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廊下のむし探検 カメムシやら蛾やら

廊下のむし探検 第782弾

今日は比較的に暖かかったからかな。午後から歩いたのですが、結構、虫がいました。



今日の最初はこのカメムシからです。これはいつものアオクサカメムシかなと思ったのですが、触角第3節から第5節先半が褐色、前胸背側角の突出が弱いというミナミアオカメムシと似ている感じです。私はまだ見たことがないのですが、「原色日本カメムシ図鑑第3巻」によると、「紀伊半島以南の太平洋側平野部とされていたが、分布域は徐々に拡大しており、目下、関東地方の南部まで達している。」とのことです。「原色日本カメムシ図鑑」によると、多食性で145種の植物を吸収する他、イネの穂を吸収して斑点米を産出するとのことで、かなりの害虫みたいです。とうとう大阪北部にも進出してきたのかもしれません。



後は普通のカメムシたちです。これはアオモンツノカメムシ



後脚腿節内側が黒いので、たぶん、ブチヒメヘリカメムシ



それにアカヒメヘリカメムシ





これはたぶんヘラクヌギカメムシではないかと思っている個体で、この日は2匹いました。



それにいつものマツヘリカメムシ。それにしても、あれほどたくさんいたクサギカメムシがまったくいなくなってしまいました。どこに行ったのでしょう。



カメムシついでにこれも出しておきます。これはマツアワフキでいいのかなぁ。

蛾は少ないので一緒に出しておきます。



クロスジフユエダシャク



ナカオビアキナミシャク



それにカシワキボシキリガ。今年はキリガが少ない感じです。

後はハチやらハエやらなのですが、同定が結構難しいので次回に回します。
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虫を調べる ギングチバチ科

先日、捕まえたハチを検索表で調べてみました。



調べたのはこんなハチです。体長は10.0mm。まあまあの大きさのハチでした。用いた検索表は「絵解きで調べる昆虫」で、検索の結果はギングチバチ科になりました。その過程を示していきたいと思います。



その過程を抜書きするとこの表のようになります。細腰亜目から始めて全部で14項目になりますが、一つずつ見ていきたいと思います。また、例によって検索項目を図に書き込んでいますので、図だけ見ていけばよいようになっています。



まず、腰が細いことはこの写真でもすぐに分かります。②の翅は次の写真で示します。



翅はこの写真のように機能的です。



③はツノヤセバチ科かどうか調べる項目で、写真のように頭頂には何もありません。④は翅に翅脈が発達し、縁紋があることで、先ほどのFig.2ですぐに分かります。



④のもう一つの項目については、Fig. 4のように後翅には閉じた室があります。



⑤は後脚転節に関する項目で、上の写真を見て下さい。転節は節に分かれていません。転節の左側の部分はたぶん関節のようなところだと思います。転節が2つに分かれる場合、ほぼ中央で節に分かれるので、これは1節だと言ってよいと思います。



次の⑥はスズメバチ上科かどうかを見る項目です。内容は前胸背板と肩板が接するかどうかですが、この写真のように両者はだいぶ離れています。前胸背板の下の方は後ろに伸びて毛が生えていますが、たぶん、この下に前胸前気門があるのだろうと思います。



次の⑦はミツバチ科群との分かれ目になるところですが、ミツバチ科群では毛が細かく枝分かれしています。それに対してこれは単純です。この写真は先ほどの気門がある辺りを拡大したものです。

⑧と⑨はほかの科を除く項目なので飛ばして、次の⑩を見てみます。Fig. 2を見ると前翅に肘室が3つあります。



⑪から⑬までは図を見ていただけると分かると思いますので、最後の項目に移ります。⑭は中脚脛節末端の距の数で、この写真のように1本だけです。これでギングチバチ科になりました。ギングチバチ科の亜科の検索表は寺山守氏の日本産ハチ類検索表に載せられているように書かれているのですが、実際にはpdfがなくて、ここでストップになりました。ギングチバチという名は文字通り、口の周りに白い毛が生えているところから付けられたようです。(追記2015/12/12:MSWiさんから、「僕はギングチバチと言われたら真っ先にこんなヤツを思い浮かべます。(でも実際に見た事は無い) ヒメコオロギバチLiris festinance だと思います。格好良い蜂ですねぇ。成虫越冬で、真冬でもちょっと陽が射すとせわしくウロウロしてる様です。」というコメントいただきました。後日、実際に検索をしてみました(こちらを見てください)。その通り、ヒメコオロギバチになりました。MSWiさん、どうも有難うございました

ところで、「原色昆虫大図鑑III」を見ると、この辺りのハチの分類がややこしくなっていました。つまり、ギングチバチはジガバチ科あるいはアナバチ科に入れられているのです。注には書かれていますが、これらは現在はハナバチ上科あるいはミツバチ上科に入れられてアナバチ群と呼ばれ、さらに、いくつかの科に分かれ、そのうちの一つがギングチバチ科になっていました。その点では、「絵解きで調べる昆虫」では新しい分類になっているようです。

廊下のむし探検 ハエとかチャタテとか

廊下のむし探検 第781弾

今日は外出していたので、「廊下のむし探検」は午後3時過ぎてからでした。虫はあまりいなかったので、ついついハエや小さな虫を撮ってしまいました。







マンションの外壁には小さなハエが何匹も止まっていたので、何の気なしに撮ってしまいました。でも、よく分かりません。一番最後のは昨年捕まえてクロバエ科だと思った種と似ている感じです。一応、採集しました。



翅の外縁を脈が一周回っている感じです。触角も短く、たぶん、タマバエ科ですね。



これはクロバネキノコバエ科かなと思ったのですが、よく分かりません。



チャタテがその長い触角を風にゆらゆらさせていました。



たぶん、クロミャクチャタテですね。



こちらは前翅長2.6mmにしかならないような小さなチャタテです。名前は分かりません。(追記2015/12/12:MSWiさんから、「2.6mmチャタテ、ヨツモンホソチャタテGraphopsocus cruciatus で如何でしょう。」というコメントをいただきました。この名前で画像検索すると、同じようなチャタテが続々出てきました。しかも、産卵場面まで・・・。皆さん、よくやってますねぇ。MSWiさん、教えていただき、どうも有難うございました



昨日撮り損なったクロスジフユエダシャクは今日はちゃんと撮れました。



ヒメツチハンミョウは今日は1♀だけ。あれだけいっぱいいたのですが、昨日はまったく見なかったので、何となく寂しくなってきました。



それにキバラヘリカメムシ



このクモはアシナガグモの仲間でしょうね。



コカニグモ



これは小さなクモです。地面を何が動いているのかなぁと思って撮ったらクモでした。名前は調べていませんが、たぶん、分からないでしょうね。(追記2015/12/12:MSWiさんから、「最後のクモは、3-4mmぐらいだったのならデーニッツサラグモDoenitzius peniculus かも。まぁサラグモではあるでしょうね。」というコメントをいただきました。サラグモですかぁ。小さいことは確かなので、デーニッツサラグモかもしれません。でも、クモは調べようがなくて・・・。採集すれば良いのですけど・・・

廊下のむし探検 ハエ、カメムシなど

廊下のむし探検 第780弾

寒いので廊下を歩くのが何となく面倒くさくなってきました。でも、今日はからりと晴れて、「廊下のむし探検」日和。朝、ちょっと歩き始めたのですが、寒いのかほとんど虫を見かけません。それで、朝は中止して、午後から歩いてみました。それでも、何だかハエばかり写してしまいました。



壁にこんなハナアブが止まっていました。見たことのある模様です。そう、昨年だいぶ悩んだ種でした。その時は検索をしてラップホシヒラタアブという北海道だけに生息する種になってしまい、悩んでしまいました。でも、通りすがりさんから、コマバムツホシヒラタアブだと思いますというコメントをいただき、どこで間違ったのか調べてみたら、R4+5脈が強く曲がるのか、弱く曲がるのかの判定が間違っていたようでした(こちらに詳細を書いています)。この個体もR4+5脈が僅かに曲がる程度なので、多分、昨年と同じコマバムツホシヒラタアブでしょうね。一応、採集しておきました。



口吻が前に伸びたハエ。これも見覚えがあります。クチナガハリバエというヤドリバエ科のハエだと思われます。今年7月にも見ていて、7月6日のブログに出していました。その時は、コガネムシ類の幼虫に寄生するという話を紹介していました。



これは小型だったのですが、前脚脛節末端の刺の片方がかなり短いので、たぶん、ウスイロアシブトケバエ♀だと思います。



さて、このハエは何でしょう。フラッシュをたいて写そうとするたびにビクッと動くので、翅がこんな格好になっていました。私は、ハエは外観を見てもなかなか何科か分からないので、一応、採集してきました。明日にでも検索してみようと思いますが、外観でお分かりになる方のコメント歓迎です。(追記:Sc脈が垂直に近く曲がっているのが気になってしまいます。ひょっとしたらミバエ科かな?)(追記:ネットを見ていると、ムラクモハマダラミバエの♀に似ている感じです。この辺りかもしれません



小さなハエですが、翅脈と触角が長いことなどから、クロバネキノコバエ科かなと思っています。



カメムシではこのマツヘリカメムシをまた撮ってしまいました。





これは交尾器を見ないとよく分からないのですが、たぶん、ヘラクヌギカメムシかなと思います。



これはセウスイロハマキだと思います。



エゾギクトリバだと思いますが、ちょっと高いところに止まっていたので、こんな角度から撮ることになってしまいました。



それから一年中いるマエアカスカシノメイガ



後は、名前の分からないオチバカニグモ。



それにチュウガタシロカネグモ。あまりに美しいので撮ってしまいました。

一昨日、自分用の図鑑を作っているという話を書きましたが、思わぬ波紋が広がっています。虫の他に、家の近くを歩いて撮った鳥や動物も別の図鑑にしていたので、知り合いに渡したら、その方の働いておられる施設にあるギャラリーを貸すので、一ヶ月間写真展みたいなものを開いたらと言われるので、とうとう開くことになってしまいました。標本展示はしたことがあったのですが、写真の展示はしたことがなくて、いったいどうなることやら・・・。写真パネルはどうやってつくるのだろうかと、今はネット見まくりです。

