんね。

「廊下のむし探検」 ハムシの検索(雑談)

最近、ハムシをよく見かけるようになりました。それも似たような種ばかり。どうもこれまでのような絵合わせではもう追いつかなくなってきました。

昨日、文一総合出版の「ハムシハンドブック」が届きました。小さな本なのですが、写真は深度合成をしているので大変鮮明で、また、写真も大きいので思ったよりは使えそうです。でも、なんせ載っている種類数が181種だけなので、これで種を特定しようというのは無理みたいです。むしろ、候補が決まった後に確認のために使うとよいなと思いました。

この本によると、日本産のハムシとしては660種が知られているそうです(たぶん、マメゾウムシ科を含む)。九大の昆虫学データベースによると、ハムシ科として載っている種は556。「原色日本甲虫図鑑IV」では375種。「原色昆虫大図鑑II」では319種。「日本産ハムシ類幼虫・成虫分類図説」(1994)には成虫562種、幼虫187種を扱っているというので、欲しいなと思ったのですが、今は絶版です。古本では3倍の値段で売っているところもありましたが・・・。

それで、これからはやはり基礎に戻って、検索表を用いて地道に調べていくのがよいだろうと思って、少し文献を探してみました。そして見つけたのがこの論文です。

S. Kimoto, "The Chrysomelidae of Japan and the Ryukyu Islands. I", J. Fac. Agriculture, Kyushu Univ. 13, 99 (1964). (次のリンクからpdfが直接ダウンロードできます: I, II, III, IV, V, VI, VII, VIII, IX, X, XI

論文はI~XIまでの全11編からなっていて、これで1960年代での日本産ハムシ全種が扱われているという大作です。この論文では全部で482種を扱っているので、当面は十分に使えると思われます。



例えば、この写真は2015年6月20日に写したものですが、「原色日本甲虫図鑑IV」を見ると、ぱっと見で似たような種として、サクラサルハムシ Cleoporus variabilis、アオガネヒメサルハムシ Nodina chalcosoma、アオバネサルハムシ Basilepta fulvipes、ムナゲクロサルハムシ Basilepta hirticollisなどが考えられます。これを上の論文の検索表を使って調べてみます。



これはその4種に特化した検索表なのですが、これを調べていけばその4種の中のどれかが決められます。ただ、①の項目が腹板を調べないといけないので、結局は採集しないと駄目なのですが・・・。上の写真の種では、、①が分からないので、②のサクラサルハムシを留保し、③に進みます。③bの触角は長く、肩を越えるというので④に進み、④bの前胸背板は無毛で平滑を選ぶとアオバネサルハムシになります。つまり、この2種のどちらかということになります。②の中・後脚脛節末端のえぐれが分からないので、何ともいえないのですが、④bの前胸背板の基部から1/3または1/4で最大になり・・・というのが合っていそうなので、第1候補はアオバネサルハムシ、第2候補がサクラサルハムシとなります。アオバネサルハムシの説明を読むと、脚の色はあまりあてにならないようです。したがって、確認のためにもう一度、最初から検索をやり直してみるというのがよいかもしれません。・・・なんてことを考えながら、論文を見ています。(追記2017/06/17:検索表を見直すと、Cleoporus、Nodina、Basileptaの3属はいずれも中後脚脛節末端付近のえぐれがあるようです。したがって、「原色日本甲虫図鑑IV」に載っているサクラサルハムシの特徴、「中・後肢脛節先端部の外縁は顕著にえぐられる」はたぶん、「顕著に」に意味があると思われ、えぐれ自体はサクラサルハムシを見分けるユニークな性質ではないようです。やはり、まず①を確認することが必要かも

家の近くのむし探検 テントウムシの幼虫ほか

家の近くのむし探検 第262弾

先ほどの続きで、6月9日の公園での虫探しの結果です。





この日はやけにナミテントウの幼虫がたくさんいました。ツツジの葉の上にいたのですが、ひょっとしたらこの間見つけた小さなアブラムシでも食べているのかな。



これは何をしているところだろう。(追記2017/06/24:通りすがりさんから、「3枚目の幼虫は、蛹をほぼ完食したところですね。エサが不足すると動けない蛹は食べられてしまうので、早くに蛹にまでなることができても油断できない様です。」というコメントをいただきました。なるほどねぇ。こんな写真からいろいろなドラマが分かるのですね。蛹になっても安心できないわけですね



