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廊下のむし探検 クサカゲロウ、ハエ

廊下のむし探検 第477弾

今日も一日寒い日でした。廊下を歩いていても風が強く、おまけに雪まで降って、目が開けられないほどでした。でも、今日はクサカゲロウが2匹いました。



壁のかなり高いところに止まっていたので、手を伸ばしてやっとこさ撮りました。触角が短くて、口の辺りが黒っぽいので、おそらくスズキクサカゲロウでしょうね。



顔の部分をちょっと拡大してみると、特有の紋が見えました。やはりスズキクサカゲロウのようです。



もう1匹は天井に止まっていました。これもスズキクサカゲロウでしょうね。こんな感じで越冬しているのですね。



それから、いつものようにキモグリバエ科です。「学研生物図鑑 昆虫III」を見ると、イネキモグリバエというのに似ていますが、いずれにしても決め手がないですね。



最後はやはりハエでした。おそらくイエバエあたりだろうなと思ったのですが、他に虫もいないので、一応、捕まえてきました。調べてみるとイエバエではなくて、ハナバエ科のようでした。なんとか、捕まえなくても科ぐらいは分かるようになるとよいのですが・・・。
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虫を調べる ノミバエ科2種

この間から見ていたノミバエの顕微鏡写真を何枚か撮ったので、ここでまとめて載せておきます。ノミバエの幼虫は植物の腐ったものや動物の屍体などに発生します。また、家屋害虫としても、大量のノミバエが家の中に侵入したという報告もあります。体長がわずか2mmほどの小さいハエなのですが、何かとお騒がせのハエのようです。

このノミバエ、マンションの廊下でこの間から2種類も見ることができました。





この2種です。色が全然違いますが、頭の格好が似ているので、何となく同じ仲間かなと思ったら、ノミバエの仲間でした。体長は双方共わずか2mmです。

ノミバエについてはZiramさんに詳しく教えていただき、だいぶ分かったきました。というか、難しいということが分かってきたという方が正しいかな。種類はどれだけいるかほとんどわからないような状態らしいのですが、とりあえず、検索表を使って属の検索をしてみました。

使った論文は次の2つです。

金子清俊ほか、「日本産ノミバエ科に関する研究 第1報」、衛生動物 12, 238 (1961) (ここからダウンロードできます)
田中和夫、「屋内害虫の同定法(3)双翅目の主な屋内害虫」、屋内害虫 24, 67 (2003) (ここからダウンロードできます)

この中の検索表を使うと、上の2種ともトゲナシアシノミバエ亜科メガセリア属に到達しました。そこでまた、必要な部分だけを抜粋して載せます。





上が金子氏らの検索表、下が田中氏の検索表です。この検索表の項目は基本的に同じ内容です。そこで、今日は検索表を順番に見ていかないで、その要点だけを確かめることにします。いつも言いますが、素人がやっていますのでそのつもりで見てくださいね。(追記:Ziramさんから、田中氏の検索表で「微刺毛列」と言うのが「氈毛列」で、この写真の「剛毛列」に一致しますとのコメントをいただきました。氈とはカモシカ(氈鹿/羚羊)を指す漢字で、カモシカの毛のように短く茂ったように見えることから付いた名前かと思われますとのことです。どうも有難うございました

最初に上の黒い種からです。まず、ノミバエ科かどうかの科の検索はその変わった翅脈からだけで判断できますので、ここでは省略します。







これまでに載せた写真ばかりですが、各部の名称などを入れました。検索表にはいろいろな項目が載っていますが、トゲナシアシノミバエ亜科の特徴としては

○脛節は基部2/3に独立した剛刺毛を欠く
○触角上棘毛は斜下方に彎曲している
○中胸側板は常に2個に区切られている

この3つです。一番上の写真を見ても、脛節の基部に剛刺毛はありません。また、3番目の写真を見ると、触角上刺毛は下を向いていることが分かります。さらに、次の写真で中胸側板を見てみます。



