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家の近くのむし探検 甲虫とカメムシ

家の近くのむし探検 第59弾

一昨日、家の近くにある林の入り口にいってみました。ここは適当に陽も当たり、やや日陰にもなっていて何となく虫が多そうな場所です。私のお気に入りの場所でもあります。わずか20mほどの間の狭い場所ですが、ここで2時間も粘って虫の写真を撮りました。今日は分からない甲虫が多いので、名前調べが大変でした。だいぶ間違っているかもしれません。



まずはコガネムシから。きらきらと光ってとても綺麗ですね。



次はこれです。クロコガネかなと思ったのですが、以前買った「日本産コガネムシ上科標準図鑑」で調べてみました。似た種にマルオクロコガネがいて、近畿には両方分布していそうです。この2種は前胸背板後縁の点刻でも見分けられるようです。後縁の点刻が中央付近で広く消滅していたらクロコガネ、まばらな点刻がある場合はマルオクロコガネ。



後縁がどの部分を指すのか分からなかったのですが、ネットを見ると書いてあるサイトがありました。本当に縁の部分の点刻を指すそうです。この個体ではまばらにあるので、マルオクロコガネかなと思いました。



ついでに頭盾と、



腹部末端も写しておきました。これは図鑑の♂の図と違うので、♀の方かな。



後はハムシですね。これはドウガネサルハムシかなと思ったのですが、どうでしょう。





このハムシはたくさんいました。キベリクビボソハムシみたいですね。初めて見ました。図鑑によると、食草はヤマノイモみたいです。



これもたくさんいました。たぶん、キバラヒメハムシではないかと思います。一匹採集したのですが、たぶん、こ種ののハムシだったと思います。その個体は確かに腹部が黄色かったです。食草はノリウツギ、コナラなどの花だそうです。



問題はこれです。このハムシがどうもよく分かりません。雰囲気的にキアシノミハムシかなと思ったのですが、おそらく違うでしょうね。この色のハムシは難しいですね。





これはたぶんヒメジンガサハムシだと思うのですが・・・。



ハムシの最後はこれです。変わった姿ですね。笹にこんな食痕をつけています。たぶん、タケトゲハムシだと思います。



ナミテントウ





これには悩みました。たぶん、ヒメテントウの仲間だろうなと思って、「原色日本甲虫図鑑III」の検索表で調べてみました。上翅の端が淡色で、前胸背板に淡色部がないなどから、コクロヒメテントウというところまで来たのですが、よくは分かりません。似た種が多いですからね。





ハナノミとハネカクシは今のところ名前調べを諦めています。



後はゴモクムシの仲間、これもダメ。



最後はヒメトラハナムグリだと思う個体です。これは初めて見ました。



後はカメムシを紹介します。これはたぶん、ヨツボシカメムシ



ケブカヒメヘリカメムシ



最後はワラジカイガラムシの仲間です。こういう白い個体はハワードワラジカイガラムシだというようですが、本当でしょうか。残りの虫は次回に回します。
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家の近くのむし探検 オドリバエ、ヒロクチバエほか

家の近くのむし探検 第58弾

マンションの廊下と違って、野外はやはり虫が多いですね。でも、それが面白くて、暇ができるとつい見に行ってしまいます。3日前に公園で見た虫の続きです。



この日はこんなアクロバットをしているオドリバエのカップルがいました。



これは前から見たものですが、2匹とも頭を少し持ち上げたので、こんな写真になってしまいました。翅脈がよく見えないので属までは分かりませんでしたが、この日はこんなカップルを2組見ました。(追記2016/05/31:翅脈がよく見えないと書きましたが、そんなことはないですね。たぶん、この間と同じHybos属(モモブトセダカバエ属)みたいです。「日本昆虫目録第8巻」によると、この属には未記載種4種を含め9種が載っています。記載種5種については「原色昆虫大図鑑III」に検索表が載っています。しかし、脚全体が黒という種は載っていません。未記載種の一つなのか、まったく違う種なのか、それとも属への検索で間違ったのか、今のところ、よく分かりません





次はこんなハエです。たぶん、この間見たヒロクチバエ科のハエですね。ヒロクチバエ科については旧北区(日本を含む)の属への検索表が次の論文に載っていました。

V. A. Korneyev, "A Key to Genera of Palaearctic Platystomatidae (Diptera), with Descriptions of a New Genus and New Species", Entomological problems 32, 1 (2001). (ここからpdfがダウンロードできます)

この検索表を訳してみたのですが、その途中までで属がだいたい分かりました。



上の写真から翅の部分を拡大してみます。



さらに翅の基部を拡大します。



まず、腹部が細長いので1bを選びます。次にbcu室がアーチ状の脈で閉じているので2bを選びます。さらに、bm室が斜めの脈で閉じている(矢印)ので、Lamprophthalma属になります。「日本昆虫目録第8巻」によると、この属にはL. japonica(ヒゲナガヒロクチバエ)とL. sp., Tamaki 1997の2種が載っているのですが、後者は埼玉県昆虫記2, 126 (1997)に載っています。なぜか、この本が手元にあるのですね。早速、見てみると、埼玉県で採集した個体がこの属の模式種L. metallicaとは異なっているが、日本産のL. japonicaが未入手のためにspとしたと書かれていました。特徴も書かれているのですが、たぶん、L. japonicaではないかと思われます。Korneyevの論文には、L. japonicaの翅の絵も出ているのですが、前縁部分と翅端部分がうっすらと色づいています。以前、マンションで見たときはかなり濃い色でした。今回のはうっすら色づいているだけでほぼ透明に近いのですが、たぶん、変異の範囲内なのでしょうね。いずれにしても何匹か採集しないとはっきりしたことは分かりませんね。



後はシマバエらしきハエ。



それにこのハエ。こんなハエ、いつ撮ったのだろう。



この日はそのほか、面白いものが見られました。ツツジコブハムシのカップルです。以前、菅井 桃李さんが縦と横だといわれましたが、まさにそんな恰好になっていますね。カメラを近づけたら、こんな恰好のまま動き始めました。







邪魔をしてしまったのですが、本当に面白いカップルですね。



これはキイロテントウです。草を登ってきたので、上から撮ったらこんな姿に写ってしまいました。



クサカゲロウ、よく見ますね。



顔を拡大。クロヒゲフタモンクサカゲロウかな。



こちらは別の種。



スズキクサカゲロウかな。



こちらはカゲロウ。翅を広げて止まるのは、フタバコカゲロウですね。さらに、♀亜成虫のようです。



小さなカマキリがいるのですが、どうやって見分けたらよいのか分かりません。○○知恵袋みたいなところを見ると、胸の斑紋の色でオオカマキリかチョウセンカマキリが見分けられるそうです。今度、見てみます。



後はクモです。これはキハダカニグモ



ギンメッキゴミグモ



この凄まじい光景を演じているカニグモは誰だろう。

家の近くのむし探検 変わったカメムシほか

家の近くのむし探検 第57弾

一昨日、公園で観察した虫の写真を調べてみました。中に変わった虫が入っていました。



こんな虫です。大きさは数ミリ。写したときはてっきりガガンボだと思っていました。でも、よく見るとハエ目に見られる平均棍がありません。翅に隠れているのかなぁと思ったのですが、触角を見たらあれっと思いました。これはハエではありません。むしろ、カメムシ目かなと思って、「日本原色カメムシ図鑑」を見ていきました。そうしたら、それらしい種にぶつかりました。サシガメ科のマダラカモドキサシガメ属です。でも、これがサシガメねぇ。

模様からオオコブマダラカモドキサシガメだと目星をつけて、種の検索表も見てみました。



これらを確かめれば、オオコブマダラカモドキサシガメになります。それで、上の写真に書き入れてみました。



上から撮ったので、③の前胸背後縁中央部の突出部がはっきり分からないのですが、それ以外はよく一致しているようです。たぶん、大丈夫なのではと思います。それにしても変わったカメムシですね。



ツツジに葉に群がっていたこのカメムシにもびっくりしました。



1匹だけを拡大するとこんな感じです。たぶん、クサギカメムシの2齢幼虫ですね。



そのほかで見たカメムシ目はこのシマサシガメ





クロヒラタヨコバイとクワキヨコバイ属でした。



ハマキでは、この間から黒いハマキがうろうろしていたのに撮影できなかったのですが、やっと撮れました。ウツギヒメハマキのようです。



そして、これはモチツツジマダラヒメハマキ





大変小さな蛾です。スガ科のコナガですね。よく見る蛾です。



白い蛾がうろうろしていたので追いかけていたら、ズボンに止まってしまいました。それで仕方なく上から写しました。シロスジツトガでしょうね。



こちらはキバラノメイガ



ちょうど裏向きにも止まってくれました。

家の近くのむし探検 蛾、甲虫、クモ

家の近くのむし探検 第56弾

今日も近くに虫探しに行ったら、山のように虫が見つかりました。3日前に公園で撮った写真を早く出しておかなければと思って、慌てて出すことにしました。マンションの廊下だとそこそこの数の虫だったのですが、外では本当に果てしがないですね。



この日も蛾がいろいろいました。これはキンモンガですね。



そして、これは公園に行く途中で見つけたフタツメオオシロヒメシャク



これはたぶん、マエキヒメシャクかな。







○○ホソバは苦手ですね。上二つはキマエホソバか、ニセキマエホソバ。一番下はムジホソバかな。よく分かりません。





ハマキガも難しいですね。上はシリグロハマキ、下はミダレカクモンハマキかな。



ツツジの茂みの奥にいたのですが、特徴があるので、たぶん、コシロアシヒメハマキかな。



そして、これはホソスジツトガ。マンションの廊下では明りに集まってくる蛾が多いと思っていたのですが、ツツジの植え込みで探しても、結構、いろいろな蛾が見つかりますね。



蛾の最後はこのヒメシロモンドクガの幼虫。こんなドクガの幼虫がいるとすると、小さい子が遊ぶ公園では問題ですね。(追記2016/06/04:F. Yさんから、「 ヒメシロモンドクガの幼虫は毒々しい見た目ですが、無毒です。見た目でごまかしているのでしょうか?」というコメントをいただきました。この毒々しい色から咄嗟に毒があると思ってしまいました。そういわれると、ヒメシロモンドクガは毒がなく、シロモンドクガが毒をもっていたのでしたね。ご指摘、どうも有難うございました



甲虫ではマメコガネ



それにジョウカイボン



そして、これはキバラヒメハムシかなぁ。今日、似たようなハムシを捕まえたら、腹が黄色だったのでこれもそうかなぁと思うのですが、よくは分かりません。



セマダラコガネ



それにこれはオオクロホソナガクチキ



最後はクモです。公園に行く途中に白い塀があるのですが、ここには結構虫がいることが分かりました。これはクモですけど・・・。コハナグモ



それに例のアリグモ。あまり目立ったむしはいなかったのですが、探すとそこそこいろんな虫がいますね。

家の近くのむし探検 ヨコバイ、クサカゲロウほか

家の近くのむし探検 第55弾

一昨日の公園でのむし探検の結果です。



この日は曇っていたのですが、午前中に出かけたらそこそこ虫はいました。今日の最大の収穫はこの虫です。変わった格好をしていますが、実はブチミャクヨコバイの仲間です。この間、幼虫を見たばかりだったのですが、もう成虫に出会えるなんて・・・。それにしても変わった格好ですね。顔の先端には会社名のような記号が見えますね。実は、だいぶ小さな虫で、注意して見ないと気が付かないくらいです。成虫が見つかったので、ひょっとしたら種名が分かるかもしれません。少し調べてみます。



これはクロヒラタヨコバイだと思います。以前、マンションの廊下でも見ました。これも変わった格好の虫です。ツツジの葉の上をじっくり見ていくといろいろな虫が見つかりますね。



カメムシ目ついでにほかのカメムシも。これはツヤアオカメムシ



次はこれ。触角第1節外面の黒状を見損ないました。何となくなさそうなので、ホソハリカメムシかなと思うのですが、よくは分かりません。



この日もう一つ特筆すべき点は羽化したてのようなクサカゲロウに出会えたことです。顔の模様からヨツボシクサカゲロウかなと思います。それにしても綺麗ですね。



これは別のクサカゲロウです。本当は下向きについていたのですが、ちょっと横にしています。これは顔を拡大してみます。



何となく顔の模様と口肢の色の付き方から、ヤマトクサカゲロウでしょうか。





この間教えていただいてから、コナカゲロウをよく見るようになりました。属くらいは分からないかなと思っていたのですが、下側の写真は翅脈がちょっとだけ見えるので、まずはそれから調べてみました。

