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家の近くのむし探検 オオケナガカスミカメほか

家の近くのむし探検 第188弾

一昨日の公園での虫探しの結果です。公園と書きましたが、公園に行く前にマンションの廊下を通っているときに見つけた虫がいます。



こんなカメムシです。一見してカスミカメという感じなのですが、実は相当に大きいのです。1cmはあるだろうと思ったくらいでした。それで、一度、カメラを使って寸法も測ってみようと思いました。NIKON D7100にはAE/AFロックボタンというのがあって、それにAF-ONという機能を登録してみました。このボタンを押したときにだけAFが働き、シャッターボタン半押しだとAFが働かないという機能です。これで適当な距離でボタンを押して、その位置でフォーカスをロックします。次に、カメラを移動させて虫にピントを合わせて撮影し、その次は近くにスケールを置いて同じように撮り、後で画像上で寸法を測ります。この方法で測ると、頭の先から翅の先端までの大きさが11.5mmにもなりました。やはりかなり大きかったですね。そこで、例によって、「原色日本カメムシ図鑑」を見て、最終的にオオケナガカスミカメかなと思いました。図鑑によると体長8mm内外だそうですが、腹部が翅よりは短いので、体長にするともう少し短くなるのでしょう。ともかく、こんな大きなカスミカメは初めて見ました。



これも廊下にいました。ケブカカスミカメです。ついでなので、このカスミカメも大きさを測ってみました。翅の先端までの長さは5.1mmになりました。図鑑によると体長5-6mmで、この場合はほぼ同じでした。



こちらもマンションですが、たぶん、クチキムシかな。



これはマメチャイロキヨトウかなと思いますが、よくは分かりません。



公園に着きました。やはり虫がいませんね。でも、丹念に探してみると、アミガサハゴロモがいました。



やっと蛾が一匹飛び出しました。たぶん、コガタツマキリヨトウでしょうね。



木の幹を探していたら、ハチがいました。たぶん、ヒメバチ科ですね。トガリヒメバチの仲間かな。どうせ捕まえても名前までは分からないからと思って、そのままにしておきました。



カマキリがいました。昨日はカマキリの写し方を書いたのですが、これはそれ以前に撮ったので、相変わらず前脚の間を撮ろうと努力していました。



やはり前脚の間の色は見えませんね。ついでなので、上の写真で胸の長さと腹(翅)の長さの比を測ってみました。~0.52になるのでオオカマキリかもしれませんね。今度は顔を撮ったり、腹部末端を撮ったりしてみます。



小さなハエがいたので、これの寸法も測ってみました。前翅長が2.6mm。フォーカスロックの方法はまぁまぁ使えそうですね。斜めから撮ったりすると誤差が出てきそうですが、まぁオーダーくらいは分かるでしょう。



ついでなので、リバースレンズでも撮ってみました。照明がうまくいかなくて、少し増感したので、ちょっと粒子が粗くなってしまいました。それでも、刺毛の向きくらいは分かりそうです。



桜の幹にいるイダテンチャタテも見てきました。こんな翅の長い成虫がいました。



一方、こちらは翅がほとんど生えていない若齢の幼虫です。いろいろな段階の幼虫と成虫が混じっているみたいです。





ついでにこんな虫を見つけました。写しているときはヤスデの仲間かなと思ったですが、後で見ると、脚が6本みたいです。甲虫か何かの幼虫でしょうか。体長は7.2mmでした。



最後はコツチバチです。コツチバチはたしか検索表があったなと思い出して、採集しようとお散歩ネットを振るったのですが、不思議と逃げられてしまいました。腕が落ちたかな。
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虫を調べる ニンギョウトビケラ

昨年からの宿題だったニンギョウトビケラを調べてみました。



ニンギョウトビケラというのはこんなトビケラです。色が明るい褐色だし、触角を前にすっと伸ばしている姿を見るとすぐにそれと分かり、いつもニンギョウトビケラだと言っていました。でも、「トビケラ専科」というサイトの日本産トビケラの種リストによると、ニンギョウトビケラが含まれるGoera属には15種も記録されています。昨年の11月に一度調べてやろうと思って文献を探していたら、次の論文を見つけました。

T. Nozaki and K. Tanida, "The genus Goera Stephens (Trichoptera: Goeridae) in Japan", Zootaxa 1339, 1 (2006). (ここからダウンロードできました)

この論文には上の15種すべての種について詳しく書かれているので何とかなるかなと思ったのですが、やはりこういう生態写真だけでは分からないことが分かり、宿題として残っていました。今回は上の個体を採集して調べてみました。せっかくだから、科、属の検索からやってみようと思って、「日本産水生昆虫」に載っている検索表で調べてみることにしました。今回は行きつく先がニンギョウトビケラ属Goeraと分かっているので、検索は比較的簡単でした。その道筋を抜き出すと次のようになります。



これをいつもと同じように写真で確認していきます。これもいつものように、検索の順ではなくて、部位別に見ていきます。まず、上の写真では⑥の触角の長さが前翅の長さとほぼ等しいことを見ます。



次は頭部と胸部を背側から撮ったものですが、書き込みがいっぱいでややこしく見えますが、中胸小盾板に関するものが多いので、こんな風になってしまいました。中胸小盾板は写真の中に破線で書いた部分を指しています。その中に前後に長い大きなこぶ状隆起が1つだけあります。このことが上の⑥~⑨までの内容になります。さらに、②は単眼がないこと、⑧は中胸盾板の正中線に縦溝があることを示しています。



これは小顎鬚についてですが、この個体は♂なので、⑧に示すように小顎鬚は3節です。それに対して、③では第5節について書かれているので、これは♀用の検索項目になっています。検索表には♀用と書かれていなくて、さらに、後で♂と♀について書かれた⑧が出てくるので、ちょっとした矛盾になっています。いずれにしても鞭状ではないので、これはOKとしましょう。また、⑧の触角基節も特に異常がないのでOKとします。



⑤は中肢脛節に前距があるかどうかということですが、この写真のように前距が2本あります。



次は前翅の翅脈についてです。採集していた個体をそのまま毒瓶に入れていたら、やはりちょっと乾燥してしまったので、翅が破れる前にはずして翅脈を見てみました。翅脈の名称は次の本に載っている図を参考にしました。

F. Schmid, "Genera des Trichoptères du Canada et des États adjacents", Insects and Arachnids of Canada Handbook Series, 7 (French) (1980). (ここからダウンロードできます)

ただ、この本はフランス語なので私には文章は読めません。ここではDCとTCがあって、MCが開いていることを見ます。これで検索項目はすべてクリアされたことになるので、ニンギョウトビケラ科ニンギョウトビケラ属であることが分かりました。

ここからは上の野崎氏の論文を手掛かりに種の特定をしていきます。まず、論文の中に書かれている分布を見てみると、15種いるGoera属のうち近畿に分布していそうなのは次の5種です。

ニンギョウトビケラ
クルビスピナニンギョウトビケラ
キョウトニンギョウトビケラ
カワモトニンギョウトビケラ
クロニンギョウトビケラ

野崎氏の論文の中に書かれた種の特徴を表にまとめたものを昨年11月に作っていました。もう一度、それを出しておきます。



私のつたない語学力で訳しているので、間違っているところもあると思います。そのつもりで見てください。今回は腹部の欄の腹板の違いに注目してみました。



これは腹部を腹側から写したものです。中間に奇妙な突起列が見えますが、これが第6腹板にある櫛状の刺です。また、わずかですが、その左に小さな突起列が見えるのは第5腹板のものです。さらに、右端の複雑な構造は交尾器で、これは♂のものです。第6腹板の刺は全部で13本で、中心は一番長いことが分かります。この本数から、上の表に載っているカワモトとクロを除外することができます。また、第5腹板に小さな刺が見えるので、クルビスピナも除けそうです。この刺だけで、ニンギョウトビケラとキョウトに絞られますが、クルビスピナ辺りもまだ可能性が残っています。次は交尾器です。





これは腹部末端の側面側と背側からの写真です。大変、変わった形をしています。背側から見ると、長く尖ったものが2本見えますが、これは論文ではventrolateral processes of tergum Xとなっているものだと思われます。第X背板の腹外側突起とでも訳したらよいのかどうか・・・。ただ、この形が種によって違っています。ニンギョウトビケラではこの突起がまっすぐ伸びて、先端2/3の部分でこの突起に重なるように下側に枝が見られます。クルビスピナはこの2本の突起がねじれます。そして、キョウトは2本の突起の長さが左右非対称になっています。クルビスピナとキョウトでないことはこれで分かりますが、ニンギョウトビケラだとすると枝がないといけません。そこで、これまでは実体顕微鏡で撮影したものですが、さらに倍率を上げるために生物顕微鏡の対物レンズ10倍で撮ってみました。



より鮮明に見えるようになりました。長い突起の中間より先の下側に枝らしいものが見えています。おそらくこれでしょう。これで、ニンギョウトビケラで間違いないのではと思いました。交尾器の各部の名称がまだ分からないので、名前を入れていないのですが、そのうち入れたいと思っています。

ついでに撮影した写真も載せておきます。



これは交尾器を腹側から撮ったものの拡大。



そして、これは第6腹板の櫛状の刺の拡大。



腹部を横から撮ったものです。第6腹板の刺が斜めに突き出していることが分かります。



最後は後翅の翅脈で、上のSchmidの本に載っているGoera属の翅脈図を参考にしてつけたものです。同じ源から出ているのに、Cu2とA1に分かれている点がどうも引っかかるのですが、とりあえず本の通りにしておきました。本には載っていないのですが、A2、A3aとA3bについては適当に名前を付けています。

これでニンギョウトビケラらしいことが分かったのですが、いちいち捕まえて交尾器を見るのはいかにも大変です。何とか外見だけから分かるとよいのですけど・・・。

家の近くのむし探検 ミナミトゲヘリカメムシ幼虫ほか

家の近くのむし探検 第187弾

家の近くの公園は草や植え込みが刈られたこともあって、虫が本当にいなくなりました。3日前に行ったときに見た虫です。







今日の最初はこのカメムシの幼虫からです。少なかった虫のうち、唯一初めて見た「虫」でした。「日本原色カメムシ図鑑」で探してみると、ミナミトゲヘリカメムシの5齢幼虫のようです。ツツジの葉の上にいました。ミナミトゲヘリカメムシというと成虫は鋭い刺を持っているのですが、幼虫もやはり印象に残る刺を持っています。先はそれほど尖ってはいませんが・・・。



こちらはヨコヅナサシガメの幼虫です。ユリノキの幹に止まっていました。そういえば、4月ごろに見たときもこの木でしたね。ヨコヅナサシガメというと桜の木を連想するのですが、ユリノキにも集まるのかもしれませんね。



カマキリがいました。どうもカマキリは苦手で、よう触れません。



横からちらっと撮ってみたのですが、前脚の間はちょっと見えません。また、カマキリspにするしかないなと思ったのですが、ネットで「オオカマキリ チョウセンカマキリ」で検索してみると、いろいろな方が前脚間の色、後翅の色以外にも違いを見つけようと努力されています。ついでに、♂♀の見分け方も探してみました。基本的には腹部末端を見ればよいようです。ここにひげが4本なら♂、2本なら♀。また、腹部末端の形も違います。上の写真もよくよく見れば、腹部末端がぼんやりと写っています。それから判断すると、これは♀のようです。顔を写せばよかったのですが、つい写しそこなって、この2枚の写真しかありません。ネットで探してみると、胸部と腹部の長さの比を調べているサイトもありました。それによると、♀だと胸/腹が0.54でオオ、0.63でチョウセンと、チョウセンの方が相対的に胸が長いようです。そこで、上の写真でも測ってみると、まさに0.54になりました。オオカマキリ♀の可能性がありますね。今度見たときは、前脚間のほかに、全体写真、顔写真、腹部末端を頑張って撮ろうと思います。何とか、カマキリに触らず、名前が分かるといいな。



後はツチイナゴ



桜の木の幹にいたイダテンチャタテはどうなっているかなと思ってちょっと覗いてみたら、相変わらずたくさんいるのですが、中にちらほら翅の長い成虫も混じっていました。翅ができてない小さな幼虫、翅がちょっと伸びた幼虫、いろいろな段階が混じっているようです。



公園での観察が終わってから、マンションの廊下にツチハンミョウが来ているかどうか見に行きました。まだ、来ていないみたいです。それで、ついでに廊下もちょろっと歩いてみました。これはヒメグモ科のハンゲツオスナキグモ



キマダラカメムシ。この日もクサギカメムシやマツヘリカメムシは多かったのですが、それらはパスです。



それから最近よくいるケブカカスミカメ



クヌギカメムシの仲間です。クヌギカメムシは横から撮った時に黒い気門が見えるはずなのですが、これは見えません。それで、ヘラかサジということになりますが、以前調べたときはヘラばかりだったので、たぶん、ヘラクヌギカメムシじゃないかと思っています。





やはりマンションの廊下にはクサカゲロウがいますね。これは両方ともスズキクサカゲロウみたいです。



さて、以前から宿題になっていたニンギョウトビケラがいました。昨年の11月にも名前を調べようと思って文献を調べたことがありました。この時は次の論文を見つけました。

T. Nozaki and K. Tanida, "The genus Goera Stephens (Trichoptera: Goeridae) in Japan", Zootaxa 1339, 1 (2006). (ここからダウンロードできました)

この論文の中で日本産のニンギョウトビケラ属 Goeraには15種あって、そのうち、近畿地方で見つかりそうなのは5種と載っていました。それぞれの特徴を表にまとめたのですが、結局、採集して腹部腹板の刺と交尾器を見ないといけないということになりました。そこで、今回は採集して、昨日、顕微鏡で調べてみました。詳細はまた今度ブログに載せますが、この個体は♂で、ニンギョウトビケラ Goera japonicaではないかという結論です。



次はドクガの仲間です。翅縁にある二つの黒い点がないのですが、白い筋が二本入っているので、たぶん、チャドクガではないかと思います。



最後は公園に行く途中で見たカナメモチです。今年の5月初めに見たときは満開の花だったのですが、今はこんな実になっていました。たぶん、これからもっと赤くなっていくのではないかと思います。そうしたらアップで撮ります。

廊下のむし探検 カメムシが多い

廊下のむし探検 第829弾

3日前のマンションの廊下での虫探しの結果です。公園に虫がいなくなったので、マンションの廊下でもちょっと見てみようと思って先日歩いてみたら、やはりそこそこはいました。まぁ、いつもの常連ばかりなのですけど。そのうち、変わった虫にも出会えるかもと思って、この日も歩いてみました。