前の方から前脚、中脚の基節が下側に見えますが、その上にある側板は中脚では2分しています。ということでトゲナシアシノミバエ亜科らしいことが分かります。

メガセリア属へは、

○後脚脛節背面には1 列の氈毛列があり,後背面には氈毛列にそってほとんど常に1 列の毛列がある

という特徴を見てみます。



後脚脛節の背面には剛毛列と絨毛列が並んでいます。この2種類の毛は同じ所に生えているわけではなく、背面の両端に生えています。ということで、メガセリア属らしいことが分かりました。さらに、次の条件で亜属が分かります。

中胸上前側板に細毛、刺毛を欠く           メガセリア亜属
中胸上前側板に細毛があり、ときに刺毛も具える アフィオカエタ亜属

この写真の種を見てみると、中胸側板の上の方(中胸上前側板)に短い毛と少し長めの毛が生えていることが分かります。それで、アフィオカエタ亜属であることが推測されます。ということで、この種はトゲナシアシノミバエ亜科メガセリア属アフィオカエタ亜属らしいことが分かりました。これ以上はよく分からないのですが、次の論文

林利彦ほか、「関西地方におけるフユイエノミバエ(新称)による冬期の家屋内大量侵入被害(双翅目,ノミバエ科)」、衛生動物 50, 157 (1999). (ここからダウンロードできます)

を見ると、家の中に大量侵入したフユイエノミバエMegaselia meconicera (Speiser, 1925)と細かな特徴がよく似ていました。最終的には交尾器を見ないといけないと思いますが・・・。

2種めについては次の写真を見てください。











色は全く違いますが、基本的には最初の種とまったく同じような構造をしています。ただ、中胸側板の2分され方が少し異なっています。もっとも違うのは中胸側板の上側(中胸上前側板)に毛がないことです。従って、アフィオカエタ亜属ではなくて、メガセリア亜属の方に属するのではないかと思います。こちらはここまででした。(追記:Ziramさんから、「今回のノミバエですが、検索表に照らせば中胸上前側板の毛の生え方を見るに同定は間違いないと思います。」というコメントをいただきました。どうも有難うございました。とりあえず、ホッとしました

ただ、ノミバエ科の全貌自体がまだよく分かっていないようで、亜科の名前についても論文で結構違っていました。例えば、Disney and Cumming (1992)では、Aenigmatiinae、Metopininae、Phorinae、Termitoxeniinae、Thaumatoxeninaeの5つの亜科が書かれていたのですが、Brown (1992)ではこのうち3つしか一致した名前がありませんでした。ネットでも亜科が載っていないサイトがほとんどでした。いろいろと難しい仲間ですね。でも、属あるいは亜属に近づけただけでも親しみが湧いてきました。

廊下のむし探検 あぁ、何もいない

廊下のむし探検 第476弾

いつも何もいないと書きながらも、ハエが何種かはいたのですが、今日は本当に何もいませんでした。こんな日があるのですね。いよいよ開店休業です。



とは言っても、クモが1匹いました。ミスジハエトリでしょうね。寒いのかじっとして動きません。



小さなハエは探すととりあえずはいますね。クロバネキノコバエの仲間かなと思うのですが、よく分かりません。今日はこれで全部でした。(追記2015/11/27:前縁脈が一周している感じ、触角が短いなどから、タマバエ科かなと思うのですが・・・



一昨日、シロフフユエダシャクが1匹いました。でも、今年は何となくフユシャクも少ないですね。

私もそろそろ冬眠かなぁ。その代わり、今日は以前捕まえたノミバエの写真を撮りました。そのうち、以前の記事に写真を追加しておきます。

虫を調べる トゲハネバエ科

最近は虫がいないので、ハエばかり調べています。今回、調べたのはこんなハエです。



先日、マンションの廊下を歩いていたら、小さなハエがいたので捕まえてきました。一見何の変哲もないようなハエなのですが、実は、科としては初めてみたハエでした。



横から見たところです。全体に脚が長いですね。この間見たノミバエと同じで、前脚の基節がずいぶん大きいようです。体長は5.1mm、前翅長は約5mmです。

とりあえずいつもの検索表で調べてみました。まず、初めに試したのは、「原色昆虫大図鑑III」に載っている検索表です。最終的にはトゲハネバエ科あたりになったのですが、あまりにも長い道のりで、途中で迷子になったのではと何度も疑いました。トゲハネバエ科に至る間に調べた項目を列記するとこんな感じになります。