M. Meinander, "A revision of the family Coniopterygidae (Planipennia)", Acta Zoologica fennica 136 (1972).(ここからダウンロードできます)

この論文は少し古いのですが、世界のコナカゲロウの種について概説しているので、役に立ちそうです。その中で翅脈の図を見つけました。これを使ってこの写真の個体の翅脈に名前を付けてみました。



こんな感じになります。上から2番目の脈をなぜSc2とするのかよく分かりません。また、Sc1とR1を結ぶ脈もよく見えないのですが、この辺りは採集してみないと分かりませんね。この論文には属の検索表も載っているので、もう少し勉強してから、一度採集して検索してみようと思っています。



マンションの廊下と公園での虫探検の違いは、公園ではこのような交尾している個体をよく見かけることです。これはたぶん、マガリケムシヒキだと思いますが、この種についてもこれまで何度も見ています。



ヒラタアブの仲間だと思うのですが、翅を閉じていて腹部の模様が分からないので、種まではよく分かりません。



最後はマンションの廊下の窓にいたガガンボです。マンションは全体に幌で覆われているのですが、どこからか入ってくるのですね。翅の模様はホリカワクシヒゲガガンボに似ているのですが、腹部の黄色の入り方が以前見た種と違っているようです。同じ種かどうか分かりません。蛾と甲虫は次回に回します。

家の近くのむし探検 アリグモ、ハムシ、バッタなど

家の近くのむし探検 第54弾

3日前の家の近くの林入り口の虫の続きです。



今日はこのアリグモからです。後ろ側からアリを狙って近づいていきました。さぁどうなるかなと楽しみにしていたのですが、すぐに捕まえるわけでもなしに後ろでうろうろするだけでした。



そして、すぐに諦めました。あの大きな上顎をどのように使うのか知りたかったのですが、残念!



しばらく見ていたら、今度は巣を張っている別のクモの巣に潜り込み始めました。巣の持ち主のクモも出てきて対峙しています。取っ組み合いでも始まるかなと思ったら、あっさりとアリグモが後退しました。



そして、何事もなかったのように巣を後にして歩き始めました。これ以上見ていても何もなさそうなので、この日の観察はここまででした。(追記2016/06/04:おちゃたてむしさんから、「アリグモの♂が訪ねているのは同種の♀ではないかと思います。私も先日、♀の巣のまわりで♂がウロウロしているのを見ました。」というコメントをいただきました。そう思ってみると、巣の中にいるのもアリグモみたいですね。アリグモが巣をつくるというのは初めて知りました。コメント、どうも有難うございました



クモついでにこのクモも。たぶん、シャコグモだと思うのですが、別のクモを捕まえています。



次は甲虫です。さすがに林が近いので甲虫は多いです。これはジョウカイボンです。



道をかなり速く動いていく甲虫がいます。結構大きなハネカクシでした。図鑑を見ると、クロコガシラハネカクシ付近の種ではないかと思いました。



これも道を横切りました。クチキムシかな。



これはセマダラコガネ



クロウリハムシ





このハムシは何だろう。キバラヒメハムシかなと思ったのですが、腹板が黒いし、ハラグロヒメハムシだとすると、触角基部第2・3節が暗赤褐色ではないし、オオルリヒメハムシとも違うみたいだし・・・。



甲虫の最後はこのナナホシテントウです。そのすぐ上に赤いアブラムシがたくさんいます。





植物をよく見なかったのですが、これがセイタカアワダチソウなら、セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシという恐ろしく長い名前のアブラムシになるのですが・・・。



これはたぶん、ホシハラビロヘリカメムシ



フキバッタの幼虫だと思えったバッタが林の近くにはいっぱいいます。そのうち、名前が分かるかなぁ。



これはショウリョウバッタの幼虫?



これはセグロカブラハバチかな。



最後はこのハエですが、だいぶ悩みました。結局、ネットの画像検索で調べた結果、ヒロクチバエ科のダイズコンリュウバエと皆さんが出している種に似ている感じです。ヒロクチバエ科という割には大きな口器が写っていないので、ちょっと疑問なのですが・・・。それで例によって翅脈を調べてみました。



見にくいので翅脈を線でなぞってみました。



この翅脈を使って、「絵解きで調べる昆虫」で検索してみました。R4+5とM1+2が翅縁で広がっていないこと、Sc切目がないこと、それに脛節に亜末端後背剛毛がないこと、CuAとCuPの合流部(①)で鋭角になっていないことなどがこの写真から読み取れるのですが、そのまま検索表を進むと実はヒロクチバエ科には到達しません。ヒロクチバエ科にいくには①が鋭角で交わることになっています。それで、MND(Manual of Nearctic Diptera)に載っている翅脈を見てみると、むしろこの写真のように鈍角で交わっています(鋭角、鈍角というのはCuPと書いてある側から見たときの交差角です)。どうやら検索表が間違っているのではないかと思うようになりました。そこを除くとやはりヒロクチバエ科でよさそうです。ついでに、MNDに載っている検索表で属の検索をしてみました。ダイズコンリュウバエ Rivellia apicalisの属するRivellia属には行くには、②が下側に凹む必要があるのですが、ほんの少し凹んでいるといえばいるような状態ではっきりとはしません。というわけで、私の中ではまだ保留状態です。やはり採集しないと、いろいろと調べられなくて駄目ですね。(追記2016/05/31:Korneyev(2001)に載っている検索表を使って検索してみました。その結果、これはRivellia属ではなく、Ellassogaster属のようです。たぶん、ツマグロホソナガヒロクチバエ E. hilgendorfi



最後はお口直しにアメリカフウロの花でした。それにしても花は外来種が多いですね。

家の近くのむし探検 ヒゲナガガほか

家の近くのむし探検 第53弾

3日前に家の近くの林の入り口で調べた結果です。また、写真整理が滞ってきました。虫はいろいろといたのですが、とりあえず蛾とアリから。



林の入り口の道は開けているのですが、だいたいは日陰になっていて以前から虫が多そうだと思っていました。この日はこんなヒゲナガガがいました。





横からと前からです。触角の途中まで黒い鱗粉で覆われているので、これは♀の方です。翅に入った白い帯が太いのでケブカヒゲナガかなと思ったのですが、「標準図鑑」を見ると、アトキケブカヒゲナガ、ムモンケブカヒゲナガという似た種が載っていました。違いがよく分からなかったので、原記載論文である広渡俊哉氏の論文を見てみました。

T. Hirowatari, "A taxonomic revision of the genus Adela Latreille (Lepidoptera, Adelidae) from Japan", Trans. lepid. Soc. Japan 48, 271 (1997). (ここからダウンロードできます)

この論文は、これまでケブカヒゲナガはAdela nobilisだと思われていたのですが、調べてみた結果、A. nobilisは日本には分布していなくて、その代わり、次の3種が分布していることが分かったという内容です。A. praepilosa(ケブカヒゲナガ)、A. luminaris(ムモンケブカヒゲナガ)、A. lutocilis(アトキケブカヒゲナガ)。この論文にはこの3種を見分ける検索表も載っていたのですが、基本的に後翅の特徴と♂の特徴をもとにしているので、この写真で判定するときには使えません。一か所、♀の触角についての項目があったので、そこに注目してまとめてみたのが次の表です。



種の説明にはいろいろと書かれているのですが、使えそうなのは触角長/前翅長、黒色鱗粉部の長さ/触角長の2つかなと思って表にしてみました。最後の欄は次に紹介するヒゲナガガのために作った項目なので、後で説明します。最初の触角長/前翅長は前翅長に対する♀の触角の長さなのですが、ムモンケブカだけが触角がだいぶ長いようです。一番上の写真では翅と触角がほぼ平面上に載るように写っているので、これから触角の長さを折れ線近似で測り、前翅長との比を取ったものがSample1の欄の値です。前翅長は初め縁毛まで含めていたのですが、値がだいぶ小さくなったので、縁毛を除いた値にしました。その結果、比は1.37となりケブカとアトキケブカのエラーバーの範囲に入りました。これでムモンケブカを除けるかもしれません。

次は触角のうち、黒色鱗粉で覆われている部分の比です。説明には半分とか1/3とか書かれていたので、一応、数値にしておきました。実測がその右の欄です。実測はぴったり0.50となりました。アトキケブカは黒色鱗粉部の長さが短いので、この測定で除けるかもしれません。結局、この二つの計測からケブカヒゲナガが最有力になりました。ケブカヒゲナガ類の同定には基本的には後翅の縁毛の色を使わなければいけないのですが、触角を使う方法は野外で撮った写真の判定には使えるかもしれません。



次はこのヒゲナガガです。これも近くにいたのですが、翅の白い帯がかなり細い感じがします。触角が途中まで黒いのでやはり♀です。ただし、その先の細い部分がやけに短くなっています。たぶん、折れてなくなったのだろうと思って、黒い部分の長さと前翅長を比較してみることにしました。それが一番右の欄のSample2で、実測の結果0.84になりました。写真では黒色鱗粉の先端部分が灰色になっていたのですが、光の加減なのかなと思い、この部分も含めた値になっています。一方、上でケブカヒゲナガとした個体は比が0.69となり、論文に書かれていた値から予想したものとぴったり一致しました。やはり、上の写真はケブカで、下の写真はケブカ類ではないようです。残念ながら、ホソオビヒゲナガについての実測値が見つからなかったので、本当にその種かどうかの判定はつきませんでした。



その他の蛾です。これはキスジホソマダラです。マダラガだけに触角の部分が青光りしています。



この間から何匹か見ているニレコヒメハマキとしている個体です。



それから、ホソバナミシャク。やや暗い林の入り口ではとくにこの白さが目立っていました。



蛾の最後は毛虫ですが、クワゴマダラヒトリだと思います。これまで何度か見ていました。





次はアリです。動き回るので、どうもピントがあいません。腹部にはっきりとした白紋が4つあります。「日本産アリ類全種図鑑」の写真と絵合わせしてみると、カタアリ亜科のシベリアカタアリと似ています。シベリアという名前がついていますが、分布図を見ると日本全国に分布しているようです。





次はこのアリ。これもよく見ると、腹部に淡色紋が4つあるようです。たぶん、以前教えていただいたヨツボシオオアリではないかと思います。両方とも採集してきたので、今度検索をしてみます。本当は検索してから紹介すればよかったですね。なんせ今忙しくて、なかなかじっくり検索する暇がありません。



最後はおまけでハナウドの花でした。なんか幾何学的な面白さがありますね。

家の近くのむし探検 ブチミャクヨコバイほか

家の近くのむし探検 第52弾

3日前の公園でのむし探検の続きです。この日は変わった虫がいました。



こんな虫です。ツツジの葉っぱに止まっていました。尻尾が2本伸びていて奇妙な格好をした虫です。近づくとぴょんと飛んで、すぐ上にある葉の裏に隠れてしまいます。



そして、葉裏からこんな風に覗いています。



しばらくそのまま放っておくと、また、葉表に出てきます。図鑑を見ても載っていないので、ネットの画像検索をしてみました。そうしたら、ヨコバイ科ブチミャクヨコバイ亜科ブチミャクヨコバイかその周辺の種の幼虫のようです。ヨコバイ科は面白いのですが、図鑑や論文になかなか載っていなくていつも苦労します。ブチミャクヨコバイはDrabescus属になるのですが、「大図鑑III」を見ると、それでも4種載っています。なおかつ、幼虫については全く触れていません。それで少し論文を探してみました。

D. A. Dmitriev, "Nymphs of some species of the tribes Drabescini and Paraboloponini with a proposed synonymy of Paraboloponini with Drabescini (Homoptera: Cicadellidae: Deltocephalinae)", Oriental Insects 38, 235 (2004). (ここからpdfがダウンロードできます)