廊下のむし探検 虫が少ないなぁ

廊下のむし探検 第779弾

今日は空には黒い雲、冷たい風が吹いて如何にも虫はいなそう。でも、一応、歩いてみるかなと思って歩いてみました。やはり虫はほとんどいません。



今日はクロスジフユエダシャクがいたのですが、カメラを持って近づいたらいきなり飛び始めてしまいました。残念ながら写真はありません。でも、今日が初見日になります。この3年間の初見日が12月8日、12月4日、11月22日だったので、今年も昨年並みというところですね。ところで、上の写真はナカオビアキナミシャクです。これの初見日は12月7日、11月24日、11月22日、それに今年が11月21日。ほぼ同じ時期に出ているみたいです。



これはたぶん、イラクサギンウワバ



ワモンノメイガ



それに、いつもダイズサヤムシガとしている蛾です。







虫が少ないので、ナミテントウも写してみました。変化があって意外に面白いですね。



これも名前の分からないオチバカニグモの仲間です。



それにチュウガタシロカネグモ

いよいよ冬ですね。最近は時間を見つけては、マンションの廊下と家の近所で写した虫を集めた図鑑を作っています。



こんな感じです。図鑑というほどには網羅的ではないので、「気まぐれ写真図鑑」という名前にしました。これまでに、チョウ、トンボ、ハチ、アミメカゲロウ、バッタなどを入れた「里山の昆虫たち I」ができて、今はカメムシ、ハエを集めた第2巻を作っている最中です。それぞれ名前の分からないものも含めて約300種ずつ入っています。ついでに、ちょっとした逸話や同定の方法などもコラムとして入れているのですが、だいたい1冊が100ページくらいになります。今はとりあえずインクジェットプリンターでA4用紙に冊子体として印刷し、中綴じで手作り製本していますが、自分用の図鑑としては結構よいかなと思っています。それにしても、ブログにただ出していくのではなくて、図鑑としてまとめるという作業は勉強になりますね。いろいろと新発見がありました。これから甲虫から蛾まで作ると、全部で8巻くらいになりそうなのですが、ぼちぼち作っていきたいなと思っています。

廊下のむし探検 ヒメハマキほか

廊下のむし探検 第778弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。といっても、毎日同じ種ばかり出てきて、あまり新鮮味はないのですが・・・。



変わったところではこんなヒメハマキがいました。「大図鑑」を見ながら、模様が同じ種を探していたら、ハスオビヒメハマキかなと思いました。ただ、分布を見ると、屋久島、対馬。違うのかなと思って、「標準図鑑」を見たら、本州、四国、九州、・・・になっていました。あちこちいることが分かったのでしょうね。寄主植物はコバンモチ、タブノキ、ヤブニッケイ、シバニッケイみたいです。ヤブニッケイなどはこの辺にもありますね。









後はいつもの蛾です。上から、ナカオビアキナミシャクフトジマナミシャクニトベエダシャクチャエダシャク



それに、クロモンキノメイガでした。



ヒメツチハンミョウはこの日は3♀1♂。相変わらず、いますね。



ゴミムシはいつものツヤヒラタゴミムシの仲間でしょうね。



アメリカミズアブがまたいました。格好は良いのですが、飛び回るとちょっと気持ち悪くなる大きさですね。



カメムシはいつもの種ばかりなので省略です。クサカゲロウもスズキだけでした。それで、最後はこのチャスジハエトリだけを出しておきます。秋も深まって、虫の種が減ってきた感じですね。

廊下のむし探検 ギングチバチ(?)、アメリカミズアブなど

廊下のむし探検 第777弾

一昨日の「廊下のむし探検」の続きです。これまでチャタテやトビケラなどの難しい種類が続いていたのですが、この日は久しぶりにハチがいました。今年はハチを頑張って調べてみようと思っていたので、採集しました。毒瓶に入れていたのを先ほど検索をしてみました。



対象となったのはこんなハチです。大きさはまだ測っていないのですが、体長は1cmちょっとかなと思います。早速、「絵解きで調べる昆虫」で調べてみました。詳細はまた次回にでも載せますが、検索の結果はギングチバチ科になりました。ポイントは、後転節が1節、前胸背板が肩板には届かず、体毛が羽毛状でないところからアナバチ科群になり、前翅に肘室が3つ、第1中室が縁紋より長く、第1腹節が柄状ではなく、中脛節距が1つなどです。

一方、「原色昆虫大図鑑III」の検索表では、アナバチ上科アナバチ科になったのですが、注として、アナバチ科は現在ではハナバチ上科(あるいはミツバチ上科)の中のアナバチ群として、ギングチバチ科のほか、セダカアナバチ科、アナバチ科、アリマキバチ科など計7科が含まれていると書かれていました。

でも、まだギングチバチ科だという自信がないので、一応、顔面と翅の写真も載せておきます。





次はこの虫です。



この間もいたアメリカミズアブです。「屋内害虫の同定法(3)双翅目の主な屋内害虫」によると、北米原産の外来種で、戦後、米軍の進駐と共に日本に入ってきたようです。



小さなチャタテです。チャタテも調べなければと思うのですが、なかなか手が回りません。



この間もいたケブカカスミカメです。



それにいつもいるマツヘリカメムシ。つい撮ってしまいました。



クモヘリカメムシ



たぶん、ヘラクヌギカメムシではないかと思っている種です。



ナミテントウ



ヒメツチハンミョウはこの日は3♀1♂。この頃毎日のようにいるのですが、何をしているのでしょうね。



スズキクサカゲロウ



アシナガグモの仲間です。



コカニグモ



そして、最後はヤガタアリグモかなと思っている種です。顔の前の大きなものは上顎です。

廊下のむし探検 蛾、トビケラ、ヒメクダマキモドキ

廊下のむし探検 第776弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。



この日はこんな蛾がいました。これはキマエキリガです。一昨年の12月末に一度見ただけで、これが二回目でした。それにしても面白い模様ですね。



そして、これはアオアツバです。あまりにいるのでいつもはパスしているのですが、冬になるとこれも写してしまいますね。



これは何だろう。(追記:ささきさんから、「アワヨトウみたいな気がします。」というコメントをいただきました。どうも有難う御座いました



ナカオビアキナミシャクが出てきました。一昨年、昨年、今年に見た初見日はそれぞれ11月24日、11月22日、11月21日とほぼ毎年この時期です。これも秋の使いですね。



クロモンキノメイガです。最近、ときどき見ます。





脚が黒いので、両方ともホタルトビケラですね。最近、トビイロトビケラなどとの区別が分かってきたので、安心して名前を言えるようになりました。



これはニンギョウトビケラですが、似た種が多くて名前が呼べなくて困っています。一度、ちゃんと調べてみようと思って論文を探してみました。次の論文にニンギョウトビケラ属についてまとめて書いてありました。

T. Nozaki and K. Tanida, "The genus Goera Stephens (Trichoptera: Goeridae) in Japan", Zootaxa 1339, 1 (2006). (ここからダウンロードできました)

これによると、日本産のニンギョウトビケラ属 Goeraには15種あって、そのうち、近畿地方で見つかりそうなのは次の5種です。ニンギョウトビケラ、クルビスピナニンギョウトビケラ、キョウトニンギョウトビケラ、クロニンギョウトビケラ、カワモトニンギョウトビケラ。論文に書かれている特徴のうち交尾器を除いた部分をまとめてみました。



英語を適当に訳しているので間違っているかもしれません。これを見ると、特徴として書かれているのは、外観の色、頭部の瘤状突起(setal wart)、触角、小顎肢、腹部の刺などですが(小顎肢の説明は省略しました)、細かな違いがあるものの腹部腹板の刺以外ではほとんど違いはありません。クロニンギョウトビケラは全体に暗褐色なのですぐに分かりそうですが、それ以外については腹部腹板の刺も交尾器も共に採集しないと分からないので、やはり写真で判定するのは難しそうですね。



廊下にヒメクダマキモドキが止まっていました。これはラッキーと思って、写そうと近づくと、どうもそれが嫌だったみたいです。





少しずつ向きを変えて、そのうち、こちらをにらみ始めました。こうしても見ると、ちょっと怖い顔をしていますね。

残りは次回に回します。

廊下のむし探検 小さなハエ類ほか

廊下のむし探検 第775弾

一昨日の「廊下のむし探検」の続きです。だんだん寒くなって虫が減ってくると、小さな虫でも探してみようかと、あちこちきょろきょろするので、どうしても小さな虫を撮ることになってしまいます。この日もそんな日でした。



最初はこんな虫です。横に目盛り付きのテープを貼って大きさを見積もってみました。体長はわずか1.3mm、前翅長1.1mm。本当に小さいですね。でも、何となく形に見覚えがあります。もしかして、ヌカカ科かな。



こちらも同じ場所にいました。朝、紹介した写真です。この写真を使って検索し、Lestremiinae亜科のMicromyini族Campylomyza属のC. Moriあたりの種かなというところまで到達しました。詳しくはその記事を御覧ください。