検索結果にまったく自信がなかったので、「絵解きで調べる昆虫」(文教出版、2013)に載っている検索表でもやってみました。



これは関連するところを抜粋したものですが、今度はすっきりしています。おそらく、「大図鑑」に載っているような特殊な科は除いて作られているからだと思います。なお、この本では図で示してあるものを適当に言葉に直したので間違っていることがあるかもしれません。とりあえず、今回はこの簡単な検索表に沿って科の検索をしてみたいと思います。いつも言っていますが、全くの素人がやっていますのでそのつもりで見てくださいね。

項目1-2に関連する写真を出します。







まず、項目1の額線(額囊溝)と半月板(半月瘤)についてはFig.2を見るとよく分かります。カッコ内は「大図鑑」に載っている用語ですが、同じものを指しているのだと思います。項目2の無弁翅類については、Fig. 3を見ると、翅の付け根に端覆弁しかなくて、基覆弁の痕跡のようなもの(白矢印)が体側についているだけです。さらに確かな調べ方として、触角梗節背面に縫線があるかないかですが、Fig. 4のようにありません。従って、無弁翅類で間違いないのではと思います。

項目3-6は翅脈に関するものなので、翅を見てみます。



翅脈は比較的単純です。まず、項目3については、R4+5脈とM1+2脈はほぼ平行に走っています。従って、OKです。項目4のSc切れ目はScと書いた部分の前縁脈(C脈)が少し切れているのが見えます。従って、これもOKです。項目6については、Sc脈は途中で消失することなく、前縁脈まで達しています。従って、これもOKです。

次は鬚刺毛についてです。



前額の部分を拡大したものです。この写真からでも分かりますが、あまり長くはないものの鬚刺毛はちゃんとあります。従って、これもOKです。最後は後単眼刺毛が交差するかどうかという項目ですが、Fig.2を見ると交差していることが分かります。ついでにこの辺りの刺毛の名称を書いてみました。



この写真でも後単眼刺毛が交差していることが分かります。こんな毛の向きで種類が決まるというのは何だか面白いですね。次の翅の前縁の棘はFig.5を見るとよく分かります。これでおそらくトゲハネバエ科だということになるのでしょうね。

これから先ですが、「大図鑑」の検索表の最後の項目を見ると、Suilliinae亜科という言葉が2度ほど出てきます。これと今回の個体を比較すると、どうやらSuilliinae亜科ではなさそうです。それでは、トゲハネバエ科にはどんな亜科があるのかと思って、ネットでいろいろと調べると、Suilliinae亜科のほか、Heleomyzinae亜科とHeteromyzinae亜科がありそうですが、それ以外は分かりませんでした。九大の昆虫目録データベースによると、8属20種が載っていますが、これも亜科については記載がありません。ここでストップです。でも、この8属はすべてManual of Nearctic DipteraのHeleomyzidaeの属への検索表には出ていました。従って、ひょっとすると属の検索ができるかもしれません。ただ、日本とは種が違うと思うのでどうなるか分かりませんが・・・。

今回の検索に使わなかった写真も載せておきます。



頭頂部を生物顕微鏡で写したものです。対物鏡10倍だと頭部の一部がはみ出してしまいました。全体に黄色で意外に綺麗です。

後はいつものように剛毛に名前をつける練習です。





例によってだいぶ間違っているかもしれません。剛毛の数が少ないので比較的楽ですが、その分、列をなしていない剛毛もあって、どの剛毛の系列に属するのか分からないものもあります。もう少し剛毛の数の多い種での練習が必要ですね。(追記:翅内刺毛ではなくて、翅背刺毛かもしれませんね。この辺りがいつもあやふやです

トゲハネバエ科らしい種を調べてみました。いろいろ分かったことは分かったのですが、最近は科だけ調べただけでは何となくもの足りなくなってしまいました。せめて属くらいまで調べたり、何か特徴的な構造を見つけたりしないと少々不満です。どの科もみんな似通っているからでしょうね。だんだん大変になってきますね。

廊下のむし探検 徹底的に調べてみた

廊下のむし探検 第475弾

最近、あまりに虫がいないので、今日は徹底的に調べてみようかなと思って、午前と午後の2回歩いてみました。結局、いたのはほとんどハエとクモばかりでした。まぁ、そんなもんだろうなとは思っていたのですが・・・。