この論文はヨコバイの幼虫について書かれたもので、この中にDrabescus属についても載っていました。描かれた絵と比べると、Drabescus属で合っていそうです。Drabescini族の属への検索表を見ると、最初にDrabescus属が載っていて、前脚脛節が圧迫されているというのがポイントのひとつのようです。上の写真を見ると、前脚脛節の裏に黒い部分が見えますが、これがたぶんそのことを指しているのではないかなと思いました。ただ、種についてはまったく情報がないので、ここまででした。



ツツジの葉の上を探すと相変わらずいろいろな虫がいます。これはこの間もいたアオヒゲナガトビケラですね。



こちらはカクツツトビケラの仲間かなと思うのですが、種までは分かりません。





この間教えていただいたコナカゲロウの仲間がいました。



こちらはもっとずっと小さいコナジラミですが、こうやって比べるとだいぶ違いますね。



ナシグンバイかなと思う種はよく見ますね。(追記2016/05/28:そらさんから、「私は、このグンバイムシはトサカグンバイだと思っています。」というコメントをいただきました。先日、ナシグンバイらしきものを見つけてから、同じだろうと思って、よく確かめずに書いてしまいました。確かに、これはトサカグンバイみたいです。どうやって見分けるのかと思って、「原色日本カメムシ図鑑第3巻」に載っているツツジグンバイ属の検索表を見てみました。ナシ、トサカの部分だけを抜き書きすると、

1a 帽状部はくさび状で狭く、複眼間の幅より明らかに狭い;前胸背の側突起は比較的長い;中央隆起は半円形で大きく、小室は3列                                      ナシグンバイ
1b 帽状部は強く膨らみ、複眼を含めた頭幅と同じかより広い;前胸背の側突起は著しく長いか著しく短い;中央小室は1~3列                                          2(途中省略)
2 前胸背は黒色;帽状部の長さは中央突起の長さの約1.5倍;翼状片の小室は3列、前縁域は3列、亜前縁域は3-4列、盤状域と縫合域は3列                                 トサカグンバイ

ついでに勉強のためにナシグンバイとトサカグンバイを比較してみました。



左がナシ、右がトサカです。確かに帽状部はかなり違っていました。側突起はナシでもトサカでも長い感じがします。中央突起は横からとらないと分からないので、別の写真で比べてみました。



やはり左がナシで、右がトサカです。ナシは小室が3列、トサカは1列というのが何となく分かります。先日のブログでもトサカをナシと書いていました。訂正しておきます。そらさん、ご指摘どうも有難うございました




それにクモヘリカメムシ



バッタはだいぶ模様がついてきたので、今度は分かるかなと思ったのですが、結局、フキバッタらしいというところまででした。



ヒメマルカツオブシムシ、今度はハルジョオンの花にいました。名前からは鰹節にいるという印象ですが、この間はコデマリの花、今度はハルジョオンの花でした。







公園に行く道の塀に、この間からいろいろな種類のテントウムシが次々と蛹になっています。いろいろな模様があるので撮ってみました。半分想像も含めて、上からナミテントウ、ナナホシテントウ、ダンダラテントウかなと思ったのですが、どうでしょう。





最後は毛虫です。これはもっぱらネット情報ですが、上はオオトビスジエダシャクに似ています。下はキリガの仲間かなと思ったのですが、それ以上は分かりませんでした。

家の近くのむし探検 ハエ3種

家の近くのむし探検 第51弾

一昨日の公園でのむし探検の結果ですが、この日は面白いハエがいたので、まずそれから出そうと思います。





初めはまずこの強烈な写真から。オドリバエの仲間が何か小さな虫を捕まえて体液を吸っているところです。下の写真をよく見ると、黒くて長い口吻が虫に刺さっている様子が分かります。薄茶色の虫のすぐ右にある黒い太いものは、実はオドリバエの後脚で、その腿節の内側に太い剛毛が並んでおり、たぶん、捕獲脚になっていると思われます。ツツジの葉っぱの先に止まっているので、葉の刺から大きさが分かるかもしれませんが、結構、小さいです。



これは単独での写真です。胸背の白いごみから同じ個体であることが分かります。この写真から翅脈がよく見えます。



その部分を抜き出しました。オドリバエについては、「双翅目(ハエ目)昆虫の検索システムに関する研究」という三枝豊平氏の科研費の報告書(この題目で検索するとpdfがダウンロードできます)を見ると詳しい説明と検索表が載っています。これを使って検索をしてみると、Hybos属になりました。検索表のうち、その部分の項目だけを抜き出すと次のようになります。


(三枝豊平、「双翅目(ハエ目)昆虫の検索システムに関する研究」から抜粋)

翅脈と翅室の名称は写真を見てください。Cu1室がこの写真ではcua室になっているところを除けば、この写真でほとんどの検索ができます。まず、前脚は普通の脚です。次に翅に中室があり、そこからM1+2とM3+4という2本の脈が出ています。上から2番目の写真を見ると、やや長い口吻が前を向いていることが分かります。cua室は第2基室より長いことは明らかで、また、M脈の基部(Mと書いておきました)があることも確かです。Rs脈については相対的な表現なので、この写真だけではよく分かりません。というので、やや不確定なところもありますが、ほぼ間違いなく、Hybos属になりました。こんな風に写真から属の同定ができるとちょっと嬉しくなります。(追記:
Hybos属はモモブトセダカバエ属のことで、「日本昆虫目録第8巻双翅目」によると、sp4種を含めて9種が載っていました




次はこの綺麗なハエです。一応、採集してきました。これもこの写真から翅脈が読み取れます。



この写真だけではちょっと検索はできないのですが、たぶん、アシナガバエ科です。さらに、MND(Manual of Nearctic Diptera)Vol. 1を見ると翅脈との比較からGymnopternus属が候補に挙がっています。ポイントはM1+2脈が途中で少し上側に湾曲しているところと、最終的にはR4+5脈と平行になっているところです。MNDには属の検索表があるので、今度、試してみます。



次はこのハエです。実は、以前にも似たような個体を見ていました。初めて見たときはイエバエ科のPygophora属だとMSWiさんに教えていただきました。その後、自分でも検索をしてみた結果、MSWiさんのお見立て通り、Pygophora属になりました。そのときに使った検索表は次の通りです。


(「一寸のハエにも五分の大和魂・改」に載っていたハナレメイエバエ亜科の属の検索表から抜粋)

大変長いのですが、これだけ調べるとPygophora属であることが分かります。上の写真でこれらの項目を見てみると次の通りになります。



額内剛毛とか後脚脛節剛毛とか翅脈はこの写真からだいたい分かります。ただ、分かる部分は上の検索表の赤字で書いた部分だけでした。もう少し写真を工夫しないといけないなと猛省しました。少なくとも、胸の側面の写真、脚の脛節刺を写した写真が必要です。

写真だけからで同定するのは、よほどその種類を知っている人しかできないですね。というのは、初めての種だとどこを撮ってよいのか分からないからです。うーむ。何かちょっと矛盾していますね。

家の近くのむし探検 ハマキガ、ハナノミほか

家の近くのむし探検 第50弾

最近は外での虫探しが病みつきになって、晴れたらつい出かけてしまいます。お陰で写真が山のように溜まって、私の整理能力をオーバーしてきました。まずは、一昨日の公園でのむし探検の結果から整理してみました。



例によってツツジの植え込みを探しているのですが、ハマキガがやたらいます。これはモチツツジマダラヒメハマキではないかと思っている蛾です。たぶん、初めて見たのではないかと思いますが、ハマキガは皆似ているので、初見という実感があまり湧きません。





これはともにシリグロハマキだと思うのですが、あまり自信はありません。



問題はこの後ろ向けのハマキガです。迷いに迷いました。バラシロヒメハマキかなと思ったのですが、たぶん、違っているでしょうね。



マエアカスカシノメイガですね。蛾はいつも葉裏に裏返しに止まるので、ついこんな写真になってしまいます。



後は、ウスベニコヤガ



クロオビリンガです。



甲虫ではキンオビハナノミかなと思われる個体がいました。この日公園に来たのは、ルリツツハムシかバラルリツツハムシかの決着をつけるために探しに来たのですが、ハムシは探すと一向に見つかりません。探さないときはよくいるのですけどねぇ。



後はキンイロジョウカイがいました。



ツツジコブハムシではないかと思われるハムシはいました。近づいて撮っていたら、ぽとっと下に落ちました。



でも、すぐ下の葉に落ちてひっくり返ったので、後胸腹板突起がよく見えました。やはり、ツツジコブハムシで間違いないですね。



こんなハチがいました。オナガバチの仲間ではないかなと思ったのですが、葉の上を這うように歩いていたので、



正面に向かって顔もパチリ。こんな顔でした。



このハエは何か見覚えがありますね。ヤドリバエの仲間かなぁ。



この毛虫はハスオビエダシャクかな。





ササグモはなんだかんだと捕まえていますね。



後はマンションの倉庫の壁にいたものです。たぶん、オオツマキヘリカメムシかなと思うのですが、ツマキヘリカメムシかもしれません。♂だと違いがはっきり分かるそうなのですが・・・。



最後はこんな大きなオオゴキブリでした。

虫を調べる チビタマムシ2種

先日、家の近くの林の入り口と公園でチビタマムシを見つけました。よく見ると2種類いるようです。チビタマムシ類は頭盾の縦横比が種の同定の重要な決め手になります。それで少し調べてみました。



まずは林の入り口のクズについていたものです。たぶん、クズノチビタマムシだと思われます。「原色日本甲虫図鑑III」の記述とは、頭胸部の毛は金色、上翅の毛は黒と銀白色なんてところはよく合っています。



これは顔の拡大です。十字の印があるところが頭盾です。この部分の横縦比を求めるのです。実際に測定してみると、特に上側をどこまで範囲に入れるのかが微妙なのですが、その部分を適当に取ると、横/縦=1.51となりました。「原色日本甲虫図鑑III」の説明では約1.3倍とのことで、測定値とはちょっとずれています。縦をもう少し広い範囲で取るのかな。



次は同じ林の入り口で見つけた別のチビタマムシです。ついていた葉っぱが何だったか忘れたのですが、食痕がなかったのでいずれにしても何についていたのか分かりません。たぶん、外観からナミガタチビタマムシだと思われます。図鑑の説明にある「体色は赤銅色を帯び、毛はチョコレート色を帯び・・・」というところはまぁまぁ合っています。



頭盾の拡大です。これも上側をどこまで入れるかが微妙なのですが、図のような取り方をすると横/縦=1.94になりました。図鑑の説明では約2倍なので、よく合っているみたいです。

ついでに、公園のツツジの葉にいたチビタマムシを調べてみました。



外観上はナミガタチビタマムシだとした上の個体とそっくりですね。たぶん、それでしょう。



頭盾の横縦比は1.86となり、まぁまぁ近い値になりました。確かに見た感じでも、頭盾がクズノチビタマムシに比べると横長の気がしますが、実際に比を計算すると意外に微妙な感じです。図鑑の説明では、1.3, 1.35, 1.5, 1.7, 1.8, 2と種によってこの値がいろいろと変化すると書かれていますが、実測すると±0.2程度の値のばらつきはありそうで、それほど確定的な性質でもなさそうです。

家の近くのむし探検 蛾、カメムシ、ハエなど

家の近くのむし探検 第49弾

昨日の続きで、3日前のむし探検の結果です。この日は公園ではなくて、林の入り口の道を選びました。陽は当たらないわけではないけれど、日陰になっていることが多い、そんな場所です。実はこの場所は私のお気に入りの場所で、前からよく来ていたところです。家からも5分くらいのところにあります。初め、いつもの河原に行こうかなと思ったのですが、草が刈られていたので、こちらにしました。昨日は甲虫とハチを出したので、その他の虫を紹介します。







蛾はこのハマキガ3種でした。ハマキガは模様がみな似ているので、あまり自信はないのですが、上からシリグロハマキミダレカクモンハマキニレコヒメハマキではないかと思います。最後の種は小さいのですが、3匹もいました。いずれもマンションの廊下で見たことがあります。