これも小さいのですが、こちらはユスリカでしょうね。



小さいついでにこんなチャタテもいました。触角が長いので、全体を撮ると本体はこんなに小さくなってしまいます。



本体を拡大するとこんな感じです。これは以前、クロミャクチャタテだといっていた種みたいです。





トビケラもいろいろといるのですが、どうせ情報が少ないだろうからとあまり調べる気にもなれません。



クサカゲロウは顔の模様がちょっとはっきりしないのですが、やはりスズキクサカゲロウでしょうね。



例によってカメムシはいろいろといます。これはケブカカスミカメという小さなカメムシです。



それからこの間からいるケブカヒメヘリカメムシ



キバラヘリカメムシ



トレードマークの刺があまり尖っていないので、ひょっとしたらタイワンオオヘリカメムシかもと思ったのですが、たぶん、ミナミトゲヘリカメムシでしょうね。



最後はもうすっかり常連になったヒメツチハンミョウです。この日は2♀がいました。

タマバエを調べてみる

2日前に「廊下のむし探検」をしていて、タマバエらしい個体を見つけました。



こんな個体です。体長数ミリほどの小さなハエで、どうも写真もはっきりしないのですが、以前からちょっと調べてみたいなと思っていたので、この写真をもとに調べてみることにしました。「日本昆虫目録 第8巻 双翅目」のタマバエ科の項は九大名誉教授の湯川淳一氏が執筆されていました。そこで、これを手がかりに例によってCiNiiで検索をしてみました。その結果、次の論文を見つけました。

J. Yukawa, "A Revision of the Japanse Gall Midges : Diptera : Cecidomyiidae",Memoirs of the Faculty of Agriculture, Kagoshima University 8, 1 (1971). (ここからダウンロードできます)

実に203ページの大作です。この中に検索表も出ていました。



まずは亜科、上族への検索です。例によって私の拙い語学力で訳しているので、間違っているところがあるかもしれません。また、語尾に-naeとつくのが亜科、-idiがつくのが上族です。早速調べていきます。まず、1で跗節第1節が第2節より長いか短いかという項目がありますが、写真のその部分を拡大してみます。



ちょっとぼやぼやしていますが、上の写真で跗節第1節の方が第2節よりもはるかに長いことが分かります。それで決まりで、Lestremiinae亜科になりました。次は族への検索です。



翅脈に関する項目なので、翅の部分を拡大してみます。



上の写真が今回の個体です。ちょっと見難いので、同じようなタマバエで以前撮影したものについても下に載せてみました。また、翅脈の名称は現在用いられているものと違いますが、検索表と合わせるため、論文に載っている名称を使いました。これによるとM1+2は単純な脈で、M3+4とCuは途中で分岐しています。従って、またまた一発で決まりで、Micromyini族になりました。この辺りまでは写真で簡単に判断がつきます。

次は属の検索です。



途中まで書きました。♂の検索表なのですが、この写真の個体は♀のような感じです。♂では触角が発達し、交尾器が違うので検索表は♀には使えませんが、翅脈に関するものは使えるのではと思って試してみました。

まず、最初の1は前縁脈がR5の先端を越えるかどうかなのですが、今回の写真では左右の翅が重なっていてよく分かりません。それで今年の3月に写した個体で見ていきます。黒い矢印で示したのが前縁脈の終わりでR5の終点を越えているので、1bの方を選びます。実は、タマバエ科では薄い前縁脈が翅を一周していることになっているのですが、ここでは濃く見える部分だけに注目して見ていきます。

次の項ではR1はRsの少なくとも3倍程度の長さがあるので、2aを選びます。次は触角と交尾器についてなので、触角を拡大してみましたがはっきりしません。おまけに触角の節数も末端節の部分を1節と数えるのか2節になるのか分からない状態です。ここでストップとなります。従って、Campylomyza属かCordylomyia属のどちらかだということになります。

これらの属にどんな種がいるのかなと思って、「日本昆虫目録 第8巻 双翅目」(2014)を見て愕然としました。そもそもCordylomyia属なんて載っていないし、知らない亜科があるし・・・。そこで、この論文と「日本昆虫目録 第8巻 双翅目」(2014)の関係をLestremiinae亜科辺りで対応表を作ってみました。



語尾が-iniで終わるのは族で、斜体は属名です。左の欄の赤字は属名が変化したものです。Cordylomyia属はNeurolyga属とシノニムだということで、そちらに変更になりました。また、Trichopteromyia属はMonardia属の亜属になりました。

さて、問題のCampylomyza属とCordylomyia属はMicromyinae亜科のCampylomyzini族に入っていることが分かりました。右側の欄のカッコ内は種数です。左の論文の時点から種数も属数も増えているので、検索表がそのまま使えるかどうかは甚だ疑問なのですが、そのまま押していき、Campylomyzini族だとすると全部で5種ということになります。それを書き出してみます。



ついでに分布も書き入れました。分布がどれほど当てになるかどうかは分かりませんが、本州では3種ということになります。さらに、NeurolygaはM3+4とCuのなす角が少し鋭角というので論文の図と比べてみると、どうもCampylomyza属に近い感じです。そうなると必然的にCampylomyza moriになっていしまうのですが、この種の記載論文が見つからないため、ここでストップです。

いずれにしても、こんないい加減な写真からでも、かなり種まで近づけたので嬉しく思っています。ただ、採集していたら、触角の感覚子や翅脈にある感覚性の孔についても見ることができて、もっと面白かっただろうにとちょっと残念に思いました。今度は絶対採集してこよう・・・。

廊下のむし探検 ニトベエダシャクほか

廊下のむし探検 第774弾

今日も外出したのでだいぶくたびれました。とりあえず、昨日の蛾だけ調べました。



ニトベエダシャクがとうとう出てきました。秋を代表する蛾です。今年を含めてこの4年間の初見日は、11月23日、11月17日、11月10日、11月19日とだいたい11月中旬になっています。ニトベの名前の由来は以前調べたことがあります。それによると、新渡戸稲雄という新渡戸稲造のいとこにあたる昆虫学者が青森県黒石市で見つけて命名したことに因んでいました。





同じく秋の蛾であるチャエダシャクは相変わらずいました。この日は2匹。



これは外の倉庫の壁に止まっていたという家族の情報で撮りにいきました。ホソバハガタヨトウという「廊下のむし探検」初登場の蛾でした。この蛾は以前、ヤガ科セダカモクメ亜科に入っていたのですが、「標準図鑑」によると、モクメキリガ亜科になっていました。10月~11月に発生し、成虫越冬しないそうです。



次はこれ。シタバガ亜科のハガタクチバだと思います。これも「廊下のむし探検」初登場です。「標準図鑑」によると3月~10月に発生するようです。



最後はワモンノメイガで、この間からいます。

とりあえず、蛾だけ出すことにします。タマバエ科も調べたのですが、分類の変遷がひどくて、まだまとまっていません。

廊下のむし探検 アシブトコバチほか

廊下のむし探検 第773弾

この2、3日忙しくて、なかなか「廊下のむし探検」も、虫の名前調べもできませんでした。やっと3日前の「廊下のむし探検」で見つけた虫の名前を調べました。といっても、常連さんばかりでそれほど時間がかかったというわけではなかったのですけど・・・。





一番時間がかかったのはこのハチでした。後腿節が太いので、間違いなくアシブトコバチの仲間です。これも一度ちゃんと調べてみようと思って文献を探しました。そうしたら次のような論文を見つけました。

土生 昶申、「日本産アシブトコバチ科の再検討」、農業技術研究所報告 11、131 (1960). (ここからダウンロードできます)

全部で200ページ以上もある大作です。この中にアシブトコバチ科について詳しく載っていました。それで、この写真をもとに亜科の検索でもしてみようと思いました。原文は英語なのですが、私の拙い語学力で訳してみると次のようになります。



まず、1は腹柄があるかどうかで、上の写真でははっきりした腹柄はありません。従って、1aを選ぼうとすると、「頭部は通常の形」という条件がついています。これはオニアシブトコバチなどのDirhininae亜科は腹柄が短くてあるかないかよく分からないのですが、角があるので1bを選んでもらおうという配慮のようです。いずれにしても、上の個体については1aを選んで2に進みます。次は触角挿入孔が複眼下端より上か下か、及び、後脛節末端が斜めに切れているか、縦に切れているかという点で、実は両方とも上の写真では分かりません。やはり顔を撮影したり、脚を横から撮影しなければいけなかったのです。それにしても、なんで採集しなかったのだろう・・・。

ここで諦めかかったのですが、実は頭部の形がかなり変わっています。その部分を拡大してみます。



まず頭頂が凹んでいて、さらに、前単眼と2つの後単眼の間に線が入っています。これは通常は複眼の内側で複眼の縁に平行に走っているpreorbital carina(複眼内縁隆起線)が後ろに伸びて、単眼の間を真横に走って左右つながったもののようです。このような構造を持つのは、Antrocephalus属とTainania属の特徴です。一方、触角は全部で10節で、♂の触角の全長は長いのですが、♀では柄節が長いという特徴をもっています。従って、これは♀のようです。

上の論文にはAntrocephalus属では5種、Tainania属には1種が載っていました。今回のハチの体長は7.2mmでかなり大きく、この論文ではTainania hakonensisだけがそれに該当します。ところで、この種は「原色昆虫大図鑑III」ではAntrocephalus hakonensisと属名が変更になっており、結局、以前も見たことのあるツヤアシブトコバチになりました。これで合っているのかなぁ、あまり自信はないけど。



そのほかの虫です。外横線が直線的ではないので、たぶんウリキンウワバだと思います。



脚が黒いので、ホタルトビケラですね。ちょっと潰れてしまっていますが・・・。



後はゴミムシです。いつものツヤヒラタゴミムシの仲間だと思うのですが、今日は調べる余裕がありませんでした。





カメムシもいろいろといたのですが、今回はみなパスで、キマダラカメムシだけ載せておきます。それにしても、今年はよく見ます。



最後はいつものオチバカニグモの仲間ですね。「日本クモ類目録  ver.2015R5」(ここからダウンロードできます)によると、Ozyptila属には8種が載っていて、そのうち、「日本のクモ」にはマツモト、ニッポン、クロスジの3種が載っています。でも、他の種は論文を探しても2、3種を除いてなかなか見つかりません。クモもなかなか情報を集めるのが大変みたいです。