でも、変わった虫もいました。





変わった形でしょう。これはカタビロクサビウンカというマルウンカ科の幼虫です。実は、昨年も1月1日に見ていました。その時は写真を撮ろうと近づいたら、ぴょっと飛んでしまい、びっくりしました。今日も飛ぶかなと思って近づいたのですが、もそもそと動いただけで飛びはしませんでした。昨年5月末に成虫を見ています(成虫写真)。



ナナホシテントウもいました。

でも、これを除くと、後はハエとクモだけでした。



まず、ハエです。ハエはこの写真の種だけ採集しました。初めシマバエかなと思っていたのですが、実は、Sc切れ目という翅の前縁脈の一部が切れているところがあって、シマバエではありませんでした。それで、「原色昆虫大図鑑III」の検索表を使って調べたのですが、あまりに長い検索の道のりで、てっきり途中で迷子になったと思いました。それでも、なんだかんだとトゲハネバエ科らしいところに到達しました。検索結果に全然、自信が持てなかったので、「絵解きで調べる昆虫」の検索表でも調べてみました。こちらは簡単にトゲハネバエ科になりました。検索では翅脈を中心に調べていくのですが、実は、トゲハネバエというのは翅の前縁に棘があるので付いた名前なのです。ですから、翅の前縁を見るとすぐに分かるようです。



この写真の個体もこんな具合に前縁に棘が規則正しく並んでいました。おそらく、トゲハネバエ科で間違いないのではないかと思います。いろいろと写真を撮ったので、今度、「虫を調べる」シリーズにも出してみます。(追記:ついでにSc切れ目に矢印をいれておきました

後のハエは捕まえなかったので、科名も分からなかったものが多いのですが、とりあえず出しておきます。



まず最初はこのハエ。この写真から辛うじて、Cu融合脈とA1脈が見えます。それからイエバエ科ではないかと思います。



次はちょっと大きめのハエです。M1脈が曲がっているので、クロバエ、ヤドリバエ、ニクバエのどれかと思うのですが、M1脈が翅縁に近くで曲がっているので、何となくクロバエ科のような気がします。





この2種は捕まえればよかったのですが、写真だけだと残念ながら科も分かりません。特に2枚目のハエは変わっていましたね。いやぁー、残念。(追記:通りすがりさんから、「不明のハエの2枚目はブユ科に見えますがどうでしょう。」というコメントをいただきました。ネットで調べると似たような種がSimulium属に見られました。もう少しはっきり写せたらよかったのですが、近づいて撮ろうとしたらぱっと逃げてしまって・・・







この辺はキノコバエなのかなぁ。あまり良くは分かりません。(追記:後で見てみると、いずれもユスリカ科だと思われます



これはクロバネキノコバエ科かな。やはり採集しないとさっぱり分かりませんね。





キモグリバエの仲間もいました。



ガガンボダマシ科も3匹。この時期、ガガンボみたいな格好の虫はほとんどガガンボダマシですね。



次はクモです。これはマダラヒメグモではないかと思います。1980年代に日本に入ってきた外来種です。





最後はエビグモ科のアサヒエビグモかなと思うのですが、自信はありません。

冬でも徹底的に探すといろいろと「むし」はいるものです。でも、大体はハエとクモですね。

顕微鏡撮影の続き

朝の続きで、クチブトゾウムシの体にある鱗片を生物顕微鏡で撮影してみました。



用いたクチブトゾウムシは体長5-6mmのこんな甲虫ですが、体全体が鱗片という鱗みたいなもので覆われています。昨日から顕微鏡撮影のテストにこの鱗片を撮影しています。朝、ブログに出した結果では、対物鏡の10倍と比較すると20倍や40倍ではどうも解像度がよくない気がしました。そこで、もう一度撮影してみました。今回は、ピントの位置を少しずつ変えて撮影して、深度合成の方法を使って合成をしました。なお、深度合成に用いたソフトはフリーソフトのCombineZPです。