これは昨年も見ましたね。ネットで調べて、ムーアシロホシテントウではないかと思った幼虫です。その後、情報がないので、まだ、分かりません。



テントウの蛹です。以前、ナミテントウ、ナナホシテントウ、ダンダラテントウの3種の蛹を比較したことがありました。それと比べると、どれも似ていないのですが、強いて言えばナナホシテントウかなぁ。



これは帰りに道の脇にある壁についていたものです。色が違うのですが、やはりナミテントウかな。だんだん分からなくなってきた。(追記2017/06/24:通りすがりさんから、「最後のナミテントウの幼虫は、幼虫と言うか前蛹ですね。」というコメントをいただきました





これは去年何度も見たキンオビハナノミかな。



後は苦手なハムシです。これはたぶん、ウスイロサルハムシ。(追記2017/10/06:これはサクラサルハムシかもしれません。詳細はこちらをご覧ください



これはいつもよく分からないのですが、アオバネサルハムシかなと思っている種です。





真上から撮れなかったのでよく分からないのですが、前胸背板の形と、上翅の点刻の配列から、クロルリハムシかなと思ったのですが、違っているかもしれません。これでやっと9日の分が終わりました。次は11日です。

家の近くのむし探検 カメムシ、蛾、ユスリカほか

家の近くのむし探検 第261弾

6月9日に公園で見つけた虫たちです。



まずは公園に行く前にマンションの倉庫の壁で見つけたものです。これについては以前教えていただいたことあります。小盾板の全体が黒いとヒメナガカメムシ、T字型に黒くなっているとセスジヒメナガカメムシでした(こちらに比較した写真が載っています)。これはT字型なので、セスジヒメナガカメムシみたいです。



カメムシでは、いつものシマサシガメが公園にツツジの葉に止まっていました。



ヨコバイの幼虫みたいですが、名前はよく分かりません。



次は蛾です。これはアカマダラメイガ。この5年間に8月と9月に計4匹見ています。



これはキバガ科のフジフサキバガです。こちらは5月と6月に4匹見ていました。



それに、ヒロバキバガ科のツガヒロバキバガです。これは6月と7月にやはり4匹でした。



この間から見ているキオビベニヒメシャクです。これは5-6月と8-9月に計24匹も写真を撮っていました。普通のヒメシャクは写さないこともあるのですが、これはなんか写したくなるみたいです。





この黒っぽいユスリカは「日本のユスリカ」のツヤユスリカの斑紋パターンからヤマツヤユスリカかなと思っていたのですが、この本に載っている検索表には前脚跗節第2、3節が白色なのがヤマツヤユスリカだそうです。これは第1節が白いので、別の種ですね。



これはフタスジツヤユスリカでいいのかな。



この間、冷凍庫に保管中に触角が折れて検索ができなかったミズアブ科のMicrochrysa属の♂です。今回はうまくやろうと吸虫管で吸おうとしたら、今度は逃げられてしまいました。うまくいきませんね。



これはヒメバチでしょうね、たぶん。



この間から、探していたイダテンチャタテの幼虫がやっと見つかりました。冬に見てからですから、半年ぶりの再会です。甲虫は次回に回します。

廊下のむし探検 甲虫、蛾ほか

廊下のむし探検 第913弾

6月8日にマンションの廊下で見た「むし」たちの続きです。写真整理がどんどん遅れてきますね。今日は一週間前に見た「むし」たちです。



まずは壁に止まっていたこの甲虫からです。これまで何度も見たナガフトヒゲナガゾウムシではjないかと思います。これまで6月中旬から8月初めにかけて見ていましたが、6月が一番多かったです。



こちらはキボシツツハムシ。綺麗なので、いたら必ず撮影します。それで、この5年間で10回も写していました。だいたい、5月中旬から7月にかけて見ています。



クシコメツキかなとは思うのですが、今のところ、コメツキはまったく手が出せません。せめて亜科、族くらいまでは写真判定できるようになるとよいのですけど・・・。



キマワリです。「原色日本甲虫図鑑III」には触角の第3節は次節の2倍以上と書かれていますが、測ってみるとちょうど2倍でした。



また、ハムシです。どうも最近、ハムシには苦手意識が出てきました。アオバネサルハムシ、サクラサルハムシ、アオガネヒメサルハムシのあたりが似ていて迷いました。後二者は「中後脛節外側が顕著にえぐられる」とか書かれているので、写真を見ると、後脛節の先端付近がわずかにえぐられているようにも見えます。でも、顕著とはいえないので、とりあえずアオバネサルハムシかなと思っています。ハムシは採集して、じっくり観察しないと駄目ですね。今年は「甲虫の年」にしたのですが、コメツキといい、ハムシといい、だんだん課題が増えていきます。



