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家の近くのむし探検 カメムシ

家の近くのむし探検 第245弾

5月26日に林の入り口の道に行ってみました。林に入るところにあるわずか20mほどの道なのですが、ちょっと日陰になっていて、探すといろいろな虫がいるので、私のお気に入りの場所です。この日も40種ほどの「むし」を見つけました。そのうち、カメムシ目をまず出すことにします。





まずはこのカメムシです。「原色日本カメムシ図鑑」で探してみると、アカマキバサシガメというマキバサシガメ科のカメムシでした。初めて見ました。



次はこのメダカナガカメムシ。いつもはクズの葉裏で群がっているのですが、この日は単独で歩いていました。





次はこのカメムシです。やや暗い日陰では結構目立っていました。「原色日本カメムシ図鑑第1巻」ではオオメカメムシ Piocoris variusになっていたのですが、「第3巻」によると、PiocorisはGeocoris属の亜属に降格し、さらに、この種はPiocorisではなく、Geocoris亜属に属するということです。和名もオオメナガカメムシに変わっていました。近縁にツマジロオオメナガカメムシというのがいるのですが、これは南西諸島に分布し、前胸背板の側方と後縁が淡色になるとのことで、それではなさそうです。



次はこれ。いつもハラビロヘリカメムシとホシハラビロヘリカメムシで迷うのですが、触角第1節が長く、複眼を含む頭部の幅よりも長いこと、第2、3節が円筒形なのはホシの方になります。それで、これはホシハラビロヘリカメムシの方だと思われます。





次はこのセスジナガカメムシです。これは3年前にも6月に見ました。





翅が短いので、まずコバネヒョウタンナガカメムシだろうと思って、一応、検索をしてみました。全部は確かめられなかったのですが、まぁ、大丈夫そうです。





葉上をさっさと歩いていました。これはアワフキの幼虫でしょうね。これもカメムシ目です。





これはハワードワラジカイガラムシかなと思いました。アリは調べなかったのですが、何だろう。去年も同じ場所で見ました。



最後はアキノノゲシについていたアブラムシです。これもカメムシ目です。「日本原色アブラムシ図鑑」で寄生植物和名別アブラムシ和名一覧でアキノノゲシを探してみると、アキノキリンソウクロヒゲナガアブラムシとタイワンヒゲナガアブラムシが載っていました。前者は黒いのですが、後者はよく似ています。たぶん、タイワンヒゲナガアブラムシの方でしょうね。





できるだけ大きそうな個体の写真を撮ったのですが、図鑑と比べると尾片の発達が弱いようです。ともにまだ幼虫かもしれません。有翅型を探したのですが、この時は見つかりませんでした。今までアブラムシは全く分からなかったのですが、図鑑を買うとやはり違いますね。ちょっと面白くなってきました。
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廊下のむし探検 甲虫

廊下のむし探検 第911弾

5月24日分の残りの甲虫ももうついでだから出しておきます。



最初はこの可愛いキイロテントウからです。黒い点が眼のように見えていたのですが、その下にはちゃんと本物の眼がついています。



こちらは別の個体です。横から見ると、なんだかぺしゃんこの感じです。



これもよく見るキイロナガツツハムシです。





次はコメツキ。この感じはアカハラクロコメツキですね。(追記2017/06/03:通りすがりさんから、「アカハラクロコメツキではなさそうですね。何かは分かりませんが…。」というコメントをいただきました。違ってましたか。そういえば、触角や脚の色が違いますね。アカハラクロコメツキは唯一見て分かる種だと思っていたので、ちょっとショックです。やはりじっくり見ないといけないですね。どうも有難うございました



この感じはクシコメツキに似ているのですが、よくは分かりません。



これは地下駐車場の天井にいました。ヒゲコメツキの♀ですね。



マツノシラホシゾウムシあたりのゾウムシのがいたのですが、近似種がいて区別がつきません。





最後は初めて見た甲虫です。初め、カミキリかなと思いました。こんな模様のカミキリがいたと思ったので・・・。写真を見ると触角がずいぶん短いので、今度はハムシかなと思いました。でも、こんなハムシはいません。こうなったら図鑑を最初から見ていくしかないです。結局、アオオビナガクチキというナガクチキムシ科の甲虫に落ち着きました。図鑑には花上に普通というので、花に集まるみたいです。

廊下のむし探検 ハエ目、ハチ目、カメムシ目など

廊下のむし探検 第910弾

先ほどの続きで、甲虫以外の残りのむしです。



ユスリカがいたので、何の気なしに写してしまいました。触角がふさふさなので♂、前脚第1跗節が脛節より長いのでユスリカ亜科、なんてところまでで終わろうと思ったのですが、前脚第1跗節が白いのでひょっとしたら絵合わせでも何とかなるかなと思って、「図説 日本のユスリカ」の図版を見てみました。そうしたら、最初に開いたページにそれらしい種が載っていました。シロアシユスリカ Paratendipes albimanusです。確かにユスリカ亜科に入っていて、カワリユスリカ属 Paratendipesになっていました。交尾器の背面図も載っていたので、上の写真を拡大して比べてみました。



図よりちょっと下底節突起が大きい気もするのですが、全体としてはよく似ています。たぶん、これか、この近傍の種でしょう。ユスリカの名前が分かってちょっと嬉しくなりました。





この間からこんなトゲナシケバエがうろうろしています。上は♀、下は♂だと思います。上の写真で前翅長を測ると4.6mm。かなり小型に感じます。それで、一応、♂と♀を採集してきました。昨日、いつものHardy and Takahashi (1960)に載っている検索表で検索をしてみると、ヒメトゲナシケバエ Plecia membraniferaになりました。





それで、一応、♂交尾器の写真も撮っておきました。上が背側、下が腹側です。この種は全体としてU字型の構造をしているのですが、論文の図を比べるとよく似ています。たぶん、大丈夫でしょう。





この日はなぜかアミメアリを何匹も見ました。野外では見たことがあったのですが、マンションでは初めてかな。



これの触角柄節が長いので、有翅アリかもしれません。かなり小さな個体です。



これは地下駐車場の天井に止まっていました。「学研生物図鑑昆虫III」を見ると、モンオナガバチというヒメバチ科のハチに似ています。一通り虫の写真を撮って、もう一度、詳しく撮り直そうと思って行ってみると、もういなくなっていました。



これはヒシウンカだと思うのですが、今のところ調べる手掛かりがありません。



これは最近よく見ます。たぶん、クリイロチャタテかその周辺の種だと思います。



そして、これはヤニサシガメ



小さいのですが、こんなクモがいました。どうせ名前は分からないだろうと思っていたのですが、眼が可愛いので拡大してみると、



眼と思って黒い模様の上にこんな風に単眼が3つずつ固まってついていました。普通クモは8眼なので、これは珍しいなと思って、"Spider Eye Arrangements"という外国のサイトで眼の配置を調べてみました。確かに6眼は少なく、よく似た眼の配置をしたクモがすぐに見つかりました。PholcidaeのSpermophora属です。「日本のクモ」を見てみると、Pholcidaeはユウレイグモ科でその中でSpermophora属のクモも見つかりました。シモングモという屋内性のクモがよく似ています。これか、この近傍のクモでしょう。眼の配置から種に近づけたので、ちょっと嬉しくなりました。



最後は気持ち悪いむしです。ダニでしょうね。どうやって調べたらよいのかなぁ。

廊下のむし探検 蛾

廊下のむし探検 第909弾

昨日の続きで5月24日にマンションの廊下を歩いて見つけたむしたちです。6月が近づくと虫が途端に多くなるのですが、この日も40種近くいました。今回は蛾をまとめてみました。



あまりぱっとした蛾はいなかったので、見た順に出していきます。これはハグルマエダシャクの仲間ですが、この仲間はSynegia属でこの中にはハルグマエダシャクのほか、アベリア、マル、スジ、ミナミ、クロ、オオツカの7種がいます。変異が多くて、よほど特徴のある模様が出ない限りは図鑑を見ただけでは区別がつきません。これはとりあえず、ハグルマエダシャクということにしておきます。





これはゴマフリドクガです。この日は2匹いました。いつ見ても嫌ですね。



特徴のないハマキガです。こういう特徴のないのはシリグロハマキ♀にしているのですが、合っているかなぁ。



この独特の止まり方と翅の色からカバイロトガリメイガにしたのですが、この蛾、だいたいは7月終わりから9月中旬に見ています。中にときどき6月に見る個体もありますが、5月は初めてです。



これもウンモンクチバとニセウンモンクチバという似た種がいて、私には区別がつけられません。蛾も交尾器を見ないと分からないという種が多くて困ってしまいます。そのうち、DNAを調べないと分からないとなったら、どうなるのでしょうね。どれも名前で呼べなくなります。



これはウスイロギンモンシャチホコです。翅にある銀紋は光の当てる方向で銀色に光ったり、光らなかったりします。これについては以前調べたことがあります。これはあまり光らない方向で撮ったみたいですね。



これは小さな蛾です。チビツトガとモンチビツトガという似た種があるのですが、「標準図鑑」によると、モンの方は亜外縁線はより強く湾曲し、内横線は中央付近で屈曲するとのことです。これを見る限り、これはモンチビツトガではないかと思うのですが・・・。



また、ハマキガです。ハマキガも斑紋に変化が多くて、よく分かりません。これはチャノコカクモンハマキかなと思ったのですが、よくは分かりません。



これは後翅に黒い点があるので、アトテンクルマコヤガ



ナミガタエダシャク



それにミスジアツバでした。調べてみたら、この蛾はブログを始めてから、今回が初見ですね。

廊下のむし探検 カゲロウ類

廊下のむし探検 第908弾

5月24日はマンションの廊下を歩いてみました。この日はカゲロウがたくさんいました。





これはアカマダラカゲロウで、上は成虫、下が亜成虫です。



この日は脱皮途中の個体もいました。見つけたときはこんな感じで、ぶら下がっていました。





そのうち、体をぐっとそり返しました。





今度は前に伸びて、少しずつ前進しているようです。



無事に抜け出すことができました。この間、1分8秒の出来事でした。



このカゲロウには後翅がありません。後翅のないのは、ヒメシロカゲロウ科、コカゲロウ科フタバカゲロウ属、フタバコカゲロウ属などですが、間脈という翅脈と翅脈の間にある短い脈の数が違います。ヒメシロカゲロウ科は間脈はなく、フタバカゲロウ属は1本ずつ、フタバコカゲロウ属は2本ずつあります。この個体は2本ずつあるので、たぶん、コカゲロウ科フタバコカゲロウ属だと思われます。種までは分かりません。



これには後翅があります。尾が3本です。3本もつカゲロウにはトビイロカゲロウ、マダラカゲロウ、モンカゲロウなどたくさんの科があります。従って、それからは分かりません。また、眼が小さいので♀、翅が半透明なので亜成虫です。検索をするためには翅脈に名前を付けないといけないので、「日本産水生昆虫」と御勢久右衛門、「日本産カゲロウ類①から⑪」、海洋と生物 (1979~1981)を参考にしてつけてみました。



これが分かると、「日本産カゲロウ類②」に載っている検索表で調べることができます。①前翅のM脈が基部でCuAと平行、②後肢の跗節は4節、③前翅のScはよく発達、④前翅のM脈は分岐、⑤前翅に間脈や横脈は発達、⑥後翅のR4とR5は融合、⑦CuPは基部でCuAに近い、という条件でマダラカゲロウ科になります(②は分からなかったのですが・・・)。種についてはよく分かりません。



これもマダラカゲロウ科だと思われますが、やはり名前は分かりません。

家の近くのむし探検 カメムシ、ハチ、ハエ

家の近くのむし探検 第244弾

やっと5月22日の写真整理が終わりました。最後はだいぶいい加減になってしまいましたが・・・。林の入り口の日陰道での虫探しです。ここは私のお気に入りの場所で、わずか20mほどの間なのですが、いったり来たりと2時間くらい頑張っていると、その間にいろいろな虫が顔を出します。それを片端から写真に撮っています。今回は昨日出した残りのカメムシとハチ、ハエを出すことにします。



カスミカメです。以前に撮った写真と見比べながら探してみると、たぶん、ズアカシダカスミカメだと思われます。昨年は7月14日に見ていました。「原色日本カメムシ図鑑第2巻」によると、最も普通に見られるシダ植物依存種だそうです。



後はいつも見るケブカヒメヘリカメムシ



それにハハコグサの花にいたヒメナガカメムシでした。



ハチはこのハバチで悩みに悩んでいます。いつもの通り、セグロカブラハバチかなと思って写したのですが、脚の色がちょっと違います。「大阪府のハバチ・キバチ類」によると、セグロカブラハバチは基節~腿節は橙黄色、脛節は外縁と末端が黒色、跗節は黒色で各基部は橙黄色ということです。このハチはすべて黄色になっています。それで、もう一度、検索をしてみました。



ともかく写真が不鮮明でどうしようもないのですが、一応、翅脈に名前を入れてみました。ハバチについては以前、標本を使って検索をしたことがありました。翅脈はその時の名前のつけ方を参考にしました。検索のポイントは翅脈の下の写真に書いてある肛室というところです。ここが白矢印の部分だけが閉じていると不完全な肛室と呼び、破線で書かれた部分も閉じていると完全な肛室といいます。検索の最後の項目はマルハバチ亜科とハバチ亜科を分ける項目なのですが、不完全だとマルハバチ亜科になり、完全だとハバチ亜科になります。後者だと最終的にはカブラハバチ属に到達します。この写真からは不完全という感じがするのですが、太い白矢印が示したのが翅脈だとすると閉じているような気もします。ここが分からなくてその時に撮ったいろいろな写真を見たのですが、結局、よく分かりませんでした。もし、マルハバチ亜科だとすると、上の本には属の検索表が載っていないので、何とも言えないのですが、たぶん、イハバチ Eutomostethus apicalisになるのではと思っています。昨年も同時期に同じ種を見ているので、今度、是非とも採集したいと思っています。