この日はとにかくカメムシが多かったですね。上のクサギカメムシはマンション全体では100匹以上はいたと思います。下のマツヘリカメムシも多かったです。こちらもマンション全体では30匹を越えるほどでした。マツヘリカメムシはこの日は横から撮ってみました。



キマダラカメムシもちょこちょこ見られるようになりました。



最近、この小さなケブカカスミカメはよく見ますね。





変わったところではこんな甲虫がいました。前胸背板の形がまん丸です。大きさは測らなかったのですが、かなり大きな虫です。地下駐車場の壁に止まっていたのですが、遠くからでもよく分かりました。調べてみると、クロシデムシみたいです。シデムシというと動物の死体に集まる、あの虫ですね。うーむ。



蛾は相変わらずいろいろといます。これはクロモンキノメイガ



ネグロシマメイガ



エゾギクトリバ



ウスオエダシャク



ナカウスエダシャク



ヒメエグリバですが、こんな止まり方をするのを見たことがありません。死んでいるのかな。(追記2016/11/24:菅井 桃李さんから、「アカエグリバが平らに止まったのを1度だけ見ましたが、たまにはそんなこともある様です。」というコメントをいただきました



これはオオシラナミアツバだと思います。



蛾の最後はセグロシャチホコでした。



これは羽アリ。♂アリの方かな。今頃、羽アリがいるのかなぁ。



そういえば、公園ではこのヒメカゲロウは見なかったですね。見方を忘れてしまったのですが、これはたぶん、チャバネヒメカゲロウかな。



トビケラ。なんだか名前は分かりません。今日は、一昨日採集したニンギョウトビケラを調べてみました。なかなか面白かったです。今度、ブログに出します。



これはチュウガタシロカネグモ



それとコクサグモかな。まぁ、廊下にはなんだかんだいますね。

家の近くのむし探検 ハナアブなど

家の近くのむし探検 第186弾

これまで、家の近くの公園と林の入り口の道で主に虫探しをしていたのですが、この季節、両方ともほとんど虫の姿を見かけなくなりました。それで、ときどき散歩に出たときに見つけた虫もついでに調べてみることにしました。今日は2日前に家の近くの山里を歩いた時に見つけた「むし」です。





山のふもとの緩やかな斜面には畑が広がっているのですが、その脇に細い水の流れがあります。そこにはセイタカアワダチソウがぽつぽつ咲いているのですが、こんなところにハナアブが結構来ています。この写真の個体は見たことがありませんでした。かなり大きいので、最初、ナミヒラタアブ亜科かなと思ったのですが、例によって「ハナアブの世界」の写真集で調べてみると、どうやらヒラタアブ亜科のナガヒラタアブというのに似ています。また、両眼がくっついていないので♀のようです。

それを確かめるためにいつものように大石氏の「ルーペで調べる身近な縞模様のハナアブの見分け方」、昆虫と自然(1996~2000)の絵解き検索表で調べてみました。



検索表をたどっていくとこの9項目を確かめることで、ナガヒラタアブの含まれるAsarkina属に達します。それで、何枚か撮った写真で確認してみました。



①はいつも間違える肩が頭に隠れるかどうかですが、この写真では肩が見えないので、たぶん、隠れているのでしょう。②は顔面の色ですが、黒くはなく黄色っぽい感じです。③は触角第3節が極端には長くはないようです。⑦は額が前に突出しているかどうかですが、特にそのようには見えません。



次は④で胸部側縁が黄色か暗色かという項目ですが、初めこれを見逃してしまいました。でも、よく見ると側縁は黄色みたいです。⑤と⑥は腹部の形についてです。卵形なので、たぶん、これでいいのでしょう。⑨は腹部第3節の黄色の帯が1本ということで検索表に書いてある通りです。



翅脈は⑧だけなのですが、R4+5が真直ぐか、強く曲がるかという項目です。この写真では緩やかに曲がっています。真直ぐではないので、曲がるという方を選ぶと違う種に行ってしまいます。ここは真っすぐを選ばなければいけないのですが、誤解を生む表現だと思いました。「強くは曲がらない」と書く方がよいような気がします。なお、sprs vnは擬脈のことです。

ということで、若干、引っかかるところもあったのですが、無事にAsarkina属に達しました。「日本昆虫目録第8巻」(2014)によると、この属には日本産は2種、そのうち本州産は1種だけなので、最初の予想通りナガヒラタアブ♀でよいようです。ちょっと面倒くさいですが、絵合わせで決めた種を検索表で追いかけていくと、結構、知らないことも分かり勉強になります。そのためにはいろいろな方向から写しておかないといけませんね。





次はこのアブです。これこそ、ナミハナアブ亜科ですが、先ほどのサイトで絵合わせすると、アシブトハナアブ♀になります。これも同様に大石氏の検索表で調べてみました。



全部で9項目です。



まずは翅脈です。まず、②でM1脈がR4+5脈と合流するところで、M1脈が基方に曲がらないことを見ます。ついで、③でR4+5脈が強く曲がっていることを確かめます。先ほどナガヒラタアブに比べると曲がり方が激しいことが分かります。最後に⑥のR1とR2+3で挟まれたr1室が閉じているかどうかですが、この写真のように開いています。



次は①の肩ですが、この写真では肩がよく見えています。毛が生えているかどうかまでは分かりませんが・・・。④の触角第3節は短く、刺毛は先端ではなくて基部近くから生えています。⑤は後腿節末端に刺や突起があるかどうかですが、見た限りはないのですが、よくは分かりません。⑧は後腿節が黒色であることを見ます。⑨は顔面中央に黒い筋が入っていることです。



この写真では⑦の胸背に縦筋があり、小盾板が黒くはないということを見ます。これでほとんどすべての項目が確かめられたので、たぶん、Helophilus属は間違いないでしょう。「日本昆虫目録第8巻」によると、Helophilus属には4種記録されています。そのうち、本州産は3種。これについては「ハナアブの世界」の写真集が役に立ちます。アシブトハナアブ以外に、キカオアシブトハナアブとキベリアシブトハナアブがいるのですが、前者は顔面の黒い筋が明瞭でなく、後者は後腿節全体が黒いというわけではありません。ということで、これはアシブトハナアブでよいのではと思いました。なお、アシブトハナアブは♂も離眼的なのですが、複眼と複眼の間の形が違うので、これはたぶん♀でよいのかな。



こんなハエがイネ科の葉っぱの上をしりきりに動き回っていたのですが、多分、ヤドリバエでしょうね。寄生先の獲物を探しているのかもしれません。



これはコカマキリ



それから、たぶん、ネコハエトリ



最後のこのクモ。なかなか綺麗なのですぐに名前が分かるだろうなと思ったのですが、意外に大変でした。「日本のクモ」を見ると、キシダグモ科Dolomedes属のスジブトハシリグモpallitarsis、スジアカハシリグモsaganus辺りが似ています。ただ、次の論文を見てみると、はるかにややこしそうです。

A, Tanikawa and T. Miyashita, "A revision of Japanese spiders of the genus Dolomedes (Araneae: Pisauridae) with its phylogeny based on mt-DNA", Acta Arachnologica 57, 19 (2008). (ここからダウンロードできます)

この論文によると、従来までpallitarsisと呼ばれていた種は2004年にZhangらによりsaganusのシノニムであるとされたのですが、その後調べてみると、pallitarsisと呼ばれていた種は確かにsaganusと同一でしたが、saganusと呼ばれていた種の中には純粋にsaganusではないものも含まれていることが分かりました。この種を改めて、新種D. silvicolaとして記録しました。そして、日本産クモ類目録にはsaganusがスジブトハシリグモ、silvicolaの方がスジアカハシリグモという和名になっていました。両者の外見上の違いは腹部に白い点列がある方がsaganus、ないのがsilvicolaだそうです。よくは分かりませんが、この写真の個体は白い点が微かに見えるので、スジブトハシリグモなのかなぁというところです。

家の近くのむし探検 チャタテで苦しむ

家の近くのむし探検 第185弾

草の刈られた公園での虫探しの続きです(24日)。草が刈られ、植え込みも刈られ、およそ虫もいなくなったので、木の幹ばかりを探していたら、こんなチャタテムシを見つけました。







たぶん、今まで見たことのない種だと思います。



近くにイダテンチャタテの幼虫もいたので、一緒に写してみました。幼虫に比べるとだいぶ大きいですね。

さて、これの名前調べなのですが、まず、翅脈を見てみました。



ここで注目するのは後小室です。この小室の上側の1辺(赤三角)はCuA1脈とM脈が融合して作られています。ここがポイントです。以前、チャタテの科の簡易検索表を、次の論文に載せられている検索表を基に作っていました。

富田康弘、芳賀和夫、「日本産チャタテムシ目の目録と検索表」、菅平研報12、35 (1991) (ここからダウンロードできます)

まだ、完全ではないのですが、ここに載せてみると次のようになります。



基本的には跗節の節数と後小室に注目して分けています。これによると、後小室がM脈と融合しているのは、チャタテ科とホシチャタテ科だけで、ホシチャタテ科は翅が黒に近い濃色なので、今回は除くことができます。したがって、後小室を見るだけでチャタテ科であることが分かります。

次はチャタテ科の種の検索ですが、富田氏の論文に載せられている検索表を用いると、次のような過程をたどってAmphigerontia属になります。



①の小顎鬚は今回の撮影ではよく分からないので飛ばし、次の触角の長さは上から2番目と3番目の写真からせいぜい前翅長程度と思われるので、①はOKとします。②もしたがって、OKです。③はCu1a脈の赤三角を付けた辺とその右にある辺との長さ比較です。もし右の辺が短ければこれはOKということになります。実測すると、1:0.83となり少し短いのでこれもOKとします。最後の④はRs脈とM脈とが横脈で結びついているかどうかという部分です。この写真の個体は横脈(黄三角)で結びついているので、Amphigerontia jezoensisになりそうなのですが、以前、Amphigerontia jezoensisだと思った個体とはだいぶ違うようです。

これについては次の吉澤氏の論文にこの辺りの事情が載っていました。

K. Yoshizawa, "Systematic Revision of the Japanese Species of the subfamily Amphigerontiinae (Psocodea: 'Psocoptera': Psocidae)", Insecta Matsumurana New Series 66, 11 (2010). (ここからダウンロードできます)

この論文によると、富田氏が論文を出した当時(1991年)には、チャタテ科Amphigerontiinae亜科には、上の検索表に載っているAmphigerontia jezoensisとBlaste obtusa (=Neoblaste papillosus)の2種だけが記録されていました。その後、記録された種は5属9種にも上り、あらためて検索表を作り直す必要ができたという内容です。



この論文の中の検索表を使うと、先ほどの検索項目にもあったRs脈とM脈との関係が最初に出てきます。写真の個体は黄三角で示したようにこの部分に横脈があるので、Amphigerontia属かAnomaloblaste属ということになります。ここから先は交尾器の形状を見ないといけないので検索はここでストップなのですが、A. jezoensis、A. contaminata、A. tribulosaの3種についてはこの論文に翅の図が載っていて、今回の個体は翅にある暗色模様がAnomaloblaste tribulosaに最も近いようです。最終的には交尾器を見ないといけませんが、今のところ、この種が最有力候補です。



次の虫に行きます。刈り残ったツツジを見ていくと、キノコバエがいました。これは以前、Allactoneura属だと思った種に似ています。



それから、ホシササキリもいました。





ユスリカの♂がいました。早速、採集したのですが、まだ、冷凍庫の中です。(追記2016/11/03:翅に模様があり、それからヤモンユスリカ Polypedilum (Plypedilum) nubiferの可能性が出てきました。検索表で調べてみたのですが、「日本産水生昆虫」の亜科の検索表ではユスリカ亜科になるのですが、属の検索表では3番目の検索項目で前肢脛節末端の突出部の形状について、ヤモンユスリカの図が引用されているので3aを選ぶことになるのですが、こちらを選ぶとPolypedilum属にはたどり着きません。検索に矛盾があるようです



これも実は♂みたいですね。こちらは採集しなかった・・・。



これはヒメナガカメムシ



ツチイナゴはちょっと大きめに撮ってしまいました。



後はマンションの壁に止まっていたウリキンウワバです。モモイロキンウワバにも似ていますが、外横線がはっきりしないので、たぶん、そうだと思います。



それから、ケブカカスミカメ



このハエは何だろう。一応、採集したのですが、まだ、冷凍庫の中です。

ふーぅ、虫の名前調べは本当に大変ですね。

虫を調べる カクツツトビケラ

先日、マンションの廊下でトビケラを見つけました。



こんな毛むくじゃらの小さなトビケラです。触角の根元が毛で覆われているので、たぶん、カクツツトビケラだろうなと思ったのですが、「日本産水生昆虫」には♂交尾器の絵がたくさん載っていたので、一度、調べてみようと思って採集しました。ところが、毒瓶に入れてそのまま忘れてしまっていました。さらに、毒瓶の中の除光液がほとんどなくなっていて、からからになっていたので、取り出した時には乾燥してしまっていました。また運悪く、この個体は♀だったので、はじめの目論見は駄目になってしまいました。でも、カクツツトビケラの科の検索はまだやったことがなかったなと思い直して、とりあえず、やってみることにしました。しかし、いろいろといじっている間に、触角は折れるは、翅はちぎれるやらで、ブログに出すのはやめようと思ったのですが、写真は撮ったので、一応、出しておきます。でも、次回、もう少しちゃんとした検索をしてみるつもりです。

科の検索表は「日本産水生昆虫」に載っています。ただ、いくつか訂正があるみたいで、訂正事項については「トビケラ専科」の修正情報に載っていました。今回はその修正を加えています。



カクツツトビケラ科に至るためには上の7つの項目をクリアしないといけません。①はヒメトビケラ科を除外する項目で、ヒメトビケラ科は前翅・後翅の先端が尖り、触角が短くて太いなど外見的にだいぶ違うので、これは簡単に除外することができます。次の②~⑦については写真で見ていきます。ただ、乾燥してしまって見にくいのでその点ご了承ください。



いつものように、検索の順番ではなしに、部位別に見ていきます。関連する項目を写真に書き込んだので、それを見ながら写真を見ると分かるようになっています。まずこの写真では触角と前翅の長さ比較ですが、見たとおり、若干、触角が長いのですが、この程度は「同長程度」といってよいのではと思いました。⑦は「触角の基節は太く長くなり・・・」というところで、写真でははっきりは見えませんが、毛の生えている部分を指しているのだと思います。