これはイタドリハムシですね。



ここからは昨日出した蛾の残りです。これはマエシロモンキノカワガ



ウンモンクチバか、ニセウンモンクチバのどちらか。



たぶん、トビスジアツバ



色が薄くなっていますが、ソトウスグロアツバ



綺麗な蛾です。でも、小さいのでそんなには目立ちません。シマフコヤガです。



蛾以外ではこんな小さなハエもいました。いつものクロバネキノコバエかなと思って撮ったのですが、後で見ると、触角を前にひゅっと伸ばしている姿が違いますし、前縁付近の翅脈も違うみたいです。たぶん、タマバエ科かな。



これは以前にも調べたことがありました。たぶん、ブリッグスウスイロチャタテかなと思われます。



クモはよくは分からないのですが、「日本のクモ」の写真と比べてみると、アサヒエビグモ♂の写真とよく似ています。確かに、触肢の先端が膨らんでいて、♂であることは確かです。クモが怖いと言いながらも近くで写真を撮っていたら、だんだん慣れてきたことは確かです。そのうち、今年は「クモの年」なんて言い始めるかもしれません。でも、アルコール入りの瓶にクモがびっしり入っている姿を想像するとぞっとしてしまいますが・・・。





実はこの日は外にも撮影に行ったのです。でも、出てすぐのところでお札を拾ってしまいました。少額だったのですが、とりあえず、交番に渡してこようと思い、歩いて15分ほどのところにある交番に「お札を拾いました」と言って渡そうとしたら、まぁ、座ってくださいと言われて、調書を取られました。その長かったこと。財布と違ってお札だけなので、特徴が書けないらしくて、いろいろ苦労されていました。結局、この日の撮影はこのゲンジボタルだけ。マンションの管理人さんに渡せばよかったかも。でも、マンションからは少し離れていたからなぁ。

雑談)目が悪くなったり、写真展を開いたりしていたので、手作り図鑑づくりがすっかり滞っていました。また、再開しようと思って、まず、これまで出したブログの整理を始めました。見るとこの1年ほど滞っています。この間に見た虫は大変な数になるでしょうね。とりあえず、虫を顕微鏡で調べたり、虫について勉強したことなどをまとめておこうと思って、「虫を調べる」記事一覧というページを更新しました。この一つ上の階層にはこのブログの付録をまとめています。ご興味のある方はご覧ください。

廊下のむし探検 迷宮入りの蛾2種ほか

廊下のむし探検 第912弾

「廊下のむし探検」と銘打っていながら、最近はマンションの廊下を歩いていなかったですね。そう思って、6月8日に歩いてみました。とにかく蛾が多かったですね。蛾も久しぶりだったせいか名前調べについぶん手こずりました。結局、2種はどうしても名前が分からなかったので、皆さんに教えていただこうと思って出します。





この2種です。上はヒメハマキだと思うのですが、翅が全部見えていないところがつらいです。下は全部見えているのですが、分かりませんでした。もしお分かりでしたら、お教えください。ともに、小さな蛾です。



これもだいぶ迷いました。コヨツメノメイガというのとヨツメノメイガという似た蛾があるからです。「日本産蛾類標準図鑑」のヨツメノメイガの説明には、「大型で、翅の色彩が黒っぽいこと、前翅横脈の外側にある勾玉状白斑の外側が前種ほど強く内方にへこまないことが多いこと」で区別されるとのことです。前種というのはコヨツメのことです。白斑ですぐに分かりそうなのですが、図版にある標本写真を見ても、ヨツメもコヨツメもそれほど差がありません。色についても同じです。まぁ、ヨツメは少ないということなので、とりあえずコヨツメノメイガにしておこうと思います。



模様がはっきりしませんが、たぶん、ホシオビホソノメイガ



これは天井に止まっていてはっきりしませんが、ダイズサヤムシガあたりの蛾。



これはウスキクロテンヒメシャク





上は外横線が非常にはっきりしているので、ウスキヒメシャク。下の方は外横線がやや点々になっていて、後縁付近で濃色になっているのでオイワケヒメシャクかなと思いました。