アリですが、名前は分かりません。どうも昨年の写真と比べると、鮮明さが落ちている気がして仕方ありません。昨年終わりから片目が見えなくなり、最近は右腕が腱鞘炎であまり使えなくなりと障害続きなのがたたっているのか、それとも、落ち着きをなくしてじっくり撮影できないのか・・・。ともかく、もう一度原点に戻ってしっかり撮影したいと思っています。





ムシヒキをちょくちょく見るのですが、曲がり毛が写っていないし、前脚脛節末端の橙色の帯もないので、何だろうと思っているのですが、交尾器を見る限りはマガリケムシヒキによく似ています。これも採集が必要な感じです。





ハエもいろいろといるのですが、採集しないと何科なのかもよく分かりません。そう思って、どちらか一匹を捕まえたのですが、またしても吸虫管の吸入口が開いていて、逃げられてしまいました。最近はここに脱脂綿を詰めているのですけど・・・。



これは昨年採集して調べました。ネットの画像検索ではヤマギシモリノキモグリバエとなっているのですが、キモグリバエ科の検索表が手に入らず、まだ、確かめるところまでは行っていません。



キンバエです。これも標本についてはだいぶ前に検索をしたことがありました。昔なので怪しいですけど。もう一度見直してみると、ここまで調べようと思ったら、やはり採集しないと無理ですね。このキンバエは♀ですが、♂だったら、第2生殖背板の形を見ると、キンバエかそうでないかは一発で分かるようです。







ヒラタアブは綺麗でいいですね。上から、ホソヒラタアブミナミヒメヒラタアブ、それによく分からない種です。こんなに綺麗で分かりやすそうなのですが、同定は意外に大変な世界です。この間からツヤヒラタアブを採集しているのですが、どうやって調べたらよいのか悩んでいます。

家の近くのむし探検 蛾と甲虫など

家の近くのむし探検 第243弾

例年、6月に近づくと虫がやたら多くなります。今年は虫一匹一匹について調べることが多くて、名前調べにやたら時間がかかっています。5月22日の写真整理がまだできていません。この日はマンションの廊下を歩いて約50種、その後、昨年通った林の入り口の道に行って虫探しをしたので、それが30種ほど。マンションの分がようやく終わって、次は野外の分の整理に移っています。それなりに面白い虫が多いので、私自身は楽しいのですが、写真が溜まってくるちょっととうんざりです。それでも、晴れているとつい出かけたくなって、また、写真が溜まって・・・。



今日の蛾はこれからです。



大変触角が長いので、ヒゲナガガ科でしかも♂ですね。翅に横筋があるのは、ケブカヒゲナガ類やキオビクロヒゲナガとかホソオビヒゲナガ、ミヤマコヒゲナガ・・・など、この仲間にはたくさんいます。模様が筋だけで、近畿地方にいそうなのはケブカ類、キオビクロ、ホソオビくらいなのですが、ホソオビを除いて、♂は頭頂に黒くて長い鱗毛を持っています。これにはないので、たぶん、ホソオビヒゲナガかなと思われます。「標準図鑑」を読むと、頭頂は黄色とのことで、上の写真もよく見ると黄色っぽい感じがします。気になったのは、触角の長さです。下の写真で触角の長さを測ると、前翅長の3.6倍くらい。図鑑には約3倍と書かれています。大丈夫かなと、ちょっと心配です。



次はこの小さな蛾。葉の上に一瞬載って素早く動き回ったと思ったら、すぐにどこかに行ってしまいました。だから写真はこの一枚。でも、翅の特徴はよく見えました。翅の上に白い点が5つ。これを手掛かりに探していきました。翅の中央に2つの点や帯があるのはツヤコガなどほかにもいるのですが、翅の基部にもあるのはクサモグリガ科くらいです。その中で、チヂミザサクサモグリガというのが一番似ている気がしました。「標準図鑑」の説明によると、5個の銀白色の紋を持ち、基部折り目上の紋は前縁にも後縁にも接しない、これが本種最大の特徴。残りの4つの紋はいずれも互いに接しないという説明が載っていました。これらはいずれも合っていて、しかも、日本でもっとも普通のクサモグリガの1種というので、たぶん、そうではないかなと思いました。



これは昨年何度も見たニレコヒメハマキかなと思います。蛾はこれだけ。次は甲虫です。



クズの葉上にこんな食痕を残して、クズノチビタマムシがいました。



拡大するとこんな感じです。ナミガタに比べると、黒っぽい感じですね。クズの葉を見ると、あちこちこんな食痕が見られました。



次はこれ。これはたぶん、クワハムシだと思われます。これもよく見ます。



それにもうお馴染みなったホソクビアリモドキ。このくらい拡大すると、アリには似ていませんが、遠くから見ると本当にアリに間違えます。



セスジジョウカイか、その仲間だと思いますが、図鑑と比べると、翅の会合部が黒くないのがちょっと気になります。でも、ジョウカイボンの仲間は種類が多すぎるので、ちょっと調べる気力もその方法もありません。





これはたぶん、ドウガネサルハムシ





これも似た種がいるので、本当のところよく分かりませんが、アトボシアオゴミムシかなと思っています。



それから川の土手にいたウリハムシ。甲虫はこんなところでした。



それからバッタの幼虫。これは昨年も見ましたね。フキかヒナだろうというコメントをいただいたのですが、確かめられずにそのままになっています。少しずつ変わっていくので、果たしてそれがあの幼虫だったか分からなくなります。でも、この辺ではヒナバッタは見たことがないので、フキバッタだとすると、以前、成虫の名前を調べたオマガリフキバッタというのが候補になるかなと思っています(こちらが♂、そしてこっちがたぶんその♀)。



最後はザトウムシの仲間。今回の犠牲者はカタツムリみたいです。この林の入り口の道は日陰になっていてザトウムシがたくさんいます。でも、どうも脚の数が多いのは苦手です。

廊下のむし探検 天井にいた蛾など

廊下のむし探検 第907弾

5月22日にデジカメの望遠で撮った写真の整理を忘れていました。主に、壁の高いところや天井に止まっていた蛾です。



まずはサトキマダラヒカゲです。マンションの壁にはときどき蝶もやってきます。



次は蛾です。ナミガタエダシャク



オオエグリシャチホコ



ゴマフリドクガ



それにイナズマコブガ



望遠なので、こういう小さい蛾ははっきりとは写りません。でも、模様が独特なので図鑑を見てみました。それで、「標準図鑑」や「大図鑑」で探したのですが、一向に見つかりません。それで、「南四国の蛾」の四国産蛾類図鑑を見させていただきました。その結果、候補として、ニセマツアカヒメハマキとバラギンオビヒメハマキの2種があがりました。後はもう一度、図鑑を見直して、ニセマツアカヒメハマキではないかと思ったのですが、自信はありません。



見たときに小型だなと思ったので、たぶん、コガタツバメエダシャクだと思うのですが、以前、ツバメエダシャク類については調べたことがあったので復習してみました。「顔面は背縁のみ橙黄色でそれ以外は白い;小型種」がコガタとヒメの特徴なので、顔面を見てみます。天井に止まっているので、ちょっと前の方に行って、斜めの方向から撮りました。



顔面が少しだけ見えました。Aが白い部分、背縁のみ橙黄色というのがBの部分です。後は「後翅の横線が中央付近で大きく曲がることはない」という特徴から、コガタツバメエダシャクになります。



前翅の模様がはっきりしないので迷ったのですが、後翅の模様から、たぶん、ホシオビホソノメイガだと思います。



これはホソバハラアカアオシャクかな。



キマエアオシャク



カシノシマメイガ。蛾もいろいろといました。



最後はこの甲虫です。触角第3節と第4節が同じくらいなので、たぶん、クチキムシではないかと思います。クチキムシについても以前、調べたことがありました。ゴミムシダマシ科とクチキムシ科とは後者が爪に櫛歯があるので区別できますが、写真では見えません。その代り、ゴミムシダマシ科のキマワリの仲間は触角第3節が第4節の2倍くらいの長さがあるので、いつも触角を見ることにしています。

廊下のむし探検 甲虫、ハチ、ハエ

廊下のむし探検 第906弾

5月22日の写真整理がなかなか終わりません。昨日調べたら、デジカメでも撮っていて、廊下だけで全部で50種ほど撮っていました。おまけにこの日は外にも撮りにいき、そちらは30種ほど。24日にも廊下を歩いて、40種ほど。昨日はまた、外に撮りにいって、そちらはまったく整理していません。ちょっと能力の限界を超えてしまったみたいです。でも、ぼちぼち整理するしかないですね。

22日に一眼レフで撮った写真で残っていた甲虫、ハチ、ハエを出します。



今日の最初はこのコメツキから。体長わずか3.3mmしかありません。こんな小さなコメツキは初めて見ました。どうせ名前は分からないだろうなと思ったのですが、何となく形に特徴があるので、「原色日本甲虫図鑑III」を見ていったら、シロオビチビサビキコリに似ている感じです。ネットを見ても似たような画像が見つかりました。へぇ、サビキコリなんだとちょっとびっくり。図鑑によると、体長は3mm内外。だいたい合っています。ただ、近縁にイチハシチビサビキコリというのがいて、近畿地方に分布するとのことです。





コメツキもいろいろといるのですが、パッと見てなんだか分かりません。この2枚、以前撮った写真と比べてみると、クシコメツキとしていた個体と似ているようですが、よくは分かりません。クシコメツキは脚の爪が櫛状になっているのですが、この写真からでは分かりませんね。



最近、キイロテントウをときどき見かけるようになりました。眼の下の眼。可愛いですね。



以前にも書いたのですが、アカハムシダマシとアオハムシダマシは脚の大腿部の色でだいたい分かるとのことでした。この写真のように大腿が全体に黒いとアカハムシダマシ、先端だけが黒いとアオハムシダマシのようです。でも、すぐに忘れてどちらがどちらだか分からなくなります。



これは初めて見ました。床のでっぱりの帯の幅が3mmなので、大きさはそれから見当をつけてください。奇妙な形をした甲虫です。何の仲間かさっぱり分かりませんでした。それで、図鑑を端から見ていき、キムネツツカッコウムシという名前に行き当たりました。カッコウムシの仲間だったのですね。図鑑によると、本州以南に分布し、山地の薪などに多いとのことです。



これはチャイロコガネ。もう少し詳しく調べてみようと思って、「日本産コガネムシ上科標準図鑑」を見てびっくり。チャイロコガネはSericania属なのですが、この仲間だけでも25種2亜種が載っていました。検索表もあったのですが、採集していなくて今回はパスです。



これはいつものアオカミキリモドキではないかと思います。これについては以前♂と♀を調べたことがありました。♂は触角が12節、♀は11節というので早速数えてみました。どうやら11節みたいです。したがって、♀ということかな。



この仲間もさっぱり分かりません。クロハナボタルの仲間かなというところまでです。





このゾウムシも初めてでした。これだけ模様があると絵合わせでも何とかなります。たぶん、オリーブアナアキゾウムシ。図鑑によると、本州以南に分布し、オリーブ、イボタノキ、ネズミモチなどの害虫だそうです。



次はハチです。これは翅脈からヒメバチ科であることだけは分かりますが、それから先は分かりません。ヒメバチ科もアメバチとかトガリヒメバチなどは、以前亜科の検索をしたことがあるのですが、亜科止まりだととどうもやる気が起きません。それに、亜科だけでも大変で・・・。



とてつもなく大きなアリがいました。体長を測ってみると、13.4mm。翅が落ちた跡があるので、将来女王アリになるのですね。脚が褐色なので、たぶん、ミカドオオアリかなと思ったのですが、よくは分かりません。



こちらはもう少し小さなアリで、やはり翅が脱落した跡があります。同じ種かなと思ったのですが、先ほどの個体より腹部の毛が多いようで、よく分かりません。





ハエはいっぱいいるのですが、これだけ虫が多いと写す気がしません。とりあえず、トゲナシケバエだけ写したのですが、いつも見ている個体より小さな感じがします。この日は撮影だけだったのですが、2日後に見たときに♂♀を採集しました。今度、調べてみます。

廊下のむし探検 カメムシとクモ

廊下のむし探検 第905弾

5月22日の「廊下のむし探検」の結果です。先日、蛾とトビケラなどを出した残りです。まだ、甲虫やハエ、ハチがよく分からないので、とりあえず名前調べの終わったカメムシとクモを出します。変な取り合わせになってしまった・・・。



見た順です。これはヒゲナガサシガメです。記録を見てみると、6月から9月中旬にかけて見ていました。



見た順だと次はクモになってしまいます。これはコカニグモ。このクモは分かりやすいので、つい撮ってしまいます。この4年間で30枚も撮っていました。時期は3月~6月、11月~12月でした。



あまりよくは分からないのですが、キハダエビグモかなと思っているクモです。5月~7月、それに12月に見ていました。4年半ほど見ていると、いろいろな虫の発生時期がだんだん分かってきますね。もっとも、あまりによく見る種は写さないので、かなりいい加減ですが・・・。



こちらはアカサシガメです。これは5月と7-8月に見ていました。





次はこのカメムシです。ヒゲナガカメムシとクロスジヒゲナガカメムシという似た種がいて、「日本原色カメムシ図鑑第3巻」の検索表によると、革質部に黒色の縦筋があるかどうかで区別できるようです。これは黒筋があるように見えるので、クロスジヒゲナガカメムシかなと思うのですが、いつも迷ってしまいます。「第1巻」の説明を読むと、革質部の黒条のほかに、第5~7腹節の結合板後縁も黒いので区別はやさしいと書かれていました。腹部の横にある結合板に黒い点が3点見えるのですが、これのことかな。