次は小顎鬚についてです。まず、これは♀なので小顎鬚は5節あることになっているのですが、確かめると、この写真のように5節あります。その5節が鞭のように長くなっていないというのが③です。シマトビケラなどはこの部分が長く伸びています。シマトビケラ科については、確か、以前に標本写真も撮ったので、こちらの一番下の写真を見てください。



頭部と胸部ですが、毛が多くて見にくいですね。単眼はないのですが、この写真ではよく分かりません。残りの⑥と⑦は中胸小盾板についてで、矢印で示した部分より下の三角形状の部分が小盾板に当たります。そこにはこぶ状隆起が左右に一つづつついています。



翅が破れてしまったので、ついでに外して写真を撮りました。翅脈の名称は次の論文に載っているものを使いました。

K. Tani, "A Revision of the Family Lepidostomatidae from Japan (Trichoptera)", Bull. Osaka Museum Nat. His. 24, 45 (1971). (ここからダウンロードできます)

ただ、論文の図とCu、A脈付近の脈相が異なるので、この辺りは付け方が違っているかもしれません。dc、mc、tcについては以前に意味を調べたのですが、その文を引用すると、「DCはdiscoidal cellの略で中国語では「盤室」、MCはmedian cellの略で「中室」、TCはthyridial cellで中国語では「明斑室」または「明斑後室」となっていました」ということです。詳細はこちらを見てください。ここではDCとTCがあって、MCが閉じていない翅室であることを見ます。また、全体に毛が生えています。



この写真は出さなくてもよかったのですが、一応、中脛節に前距があることを確かめます。また、距式というのは各脚の脛節距の数ですが、この写真からは前脚に2、中脚に4あることが分かります。後脚も4なので、距式は2-4-4ということになります。

ということで②から⑦まで、一応、すべて確かめました。したがって、カクツツトビケラ科だということになります。この後は交尾器を見ていくのですが、「日本産水生昆虫」には♂の交尾器の図しか載っていないので、ここでストップになります。

一応、腹部末端の写真も撮ったので載せておきます。





これは実体顕微鏡で写したものですが、上は横から、下は腹側からの撮影です。各部の名称をつけたかったのですが、♀について書いた論文がなかなか見つからなくって、やっと次の論文に少しだけ載っていたので、真似をしてつけてみました。

T. Ito, "Six new species of the genus Lepidostoma Rambur (Trichoptera, Lepidostomatidae) from Japan", Zoosymposia 5, 158 (2011). (ここからダウンロードできます)

t8は第8背板のことです。lateral projectionsとsubgenital plateについては、一応、書き入れてみたのですが、間違っているのかもしれません。腹側から写した写真を見ると、光沢のある板状のものが見えるのですが、これがsubgenital plateなのかなと思っています。





これは同じ部位を生物顕微鏡の対物レンズ10xで撮ったものです。先ほどよりはかなり鮮明に写りました。いずれも深度合成の方法で撮っているのですが、どうも、被写界深度が浅いほうが後で合成したときに綺麗に見えるようです。

今度は♂でもう一度きちんとした検索をしてみたいと思います。なお、先に載せた「トビケラ専科」によると、学名がだいぶ変遷しているようです。例えば、コカクツツトビケラについては、

Atomyiella japonica→Dinarthrodes japonicus→Goerodes japonicus→Lepidostoma japonicum

という風にです。このサイトによると、日本産のカクツツトビケラ科は現在、Lepidostoma属とZephyropsyche属の2属に分かれて、前者は44種、後者は2種だそうです。

家の近くのむし探検 草刈と刈込

家の近くのむし探検 第184弾

一昨日、いつも行っている公園に行ってみました。先日、草刈が入って草ぼうぼうだった広場が綺麗になっているかなと思って行ったら、びっくりびっくり。ツツジの植え込みも綺麗に刈り込まれていました。さっぱりしたのはいいのですが、およそ虫の姿は見えません。今年はもう終わりなのかなと思ったのですが、一応、木の幹についている虫を探してみました。





イダテンチャタテの幼虫はまだ健在でした。この間見たのと同じくらいの大きさの翅が生えかけています。これからどう変化していくのかなぁ。ちょっと楽しみです。



よくよく探すとムラクモハマダラミバエがまだいました。7月から8月にかけて桜の幹にいるところをよく見たのですが、最近はまったく見ていませんでした。





それから、キボシマルウンカ。本当にテントウムシみたいな格好ですね。でも、これ、ウンカの仲間なんです。



ツツジの植え込みにはまったく虫がいません。やっと木の隙間に褐色型のホシササキリがいました。



カマキリもいました。本当に枯れ葉色になっています。これがオオカマキリかチョウセンカマキリか、前脚の付け根を見ればわかるのですが、どうも怖くて掴めません。



横から覗いたのですが、よく分かりませんね。



ハチの巣も見つかりました。でも、ハチがいないので、古い巣かな。こんな巣がツツジの葉の下にあるとはまったく気が付きませんでした。



それからルリチュウレンジ。ツツジの葉が刈られてしまって途方に暮れているのか、じっとしていました。





やっと変わった「むし」を見つけました。ブランコを囲む手すりの上にいました。たぶん、ヤハズハエトリ♂ですね。私と「公園の主」さんが代わる代わる写真を撮るので、嫌がって、あっち向いたりこっち向いたり。

残りの虫は次回に回します。探せばまだまだいました。

久々の「廊下のむし探検」 蛾とカメムシ

廊下のむし探検 第828弾

記録を見てみると8月10日に廊下を歩いたのが最後で、昨日、本当に久しぶりに「廊下のむし探検」をしてみました。この後も行ったかどうかよく分からないので、第○○弾の数字はちょっと怪しいですけど・・・。廊下を歩いた後、公園にも行ったので、双方で出てくる虫を比べると面白いかもしれません。

マンションはやはり蛾とカメムシが多いです。



まずは蛾の方から、こんな蛾が死んでいました。「標準図鑑」との絵合わせから、オオカブラヤガとマエグロヤガ辺りが考えられますが、後者は偶産種とのことで、たぶん、オオカブラヤガの方でしょう。触角が両櫛歯状なので♂だと思います。(追記2016/11/24:ささきさんから、「ひっくりかえって死んでいるヤガはオオカブラヤガですね。ご指摘の通り♂です。♀は触角が糸状になるのと、翅が全体的にもっと黒っぽくなります。」というコメントをいただきました



次はこれ。これも似た種があります。「標準図鑑」によると、翅に斜めに走っている白筋が太くて後縁まで達しているとアヤトガリバ、細くて達していないとオオアヤトガリバ。これは後者なので、オオアヤトガリバだと思われます。(追記2016/11/24:ささきさんから、「Habrosyneはこれまたご指摘の通りオオアヤトガリバです。アヤトガリバはやや小型で翅がやや四角い感じになり、色調も黄色味を帯びず赤っぽくなります。白い帯の太さも参考になります。京阪神の平野ではオオアヤが多いですね。アヤは私は京阪神では山地でしか採ったことがないです。」というコメントをいただきました。コメントどうも有難うございました



これはヒメカギバアオシャク



こちらはウスバフタホシコケガで、地下駐車場の天井に止まっていました。相変わらず、地下駐車場は楽しみです。



これも地下駐車場で、ナカウスエダシャク



それから、アオアツバでした。



次はカメムシ。久しぶりということで、とりあえずすべての種の写真を撮りました。これはマルカメムシで、たくさんいました。



次はマツヘリカメムシ。以前はまったく見なかったのですが、今やすっかり常連。いや、常連というよりは、マルカメムシ、クサギカメムシ、ツヤアオカメムシに次ぐ第4位くらいの位置を占めています。





そのクサギカメムシツヤアオカメムシもいました。



それに、ミナミトゲヘリカメムシ



これはチャバネアオカメムシ。カメムシはこんなところでした。



残りの虫です。脚が随分少ないですが、ガガンボの仲間です。ガガンボも久しぶりなので、ちょっと拡大してみます。



ガガンボの仲間は翅脈で科くらいは分かるので、思い出すためにちょっと調べてみました。



ガガンボの翅脈は本によって名前の付け方がだいぶ違うのですが、それについては以前まとめたことがありました(こちらをご覧ください)。ScとRの辺りと、CuとA辺りが違うのですが、何が正解かわからないので、とりあえず、「日本産水生昆虫」に倣って付けてみました。この個体はガガンボ科かヒメガガンボ科かというところなのですが、決め手はSc脈が前縁に達するかどうかです。この写真、そこが見にくくてなんとも言えないのですが、重なっている下の方の翅の前縁にSc脈が前縁脈と結合している部分が見えるので、たぶん、ヒメガガンボ科の方ではないかと思います。たぶん、ですが・・・。



次はトビケラ。水生昆虫については、刈田敏氏の「水生昆虫小宇宙I、II」、「水生昆虫ファイルI、II、III」という本があります。写真が綺麗なので、愛用していますが、この写真の個体はコカクツツトビケラあたりに似ています。ちょっと拡大してみます。



触角の基部に毛がいっぱい生えているので、たぶん、カクツツトビケラ科は間違いないと思いますが、どうでしょうね。一応、採集したつもりなので、今度、科の検索をしてみます。属や種の検索表はあったかなぁ。♂なら、交尾器の図が「日本産水生昆虫」にはたくさん出ていたので、調べられるかもしれません。



ニンギョウトビケラの仲間です。この仲間には5種いて、以前、その特徴をまとめたことがあったのですが、腹部腹板の刺を見ないと分からないということで、その時は挫折していました。今度も採集しなかったので、やはり駄目でしょうね。



後はクモです。これはコクサグモ



それから、マダラヒメグモ。ともに、マンションの廊下ではこれまで何度か登場しています。

久しぶりにマンションの廊下を歩いたのですが、虫はそこそこいますね。特に、蛾がやはり多いです。特に珍しいという種はいないですが・・・。この日は、実は、ツチハンミョウを見に行ったのですが、残念ながらまだ来ていませんでした。この3年間の初見日は2013年が10/29、2014年と2015年が共に10/28。ほとんど同じ日にマンションに登場しています。今年はどうなるでしょう。

簡単なお散歩ネット

この頃、家の近くの公園まで虫探しに行っています。だいたいは写真を撮るだけなのですが、詳しく調べるために時々採集もします。採集は吸虫管を使ったり、毒瓶やチャック付きパックで直接捕まえたりするのですが、これがどちらも意外に難しく、結構、逃げられてしまいます。また、バッタなんかの大きな虫はどうすることもできません。それで、この間から捕虫網をカメラバッグに潜めて、必要なときに取り出しては捕まえているのですが、やはり柄がないと不便です。かといって、捕虫網の柄は長くてバッグに入りません。お散歩ネットみたいなものがあると便利だなと思って、この間からネットで探していたらいいものを見つけました。それを買って取り付けたのが次の写真です。



柄は縮めることができるので、網をはずして収めて十分にバッグに入ります。網は志賀昆の36cmの網です。



柄は「廊下のむし探検」の時に、カメラを固定するために取り付けている三脚の延長ポールで、長さが最大28cmのHakubaのHCS-2です。普段はこれを壁に押し付けて接写写真を撮っています。この先端のネジは1/4インチ。一方、志賀昆の網のネジは5/16インチ。この間をつなぐ変換ネジがあるといいなと思っていたら、それが見つかりました。



それがこれで、Tomocaのスタンド変換ネジ(#15) カメラ(1/4)→JIS(5/16)です。これをつなぐと上の写真のようになります。ネジを手動で絞めるのですぐに緩むかなと思ったのですが、先日、キチョウを追いかけて使ったときはまぁまぁ無難に使えました。お散歩ネットは買うと4000円以上もするのですが、今回はネジだけだったのでamazonで買って500円。ちょっと儲けた感じがしました。

家の近くのむし探検 オビホソヒラタアブほか

家の近くのむし探検 第183弾

最近、マンションの廊下や家の近くの公園だけでなく、ちょっと歩いたときに見つけた虫も出し始めたので、ついでに3日前に散歩に行ったときに見つけた虫を出しておきます。でも、あんまり範囲を広げないようにするつもりですけど・・・。





この花はキヅタかなと思うのですが、目立たない花の割にたくさんの虫が集まっていました。その中で、ちょっと見慣れないヒラタアブが来ていました。「ハナアブの世界」には標本写真が載っているので、比較してみると、オビホソヒラタアブ♀に似ている感じです。確認のために、いつもの大石氏の「ルーペで調べる身近な縞模様のハナアブの見分け方」、昆虫と自然(1996~2000)の絵解き検索表で調べてみました。



オビホソヒラタアブであることを確かめるには、この14項目にパスしなければいけません。大変ですが、これらを上の写真で確かめていくことにしました。





詳細は写真に書き込んだので省きますが、上の検索表で赤字で書いた部分が確認できませんでした。まず⑤は胸弁の下片背面の毛に関してです。胸弁の下片というのは、たぶん、基覆弁のことだと思いますが、これは採集して顕微鏡で見ないと確認できません。もし、この背面に長い毛があるとすると、ケヒラタアブ、キイロナミホシヒラタアブ、オオフタホシヒラタアブ、ナミホシヒラタアブになるのですが、いずれも腹部の斑紋が異なるので、長い毛はないという方を選んでも大丈夫そうです。最後の⑭の後半については、これはたぶん♂の特徴を書いたもので、♀は上の標本写真でも分かるように、斑紋は三角形というわけではなさそうです。ということで、ほぼ、特徴は満足されたので、おそらく、オビホソヒラタアブで合っているのではと思いました。(追記2016/11/24:菅井 桃李さんから、「オビホソヒラタアブは長野では9月半ばから下旬まで、サラシナショウマで沢山見られます。でも、メスだけなんですよねえ。ヒラタアブって、種類によってはオスかメスかのどちらかに片寄って見られるんですが、オビホソヒラタアブはオスを見たことがありません。生態に違いがあるんでしょうね。」というコメントをいただきました