こちらはギンバネヒメシャク



これは綺麗な蛾ですが、ツマキシロナミシャク



ハグルマエダシャク



キシタエダシャク



たぶん、オオバナミガタエダシャク。まだまだいるのですが、一応、シャクガ科で打ち切って、次回に回します。

家の近くのむし探検 アブラムシほか

家の近くのむし探検 第260弾

6月6日に家の近くを歩いて虫探しをしたときの続きです。もう1週間も前のことになってしまいました。この時の主要な目的は林の入り口に生えていたササにアブラムシがついていて、その中に兵隊アブラムシがいるかもという期待からです。



こんなアブラムシです。私は最初、カイガラムシかと思っていたのですが、通りすがりさんからササコナフキツノアブラムシだと教えてもらい、びっくりしました。「アブラムシ入門図鑑」には白い粉をふいたようなコナカイガラムシと今回のササコフキツノアブラムシの違いが書いてありました。それによると、コナカイガラムシは尾部に2本の尖った突起があり、脚の跗節が1節(アブラムシは2節)であることから見分けられるそうです。確かに尾部の突起はないみたいですが、カイガラムシを見てみないとはっきりとは分かりません。

このアブラムシに関しては次のような論文を見つけました。

M. Hattori and T. Itino, "Soldiers' Armature Changes Seasonally and Locally in an Eusocial Aphid (Homoptera: Aphididae)", Sociobiology 52, 429 (2008). (ここからダウンロードできます)
M. Hattori, O. Kishida, and T. Itino, "Buying time for colony mates: the anti-predatory function of soldiers in the eusocial aphid Ceratovacuna japonica (Homoptera, Hormaphidinae)", Insectes Sociaux 60, 15 (2013). (ここからダウンロードできます)
M. Hattori and T. Itino, "Eggs of a Eusial Aphid's Predator are Protected Against Attacks by Aphid Soldiers", Sociobiology 59, 1316 (2012). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)

1番目の論文によると、アブラムシには産卵能力がなくて、攻撃に特化した兵隊アブラムシがいるそうです。兵隊アブラムシは1齢幼虫なのですが、前脚がカニ脚状に変化し、口の部分hornという1対の突起を持っています(論文の中にプレパラート写真が載っています)。これでアブラムシを食べにくる捕食者を攻撃するというのです。2番目の論文では特に、セグロベニトゲアシガという蛾の幼虫に対する防御について研究しています。この蛾は以前、家の近くの公園で見たことがありました(ここから写真が見られます)。この蛾の幼虫はササコナフキツノアブラムシを専門的に食するようですが、これを防ぐために兵隊アブラムシが前脚で幼虫をつかまえ、hornで突き刺すようです。幼虫は這う這うの体で逃げ出し、時には糸を出し巣を作ってその中に隠れるそうです。ただ、兵隊アブラムシは幼虫を殺すところまではせず、単に時間稼ぎをしているだけですが、この時間こそが生存のためには重要だということみたいです。

こんな話を読んだので、一度、その兵隊アブラムシを見てみようと思って出かけてきました。



前脚がカニ脚状になっているのを探してみると、結構、たくさんいます。







ササを左手に持って、右手一本で接写を撮るのですが、ピントが合わないこと合わないこと・・・。何枚撮ったか分かりません。その中でまぁまぁ見られる写真がこれです。周囲を警戒しているのか、結構、広い範囲で活発に動き回っています。しばらく見ていたのですが、捕食者は現れなかったので、撮影はそこで終わりました。

兵隊アブラムシは卵も攻撃するのですが、このセグロベニトゲアシガの卵はコロニーのすぐそばに産み付けられているにも関わらず、不思議に攻撃されないとのことです。これは3番目の論文に載っています。卵は動けないし、攻撃についてはまったく防御できないのですが、セグロベニトゲアシガの方が何らかの方法で兵隊アブラムシの攻撃を避けるような仕組みを作っているのだろうという話でした。(追記2017/06/24:通りすがりさんから、「兵隊アブラムシ、結構な数が居るんですね。このアブラムシはゴイシシジミを見てみたいので知ってはいたのですが、実物は見たことがありません。」というコメントをいただきました。兵隊アブラムシ、面白いですね。こんなのが見られるとは思いもよりませんでした。捕食者を攻撃している姿が見られるとよかったのですが、そうそう捕食者もいないですし・・・。時々、様子を見てみます