小さいけれど鮮やかな色の毛虫がいました。調べてみると、ゴマフリドクガの幼虫みたいです。ということは毒毛を持っているってことですね。用心用心。



たぶん、キンバエあたりでしょうね。何か別の種類のキンバエがいると、違いがよく分かるのですが・・・。でも、諦めずにキンバエがいたら、写していこうと思っています。



枯れ葉の下の薄黒いところでもそもそ動くものがいたので、写してみたらこんなハエでした。これはクロバエの仲間かな。何をしているのだろう。



これはオオホシカメムシでしょうね。



それとホオズキカメムシ



何か葉裏に飛び込んだので、葉をめくってみるとこんな小さな虫がいました。たぶん、飛び込んだものとは別ものですね。一見、セミのような顔をしています。ヨコバイの幼虫かな。



これはシマサシガメの5齢幼虫。



これはヤマトシリアゲかなぁ。(追記2016/05/28:菅井 桃李さんから、「こう言うシリアゲムシは、オスのパラメアを見ないと確実じゃないんですよね。ちゃんと調べてみると、一応は住み分けてる様に思うんで、オスを見付けたら一度調べてみると良いかも。ヤマトにしては翅が細い気もしますが、さて…?」というコメントをいただきました。マンションにはシリアゲが来たことがなかったのでまったく調べたことがありませんでした。「原色昆虫大図鑑III」にはシリアゲムシの構造が詳しくでていました。種としては、ヤマト、マルバネ、キバネあたりが似ているみたいですね。今度♂を見たら捕まえて調べてみたいと思います。コメントをどうも有難うございました



何か分からないバッタの幼虫。



お腹が大きいのですが、たぶん、ヤミイロカニグモ♀。



で、これはイオウイロハシリグモ

いきなり野外へ行って虫を探しても、あまりに種類と数が多いので、何から写してよいのかさえ分からなかったと思うのですが、3年半マンションの廊下で修業を積んだことがかなり役にたちました。もちろん、皆さまからのコメントにもずいぶん助けられました。場所が家の近くなので出てくる虫もほぼ同じですし・・・。さらに、マンションの廊下では小さなハエにまで手を出していたのですが、野外ではとてもとても写す気が起きないほどたくさんの小バエがいます。この辺にまで手を出せるともう少し成長するかもしれませんが・・・。

家の近くのむし探検 甲虫、ハチ

家の近くのむし探検 第48弾

一昨日の「家の近くのむし探検」の結果です。この日はいつもの公園には行かずに、近くの林に行ってみました。この林の入り口の道を中心に虫を探してみました。あちこち歩くよりも、一か所でじっくり探した方がいろいろな虫が見つかるみたいです。この日も10~20mくらいの間を行ったり来たりしながら探してみました。





大きなゴミムシがいたので、写そうと思ったら、逃げて逃げて。結局、3mほど追いかけました。そして、枯れ葉の下から出てくるのを待ち伏せしてやっと写せました。「原色日本甲虫図鑑II」を見ると、クビボソゴミムシに似ています。初めて見たのではないかなぁ。



キクスイカミキリが2匹いました。小さいけれど、何となく印象に残るカミキリですね。



これはチビタマムシですね。一応、採集してきて頭盾の写真を撮ってみました。まだ縦横比を測っていないのですが、たぶん、ナミガタチビタマムシみたいです。



こちらは別のチビタマムシです。



クズの葉にこんな食痕を残していました。たぶん、クズノチビタマムシでしょうね。これも採集してきて、頭盾の写真を撮ってみました。この2種、次回にまとめて写真を載せます。





このハムシ、ヒゲナガウスバハムシだと思っていたのですが、触角がそれほど長くなくて、だんだん自信がなくなってきました。(追記2016/05/22:菅井 桃李さんから、「ハムシはクワハムシでしょう。これが本当に1種だけなのかとも思うのですが…。」というコメントをいただきました。やはりクワハムシでしたか。実は、クワも有力候補に挙がっていたのですが、「原色日本甲虫図鑑IV」のヒゲナガウスバの説明で、「前胸背板は側方部や後縁近くでややくぼみ・・・」という部分に引かれて、こちらを選んでしまいました。クワの方は、「前胸背板の後縁は明瞭な縁取りを有し・・・」とだけ書かれていました。「原色昆虫大図鑑II」を見ると、クワにも「前胸背は中央後に広い横溝があり・・・」と書かれていました。どうも有難うございました





2枚目の写真には長い下唇鬚が写っています。だから、ミツバチ科ですね。黄色の模様から以前見たヤマトツヤハナバチかなと思ったのですが、「日本産ハナバチ図鑑」を見ると、似た種にキオビツヤハナバチがいて、違いがはっきりしません。それで、ちょっと文献を調べてみました。

M. Shiokawa, "Redescriptions of Ceratina flavipes Smith and C. japonica Cockerell (Hymenoptera, Apidae)", 昆蟲 31, 276 (1963). (ここからダウンロードできます)

この論文は、この2種が非常に似ているので、今後、いろいろな調査を進めていくときに両者を確実に区別しないといけないので再記載をしたという内容です。この写真の個体はわずかに見える顔面の模様から♀だと思われます。論文中にある♀の検索表を和訳すると以下のようになります。



頭盾の模様を見ると確実みたいなのですが、ほかの部分でも判断できます。でも、やってみるとそう単純でもなさそうです。まず、小盾板には三角形状の黄色紋がないので、キオビが有力です。ところが、腹部背板の黄色帯は第2と第3は中央で途切れているみたいですが、第4はほぼつながっているようです。これはヤマトの方の特徴です。最後の前・中脚脛節の黄色紋は次の写真に辛うじて写っていました。(追記:ヤマトツヤハナバチの頭盾の黄色紋は以前「なにこれ生き物探検」に出した記事を見るとよく分かります



黄色紋はかなり発達している感じです。これはキオビに近い?。ということで、やはり採集しないとよく分かりませんね。



最後はこのハチです。脚や胸の色がちょっと薄い感じがしますが、たぶん、いつものセグロカブラハバチかなと思いました。翅脈を見ると、ハグロハバチ亜科ではありそうです。長くなったので、残りは次に回します。

家の近くのむし探検 甲虫、ハエ、クモなど

家の近くのむし探検 第47弾

一昨日の公園のむし探検の結果の続きです。毎日のように同じ公園に行って、同じツツジの植え込みばかり見ていると、何だか常連ばかりになってきました。もうそろそろ場所を変えた方がよいかな。



ヒメクロオトシブミがツツジの葉の上で何かやっています。葉を切っているのかなと思って見ていたのですが、そうでもなさそうです。



立ち去った後を見てみると、こんな穴が開いていました。葉を食べていたのですね。



これは別のところで撮ったものです。



チビタマムシがまたいました。今度は無事採集できました。チビタマムシは刺激を与えると下に落ちるので、下に袋を置いて待っていて、上で揺するととすぐに採集できます。今日は頭盾を調べてみました。まだきちんと測ってはいないのですが、横に細長いので、たぶん、ナミガタチビタマムシだと思います。







後はいつもの甲虫たちでした。上から、キイロテントウアオハムシダマシセボシジョウカイ辺りの種です。





カメムシ目はイトカメムシを除いてこの2種。ツヤアオカメムシとクワキヨコバイ属。



ヤブキリの幼虫。



ハエはやたらとカップルが多かったです。これはホソヒメヒラタアブ





胸背の3本線、腹部の市松模様。ニクバエでしょうね。



これは何だか分からなかったのですが、平均棍が見えているのでハエであることは間違いないですね。



これはカップルではないですが、たぶん、オドリバエですね。後脚腿節が太いですね。





ミバエ科のAnomoia属(ハススジハマダラミバエ類)であることは確かでしょう。「日本昆虫目録(2014)」によると、Anomoia属で本州で見られるものは、ツマモン、クチジロ、オスグロ、ミヤビ、クロ(ハスジ)、チャイロの6種です。このうち、ツマモン、クチジロ、ミヤビはタイプ標本が大阪府大の学術資料で見ることができます。クロ(ハスジ)は次のサイトで見ることができます。チャイロは「原色昆虫大図鑑III」の図版に載っています。という具合に、標本写真はいろいろと見ることができるのですが、違いを正確に知ろうと思うと、やはり伊藤氏の"Die Japanischen Bohrfliegen"を読まないといけないのかなぁ。



後はクサグモの幼体?



それに、マミジロハエトリでした。

これは一昨日撮った写真ですが、昨日はちょっと別の場所に行ってみました。そこは家の近くで林の入り口の道なのですが、やはり場所が変われば出てくる虫が少し違いますね。明日をお楽しみに!

家の近くのむし探検 蛾、ハチ、それとおまけ

家の近くのむし探検 第46弾

一昨日の「公園のむし探検」の結果です。家から近いものだから、天気が良くて暇があるとすぐに公園に行くようになってしまいました。行くと、それなりに面白い虫の姿に出会えます。なんだか病みつきになってしまったようです。まずは蛾とハチから。





昔、蛾が嫌いだったのですが、最近、こういう小さい蛾を見ると、その繊細な美しさに惚れ惚れとしてしまうことが多くなりました。この蛾もそうなのですが、葉裏に止まっていて本当に小さいのですが、見事な模様です。この蛾だけで10枚ほど写してしまいました。この蛾は見たことがなかったのですが、「標準図鑑」で調べると、モチツツジメムシガというスガ科の蛾みたいです。ツツジの葉に止まっているので名前とぴったりですね。タイプ産地は大阪府槙尾山になっていました。槙尾山というと大阪府和泉市にある山のことです。私は大阪北部なので場所的にもぴったりでした。



蛾のついでに出しておきます。これはシバツトガで外来種です。大阪の隣の兵庫県三田市のゴルフ場に入れた芝から全国的に広がった蛾です。



こちらはマエキカギバ。私の記録を見ると、マンションの廊下で一昨年の5月に1匹だけ見ていました。それほど多くは見ていないですね。



これはこの間も見たソトシロオビナミシャクです。



それにナカウスエダシャク



これは採集しないとよく分からないホソバの仲間です。どうせ写しても名前が分からないのだから、撮りたくはなかったのですが、たくさんいたので1匹だけ写しました。



葉っぱに隠れているつもりでしょうけど、頭かくして・・・ですね。ちょっとマークが見えています。たぶん、アトヘリヒトホシアツバでしょうね。



こんなハチもいました。顔や腹部の模様からエントツドロバチかなと思います。



あんまりしつこく写すので、うるさがってとうとう逃げ出してしまいました。



これはたぶん、クロオオアリ♂だと思うのですが、あまり根拠はありません。昨年、♂アリの検索をしてみたのですが、属までの検索なので種まで行こうとするといつももやもやで終わっています。今のところ、まだやる気が起きません。

ところで、先日、菅井 桃李さんから、素晴らしい写真を載せたブログを紹介していただいたので、私も接写倍率を上げた撮影に挑戦しようと思って、この日は24㎜広角レンズを逆向きに取り付け、エクステンションリングを入れて、倍率3.8倍での撮影を試みてみました。以前、やったときはピントがどうにも合わなかったので、今回は2方向の移動ステージを三脚に取り付けました。それで、シラカシの幹に群生するチャタテを撮りに行ったのですが、蚊の襲撃であえなく敗退。それで、ツツジの植え込みで練習をしてみました。でも、難しいですね。風で葉が動くし、虫も動くし。それで、死んだハエが葉の上にいたので、まずはそれで練習することにしました。



トリミングをしていないので、これが全画面です。1 pixelが3.917ミクロン。横幅が4800 pixel、倍率が3.8倍なので、実際の横幅は4.9mmになります。焦点深度が浅くてなかなかきれいに写りません。深度合成をするにも風が邪魔で・・・。

と、そこで異変が起きました。



アリがこのハエ狙ってやってきたのです。



もうピントどころではなくなりました。三脚のレバーを動かしてともかく手動でピントを合わせて何枚か撮ってみました。



かなり残酷なシーンが続くので、これくらいにしておきますが、接写でファインダーを覗いていると、自分もその世界に入っているような気がしてちょっと怖かったです。小さな世界もなかなか住みづらいですね。