これは上翅の部分を10倍の対物鏡を使って撮影したものです。写真はトリミングせずに、ただ縮小しただけのものです。また、撮影用のカメラにはNikon 1 V1を使いました。鱗片と毛が生えていることが分かります。鱗片にも白いもの、金色のもの、黒いものがあることが分かります。チョウと同じで、これら色の違う鱗片が配置することで模様を作っているようです。



上の写真の一部を拡大したものです。鱗片には白いものと黒いものが見えます。各々の鱗片には貝殻のような筋がはっきり見えます。まったく同じ場所を40倍の対物鏡で撮影してみました。



この写真もトリミングせずに、ただ縮小しただけのものです。40倍の対物鏡では、試料とレンズ間が狭くなり、その分暗くなるので横から強い光を当てました。そのせいであちこち色づいてしまったようです。解像度的には10倍のものとほぼ同じような感じに見えますが、更にこの写真の一部を拡大してみます。



黒い鱗片にも同じように筋が見えますが、かなり細い筋が何本もあることが分かりました。やはり解像度は上がっていたようです。白い鱗片は内部が白いので光が散乱して表面構造が見えなくなっているのではないかと思います。なお、この鱗片の大きさを対物ミクロを使って測ってみると幅が53μmであることが分かりました。

解像度的には十分そうなので、やはり問題は照明ですね。もうすこし頑張ってみます。

顕微鏡撮影と接写の練習

「廊下のむし探検」が開店休業状態なので、今のうちに少し顕微鏡写真と手持ち接写の練習をしておこうと思ってやってみました。これまでも両方やっていたのですが、顕微鏡写真の方は実体顕微鏡と生物顕微鏡の10xでの撮影が主でした。実体顕微鏡写真ではもう少しシャープに撮れないだろうか、生物顕微鏡ではもう少し倍率が上がらないだろうかというところです。一方、手持ちの方はこれまで等倍の接写レンズを使っていたのですが、これをもう少し倍率をあげられないかと思っています。

昨日、始めたばかりなのであまりうまくはいっていないのですが・・・。



とりあえず、近くに置いてあったクチブトゾウムシを写してみました。体長5-6mmです。このゾウムシは体全体が鱗片で覆われています。以前撮った時、この鱗片の表面に貝殻みたいな縞模様が見えたので、それが綺麗に撮れないかなと思って撮ってみました。上の写真は実体顕微鏡のズーム倍率を変えながら撮影したものです。これはトリミングをしていない生の画像を縮小したものです。あまりピントが合っていないのですが、合っている場所を探して評価してみました。



これは鱗片1枚を切り出して並べたものです。ズーム倍率2倍だとかろうじて形が分かる程度、5.6倍だと縞模様が少し見えかけています。でもこれが精一杯です。



今度は生物顕微鏡を使った撮影です。数字は対物鏡の倍率です。高倍率で撮れないかと思って40倍まで試してみました。さすがに大きくはなります。これもトリミングをしていません。



鱗片1枚を切り出してみました。さすがに貝殻のような筋がよく見えるようになりました。特に10倍の対物鏡は綺麗です。ところが、高倍率のものは思ったほどは鮮明ではありませんでした。一つには照明の問題かな。40倍になると試料と対物鏡がほとんど接するようになるので、照明を真横から当てるようになります。それでコントラストが悪くなっているのかも。また、鱗片は厚いのか彎曲しているかは分かりませんが、厚みがあるので、40倍では焦点深度が極端に浅くなってしまい、かえってはっきりしないのかもしれません。対物鏡としてその辺に転がっている古いものを使ったのがまずかったのかな・・・。いろいろと考えるところはあるので、今後改良していきます。本当は長作動の対物鏡があるとよいのですが、買うと結構するし・・・。いずれにしても鱗片を写す限りは今使っている10倍が一番よい感じですね。ちょっとがっかり。

次は手持ちで接写倍率を上げてみようという試みです。



左上はいつも撮影している等倍での撮影です(多分)。MicroNikkor60mmを使っています。左下は55mmの厚さの接写リングを入れてみた場合です。これで約2倍になるはずですが、等倍とくらべて大きくなりすぎてますね。等倍ではなかったのかな。右上は長さ135mmのベローズを入れたもの。倍率でいうと3倍ちょっと。右下は24mmのレンズをリバースで使ってベローズに取り付けたものです。倍率はこれが一番高いですね。これで約5倍くらいかな。「1.3xクロップ」と言うのは画像素子全面を使うのではなくて中心の一部だけを使うという意味です(23.5x15.6mm2の撮像範囲のうち、18.8x12.5mm2だけを使っている)。メモリーを食うのでいつもちょっと少なめの画素数で撮影しています。