アブラムシついでに。これはセイタカアワダチソウについているセイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシです。やけに長い名前ですが、植物の名前が先につき、その後に虫の名前がつくので、2倍近い長さの名前になっています。



これが無翅の成虫と思われる個体です。



そして、これは有翅型。(追記2017/06/24:通りすがりさんから、「3日ほど前に畑でセイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシの有翅虫を見付けたんで、近くにコロニーがあると思って草地のセイタカアワダチソウを見てみると、居ましたよ。まだ小さな幼虫には、結構な割合でオレンジ色のダニが2~3匹付いてましたが、成虫にダニは見られず。成虫の長い脚は、ダニに対する防御でもあるのかも?」というコメントをいただきました。こちらでは若いセイタカアワダチソウのほとんどにアブラムシがくっついています。ダニには気が付かなったのですが、今度見てみます。先日読んだ本に寄生バチに対しては毒素を出す共生細菌を持って防いでいるということが書かれていました。寄生に対して防御する仕組みというのも面白いですね



近くにはこんな黒いアブラムシもいたのですが、なんだか分かりません。





葉裏にはその黒いアブラムシとアワダチソウグンバイがいました。



後は残りの虫たちです。このカメムシにも似た種がいます。「原色日本カメムシ図鑑」には腹部末端を見ると違いが分かるというので写真が載っていました。



拡大してみると、ツマキヘリカメムシ♀に似ている感じですが、よくは分かりません。



いつも見るシマサシガメ



これはヨツボシオオアリかな。



これはタイリクアリグモ?(追記2017/12/11:これはたぶん、アリグモ



それにキシタグモの仲間です。いろいろと迷ったのですが、「クモ画像集」の写真を見ていると、いつものイオウイロハシリグモの幼体に似たような写真が載っていました。クモはよく分かりません。

家の近くのむし探検 甲虫

家の近くのむし探検 第259弾

6月6日に林の入り口の道端で見た虫の続きで、今日は甲虫です。





まず初めはジョウカイボン科です。ムネアカクロジョウカイかなと思ったのですが、ジョウカイボンはややこしいから・・・。



これはいつもヒメジンガサハムシだと思っている種です。でも、「大図鑑」にはこの名前では載っていません。ヒメカメノコハムシというのは別の種で、同じ学名の種はヨモギカメノコハムシになっていました。






これは普通のコガネムシかな。



そして、公園でよく見たヒメクロオトシブミ





顔面が深くえぐられています。たぶん、以前も見たキンイロエグリタマムシかな。



これはクワハムシ





ちょっと迷ったのですが、触角が太く感じるのと、口上板が三角形に見えるので、たぶん、カシワクチブトゾウムシ



これは何だろうと思ったら、



ツマキアオジョウカイモドキでした。



林を離れて川の土手に行きました。いつもの倉庫の壁を探していたら、前々日に見つけたこの虫がいました。前に撮ったのでもういいかと思ったのですが、もう一度撮ったらちょっとピンボケ。通りすがりさんから、ハムシ上科ではないかもというコメントをいただいたので、「原色昆虫大図鑑II」の図版をざっと見ていきました。こういう科の予想がつかないときは、写真がまとまっておいてある「大図鑑」の方が、ページをめくっていく「原色日本甲虫図鑑」より便利です。それで候補になったのは、チビヒゲナガハナノミというヒラタドロムシ科です。ネットで調べると、前胸背板の後縁近くにある一対の凹みは合っている感じです。一度、捕まえないといけないなと思って、実は、今日見に行きました。でも、探すと必ずいませんね。また、次回に期待しましょう。



最後はマンションの廊下で見たキボシツツハムシでした。

家の近くのむし探検 アブ、蛾ほか

家の近くのむし探検 第258弾

6月6日分です。この日も家の近くにある林に入り口の道に行ってみました。この頃、毎日のように行っているのですが、行くたびに新しい虫に出会えるのでちょっと病みつきになっています。





行く途中、橋を渡った時にその欄干にアブが止まっていました。前からも撮っておこうと思って近づくと、何かちょっと身構えたような気がしたので、早々に写真を撮って引き揚げました。でも、後で見てみると、これはいつものアブではなさそうです。