最後はお口直しにユリノキです。とうとう花が咲きました。そこに光が当たって、まるでかぐや姫でも生まれてくるような光景でした。

家の近くのむし探検 甲虫、ハエほか

家の近くのむし探検 第45弾

一昨日の公園の虫探検の結果の続きです。天気がいいので、毎日、出歩くと写真がどんどん増えてくる・・・。それだけ虫が多いってことなんですけど・・・。



これもツツジの葉の上にいたのですが、以前、マンションの廊下で見たニレウスバヒゲナガハムシ(ニレハムシ)に似ています。ただ、これにも似た種がいて、以前は触角第3節と第4節の長さなどで比較しました。写真を見ると、これも触角については以前とほぼ似たような感じですが、上翅周辺の平圧部がずいぶん少ない感じです。ということで、結局、よく分かりません。



ハムシはこのヒゲナガウスバハムシがたくさんいます。確かにツツジを食べています。





ジョウカイボン、この2種がいます。下はセボシジョウカイ辺りなのですが、上がよく分かりません。





コメツキもいろいろと出てきました。上はカバイロなのかなぁ。たくさん出てくるとさっぱり分からなくなりました。



サビキコリだけは何とか分かりますが・・・。



次はハエです。脛節刺がないので、これはトゲナシケバエの♂ですね。これまで記録では、フト、ヒメ、クロの3種がマンションで記録されています。写真を拡大してみると、触角の節数がたぶん11節なので、9節のヒメを除外できます。また、フトは腹部が太いので多分違うかな。それで、クロトゲナシケバエが今のところ有力です。



この間と同じで、キンバエか、コガネキンバエというところですね。



これは何だろう。



♂のユスリカですね。この間、♂ユスリカ2種を捕まえてきたのですが、なかなか検索をする勇気が出なくて冷凍庫にそのままになっています。今度の休みにでもやってみるかなぁ。



後はマガリケムシヒキ♂。腹端がよく見えますね。この日の虫はこんなところでした。



公園の一角に用水路が通っているのですが、その脇で咲いていました。



白い小さな花がいっぱい咲いています。名前が分からないので、夕方、ちょっと行ってサンプルを取ってきました。



茎にはこんな棘があります。こんなところから家族と一緒に名前調べをしました。結局、バラ科のトキワサンザシ、俗に、ピラカンサスと言われる種類みたいです。最近は植物の名前調べも大変になってきました。どうも木は苦手で、図鑑の端から順に見ていっています。

家の近くのむし探検 蛾、チャタテなど

家の近くのむし探検 第44弾

一昨日の公園の虫探しの結果です。写真整理がだいぶ追い付いてきました。それにしてもこの頃は天気がいいですね。天気がいいとすぐに出かけてしまい、出かけると写真が山のようになっています。たまには曇って、じっくり虫を調べたい気もしますが・・・。ちょっと贅沢な話ですね。





今日の最初はこの毛虫です。初めて見たと思うのですが、何か見覚えのある姿です。家に戻ってから調べてみたら、ウスバツバメガの幼虫でした。図鑑でよく見ていたので覚えていたようです。食草はバラ科、ニレ科というのでツツジではないようです。マダラガ科はみなこういう派手な姿をしていますね。



これは先日も見たシロスジツトガ



こういうとりとめのない模様はいつもミダレカクモンハマキとしているのですが・・・。



蛾は後、マンションの倉庫の壁で見たヤマトカギバ



それから、このマンションの花壇で見た真黒な蛾。「標準図鑑」をパラパラ見ると似た種は出てくるのですが、



頭頂、顔面まで真黒な種が見つかりません。ともかく、一心に蜜を吸っています。(追記2016/05/21:菅井桃李さんから、「黒い小さな蛾はヨツモンキヌバコガの越冬世代でしょう。紋の痕跡らしきものがあるものが見られることも。」というコメントをいただきました。「標準図鑑」を見ると、春型♀の写真が載っていて、確かに翅は真黒でした。ただ、腹部中ほどから先端が黄色いので探していくときに早々と除外してしまっていました。



横から撮った写真もありました。確かに腹部に黄色い毛のようなものが生えているみたいです




クワキヨコバイ属はやけにたくさんいます。いろいろなヨコバイを写そうと思って、白いのが飛ぶと調べに行くのですが、どれもこれもこの種です。



シラカシの幹にチャタテがいっぱいいることが分かりました。小さいのですが、この写真でも4匹見えます。



保護色でなんだかよく分かりませんが、たぶん、先日も見たウスイロチャタテ科ではないかと思います。クリイロチャタテあたり?先日捕まえた個体があるので、一度調べてみます。実は昨日もこれを倍率を上げて撮ろうと思って、三脚やらレンズやら持ってでかけたのですが、猛烈な蚊の襲撃を受けてやむなく敗退。5分ほどいただけなのに4か所も刺されてしまいました。今度は完全防備で行ってみます。



後の虫は次回に回します。今日の花はこのキキョウソウです。「日本帰化植物写真図鑑」によると、北米原産と書かれているので、またしても外来種ですね。図鑑の横にヒナキキョウソウというのも載っていました。違いがよく分からない・・・。

家の近くのむし探検 甲虫、カメムシ、クモほか

家の近くのむし探検 第43弾

写真が溜まってきたので、先ほどに続いて、一昨日の公園の虫探しの結果を出します。



まずはこのゾウムシです。この模様には見覚えがありました。「廊下のむし探検」で何度か見ていました。ホソアナアキゾウムシでしたね。



これはセボシジョウカイとしていたものだと思うのですが、ジョウカイボン科の種が急激に増えているので、何が何やら分からなくなってしまいました。とりあえず、「原色日本甲虫図鑑III」ではAthemus vitellinusとなっていたものが、現在はLycocerus vitellinusになっているようです。2013年日本産ジョウカイボン科チェックリストによると、Lycocerus属には48種が載っていました。「絵解きで調べる昆虫」には属までの検索表が載っているので、まずはそのあたりから始めてみたいと思います。文献によると、この属は現在は11種群に分けられることになっているようです。なかなか大変な世界ですね。



これは何だかアカハラクロコメツキに似ている感じです。横からも写してみました。



確かに腹部が赤いですね。たぶん、間違いないのではと思います。



これはバラルリツツハムシかなと思うのですが、自信はありません。(追記2016/05/21:菅井 桃李さんから、「バラルリツツハムシには、尾節板の形で区別するルリツツハムシと言うそっくりさんが居ます。バラルリツツハムシの尾節板は台形で、ルリツツハムシの尾節板は丸いと表現されています。」というコメントをいただきました。「原色日本甲虫図鑑IV」を見ると、確かにルリツツハムシはバラルリツツハムシの解説に注釈として出ていますね。「尾節板には側縁に沿って、明瞭な溝を有する」ということでした。いずれにしても、採集して見てみないといけないですね)(追記2018/01/26:「日本列島の甲虫全種目録 (2017年)」によると、バラルリツツハムシ Cryptocephalus approximatusとキアシルリハムシ Cryptocephalus fortunatusは互いにシノニムで、改めてキアシルリツツハムシ Cryptocephalus (Cryptocephalus) hyacinthinusと呼ばれているようです



それにこの間、間違ったダンダラテントウ



そのダンダラテントウが蛹になっていたすぐ横の塀でナナホシテントウの幼虫がいました。



これはもうすぐ蛹になりそう。こういう塀が好きなのかなぁ。



イトカメムシはもう撮らないつもりだったのですが、また撮ってしまった・・・。



これはコナジラミかなと思うのですが、いつものよりかなり大きな個体でした。(追記2016/05/21:菅井 桃李さんから、「白いのはコナはコナでもコナカゲロウ科です。コナカゲロウも調べてもよく分からないんですよねえ。」というコメントをいただきました。コナカゲロウ科というのは初めて聞きました。コナジラミはカメムシ目ですが、コナカゲロウとなるとアミメカゲロウ目になるのですね。確かに比較してみると、触角がずいぶん違いますね。この写真は黒くて長いですが、コナジラミは白くて短かったです。昆虫の世界は果てしないですね。やってもやっても見たことのない種がでてきます。菅井桃李さん、ご教授どうも有難うございました



今はこのクワキヨコバイ属がたくさんいます。だいたいは近づくと葉裏に逃げるのですが、たまに、こんな風にぼぉーっとしているのもいます。



カゲロウの脱皮殻です。尾が3本ですが、これでは何か分かりませんね。



アリグモの♂がいました。



この前に突き出しているのは上顎らしいのですが、どんな風に使うのだろう。



腹部に赤い紋があるのはウロコアシナガグモでしたね。似た種のエゾアシナガグモの♂ではこの模様はないのですぐに分かるとのことです。



これは♀ですが、たぶん、これもウロコアシナガグモなのでしょうね。



そしてササグモです。捕まっているのはマエジロオオヨコバイかな。



これはネコハエトリかな。



それに昨年教えていただいたエビグモ科のヤドカリグモ



最後は公園に行く道端で見たドクダミの花でした。

家の近くのむし探検 蛾、ハエ、アリ

家の近くのむし探検 第42弾

一昨日の公園での虫探しの結果です。最近、いい天気が続いているので毎日のように公園に行くと写真がどんどん溜まってきます。早く整理をしなけりゃ・・・。



この日はこんな蛾が2,3匹飛び回っていました。たぶん、シロスジツトガですね。マンションの廊下では見たことがなかったですね。ツツジに関係があるのかなと思って「標準図鑑」を見たのですが、寄生植物は分かっていないようです。



これはミダレカクモンハマキかな。



そして、この間もいたヒロバトガリエダシャクの幼虫です。別に斜めになっていたわけではなくて、カメラが斜めになっているからです。



ハエは無数といっていいほどいます。マンションの廊下だと小さなハエも写していたのですが、ここではとても写すことはできません。それで、目立ったものだけを写しています。これはシマハナアブだと思います。

追記2016/05/21:菅井 桃李さんから、「シマハナアブには何種かよく似た別種が居るので、なかなか難しいですね。メスでは特によく似たキョウコシマハナアブとの混同に注意が必要です。普通種で数もそれなりに多く見られるので、前脚脛節外側の毛の長さと密度が分かる写真が撮れないと、どちらか分からない画像が量産されます(笑)」というコメントをいただきました。

図鑑を見て、似ている→これだ!というわけにいかないのがハエ目ですね。大石氏の「ルーペで調べる身近な縞模様のハナアブの見分け方」によると、シマとキョウコシマは♀では前脛節の長毛列が密か疎らかで見分けています。さらに、ほかに近似種が多くあるとのことです。「日本昆虫目録」によると、Eristalis属は13種。そのうち、分布が本州と書いてあるものが6種。「札幌の昆虫」にはこのうち5種の図が載っています。残念ながらキョウコ♀の写真はないのですが、他の種の♀は縞模様が少し違うようです。やはり、シマかキョウコシマかというところみたいですね。図鑑には顔の筋の写真も載っているので、これも重要みたいですね。とりあえず、1匹捕まえてこなくては・・・




交尾中のハエですね。上になったハエが♂みたいですが、左右の複眼がくっついてはいません。ひょっとしてハナレメイエバエの仲間かな。



このハエは以前にも見たことがあったのですが、その時もよく分かりませんでした。今回は採集してきました。暇ができたら検索をしてみます。(追記2016/05/21:菅井 桃李さんから、「赤い複眼でネグロミズアブに似たハエ…居ましたねえ。」というコメントをいただきました。コメントを誤解して、ネグロミズアブ近辺の種なのかと思ってびっくりしました。でも、似ているだけだったのですね。一応、採集したので、今度検索をしてみます。科ぐらい、場合によれば属までは分かるかなと思います



これはこの間も見て、ヒメガガンボかなと思った種ですね。



これはクロバネキノコかなぁ。



マガリケムシヒキが蛾を捕まえていました。捕まえられているのはマエアカスカシノメイガかな。



ユスリカは今度検索をするつもりなので♂を採集してきました。触角がふさふさなので、これは♂ですね。



そして、こちらは♀。上とは別種かな。とりあえず♀はパスです。



これも♂ですね。これも一応捕まえたと思ったのですが、吸虫管で吸っていると何が何だか分からなくなってしまいますね。



これは♀の方かな。近くに水路があるからか、ユスリカもいっぱいいます。



これはマンションの廊下にいた羽アリです。



そして、これは公園のツツジの葉の上。いずれも♂アリですね。昨年のブログを見てみると、翅が茶色で大型の♂アリはクロオオアリだと書いていました。どういう根拠だったか忘れましたが、これもそうかもしれませんね。後の虫は次回に回します。