写真のピントが合っていなくて嫌になってしまうのですが、じっとしてくれないので仕方がないですね。これも以前見たことがあります。ツヤナガカメムシの仲間です。「日本原色カメムシ図鑑第3巻」によると、この仲間にはオオ、クロ、チビという3種がいて、前脚腿節腹面の棘状突起の数で見分けるのでした。実は、撮影するときはそのことを忘れていて、後で写真を見ていつも同じところでひっかかってしまいます。過去には曖昧ながら、クロかもとか、クロかオオかという結論を出していました。この写真の個体はよくは分かりません。







緑色の結構大きなクモがいました。体長を測ってみると8mmくらい。何だろうと思っていたのですが、「日本のクモ」をしげしげ眺めていると、どうやらワカバグモというカニグモ科の♂のようです。この写真のように、頭部前方、前脚基部、腹部が黒っぽくなるのは成体だそうです。





こういうアリグモがたくさんいます。腹部が長いので、ヤサアリグモではないかと思います。



これは似た種がいるので名前が分かりません。ウロコアシナガグモあたりということにします。



初めて見たときは何だろうと思いました。そのうち、ぴょんと跳んだりして・・・。カタビロクサビウンカです。1月に何度か見て、後は、5月と6月に見ています。

廊下のむし探検 バッタ、チャタテ、トビケラ、蛾など

廊下のむし探検 第904弾

最近、家の近くの公園に行くことが多くて、肝心の「廊下のむし探検」が滞っていました。5月22日の午前中に歩いてみると、いるわいるわ虫がいっぱいです。その整理だけでも大変になりました。まずは、甲虫、ハチ、ハエ、カメムシ、クモを除いた残りの虫からです。

見た順に書いていきます。





まずはこのクビキリギスから。クビキリギスには褐色型と緑色型がいて、どうしてなのか以前調べたことがありました。その時は、コラゾニンと幼若ホルモンという二つのホルモンの作用で体色が変化することが分かったのですが、主にバッタが集まった群生相で黒化する理由を調べる研究が主で、単独で生息する孤独相で体色の異なる理由についてははっきり書かれていませんでした。孤独相での体色変化の外的要因としては、温度、湿度、背景色、幼虫の生育密度などがあって、例えば、温度が高いと緑、湿度が高くて緑色の草が青々と茂っていると緑になるというようなことでした。その後、研究が進んだかなと思って少し論文を読んでみたのですが、その点に関しては特に書かれている論文は見つかりませんでした。

私の若干の想像も加えて体色変化の機構を書いてみると、、バッタの基本色はメラニン色素が薄く分布した薄茶色で、これに幼若ホルモンの作用が加わると緑色に変化していきます。一方、コラゾニンの作用が加わると、体色が黒化すると同時に前胸背が突き出すなどの体型的な変化が起き、より群生相でのバッタに近づくということのようです。だとすると、我々が普通に見る体色変化は主に環境による幼若ホルモンの作用かなと思われます。いずれにしても、環境が変わってもすぐに変化が現れるわけではなく、一度脱皮を行ってから変化が現れるとのことです。



こちらはツチイナゴです。



次はこれ。小さなチャタテムシです。体長は1.5mm、前翅長は2.2mm程度です。まず、翅脈を見てみます。



後小室という翅脈に囲まれた室がなくて、四角い縁紋をもっているのはウスイロチャタテ科です。これは以前、クリイロチャタテかもと思って調べた個体に似ている感じです。ただ、気になったのはこの写真の矢印で示した部分です。つまり、RsとM脈が矢印の部分を共有しているところです。以前の個体はこの部分がほぼ一点で交差していました。以前見た個体は眼が大きかったので♂、今回は目立たないので♀かもしれません。それで、この翅脈の違いは♂♀の違いかもしれませんが、よくは分かりません。(追記2017/12/10:マドチャタテ科みたいです







次はこの虫。前翅長は6.7mm、触角が非常に長くて、写真では端が切れてしまっていました。とりあえず測ってみると触角長/前翅長>2.6でした。実は、この虫、2014年の06/26、07/18、10/13に見ていて、たぶん、トビケラかなとは思われたのですが、そのときは得体の知れない虫となっていました。そこで、今回はトビケラをキーワードにしてネットの画像検索をしてみました。すると、「ムシをデザインしたダレ?」というブログでヒゲナガトビケラ科のハモチクサツミトビケラかもという記事を見つけました。このブログはいつも驚くほど美しい拡大写真を出しておられるので、私がブログを始める前からあこがれていたサイトです。「トビケラ専科」の写真館を見てみると、クサツミトビケラ属Oecetisには似たような体型のトビケラが載っていました。たぶん、この属であることは確かそうです。

この属については、「日本産水生昆虫」にやや詳しく載っています。そこで、できる範囲で検索もしてみることにしました。



これは科と属の検索の項目です。この9項目を調べればよいことになります。



まずは翅脈です。もう少しちゃんと写せばよかったのですが、翅端の方がぼやけています。それでも、大体は見ることができます。記号を書き入れたので、だいたい分かるかなと思います。最後に、「M脈の延長した先端が台形状」という項目あります。たぶん、この写真で点線で囲んだ部分を指すのだと思うのですが、どうしてこんな表現にしたのかよく分かりません。

F. Schmid, "les Insectes et Arachnides du Canada partie 7, Genera de Trichopteres du Canada et des Etats adjacents", Agriculture Canada (1980). (ここからダウンロードできます)

たぶん、この本を参考にしたと思うのですが、台形状以外になる種の例を見てみると、M1+2は分岐していました。



次は頭部です。単眼がないことと、小顎肢の先端節とその一つ前の節がほぼ同長であることを見ます。中肢の項目については調べられませんでしたが、それ以外は確認できたので、まず大丈夫でしょう。「トビケラ専科」に載っている「日本産トビケラのリスト」によるとOecetisには13種記録されています。♂交尾器については「日本産水生昆虫」に5種、そのほか次の論文に何種か載っていて、日本産はほぼ網羅されています。

S. J. Lee, J. H. Hwwang, and Y. J. Bae, "The caddisfly genus Oecetis McLachlan (Trichoptera: Leptoceridae) in Korea", Entomol. Res. 42, 271 (2012). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)
L.-F. Yang and J. C. Morse, "Leptoceridae (Trichoptera) of the People's Republic of China", Memoirs of the American Entomological Institue Vol. 64 (2000). (ここからダウンロードできます)
M. Kobayashi, "Descriptions of Several Species of Trichoptera from Central Japan (Insecta)", Bull. Kanagawa Pref. Mus. No. 15, 1 (1984). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)

ただ、採集していないので、何とも仕方がありません。翅脈の載っている文献もあったので比べてみると、翅の斑紋は翅脈の交差点で多少なりとも出ている種が多いようなので、あまりあてにはならないかもしれません。それよりも、Sc脈とR脈の間が横脈で結ばれているもの(sc-r)、結ばれていないもの、Sc脈がR脈に合流するものなどの変化がありました。この辺に注目するともう少し絞れるかもしれません。





壁にこんな変わった蛾が止まっていました。初めは何だろうと思ったのですが、何となくフタオガに似ています。それで図鑑を見ると、マルバネフタオというのが似ています。これは初めて見ました。



この毛虫はたぶん、ヨツボシホソバ



そして、ハサミムシ。以前、エゾハサミムシとした個体と似ています。それかな。



それにこの間もいたアヤホソコヤガ



ナカウスエダシャク



フタマエホシエダシャク



最後のトビケラはよく分かりません。

被写界深度を測る

接写で虫の撮影をしていると、虫の背にピントを合わせると脚がピンボケになるし、脚に合わせると頭や背がぼけてしまって困ることがあります。ピントが合う範囲を表すのに「被写界深度」という量を用います。これまで何度か測定をしたり()、幾何光学を使ってその原理ここからpdfがダウンロードできます)を考えたりしてきました。今更、やり直しをする必要もないのですが、また、やってみたくなったので、今度はカメラを使って実験してみました。



実験はこんな簡単なものです。カメラの前に斜め45度に置いた紙を置いています。これにピントを合わせて、後は絞りを変えて撮影するだけです。カメラはNIKON D7100、レンズはAF-S Micro NIKKOR 85mmを用いました。



紙は写真用光沢紙を用いて、これにPower Pointを用いて縦に細い線を密に書いて印刷するだけです。実際には、線の細さに0.25ptを選び、A4に描かれた図ををL判に縮小印刷しました。



顕微鏡で撮るとこんな感じです。下にはステンレススケールを置いています。測ってみると、線の間隔は0.432mm、線の太さは0.0938mmでした。こんな模様が斜めに置かれているので、ピントの合う場所ははっきり写るのですが、合っていないところはぼけてしまいます。画像上でピントの合っている範囲を測ると、45度に置かれているので、それがそのまま被写界深度になります。



これが実際に絞りを変えて撮影したものです。ただし、撮影倍率は1倍で固定しています。F5.0では中心付近しかピントが合っていませんが、F22にすると全体の半分以上がピントが合っています。このように絞りを絞るとピントが合う範囲が広がるのですが、実際には光量が減ってくるのと、回折広がりが起きてくるためにどこかで妥協をしないといけません。

こんな画像をImageJというフリーソフトで明るさ分布をグラフにしてみたのが次の図です。



F5.0とF22.0の例を載せていますが、黒い線のあるところは明るさでいうと暗くなるので、こんな下向きのグラフになります。凹みがちょうど半分になるところの幅を測って、それを「見かけの被写界深度」としました。「見かけ」と書いた理由は後で説明します。この例だと、F5.0だと408px、F22.0だと1965pxとなっています。pxはピクセルのことで、撮像素子の1素子の大きさを表します。つまり、F5からF22に絞りを絞ると、5倍ほど焦点の合う範囲が広がることを意味します。



いろいろな絞り(Fナンバー)で撮影して、「見かけの被写界深度」を求めたのがこのグラフです。このグラフでは縦軸は1px=0.00392mmの関係を使って長さに直しています(この関係は、カメラの仕様に載っている撮像素子の大きさ23.5mmが6000pxに相当するところから求めました)。さて、このグラフからはF10でも、被写界深度は3mmほどあり、小さな虫を撮影するときには十分な被写界深度を持っている気がしますが、この「見かけの被写界深度」とはいったい何を意味しているのか考えてみました。



以前考察した結果によると、幾何光学では接写の条件で被写界深度は上の式で表されます。倍率やF-numberはカメラ側で合わせればよいのですが、許容錯乱円とは何でしょう。これについても以前書いたのですが、簡単に説明すると、どのくらいまでをぼけていないとするかという限界の大きさを示しています。



許容錯乱円の求め方にはいろいろあるのですが、ここでは、この絵のように、撮像素子の対角距離の1/1500をもって許容錯乱円とするという定義を採用しました。NIKON D7100では撮像素子の大きさは23.5x15.6mm^2なので、対角線の長さは28.2mm。したがって、許容錯乱円の大きさは0.0188mmとなります。これが上の式のcの値になります。



ところで実際に測ったものは何でしょう。写真用紙には0.0938mmの線が引かれています。これが斜め45度に置かれているので、カメラから見ると幅は0.0938/√2=0.0663(mm)ということになります。ピントが合っているときは左の図のようにこの線がそのまま写りますが、ピントが合っていないと線がぼやけてきます。「見かけの被写界深度」を求めたときはちょうど高さが半分になるところを採用したので、右の図のようにぼけて幅が広がって高さが半分になったところを基準にしたことになります。その時の幅はおよそ元の線幅の2倍程度になったときでしょう。つまり、0.0663x2mmくらいということになります。したがって、この実験でぼやけたと判断するのは、大きさが0.0663mm程度になったときということになります。つまり、この方法では線の幅によってぼやけていると判断する値が変わってしまうのです。実際の実験では、実験データに合うように引いた斜めの線の傾きからこのぼやけたと判断する値を求めることができます。この実験の場合は、ぼやけの大きさは0.0807mmということになり、これがcの値になります。予想の0.0663mmという値とは少し違いますが、だいたい一致しています。

ところで、被写界深度はcの値に比例しているので、撮像素子の対角の1/1500で定義される許容錯乱円にするには、0.0807mm→0.0188mmに直すだけで変換できます。つまり、縦軸を0.0807/0.0188=4.29で割ればよいのです。そうして得られた図が次のグラフです。



これが本当の意味での被写界深度になります。このグラフだとF10では被写界深度は0.6mm程度となるので、小さな虫でも結構撮影に苦労するはずです。ただ、この許容錯乱円というのはどこまでのぼやけは我慢できるかという多分に主観的な面があるので、単なる目安と思った方がよいと思います。

今回はかなり幅のある線の列を使って被写界深度を測る方法について考えてみました。結局、線の列間隔は話には登場しなかったので、特に関係ないことになります。ただ、線があまりに疎らだと画像上でピントの合っている範囲を測りにくくなるので、適当な間隔が必要です。この方法を使って、今度は実体顕微鏡や生物顕微鏡の被写界深度も測ってみたいと思います。実は、実体顕微鏡の測定はもう終わっているのですが、今度まとめて出すことにします。

家の近くのむし探検 ハエ、蛾、ヨコバイ幼虫ほか

家の近くのむし探検 第242弾

先週の土曜日(5月20日)にマンションの人たちに公園の植物を紹介しました。人たちといっても、私を入れて全部で6人だったのですが・・・。主だった花を選んでプリントに写真を載せ、公園で探してもらうという趣向にしたのですが、ともかく熱くてみな日陰でうろうろしていました。2,3日前に見つけたセイヨウタンポポの花が種になっていたり、オオイヌノフグリがなくなっていたりとちょっと想定外のこともあったのですが、まぁそんなところかなという感じでした。私といえばその間、花探しの手伝いをしたり、虫の写真を撮ったりしていました。その時に撮った虫の写真です。