アブといえば次の論文に絵解きの検索表が載っています。

早川博文、「日本産アブ科雌成虫の分類 I. アブ属ウシアブ群、アカウシアブ群及びその関連種」、東北農試研究資料 10, 35 (1990). (ここからダウンロードできます)

この検索表を使って調べてみました。検索表の最初の方を図示してみると次のようになります。



この経路で検索を進めると、実は、キノシタシロフアブ群に到達しました。それを次の写真で確かめていきます。


最初のシロフアブ群かどうかは、翅脈のR5とM1が翅端で離れているか、くっついているかです。くっついていればシロフアブ群、この写真のように離れているとそのほかの群ということになります。



次は頭部です。この写真のように両方の複眼が離れていると♀です。♀の場合は下額瘤と中額瘤という構造があります。この形が検索で重要になります。まず初めに、中額瘤が紡錘型で下額瘤と離れていると、キスジアブ群になります。この写真では紡錘型ではなくて、また、下額瘤と連結しています。次に、中額瘤がはっきりした構造を持たずに、下額瘤にくっついた線状の構造になっているか、下額瘤とは明瞭に区分できる構造を持っているかです。この写真の個体は明瞭に区分できるので、キノシタシロフアブ群になると考えられます。

この論文にはキノシタシロフアブ群について詳述されていないので、次の論文を見てみました。

H. Hayakawa, "A key to the females of Japanese tabanid flies with a checklist of all species and subspecies (Diptera, Tabanidae)", Jpn. J. Sanit. Zool. 46, 15 (1985). (ここからダウンロードできます)

こちらの論文には日本産アブ全種についての検索表が載っています。そこで、このうち、キノシタシロフアブ群あたりの検索表の項目だけを抜き出してみました。



ただし、最後の④は原文では内容が明確でなかったので、よりはっきり書いてある「大図鑑」の記述を書き写しました。これを順番に見ていきます。まず腹部背面中央の模様は三角状なので①bを選びます。次の②は、写真の個体は中額瘤は下額瘤に比べるとやや小さいので微妙です。一応、T. toshiokaiを可能性に残しておいて、次の③に進むことにします。腹部側面の模様は長楕円的なので③bを選ぶと、最後の④は額三角区についてです。上の写真を見ると、白く粉をふいているような感じなので④bを選んで、T. matsumotoensisになりました。今のところ、この2種が候補なのですが、このうち、matsumotoensisについては次の論文が記載論文になっています。

W. P. Murdoch and H. Takahasi, "Descriptions of a new genus and six new species of Tabanidae from Japan", Med. Entomol. Zool. 12, 111 (1961). (ここからダウンロードできます)

この論文には額瘤の絵が載っていますが、かなり似た感じがします。また、脚の色なども記述とよく合っているようです。したがって、ここではとりあえず、T. matsumotoensis マツモトアブが第1候補になりました。(追記2017/06/24:通りすがりさんから、「マツモトアブ、日本産アブ科雌成虫の分類 Iでは扱われてなくて、苦労した覚えがあります。Holotypeの標本画像もあったんですが、1956年のちょっと古い標本で、腹部の模様も見えなかったなあ。」というコメントをいただきました。私も「日本産アブ科雌成虫の分類 I」に載っていないので、初めは知らなかったのですが、「大図鑑」の説明に書いてあったので、おやっと思って文献を探して見つかりました。マツモトアブで合っているといいのですけど・・・



これはオドリバエ科ですが、前胸背の曲がり方から何となく、先日来見ているHybos属のような感じがしました。ただ、この間の個体のように後脚が捕獲脚にはなっていませんが・・・。





こんな格好でうろうろしているハエがいました。一応、採集して検索してみると、ヤドリバエ科みたいです。残念ながら、ここから先はどうやって調べたらよいのかよく分かりません。



最近、よく見るマガリケムシヒキ♀みたいです。



先日採集したミバエモドキイエバエがまたいました。目立つハエですね。





カザリバガの仲間です。この蛾は模様が綺麗で動作も面白いので、私の好きな蛾の一つです。「標準図鑑」で模様を調べてみると、どうやらカザリバのようです。



後はキオビベニヒメシャク



それにオオウスベニトガリメイガです。いつも真夏に見ている蛾なのですけど・・・。
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廊下のむし

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