キヅタの花にはそのほかにキゴシハナアブが多数来ていました。



それからクロウリハムシも。



ほかにはカマキリもいたのですが、本当に枯れ葉色ですね。名前までは分かりませんが・・・。



道々にはキンモクセイの花が満開になっていました。以前も撮ったのですが、もう一度花を撮ってみました。



雄蕊は目立つのですが、雌蕊は短いのがあるだけです。あれっと思って、「牧野新日本植物図鑑」や「日本の野生植物木本II」で調べてみると、キンモクセイは雌雄異株、その原産地は中国で、日本に移入されたのは雄樹だけだったそうです。だから、今咲いているのは雄花だけということになります。雄花には雄蕊が2本と不完全雌蕊があるということなので、この写真のようになるのではないかと思いました。なぜ雄樹だけだったのでしょうね。香りがよかったからでしょうか。(追記2016/11/24:菅井 桃李さんから、「生物も全て国の財産と言うことで、中国からの種の流出を防ぐ目的で雄株しか許可しなかったのかもしれませんね。」というコメントをいただきました

家の近くのむし探検 公園は草刈

家の近くのむし探検 第182弾

一昨日の午前中にいつもの公園に行ってみました。すると、草刈の人たちが入って広い公園はもうほとんど草が刈られていました。「公園の主」さんの話だと、朝から草刈をしているようです。作業員の方たちがちょうど休んでおられたので、ざっと公園の中で虫探しをしていたのですが、慌てふためくバッタたちがたくさんいるほかはそれほど虫は見つからず。そのうち、作業が始まったので、諦めて公園を出て、周囲を歩いてみました。





これはまだ公園で見つけたハバチです。カブラハバチ属ですが、このように前胸背が黒くないので大阪府で生息するのはニホンカブラハバチとイヌノフグリハバチです。イヌノフグリハバチについては以前、詳しく調べたことがありました。「大阪府のハバチ・キバチ類」に載っている検索表では、腹部第1背板が黒くて、胸部背面が赤みを帯びるとニホンカブラハバチ、腹部第1背板が橙黄色で、胸部背面が腹部と同じ橙黄色だとイヌノフグリハバチとなります。この写真では腹部大背板は翅に隠れて見えません。胸部背面は赤みを帯びているので、たぶん、ニホンカブラハバチかなと思われます。さらに、触角が10節なので、たぶん、♀。だとすると、脛節背面だけが黒いのがニホンカブラハバチ、脛節全体が黒いのがイヌノフグリハバチとなります。これは背面だけが黒いので、たぶん、ニホンカブラハバチでよいのではと思っています。



葉裏から覗いているのは、その独特の形からヒゲナガヤチバエではないかと思います。これも以前、詳しく調べたことがあります





後は慌てふためいて植え込みに逃げ込んだクビキリギスホシササキリでした。





公園近くを歩いているとこんなキチョウが。後翅裏面の筋が見覚えあります。ツマグロキチョウです。子供のころに住んでいた三重県ではキチョウよりも数が多くて、もっとも普通に見られるチョウでした。それが大阪ではちっとも見られないのでどうしたのかなぁと思っていたら、大阪府では絶滅危惧 I 類になっていました。最近、兵庫南部で大発生したという記事を見て、いずれ私の住む大阪北部でも見られるかなと楽しみにしていたら、この日やっと見られました。この模様は懐かしいです。(追記2016/11/24:ささきさんから、「ツマグロキチョウがいるとは驚きました。私は池田で生まれ育ち、北摂を離れたことはありませんが、ツマグロキチョウはこの40年ほど見たことがなく、絶滅してしまったものと信じていました。復活は嬉しいですね。このまま再び定着してほしいです。」というコメントをいただきました







そのすぐ横では一時期随分騒がれたクロマダラソテツシジミがいました。騒がれていたのは、今から7,8年ほど前のことになるのですが、私の勤め先でもシジミでもっとも多い種になっていました。それからは噂を聞かなかったのですが、まだいたのですね。見渡すと何匹か飛んでいたみたいです。





後は植物です。これはルコウソウ。「日本帰化植物写真図鑑」を見ると、熱帯アメリカ原産で、観賞用に栽培されていたものが逸脱したようです。とても、雑草には見えませんね。



ハッカの花を拡大してみたのですが、何が何だかわかりませんね。ハッカも種類が多いから・・・。



これはヘクソカズラの実。拡大して写すと面白いのですが、なんだか無駄に接写を使っていますね。





最後はマンションの廊下にいたカミナリハムシの仲間です。この仲間にもいろいろといて、みなよく似ているのでなかなか名前が分かりません。前胸背板の横溝が両端で凹んでいるのが手掛かりなのですが、「原色日本甲虫図鑑IV」のニホンカミナリハムシの説明で「前胸背板の横溝はその途中に1つの窪み」という記述に合っているのかどうか・・・。食草にいると簡単なのですが・・・。

この日は公園の外を歩いてみました。外を歩くと、チョウや花が気になって写してしまうのですが、「廊下のむし探検」のマイナーな虫、小さな虫など、いる虫はともかくみな調べるという趣旨からはだいぶずれてきてしまいました。やはり、廊下に戻ろうかなぁ。

家の近くのむし探検 カメムシだらけ

家の近くのむし探検 第181弾

3日前の家の近くの公園での虫探しの結果です。ヨコバイの翅脈が分からなくてこの2,3日悶々としていたのですが、昨日、とりあえず分かるところまで書いたら、その呪縛から解き放たれたような気分になりました。それで、やっと3日前の虫の名前調べを始めました。でも実は、この日は撮影を失敗していて、あまり写真を見たくなかったのですが・・・。

普段、カメラの設定はマニュアルで絞りをF11にして、フラッシュをたいて、シャッター速度はNikon D7100の最短のシンクロ同調速度で1/250で撮っています。フラッシュをたかないときは絞り優先でF8くらいで撮っています。この日は初めはマニュアルで撮っていて、途中で木の幹を撮影するときに絞り優先に変え、その後、そのままの設定でフラッシュをたいて撮ったので、シャッター速度は自動的に1/60になってしまいました。暗いところでは問題なかったのですが、明るいところではどれもぶれて駄目になってしまいました。カメラの画面で見ながら、どうして今日は霧がかかったように撮れるのだろうと不思議に思いながら撮っていて、最後、小さなカメムシやグンバイを撮るときになってようやく気が付きました。あーあ。





この日は全体にカメムシが多かったですね。まずはエサキモンキツノカメムシ。この日だけで3匹も見ました。ハートマークの可愛いカメムシです。



それにホソヘリカメムシ



それからオオクモヘリカメムシ。前日も見たので、同じ個体かもしれませんが・・・。



ヒメホシカメムシ





これは小さなカメムシです。実は、このカメムシを撮るときに、カメラが不調だと思ったのです。何枚撮っても霞みがかかったように撮れるので・・・。でも、後から探してみると何とか見れる写真がこの2枚だけありました。「日本原色カメムシ図鑑」で調べると、ヒメヒラタナガカメムシ科という初めて聞く名前の科でした。この科は日本では2属6種が記録されているそうですが、「日本原色カメムシ図鑑第3巻」との絵合わせから、チビかウスイロのどちらかなと思いました。ともに分布に本州が入っているし、前胸背の中央前半と小盾板に乳白色の隆起線があるし、色が薄いし・・・。チビヒメヒラタナガカメムシ属の説明には、「頭部中葉および側葉が前方に突き出し、3本の『角』になる」と書かれていました。小さいのではっきりとはわからないのですが、3本の角ではなさそうなのでチビではなく、ウスイロの方かなと思っています。ただ、ウスイロの説明にある「革質部の中央に先端縁に直角に交わる短い褐色縦条」というのがよく分かりません。一応、?マーク付きでウスイロヒメヒラタナガカメムシかなというところです。(追記2018/10/26:ヒメヒラタナガカメムシの説明を間違って入れていました。直しておきます



これはキボシマルウンカ。止まり方が面白いので撮ったのですが、ちょっとピントがずれてしまいました。



オサヨコバイだと思うのですが、先ほどの設定違いのせいで、どうもぼやっとしていて気に入りません。



たぶん、ツツジグンバイだと思うのですが、「日本原色カメムシ図鑑第3巻」に載っているツツジグンバイ属の検索表はとても長くてやってみる気力が湧きません。ツツジだから、ツツジグンバイというところです。



ユスリカも探しているのですが、最近は♀ばかり見ます。



ハナバチの仲間だと思うのですが、顔だけでも名前が分かるのかなぁ。



この間から、マンションの倉庫の壁に止まっているこの羽アリ。ちょっと気になり始めて、一匹採集しました。たぶん、検索は失敗すると思うのですが・・・。以前、翅脈で分類するという論文を紹介しました。

K. S. Perfilieva, "Trends in Evolution of Ant Wing Venation (Hymenoptera, Formicidae)", Entomol. Rev. 90, 857 (2010). (ここからpdfがダウンロードできます)

この分類で前日とこの日撮った写真を見てみると、翅脈はIVe型になるみたいです。この型にはヤマアリ亜科とフタフシアリ亜科が入っていました。この二つの科じゃ、何も分からないというのに等しいですね。



最後は公園の近くの壁に止まっていたチャバネセセリです。チョウは普段接写では撮らないのですが、撮ってみると意外に綺麗ですね。緑色に光って・・・。

ツユクサの仮雄蕊

家族から、ツユクサには仮雄蕊があるんだってという話を聞きました。矢野興一、「観察する目が変わる 植物学入門」、べれ出版 (2012)に載っていたそうです。そんな話は初めて聞いたので、早速、ツユクサの花を写しにいつもの公園まで行ってきました。



ツユクサの花はよく見るのですが、それほど詳しく見たことがありませんでした。でも、よく見ると、雄蕊らしいものがいろいろな形をしています。上の本を参考にして名前をつけるとこの写真のようになります。上の方にあり、黄色の鮮やかなものが仮雄蕊といって、花粉はほとんど持たず、しかもその花粉は本来の能力を失ったものだそうです。本当の雄蕊はO字型と書いた、長く伸びた地味なものです。その中間にあるのがY字型で、ここにも通常の花粉がありますが、色が黄色の部分もあり、仮雄蕊と本物の雄蕊の中間的な性質の雄蕊のようです。平凡社の「日本の野生植物」も、「牧野新日本植物図鑑」でも、完全雄蕊が2個、仮雄蕊が4個と書かれていました。



上にある仮雄蕊の方を拡大してみました。確かにX字型をしています。両脇に橙色の小さな突起があるのですが、ここには粒々がついていて、たぶん、これが本来の能力を失った花粉様の粒子を含む葯なのでしょう。



黄色の部分の中身は何だろうと思って、ピンセットでちぎってみました。中はスポンジのような構造になっていました。



これはO字型の部分です。花を採取してきてそのまま置いていたら、雄蕊の軸がくるくる巻き始めてこんな格好になってしまいました。雄蕊には確かに花粉が見えています。



その部分をさらに拡大してみました。面白い形をした花粉ですね。



次は中間の長さのY字型の雄蕊です。先端にX字型で見たような黄色の袋が付いています。割れたところには少しだけ花粉はついていますが、見たところほとんどありません。大部分食べられてしまったのかもしれません。



そこでまた写真を撮りにいきました。この花は花粉がまだかなりついているみたいです。



拡大してみました。O字型にもY字型にも花粉がついていました。ネットで探してみると、O字型とY字型の葯から採った花粉は雌蕊の上でちゃんと花粉管を伸ばすそうです。それに対して、X字型は雌蕊に付着もしなかったと書かれていました。こんな実験をされる方がおられるのですね。感心しました。



これは以前にも出した写真です。よく見ると、ホソヒメヒラタアブはY字型雄蕊に来ていました。



これはY字型で花粉を食べているところの拡大です。

最近、F. G. バルト、「昆虫と花」、八坂書房 (1997)を読んでいるのですが、この本の中にも仮雄蕊のことが書かれていました。虫が花に来てくれるのは花にとってありがたいが、授粉をするための花粉を食べられてしまったら元も子もない。そこで、「授粉用の葯」と「餌用の葯」を分けて作るという折衷案で切り抜けた植物がいるそうです。ツユクサは「授粉用の葯」のほかに、「餌用の葯」と「広告塔の葯」をともに持った優れものいうことになりますね。

ヨコバイの翅脈

この間、マダラヨコバイらしい個体の写真を撮ったのですが、ついでだから翅脈に名前を付けておこうと思って文献を調べてみました。でも、これが失敗のもと。まったく混とんとしています。現在のところ、どれがもっとも妥当なのかさっぱりわからない状態なのですが、とりあえず、今までに分かったところを少しまとめておこうと思って書いてみます。



マダラヨコバイらしい個体というのはこのヨコバイです。普通に翅脈が走っているし、その名前を付けるのは何も問題なさそうです。ところが、文献により名前の付け方がまちまちなのです。文献の図をコピーすればよいのですが、著作権の問題があるし、扱う種類が違えば、当然、脈も異なるので、同じ翅脈で比較してみようと思って、モデル的な前翅翅脈で比較してみました。それらしく名前を付けていますが、私の独断でやっていますので、間違っているところも多いと思います。そのつもりで見て下さい。



前翅翅脈の名称を調べようと思って、まず、最初に見るのは「新訂 原色昆虫大図鑑」です。また、ヨコバイの場合は「九州でよくみられるウンカ・ヨコバイ・キジラミ類図鑑」という本もあります。ここに載っている翅脈の名称を今回のモデル翅脈に当てはめてみました。この二つの本は基本的に同じで、赤字で書いてある分が、前者が後者に追加、変更している部分です。翅室の呼び方などはヨコバイならではの独特な感じがします。また、前翅の下には爪状部があって、その間には爪状部線(cs)という折り目が付いています。さらに、左下には付属片(apx)というのがあります。こんなところが特徴でしょうか。翅脈についてみると、実は、R、M、Cuなど翅脈の基部の部分だけが書かれて末端まで書かれていません。そこで、別の文献も探してみました。



この図は次の文献に載っていた翅脈の名称を今回のモデル翅脈に適用したものです。

W. J. Le Quesne and K. R. Payne, "Cicadellidae (Typhlocybinae) with a Check List of the British Auchenorhyncha (Hemiptera, Homoptera)", Handbooks for the Identification of Britsh Insects Vol. II, Part 2(c) (1981). (ここからダウンロードできます)

やはり末端の翅脈は載っていません。基本的には「大図鑑」と同じなのですが、前縁の脈がSc脈になっていて、R脈とSc脈を結ぶ部分がScTという横脈になっています。



この翅脈は次の論文に載っていたものです。もともとはロシア語だったものを英訳したもののようです。

A. F. Emel'yanov, "The phylogeny of the Cicadina (Homoptera, Cicadina) based on comparative morphological data", Trudy Vsesoyuznogo Entomologischeskogo Obshchestva 69, 19 (1987). (ここからpdfがダウンロードできます) 注:カッコ内にpdfと書いてあるのは直接pdfを読みに行きます。ご注意ください。