まずは出発時にマンションの倉庫の壁にいたハエです。前にも捕まえて調べたことがありました。たぶん、その時と同じヒゲナガヤチバエだと思います。



ツツジの葉の間にいるのはヤマトエダシャクです。



これは〇〇ホソバというヒトリガ科の蛾の仲間ですが、特徴がなくてよく分かりません。



これはウスベニコヤガ。これまで5月下旬から9月の間に何回か見ています。



これはひっくり返して腹の色を見てみました。赤褐色だったので、いつものアカハラクロコメツキみたいです。







オドリバエ科のHybos属の未記載種だと思われる個体です。今頃、たくさん見ます。この間、調べようと思って採集したら、どうやら♀の方でした。♂も♀も合眼的だというのをちっとも知りませんでした。腹部末端の形を見ると、この写真はいずれも♂みたいです。



腹の白いツヤヒラタアブの仲間です。この間から何度も見ています。一匹採集しているのですが、文献が見つからなくて、どうやって調べたらよいのやら・・・。



セスジユスリカの仲間です。♂だったら採集して何とか種類が分かるかもしれません。これは♀なのでどうしようもないです。





このハエは何だろう。何となく中脚だけが捕獲脚みたいに太くなっています。口吻?が前に突き出しています。



これは以前、ブチミャクヨコバイの幼虫だろうと思った種です。似たような格好の幼虫を見たこともありました。幼虫について書かれた図鑑はまったく見つかりません。幸い、ブチミャクヨコバイ亜科については次の論文が見つかりました。

D. A. Dmitriev, "Larvae of the Leafhopper Subfamily Deltocephalinae (Homoptera, Cicadellidae) from European Russia and Adjacent Territories: 1. A Key to the Tribes Drabescini, ,Scaphytopiini, Hecalini, Limotettigini, and Opsiini", Entomol. Rev. 82, 975 (2002). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)

この中で、ブチミャクヨコバイの含まれるDrabescus属の幼虫の絵が描かれているのですが、この写真の個体とよく似ています。試しに、検索表をちょっと辿ってみました。Drabescus属の含まれるDrabecini族は最初に出てきて、

腹部末端節が深く2裂する(全体の2/3以上);頭は前に突き出し・・・

となっていました。まさにその通りです。筆者はこの族に属するものとしてDrabescus属だけを扱っているので、何とも言えないのですが、たぶん、このように腹部末端が大きく二つに分かれているのはブチミャクヨコバイの仲間として見て良さそうです。九大昆虫学データベースによると、Drabescusには6種記録されていて、いずれも本州に分布しています。まだ、種までは到達できません。



これもだいぶ悩んだのですが、斑紋が一致していると思われるのはクリオビキヒメハマキでした。「標準図鑑」によると、本州で6-10月に見られるとのことです。私は初めて見ました。



それからシマサシガメの幼虫。



最後はヤミイロカニグモと思われるクモでした。短い時間だったのですが、結構、見られましたね。


家の近くのむし探検 蛾、ハエなど

家の近くのむし探検 第241弾

土曜日、マンションの人たちに私がいつも行っている公園の植物を案内しなければならないので、5月19日の金曜日にそのための写真撮影に行きました。その時に見つけたむしたちです。



まずは蛾から。これはマンションの廊下にいたものですが、ホシオビホソノメイガ。この間も見ました。



次はこのエダシャク。最初はいつものオレクギかその辺かなと思っていい加減に写したのですが、後で見ると、外横線の中央に暗色斑があるので、オオトビスジあたりかなと思って「日本産蛾類標準図鑑」を見てみました。でも、結構似た種がいます。一度、整理しておこうと思って、オオトビスジが含まれるEctropis属の特徴を図鑑の記述をもとにまとめてみました。



日本産のこの属には全部で8種属しているのですが、見分けのポイントは♂前翅基部の刻孔という孔があるかどうかと、後脚脛節に毛束があるかどうかというところです。ただ、写真にはそれが写っていません。そこで、翅の特徴もまとめてみました。上3種が外横線の中央付近に褐色斑が明瞭、下3種が不明瞭または欠如です。今回の個体は明瞭なので、上3種のどれかになりそうです。そのうち、ウルマトビスジは沖縄なので除外してよさそうです。残り2種は翅の色と中横線に違いがあるようです。ウストビスジの翅は赤みを帯び、中横線はほぼ直線的に走りますが、オオトビスジは赤みを帯びず、中横線は前縁部のみで大きく外方へ湾曲とあります。それで、この写真を見てみると、確かに赤みは帯びず、中横線は前縁部のみに限られているようなので、オオトビスジエダシャクで間違いないのではと思いました。



次からは公園で写したものです。ツヤユスリカはこの間、腹部の模様を整理してみました。それと見比べると、これはナカオビツヤユスリカ♂のようです。



次は問題のヒラタアブです。この間もちょっと書いたのですが、これは顔面が黒いとか腹部の斑紋から、ツヤヒラタアブ(Melanostoma)属に属すると思われます。「日本昆虫目録」(2014)によると、この属には8種が載っていて、いずれも本州には分布してそうです。そのうち、再検討が必要と書いてあるのが3種。結構、大変なグループです。一応、採集したのですが、この8種全部が載っている論文がまだ見つかっていません。どうしようかなぁ。



写真を撮っていたら葉裏に逃げてしまいました。それで、横からも撮りました。腹部が白いのですね。びっくりです。



そのすぐ横にこの綺麗なハエがいました。どちらを採集しようかなと思って、ツヤヒラタアブの方を採集したら、こちらは逃げてしまいました。これは以前にを見たことがあります。今回は左右の複眼の間が離れているので♀の方です。このときはミズアブ科図鑑を見て、CephalochrysaとMicrochrysaの可能性がありそうだという予想を立てたのですが、文献が手に入らずここでストップしてしまいました。その論文が手に入りました。

A. Nagatomi, "The Sarginae and Pachygasterinae of Japan (Diptera: Stratiomyidae)", Transactions of the Royal Entomological Society 126, 305 (1974). (ここからダウンロードできます)

この論文の中に属の検索表と種の検索表が載っていました。



まず、CephalochrysaとMicrochrysaの違いのところだけを抜き出して、翻訳するとこんな感じになります。とりあえず、翅脈で何とか区別できそうです。



それで、上の見にくい写真から何とか読み取ってみました。この写真でcua室(赤字でかいてある)とbr+bm室を比べるとほぼ同じくらいの広さを持っています。さらに、M脈のうちM1脈とM2脈がどうもはっきりしません。このことから、Microchrysa属でよいのではと思いました。この属ではfraviventris(ハラキンミズアブ)とjaponicaの可能性があるのですが、種の検索表では触角鞭節の毛を見ないといけません。この写真ではとても無理です。こちらを採集しておけばよかったと後悔しています。でも、また出会うことがあるでしょう。その機会を待つことにします。ミズアブ君は待ってはいないでしょうが・・・。



次はこのオドリバエ。昨年、5月終わりごろに公園で数多く見られました。今年も見られそうです。その時はHybos属だとしたのですが、復習のためにもう一度この写真で検索をしてみました。オドリバエ科の属への検索は、「双翅目(ハエ目)昆虫の検索システムに関する研究」という三枝豊平氏の科研費の報告書(この題目で検索するとpdfがダウンロードできます)に載っているオドリバエ科の図解検索システムを用いて調べることができます。



それを使うと、この6項目を調べれば、Hybosであることが分かります。それで、上の写真を使って調べてみます。



まずは前脚が捕獲脚になっていないこと、口吻が前に突き出していることを確認します。これで、①と④は確認できました。



次は翅脈で中室があって、そこから2本の脈(M1+2とM3+4)が出ていることを見ます。さらに、cua室が第2基室より長く、M脈の基部(Mと書いてあるところ)があることなどを見ます。

最後に⑤♂の交尾器は左右不相称というところを見ようと思って、あれっと思いました。この個体は採集していたので、顕微鏡で撮ったのですが、腹部末端はこんな感じです。





上が横から、下は後ろ斜め上からです。以前見たような複雑な形がまったく見られません。こんなものなのかと思ったのですが、どうしても左右不相称というところが分かりません。それで、「原色昆虫大図鑑III」のHybos属の説明を読んでみました。なんと、♂♀とも合眼的(左右の複眼が中央で接している)と書いてあるではありませんか。つまり、これは♀の方だったのです。これはびっくりです。もう一度、捕まえに行かないといけません。



この種は後脚が捕獲脚になっていますが、その部分も写しました。なかなかすごい構造をしていますね。

ところで、Hybos属の種への検索表が「大図鑑」には載っています。これを使うと、まず、前脚が黒色という項目からスネアカモモブトセダカバエ japonicusに到達します。ただ、説明を読むと、次のようになっています。

H. japonicus 脚は黒であるが、中脛節と全跗節は特徴的に橙黄色
未記載種(H. tibialis) 脚に白毛を生じる

つまり、japonicusは中脛節と跗節が橙黄色なので、この個体とは異なります。また、以前、tibialisと言われていた種は未記載種でこれは脚に白毛を生じるということです。したがって、これとも異なります。ということで、これもたぶん、未記載種ではないかと思われます。「日本昆虫目録」を見ると、またまたびっくり。これはオドリバエ科からセダカバエ科Hybotidaeに移されていました。この中でHybos属にはspが4種も載っています。この中のどれかかもしれませんが、ここでストップです。



最後はクワキヨコバイの仲間です。この仲間はいいですね。あまりに種類が多すぎて、調べる気にもならないので楽ちんです。

虫を調べる バラルリツツハムシ

4月下旬から5月下旬にかけて、公園に植えてあるツツジの葉上を調べていると瑠璃色の小さな甲虫をときどき見かけます。



この写真は今年の5月17日に撮ったものですが、この写真の個体でいえば、体長は4.4mm。かなり小さい甲虫です。昨年は「原色日本甲虫図鑑IV」で調べ、「これはバラルリツツハムシかなと思うのですが、自信はありません。」とブログに出したら、通りすがりさんから、「バラルリツツハムシには、尾節板の形で区別するルリツツハムシと言うそっくりさんが居ます。バラルリツツハムシの尾節板は台形で、ルリツツハムシの尾節板は丸いと表現されています。」というコメントをいただきました。それから、1年越しになるのですが、先日、やっとその個体を採集することができました。



これは実体顕微鏡で撮影したもので、先ほどと同じ個体なのですが、青から黄緑に綺麗に色づいています。

このバラルリツツハムシとルリツツハムシの違いは、「原色日本甲虫図鑑IV」にも出ていますが、次のルリツツハムシの記載論文により詳しく載っています。

H. Takizawa, "A Review of the approximatus-Group of Cryptocephalus (Coleoptera, Chrysomelidae) in Japan, with Description of a New Species", Kontyu 43, 422 (1975). (ここからダウンロードできます)

この論文ではバラルリツツハムシ、ルリツツハムシのほか、ツヤルリツツハムシとキアシルリツツハムシの4種を扱っていますが、ツヤは北海道にのみ産し、キアシルリは脚が黄色いので除外すると、結局、バラルリとルリの2種の違いが問題になってきます。この論文には検索表も載っているので、その部分を抜き出すと以下のようになります。



挿入器に関する記述を除いています。ポイントは「原色日本甲虫図鑑IV」にも載っている尾節板の形の違いで見分けられそうです。そこで、その部分を見てみました。



これは甲虫を後ろから見たものですが、矢印で示した部分が尾節板です。何となく台形状をしています。雰囲気的にバラルリの方ですね。



これは斜め横から写したものです。尾節板はかなり強く湾曲しています。これもバラルリに書かれている内容と一致しています。この論文には尾節板の絵も描かれているので、その概要を描いてみました。


(H. Takizawa (1975)から改変して転載)

Aがバラルリ♂、Bがルリ♂です。♀も論文に載っていますが、両種とももう少し幅広い形になっています。確かに形がだいぶ違います。バラルリが台形状、ルリが半円という感じも分かります。さらに、検索表には出てこないのですが、Bのルリには縁に沿って深い溝があることになっています。一方、バラルリにはそんな溝はありません。また、横から見た尾節板の形が、バラルリでは先端1/3が湾曲し、ルリではほぼ平坦か弱く湾曲するというところも違います。これらのことを考えると、たぶん、上の写真の個体はバラルリの♂ではないかと推測されます。



試しに先ほどの論文の図でバラルリ♂の方を重ねてみました。かなりよく一致しています。こうやって重ねてみると、中央にある破線の横線と縁に沿って描かれた湾曲した細線は尾節板が湾曲していることを表しているようです。さらに、外縁に沿って書いた灰色の線は周囲が平圧されていることを表していいるのではと思いました。

とりあえず、昨年からの課題が解決されて嬉しく思っています。バラルリツツハムシはよく見かけるのですが、ついつい採集を怠っていました。昨年見つけた時期が4月下旬から5月下旬だったので、今年はもう無理かなと思っていたのですが、一匹採集できてよかったです。ルリツツハムシもいるといいのですけど・・・。

追記2018/01/26:「日本列島の甲虫全種目録 (2017年)」によると、バラルリツツハムシ Cryptocephalus approximatusとキアシルリハムシ Cryptocephalus fortunatusは互いにシノニムで、改めてキアシルリツツハムシ Cryptocephalus (Cryptocephalus) hyacinthinusと呼ばれているようです