最後は花ですね。



公園へ行く道で咲いていました。ブタナです。これも外来種ですね。「日本帰化植物写真図鑑」によると、ヨーロッパ原産だそうです。

家の近くのむし探検 甲虫、ハエ、ハチなど

家の近くのむし探検 第41弾

3日前の公園での虫探しの結果の続きです。



マンションの廊下での虫探しと公園での虫探しの違いは、公園ではこんな交尾中の個体によく出会えることです。この日は前回出したモモスズメのほかにも交尾の姿が見られました。ジョウカイボンの仲間ですね。よくこんな格好をして死んだ個体と交尾していることがあるので、ぶら下がっている方の触角をちょっと触ってみました。



そうしたら、2匹で大急ぎで移動し始めました。おかげで胸背の模様が見えました。この模様と脚腿節末端が黒いというところで図鑑を探してみたのですが、適当な種が見つかりませんでした。先日、ジョウカイボン科のリストを見てから、名前探しをほとんど諦めています。



この間から見ているヒゲナガウスバハムシです。ツツジで探すとたくさん見つかります。





キイロテントウナミテントウ



チビタマムシの仲間です。これは頭盾を見ないと分からなかったなと思って、何枚か写真を撮ってから採集しようと思ってふと見るともういなくなっていました。撮影と採集、両立はなかなか難しいです。



これもカップルです。私の目の前にこんな格好で飛んできました。



そして、すぐに態勢を立て直しました。例のマガリケムシヒキなのでしょうね。



キンバエがいたので思わず写してしまいました。こんな色をしていてもいろいろな種がいるのだろうなと思ったのですが、次の論文に載っている検索表を見てみました。

田中和夫、「屋内害虫の同定法 (3)双翅目の主な屋外害虫」、家屋害虫 24, 67 (2003). (ここからダウンロードできます)

翅の基部の特徴や脚や腹部の色で検索ができます。だから、この写真でも意外に検索できました。結果、キンバエか、コガネキンバエになりました。この両者は生殖背板を見る必要があるため、採集しないといけないみたいです。でも、結構、種に近いところまでいけますね。



セダカコガシラアブはこの日も一匹だけ。



近くにはクモの巣にかかったこんな姿も。何となく寂しさを感じますね。



羽アリが見られました。これは頭が小さいので雄アリの方かな。これまで羽アリは5月中下旬から夏にかけて見ていました。そろそろそんな季節になったのですね。



公園からマンションに戻る途中の塀に先日ダンダラテントウの幼虫が何匹かいました。その場所にこんな蛹が・・・。



近くには蛹になりかけの幼虫も・・・。



マンションの庭に有志の方が花壇を作っておられます。そこも虫探しには面白いところです。これはハナバチですが、中脈がぐにゃっと曲がっています。それで、コハナバチ科みたいです。



そして、これはルリマルノミハムシ



花によっては赤ダニがいっぱいついているのもありました。こんなダニの名前は分かるのかなぁ。

家の近くのむし探検 モモスズメほか

家の近くのむし探検 第40弾

3日前の公園のむし探しの結果です。虫の種類が多くて、写真整理が追い付かなくなってきました。



この日はあまり虫がいなくて、ちょっとしょぼしょぼしながら撮影をしていました。そうしたら、公園に来られている子連れのお母さんが、変な虫がいると呼びに来てくれました。蛾みたいだけど、見たことのない形というので、見に行くと、このモモスズメでした。公園の中の小さな石塀に止まっていたのですが、こんな姿を見るのは初めてです。シンメトリーの美がありますね。上の個体の腹は太くて、下は細いので、上が♀、下が♂でしょうか。

これを見てから、急に虫探しに熱が入り始めました。



探せば、蛾はいろいろといるものです。これはソトシロオビナミシャク。ツツジの葉っぱに止まっていました。



そして、チャハマキ



マンションの壁と違って、野外だと蛾はすぐに葉の裏側に潜り込むので、撮影が大変です。私も下に潜り込んで写しました。フタテンシロカギバですね。



それからキマダラアツバ。これらはすべてツツジの葉に止まっていました。



ついでにマンションの倉庫の壁に止まっていたベニフキノメイガも出しておきます。



これも倉庫の壁に止まっていたのですが、鱗粉が取れてほとんど模様が分かりません。わずかに残る模様と翅形から、ネスジキノカワガかなと思いました。





この日の毛虫はこの2匹。上はヨツボシホソバ、下は何だか分かりません。(追記2016/05/21:菅井 桃李さんから、「何だかよく分からない幼虫はハマキガっぽい様な…」というコメントをいただきました。この手の毛虫は特徴がなくて、何を手掛かりに探してよいやら分かりません



イトカメムシはあまりに数が多いので、撮らないつもりだったのですが、なぜか撮っていました。



それからシマサシガメ



公園の照明の柱に小さなチャタテが止まっていました。翅を拡大してみます。



写真で見る限り、後小室がなくて、縁紋が長四角形です。ということで、たぶん、ウスイロチャタテ科かなと思いました。一応、採集したので、今度調べてみます。



最後に花です。公園の小さな植木にぽつぽつと白い花が付き始めました。さて、名前は何でしょう。(追記2016/05/21;菅井 桃李さんから、「白い花はアカネ科のハクチョウゲ白丁花ですね。庭木や植え込みなどで目にする植物ですけど、久し振りに見た気が。」というコメントをいただきました。虫だけでなく、植物もよくご存じなのですね。先日、園芸店にいったら、同じような斑入り種が売っていました

家の近くのむし探検 甲虫とクモ

家の近くのむし探検 第39弾

3日前の公園の虫探しの続きです。早く出さないと、2日前と今日撮った写真が溜まってきました。



こんなカミキリがいました。模様からはトゲヒゲトラカミキリのようです。マンションの廊下でも何度も見たことがありました。マンションからこの公園までは歩いて5分程度。同じ雑木林に面しているので、出てくる虫もだいたい同じみたいですね。3年半の間、マンションの廊下で勉強したことがずいぶん役に立ちます。



後はいつもの連中です。これはツツジコブハムシでしょうね。だいぶお馴染みになりました。こうやって近くから写すと確かに虫なのですが、ツツジの葉の上にはいろいろなものが落ちているので、ぱっと見ただけでは見逃しそうです。



この間から見ているヒメクロオトシブミです。何度写しても格好がいいですね。



この間、ヒゲナガウスバハムシだとしたハムシです。最近、手作り図鑑の制作を進めているのですが、ハムシのところになって、「原色日本甲虫図鑑IV」と「原色昆虫大図鑑II」とで和名がずいぶん違うことに気が付きました。この種はニッポンヒゲナガウスバハムシとなっていました。イタドリハムシもイタドリヒゲナガハムシ。この和名、どこまで通用しているのでしょう。



次は苦手なコメツキです。外観から、この間、MSWiさんにコメントしていただいたキバネホソコメツキだろうと思って、「絵解きで調べる昆虫」の検索表を見てみました。キバネホソコメツキはコメツキ亜科第2群に入るのですが、検索表を見ると、「前頭横隆線は台形状で、前頭横溝は生じない。前胸背板の側縁は目の中央部に達する。」となっています。



これは横から撮ったものですが、前胸背板側縁は複眼の下に達していることは確かです。前頭横溝ははっきりしません。だとすると第3群かもしれないなと思って悩み始めました。今度、一度採集してきて調べてみたいと思っています。コメツキにはいつも悩みます・・・。



ツツジの葉にラクダムシがいました。いつもマンションの廊下にいる姿ばかり見ていて、自然にいる姿を見るのは初めてです。でも、やはりラクダムシはラクダムシですね。



木の幹をクモがちょこちょこと歩いてきて、ちょっとした窪みにしゃがみ込みました。こうするとほとんど目立ちません。キハダエビグモだと思います。



これはネコハエトリだと思います。



最後は公園の植物を一つ。モクレン科のユリノキです。こんなにつぼみが膨らんできました。もうすぐ開花ですね。

家の近くのむし探検 セダカコガシラアブほか

家の近くのむし探検 第38弾

三日前の公園での虫探しの続きです。外出したり、同定していたりで出すのが遅れてしまいました。今日の最初はこれです。



セダカコガシラアブの仲間が長い口吻を何に使うのか調べたくて、ツツジの葉先に止まっている個体をずっと観察していました。そうしたら、いきなりもう1匹がやってきて交尾の態勢に入りました。



でも、一瞬のことですぐにもう1匹は離れてしまいました。どうやら交尾はしなかったようです。



その後、残された1匹は万歳を何度もしていました。複眼でも拭いているのかなぁ。



もう1回は運よくツツジの花に潜り込んだところを見つけました。そして、口吻らしきものを前に伸ばして・・・と思ったのですが、後から調べてみると、何となく前脚のような気がしてきました。またしても撮影失敗かな。でも、中にいたのは割と一瞬ですぐに出てきました。



曲がった体だからでしょうが、出るときも雄蕊が邪魔をしてなかなか出られません。一度ずっこけてしまいました。実は、おちゃたてむしさんからツツジの花で吸蜜するという情報を得て、翌日、もう一度公園に行ってみました。でも、晴れていたにも関わらずこの日は1匹だけ。しかも、葉先に止まったまままったく動きません。30分ほど見ていたのですが、とうとうギブアップ。見渡せば、ツツジの花はもうほとんどなくなっています。今シーズンは終わりかもしれませんね。



ハエついでにこの写真も出しておきます。たぶん、シマバエ科のHomoneura属ではないかと思うのですが、Homoneura属は以前、検索をして種までたどり着いたことがありました。今回も採集してきたので、また、チャレンジしてみます。(追記:前回と同じように検索をしてみました。シマバエ科Homoneura属までは確かそうです。ただ、これは♀のようで、そこから先の検索ができませんでした。残念!)(追記:ひょっとしたら、♀でも種の特定ができるかも・・・



これも一応ハエかな。ホソヒメヒラタアブだと思います。



この間MSWiさんから、コツチバチだと教えていただいた種だと思います。この角度から撮ると、ちょっと可愛いですね。



これは何だろう。奇妙な触角のハチです。採集しなかった・・・。



奇妙な虫がいました。でも、2年前の5月8日にマンションの廊下で見ていました。アオヒゲナガトビケラです。トビケラの仲間なのですね。長い触角で端まで入れると上の写真のようになります。



本体部分を拡大しました。変な形の突起はネット情報によると小顎肢だそうです。翅の先が裁断されているみたいだし、こんな形、何か意味あるのでしょうか。



いつものホソマダラシリアゲ



で、このカゲロウ。翅が半透明なので亜成虫です。尻尾は2本。目が小さいので♀。翅を拡大してみました。



御勢氏の「日本産カゲロウ類」を見ながら、翅脈に名前を付けてみました。雰囲気、コカゲロウの翅脈ですね。しかも、後翅が見当たりません。そこで、ちょっと検索をしてみました。



これは「日本産カゲロウ類」に載っていた検索表のうち、必要な部分だけを抜き出したものです。①のMの基部とCuAの基部が平行というのは写真を見るとすぐに分かります。これが平行でなく、基部付近で広がれば、カワカゲロウ、モンカゲロウ、アミメカゲロウになります。②の「後肢の跗節が4節の可動環節になる」というのは写真では見にくかったです。



後肢先端の跗節を拡大したものです。まさか、こんな部分の写真が必要だとは思わなかったので、いい加減に撮ってしまいました。先端が爪だとすると何となく4節のような気がします。もっとも第1節が可動節かどうか微妙ですが・・・。とりあえず、これで、ヒラタカゲロウを除外することができます。次の③と④は翅脈を見ると確かめられます。ということで、跗節の節数さえあっていれば、コカゲロウ科になります。