この名称の付け方にはいくつか特徴があります。まず、前縁がC脈になっていること、2番目の脈がSc+R脈となっていて、C脈の間をつなぐ脈をその分枝(ScRA1)としていること、さらに、爪状部線がCuPという脈になっていること、Pcuという脈が新たに導入され、後縁にA2脈があるとされている点などです。この辺りで、頭がごちゃごちゃになってくると思います。



次は見た中では一番新しかった論文です。

C. H. Dietrich, "Keys to the Families of Cicadomorpha and Subfamilies and Tribes of Cicadellidae (Hemiptera: Auchenorphyncha)", Florida Entomologist 88, 502 (2005). (ここからダウンロードできます)

これまただいぶ変わっています。まず、前縁の脈には名前が書いてありません。すぐ下の脈から橋渡しする脈はR脈の分枝R1となっています。M脈は2つに分かれていますが、Cu脈は分かれていません。爪状部線は折り目(cs)になっています。

こういう風に翅脈の名称が混とんとしているときは原点に戻れというので、このような翅脈の体形をまとめたComstockの本を見てみることにします。

J. H. Comstock, "The Wings of Insects", The Comstock Publishing Company (1918). (ここからダウンロードできます)

この本の中で、Comstockはヨコバイ亜目については1913年のMetcalfの次の論文を紹介しています。

Z. P. Metcalf, "The Wing Venation of the Jassidae", Ann. Entomol. Soc. Am. 6, 104 (1913). (ここからダウンロードできます)

Metcalfは幼虫の翅を調べて、そこに走っている気管から後に発達する翅脈の帰属を試みました。その一例を次に載せます。





左側が成虫の翅脈、右側が幼虫の翅に伸びている気管です。気管は昆虫の呼吸に関係する器官で、成虫の翅脈の中には気管が走っています。例えば、気管が分岐していたら、それに関係する翅脈は同系統の翅脈だと判断できます。その結果、いくつかのことが分かったのですが、それについてはComstockの本の記述からまとめてみました。

1.Cの気管はない
2.Scの気管は6属にしかないが、Sc脈はよく発達
3.Rの気管は2分岐(R2+3,R4+5)
4.R1の気管は完全に消えるが、一部では微かに現れる
5.sc-r横脈が顕著でnodal veinと呼ぶ
6.M気管は2分岐(M1+2,M3+4)するが、前者は発達しない
7.Cuと1A気管は顕著
8.Cu気管は時折2分岐
9.1A脈はclaval sutureに沿って走るので脈と認められないことがあるが、1A気管はすべての属で顕著
10.2Aと3A気管はよく発達している
11.翅脈の基部を見ると、横の連結は発達しない。C-R群とCu-A群は連結せず、Mは後者の群に属している

初めの1から10まではMetcalfの研究の紹介で、11はComstockの意見です。注目すべきはC気管はなくて代わりにSc気管が発達している点、R1気管はほぼ消えていること、爪状部線(claval suture)のところには顕著な気管が走っているのでこれは翅脈をすべきでこれを1Aとしている点などです。



このMetcalfの翅脈を当てはめてみると、この図のようになります。RとScを結ぶ脈については書いていないのですが、たぶん、横脈という考えだと思います。

Metcalfの研究は部分的には最近の論文にも取り入れられていますが、完全に追随しているわけではありません。例えば、Hamiltonという人は独自の翅脈の記号を使って、

1.R脈はRs脈を除いて萎縮
2.Sc気管はよく発達するが、Sc脈は痕跡を残すのみ
3.claval sutureは二重脈になっている

などと新たな考えを提案しています。

K. G. A. Hamilton, "The Insect Wing, Part III. Venation of the Orders", J. Kansas Entomol. Soc. 45, 145 (1972). (ここからpdfがダウンロードできます)

ということで、今のところ、どれがよいのかさっぱり分かりません。私の気持ちとしてはComstock-Metcalfの考えが気管に基づいているのでよさそうに思えるのですが、Hamiltonの論文を見ると必ずしも気管と翅脈は関係しないということなので、さらに分からなくなります。

ところで、先日、上のヨコバイの名前を調べるときに使わせていただいた論文ではどうなっているのか調べてみました。

S. Kamitani, "The Phylogeny of the Genera in the Tribes Deltocephalini, Paralimnini, and their Allies (Homoptera, Cicadellidae, Deltocephalinae)", Esakia 39, 65 (1999). (ここからpdfがダウンロードできます)

この論文ではいくつかの形質からヨコバイの系統分類をしようとしているのですが、その中で翅脈に関する形質も載っていました。この論文ではPopeという人が書いた本の中の翅脈名称を用いているとのことですが、その本は手に入りません。そこで、以上いろいろと見てきた翅脈の類推からこれらの形質を整理してみました。



前翅に関しては上の①から⑦までの7形質です。翅脈は、特に前縁周辺、M脈に関する部分などがこれまで紹介したものと異なります。そこで、想像力をたくましくして解釈したものを図に書き込みました。①は問題になった「横脈」のほかに横脈が別にあるかどうかです(点線で示してあります)。②は横脈の有無です。③は翅室の有無で、④はその翅室の端が隣の翅室に接しているか、いったん閉じて線で隣接しているかです。上の例では直接接しています。⑤と⑥は付属片に関するものです。⑦は④と同じで中央亜翅端室と接するかどうかです。論文には外亜翅端室となっていましたが、たぶん、中央亜翅端室だと思います。「鋭く尖って(only acutely)」という表現が種によっては微妙なものもあるのですが、上の例では隣接しないを選びます。実際にマダラヨコバイの写真で各項目を調べてみると、0101111となり、論文に載っている表の数字と一致しました。

これだけ、翅脈名が混とんとしているので、「大図鑑」などでは確かと思える基幹部の名称しか入れていなかったのだろうと思われます。また、論文の中で翅脈の名称を用いるときには、是非とも、翅脈の名称を入れた図を加えてほしいなと思いました。

家の近くのむし探検 近くをぶらぶら

家の近くのむし探検 第180弾

一昨日は公園に行った後、いつもの林の入り口の道まで歩いていきました。でも、虫がほとんどいません。そこで、「廊下のむし探検」からはずいぶん逸脱するのですが、近くの山道や畑もついでに歩いてみました。歩きながらなので、公園で探したときほどは充実しないのですが、それでもいろいろな虫に出会えました。



まずはササキリです。これはいつもの林の入り口にいました。日が当たらないので、結構、暗い感じに写りました。



先日見たシロスジシマカの♂の方ですね。蚊もこうやって見ると、シンメトリーの美しさがありますね。



ここからは林から出て、民家のあるところに行ったときに見た虫です。そこにこんな虫が止まっていました。これはたぶんゴモクムシの仲間ですね。最近、琵琶湖博物館の「里山のゴミムシ」が使えなくなったので不便ですね。名前調べはギブアップ。





アザミの花にはこんなスズメガが来ていました。たぶん、ホシホウジャクでしょうね。こんな姿はマンションの廊下を歩いていただけでは絶対にお目にかかれません。



ついでにこんなのも。まるで蝶みたいですね。でも、イカリモンガという蛾の仲間です。飛び方もまるで蝶みたいで、もっと近づいて写そうとしたら逃げてしまいました。



オオアオイトトンボもついでに撮りました。こちらもちょっと暗くなってしまいました。





結構、大きなクモもいるのですが、名前が分かりませんね。

家の近くのむし探検 公園の虫

家の近くのむし探検 第179弾

昨日は最初、公園に行き、その後、いつもの林の入り口からその周辺まで範囲を広げて歩いてみました。虫が少なくなってきたので・・・。まずはマンションと公園で見た虫です。



マンションの倉庫の壁にこんな羽アリが2,3匹いました。今頃珍しいなと思ったのですが、羽アリは以前、検索で挫折したので今回は採集はしませんでした。



これは公園に着く直前の壁に止まっていました。シロシタコバネナミシャクかなと思います。(追記2018/06/28:シロシタトビイロナミシャクだと思われます



公園に着いて、いつものようにツツジの葉を見ていきました。最近、このルリチュウレンジをよく見ます。じっと見ていると産卵している雰囲気なのですが、近づくとすぐに違う葉に移ってしまうので産卵の瞬間はなかなか撮れません。今度、頑張ってみます。



公園の広場は今年、草刈をしてくれなくて一面草ぼうぼうです。そこにヒメクダマキモドキが止まっていました。フラッシュをたいて撮ったら、まるで真夜中のような写真になりました。





こんな小さなハエがいました。写真を撮ってから採集しようかなと思って、写真を撮っていたら、いざ採集しようと思ったときには逃げられてしまいました。採集と撮影、なかなか両立しないですね。





パッと見てミズアブかなと思ったのですが、アメリカミズアブとは触角がかなり違います。「学研生物図鑑 昆虫III」をパラパラ見ていたら、ルリミズアブに似ています。ネットで調べてみるとどうやらそのようです。やはりミズアブの仲間だったようです。



ついでに翅脈に名前を付けてみました。MNDを参考につけたのですが、「大図鑑」風にするために、A1→CuP、A2→A1に変えてみました。合っているかどうか分かりませんが・・・。ミズアブの仲間は小さいながら中室(dm)があるのが特徴です。



桜の木の幹には相変わらずイダテンチャタテの幼虫がたくさんくっついています。たまに撮ってみようと思って撮ったら、なんだか翅が長くなっているみたいです。



こちらは10月1日に撮影したものですが、やはり翅が短いですね。見ない間に脱皮したのでしょうね。



最後はオオクモヘリカメムシでした。公園以外の虫は次回に回します。

家の近くのむし探検 カ、ハエ、ハチほか

家の近くのむし探検 第178弾

昨日の公園での虫探しの結果の続きです。





公園の中をうろうろしていたら、蚊が来てズボンに止まってしまいました。これは撮影のチャンスと思って、ズボンの生地からできるだけ足を離すように立って写しました。蚊の検索表はこちらのサイトに載っています。たぶん、ヤブカの仲間かなと思ったのですが、後で写真を見ると、うまい具合に後脚を伸ばしてくれていました。これで、後脚跗節第5節がよく見えます。ここが白いのでヤマトヤブカではないようです。さらに、胸背に白い筋があることなどから、ヒトスジシマカだと思うのですが、今度、ちゃんと検索をしてみます。



後は小さなハエです。よくよく見ると、後単眼剛毛が交差しているので、シマバエみたいです。それ以上は分かりません。



これはイエバエの仲間かな。



こちらはセグロカブラハバチかな。後姿だけど。



これはツマキリヨトウの仲間です。ムラサキ、ヒメ、コガタあたりで迷ってしまいました。これは♂なので、触角が曲がっています。この曲がり方から、ムラサキは除外できそうです。ヒメとコガタは翅縁の模様で決め、コガタツマキリヨトウになりました。



ドクガっぽい毛虫ですね。調べてみるとキドクガの幼虫でした。この間はチャドクガ、今回はキドクガとここのツツジにはドクガが次々出てきますね。





虫がいないので普段は撮らないチョウも撮りました。これはキタテハです。



それにツマグロヒョウモン



後はマミジロハエトリ



ニホンカナヘビでした。



花はちっとも咲いていないので、イタドリの種を撮りました。でも、種はどれだろう。中央の長細い部分かな。



公園から帰ってくると、マンションの廊下でハネカクシを見ました。そういえば、マンションの廊下ではハネカクシがいっぱいいましたね。

ススキの葉はなぜ切れる?

いつも「廊下のむし探検」や「家の近くのむし探検」ばかりしていたので、公園に行った帰りにススキの葉を一枚取ってきました。昔からよく知られているのだろうけど、ススキの葉でどうして手が切れるのか調べてみたかったのです。



顕微鏡で見てみると、案の定、葉の縁にはこんな鋸のような構造が付いていました。本当の鋸よりもずっと格好のよい形ですね。これは生物顕微鏡の対物レンズ10倍で撮ったものです。



趣味的に、もっと拡大してみました。対物レンズ40倍です。先端は透明で、中ほどは半透明で、まるでガラスか、プラスチックのようです。ススキなどのイネ科は土中からシリカを吸収するということですが、本当にシリカと思われるような構造です。それでも、手が切れるためには幅も狭くないといけません。それでこの歯を真上から見てみました。



これは対物レンズ20倍で撮ったものです。意外に幅がありますね。最大で58.5ミクロンです。それにしても、上から見ると本当に流線形ですね。先端が細くて、中ほどまではスムーズに広がり、後ろは逆に狭くなっています。こんな形だから手が切れるのかなぁ。



試しに剃刀の刃の先端も対物レンズ40倍で見てみました。こちらはべらぼうに狭いですね。幅はわずか1.9ミクロンしかありません。たぶん、ススキとは切り口がだいぶ違うでしょうね。

家の近くのむし探検 カメムシが多い

家の近くのむし探検 第177弾

今日の天気予報は、朝は雨、午前中は曇り、午後から晴れだったので、午後から出かけてみようかと思っていたら、午前中からいい天気になってしまいました。それで、午前中に家の近くの公園に行ってみました。でも、昼近くになると黒雲で覆われ、晴れたのは結局夕方になってからでした。およそ天気予報は当たりませんね。今日はカメムシが多かったです。



まずはマンションの廊下にいたオオトビサシガメです。



公園に着いたら、今度はホソヘリカメムシがいました。



そのすぐ近くにいたのはヒゲナガカメムシです。



そしたら、先日も見た外来(?)のカスミカメがまたまたいました。Mansoniella shihfanaeです。今年になってから、9/2、10/12とこれで3度目です。詳細はこちらを見てください。この種もマツヘリカメムシのようにだんだん増えてくるのでしょうか。(追記2018/06/02:立西さんから、「クスベニヒラタカスミカメ Mansoniella cinnamomiという種名で決着しているようです。あちこちで被害木を見かけますね。」というコメントをいただきました。この名で検索すると、「昆虫と自然」2016年の12月号にも載っていたようですね。貴重な情報、どうも有難うございました