廊下のむし探検 ナミテントウが多い

廊下のむし探検 第772弾

一昨日の「廊下のむし探検」です。この日、クサギカメムシは多かったのですが、それにも増してテントウムシがいっぱい出ていました。



だいたいはこんなテントウなのですが、模様の違うテントウもいました。





こんな模様とか。これ全部ナミテントウなのでしょうね。





ツチバチがいました。こういうハチを見ると、いつもヒメハラナガツチバチと言っているのですが、一度、検索をしてみようと思ってやってみました。ツチバチ科については寺山守氏の検索表がこちらで見られます。これを使わせていただき、検索してみると、無事、ヒメハラナガツチバチになりました。ポイントのところだけ抜き出すと、



このようになります。まず、触角が短く12節であることは写真から分かります。また、腹部も6節見えます。それで雌であることが分かります。次の2は重要な項目なのですが、腹部背板後縁の模様が毛だけでできているか、黄色の帯があるかですが、この写真の個体は毛だけでできているので3に進みます。さらに、毛の列が同一の色からできているので4に進み、中胸背板の毛が少なく、翅の先端近くに暗色部があることでヒメハラナガツチバチになりました。こうやって確かめてみると、ちょっと安心しますね。



この日もヒメツチハンミョウはたくさんいました。4♀2♂でした。今年は何か多い感じです。



後は例のホタルトビケラ属です。この間、検索表で調べたので、これも安心してトビイロトビケラと言えます。





カネタタキは2匹、



それにヒメクダマキモドキ1匹がいました。



蛾ではいつものチャエダシャクがいました。



これは昨年教えていただいたオビキリガの仲間ですね。環状紋はよく見えないのですが、内横線は波打っていて、幅の広い翅形からカシワオビキリガではないかと思います。



これは小さな蛾です。クロモンホソコヤガだと思います。クロモンは翅端近くの黒い紋を指していると思います。「標準図鑑」によると、5-7月、9-10月発生で、伊豆半島以西に生息するそうです。こういう小さな蛾を調べるときにいつも思うのですが、小さいからと言って図鑑の写真まで小さくすることはないですよね。模様が比較できなくて困ってしまいます。



後はエゾギクトリバです。





アシナガグモの仲間なのですが、相変わらず名前はよく分かりません。



最後は気持ち悪い写真です。マンションの外側の溝にいました。たぶん、コウガイビルというのでしょうね。こんなのを採集しなければならないとなったらどうしよう。(追記:通りすがりさんから、「口は長い体の真ん中辺りにあります。ウスカワマイマイに絡み付く様にして消化液を出してドロドロにしてましたよ。」というコメントをいただきました。ちょっと気味の悪い光景ですね

廊下のむし探検 カメムシ、クサカゲロウ

廊下のむし探検 第771弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。11月も半ばになるのですが、なんだかんだと虫はいますね。



相変わらずカメムシは多いですね。クサギカメムシは無論のこと、その他にもいろいろといます。これはオオクモヘリカメムシです。あまり数は見ないのですが、今年の10月にも見ていました。



これはこの間からよく見ているキバラヘリカメムシです。



それにだんだん数が増えてきているアオモンツノカメムシです。



ムラサキナガカメムシ



ケブカヒメヘリカメムシ。こんな感じです。



クサカゲロウもいます。大抵はこのスズキクサカゲロウなのですが、



これは何となく違和感がありました。顔を拡大してみると、



こんな顔をしていました。これは以前教えていただいたアカスジクサカゲロウですね。前回見たのは今年の3月末でした。従って、これで2回目になります。たぶん採集したので(間違ってスズキの方を採集したかもしれませんが)、今度詳しく調べてみます。これはヒメクサカゲロウ属で、スズキクサカゲロウなどと一緒の属です。



ついでにウスイロアシブトケバエも出しておきます。前脚脛節末端の2本の刺の長さがだいぶ違いますね。それが特徴です。でも、どうして♀ばかりなのでしょうね。



小さな虫がウロウロしていたので、撮影してみたらチャタテでした。でも、きっと名前は分からないでしょうね。

後の虫は次回に回します。

廊下のむし探検 ツチイナゴ、チャタテ、蛾など

廊下のむし探検 第770弾

三日前の「廊下のむし探検」の続きです。今頃でも探すといろいろな虫がいるものですね。



まずは、廊下の壁にこんな大きなバッタが止まっていました。ツチイナゴです。このバッタは成虫越冬します。何年か前、うちのベランダで冬の間じっとしているのを見たことがあります。



チャタテがいました。色からはカバイロチャタテかなと思うのですが、「大図鑑」によると、本州以南では山地性で年一回発生とのことです。ひょっとしたら時期が合わないかもしれません。



これはもっと小さなチャタテです。たぶん、名前は分からないだろうなと思って調べていません。



これは以前教えていただいたマツアワフキかな。



クサカゲロウもいるのですが、今頃はたいていスズキクサカゲロウです。



ゴキブリの幼虫ですが、種類がよく分かりません。さて、何でしょう。



次は蛾です。これはオオトビモンシャチホコだと思います。



エゾギクトリバでしょうね。この日は2匹いました。



これもエゾギクキンウワバです。エゾギクという名前が続きます。



チャエダシャク。この日は3匹。



フトジマナミシャク



ナカウスエダシャクかな。



それにナカジロトガリバでした。



最後は小さなハエトリです。以前も見たのですが、その時は名前が分かりませんでした。今回は「한국의 거미」という韓国のクモ図鑑を見ていて見つけました。たぶん、ヒトリコゲチャハエトリだと思われます。ところで、ハエトリグモは韓国語で깡충거미というようです。거미はクモで、깡충はぴょんと飛ぶことを意味します。ぴょんぴょんグモという感じです。何となく雰囲気が分かりますね。

廊下のむし探検 甲虫、カメムシ

廊下のむし探検 第769弾

一昨日の「廊下のむし探検」の結果です。この日は「むし」が結構いました。それで、まず甲虫とカメムシから出そうと思います。





甲虫は何から出そうかなと思ったのですが、すぐにこのヒメツチハンミョウを思い出しました。毎日のように出しているので新鮮味はないのですが、それでもこの格好に惹かれてしまいます。この日は4♀1♂の合計5匹いました。だいたいはマンションの外壁の高さ1-2mまでのところを登っています。いったい何をしているのでしょうね。



次はこれです。たぶん、ヨモギハムシでしょう。



それから、アカハバビロオオキノコです。これまでときどき見ていました。





ゴミムシも最近よく見ます。上はこの間から見ているツヤヒラタゴミムシの仲間、下はマルガタゴミムシの仲間だと思いますが、いずれも名前が分かりません。



カメムシもちょこちょこいます。これはオオホシカメムシでしょうね。



クヌギカメムシの仲間ですが、似た種がいるので交尾器を見ないと名前が分かりません。



これはアオクサカメムシだと思います。「原色日本カメムシ図鑑第1巻」によると、最近増えてきているミナミアオカメムシはアオクサカメムシより体が縦長で、前胸背側角の突出が弱く、触角第3~5節の先半がアオクサでは黒いのですが、ミナミアオでは褐色だということで区別できるそうです。この個体は触角が黒いのでアオクサで良さそうです。野外ではよく見かけるのですが、マンションでは意外に少ないです。



これは以前調べたケブカヒメヘリカメムシだと思います。



それにキバラヘリカメムシでした。虫はまだまだいたのですが、次回に回します。

虫を調べる シダクロスズメバチ

先日採集したシダクロスズメバチを調べてみました。実は、私はこんなスズメバチがいることを知らずにクロスズメバチとしていたのですが、通りすがりさんに教えていただき、やっとその存在を知りました。調べてみると、学名にSk.Yamane & Wagner, 1980とあるので、比較的新しく記載された種なのですね。





以前も載せた写真ですが、複眼の内側に三日月紋があるのがシダクロスズメバチということが分かり、ここが半月紋になっているとクロスズメバチになります。体長は13.1mm。スズメバチにしてはずいぶん小型です。それで、私も写真を撮っているときはスズメバチだとは思わず、ハチを追いかけて撮りまくっていました。おまけに毒瓶に入れて採集まで。後で、スズメバチだと分かってびっくり。(追記:通りすがりさんから、「新女王とオス蜂が巣を離れたら働き蜂たちも守るものが無くなるので、お食事中に観察し易くなるのでオススメです。威嚇されたり、獲物を探してまとわりつかれたりと言うことが無くなりますからね。あ、オス蜂は大型なこともありますけど、腹部と触角が長いので直ぐに分かりますよ。」というコメントをいただきました

このように、今回はハチの名前がよく分かっているので、いつものように検索表に沿って名前を調べていくのではなしに、検索表に載っている特徴を写真で確かめていこうかなと思いました。まずは検索表です。



これは「絵解きで調べる昆虫」に載っていたハチの検索表のうち、スズメバチ科に至る部分を抜粋して書いたものです。次に種への検索は寺山守氏のページに載せられていたものを使わせていただきました。



これもシダクロスズメバチに至る部分を抜粋して書いたものです。全部で15項目あるのですが、以前と同じように写真に書き込みましたので、今回は写真を見ながら特徴を調べていきたいと思います。



まずは背面から見た全体図です。まず①で胸部と腹部の間が強くくびれていることで細腰亜目であることが分かります。また、この細い部分に腹柄節という突起がないので、アリでないことも分かります(当たり前か)。②と④は機能的な翅を持って、翅脈が発達していることです。これは翅のない種や、翅脈がほとんどない種もあるので、それとの対比です。また、⑧はこの写真のように翅が縦に畳まれていることを示しています。ハエが横に折れ曲がることと比べるとだいぶ違いますね。⑩は腹部第1節が横長で、その前縁が直線状だということです。これは後でFig. 13を見ると、前縁部が崖のように切り立っていることが分かります。更にその前縁に白帯がないことが⑭です。⑬は紋が象牙色ないし白で、これは黄色の種があるので、それを除外する項目です。



次は顔面の写真です。私はこの写真を見て、なんとすばらしい造形だとほれぼれしてしまいました。ここでは③の頭頂に刺がないことでツノヤセバチ上科を除外します。次は⑪で、頭盾に模様があることを示しています。㋘はややこしいので後で触れますが、「原色昆虫大図鑑III」の検索表に載っている項目です。頭盾と大顎の間には通常上唇というのがあるのですが、これはほとんど見えません。従って、退化しているのではと思います。