家の近くのむし探検 カメムシ、甲虫など

家の近くのむし探検 第240弾

先ほどの続きで、5月17日に家の近くの公園で見たむしたちです。



虫がいないときは、とりあえずたくさんいるイトカメムシを撮ります。





そうこうするうちに虫が見つかります。これはウシカメムシ



それにこれはオオクモヘリカメムシ



小さなカマキリもいました。これがオオカマキリなのか、チョウセンカマキリなのかどこで見分けたらよいのだろう。



甲虫も見つかりました。これはたぶん、マダラアラゲサルハムシ



それにとうとう、バラルリツツハムシらしい個体を見つけました。これにはルリツツハムシという似た種がいます。そこで、今回は採集して、昨日、尾節板を見てみました。詳細は今度載せますが、たぶん、バラルリツツハムシ♂でよいのではと思いました。(追記2018/01/26:「日本列島の甲虫全種目録 (2017年)」によると、バラルリツツハムシ Cryptocephalus approximatusとキアシルリハムシ Cryptocephalus fortunatusは互いにシノニムで、改めてキアシルリツツハムシ Cryptocephalus (Cryptocephalus) hyacinthinusと呼ばれているようです



蛾がやっと見つかりました。アヤホソコヤガでしょうね。



ツツジの葉裏にいたこの小さな虫は何だろう。






公園から帰ってきてマンションに渡る廊下でこんな小さなハエトリを見つけました。測ってみると、体長は4.2mm。「日本のクモ」で探してみると、全体の感じと腹部の4つの点がネオンハエトリに似ています。これが成体ならば♀の方ですね。もしネオンハエトリならば、初めて見たことになります。



最後はこの甲虫。これ1枚撮ったところで、逃げられてしまいました。したがって、後姿しか分かりません。でも、特徴があるので何とかなるかなと思って、頑張って「原色日本甲虫図鑑」を探したのですが、結局、ギブアップ。さて、何でしょう。

家の近くのむし探検 ユスリカ、アリなど

家の近くのむし探検 第239弾

5月17日の公園での虫探しの結果です。今日が21日だから、だいぶ追いついてきました。



今日は腹部にこんな模様のあるユスリカからです。こんな模様があって、艶のあるユスリカはツヤユスリカ属です。数多いユスリカの中でも腹部の模様だけである程度種類が分かる嬉しい仲間です。「図説 日本のユスリカ」にはその模様が図示してあるので、比べてみればよいのですが、いい加減に見るとどれも似ていて、また、実際の斑紋には変化があるので、だんだん分からなくなってしまいます。そこで、今日はこの日撮った写真とこれまでに撮った写真を整理してみました。



これは♂の写真ですが、これまでの写真を調べてみると、どうやらこの4種が見られているようです。斑紋は全体のパターンで見るのではなくて、節を数えていき、どの節が濃色かというのを把握すると多少の斑紋の濃淡はあっても同じ種だということが分かりそうです。それで、上の本を参照して節の番号を付けて、その上で本の図と比べてみました。その結果、ナカオビ、フタスジ、ナカグロの3種は本の図とほぼ一致するので、たぶん、大丈夫だろうということになりました。最後のは真っ黒でよく分かりません。強いていえばヤマツヤユスリカかなというところです。今度採集して交尾器を比較してみたいと思います。



同じことを♀に対してもやってみました。♀はずんぐりしていて、ぱっと見た感じは♂と異なるのですが、やはり節に番号をつけてみると、♂と同じところに濃色の帯があることが分かりました。♀については、節の番号のつけ方(特に腹端の)が分からなかったので、次の本を参考にしました。

O. A. Saether, "Female genitalia in Chironomidae and other Nematocera: morphology, phylogenies, keys", Bull. Fisheries Res. Borad Canada 197 (1977).

この本、どこからかフリーでダウンロードしたのですが、場所が分からなくなってしまいました。

これらを参考にして、今回の写真も見てみました。すると、一番上の写真はナカオビツヤユスリカ♂でよさそうです。





この2枚はともにナカオビツヤユスリカで、上が♂、下は♀となります。



で、これはフタスジツヤユスリカ♂かなと思っています。こうやって図と比べていくと名前調べも簡単そうですが、なんせ素人が作っているので、半信半疑で見ていただければ幸いです。



これは翅の模様に記憶があります。以前調べたヤモンユスリカだと思われます。



今頃はツツジの葉の上に小さなハエがいっぱい止まっています。一つずつ調べていくと面白そうなのですが、採集をしないといけないので、見て見ぬふりをしています。だから、写真は撮らない方針だったのですが、つい撮ってしまいました。これはよく分かりません。



ツツジの葉にかぶりつくようにしているアリがいました。腹柄節が1つで中胸気門が横側についているので、オオアリ属です。よく見ると、腹部に斑紋が見えます。たぶん、ヨツボシオオアリでしょうね。何をしているのでしょう。



こちらも腹部に斑紋があるのですが、これは以前も見たことがあります。たぶん、カタアリ亜科のシベリアカタアリだと思います。シベリアという名前がついていますが、全国に分布しています。



最後はコツチバチかなと思って採集しようとしたのですが、逃げられてしまいました。

家の近くのむし探検 甲虫、アブラムシなど

家の近くのむし探検 第238弾

最近は家の近くの公園によく出かけます。今日土曜日はこの公園で、マンションの人に公園の植物を紹介する会があるので、植物のにわか勉強が主な目的です。ついでに虫も撮っていますが、今年はどうも虫が少なくて、また、昨年見た種が多いので、ちょっと刺激が少ない感じです。5月15日に行ったときの写真整理が残っていたので、先ほどからやっていました。



まずは公園に出かけるときにマンションで見た虫です。ヒラタハナムグリだと思います。過去のデータを調べると、だいたい、4月から5月中旬にかけて見ていました。



羽アリがいました。頭が小さいので♂でしょうか。羽アリは5月下旬から7月くらいと、8月終わりから10月くらいによく見ていました。以前は検索を試みたこともあったのですが、♂アリは属までの検索表しかないので、種まで行こうとするといつも途中で挫折です。今年はちょっと調べる意欲をなくしています。



名前調べに時間がかかったのはこのアリです。出かけるときにいい加減に撮ったので、この1枚しかありません。大きさも分からないし・・・。腹柄節が太くて先端が丸くなっていることが分かります。また、前伸腹節の後ろ側が段?のようになっているところも気になります。こんなところを手掛かりに、「日本産アリ類全種図鑑」をぱらぱらめくっていくと、ウメマツオオアリとイトウオオアリが候補になりました。ウメマツオオアリの方は前伸腹節背面が少し凹んでいる点、それに腹柄節が前後対称で逆U字型をしているところなどです。イトウオオアリかなと思ったのは前伸腹節背縁が角張っていて、後方に急に落ち込んでいる点です。もう少し別の角度からの写真があればよかったのですけど・・・。で、今はウメマツオオアリの方かなと思っていますが、あまり根拠はありません。



この日はピンボケ写真が多くて、本当に嫌になってしまいます。これはカゲロウで、目が小さいので♀です。尾が2本なので、たぶん、ヒラタカゲロウ類かなと思っています。





コメツキは2匹いました。どちらもよく分かりません。



公園ではシバツトガを見つけました。昨年は小さな蛾がいろいろといたのですが、今年は本当にいません。



この写真もピンボケ。嫌になってしまいます。でも、虫がいたことは確かなので出しておきます。小さなハチですが、コマユバチかなぁ。







ツツジの葉上にアブラムシの有翅型がいました。下二つはソラマメヒゲナガアブラムシに似ています。いずれもコロニーがいっぱいになって飛び立ったものの、目的とする植物ではなかったというとこころでしょうか。

この間も書いたのですが、アブラムシの有翅型は全栄養を飛翔筋に回すために胚への栄養が少なくなり、腹部は凹んでいます。有翅型に生まれると2日ほどで飛翔筋が作られ、同時に体重は約半分に減少します。これで飛べるようになるのです。目的とする植物に到着し、そこから栄養を供給できるようになると、それをきっかけに飛翔筋は急激に分解され、胚への栄養に回されます。それにより3-4日で飛翔筋は約半分に、同時に体重は約2倍に増え、子供を産めるようになるのです。もし、目的とする植物ではないときは、飛翔筋は分解されず、体重も少ないままで次の飛翔に備えます。この辺は「昆虫を操るバクテリア」を読んで得た知識です。



これは何だろう。何かの卵かなぁ。



最後はナミガタチビタマムシです。この頃よく見かけます。カメラを持って近づくと、警戒して下にぽたっと落ちてしまいます。小さいので、こちらはあまり気にしていないのですが・・・。

家の近くのむし探検 ハエ目

家の近くのむし探検 第237弾

昨日は目の治療で病院へ。大きな病院というのはどうしてこうも時間がかかるのでしょう。行き帰りの時間を合わせて7時間ほど。検査が終わってから、診察までに実に3時間。それで診察時間は5分ほど。本当に嫌になってしまいます。お陰で、「昆虫を操るバクテリア」のアブラムシに関する部分はほとんど読んでしまいました。

今朝は5月15日に家の近くの公園に行ったときの写真整理をしました。とりあえず、ハエ目から。





まずはこの大きめのユスリカから。ユスリカっていうのはどうして葉先に止まって必ず基部を向いているのでしょうね。別の個体なのですが、どれも同じように撮れてしまいます。こういうユスリカはセスジユスリカだと思っていたのですが、少し前に調べてみたら、ヒシモンユスリカらしい個体も見つかりました。これは♀だし、どちらか分からないので、セスジユスリカ類としておきます。この2種は♂交尾器の上底節突起と横から見た尾針の形状で区別するのですが、慣れてないからか顕微鏡で見ても断言できなくて弱っています。採集して見分け方の練習をしないといけませんね。



ツヤユスリカは腹部の斑紋である程度区別がつくので、小さいけれど好きなユスリカです。この日はどうしたことか写真は失敗ばかり。風があったのかなぁ。でも、腹部の斑紋は分かるので、一応、出しておきます。腹部の斑紋は「図説 日本のユスリカ」に載っているのと比べました。たぶん、ナカオビツヤユスリカだと思います。この間も見ました。





この2枚は同じ個体です。カメラを向けると、ちょこちょこ場所を変えて止まります。腹部の縞が2本と3本。この模様に該当する種が見つかりません。さて、何でしょう。(追記2018/02/15:たぶん、エリユスリカ亜科のツヤユスリカ属は確かだと思って、そのように記録しました



小さなアシナガバエはこの時期たくさん出ています。でも、フラッシュをたくと、本フラッシュの前のプレフラッシュでまず確実にぴょんと飛び跳ねます。それで、何も写っていません。そんなことを数回繰り返すと、だんだん慣れてくるのか、じっとしてくれる時もあります。でも、電池とメモリが無駄になるので、今年はできるだけ撮らないようにしています。これは1発目でもじっとしていました。以前も何度か見かけた種なのですが、属もまだ分かりません。



ハエは採集しないと科も分からないので、撮らないつもりだったのですが、つい撮ってしまいました。M1が曲がっていないし、CuA+CuP融合脈が翅縁にまで達していない?ので、イエバエかなと思ったのですが、何としてもこの日の写真はどれもダメ。



最後はこのヒラタアブ。これもピンボケ気味。でも、腹部の斑紋が変わっています。とりあえず、左右の複眼が離れているので♀は確かです。「ハナアブの世界」の写真集でざっと探してみると、ツヤヒラタアブ属 Melanostomaと斑紋が似ています。

大石久志、「ルーペで調べる身近な縞模様のハナアプの見分け方」、昆虫と自然 31, 42 (1996).

の絵解き検索表を見ると、分からないところもあるのですが、何となくMelanostomaにはなりそうな感じです。





検索表のその部分を抜き出してみました。①はいつもよく分からないので、今は飛ばします。後の②から⑤は何とか大丈夫そうです。ただ、この検索表ではホシツヤヒラタアブだけが出ていて、他に近縁種が多くあるとのことで種の特定にまでは至りません。「ハナアブの世界」の写真でも♀が載っているのは3種。「札幌の昆虫」でも3種。「日本昆虫目録」(2014)によると、Melanostoma属には8種が載っていて、いずれも本州には分布していそうです。そのうち、再検討が必要と書いてあるのが3種。意外に大変な仲間みたいです。

図鑑を見て、この種ではないなと否定はしていけるのですが、この種だと特定ができません。最後に神頼みで「一寸のハエにも・・・」でワード検索をしてみると、オランダの論文が紹介されていました。でも、覗いてみると検索表の最初が触角刺毛に生えている毛についてです。この写真ではとても駄目です。ということで今回は名前調べギブアップです。



最後はササグモに捕まえられたハエでした。

家の近くのむし探検 植物観察会でも虫探し

家の近くのむし探検 第236弾

あまり家の近くとはいえないのですが、5月14日に大阪北部の余野というところで植物の観察会が開かれました。最近は植物も勉強しようと思っているので参加してきました。植物の写真はいっぱい撮ったのですが、虫がいるとついついそちらも撮ってしまいます。そんな写真を集めました。



まずはこのハエトリグモです。「日本のクモ」とか、「韓国のクモ」とかを見たのですが、どうも見つかりません。何でしょう。





次は弁当を食べているときにその横にいたものです。アシブトハナアブかな。



今度は私のカメラバッグに止まったクロヒラタアブ。なんだかハナアブに好かれていますね。



これは何となくハムシの幼虫を思い出させます。これも「日本産幼虫図鑑」やネットで見たのですが、結局、分かりませんでした。



これからは余野から戻ってきて、バスから降りたところで見た虫です。この場所は昨年、林の入り口の道と書いていた場所で虫がたくさんいます。これは例のクワキヨコバイ属です。横に毛虫もいました。写していたときは気が付かなかったのですが・・・。