こんなヨコバイが2匹いました。一瞬、以前見たフタスジトガリヨコバイかなと思いました。先日購入した「九州でよくみられるウンカ・ヨコバイ・キジラミ類図鑑」にはフタスジトガリヨコバイが載っていますが、頭部や胸部の模様が少し違っています。こうなるともうお手上げで、とりあえずフタスジトガリヨコバイでネット検索をしていたら、マダラヨコバイという名前が出てきました。こう書いてあるサイトは多いのですが、例によってその出典が分かりません。また、私が持っている図鑑のどれにも出ていません。そうしたら、ちゃんと文献を引用して解説してあるサイトもありました。その引用文献は次の論文です。

S. Kamiya, "The phylogeny of the genera in the tribes Deltocephalini, Paralimnini, and their allies (Homoptera: Cicadellidae: Deltocephalinae) ", ESAKIA 39, 65 (1999). (ここからpdfがダウンロードできます)

この論文は、ヨコバイ科ヨコバイ亜科のDeltocephaliniとParalimnini族の系統発生を個々の種の形質から調べていくという内容で、この中にはフタスジトガリヨコバイやマダラヨコバイ Psammotettix striatusも含まれていました。系統分類するためにさまざまな形質を調べているので、順番に見ていけばよいのですが、パラパラと図を見ていると、種によって翅脈が結構違っていることに気が付きました。とりあえず、それで調べてみることにしました。



これは翅の部分だけ抜き出した写真です。まだ、翅脈の名称を書き入れていなのですが、論文のマダラヨコバイの図と比較するとほとんど一致していて、黄矢印の部分の交点の位置がちょっと違っているだけです。ほかの種でこれほど似た種は見当たりません。若干違うところもあるのですが、マダラヨコバイの可能性が高くなってきました(なお、和名は九大のデータベースに載っていました)。今度翅脈の名称も入れておきます。



次はツヤアオカメムシです。秋も深まってくると、カメムシが多くなりますね。ほかの虫は次回に回します。

「公園の主」さんと公園で虫探しをしていたら、樹の枝を鳥がちょこちょこ動いています。





連写で何枚も撮ったのですが、まあ見れるのはこの2枚だけでした。眉斑の白い筋がずいぶん後ろまで伸びています。たぶん、ムシクイ類ですね。腹が黄色っぽく見えるので、メボソムシクイかもしれません。だとすれば、初めて見ました。

家の近くのむし探検 雑談(観察会と手作り図鑑)

以前からの因縁で、近くの里山を歩く自然観察会の講師を頼まれ、今日がその日です。先日、下見に行ったのですが、急に寒くなったせいか虫はほとんどいません。いたのは、チョウではキチョウ、ヤマトシジミくらい、トンボはマユタテアカネ、アキアカネ、オオアオイトトンボ、バッタはコバネイナゴ、ショウリョウバッタ、オンブバッタ・・・。2時間ほど歩き回ってこんな感じなので、とても虫観察とはいきません。それで、急遽、植物を中心にすることにしました。でも、植物はあまり詳しくないので、下見してからまるでテストの前日のように詰め込み勉強をしています。特に、キク科の○○ギクと木の実が分からない。代わりに、帰化植物は公園でよく見ていたせいか、結構、分かります。こんな状態で果たして講師が務まるのかはなはだ疑問です。(追記2016/10/15:昔の植物図鑑に載っている分類と今の分類が違うところもいちいち調べるのが大変です

この観察会は例年やっているのですが、これまでは時期がもう少し早かったので、赤とんぼを捕まえたり、樹液に集まる虫を見たりと、だいたいコースが決まっていました。しかも、参加者がむちゃくちゃ少ないので、気楽にできました。今年は時期が1か月ほどずれたので、こんなことになってしまいました。しかも、参加者が例年よりは多い・・・。今のところ、天気がよさそうなので、観察会の初めにちょっと里山の説明をして、その後、近くの広場で虫と花探しをします。その後、畑のあぜ道や川の近くを歩いて花を見て回るという趣向です。先日来、「家の近くのむし探検」の付録として撮ってきた植物、例えば、先日のセイタカアワダチソウの花の拡大写真や、「なにこれ生き物探検隊」で調べたひっつき虫の拡大写真などを見せながら説明していくつもりです。うまくいくかなぁ。とても心配です。

でも、今回の勉強でツリフネソウの花とハチとの関係とか、ハナバチの口器についてとか、ノブドウの実が虫えいだったとか、しかも、そこにくるタマバエは夏と冬で宿主となる植物を変えるとか、花と虫との関係が少し分かって面白くなってきました。観察会はうまくいかなくても、自分の勉強になったからいいか。

次は自分用の手作り図鑑の話題です。虫の名前調べをしながら、少しずつそれを図鑑形式にしているのですが、なかなか原型が決まらなくて試行錯誤を繰り返していました。その結果、このブログの記事をもとに説明を加えていけばよいのではと思って、今はその見本作りをしています。このブログでは、名前調べに如何に苦労したかとか、皆さんにいろいろと教えてもらったり、文献を調べてみたり、顕微鏡で細部を見ながら勉強してみたりといろいろなことをやっています。それらが書かれている方が後で自分が見るときには役に立つし、仮にほかの方が見られたときも普通の図鑑のように鵜呑みにしなくて、怪しいなと思って見られるのでかえってよいのではと思うようになりました。図鑑は基本的に紙版を考えているのですが、Web版もできないかと思って、先日、PDF Mate PDF converterというフリーソフトを試してみました。それで作ったカワゲラ目の部分をこのブログの付録ホームページに載せてみました(こちらから見られます)。



図鑑の中の一部をpdfにして、それを変換したので、こんな感じの表紙になっています。ページを変えていく部分はソフトが勝手に作ってくれるので大変便利です。Web版にしていいところは、紙版の図鑑では図の拡大ができないのですが、それができるというところです。このソフトではpdfのページを丸ごとjpgに直してしまうので、個々の図が拡大できないところがちょっと不満ですが、まあ、ページごと拡大できるのでよいかなとも思っています。こんなものが、カゲロウ目、トビケラ目、ハエ目ヤドリバエ科・・・とできつつあります。果たして役に立つものかどうかは分かりませんが・・・。

家の近くのむし探検 ハエ、ハチ、クモなど

家の近くのむし探検 第176弾

一昨日、公園で見た虫の続きです。



虫が少なくなっても、ハエやハチを探すと結構いろいろな種類が見られます。まぁ、マンションの廊下で見ていた時もそうでしたね。冬になるとハエばかり撮っていましたから。これはハナアブです。図鑑や「ハナアブの世界」のハナアブ写真集を見てもぴったりとくるのは見つからなかったのですが、なんとなく見覚えがあって、アシブトハナアブ♀かなと思いました。ネットで調べてみると、「一寸のハエにも五分の大和魂・改」の記事に似た種が出されていて、やはりアシブトハナアブの♀になっていました。でも、過去の記録を調べてみても同じような模様の種は見ていませんでした。どこで見たのだろう。



これと似た種はこれまで何度か見ていて、一度、シワバネキノコバエだと教えていただいたことがありました。でも、「日本昆虫目録第8巻」を見ても和名索引には出ていません。それで、また、ネットで検索をしてみると、「一寸のハエにも五分の大和魂・改」の記事に詳しい説明が出ていました。それによると、この種はキノコバエ科(ナミキノコバエ科)のAllactoneuraの一種だそうです。それで、再び「日本昆虫目録第8巻」を見ると、akasakana一種だけが載っているので、これで決まりかなと思ったのですが、先の記事を見るとなかなか複雑なようです。要は東京から記載されたakasakanaと、台湾で記載されたformosana(この中にも何種か含まれる可能性がある)の交尾器と比較しないとなんとも言えないとのことです。そこで、とりあえず、akasakanaの記載論文を調べてみました。

M. Sasakawa, "Fungus Gnats,Lauxaniid and Agromyzid Flies(Diptera)of the Imperial Palace,the Akasaka Imperial Gardens and the Tokiwamatsu lmperial Villa,Tokyo", Mem. Natn. Sci. Mus. Tokyo (39)273 (2005). (ここからダウンロードできます)

この論文の中にakasakanaの特徴はいろいろと書かれているのですが、ポイントがどこだか分かりません。Remarksを読むと、結局、♂交尾器が特徴的というような感じです。最低、採集しないと無理なようです。ところで、「原色昆虫大図鑑III」にはジャワから記載されたcinctaにシワバネキノコバエという和名が与えられ、詳細な説明も載っていました。この辺りの事情についても上の記事に載っていました。したがって、今のところakasakanaには和名なしということになっています。結局、Allactoneuraの一種というのが一番適当な呼び名みたいです。いつもながら、ややこしいですね。



これはアシナガバエの仲間で先日来何度か見ています。翅脈のM1(M1+2)が前側に大きく曲がって翅縁に達するという特徴から、田悟敏弘、「関東地方にて採集したアシナガバエ科の記録」、はなあぶ 30-2, 1 (2010)の翅脈の写真と比較すると、Amblyosilopusであることは確かそうです。さらに、論文に載っているsp. 1とsp. 2の翅脈とは特に似ています。ただ、sp. 2は脚の色が異なるので違いそうですが、、sp. 1は前脚跗節や腿節の刺毛を見ないといけないので、この写真でははっきりしません。やはりこれも採集が必要みたいです。ハエはどれも難しいですね。



これは名前が分かります。クチナガハリバエですね。



これはイエバエの仲間かな。



それにヒサマツムシヒキかなと思っている種。最近、よく見ます。



このユスリカは♀ですね。♂だったら採集してくるのですけど・・・。





こんなハバチがたくさんいました。胸背が橙黄色なので、たぶん、イヌノフグリハバチか、ニホンカブラハバチですね。イヌノフグリハバチは脛節が全面的に黒いのですが、これは背面だけなので、たぶん、ニホンカブラハバチの方かなと思います。



ハチの写真は撮るのですが、なんだかさっぱりわかりません。こんな写真がどんどんたまってきます。



後はネコハエトリ



これはコガネグモの幼体?隠れ帯が面白いので撮りました。



こちらはもっと小さいクモ。



毛虫がアリにつかまっていました。糸が見えるので、繭にでもなろうとしていたときなのでしょうか。毛虫の名前は分からないのですが、アリは以前調べたハリブトシリアゲアリかもしれません。





最後はニホントカゲでした。

家の近くのむし探検 カメムシ、バッタ、蛾

家の近くのむし探検 第175弾

外出ばかりしていたので、手元にネタがなくなってしまいました。それで、昨日、急きょ近くの公園にネタ探しにいってきました。公園に着いて、最初パッと見わたすと虫はほとんどいなかったのですが、その後、ツツジの植え込み、木の幹を何度も見直したら結構虫は見つかりました。結局、2時間も公園で頑張っていたことになりますが・・・。



で、最初は公園ではなくて、マンションの廊下で見つけた虫です。変わった格好ですが、この特徴的な姿は以前にも見たことありました。今年の9月2日に家の中で見つけて、9月6日のブログに書いていました。その時はだいぶ調べて随分詳しく書いていたので、詳細はそちらに譲りますが、要はMansoniella shihfanaeという「原色日本カメムシ図鑑」には載っていないカスミカメの外来種(?)だということです。台湾で初めて記載されたのですが、その論文で学名の綴りが間違っていて、二つの学名が使われるなどややこしい話がありました。日本では昨年の秋ぐらいから見つけたという記録がぽつぽつとネット上に載っています。(追記2018/06/02:立西さんから、「クスベニヒラタカスミカメ Mansoniella cinnamomiという種名で決着しているようです。あちこちで被害木を見かけますね。」というコメントをいただきました。この名で検索すると、「昆虫と自然」2016年の12月号にも載っていたようですね。貴重な情報、どうも有難うございました



これは定番のクサギカメムシ。普段は写真を撮っても載せないのですが、結構、うまく撮れたので載せておきます。



これもカメムシの仲間で、ツツジグンバイというグンバイムシの仲間です。小さいので見過ごしがちなのですが、あまりにも虫がいないので、小さな虫も見逃さないぞと思って探していたら見つかりました。



ササキリの仲間ですが、いつも見るササキリやホシササキリとは雰囲気が違っています。「バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑」をしげしげ眺めていて、結局、コバネササキリの長翅型かなと思って、過去の記録を見直すと今年の8月31日にマンションの廊下で見つけていました。この時の記事を読むと、コバネには「後腿節下縁の外側に3~4本の棘がある」という特徴が書かれていました。知っていれば、後腿節をちゃんと写したのですが、頭にばかりピントを合わせたので、どれもピントが合っていません。



やっと一枚だけ辛うじて見える写真がありました。確かに4本ほど刺があります。コバネのときは後腿節と覚えていなければいけないのですが、そもそもコバネ自体も忘れているので、とても無理です。ともかく、いろいろな部位を写しておかなければなりませんね。



次からは蛾です。これはウコンカギバか、ヒメウコンカギバかわからないのでいつも?付きの蛾です。綺麗なので、ちゃんと名前で呼んであげたいと思うのですが・・・。



翅が薄黄色く、しっぽが長いので、たぶん、ウスキツバメエダシャクだと思います。確か、顔の色を見ればよかったのですね。葉に隠れて顔が見えない・・・。



マエグロシラオビアカガネヨトウです。あまりに名前が長いので、どうしても覚えられません。いつも「マエグロ」だけ思い出すので、これで過去のファイル名を検索して名前を探しています。



ナミテンアツバ



後はマンションで、シロオビノメイガ



マエアカスカシノメイガ



チャドクガです。「大図鑑」によると、第1化(7月上旬)は♀が黄色、♂は黒褐色なので見るとすぐに♂♀の違いが分かるのですが、第2化(10月上旬から中旬)は♂♀ともに雌型になるとのことで、これはどちらでしょうね。いずれにしても要注意の毒蛾です。



これはケブカチビナミシャクです。



最後は植物で、この写真はセイタカアワダチソウの花を拡大したものです。中央の花に突起のようのものがありそこから脚が何本か出ています。この奇妙な構造を調べるために、「野に咲く花」やネットをいろいろと探してみました。どうやら、この突起は筒状花で、脚が生えているように見えるのは雄蕊でお互いに先が融着して筒状になっているようです。この隙間から雌蕊が伸びてくると書かれていました。なお、周辺の細い花びらがある部分が舌状花でこちらは雌蕊だけを持つ雌花だそうです。植物の世界も拡大すると、知らないことばかりですね。

外出先で見たシマハナアブの仲間

連休中、あちこちをぶらぶらしていて、ブログに出す材料がなくなってしまいました。それで、外出先で見た虫をちょっと調べてみました。場所は京都の西にある亀岡です。





虫の撮影が目的ではなかったのでいい加減に撮ってしまったのですが、こんなシマハナアブの仲間です。この2匹、同一個体かどうかも分かりません。以前から、シマハナアブには近似種がいて分かりにくいというコメントをいただいていたので、これらの写真を使って少し調べてみました。

ハナアブの検索表は次の連載論文に載っています。

大石久志、「ルーペで調べる身近な縞模様のハナアブの見分け方」、昆虫と自然 31, 42 (1996)~35, 33 (2000).