翅脈と翅室の名称に関する部分です。ここでは、次の本に載っている名称を書いてみました。

H. Goulet, "The genera and subgenera of the sawflies of Canada and Alaska: Hymenoptera: Symphyta", Insects and Arachnids of Canada Handbook Series 20. (1992). (ここからダウンロードできます)

ハチは翅脈にも翅室にも独特の呼び方があります。ここでは翅室について出てくるので、その呼び方をまとめて書いておきます。



左側は「大図鑑」に載っていたもので、右側は「日本産ハナバチ図鑑」に載っていたものです。さて、ここでは④の前翅に縁紋があること、後翅に閉じた室があることを見ます。次に、⑧の第1中室が非常に長いことを見ます。これはスズメバチ科、ドロバチ科に特徴的な性質のようです。それから⑩の後翅に臀垂という飛び出したひだのようなものがないということを確かめます。臀垂は、通常、肛垂というのではないかと思います。後で載せる「大図鑑」の検索表では、㋗の3個の亜縁室があることも特徴のようです。



次は中脚と後脚の転節の辺りを見てみます。転節というのは腿節と基節の間をつなぐ部分です。⑤は後脚転節が1節だけでできていることを示しています。これが2節あるとヒメバチ科などになります。また、㋗は前脚、中脚腿節の基部に輪があることで、これは私には初めて聞く言葉なのでよく分かりませんが、多分、図の矢印の部分がちょっと異質な感じがするので、その部分を指しているのではないかと思います。



これは胸の側面を写したものですが、⑥は、本来は背側にある前胸背板の両側が後ろに伸びて、肩板という翅の基部を覆う板と接していることを示しています。これはスズメバチ上科特有の性質のようで、これでミツバチなどと分かれます。ミツバチなどはこんなに後ろには伸びてきません。また、胸部前気門のことが書かれていますが、これがよく分かりません。前胸背板の縁に毛のいっぱい生えている部分があるのですが、その下に気門があるのではないかと疑っています。



次は脚の先端の爪です。単純な爪が生えていて、特に歯があったり、櫛歯状になったりはしていません。これが⑨です。



これは中脚の脛節末端の刺の写真ですが、2本あることが分かります。ちょっと大きく撮り過ぎました。後でお見せするFig. 14にはもう少し小さく見ることができます。



次は頭部を背面から撮った写真です。頭の後縁が伸びていないで複眼にほとんど接するようになっています。これが⑪の意味です。後単眼も同じです。普通のスズメバチでは複眼の後ろが広くなっています。



これは顔の向かって左半分を横向けにして撮った写真です。⑫は複眼の下端と大顎がほとんど接するようになっていて、間にあるはずの頬がほとんどないことを表しています。⑭、⑮、㋖は複眼が深くえぐれていて、その内側に白い模様が三日月状にあることを示しています。これで検索表をすべて調べて、結果的にシダクロスズメバチであることが分かりました。

「原色昆虫大図鑑III」の科への検索表はもっと複雑です。先ほどの㋘などはその一部なのですが、難しい項目が多くて、なかなかすべては分かりません。それでもちょっと調べてみました。



これはスズメバチ科に至る部分を抜粋して書いたものです。紫色で書いた部分はすでに出てきた特徴です。それ以外を見てみます。



これは翅の下の部分を写したものですが、この中に気門が3つあることになっているのですが、よく分かりません。前伸腹節気門は写真に矢印を入れて示したようによく分かるのですが、胸部前気門はこの辺かなぁというところ。さらにもう一つは分かりませんでした。



触角は全部で12節。ちょっとうろ覚えですが、♂は13節、♀は12節だったのではなかったかな。(追記:どこかに書かれていたと思って探してみたら、「大図鑑」のスズメバチ上科の説明に♂は13節、♀は12節と書かれていました





2つの写真とも同じ項目が書いてありますが、これがなかなか写しにくかったところです。腹部第1節が崖のように切り立っていることが上の写真で分かります。腹部第2節以降は背板と腹板が分かれていますが、第1節はこれがくっついて腹を一周回っています。でも、腹側は幅が少し細くなっていますこれが「部分的に融合」という表現になっているのではないかと思いました。それでは細くなった部分は他に何があるのかということなのですが、たぶん、膜質があるのではないかと思います。



次は口器についてです。大顎の下の部分に淡黄色に見える部分が舌だと思いますが、それを拡大していきます。



大顎の歯のない部分を、多分、磨縁部といっているのだと思いますが、これが長いというのが㋘です。大顎が交差するというのは、顎がもう少し細いと交叉してX字のような格好になるので、そうならないことかなと思っています。舌の部分をさらに拡大します。



これで私の実体顕微鏡の最大倍率(56倍)です。中央の部分を中舌、その両側にある部分を側舌と思って名づけました。よく調べていないので、違うかもしれません。その長さが等しいというのが㋘なのですが、見る限りは側舌の方が短くなっています。

ということで、検索表に書かれている特徴をよたよたしながらすべて調べていきました。文章で読んでもピンと来ませんが、こうして写真に書き込んでいくと、どこが分かってどこが分からないのかがはっきりして、なかなか勉強になりますね。

廊下のむし探検 蛾とその他

廊下のむし探検 第768弾

一昨日の「廊下のむし探検」の続きです。この日はそれほど目立った虫がいなかったのですが、まずは蛾からです。



大変小さな蛾です。地下駐車場の天井に止まっていたので、おもいっきり腕を伸ばして接写で撮りました。以前は和名がなくて学名で呼んでいたのですが、「標準図鑑」ではカニクサシダメイガという和名がついていました。初めてではなくて、昨年の10月初めにも見ていました。



シロオビノメイガは前日も見ていました。



こちらはワモンノメイガ



いつも焼き肉に間違えられているホシヒメホウジャクです。今度は金網の上ではなかったですね。(追記:通りすがりさんから、「来年はヘクソカズラで幼虫と序でにヘクソカズラヒゲナガアブラムシやヘクソカズラグンバイも探しましょう。」というコメントをいただきました



クロホシフタオですが、ミナミクロホシフタオとは♂の触角を見ないと区別がつきません。9月の記事でクロホシフタオの触角を出しておきました。以前集めた標本にはクロホシフタオ♂しかなかったので、たぶん、それだと思うのですが、はっきりとはしません。(追記:フッカーSさんから、「そちらには、クロホシフタオ、ミナミクロホシフタオの両方が居るみたいですね。自分にはこのページの画像はミナミクロホシフタオに見えます。理由は、後翅の前縁が真ん中で外側に角ばっていることと、後翅の外横線の突出が弱いことなどです。9月の記事の方は、オスはクロホシフタオのようですが、メスは全てミナミクロホシフタオっぽいです。ちなみに、『みんなで作る日本産蛾類図鑑』のクロホシフタオのページの画像は、おそらく『成虫写真1』と『成虫写真4』がミナミクロホシフタオです。後翅に注目して画像を見ると違いが分かると思います。」というコメントをいただきました。どうも貴重なコメント有難うございました。今度、♂を捕まえたら、触角と模様を調べてみたいと思います



こちらは蝶です。白点の数がやけに少ないのですが、チャバネセセリでしょうね。(追記:通りすがりさんから、「チャバネセセリは紋が小さいからか、よく部分的に消失してますね。」というコメントをいただきました



非常に小さなクサカゲロウです。翅の横脈が黒いのでスズキなどとは違うことが分かります。採集してきたので、先ほど検索してみました。ヒメニセコガタクサカゲロウになりました。このクサカゲロウは以前、「虫を調べる」で調べたことがありました。特徴がイマイチはっきりしない種で、書いてある性質とは完全に一致しないところがありました。この写真の個体で言えば、腹部背面の縦筋がないか、不明瞭という特徴が書かれているのですが、この個体には黄色の筋が入っています。検索は間違いないと思うのですが、ちょっとはっきりしませんね。(追記:通りすがりさんから、「明瞭な黄色い筋のある種のものと比べたら、不明瞭と言っても差し支えないと思います。」というコメントをいただきました。そうだとすると、一応、書いてある特徴とだいだい合っていることになります

追記2015/11/13:体長は7.5mm、前翅長10.3mm。結構、小さなクサカゲロウです。ついでに、顔の顕微鏡写真を撮りました。



こんな顔でした




こちらは以前教えていただいたホソバヒメカゲロウですね。



後は、ウスイロアシブトケバエ♀がいました。いつも♀ばかり。どうして♂がいないのでしょうね。



目に見えないくらい小さな虫がウロウロしていました。半分冗談で写してみたのですが、ユスリカの仲間かな。



最後はモリチャバネゴキブリの幼虫ですね。地下駐車場の天井に止まっていました。

廊下のむし探検 ツチハンミョウの♀登場

廊下のむし探検 第767弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。この日、今年初めてツチハンミョウ♀を見ました。





この日は♀2匹がいました。♀は触角に奇妙な膨らみがないのですぐに分かるのですが、逆に種類の方はよく分かりません。でも、♂はヒメツチハンミョウばかりなので、おそらく♀もそうでしょう。(追記:通りすがりさんから、「ツチハンミョウのメスはよく分かりませんねえ。オスでは特徴的な5から7節以外も性差があったりするんで、正確な情報が無いと交尾以外では状況証拠に頼るしか無いでしょうね。」というコメントをいただきました



もちろん♂もいました。♂を初めて見たのが10月28日なので、♀を初めて見た11月10日まで2週間ほどあったことになります。昨年の記録を見てみると、♂を初めて見たのが10月28日、♀は11月10日と今年とまったく同じでした。やはり♀は2週間ほど遅れて出てきているようです。それにしても昨年と全く同じ日とは。暦の代わりなりそう・・・。