鱗片1枚を比較してみました。リバースレンズを用いたものでやっと縞模様が見え始めました。生物顕微鏡写真と比べると対物鏡5倍くらいの雰囲気ですね。

いずれも机の上に小さな台を置いて、その上にクチブトゾウムシを載せています。ベローズの先端を机にちょっと載せて手持ちで撮っています。照明は内蔵フラッシュで、例の「影とり」というディフューザーを試料近くに置いています。フラッシュをたく限りは十分に撮影できますね。もっとも、相手は動かないので・・・。逆に三脚に固定して、フラッシュをたかずに露出時間を長くして撮ろうとすると、リモコンを使ってもシャッターが下りる衝撃で大きくブレてしまいました。レンズの部分が長くなるので、カメラの固定が問題ですね。やはりフラッシュの方が簡単でよいかも。(追記:ほしさんから、「三脚固定で撮る際には、ミラーアップ撮影にするとシャッターぶれはほぼなくなりますよ。やっぱりストロボの方が便利ですが、どうしても自然光で撮りたい、という時もあるでしょうし。」というコメントをいただきました。今度試してみます。どうも有難うございました

というので、どちらもまだまだなのですが、とりあえず試してみました。

廊下のむし探検 ノミバエやらワラジムシやら

廊下のむし探検 第474弾

相変わらず何もいそうもない廊下を歩いています。でも、最近は3日に1日くらいのペースですね。それでも、探してみるとなんだかんだ虫はいるものです。



今日はこの小さなハエからです。体長はわずか2mm、前翅長も2mmです。でも、家に戻ってからこの写真を見た途端、何となくノミバエという名前が浮かんできました。「絵解きで調べる昆虫」の検索表で調べてみると、やはりノミバエ科に落ち着きました。頭部の後ろ側の形が以前見た種と似ているからでしょうね。

一応、採集してきたので、いろいろと撮影してみました。



まず、頭部です。この間も見たのですが、頭部にやたら太い毛が生えていて、結構、ごつい感じがします。触角の基部は丸いですね。それよりも、前脚の基部がちょっと変わっている感じです。





下から撮ってみたのですが、前脚の基節が太くなっているのでしょうか。ちょっと不思議な構造ですね。中脚の脛節末端内側にはずいぶん長い剛毛が生えています。



これは横から撮ったところです。先ほどの前脚の根元の部分が膨らんでいるのが見えます。その他、体側には特に剛毛はないですね。



最後は翅脈です。毒瓶に入れておいたら、翅が二枚くっついてしまって見難いのですが、この間のノミバエとよく似ています。特にR脈の辺りが変わっていますね。ただし、この翅脈の名称はManual of Nearctic Dipteraによるもので、「大図鑑」に載っている名称とはちょっと違うところがあると思います。(追記:Ziramさんに教えていただき、もう少し詳しく調べてみました。この種はトゲナシアシノミバエ亜科メガセリア属メガセリア亜属に属するかもしれません。詳しくはこちらを御覧ください





次はガガンボ2種です。翅脈を見るために並べてみます。



いずれも中胸背にV字型の溝があるのでガガンボの仲間であることは間違いないです。後は翅脈からだいたい分かります。まず、下の写真の種はA1と書いた脈が翅の基部近くで急に曲がっています。従って、ガガンボダマシ科であることが分かります。上の写真の種はR1と書いた脈が翅縁に達せず、曲がってR4脈に合流しています。これからおそらくシリブトガガンボ科かなと推測されます。シリブトガガンボ科については、「日本産水生昆虫」に属の検索表があるのですが、M脈の数が3本で触角が鋸歯状でないので、ホソシリブトガガンボ属かなと思いました。あまり自信はないのですが・・・。(追記2015/10/30:aの写真の個体を再検討したのですが、ヒメガガンボ科のようです。さらに、同じと思われる個体を2015/04/24のブログに出していました