次は種への検索です。後翅がないと判断すると、次は縦脈間の間脈の数です。上の写真に白矢印を一部入れておきましたが、2本ずつあるようです。ということで、フタバコカゲロウ属になりました。御勢氏の論文ではフタバコカゲロウ属はミジカオフタオコカゲロウとフタオコカゲロウの2種が載っていたのですが、「日本産水生昆虫」ではミジカオフタオコカゲロウ属とフタオコカゲロウ属に分かれ、それぞれ4種、2種が載っていました。これも検索してみると、どうやらミジカオフタオコカゲロウ属ではないようですが、♂の検索表なのではっきりとは分かりません。結局、フタオコカゲロウ属なのかなと思って、説明を読んでみると、成虫および亜成虫は静止の時に翅を広げる性質を持つということが書かれています。そういえば、以前、翅を広げて止まっている写真を撮ったことがありました。では、これはいったい何だろうか。というので、手詰まりになってしまいました。やはり写真だけだと難しいですね。少なくとも、♂の把持子を確認する必要があります。

長くなったので、ここで一旦終わっておきます。後は甲虫とクモが残っています。これも問題ありの種がありなかなか悩ましいのですけど・・・。

家の近くのむし探検 蛾とカメムシ

家の近くのむし探検 第37弾

昨日の公園での虫探しの結果です。最近は虫探しが面白くなって、晴れているとすぐに出かけてしまいます。この日は何だか蛾が多かったですね。



まずは公園に行く途中の石垣に止まっていました。たぶん、ホソバヤマメイガです。



公園に着くと、早速、ツツジの植え込みに行ってみました。葉の合間にいろいろな蛾がいます。これはフタテンオエダシャク



これはアトテンクルマコヤガ



ヤマトカギバ



これは、たぶん、ウンモンツマキリアツバ



そして、ウスモモイロアツバ



このアオシャク、だいぶ迷いました。内横線、外横線の形からキバラヒメアオシャクかなと思ったのですが、縁毛にはっきりした模様が見えません。たぶん、違っているかなとは思うのですが・・・。



これも模様がはっきりしなくて難しいですね。とりあえず、ヤスジマルバヒメシャクとしておきます。



それと、この間も見たオオギンスジハマキ



シロスジベニマルハキバガ。これは初めて見たかもしれません。小さいけれど、綺麗な蛾ですね。



最後はアトモンヒロズコガでした。これだけがわずか10mほど間の植え込みにいました。



毛虫も出しておきます。



顔も写しておきました。ヒロバトガリエダシャクですね。



次はカメムシです。イトカメムシがとにかく多いですね。でも、あまり存在感はないですが・・・。





交尾しているのもちらほら。



たぶん、セアカツノカメムシだと思うのですが、初めて見ました。存在感のあるカメムシです。



ナシグンバイも時々見ますね。(追記2016/05/28:これはトサカグンバイの方でした。ナシとトサカの比較をしてみました。こちらを見てください



近寄ったらさっと逃げてしまったので、この1枚だけになりました。ネットの検索から、ヨコバイ科ヨコバイ亜科のフタスジトガリヨコバイかなというところです。



最後は公園の花を載せておきます。これはオッタチカタバミという外来種だと思います。普通のカタバミが地面を這うのですが、これは立ち上がります。「日本帰化植物写真図鑑」によると、北米原産のようです。在来種のカタバミは毛が少ない、托葉が大きいなどから区別できるということですが、一度、調べてみたいですね。

家の近くのむし探検 虫いろいろ

家の近くのむし探検 第36弾

昨日の公園の虫探しの結果です。昨日、蛾とクモなどを出したので、それ以外の虫たちです。



今日の最初はこの虫からです。パッと見では何の仲間か分からないのですが、実は、マンションの廊下で過去に見ていました。たぶん、クロコバネジョウカイという甲虫です。上翅は黄色の部分までしか伸びていないのでしたね。(追記2016/05/14:コバネジョウカイ亜科の検索表が「絵解きで調べる昆虫」に載っていました。知らなかった・・・。これは中脚腿節が細いので♀の方かな。検索表は♂用でした



次はこの小さなハムシです。ツツジに何匹かついていました。



この写真には食痕が写っています。後腿節が結構太いですね。触角が長く、翅に筋が入っていません。そんなところを手掛かりに調べてみたら、ヒゲナガウスバハムシかなと思ったのですが、自信はありません。





これもツツジの葉にいました。これはキアシチビツツハムシかなと思ったのですが・・・。



後はサビキコリ



アカハムシダマシでした。



テントウの幼虫なので、一応、甲虫ですね。道路横の塀に3匹ほどついていました。ネットで調べたところ、ダンダラテントウの幼虫みたいです。初めて見ました。



ルリチュウレンジは公園にいっぱいいます。



でもこの日は交尾しているところを見つけました。



この小さなハチはハナバチの仲間です。頭盾が白いので♂ですね。捕まえてきたので、今度検索してみます。(追記2016/05/14:「日本産ハナバチ図鑑」の検索表で検索してみました。ミツバチ科のヤマトツヤハナバチ Ceratina (Ceratinidia) japonica ♂になりました



これは先日も見つけたヒメバチ科ヒラタアブヒメバチ亜科のハラアカアブヒメバチかその仲間のハチです。今回は採集してきたので、今度、亜科の検索の練習をしてみたいと思っています。



次はカメムシの仲間です。これはチャバネアオカメムシです。背景が緑だと、かえって緑色が映えますね。



そして、これはアカヒメヘリカメムシ



これもカメムシ目です。この間も見たクワキヨコバイ属のヨコバイです。



セダカコガシラアブの仲間は何匹か飛んでいました。この長い口吻の使い方が分からなくて、ずっと見ていたのですが、ちっとも分かりません。(追記2016/05/15:おちゃたてむしさんから、「同種かどうか分かりませんが、こちらではセダカコガシラアブの一種がモチツツジの花の中心に口吻を深く突き刺して吸蜜しているのをよく見ます。古い記録ですが、岩田久仁雄さんの「昆虫を見つめて五十年」のなかに「モチツツジを訪花するコガシラアブ」という一文があって、ハセガワセダカコガシラアブが特にこの花を好むことを観察されています。」というコメントをいただきました。今後、頑張って吸蜜しているところを見たいと思います。おちゃたてむしさん、どうも有難うございました





マンションの花壇に来ていたヒラタアブです。以前、マンションの廊下で見たコマバムツボシヒラタアブかなと思ったのですが、腹部の斑紋も翅脈もちょっと違うようです。フタホシヒラタアブかなと思ったのですが、これも自信なし。



これは変わったユスリカだな、しかも♂だしと思ったのですが、あまりに小さいので採集は止めました。(追記2016/05/21:菅井 桃李さんから、「捕獲しなかったユスリカは、Cricotopus sp.ツヤユスリカの仲間ですね。つい最近、白い帯が1本のものを見たんで、この仲間の発生時期なのでしょう。」というコメントをいただきました。早くユスリカの検索をして、属くらいまでは到達したいです



こちらは結構大きかったので採集しました。でも、♀ですね。(追記2016/05/14:「図説日本のユスリカ」や「日本産水生昆虫」に載っている属や種の検索表は基本的に♂用なので、亜科の検索表までしか使えません。検索の結果、ユスリカ亜科にはなったのですが、やはり♂を捕まえてこないと駄目ですね



後はガガンボ類。写真から翅脈が読み取れなかったので、科は分かりません。



交尾中もいました。これはなんとなくガガンボ科ですね。



ナミマガリケムシヒキ、この日は大きなハエを捕まえていました。なかなか凶暴です。



後はホソマダラシリアゲ



これはマンションの壁についていました。recurrent veinがないので、普通のチャバネヒメカゲロウでしょうね。





ゴキブリの幼虫であることは確かなのですが、それ以上分からないので、ネットの画像検索で調べてみました。ヒメクロゴキブリの若齢幼虫みたいです。

これで全部です。結構、いますね。ふぅー。

家の近くのむし探検 派手な蛾とクモ

家の近くのむし探検 第35弾

今日は久しぶりに晴れました。本当に雲一つない快晴です。それで、午前中いつもの公園に行ってみました。最近は公園で虫を探すのが楽しみになってきました。あちこち歩き回るよりも、狭い公園でじっくり探した方がよっぽどたくさんの虫が見つかります。今日最初に見つけたのはこんな「むし」でした。



葉っぱの裏に何か隠れています。赤い色が見えたので、ひょっとしてセアカゴケグモ?



葉の裏にへばりついているので、下に潜り込むように写しました。どうやらセアカゴケグモではなさそう。第1,2脚が長いのでカニグモでしょうね。



そうこうしているうちに葉の上に出てきました。ずいぶん派手な色と模様です。「日本のクモ」で調べると、カニグモ科のフノジグモのようです。図鑑には「赤色の地に黒色の不の字状の斑紋がある」と書かれているのですが、どれが「不」の字なのかよく分かりません。でも、こんな派手なクモがいるのですね。



続いて、ツツジの葉を見て回ったら、こんな派手な色の虫が見つかりました。今まで見たことはなかったのですが、図鑑で見覚えがありました。蛾の仲間です。家に帰ってから調べてみると、セグロベニトゲアシガというニセマイコガ科の蛾でした。これは何かの擬態なのかなぁ。触角も面白いけど・・・。(追記2016/05/13:菅井 桃李さんから、「セグロベニトゲアシガはベニボタル擬態かな。真ん中が黒いのは、ヤツらが翅を閉じないでいることがあるから?」というコメントをいただきました。ネットで探すと、ベニボタルに似せたコメツキ、カミキリ、アカハネムシなどもいます。ベニボタルには毒があると書かれているサイトは多いですが、肝心の物質名はどこにも書かれていません)(追記2016/05/13:その後、論文を調べてみたら、北米産のCalopteron属を調べた結果、リシッド酸という新しい酸を見つけたという論文が見つかりました。

T. Eisner et al., "Defensive Chemistry of Lycid Beetles and of Mimetic Cerambycid Beetles that Feed on Them", Chemoecology 18, 109 (2008). (ここからダウンロードできます)

この酸は少なくとも部分的にはクモなどを排除する役を果たしているようです。その他にもピラジンや異臭物質も含まれているそうです




これはヒゲナガガの仲間です。似た種が多いのですが、たぶん、ケブカヒゲナガの♀だと思います。あまり、自信はないのですが・・・。



基本的にチョウとトンボは撮らないでおこうと思っていたのですが、目の前にサナエトンボが止まりました。



仕方がないので、ちょっと接写でパチリ。フタスジサナエみたいですね。



そのほかに見た蛾です。これはシロテンキノメイガ。だいぶ色が薄れてきています。



これはハイイロエグリツトガ



ナカウスエダシャク



苦手なホソバの仲間です。キマエホソバだか、ニセキマエホソバだか、よく分かりません。



クモではヤミイロカニグモ



小さなクモで、名前は分かりません。



それにヤサアリグモでした。



毛虫はマイマイガ



クヌギカレハかなと思われる毛虫です。そのほかの虫は次回に回します。



最後はおまけで、公園の入り口に咲いていたユウゲショウでした。(追記2016/05/13:菅井 桃李さんから、「ユウゲショウ(アカバナユウゲショウ)は外来種だったかな。朝に花が咲いて、夕方には萎む筈ですが、何故か名前が夕化粧なんですよね。」というコメントをいただきました。ユウゲショウ、調べてみるといろいろと出てきました。「日本帰化植物写真図鑑」によると、熱帯アメリカ原産で観賞用が逸出。さらに、夜咲きと書かれていました。でも、昼も咲いているのにと思って第2巻を見ると、「ユウゲショウ・ヒルザキツキミソウの花は何時咲くの?」というコラムが載っていました。それによると、未明の4-5時に開花し、夕方6-8時頃にしぼむ1日花だそうです。ちなみにヒルザキツキミソウは朝4時ごろ咲いて、翌日の午後にしぼみ始める2日花みたいです。アカバナ科なので、マツヨイグサみたいに夜咲きだと勝手に思って、夕化粧なんて名前をつけたようですね。ただし、ネットを見ると2日花だという観察記録も出ていたり、いまいちはっきりしませんが・・・

家の近くのむし探検 蛾、ハエ、ハチ、クモ

家の近くのむし探検 第34弾

5月8日の公園での虫探しの結果です。昨日、甲虫とカメムシなどを出したので、その残りです。



例のセダカコガシラアブの仲間はこの日はたくさん飛んでいました。だいたいツツジの花の周りを飛んだり、葉の間を縫うように飛んでは、葉の先に止まるという動作を繰り返していました。花に止まった姿は一回も見たことがありません。この日は公園全体で10数匹といった感じでしょうか。それにしても腹の先まで届くようなこの長い口吻、どうやって使うのでしょう。そうか、アブだから虫の体液でも吸うのかなぁ。