翅を開いていますが、ツマグロオオヨコバイですね。





これはナガタマムシの仲間ですね。「原色日本甲虫図鑑III」を見ると、前胸背の横隆起や頭部がえぐられているところ、それに体全体の色などから、キンイロエグリナガタマムシかなと思ったのですが、どうでしょう。(追記2017/06/10:キンイロエグリタマムシの間違いでした



そして、これはミナミヒメヒラタアブ



それにナミガタチビタマムシ





アリも撮ったのですが、いつも検索ばかりしていたので、検索をしないと見ただけではなんだかさっぱり分かりません。ルリアリあたりでしょうか。



最後はこの甲虫。これはヒゲブトハムシダマシかな。今頃は甲虫がいろいろいて、なかなか面白いですね。

コブハムシ:糞の殻をかぶった幼虫

先日、公園でこんな得体の知れないものを見つけました。



ツツジの葉についたこの変なものです。これがもそもそ動きます。よく見ると、脚が生えています。こんな記事を出したら、通りすがりさんから、「ツツジの葉上の得体の知れないものは、ツツジコブハムシの幼虫です。葉上どころかツツジから下りていることも多々あり、これが意外と見付からないんですよね。」というコメントをいただきました。





ツツジコブハムシというのはこんな変わった虫です。コブハムシ属にはこんな形の種がいろいろといて、以前、検索を行ったこともありました。



そして、これはカップルです。まさに横と縦ですね。



立てることのできる虫はこれだけだと言われる通り、こんな風に立てることもできました。

このコブハムシの幼虫が先ほどのような殻の中に入っているみたいです。これに関して次のような論文を見つけました。

C. S. Chaboo, C. G. Brown, and D. J. Funk, "Faecal case architecture in the gibbosus species group of Neochlamisus Karren, 1972(Coleoptera: Chrysomelidae: Cryptocephalinae: Chlamisini)", Zool. J. Linn. Soc. 152, 315 (2008). (ここからpdfが直接ダウンロードできます)

この論文自体はコブハムシの仲間の殻をいろいろと調べるという研究だったのですが、この論文の中に殻の作り方などの記述がありました。内容は次のような図でまとめられます。


(C. S. Chaboo, C. G. Brown, and D. J. Funk,(2008)から改変して転載)

まず、雌は自分の糞で一番左のような殻を作ります。この中に卵を一つ産んで、「茎」の部分で葉上に取り付けます。上側は屋根を作って蓋をします。幼虫が孵化すると、この屋根の部分を破り、殻を逆にしてかぶります。この殻をかぶって動き回るのです。殻の中で幼虫は脱皮を繰り返して大きくなりますが、これに応じて殻も大きくしなければなりません。そこで、幼虫は今度は自分の糞で殻の下側と腹側を付加していきます。腹側には予め裂け目があって、それを広げて糞を付加していきます。最後に殻に蓋をして、中で脱皮をして蛹になります。こんな風に糞を利用する虫は稀で、蛾のツツミノガ科などで知られているそうです。



先ほどの写真を見てみると、たぶん、上が背側、下が腹側、それに色が変わっている部分が新たに付加した部分かなと思いました。

この殻の材料は自分の糞と植物の毛状突起で、それに接着剤やワックスとして唾液や排出物からの液を使っているそうです。こんな風に糞を使うメリットは、いつでも得られるし、乾燥すると軽いし、それに捕食者が好まない材料だということみたいです。また、出来上がった殻は非常に丈夫で、羽化して空になった後もアリやクモの棲みかになったりするそうです。

追記2017/06/03:ささきさんから、「ツツジコブハムシというのですか。私が小さい頃、生家の庭のツツジにもたくさんいて、その頃は同定力もないのでムシクソハムシだと思っていました。同属のようですが、ツツジコブハムシとムシクソハムシの違いについて教えていただけると有難いです。」というご質問をいただきました。私も詳しくないのですが、腹面にある腹板突起の形で見分けられるようです。以前、写真を撮ったことがあるので、そちらをご覧ください。今坂氏のページによると、ツツジコブハムシの食草はツツジで、野外では少ないが、民家の庭、ツツジ園で多いとのことです。一方、ムシクソハムシはクリ、コナラ、クヌギ、アラカシの葉上で見つかるとのことです。もっとも、ムシクソの方はもっぱらマンションの廊下で見ていますが・・・

家の近くのむし探検 カメムシ目

家の近くのむし探検 第235弾

昨日の続きで5月11日の公園での虫探しの結果です。今日は残りのカメムシ目をまとめてみました。





この手のヨコバイがこの日はいっぱいいました。特にレンギョウの葉にはパッと見ただけでも数匹は見られました。これについては以前にも書いたことがあったのですが、ヨコバイ科のカンムリヨコバイ亜科クワキヨコバイ属の仲間です。埼玉大の林氏は東アジアのこの属について網羅的に調べています。

林正美、"日本列島における頸吻亜目昆虫(カメムシ目)の種多様性及び生物地理に関する研究"、(ここからpdfが直接ダウンロードできます)

何かの報告書だと思うのですが、同じタイトルや似たようなタイトルがたくさんあり、いったいいつ出されたものか分かりません。でも、内容が少しずつ違っているので、年度報告みたいなものかもしれません。いずれにしても、日本産のこの属は未記載種を含めて240種以上がいるそうで、これらを22の種群に分けているようです。

林 正美、「日本列島におけるヨコバイ科昆虫の多様化および生物地理」、埼玉大学総合研究機構,総合研究機構研究プロジェクト研究成果報告書(5(18年度)), 398 (2007). (ここからダウンロードできます)

この報告書には種群に分けるときのポイントが書かれていたので、写真を見るときに参考になるかもと思い、転載させていただきます。

①頭部の形状(三角形状に前方に突出 / 円く前方に突出)
②頭部の黒色斑紋(頭頂に3個 / 頭頂に3個と頭楯先端に1個 / 左右の2個のみ / 欠如)
③♀の腹部第7腹板の形状(長方形で後縁中央が凹む / 台形で後縁中央が浅く切れ込む /長く楕円形で後縁は大きく膨らむ)
④♂外部生殖器の形状(生殖節の形状,生殖板の相対長,挿入器の形状など)

また、この報告書には16種群に分けていて、主な種群の地理的分布が出ていました。これによると、近畿地方には、クワキヨコバイ Pagaronia guttigeraグループ55種とオカダクワキヨコバイ P. okadaiグループ 9種が分布しているとのことです。



そういう目で見ると、これは上の種とは明らかに違うみたいです。頭頂がかなり尖って前方に出ているし、翅の会合部の暗色がはっきりしています。種群くらいは分かるといいけど、240種も似たようなのがいるのなら、種まで調べようという気力がおきませんね。(追記2017/06/03:通りすがりさんから、「Pagaroniaは分からんですね。種群毎の分布図とは言っても、異常にレベルの高いそっくりさん大会地区予選みたいで(笑)実際、この仲間の集団を見付けても、見た目に差があるものが必ず混じってるんで、単一と思える集団を見付けても単一の種の集団かどうかすら怪しいですし。」というコメントをいただきました





そのほか、シマサシガメの幼虫と思われる2個体がいました。



それにヒゲナガカメムシ



ツヤアオカメムシ



このグンバイムシは変わっていると思って何枚も写したのですが、後で見てみると、ひっくり返っていたのですね。がっかり。でも、腹側が撮れたからいいか。たぶん、ナシグンバイかな。





最近、「日本原色アブラムシ図鑑」と「アブラムシ入門図鑑」を買ったので、アブラムシも積極的に写すことにしました。ただ、アブラムシは幼虫と無翅型雌成虫、有翅型雌成虫、有翅型雄成虫などが混じっているので、いろいろ写しておこうと思って撮っています。これはコデマリについていたユキヤナギアブラムシです。上は有翅型雌成虫、下は無翅型雌成虫かなと思うのですが、幼虫と成虫の差がよく分かりません。





ツツジアブラムシも写そうと思って、ツツジの葉をめくって探してみたのですが、なんだか分からないアブラムシ幼虫と有翅型(ユキヤナギアブラムシかな)がいただけでコロニーが見つかりませんでした。生理的に嫌と思っていたアブラムシですが、こうやって調べていくと何となく愛着さえ湧いてきますね。石川統、「昆虫を操るバクテリア」(平凡社、1994)が届いたので、アブラムシの共生細菌についても勉強してみようかなと思っています。

追記2017/06/03:通りすがりさんから、「アブラムシもよく見ると、個性的なものも多く居るんで、面白いですよ。基本的に同定は難しいですが、ホストに集団で居るものならば、細部を見ればなんとかなるものも多いですし。実は、長野では白樺にカバクダナシケアブラムシと言う非常に個性的なものが居て、毎年春になると見付けて愛でてます。」というコメントをいただきました。最近、アブラムシの面白さがだんだん分かってきました。とりあえず、コロニーを見つけることですね。カバクダナシケアブラムシ、私の持っている図鑑には載っていません。ネットでは1,2のサイトで写真が載っていました。「クダナシ」というので、角状管が退化しているか、極端に短いみたいですね。私は、去年、シラカシで蟻道を見つけたので、今度は蟻道で暮らすアブラムシを見つけてみたいなと思っています

家の近くのむし探検 蛾、ユスリカ、ハチなど

家の近くのむし探検 第234弾

5月11日に近くの公園で虫探しをしてみました。さすがに5月中旬ともなるといろいろと虫が出てきます。今回は蛾、ハエ、ハチなどから。



まずは公園に着く前に見つけたユウゲショウです。道沿いにいっぱい咲いていました。昨年、写真を撮ったのが5月12日だったので、今年もほぼ同じ時期に咲いたようですね。



これも公園に着く前の壁に止まっていたものです。後翅に黒い点があるので、おそらく、アトテンクルマコヤガでしょう。なかなか見事な模様です。



公園に着いてまず見つけたのはこのヤマトカギバでした。そういえば、この公園ではヤマトカギバをよく見ます。幼虫の食草を調べてみると、コナラ、クヌギ、クリだそうです。周りにコナラやクヌギはたくさん生えています。





これはレンギョウの葉に止まっていました。たぶん、トビモンコハマキ。去年は7月に何匹か見ていました。



葉裏止まっていたのを下から写しました。マエアカスカシノメイガかなと思ったのですが、模様をよく見ると、ヒメシロノメイガみたいですね。これまでの記録を見ると、この4年間でこれが4匹目。結構、少なめの蛾です。8-10月に各1匹ずつ見ていました。



後はマンションで見たホシオビホソノメイガ



これも蛾の幼虫だろうと思うのですが、名前は分かりませんでした。



次はハエ目です。腹部の縞模様から、この間も見たナカグロツヤユスリカの♂みたいです。



こちらはセスジユスリカ辺りの♀です。



それにガガンボです。今のところ、ガガンボは手つかずです。



右の得体の知れないものは何でしょう。脚が見えていて、もそもそ動きます。それを左からじっと見ているハチ。(追記2017/06/03:通りすがりさんから、「ツツジの葉上の得体の知れないものは、ツツジコブハムシの幼虫です。葉上どころかツツジから下りていることも多々あり、これが意外と見付からないんですよね。」というコメントをいただきました。これは意外や意外。こんな殻をかぶった幼虫がいるのですね。ネットで探すと皆さん結構写されていますね。ついでに最近の論文も見つけてしまいました。なかなか面白い勉強テーマになりそうです。どうも有難うございました



この腹の白いハチは昨年も見ました。昨年は一応、採集して検索した結果、コマユバチ科にはなったのですが、本当かな。産卵管が見えているので♀。何か狙っているのかな。



先ほどのハチと同じ種だと思われるハチがほかのところにもいました。





たぶん、ナミガタチビタマムシだと思うのですが、最近、よく見るようになりました。昨年も5月中旬ごろの写真が何枚かありました。





最後はネコハエトリです。これも最近、あちこちで見かけます。下の写真のクモはちょっと目を離した隙に獲物にありつきました。



最近、急に増えたヨコバイの仲間を捕まえたみたいですね。



眼の赤い変わった虫がいるなと思って撮ったら、ダニが2匹くっついていました。鬱陶しいでしょうね。

廊下のむし探検 ナガクチキ、クシヒゲガガンボ

廊下のむし探検 第903弾

5月8日にマンションの廊下で写した写真です。この日は本当は公園で知り合いとちょっと話をするつもりで行ったので、虫探しではなかったのですが、行く途中の廊下でこんな虫を見つけました。一応、カメラは持っていたので、写しておきました。





写し方がよくないので、あまり綺麗に見えないのですが、小さいけれど綺麗な甲虫です。一応、サイズを測ってみたのですが、甲虫が斜めを向いてしまい、あまり正確には測れませんでした。でも、測った結果は体長10.2mm。大きさの雰囲気は分かると思います。「原色日本甲虫図鑑III」に載っているかなと思って探してみると、ナガクチキムシ科みたいです。雰囲気的にはアオバナガクチキかなと思ったのですが、一応、ナガバクチキムシ属の検索表が載っていたので試してみました。

①a 上翅は5本の条溝があるが顕著でないことがある;体形は太短い
 ②a 上翅は青緑~金緑の強い金属光沢があり、翅端は橙黄色、上翅の条溝は弱く、その間がやや隆まるが、基部では消失することが多い;前胸背板は黒く、側方が赤褐色で、前後縁も細く赤褐色になることがある;前胸背板の正中線に細い溝がある;基部両側に深い三角形の窪みがあり、側縁は直線化かすかな弧状で強く前方に狭くなる;6-15mm;普通                                アオバ
 ②b 上翅は黒く、虹様の鈍い光沢があり、条項は基部を除きかなり深く、その間は明瞭に隆まる;・・・
                                                 ミゾバネ
①b 上翅は8本以上の条溝がある;ひとつおきの条溝は弱いことがある
                                      ヨツボシ、ヤサガタ、オオ、ルリ、アカアシ