この論文に載っている検索表は絵解きなので大変分かりやすいのですが、「身近な」というところにちょっと引っかかることがあります。それでも、とにかくこの検索表を使って上の写真の個体を調べると、シマハナアブ辺りには到達します。検索表のその部分を抜き出すと次のようになります。



いつも間違える「肩」、それに翅脈、触角、複眼、胸背を見ると、シマハナアブかキョウコシマハナアブかというところに到達します。



その部分の写真を載せておきます。まず、①の肩ですが、図の矢印で示している部分だと思われます。今回は間違いないでしょう。ここには確かに毛が生えています。②はM1脈が一旦翅縁に向かって折れ曲がり、再び基部に向かうかどうかですが、②に示すようにそんなことはありません。③はR4+5脈が強く曲がるということを示しています。⑤についてはR2+3脈がR1脈に合流するため、R1脈の下に閉じたR1室ができているかどうかですが、⑤で示すようにR1室は閉じています。⑥の胸背はこの写真ではよく分かりませんが、上の写真を見ると、毛が生えていて光沢がないというのは分かります。これでEristalis属になります。(追記2016/10/12:後から見たら、CuA1とCuA2の翅脈。これはMNDを見て名前を入れたので、「大図鑑」風に書くと、それぞれM3+4とCuAと書いた方がよいかもしれません。もう少し検討して、その方がよいのなら書き直しておきます。CuPとA1は「大図鑑」風に書き直していたのですけど・・・)(追記2016/10/13:やはり気になるので、翅脈の名称を直しておきます。CuA1→M3+4、CuA2→CuA。ただ、文献に載っていないので、あっているかどうかが確かめられません



次は触角ですが、④の触角は短く、丸い第3節の基部付近から刺毛が伸びていることが分かります。複眼には斑点も筋もありません。ナミハナアブは複眼に筋が入るようです。ホシメハナアブやキゴシハナアブは複眼に斑点が入ります。ホシメは見たことがないのですが、キゴシはよく見るハナアブです。

それで、最後の⑧になりました。この写真の個体は左右の複眼が離れているので、ともに♀です。そうすると、前脛節の長毛列を見ないといけません。「一寸のハエにも五分の大和魂・改」の掲示板ではその部分が写真付きで説明されていました。それを見ると、比較的長い毛が立っているとシマハナアブ、やや短い毛が寝ているとキョウコシマハナアブのようです。この掲示板の写真はよく分かります。ところで、上の写真を見ると、⑧で示すように微かに毛は見えています。なんとなく立っているような気もしますが・・・、うーん、よく分かりませんね。もう少しまじめに撮れば良かった。でも、どこを撮れば良いのか分かったのが収穫かな。

ところで、シマハナアブもキョウコシマハナアブもともにEristalis属Eoseristalis亜属に入っています。この亜属で本州に生息する種を「日本昆虫目録第8巻」(2014)で拾ってみると、

arbustorum シマクロハナアブ(ハナアブモドキ)
cerealis シマハナアブ
japonica スルスミシマハナアブ
katoi カトウシマハナアブ
kyokoe キョウコシマハナアブ

の5種になります。この5種はいずれも「ハナアブの世界」のハナアブ写真集に♂♀の標本写真が載っています。一見すると、どれもよく似ています。また、シマハナアブとハナアブモドキ、それにキョウコシマハナアブは「大図鑑III」にも説明が載っています。少し検討しておくと、今度見たときに何を撮ればよいのかわかるかもしれません。

家の近くのむし探検 ハエ、バッタなど

家の近くのむし探検 第174弾

一昨日の家の近くの公園での虫探しの結果です。



マメノメイガです。葉裏に止まっているのですが、前脚を突っ張るようにして止まるので、ちっとも隠れていません。蛾はもっといるのですが、いずれも葉裏に止まっているので何がいるのか分かりません。



虫が少ないので、少しハエも写してみました。これはいつもいる小さなアシナガバエですね。



今日はちょっと翅脈を見てみました。アシナガバエの仲間はM1+2と書かれた脈が途中で湾曲したり、屈曲したりと変化するところが特徴です。この個体では白矢印のところがほんの僅かだけ曲がっています。また、M1+2とM3+4を結ぶm-m横脈の位置や角度、形状も参考になります。この写真では白矢印で示したのですが、うっすらしていてよく見えません。むしろ、下の翅の翅脈の方がよく見えています。これらを手掛かりに、田悟氏の「はなあぶ」 No. 30-2, 1 (2010)の翅脈の写真と比べてみると、Syntormon属あたりが似ている感じですが、よくは分かりません。アシナガバエは以前、もう少し分かりやすい種で属までの検索をして、後は田悟氏の論文や他の論文に書かれた記述と比較したのですが、どうも一致しないところがいくつかあって種の同定の段階で行き詰ってしまいました。来年の課題ですね。



次はこのハエ。たぶん、イエバエかなと思いました。



暇なので、これも翅脈を見てみました。イエバエの翅脈の特徴は、この写真のようにM1+2が真直ぐに翅縁に達する種があること(曲がる種もあります)、CuA+CuPが翅縁にまで達しないこと、CuA+CuPとA1の延長線が翅縁に達するまでに交わらないことでした。イエバエの仲間も篠永氏の「日本のイエバエ科」を手に入れて、調べてみたのですが、たいがい亜科の検索でつまづきます。それで、MNDで属までの検索をして、見当をつけてからもう一度調べ直すという二度手間が必要なので、最近はちょっと敬遠気味です。これも来年の課題かなぁ。



次はムシヒキです。今年は野外で観察したためか、いろいろなムシヒキを見ることができました。ただ、これも情報が少なくて、唯一、ムシヒキアブ図鑑が頼りというところが少し弱い感じがします。



この個体は♂なので、腹部末端を拡大してみました。先ほどのムシヒキアブ図鑑と比較すると、ヒサマツムシヒキに似ている感じです。ハエ目の名前調べは今年、だいぶ進んだのですが、どの科も先が壁に突き当たっている感じです。



バッタではツチイナゴがいました。これは越冬するバッタですね。



それにオンブバッタ



それにマダラスズ。どれも常連さんですね。





ツツジの葉の間を2匹のハチがうろうろしていました。なかなか止まってくれないので、何か分からなかったのですが、これはやっと止まってくれた時の写真です。シダクロスズメバチでした。何をしているのだろう。



桜の木には1-2mmほどのイダテンチャタテの幼虫が相変わらずいっぱいです。



この日はリバースレンズと接写リングの組み合わせを持っていっていたので、ちょっと倍率を上げて写してみました。何枚も写したのですが、ほとんどピントが合いません。やっと合ったのがこの写真です。やはり手持ちでは無理なのかなぁ。



ジョロウグモがカメムシを捕まえていました。今頃はジョロウグモだらけですね。



その周囲を見ると小さな♂グモが3匹もいました(白矢印)。



最後はマンションの廊下で見たハムシです。前胸背の横溝が中心が太くて縁まで達していない感じです。この間チョウジタデにいたカミナリハムシに似ています。これかなぁ。

公園では本当に虫を見なくなりました。マンションの廊下で見ていた時は10月といえばまだまだいたのに・・・。昨年の10月9日の記録を見てみると、エゾギクトリバ、ギンモンシロウワバ、ゴマダラキコケガ、ヒメウコンエダシャク、ヒロバウスアオエダシャク、ニレキリガなど蛾だけで14種、それにクサカゲロウやチャタテもいたし・・・、とちょっと懐かしくなってきました。そろそろ廊下に戻ろうかなぁ。

虫を調べる オオニジゴミムシダマシ?

先日、マンションの廊下で見つけたニジゴミムシダマシを一度調べてやろうと思って採集してきました。



これは10月5日に採集した個体ですが、その前に見た



この個体と同一だと思います。この写真を見た後、近くでうろうろしていたので。いずれにしても虹色に綺麗に光っています。こんな個体を見ると、いつもナガニジゴミムシダマシかなと思っていたのですが、「原色日本甲虫図鑑III」で見ると、他にもいろいろといます。まず、ナガニジと同属のホソナガ、フトナガ、オオナガでこれらはいずれもCeropria属です。さらに、オオニジゴミムシダマシはEuhemicera属になるのですが、外見はよく似ています。さらに、これらはいずれも本州に分布しているので、どうやって区別がつけたらいいのか分かりません。



まずは大きさです。体長は11.0㎜。オオニジは8-11mm、ナガニジの仲間は10-13.5mm程度と大きさもほぼ一致しています。そこで、顕微鏡を使って各部を観察しながら写真を撮ってみました。そうしたら、どうも触角の形状がナガニジとは違います。どうやらこれはナガニジの含まれるCeropria属ではなくて、Euhemicera属のオオニジの方だと分かりました。それで、手元の図鑑でオオニジの特徴を見ながら、この個体を調べていくことにしました。同定が間違っているかもしれませんが・・・。



オオニジゴミムシダマシは手元の図鑑では「原色日本甲虫図鑑III」と「原色昆虫大図鑑II」に載っていました。図鑑の説明を部位別に分けて書いてみました。だいたいは同じことが書いてあるのですが、色の表現がかなり違うのとお互いに書かれていないこともあるので、相補的に読んでいくとよいみたいです。

まず、全般の体長と虹色あるいは金属色で彩られるというのはその通りです。次は頭部です。この中で、複眼前縁間に頭盾会合線(あるいは横溝)があるということが書かれています。そこで、顔を見てみます。



確かに複眼の前縁に横に走るくっきりした溝が見えます。その下がおそらく頭盾なのでしょう。頭盾が狭く、前縁が裁断状というのもなんとなく分かります。頭盾の下に見えている黄褐色の部分が上唇かなと思ったのですが、自信がないので書き入れませんでした。点刻については「やや密」と書かれていますが、相対的なものなので、なんとも言えません。



次は触角です。甲虫の触角は基本的に11節なのですが、これも例にもれず11節でした。第6節あたりから徐々に横幅が広がっていきます。上の記述では「第7節から強く広がる」になっていたので、ちょっと疑問に思いました。そこで、ナガニジの方の記述も見てみると、第4節から幅広い偏形逆三角形と書かれています。この個体は第4節ではないことは確かです。また、形も逆三角形というよりは逆向いた台形みたいです。これがナガニジではないなと思ったところでした。たぶん、図鑑に「第7節から強く広がる」の「強く」をどの程度からそう思うのかという主観が入った書き方なのではと思いました。



次は前胸背板です。両方の図鑑とも、中央両側に眼状紋様のものがあると書かれているのですが、これがなかなか分かりませんでした。ずっと観察していて、上の黒っぽく見える部分を指すのではと思いました。この部分が片方の図鑑では金色、もう片方は紫色。まったく違います。ここでは「大図鑑」に書かれているように紫色に近い感じです。その周囲を緑青、金、赤紫、緑青に光るというのは、そう言われればそのように見えます。中央下に黒く写っている部分がありますが、リング照明の中央の光がない部分がこのように写ってしまったようです。



次は前胸背側縁部についてです。前胸背の端を見ると縁がめくれあがっているところが見えます(①で示す部分)。これが「上反する」というのに対応しているのだと思います。さらに、「圧せられる」というのは②で示すように上が潰れたようになっていることを表現しているのではと思いました。



次は翅についてです。実は、特徴に書かれているような「モザイク模様」、「屈曲した横帯状」を見るためには単純に照らしただけではよく分かりません。これは昔ブログに書いたように、虫の周りにトレーシングペーパを筒状にして置き、そのトレーシングペーパに向かって照明を与えたときの写真です。こうすると照明が拡散光になるので、光る模様がよく見えます。照明は一方向から与えても、リング照明であっても大丈夫です。この写真を見ると、屈曲した横帯状というのがよく分かります。



これは上翅全体が見えるように写したものです。なかなか面白い模様があります。手元にナガニジの標本がないので比べられないのですが、この模様を比べると違いが分かるかもしれません。



これは上翅を拡大してみたところですが、「条溝は細いが強く印刻され」というのはこの写真を見るとよく分かります。条溝内での点刻の位置を一番左の条溝について矢印で示しました。「点刻は条溝内では小さく疎、間室ではより密に装う」という表現はなんとなく分かります。例えば、オオナガニジでは溝がなくて、点刻が並んで列をなしているので、これとは全く違います。この条溝と間室だけを見ても種による違いが分かりそうです。いろいろと標本を比べられるとよいのですけど・・・。

これで特徴はすべて確認されたことになり、たぶん、オオニジゴミムシダマシでよいのだと思いますが、ネットで文献を探すと、「これまで同定の最も困難なグループの一つであったオオニジゴミムシダマシなどが含まれる近縁属」というような表現が見られ、もう少しややこしい話があるのかもしれません。ただし、当の論文が手に入らないのでここまでです。なお、学名がEuhemicera pulchraになっていたり、Hemicera zigzagaと書かれているサイトがありました。上記の図鑑はいずれも前者の方なのですが、九大のデータベースでは後者です。京都府自然環境目録では後者から前者に変更になったとかかれているのですが、この辺の事情が書かれた文献は見つかりませんでした。

ニジゴミムシダマシの色は虹色なので、CDの色と同じなのだろうと思っていたのですが、どうやら違うようです。CDの色は見る方向で色が顕著に変化していくのですが、ニジゴミムシダマシの色は場所に固定された色みたいで見る方向でほとんど変わらないようです。とすると、鉄などの金属を熱したときに表面に見える色と似ているような気もします。鉄は金属の上に極めて薄い酸化膜ができて発色しているのですが、昆虫はまさか金属はないと思うので、黒いメラニン色素層の上に薄い層ができたためかもしれません。虹色と言いながら、緑と紫が強いのも気になります。面白そうな現象ですけど、よくは分かりません。