こんな虫もいました。ヒシモンナガタマムシです。体長を測ってみると6.8mmでした。以前も見たことがあったのですが、思ったより小さかったです。



甲虫はその他、ヤサイゾウムシ



ウリハムシでした。



カメムシではまたまた、キマダラカメムシがいました。それにしても今年は多いです。





廊下を歩き終わって家に入る手前の階段にこんな虫がいました。大きさは数ミリに満たない小さい虫です。グンバイムシの仲間ですね。「原色日本カメムシ図鑑第1巻」を見ると似た種がいました。トサカグンバイです。一応、検索をしてみようかと思って、「原色日本カメムシ図鑑第3巻」を見たのですが、ツツジグンバイ属の膨大な検索表が載っていました。これは大変と思って、外見の似たシラキグンバイ、トサカグンバイ、シキミグンバイあたりだけを調べたのですが、はっきりとは分かりませんでした。でも、たぶんトサカグンバイだと思っています。大きさを測れば良かったのですけど・・・。

追記:通りすがりさんから、「シラキグンバイは奄美大島産で記載された様ですが、分布はどうなってるでしょう?トサカグンバイとシキミグンバイは、頭部の丸い隆起部分とその後ろの隆起線の長さの比でも分かるらしいです。ほぼ1対1ならトサカグンバイ、明らかに隆起線の方が長ければシキミグンバイとか。」というコメントをいただきました。うっかり、分布を見るのを忘れていました。「原色日本カメムシ図鑑第3巻」によると、シラキグンバイは奄美で記載された種で、生態はほとんど未知とのこと。今のところ除外してよさそうです。そうなると、残りはシキミグンバイとトサカグンバイになり、検索表が使えます

追記:「原色日本カメムシ図鑑第3巻」に載っているツツジグンバイ属の検索表のうち、シキミグンバイとトサカグンバイのところだけ抜粋して書いてみました。



勉強がてら各部の名称を写真に入れてみます。



体長が違うのと、前胸背の色が違うこと、それに、通りすがりさんが言われるように帽状部と中央突起の長さの比が違うこと、それに翼状部と翅にある小室の列数が違うことが分かります。この個体では、体長を測らなかったのでそこは分かりません。前胸背の色は黒みたいです。帽状部と中央突起の長さの比は1.1でした。検索表ではシキミでは1以下、トサカは1.5なのでやや微妙です。次は小室の列数ですが、列数は場所によって変化していますが、この個体ではすべて最大で3列みたいです。ということで、どちらかと言えばトサカグンバイに軍配が上がりそうです(翅の場所を区切る線をうっかり隠れている方の左翅に書き始めてしまいました。縫合域が見えないのですが、右翅の方で見てください))

追記:帽状部と中央突起の境が微妙なのですが、斜めから撮った写真を見て、頭部先端に向かって膨れ始めた部分にすればよさそうです。上の写真ではそのように変更しました。しかし、こうすると比は1.7になってしまいました。やはり正確に測るには採集しないといけないですね

廊下のむし探検 クロスズメバチほか

廊下のむし探検 第766弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。



こんなハチが廊下の上をよたよたと動き回っていました。模様が綺麗なので、何だろうと思っていろいろな角度から撮影しようとすると、嫌がってすぐに向きを変えてしまいます。それでも、やっと顔を一枚。



後で調べてみると、これはクロスズメバチというスズメバチの一種だったのですね。(追記:通りすがりさんから、「顔面を見ると、クロスズメバチではなくてシダクロスズメバチですね。」というコメントをいただきました。恥ずかしながら、シダクロスズメバチという種があるのを知りませんでした。寺山氏のスズメバチ科の検索表を見ると、複眼の内側にある白斑が三日月形なのはシダクロ、白斑が幅広く内縁が直線か、やや膨らむのがクロだそうです。この写真では三日月形なので確かにシダクロですね





ウスイロアシブトケバエらしいケバエも2匹いました。でも、いつも♀ばかりです。どうしてだろう。



ガガンボはよく分かりません。一応、前脛節末端に刺があるので、ガガンボ属であることは確かそうですが・・・。



これはホタルトビケラ属です。ホタルトビケラは触角が長くて、前胸が赤褐色、脚は黒いのでこれとは違うと思うのですが、トビイロトビケラ、ウルマートビイロトビケラ、ヤマガタトビイロトビケラなどの違いがよく分かりません。(追記:通りすがりさんから、「トビケラはおそらくですがトビイロトビケラ…かな。ヤマガタは前脚脛節が黒、ウルマーは下唇鬚?小顎肢?が先端の2節以外も黒い…だった気が。」というコメントをいただきました。トビケラの情報がなくて、いつも困っていました。情報をどうも有難う御座いました。私も少し情報を探してみます



一応、頭あたりを拡大して撮っておきました。そのうち分かるようになるかもしれません。

追記:やっと論文が見つかりました。

T. Nozaki, "Revision of the Genus Nothopsyche Banks (Trichoptera : Limnephilidae) in Japan(Systematics, Morphology and Evolution)", Entomological science 5, 103 (2002). (ここからダウンロードできます)

この論文の中にはホタルトビケラ属の種への検索表が載っているのですが、ホタル、トビイロ、ヤマガタトビイロ、ウルマートビイロの4種に特化させて書いてみると、

1a すべての腿節が黒   ホタルトビケラ
1b すべての腿節が明褐色
  2a 前・中脚の脛節とすべての跗節は黒   ヤマガタトビイロトビケラ
  2b すべての脛節は明褐色、跗節は脛節に比べるとやや暗い色 
                              トビイロトビケラ、ウルマートビイロトビケラ

ということになります。トビイロとウルマートビイロの2種は交尾器によるしか区別できないのですが、ウルマートビイロは北海道南部、本州北部と東部に限られていて、一方、トビイロは全国に分布しています。従って、近畿地方に限る場合、ウルマートビイロを除いても構わないと思われます。従って、今回の個体はトビイロトビケラでよさそうです




これも別のトビケラです。やはり名前が分かりません。トビケラも名前を調べたいのですが、情報が少なくて困ってしまいます。



甲虫ではゴミムシがいました。床の模様から体長は14.5mmでした。一応、「里山のゴミムシ」で調べてみたのですが、ツヤヒラタゴミムシあたりだと分かっただけでそれから先が進めません。いつものことですが・・・。(追記:フッカーSさんから、「 ゴミムシは体長が計測どおりなら、『里山のゴミムシ』で該当しそうなのは、オオクロツヤヒラタゴミムシとクロツヤヒラタゴミムシの2種くらいですね。ほかは体長や脚色、前胸背板の形状などが異なって見えます。オオクロツヤヒラタゴミムシとクロツヤヒラタゴミムシのどちらかで言えば、体の背面には虹状光沢が無いようですし、下唇ひげ末端節も先端へ強く広がっているようには見えないので、クロツヤヒラタゴミムシの方が可能性は高いと思います。ただし、下唇ひげ末端節は角度的にやや見づらいですし、上翅の虹状光沢などは撮影条件などで写りにくいこともあるので、現時点では第一候補くらいの感じです。」というコメントをいただきました。ゴミムシは見てもなかなか違いが分からなくて弱っていました。どうも貴重な情報を有難うございました

追記:何枚か撮った写真を見てみたら、ピントは合っていないのですが、下唇ひげ末端節が写っているのがありました。



この写真のように先端に向かい広がっていることは確かなようです。でも、体の背面は虹色ではないので、やはりクロツヤヒラタゴミムシあたりかもしれません




それにヤサイゾウムシ



それにヒメツチハンミョウ♂です。この日は1匹だけでした。



それとスズキクサカゲロウ



色合いからアカエグリバだなと思って写したのですが、何か変です。図鑑で調べてみると、翅の形が違います。結局、ヒメエグリバのようです。



いつものナカジロトガリバ



それにシロオビノメイガ



最後はこの毛虫です。たぶん、ハバチの幼虫だと思うのですが、「日本産幼虫図鑑」を見ても、ピタリとくる種は見つかりませんでした。(追記:フッカーSさんから、「ハバチの幼虫は、おそらくハグロハバチ Allantus luctifer ではないかと思います。体色が暗めなのは、弱ってるためかな?」というコメントをいただきました。どうも有難うございました

ケヒラタアブ♀の複眼の毛

先日、ケヒラタアブ♀らしいハナアブを捕まえていろいろと調べてみました



対象としたのはこんなハナアブです。先日、検索表を使ってケヒラタアブらしいことが分かったのですが、このときオオフタホシヒラタアブなど近縁種との違いは複眼に毛が生えているかどうかでした。でも、♀の場合、毛が短くてはっきりとは分かりません。この間は生物顕微鏡で20倍対物鏡を用いて、200倍の倍率で複眼表面を撮影したのですが、それでもはっきりとは見えませんでした。

今回は複眼を横から見て縁のところに生えている毛を、毛が光るように照明をすることでかなりはっきりと撮影することができました。



これがその写真です。これは10倍の対物鏡を使って倍率100倍で撮影した写真ですが、そこそこ長い毛が生えていることが分かります。この写真でも分かりますが、毛は複眼上に一様に生えているわけではなく、前側中心部付近に多く生えている感じです。

一匹のハナアブでも、いろいろなことが分かって面白いですね。

廊下のむし探検 チャエダシャクほか

廊下のむし探検 第765弾

一昨日の「廊下のむし探検」の続きです。この日はカメムシがたくさんいたのですが、今回はその他の虫についてです。



ちょっとグロテスクな蛾、チャエダシャクがいました。でも、これは毎年秋になると現れる秋の使いですね。一昨年は11月26日、昨年は11月11日が初見日だったので、今年はかなり早い感じです。