検索表はこんな感じです。まず、①の上翅の条溝について見てみました。



こんな角度から写すと隆まりの部分が光ってよく分かります。数えると5本。だとすると、溝は4本。ちょっと合わないのですが、少なくとも8本以上ということはないので、たぶん、①aを選べばよいのでしょう。②は金属光沢があり、溝は浅そうなので、②aのアオバかなと思うのですが、各部の色に関しては合っているようないないような。でも、たぶん、アオバナガクチキでよいのでしょう。



次はこのガガンボ。腹の先端が鋭く尖っています。たぶん、♀。こんな感じのガガンボはクシヒゲガガンボ亜科になりますが、ベッコウガガンボとも、ホリカワクシヒゲガガンボとも違います。過去の写真を探してみると、2年前の同じ5月8日に♂のネグロクシヒゲガガンボを見ていました。これと似ています。だとすると、Tanyptera属で、ベッコウガガンボのDictenidia属とも、ホリカワクシヒゲガガンボのPselliophora属とも異なります。

「日本産水生昆虫」には属の検索表があるので早速試してみると、特に明記されてはいないのですが、これは♂用みたいです。ここで行き詰りました。「一寸のハエにも五分の大和魂・改」を探してみると、クシヒゲガガンボ亜科に関する論文も紹介されていました。このTakahashi(1960)の論文は昆蟲という雑誌に出ていて、日本昆虫学会では全文公開ということになっているのですが、CiNiiが期限切れになったせいか読むことができません。そこで、「日本昆虫目録第8巻」を見ると、このネグロには2亜種があることになっているので、そのうち、本州以西亜種を記録したAlexanderの論文を探してみました。この論文Ann. Mag. nat. Hist.(9) 15, 392 (1925)は近くの巻までは読めるのですが、肝心の巻が読めません。こんなことで2時間ほど費やしたのですが、結局、挫折です。いらいらが溜まってしまいました。昆虫関係は論文を探すのが一仕事ですね。



最後はナナホシテントウの幼虫でした。

廊下のむし探検 甲虫、ハチ、ハエなど

廊下のむし探検 第902弾

まだ5月7日のマンションの廊下での写真整理をしています。蛾とカメムシは出したので、残りの虫です。





まずは甲虫からです。家の前の階段にいました。たぶん、ムナグロナガハムシではないかと思います。記録を見ると4年前の5月20日に見ていました。



これはいつも悩む種ですね。一応、ニレハムシとしているのですが、近似種が多くてはっきりとは分かりません。後の便宜のために、この写真からポイントなるところを測っておきました。触角第3節長さ/第2節長さ=1.46、第4節長さ/第3節長さ=1.03、触角第9節長さ/幅=2.04。「原色日本甲虫図鑑IV」の説明を読む限り、この値からはニレハムシで矛盾しているところはなさそうです。





初めウリハムシかなと思ったのですが、やけに眼が大きいですね。たぶん、キイロナガツツハムシの方でしょう。



そして、これはモモブトカミキリモドキ



マツノシラホシゾウムシあたりの種です。一度、調べかけたことがあったのですが、ニセとの違いがよく分かりませんでした。今のところ、手つかずです。



シロコブゾウムシ



ヒメマルカツオブシムシ。甲虫も結構いますね。





以前も見たことがあるのですが、この奇妙なハチがまたいました。オニアシブトコバチですね。「原色昆虫大図鑑III」を見ると、ツヤオニアシブトコバチという似た種もあるみたいですが、頭部の突起の先が丸くて、触角が赤褐色ということです。この個体は突起の先が尖っていて、触角は黒なので、たぶん、オニアシブトコバチの方かなと思っています。



これはコツチバチかなと思ったのですが、ちょうど翅を開いてくれたので、ついでに翅脈も見てみました。



コツチバチは亜縁室が2個というのでそれはあっています。また、コツチバチの♀なら縁室が開くのですが、これは閉じているので、もしコツチバチならば♂ということになります。



これは何かなぁ。(追記2017/06/03:そらさんから、「『これは何かな』は、アリガタバチ科ですね。でも、その先は私には見当が付きませんので、あとはよろしくお願いします(^^;。」というコメントをいただきました。小さいので雑に撮ってしまい、この写真から何を調べたらよいのか分からず、そのままになっていました。以前、検索表を使ってムカシアリガタバチに至ったことあったのでその記事を見直してみました。採集しないととてもとても検索は無理ですね。今度見つけたらまた挑戦してみます



この間もいたのですが、これはマガリケムシヒキの♂のようです。



じっとしていたので、腹部末端を拡大しておきました。



そして、これは♀の方です。



これはヤマトアシボソウルワシオドリバエかなと思っているオドリバエの♂です。この日捕まえたもう一匹の個体で詳しく調べたので、詳細はそちらを見て下さい。合っているといいのですけど・・・。



これは検索を始めたころに検索をしてイエバエ科とした種です。でも、今見るとどうも違うような気がします。さて、何でしょうね。



この間からフトトゲナシケバエ♀だとしている種です。本当かどうか分かりません。





変わった形の頭をしていますが、コカゲロウの仲間の♂です。頭の上に突き出しているのはターバン眼です。ターバン眼については以前、ちょっと調べたことがありました。詳細はこちら。で、肝心の種を決めるには後翅を撮らなければいけなかったみたいです。忘れていました。





変わったクモですね。たぶん、ムラクモヒシガタグモだと思います。3年前の8月終わりにも見ていました。

虫を調べる オドリバエ科ホソオドリバエ属

この間から、私のマンションに変わった感じの虫を見かけるようになりました。





こんな虫で、オドリバエの仲間です。♀ばかり見ていたので、何とか♂がいないかなと思って探していたらやっと♂を見つけました。それで、早速、捕まえて検索をしてみることにしました。オドリバエについては、「双翅目(ハエ目)昆虫の検索システムに関する研究」という三枝豊平氏の科研費の報告書(この題目で検索するとpdfがダウンロードできます)を見ると詳しい説明と検索表が載っています。これを使うとホソオドリバエ属 Rhamphomyiaは簡単に到達します。ですが、ここからが問題です。「原色昆虫大図鑑III」には、この属は11の亜属に分けられ、種の検索表まで載っているのですが、肝心の亜属の検索表がありません。その代り、各亜属の特徴が詳しく述べられています。

先日、それぞれの亜属のポイントとなる形質を書いた図を作ってみました。これには新しく定義された亜属も含めた12亜属を入れたのですが、実際に適用しようとすると、特定の亜属の排除はできるものの、亜属の特定には至りませんでした。それで、今回も迷宮入りかなと思ったのですが、一応、交尾器だけは写しておこうと思って顕微鏡で撮ったのが次の写真です。





上が横から、下は後ろから撮ったものです。各部の名称は適当につけているので間違っているかもしれません。で、この写真を「大図鑑」に載っているウルワシオドリバエ亜属 Calorhamphomyiaの交尾器の写真と比べてみると、ヤマトアシボソウルワシオドリバエ R. (C.) nipponensisの交尾器と実によく似ています。残念ながら記載論文が手に入らないので、これだとは断言はできないのですが、とりあえず、これかもしれないと思って、Calorhamphomyia亜属の特徴との比較や種の検索をして確かめてみることにしました。



これは「大図鑑」に載っているCalorhamphomyia亜属の共通特徴です。



そして、これは種の検索表で、ヤマトアシボソあたりを抜き書きしたものです。これらをいつものように調べていくことにしました。



まずは全体像ですが、翅長は7.0mm。これは小型種にあたるようで、㋑はOKです。②の触角は比較の問題なのでよく分かりません。㋐の後腿節の色はほぼ完全に黒なので、これもOKです。



次は中胸背の剛毛に関してですが、ここでちょっと引っかかりました。③の中剛毛ですが、この写真ではほとんど分からないくらいの、ごくごく短い剛毛がまばらに生えています。こんなに小さいと、とても中剛毛は2列だとは言えそうにありません。楽観的に解釈して、「稀に消失」に近いかなと思って進むことにしました。④の背中剛毛はその通りです。



次は翅脈です。上の写真の個体は残念ながら翅の後縁部分が破れていたので、これは同じ日に採集した別の個体のものです。⑤も⑥も書いてある通りです。ただ、ちょっと気になったのは、CuAとCuPの合流部分でした。その部分を拡大してみます。



丸で囲ったあたりです。右上からやってきたCuAは分岐点で大きく曲がります。一方、CuPも右上からやってきて二つは合流しその先は矢印Ⓑに続くはずなのですが、そこで途切れているみたいです。一方、翅縁まで達しているCuA+CuPは矢印Ⓐのところで突然現れているような感じに見えます。よく見ると、右上から来た凹脈から左下へ向かう凸脈に代わっているようにも見えます。ⒶとⒷはつながっていないみたいだし、いったい、どうなっているのかよく分かりませんでした。



次は後腿節に関するものですが、これは脚を腹側から写したものです。⑦には「前腹剛毛列を具え」と書いてあるのですが、見たところ前腹側には末端に近いところに2本か3本くらいしか生えていません。後腹剛毛列は見当たらないのでいいのですけど・・・。



次は後脛節ですが、これは㋒aに書いてある通りです。



最後は交尾器です。これは交尾器を横から見たところですが、ここで分からなかったのは「可動突起」という言葉です。文献を探したのですが、見つからないので、たぶん、これだろうと思って矢印で示してあります。この部分の基部で動きそうな感じがしたからです。各部の名称がこれで合っていると、⑧はOKとなり、⑨と⑩もOKになります。下の方に書いてある㋒aの「翼状突起」は何のことか分かりませんでした。ただ、同じ㋒aの項目にある後脛節についてはOKなので、たぶん、大丈夫かなと思いました。

ということで、かなり怪しいところが多いので、断言はできないのですが、一応、第一候補としてヤマトアシボソウルワシオドリバエが挙げられると思っています。「大図鑑」によると、この種は関西地方に分布するということなので、分布的にはぴったりです。Calorhamphomyia亜属の最大の特徴は可動突起があることなので、上の写真で示した部分が本当に可動かどうかがポイントになります。もう少し、調べてみます。

追記2017/05/13:Rhamphomyia (Calorhamphomyia) nipponensisの記載論文を見つけました。

R. Frey, "Neue pal paläarktische Rhamphomyia-Arten. III", Notulae Entomoloicae 31, 20 (1951). (ここから雑誌がそのままダウンロードできます)

ただ、内容はあっさりしていて、図もなく、しかもドイツ語です。とりあえず、中胸背の中剛毛が短く、1列だということが分かりました

廊下のむし探検 蛾とカメムシ

廊下のむし探検 第901弾

最近は虫が多くなってきて、頑張って名前調べをしているのですが、晴れているとつい虫探しに出てしまうので、ちっとも追いつきません。まだ、連休中の虫の写真整理をしています。これは5月7日分のマンションの廊下での虫探しの結果です。



今日はまずこの虫から。奇妙な恰好なのですが、これでも蛾です。触角が途中まで黒くなっているのはこの部分に鱗粉があるからで、♀の特徴です。口吻を伸ばして盛んに床を探っています。以前、蝶や蛾の口吻でどうやって吸うのかというのを調べたことがありました。口吻はストローみたいなものではなくて、先端がスポンジ状のナノ構造になっていたのでしたね。このナノスポンジに水分が染み込んでいくので、床がちょっと湿っているだけで吸収できるという話でした。写真をよく見ると先端が二つに割れているようにも見えますが・・・。



接近して撮っていたら、いきなり飛び上がって私の手に止まりました。以前の私だったら蛾が怖くて、こんな小さな蛾でも全身の血の気が引いて、思わず叫び声を上げたかもしれませんが、ここ数年の進化でちっとも怖くありませんでした。むしろ可愛い感じさえしました。そういえば、近くで蛾がばたばたしていても最近はちっとも気にならなくなりました。変われば変わるものです。

さて、以前ならこれはたぶん、ケブカヒゲナガの♀でしょうで終わっていたのですが、最近は少しややこしくなっています。というのは、ケブカヒゲナガのほかに、外見上ほとんど差のないアトキケブカヒゲナガ、ムモンケブカヒゲナガが加わったからです。この辺の事情は以前書いたことがあるので、そちらを参照して下さい。

T. Hirowatari, "A taxonomic revision of the genus Adela Latreille (Lepidoptera, Adelidae) from Japan", Trans. lepid. Soc. Japan 48, 271 (1997). (ここからダウンロードできます)

その記載論文がこれです。以前、この論文を見て、♀を外見的に見分ける方法として、前翅長と触角の長さの比などを用いました。今回もそれを使ってみたいと思います。



測るのはこの部分です。つまり、前翅長、触角の黒色鱗粉部、それに触角長です。曲線の部分は折れ線近似を用い、ImageJというフリーソフトを用いて測定しました。触角も蛾本体も少し斜めになっていて、あまり正確ではないのですが、とりあえず、測ってみると次のようになりました。



触角長/前翅長と黒色鱗粉部/触角長はともに論文に載っていた数字を載せました。ただ、生態写真では、触角は立体的に曲がるし、前翅とは同一平面内でないことが多いので、両者を同時撮るのはなかなか難しいです。それで、以前にも使ったのですが、黒色鱗粉部/前翅長という指標を用意しました。これは(触角長/前翅長)×(黒色鱗粉部/触角長)から求めたものです。実際に撮影してみると、黒色鱗粉部と前翅は同一平面になることが多いので、比較的に楽に撮影できます。しかも、この3種で値が少しずつ違っています。とりあえず、上の写真で測った数字を入れてみました。論文に載っている値とは若干ずれていますが、ケブカヒゲナガ praepilosaにほぼ一致しています。この種は私の住む北摂でも採集されているようなので、以前と同様、この種でよいのではないかと思いました。