家の近くのむし探検 ハエ、蛾、クモ

家の近くのむし探検 第173弾

昨日の続きで、10月4日に林の入り口、川の土手、畑の中と散漫に歩いて見つけたむしたちです。歩くのは楽しいですが、どうも歩く方に熱が入り、虫への注意力や集中力がなくなってしまいます。それで、なかなか虫が見つからないし、写真もどれもいまいちでした。それでも、とりあえず、記録のために出しておきます。



今回の最初はこのハエです。頭部が何か変な感じなので、一応、採集してきました。ただ、まだ検索はしていなくて冷凍庫の中です。頭頂がやけに広いですが、額嚢溝や半月瘤はありそうです。



翅脈も見てみたのですが、あまり特徴がありません。Sc切目はなさそう、ScとR1は接近、R4+5とM1+2はほぼ平行など。今度検索をしてみようと思っていますが、うまくいくかなぁ。(追記2017/01/22:冷凍庫の中でだいぶ乾燥していたのですが、検索をしてみました。イエバエ科トゲアシイエバエ亜科クキイエバエ属あたりになりそうですが、種の検索はまだうまくいっていません





翅にこんな模様があるので、たぶん、ミバエだろうと思って、図鑑をいろいろと探したのですが、同じ模様が見つかりません。大阪府立大学ハーモニー博物館の学術資料(昆虫)にミバエのタイプ標本69種の写真が載っているので、これも一つずつ見ていきました。結局、よく分かりませんでした。(追記2018/01/25:Spathulina acroleuca (Schiner,1868) ネッタイヒメクロミバエだと分かりました。詳しくはこちらを見てください)



後は花に来ていたハエです。ツマグロキンバエ



ニセケバエの仲間だと思われます。写真がうまく撮れなかった・・・。先日は採集してきて、MNDに載っている検索表を用いて翅脈だけからいろいろと検索してみたのですが、Coboldia属かもというところまでで挫折。その際、ニセケバエは未開拓で数十の未記載種がいるというコメントまでいただき、ちょっとがっかりしています。今回は写真だけです。



これも小さなハエなのですが、何だろう。採集はしませんでした。



さすがに歩いていると蛾はほとんど見つかりませんね。これは街灯の柱にとまっていたウチジロマイマイです。



クモはヤミイロカニグモ



先日も見たコガネグモダマシでした。

後は雑談。

以前から手作り図鑑を作ってきたのですが、なかなか進みません。写真と名前だけを載せた図鑑だと、後から見たときに自分がどうやって名前を決めたのかが分からないし、他の人が見た時にそのまま信じてしまうのも怖いし、なんとかその辺りを書き加えたものができないかなぁと思って試行錯誤していたのですが、結局、このブログに基づいた図鑑にしようと思っています。このブログでは、図鑑との絵合わせで決めたり、ネットで探して決めたり、検索をして決めたり、コメントをいただいて決めたりといろいろな方法で名前を調べたその経緯が書かれているので、それを説明として加えれば、上で書いたような問題は起こらないかなと思っています。さらには、顕微鏡を使って虫を調べたり、検索をした内容も付録として載せる。題して、「ブログから生まれた素人の図鑑 廊下のむし探検」です。

この方針で、カワゲラ目、カゲロウ目、トビケラ目、ハエ目ヤドリバエ科などはだいたい出来上がりました。カメムシ目、ハチ目アリ科、スズメバチ科などももうすぐできると思います。でも、まだまだ先が長い・・・。こうなるとネットで公開しても何ら差し支えないので、できたものからホームページに載せようかと思ったのですが、レンタルサーバーを使っているので、ファイルの最大サイズが3MBというところで引っかかってまだ公開に至っていません。そのうち、何とかしたいと思います。

家の近くのむし探検 カメムシ、甲虫

家の近くのむし探検 第172弾

3日前にいつも行っている林の入り口の道を覗いてみました。さすがに、今頃はほとんど何もいません。それで、ちょっと川の土手にも行っていました。ヒメジョオンの花にカメムシがいたりしたのですが、それでもあまり虫はいません。ついでだからと、畑のあぜ道も歩いてみました。





今日はまずカスミカメムシからです。眼が白くて何だか不思議な感じですが、これはウスモンミドリカスミカメだと思います。ヒメジョオンの花にはよくいます。



隣の葉をちらっと見ると、これもよく見るヒメナガカメムシです。



で、その横をちらっと見ると、こちらは見かけないカスミカメムシです。全身に黒い点が散布されていて特徴があるので、すぐに名前が分かるかなと思ったのですが、意外に苦戦しました。「日本原色カメムシ図鑑第2巻」を見ると、ミドリスケバチビメクラガメ改め、ミナミスケバチビカスミカメと書かれている種と似ているのですが、これは小笠原母島で見つかって、その後、南西諸島、旧世界の熱帯~亜熱帯、ヨーロッパ南部に分布することが分かった種のようで、本州での記録がありません。ネットで見てもまったく引っかかりません。たぶん、違うのでしょうね。(追記2017/11/25:和名が間違っていたので訂正しておきました。「日本昆虫目録第4巻」(2016)によると、兵庫県にも記録があるようです。一応、この名前を留保しておきます





次はこの5齢幼虫。ブチヒゲカメムシの幼虫かなと思ったのですが、こんな色で、こんなに毛深かったかなぁ。これも違うかもしれません。幼虫というと図鑑に載っていなくて困ってしまいます。



ついでに各部の名称を調べてみようと思って、「図説カメムシの卵と幼虫」という本の図と対応させながら名前を付けてみました。5齢幼虫になると、体の両側に垂れ下がってくるような突起を前翅包と呼ぶんですね。初めて知りました。そのすぐ脇に後翅包があるみたいです。言われないと気が付かないですね。また、幼虫時代は腹背に臭腺があるのですが、それを腹背盤または臭腺盤と呼ぶようです。いろいろ勉強になりましたが、肝心の名前がはっきりしません。



次は甲虫。これは林の入り口にいたアクロバット中のケナガスグリゾウムシです。何をしようとしているのかというと、草の先端近くまで歩いてきたのですが、そこにカメラがあったので、慌てて後戻りをしようとしているところです。



ヒメジョオンの葉の隙間にいたのはヒメカメノコテントウです。



休耕田に生えていたチョウジタデに随分虫食いがあるなと思って周囲を探してみると、やはり犯人がいました。





前胸背に横溝が入っているので、カミナリハムシの仲間ですね。この間いたのがスジカミナリハムシですが、「原色日本甲虫図鑑IV」を見ると、食草はヤナギだそうです。カミナリハムシは真っ先にチョウジタデが書かれていました。きっとこれですね。スジカミナリとどこが違うのかよく分かりませんが・・・。



最後はキノコです。土手にこんなキノコが1本だけ、にょきっと生えていました。山渓の「日本のきのこ」を見ると、スッポンタケ科のキツネノロウソク、キツネノタイマツあたりが近い感じです。でも、どこを見たらよいのか、どこが違うのかがよく分かりません。それで、昔、学生時分に古本屋で買った「原色日本菌類図鑑」、「続原色日本菌類図鑑」を取り出して見てみました。今頃役立つとは思わなかった・・・。何でも買っておくものですね。前者にはキツネノロウソクが、後者にはキツネノタイマツが載っていました。両者は属が違います。キツネノロウソクはキツネノロウソク(Mutinus)属、キツネノタイマツはスッポンタケ(Phallus)属。「続原色日本菌類図鑑」にはスッポンタケ科の属への検索表が載っていました。検索表を見てみると、Mutinusは傘を作らないというグループに、Phallusは胴の先端に鐘状の傘をつけるというグループに入っていました。先端の黒い部分が柄に密着して傘になっていないのがMutinus、柄から離れて傘のようになっているのがPhallusという区別でよいのかな。だとすると、これは柄から離れていて傘のようになっているのでキツネノタイマツになるのですが、それでよいのかなぁ。

追記2016/11/24:ささきさんから、「キツネノタイマツだと思います。属名はPhallusということになりますが、PhallusとMutinusの扱いは人によって考え方に違いがあるようで、キツネノタイマツにMutinusを充てる人もいるようです。何をもって属レベルの差とするかは考え方次第みたいなところがあって混沌とするのはキノコも昆虫も同じですね。極端なことを言ってしまえば、すべての生物は1属1種になってしまいますから…。オサムシなんかは典型で、ある人はマイマイカブリもオオオサムシもセアカオサムシも全部まとめてCarabusにしているぐらいですから。こういった問題に普遍的なルールを作るのはおそらく不可能で、要は各人が「種とは、属とは何か」ということについて確固とした見方をもっておくしかないのでしょう。話がそれてしまいましたが、ロウソクにしてもタイマツにしても、キノコには詩情あふれる名前があって楽しいですね。」というコメントをいただきました。コメント、どうも有難うございました。キツネノタイマツで合っていそうですか。それはよかった。キノコの名前調べ第1号になりました。それにしても、分類は虫同様ややこしそうですね。深入りしていくと、さらに、悩みを増やしてしまいそうですね

この日はあちこち歩いてみたのですが、歩くと景色が変わって面白いのですが、やはり、ひとところでじっくり見た方が虫探しにはよさそうですね。まぁ、それでも健康のためには歩いた方がよいでしょうけど。

家の近くのむし探検 甲虫など

家の近くのむし探検 第171弾

4日前にマンションの地下駐車場にコウモリガの卵を撮影に行ったのですが、その時に、廊下にいた虫を何匹か写していました。一応、記録などで載せておきます。



こういう色のハムシは苦手ですね。でも、これは中胸背の後半部分に側縁に達する横溝があるので、スジカミナミハムシではないかと思います。



次はこれ。ニジゴミムシダマシの仲間です。虹色に光って綺麗なのですが、以前から名前調べがなかなかできなかった虫です。今回はこの機会にちょっと頑張ってみようと思って、昨日まだうろうろしていた個体を採集してきました。体長は約11mm。昨日の晩と今朝、しげしげ眺めているのですが、なかなか断言できなくて弱っています。「原色日本昆虫図鑑III」を見ると、こんな格好で虹色に光る種にはCeropria、Tetraphyllus、Euhemicera属などがありますが、触角を見るとかなり鋸歯が大きいので、たぶん、Ceropria属かなと思いました。九大の日本産昆虫目録データペースを見ると、Ceropria属には4種、ナガ、フトナガ、ホソナガ、オオナガがいます。いずれも、「原色日本昆虫図鑑III」や「原色昆虫大図鑑II」には説明が出ているので、何とかなるかなと思ったのですが、意外に苦戦しています。とりあえず、複眼間に縦溝がないので、フトナガとオオナガを除外して、後はナガとホソナガが残りました。今のところ、一応、ナガニジゴミムシダマシかなと思っているのですが、まだ、よくは分かりません。また、後日まとめてブログに出してみます。(追記2016/10/08:触角を調べていたら気が付きました。どうやらHemicera属のオオニジゴミムシダマシだったようです



後はこの間からたくさんいるケブカカスミカメ



それから、玄関の硝子戸の高いところに止まっていたハエトリです。思いっきり手を伸ばして、えいやっと撮影しました。チャスジハエトリみたいですね。



最後はコウモリガの卵を撮影した帰りに見つけました。1-2㎜の小さな虫が消防ホースが入った箱の上をうろうろしています。ちょっと止まってはまたうろうろ。ちっとも落ち着きません。オートフォーカスとマニュアルフォーカスで何度撮ってもピントが合いません。2-30枚撮っていい加減嫌になったころ、これもえいやっと思って撮ったらまあまあ姿が見えました。チャタテムシですね。しかも、翅の縁紋が四角形になっているので、ウスイロチャタテ科は間違いないところ。色からはクリイロチャタテかなと思ったのですが、撮影でくたびれて採集する気分にはなりませんでした。

家の近くのむし探検 イダテンチャタテ幼虫ほか

家の近くのむし探検 第170弾

10月1日に公園で見つけた虫は結構多かったので、3回に分けて出してしまいました。その後、雨が多かったし、ちょうどよかったのですけど・・・。





今日の最初はこの奇妙な虫です。実はこれはイダテンチャタテというチャタテムシの仲間の幼虫です。以前、12月とか1月の真冬に散歩で家の近くの公園に行ったことがあるのですが、その時、何かいないかなと探していたら、桜の木の幹にこの虫の成虫がいました。



その時の写真を載せておきます。これは2014年1月11日に撮った写真ですが、初めて見たときは宇宙から来た生き物ではないかと思いました。なんと、眼が四つもある?でも、調べてみたら、イダテンチャタテという比較的最近記載された種であることが分かりました。眼は両端の二つで、中央の二つは模様。その後、この夏に同じ木で再び成虫を見つけ、今は小さな幼虫を見たことになります。



幹にスケールのついたテープを貼って、大きさを測ったみました。この個体の体長は1.7mmでした。



この時、ふと見ると、周りにいっぱいいるのに気が付きました。写真に撮って矢印で示していますが、この画面だけでも9匹もいます。大きさは結構まちまちです。これが冬に成虫になるのでしょうね。とすると、年2化だな。



この木の幹の下を見たら、こんなヒシバッタがいました。後で気が付いたのですが、その横にはガガンボみたいなのが写っていました。これはヒメガガンボかな。よく分かりません。こういう地面近くを見ていると、今年の早春に、改修工事でマンションの廊下を追い出され、公園にやって来てみたものの何もいないので、枯れ葉の下でトビムシ探しをしたことを思い出しました。この冬もそれをやるかなぁ。トビムシの検索は途中だったし・・・。



バッタといえば、公園に行く途中の歩道の柵の上でこんなヒメクダマキモドキを見ました。ちょっと立派に見えるでしょう。昨年は11月終わりごろに、これが道のあちこちで死んでいるのを見ました。今年はどうだろう。



バッタついでに。これは公園の広場の草むらにいたマダラスズです。草むらの中にはそれこそ山のようにいます。



シリアゲムシもいました。これは♀なのでよくは分かりませんが、たぶん、ヤマトシリアゲ



これはマンションの廊下にいたヨモギハムシ



小さかったネコハエトリがだいぶ大きくなってきました。クモは怖いのですが、ハエトリくらいだと愛嬌もあり、大きさもちょうどよいのでクモの中では好きな方です。



こちらはイトカメムシを捕まえたハエトリです。腹部の模様がはっきりしないのですが、脚の模様が先ほどと似ているので、これもネコハエトリではないかと思っています。





最近、雨が多いので、カタツムリも元気です。これはクチベニマイマイ



最後は植物です。最近はイネ科ばかりになってきたので、今日はヒメクグ。カヤツリグサ科です。もう目ぼしい花は何もなくなってしまいました。
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