ウスキツバメエダシャクもいました。一応、顔を覗いてみましたが、間違いなさそうです。



それに、イラクサギンウワバかな。



それにこれはクロモンキノメイガ



これはヒルガオトリバだと思います。いつ見ても格好がいいですね。







その他ではナミテントウがいました。3匹だけ撮ったのですが、もっともっといました。



これは以前も見たことがあるのですが、オオコクヌストだと思います。



それにヤサイゾウムシ



ヒメクダマキモドキ
がまたいました。今日の個体はカメラを嫌がらなかったので、ちょっと顔を大写ししてみました。



こんな感じです。



ハラビロカマキリもいました。廊下の手すりに止まっていたのですが、フラッシュをたくと背景からの光が来ないのでいつもこんな夜のような写真になってしまいます。

今日はヒラタアブの勉強にと思って、"Key to the Insects of Russian Far East" Vol. 6 Part 1(ここからダウンロードできます)を見てみました。ここには昨日調べたSyrphus属の検索表が載っているのですが、残念ながらロシア語です。ロシア語は学生時分に独学で勉強したことがあったのですが、久々で文法をすっかり忘れてしまっていました。単語だけ調べて検索表を訳してみたのですが、途中で挫折です。専門語が辞書に載っていなくて・・・。なかなか大変ですね。

廊下のむし探検 マルシラホシカメムシほか

廊下のむし探検 第764弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。秋も深まり、如何にも虫がいそうにないので、廊下を歩くのがついつい億劫になります。でも、歩くとそれなりに虫はいるものです。



今日の最初はこのカメムシからです。いつものシラホシカメムシかなと思ったのですが、何となく雰囲気が違います。「日本原色カメムシ図鑑第3巻」にはシラホシカメムシ属の種への検索表が載っているので、試してみました。

①b 小盾板の基部に大きな三角形の黒紫色紋はない
②b 前胸背側角は棘状にならない
③a 革質部の先端は小盾板の先端を明らかに超える       シラホシカメムシ、ヒメシラホシカメムシ
③b 革質部の先端は小盾板の先端にまで届くか、僅かに届かない程度
 ④a 小盾板前側角の黄色紋は通常大きく、小盾板基部の幅の約1/4      ムラサキシラホシカメムシ
 ④b 小盾板前側角の黄褐色紋は通常小さく、小盾板基部の幅の1/6以下   マルシラホシカメムシ

というような検索を行って、結局、マルシラホシカメムシになりました。シラホシカメムシとの違いは小盾板という舌のような格好の板の先端と翅の革質部の先端がこの写真の個体はほぼ等しいというところでした。シラホシカメムシの小盾板はもっと小さかったみたいで、それが違和感を与えたのでしょう。とにかく、「廊下のむし探検」初登場でした。



ウシカメムシがまたいました。今年は多いですね。



後はミナミトゲヘリカメムシがいました。



廊下の手すりに止まっているのもいたので、フラッシュをたいて撮ったら、こんな夜の場面のような写真になりました。



これはオオトビサシガメです。



それにマツヘリカメムシ



チャバネアオカメムシ



最後は同じカメムシ目のベッコウハゴロモでした。今の時期、カメムシが面白いですね。他の虫は次回に回します。

虫を調べる ケヒラタアブ?

昨日に引き続いて、野外で捕まえたハナアブを調べてみました。



調べたのはこんなヒラタアブです。今頃歩いていると、ホソヒメ、ホソ、クロ、ミナミヒメなどと一緒にこの種もときどき見かけます。体長は11.9mm。少し大きめのヒラタアブです。まず初めに、「札幌の昆虫」で似た種を探してみました。この図鑑はハナアブについては詳しく載っているので大変役立ちます。腹部の模様から、オオフタホシ、マガイ、ケ辺りが似ているようです。次に、昨日と同じで、次の論文で検索を行ってみました。

大石久志、「ルーペで調べる身近な縞模様のハナアブの見分け方(1)」、昆虫と自然 31、42 (1996).

その結果、上の種を含むSyrphus属のケヒラタアブに落ち着きました。そこで、その検索過程を示します。



この論文は絵解きなので大変わかりやすいです。そこで、例によって写真に項目を書き込んでいきました。まず、①は昨日と同じで肩についてです。



昨日のミナミヒメと同じ場所に肩らしいものが見えます。肩が小さく毛が生えていないので、おそらくこの項目はOKなのでしょう。次の②は顔面についてです。



②は顔面が黄色いということですが、その通りでした。図の中に②のほかに、(2)とか[2]とかの項目が書き込まれているのは後ほど使います。いずれにしても顔に関する項目は多いですね。次の③は触角の第3節に関してですが、第3節は矢印で示した楕円形の部分です。ここが長い種もあるようですが、これは短いのでOKです。④は胸部側縁の色です。昨日のミナミヒメではここが黄色かったのですが、これは黒いのでOKです。



次の⑤は胸弁の下片背面に長い毛があるかというのですが、これがなかなか写しにくかったです。上の写真を見ると、矢印の部分に長い毛が生えているのが見えます。これのことみたいです。これでSyrphus属になりました。

次は重要な項目ですが、複眼に生えている毛についてです。ケヒラタアブかそれ以外かは複眼の毛で分かれます。♂では顕著なのですが、この個体は左右の複眼が離れているので♀です。♀では毛が極めて短いとのことです。先ほどのFig.3を見ると、複眼に白い点々が見えますが、これが毛です。生物顕微鏡の20x対物鏡を使ってちょっと拡大してみました。



複眼の個眼の間に細くて白い筋のようなものが見えますが、これが毛です。短い毛がまばらに生えています。あまりに微妙なので、毛が生えているというのかどうか疑問なのですが、たぶん、これのことだろうと思いました。従って、検索の行き着き先はケヒラタアブになりました。

しかし、この毛はかなり微妙です。そこで、他の性質についても調べてみることにしました。まず、「日本昆虫目録 第8巻 双翅目」によると、Syrphus属で近畿地方に分布していそうな種は次のようになります。



全部で8種になるのですが、そのうち*を付けているのは、まだ属等の検討が必要な種だそうです。また、○で書いた部分は図鑑に載っている種です。△は名前が載っているだけで内容は書かれていません。ニセクチグロについてはまったく情報がないので、とりあえず図鑑に載っているマガイ、オオフタホシ、ケの3種について比較してみました。

まず、「大図鑑」にはケとオオフタホシの♀についての比較が載っていました。



これを調べてみます。[1]についてはすでに調べました。[2]については、Fig. 3を見ると、額が黒いことが分かります。灰粉があるかどうかはよく分かりません。[3]は顔面の色で、口縁と頬が黒っぽいのもこの写真で見て取れます。[4]については、触角は黒褐色で、第3節の下部に橙黄色の部分が少し見えています。[5]の胸背の毛はFi.g. 2でよく分かります。最後の[6]は脚の色についてで次の写真を見て下さい。



前脚と中脚についてはその通りで、後脚についてはこの部分を膝部というのかどうか分かりませんが、腿節の先端側が橙黄色になっています。最初の検索表によれば、オオフタホシでは腿節全体が橙黄色で基部だけが暗色になっているので、明確に違います。ということでケヒラタアブの特徴とほぼ合っているようです。



「札幌の昆虫」には、ケ、オオフタホシ、マガイの見分け方をまとめた表が載っていました。それから必要な部分を抜き書きしてみました。これについても調べてみます。写真に要点を書き込んでいるので、気のついた点だけを書きます。まず、(1)は複眼の毛ですが、オオフタホシとマガイで「なし」ではなくて、「ほぼなし」という表現がちょっと気になります。(3)は先程の後腿節の色なので、もう少し拡大してみました。



全体の2/3ほどが暗色になっています。これで、オオフタホシはほぼ除外してよさそうです。(4)は翅の第2基室の微毛についてです。そこで、翅の写真を載せます。



まず、翅脈に名称をつけてみました。これは昨日のミナミヒメヒラタアブと同様です。第2基室はbmと書いた部分です。実体顕微鏡で拡大してみます。



細かい毛が一面に生えているのが見えるのですが、写真でははっきりしません。



生物顕微鏡の対物レンズ10xで透過照明でも撮ってみました。微毛が一面に生えていることが分かります。これでマガイは除外できますが、次の(5)の顔面の毛の色も見てみます。



顔面を拡大したものですが、顔面の毛は黒色です。これで、オオフタホシとマガイの両方を除外できます。さらに、半月板周辺の色についてはこの3者で大きな違いがあります。この個体では、Fig. 3のように半月板の細い部分が黒色になっていて、この記述とあっていそうです。ということで、ケヒラタアブ♀の可能性がもっとも高いという感じです。ただ、情報のない他の種もいるので確定的ではありません。

昨日と今日でハナアブ2種の検索をしてみました。いつも「廊下のむし」ばかりを調べていたので、ハナアブはほとんど見る機会がなかったのですが、調べてみるとなかなか面白いですね。

虫を調べる ミナミヒメヒラタアブ

野外で採集したので、本来は「なにこれ生き物探検」で出すはずだったのですが、段々区別がややこしくなったので、もう「廊下のむし探検」の方にまとめて出すことにします。今回は1ヶ月ほど前に家の周りを歩いていたときに採集したハナアブです。



よく見るタイプのヒラタアブですが、少し大きめです。体長を測ってみると9.7mmになりました。左右の複眼がくっついているので♂ですね。たぶん、以前、キタヒメヒラタアブと呼ばれていて、今はミナミヒメヒラタアブと呼ばれている種だろうなと思って採集しました。採集した後に、顕微鏡写真なども撮っていたのですが、そのままに放っておいたものを今日は発掘です。

ハナアブ科の検索は次の論文に絵解き検索表が載っています。

大石久志、「ルーペで調べる身近な縞模様のハナアブの見分け方(1)」、昆虫と自然 31、42 (1996).