ユスリカもいろいろいるので調べてみたいのですが、この間買った「図説日本のユスリカ」で本当に分かるだろうかと思って、ちょっと疑心暗鬼です。(追記2016/05/13:MSWiさんから、「ユスリカはツヤユスリカの何かでは。
斑紋にも結構種の特徴が出るらしいので、見る人が見れば分かるかも。」というコメントをいただきました。今年はユスリカを調べてみようと思っているのですが、なかなか重い腰が上がりません。昨日、セスジユスリカ風のやや大きめのユスリカを採集してきたので、ちょっと頑張ってみようかなと思っています




この間調べたルリチュウレンジは相変わらずたくさんいます。この長い触角が3節だけ・・・。思わず見てしまいます。





ツツジの花の周りを不器用に飛ぶ小さな黒い虫。気になってつい写してしまいます。この間捕まえて検索をしたらコマユバチ科になりました。その後の検索は進んでいません。



こちらのハチはよく分かりません。



蛾はマンションの廊下にいたヒメサビスジヨトウ





それに、公園のツツジに止まっていた、たぶん、チャノコカクモンハマキヤマトカギバ



毛虫はできるだけ撮っておこう思っているのですが、ツツジにいるからツツジが食草というわけではないみたいですね。食べている姿を写さないと・・・。これはぶら下がっていただけ。やっと名前が分かりました。たぶん、ヒロバトガリエダシャク



こちらは確実にツツジを食べているのですが、名前が分かりません。(追記2016/05/13:菅井 桃李さんから、「ツツジを食べてるのはハスオビエダシャクでしょう。広食性で、あまり他のものが食べないサクラソウ科なども食べてます。あちこちで見掛けることが多くなると思いますが、コイツに関しては食草を気にすることはありません。」というコメントをいただきました。どうも有難うございました



これは先日見たチャバネフユエダシャクかな。



最後はクモです。これはマンションの倉庫に壁に止まっていたマミジロハエトリ♂です。



これは公園のツツジの花にいたマミジロハエトリ♀?



では、これは何だろう。分かりませんでした。(追記2016/05/13:MSWiさんから、「最後のハエトリはネコですね。
斑紋より顔つきを見た方が分かりやすいタイプだと思います。茶色っぽいアイリングにもっさりした触肢です。」というコメントをいただきました。ネコハエトリはなかなか分からなかったのですが、顔を見ればよいのですね




これはたぶん、クサグモの幼体かなと思うのですが、よくは分かりません。

毛虫とクモが続いたので、最後は花にしました。



ニワゼキショウ。今、公園はこの花でいっぱいです。

家の近くのむし探検 甲虫ほか

家の近くのむし探検 第33弾

一昨日の公園での虫探しの結果です。相変わらず虫が多くて名前調べが大変です。まず甲虫とカメムシなどを出します。





ヒメクロオトシブミは小さいですが、こうやってアップすると格好がいいですね。もう何度も撮ったのですが、また、撮ってしまいました。



こちらはホタルカミキリかなと思います。



ツマキアオジョウカイモドキですね。



ハナノミだと思うのですが、なんとなく触角が違うような気がしました。でも、ハナノミでしょうね。



葉っぱの隙間からキイロテントウが歩いてきました。こうやって前から撮ると、上の黒点は目じゃないことはすぐに分かりますね。



いつものアカハムシダマシです。



公園に行く途中の石垣にいました。ヤマトシロアリです。今頃の季節、あちこちにいますね。



翅の生えているのものいたと思って写したのですが、どうも宙に浮いているようです。腹もねじれているし・・・。クモの巣にかかって死んでいるみたいです。





今頃、ツツジの葉を探すとイトカメムシがいっぱいいますね。





複眼の先に黒点が3つあるみたいです。たぶん、ヨコバイ科カンムリヨコバイ亜科クワキヨコバイ属みたいです。「原色昆虫大図鑑III」には1種のみ載っていますが、この属には種がたくさんいるようです。

林 正美、「日本列島におけるヨコバイ科昆虫の多様化および生物地理」、埼玉大学総合研究機構,総合研究機構研究プロジェクト研究成果報告書(5(18年度)), 398 (2007). (ここからダウンロードできます)

この報告書によると、日本産48種に加えて、110種以上の未記載種が記録されているようです。この報告書ではこれを16種群に分けています。これによると、近畿地方には、クワキヨコバイ Pagaronia guttigeraグループ55種とオカダクワキヨコバイ P. okadaiグループ 9種が分布しているようです。いつもそうなのですが、分類が進んでいくと何がなんだか分からなくなってしまいますね。こんな可愛い顔をしているので、名前で呼んであげたいのですけど・・・。



これも先日見たホソマダラシリアゲですね。



クサカゲロウもいました。これはヤマトクサカゲロウみたいです。





公園に行く途中の雑木林で咲いていました。実は、これの名前調べが一番大変でした。葉を見るとモチノキ科みたいだったのですが、花が違います。図鑑をあれこれ調べた結果、最終的にバラ科のカナメモチになったのですが、あまり自信がありません。虫も難しいけど、木の名前調べも難しいですね。

虫を調べる ツツジコブハムシ

先日捕まえたコブハムシを調べてみました。





最初に見たのは上の写真の個体で5月1日でした。次に見たのは下の写真の個体で5月5日でした。いずれもツツジの葉についていました。捕まえたのは2匹目の個体です。

コブハムシ属については、「原色日本甲虫図鑑IV」に日本産8種についての検索表が載っていました。これを使って検索してみると、菅井 桃李さんの予想通り、ツツジコブハムシになりました。その部分の検索表は簡単で以下の通りです。



ここには、以前マンションの廊下で見たムシクソハムシと今回見たツツジコブハムシの両方についての検索表を載せています。要は腹面にある腹板突起の形を見ればよいのです。



これは腹面の写真です。全長は3.3mmでした。前胸腹板後突起と後胸腹板後突起の部分を拡大して、以前見たムシクソハムシと比較してみました。



aはムシクソハムシ、bは今回の個体です。「前胸腹板の後突起の側縁が側方に鋭く突出し」というのは㋐の部分です。また、「末端部も角張る」は㋑の部分です。aとbともに突出しています。後胸腹板後突起の部分は㋒の部分ですが、ここに違いが見られます。ムシクソハムシは三角形で、先端は丸くなっています。一方、今回の個体は横長で、末端は直線状だというのも何となく分かります。



これは背側からの写真ですが、淡色の斑点があります。ということで、ツツジコブハムシで間違いないのではないと思います。翅の合わせ目のところが面白いですね。まるでファスナーみたいです。



顔も見てみました。携帯ストラップにつける小さな人形みたいですね。



以前、菅井 桃李さんが立てることのできる虫はこれくらいと言われていたことを思い出しました。それで立ててみました。ちょっと古代の偶像みたいでしょう。ちなみに顔は右手前を向いています。

家の近くのむし探検 ハチ、甲虫

家の近くのむし探検 第32弾

5月5日に家の近くの公園で見つけた虫の続きです。公園で写真を撮ってその名前を調べているだけで、あっという間に連休も終わってしまいました。今年の連休は結局、何をやったのだろう。うーむ。





公園のツツジを見るとこんな黒いハチがたくさんいます。たぶん、ルリチュウレンジだろうなと思ったのですが、上の写真を見ると、翅脈が何とか見て取れます。そこで、ちょっと検索をしてみました。本当のことを言えば、捕まえて顕微鏡下で調べるより、こういう風に野外で撮った写真だけで調べられるといいなと思うのですが、実際にはなかなかそうはいきませんね。



検索表は「大阪府のハバチ・キバチ類」を用いました。この本には近畿産ミフシハバチ科14種に対する検索表も載っています。ルリチュウレンジに行くには上の9つの項目をクリアしないといけません。



最初は触角の項目が多いので、2枚目の写真から触角の部分を拡大してみます。触角は複眼の下端より上についていることは確かです。また、よく見ると、全部で3節しかないのですね。しかも、3節目は長く伸びています。これはちょっとした発見でした。これでミフシハバチの意味が何となく分かりましたん。「三節」だったのですね。



次は翅脈です。一番上の写真をひっくり返して、明るさとコントラストを上げて翅脈が見えるようにしました。径室中央部には確かに横脈はありません。径室の外縁は翅脈で閉ざされています。また、辛うじて矢印の部分に小室がありそうなことが分かります。さらに、第3肘横脈は緩やかに曲がっています。次の、第3肘室と径室の幅比較は単純に見ると、第3肘室の方が広そうです。でも、翅が曲がっていることを考えるときっと同じくらいなのでしょう。



後脚脛節の末端近くには棘が確かにありました。これは2枚目の写真を使いました。後は色で判断する項目なのでだいたい分かります。微妙だったのは⑨の第3肘室と径室の幅だったのですが、ここで間違っても、ほかの2候補はいずれも胸部背面が赤いので、また、戻って来れそうです。ということで、何とか2枚の写真だけでそれなりの検索ができました。実をいうと顔面に対する項目があったのですが、これはパスしてしまいました。顔面も撮らなければならなかったのですね。



ハチはまだまだいました。これは綺麗なハチなので何とかなるかなと思って、この写真から翅脈を見てみました。



例によって明るさとコントラストを上げると、鏡胞らしきものがかすかに見えます。また、2m-cu脈が見えます。たぶん、ヒメバチ科ですね。そこで、画像検索をしてみました。「派手なヒメバチ」なんていい加減な検索語で調べてみると、それらしい種が引っ掛かりました。それを手掛かりに、いつものInformation Station of Parasitoid Waspsを調べてみると載っていました。ヒラタアブヒメバチ亜科のハラアカアブヒメバチ Diplazon laetatoriusあたりの種みたいです。今度は学名で検索してみると、似た写真がたくさん出てきました。ただ、翅脈を見ると、鏡胞はないみたいです。見間違いなのかなぁ。こんなに分かるのなら、採集して亜科の検索をしてみればよかった・・・。



小さな黒い虫がツツジの周りをちょろちょろ飛んでいるので、気になって写しました。腹部が白いのですね。これは一応、採集してきました。先ほど、検索をしてみると、コマユバチ科になりました。まだ、亜科の検索をしていないのですが、顕微鏡をのぞいてみると、大顎が小さいですね。腹部背板の一部も融合しているみたいです。なかなか面白そう・・・。



こんなハチもいました。カメラを近づけたら翅を広げ始めました。





一瞬止まった翅から独特の翅脈が見えます。コバチ上科であることは確かですね。コバチは科が多いので、捕まえて検索しないと科までは分かりません。(追記:MSWiさんから、「このコバチはEupelmusでしょう。クリタマヒメでいいのかなぁ…とずっと思ってるヤツです。」というコメントをいただきました。Eupelmusはナガコバチ科の属です。採集してくれば、せめて属くらいまでは検索ができたかもしれませんね



これもなんだか分かりませんでした。検索ばかりしていると、細かなところばかり調べるので、検索しないと科も分かりません。ぱっと外観で見分ける練習もしないといけないですね。(追記:MSWiさんから、「その下のはコツチバチ?」というコメントをいただきました。私も最初、コツチかなと思ったのですが、胸背の模様がいつもと違っていたので迷ってしまいました。でも、やはりコツチでしょうね





後は甲虫です。これはセボシジョウカイあたりかなと思うのですが、ジョウカイボン科が驚くほど種数が増えたので、うかつに名前が言えなくなってしまいました。





コメツキが出てきました。上はカバイロコメツキの仲間かな。下はアカハラコメツキかなと思ったのですが、脚の色が違いますね。さて、何でしょう。(追記2016/05/13:MSWiさんから、「オレンジのコメツキはキバネホソコメツキかな。」というコメントをいただきました。このあたり、図鑑を見ても何が違うのかよく分かりません。キバネホソとカバイロはコメツキ亜科の群が違うので、複眼のあたりを横から撮ったり、顔を真正面から撮れば分かったかもしれません。今度は採集してこよう



これはモモブトカミキリモドキ♀。



後ろ向けになったコブハムシ属。これは採集してきたので、後で調べてみます。ということで、難しいハチと甲虫でした。
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