残りの蛾です。これはヨモギエダシャク



これはオレクギエダシャクか、ニセオレクギエダシャク。



それに、ソトシロオビナミシャク



これは外横線がはっきりしているので、ウスキヒメシャクではないかと思いました。



それにシバツトガ



チャハマキ



ゴマフリドクガ



これはちょっと迷ったのですが、たぶん、シタジロコブガではないかと思います。過去6月と10月に1匹ずつ見ています。蛾はとりあえずこんなものです。少しは出てきたのですが、やはり今年は少ないなという印象です。



これは何の幼虫か分かりませんが、とりあえず記録のために載せておきます。



次はカメムシです。大型のキマダラカメムシがまたやってきました。このマンションでは2014年の9月に初めて見てからはすっかり常連になってきました。



ヨコヅナサシガメもいました。



これはヤニサシガメかなと思ったのですが、一瞬、シマサシガメかも思って図鑑で確かめてみました。触角に白い紋があるのはヤニサシガメの方ですね。



天井にいたこのカメムシ。これもハラビロヘリカメムシとホシハラビロヘリカメムシという似た種がいます。これの見分け方も以前書いたことがあります。「日本原色カメムシ図鑑第3巻」の検索表によると、ハラビロは「触角第1節が短く、複眼を含む頭部の幅より短い」とあります。この写真で実際に測ってみると、触角第1節長さ/頭幅=1.35となりました。体が斜めになっているので正確ではないのですが、やはりホシハラビロヘリカメムシのようです。ハラビロヘリカメムシは触角第2、3節が扁平な三角形状になっているために、写真では太く写ることが多いのですが、これはそうでもないので、たぶん、大丈夫でしょう。





最後はこのアブラムシです。これもカメムシ目なので一緒に載せておきます。色や尾片の形からたぶん、いつも見ているソラマメヒゲナガアブラムシではないかと思いました。植物についているときに比べて腹部がずいぶん小さく見えます。2日ほど前に出先で図書館に入ったら、石川統、「昆虫を操るバクテリア」(平凡社、1994)という本があって、この中にアブラムシのことも書かれていました。なかなか面白い本で、帰ってから注文をしてしまいました。内容は腹の中にいる共生細菌の話ですが、その中にこんなことも書いてありました。うろ覚えで確かでないのですが・・・。有翅型は飛翔筋を発達させるために全エネルギーを費やすので、腹部が小さくなり胸部が大きくなります。目的とするところに着陸すると、もう飛ぶ能力はいらないので、飛翔筋を分解し産卵の準備に使います。さらに、栄養が不足すると、今度は共生細菌を分解して栄養を供給するという話です。つまり、飛翔筋↔産卵器官↔共生細菌の三者の間でエネルギーの融通をしているというのです。面白いなと思いました。また、本が届いたらちゃんと読んでみます。

廊下のむし探検 甲虫、ハエなど

廊下のむし探検 第900弾

記念すべき900回の「廊下のむし探検」なのですが、6日も前に見た虫たちです。5月5日のマンションの廊下での虫探しの結果の続きが残っていました。







こういうハムシダマシが今、マンションの廊下にはいっぱいいます。普通にいる種はアカハムシダマシとアオハムシダマシで、翅の色から何となく一番上と下をアカ、真ん中をアオと呼びたくなるのですが、これらの種については以前調べたことがありました。それによると一時期、これらは一部を除いてアオハムシダマシに名前が統一されたことがあったのですが、その後、今坂氏により、新たに6新種を加え、全部で14種が記録されました。その辺りの詳細はこちらのページに載っています。

これによると、アカハムシダマシやアオハムシダマシはアカガネハムシダマシ種群の中のアオハムシダマシ種亜群に入っています。全体を見たわけではないのですが、この種亜群に限ると、近畿に分布していそうなのは、アカ、アオ、ミヤマの3種です。ミヤマは大型で強壮だというので、とりあえず除いておくと、アカとアオが残ります。これらは脚の腿節の色で見分けることができます。アカの腿節は一様に黒~黒褐色、アオの腿節は黄褐色部と黒褐色部の境界がはっきりしているということです。この見分け方に従うと、上二枚はアカハムシダマシ、下一枚は境界がはっきりしていないのですが、黄褐色部があるので、たぶん、アオハムシダマシかなと思っています。



甲虫続きで次はこの虫です。これはゴモクムシの仲間かなと思うのですが、この手の甲虫は今のところまったくお手上げ状態です。



次はこの間も見たウスチャコガネ



こんな姿になっていますが、後翅が見えていたので、写しました。オジロアシナガゾウムシですね。



かなり大型のシデムシです。たぶん、オオヒラタシデムシ。逃げようとして何度も翅を開くのですが、飛び立つところまでいかずにこんな姿になっています。飛ぶのは苦手なのかな。



後は地下駐車場の天井の蛍光灯の傘に止まっていたジョウカイボンです。







次はハエ目です。小さいのであまり気が付かないのですが、この手のハエは探すといっぱいいます。たぶん、クロバネキノコバエの仲間だと思われます。一番上は把握器が見えているので♂で、下の二枚は腹部が大きいので♀みたいです。これも属くらいが分かるとよいのですが、見たところどうも特徴がないので、採集する気力が湧きません。



この間から気になっているオドリバエがまたいました。これは♀なのですが、5月7日に♂2匹を採集したので、交尾器を調べてみると、「大図鑑」に載っているヤマトアシボソウルワシオドリバエの写真に非常によく似ています。しかし、この種の含まれるRhamphomyia属はいくつかの亜属に分かれるのですが、その亜属の検索表がありません。その先の種の検索表は「大図鑑」に載っているので、何とか、亜属を調べたいなと思って、この種が含まれるCalorhamphomyia亜属の一般的な性質と比較しているのですが、どうもはっきりしなくて弱っています。いずれにしても、今度、まとめて出してみます。



このトゲナシケバエもちょっと困っている種です。これは複眼間が離れているので♀です。検索表はHardy and Takahashi (1960)に載っていて、それに従うとフトトゲナシケバエになってしまいます。ところが、以前に調べたこの種は♀の腹部が大きくて、見るとすぐにそれだと分かってしまう種でした。似て非なる種がいるのか、それとも季節で違うのか、まだ判断できずにいます。



後はカワゲラですね。以前、この時期に出てきたカワゲラを捕まえて検索を試みたことがあります。そのときは、カワゲラ科のカミムラカワゲラ属になったのですが、これもそうかといわれると自信がありません。少なくとも脚の腿節が黄褐色なところは似ているのですが・・・。



前胸背のこの複雑な模様も似ているのような感じなのですけど・・・。



最後はクモです。これはこれまで何度か見ているシノノメトンビグモかな。





それから綺麗なアオオビハエトリでした。

廊下のむし探検 蛾

廊下のむし探検 第899弾

5月5日の午後にマンションの廊下を歩いて見つけた虫です。いろいろといたのですが、まずは蛾から。



分類順ではなくて、見つけた順です。これはリンゴドクガ。これまで5月初めから9月初めの間に見ています。



次はこれ。いつも困ってしまう種です。ツマキリエダシャク、ツツジツマキリエダシャク、モミジツマキリエダシャクという似た種があります。特に、前2者が区別がつきません。以前、標本を使って前翅の裏を調べたことがありました。それを見ると、一応、ツマキリとツツジツマキリは区別がつけられそうですが、生態写真では裏を写すのはなかなか大変です。一応、ツマキリエダシャクの仲間ということにしておきます。



これはクロスジアオナミシャク。高いところに止まっていたので、手を伸ばして撮りました。これまで4月半ばから6月半ばにかけて見ています。



これにもオキナワカギバという似た種がいるのですが、最近はすべてアシベニカギバにしています。これまで5-6月と9-10月に見ています。



後は地下駐車場の天井なので、望遠+フラッシュで撮ったものです。翅に筋が入っていて特徴的です。しかも前翅の縁が丸まっています。触角は後ろを向いています。こんなところを手掛かりに探してみると、どうやらマルバスジマダラメイガというマダラメイガの仲間みたいです。これは初めて見ました。



斑紋がはっきりしているのですが、いつものスカシコケガではないかと思います。これまで5-8月と10月に各一回ずつ見ています。それほどは多くないのでしょう。



最後はアカテンクチバです。翅端にぐにゃっと曲がった黒紋があるので、すぐに分かります。これは4月終わりから8月終わりまでかなりの数を見ています。4年ほど観察していると、発生時期についても書けるので何となくいいですね。

家の近くのむし探検 公園のむし

家の近くのむし探検 第233弾

公園には虫があまりいないのですが、なぜか気になってつい公園に出かけてしまいます。連休中はいい天気が続いたので、5月4日も公園に行ってみました。



公園の入り口で何かにゅるっとしたものが動いた気がしました。慌てて撮ったら、こんなヘビでした。頭も一瞬見えたのですが、写真は間に合いませんでした。その時はシマヘビかなと思ったのですが、筋の色が薄いですね。何でしょう。(追記2017/06/03:立西さんから、「1枚目のヘビはアオダイショウだと思います。まだあんまり大きくない気はしますが、それにしてもヘビがいる公園ってすごいですね。なんだか羨ましいです。」というコメントをいただきました。さらに、星谷 仁さんからも、「最初のヘビはアオダイショウですね。」というコメントをいただきました



公園に着いたら、さっそく、コデマリの花に行ってみました。この日はツマグロキンバエが来ていました。



それから、たぶん、コアオハナムグリ



それからいつものヒメマルカツオブシムシ



モモブトカミキリモドキ





新入りではこんなハチがいました。胸と腹の間が細くなっていないので、ハバチの仲間ですね。「大阪府のハバチ・キバチ類」の図版と調べると、ハバチ科ハバチ亜科のマエグロコシホソハバチに似ています。写真では翅脈が見えるので、この本に載っているハバチ属の図解検索で調べてみると、翅の基部から翅端に達する暗色の模様一発でこの種に到達しました。



後はツツジの葉の上です。アシナガバエの仲間ですね。昨年はいろいろと頑張ったのですが、結局、分からなかった仲間です。今年はどうしようかなぁ。



こちらはヨツボシオオアリ



こういう腹部に模様のあるユスリカは、「図説 日本のユスリカ」に図が載っています。それと比べてみると、エリユスリカ亜科のナカグロツヤユスリカに似ています。



これはナシグンバイだと思うのですが、いつも雰囲気で名前を決めているので、たまには検索をしてみようと思って「日本原色カメムシ図鑑第3巻」の検索表で調べてみました。



まずは各部の名称から。



これはツツジグンバイ属の検索表ですが、この4つを調べればよいようです。調べてみると、ナシグンバイで間違いなさそうです。



後はレンギョウの葉上で見つけた虫です。コメツキ、これはこの間から分からなくて困っている種です。今回は採集したので、今度、頑張って検索してみます。



モンキツノカメムシ。(追記2017/06/03:星谷 仁さんから、「『モンキツノカメムシ』はエサキモンキツノカメムシではないかという気がします。正式に見分ける識別ポイントを僕は知らないので、僕の判断基準が正しいのかどうかは自信がありませんが……以前、ハート紋のモンキツノカメムシとおむすび紋のエサキモンキツノカメムシについて記した記事です。逆三角形の紋だけでパッと判断したのが間違いでしたね。実は、以前にも教えていただいていたのですが、また、紋だけで判断してしまいました。失敗失敗。図鑑を見ても、①紋の形、②前胸背側角の突出、③生殖節の突起などで識別できると書いてあります。でも、前胸背の色は分かりやすいですね。これからもよろしくお願いします



クロボシツツハムシ




それから何か分からない幼虫。





次はブタナ(?)の花に来ていたハナバチです。色的にはいつものアカガネコハナバチみたいな感じですが、こんな写真からでも分かるかなと思って、これも「日本産ハナバチ図鑑」で検索してみました。



まずは翅脈です。その気になって見ると、何とか読み取れます。



これがアカガネコハナバチの含まれるアトジマコハナバチ属への検索です。①と②は写真では分かりませんが、まず大丈夫でしょう。次の③はコハナバチ科の特徴で重要なポイントです。上の写真では黒矢印で示してあります。次の④は翅脈から分かります。⑤は上の写真から判断できます。最後の⑥の前半は翅脈の太さに関する項目でさすがにこの写真では判断は難しいのですが、後半は次の写真でよく分かります。



もし、これが後端ではなくて、前側だとコハナバチ属になります。これは後端なので、アトジマコハナバチ属で大丈夫そうです。それで色から、たぶん、アカガネコハナバチでよいのではと思いました。



後は、帰りに見たトンボです。この手のトンボは以前ニシカワトンボと呼んでいたのですが、遺伝子での分類がされて、ややこしくなっています。「日本のトンボ」によると、この写真のように♀で翅が曇っているのは西日本ではニホンカワトンボということになるのですが、確かめようがないです。今後、こんな風に遺伝子による分類がされるようになると、見ただけだとまったく名前が呼べなくなります。困ったものです。



最後はマンションの廊下で見たシロオビカミキリでした。

雑談:この間からマンションで飛び回っていたオドリバエ。♂を捕まえたのでちょっと調べてみました。まず、交尾器を見てみたら、「新訂 原色昆虫大図鑑III」に載っている写真とよく似ているので、どうやらヤマトアシボソウルワシオドリバエのようだということが分かりました。それで、Calorhamphomyia亜属の一般的性質と比べてみたのですが、中刺毛と後腿節剛毛配列がどうも合いません。本当に難しいですね。
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