検索の項目で、ミナミヒメヒラタアブに至る部分を抜き出してみると、次のようになります。



また、例によって写真の中に検索の項目を書き込んでいくことにします。まず、①は肩についてですが、これがいつもよく分からなくて困っていました。



今回は撮った写真を見てみると、それらしいものが見えていました。矢印の部分ではないかと思うのですが、これを頭が覆っているというのがどういうことなのかよく分かりません。でも、少なくとも毛は生えていないようなので、これはいいことにします。

次の②と③は顔面に関するものなので、その部分の写真を載せます。



顔面は矢印で示した部分ですが、薄い黄色をしています。ここが黒くなる種もあるみたいです。また、触角第3節は橙黄色の丸い部分です。この部分が長い種もいるのですが、これは短いので③はOKです。

④の胸部側縁はFig. 1に示したように黄色くなっています。⑤、⑥、⑦は腹部が細長く、先端にいくほど細くなっていくということで、Fig. 1を見るとこれもOKだということが分かります。⑦にある胸背が光沢がないというのは、もっとツヤのある種があるので、これは光沢がない方になるのでしょう。これでSphaerophoria属になりました。

⑧も同様なのでOKとなり、最後の⑨はホソヒメヒラタアブとの大きさの比較です。「札幌の昆虫」を見ると、ホソヒメヒラタアブの体長は5-6mm、キタヒメヒラタアブは7-9.5mmと書かれています。この個体は9.7mmなので、やや大きいということになり、キタヒメヒラタアブかミナミヒメヒラタアブになります。

ところで、「日本昆虫目録 第8巻 双翅目 第1部」によると、「ハナアブ科の誤った記録」としてキタヒメヒラタアブが挙げられていて、「従来本種とされていたのはS. indianaの誤認であった。本学名の種はヨーロッパ~ロシア、北アメリカに分布する」とされていて、日本域での分布は確認されていないとのことです。従って、ここはミナミヒメヒラタアブだとしてよいのでしょう。



ついでに翅脈も調べてみました。上の写真は翅の写真で、翅脈の名称を入れてみました。vena spuriaは擬脈のことで、CuAのすぐ下の擬脈をCuP脈とするか、擬脈にするかで議論がありました。これは擬脈とするやり方で、「一寸のハエにも五分の大和魂・改」に載っていたツリアブの翅脈を参考にして付けてみました。

ところで、「絵解きで調べる昆虫」にもハナアブ科ヒラタアブ亜科の検索表が載っていて、そこにはキタとミナミの♂交尾器の絵も出ていました。それで交尾器を調べてみようと思いました。



まず、♂の腹端にある丸い形のものが交尾器の入っているところです。これを昆虫針でちょっと横に突き出してやります。



こんな感じでくるっと回ります。これで見えた部分を撮影してみました。



これは背側から写したものです。



そして腹側から写したものです。本に載っている絵と比較すると、何となくキタに似ている感じがしたのですが、たぶん、違うのでしょうね。

廊下のむし探検 ヒメクダマキモドキほか

廊下のむし探検 第763弾

一昨日の「廊下のむし探検」で、昨日カメムシを出したその続きです。



今日はこのヒメクダマキモドキからです。マンションの外壁についていました。カメラを近づけると顔を遠ざけように動くのでこんな写真になりました。過去3年では、9月から11月にかけて何度か見ていました。今年はこれが初めてです。「バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑」によると、海岸の広葉樹の樹上に多いが、最近は都市公園などの緑地でもよく見られるということで、どうやら分布を広げているようです。



ヒメツチハンミョウがまたいました。この日は1匹だけです。やはり♂のようです。毎日、マンションまで出勤しているのかな。



またゴミムシがいました。この間見たゴミムシと同種かもしれません。たぶん、ツヤナガゴミムシの仲間だと思うのですが・・・。



ウリハムシも最近よく見ますね。



廊下にヤマトシジミが死んでいました。



ついでにこんな毛虫が・・・。これはセセリチョウ科の幼虫ですね。イチモンジセセリかな。



残りは蛾です。これはナカウスエダシャク



それにフトジマナミシャク



ナカジロトガリバ



それにタケアツバかな。



小さなゲジのようなのが天井に止まっていたので、写して拡大して見たら、オオゲジの幼体みたいな感じです。両者の違いはよく分かりませんが・・・。

廊下のむし探検 カメムシだらけ

廊下のむし探検 第762弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。この日はいろいろなカメムシがいました。



まず最初はこのハート型の模様を持つエサキモンキツノカメムシです。いつ見ても可愛いですね。



これはミナミトゲヘリカメムシです。



それにキバラヘリカメムシ



それからオオホシカメムシ。カメムシのオンパレードですね。ついでにいつもいるカメムシも写してみました。





マツヘリカメムシもこの日は3匹いました。もうすっかり常連になってしまいましたね。



それにツヤアオカメムシ。こちらは2匹。



クサギカメムシは1mに1匹くらいの割かな。とにかく多いので、顔を写してみました。なかなか精悍ですね。



前日いたウスイロアシブトケバエ♀がまたいました。カメラを向けるとなんとかして逃げようとするのですが、なかなか飛べません。



こんな姿でばたばたするだけです。



ムシヒキもいましたが、まだ名前を調べていません。



今頃、アカマダラカゲロウの亜成虫がいました。これまでの記録を見てみると、主に4-6月に出現していたのですが、8月と9月にも1匹ずつ見ていました。間違って出てきたのかな。

残りは次回に回します。

廊下のむし探検 ケバエほか

廊下のむし探検 第761弾

一昨日の「廊下のむし探検」の結果です。虫が減ってくると、どうしてもハエを撮り始めてしまいます。



でも、この日はこんなケバエがいました。よくよく見ると、前脚脛節末端の刺の片方がだいぶ短いですね。また、11月に出てきていることを考えれば、昨年もよく見たウスイロアシブトケバエ Bibio flavihalter♀ではないかと思います。これについては昨年詳しく調べました。一応、採集したので、後で確かめてみます。





後はこんなハエを撮ってしまいました。下は胸に三本線、それにぐにゃっと曲がったM1翅脈が翅端からだいぶ離れています。たぶん、ニクバエですね。上はイエバエ、クロバエ、ヤドリバエ・・・。どれでしょうね。



ヒメクモバチの巣にいたハエがいなくなりました。あれっと思ってよく見ると、



上の方に移動していました。やはり、通りすがりさんの言われるように、ちょっと一休みしていたハエだったのですね。



小さなハチも撮ってしまいました。でも、何科なのかも分かりません。



蛾では前日いたヒメヤママユが翅を開いていました。ずっとこの場にいたようです。






こんな鮮やかな色の毛虫がいました。「原色日本蛾類幼虫図鑑」を見ると、黒い点の位置と背側の模様が似た種が見つかりました。ヤガ科のサクラケンモンです。ただ、図鑑に載っている写真では体側が緑色です。これは赤褐色なのでだいぶ違う感じなのですが、たぶん、これですね。



これはキスジツマキリヨトウでしょうね。



こちらはチャバネアオカメムシ



ウリハムシ



また、ゴミムシです。どうせ名前は分からないだろうなとは思ったのですが、一応、「里山のゴミムシ」で調べてみました。また、ツヤヒラタゴミムシあたりになってしまいました。クロツヤヒラタゴミムシなんかが似ている感じですけどね~。



カネタタキですね。



最後はチュウガタシロカネグモですね。何もいなさそうですが、探すといろいろといるものです。

廊下のむし探検 秋の蛾 ヒメヤママユほか

廊下のむし探検 第760弾

一昨日の「廊下のむし探検」の結果です。・・・という一文をいつも付けているのは、後で見た時にいつの「廊下のむし探検」だか分からなくなってしまうからです。一昨日は10月最後の日。もうこの頃になると、あれだけ多かった虫もほとんどいなくなってしまいます。そうなると、何となくクモやハエを撮るようになってしまうのですが、まずは秋の蛾からです。





廊下の床近くの壁にヒメヤママユが止まっていました。ヒメヤママユはいかにも秋の蛾という感じがするのですが、この2、3年の記録を見てみると、2013年には10月14日、2014年には10月21日といずれももっと早く出てきていました。数としてはだいたい1年間に2匹くらいずつ見ています。20年ほど前に蛾の数を数えていたことがあったのですが、その頃の記録を見ると、10月頃から出始めて11月が中心でした。この時の数年間のデータでは平均して1年間に6匹見ていた勘定になります。最近はかなり少なくなったみたいです。



これも秋の蛾、ナカジロトガリバです。これも調べてみると、一昨年は11月4日、昨年は11月2日でした。今年はちょっと早いですが、ほぼ例年並みという感じですね。この日は2匹いました。この蛾は何となくか弱くて、ちょっと応援したくなるような蛾です。



これは最初トビモンアツバにしていたのですが、念のため図鑑を見てみたら、すっかり迷ってしまいました。「標準図鑑」のオオトビモンアツバ 2-037-40、ウスチャモンアツバ 2-038-1、「大図鑑」のトビモンアツバ PL222-13あたりはいずれもそっくりで違いが分かりません。オオトビモンアツバは翅頂近くに2つの黒い楔紋があるのが特徴なのですが、説明を読むと秋型はそれが縮小するそうです。そう思って見ると、この蛾にも楔紋の痕跡があるような。ひょっとしたらオオトビモンアツバなのかもしれません。



そして、これはオオバコヤガ。蛾はこれだけでした。





ヒメツチハンミョウはこの日は♂3匹が来ていました。いつもはうずくまってじっとしているのですが、この日はこんなに触角を上げて歩いていました。なかなか格好いいですね。



キマダラカメムシもこの日は2匹。今年は異様に多いです。



後はミナミトゲヘリカメムシがいました。



これの腹側はこんな薄黄緑色です。キバラヘリカメムシとはだいぶ違いますね。



それにホソヘリカメムシ



後はクモです。ジョロウグモが立派になっていました。クモ嫌いなので近くに寄るとちょっと怖いのですが、遠くから写すと意外に綺麗ですね。



胸のところに放射状の筋が入っているので、コクサグモでいいのかな。



こんなクモを見ると、いつもハラクロコモリグモと言ってしまうのですが、いいのかどうか、さっぱり分かりません。どうもクモはよく分かりません。やはり採集しないと駄目なのかなぁ。



これもハンゲツオスナキグモと言っているのですが・・・。今年は多いですね。



最後はチャスジハエトリだと思います。クモの中では唯一ハエトリグモだけは親しみが持てます。まず、この辺りから採集するとよいかもしれませんね。
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