この小さな甲虫がまたいました。この間と同じだとすれば、タマキノコムシ科Leiodes属でしょうね。



ちょっと脚の数が増えてネコハグモになります。



もっと脚の数の多いワラジムシの仲間です。ワラジムシとダンゴムシは後ろにある尾肢があるかないかで区別できます。



ついでに各部の名前も書いておきます。尾肢は左端にある部分です。胸部が大きく、腹部はちょっとというのがこの仲間たちですね。



こちらはオカダンゴムシですが、先ほどの尾肢が見えないですね。(追記:通りすがりさんから、「経験則ですが、オカダンゴムシはこの色ならメスですね。昔、卵を持っていたのは全てこの色の方でしたから。」というコメントをいただきました。ダンゴムシの♂♀なんて考えてもみませんでした

さて、ワラジムシの種類については、「日本産土壌動物―分類のための図解検索」(東海大出版、1999)の中に検索表があり、それで調べることができます。ワラジムシ科の検索表によれば、第2触角が長いということでチョビヒゲワラジムシ属が除外でき、次に胸節の後縁の両側に窪みがあればワラジムシ属、なければホソワラジムシ属だということが分かります。上の写真の種には窪みがないので、これはおそらくホソワラジムシ属ホソワラジムシだと思われます。

廊下のむし探検 今日は8匹

廊下のむし探検 第473弾

今日は午後から歩いてみました。朝よりは暖かいので虫がちょっとでもいるかなと思って・・・。



最初に見つけたのはこの虫でした。たぶんケブカカスミカメだと思います。ケブカというだけあって、翅には毛がいっぱい生えています。図鑑によると成虫越冬するようです。1993年に出された「日本原色カメムシ図鑑第1巻」には、四国、九州に分布とされていましたが、2001年に出された「日本原色カメムシ図鑑第2巻」では、西日本に広く分布と変わっていました。分布を広げているのか、詳細が分かってきたのか、どちらか分かりませんが・・・。マンションの廊下でもこれまで1、2、9、10、12月に見ています。



次はこれ。小さなハエ目昆虫です。この間捕まえて科を調べてみました。ノミバエ科に属するようです。



この虫も何度か見ています。同じ種かどうかは分かりませんが・・・。翅の根元の翅脈が急に曲がっているのが見えるのでガガンボダマシ科ですね。

フユシャクも今日は3匹いました。



まずはこれ。黒っぽいのですが、やはりいつものシロオビフユシャクではないかと思います。





悩ましいのはこの2匹。翅の色合いも外横線の外側の白い縁取りなどもほとんどウスバフユシャクなのですが、決め手となる外横線が直線的ではありません。対抗馬としてはクロテンフユシャクになるのですが、私の気持ちではウスバ7:クロテン3くらいかなと思っています。(追記:MSWiさんから、「ウスバにも外横線が軽くカーブするような個体はたまに出ます。なので、少なくとも上の個体は十分ウスバの範疇だと思います。下が少し微妙ですが、これも「クロテンっぽいウスバ」かな、という感じですかね…。ウスバにしてはちょっと白いタイプです(基本的にウスバウスモンは赤っぽく、クロテンは白っぽい奴が多い)。」というコメントをいただきました。とりあえず、どちらもウスバフユシャクとしておきますが、フユシャクも意外に難しいですね。)(追記:通りすがりさんから、「どちらもウスバ(ウスバフユシャク)ですね。横線の濃さや曲がり具合、色には個体差の他にも地域差というか個体群の差なのか分かりませんが、地域によっても見られるタイプに差がありますね。(中略)この横線の形ならば十分にウスバの範囲内です。クロテンなら外横線が折れ曲がるのはM1脈で明確に折れ曲がるので、全体的に緩く曲がるウスバとは区別できますね。」というコメントをいただきました。ウスバの外横線が真っ直ぐだという先入観を早く捨てないといけませんね。直線であったり、連続的にカーブするものあるのですね。今シーズンはいろいろなタイプのウスバが出てきたので、よい勉強になりました



次はクモです。このクモもこれまで何回か見ているのですが、まだ名前が分かりません。



それにササグモでした。

虫を調べる シマバエ科Homoneura属

また、ハエの話です。昨年の12月くらいからハエを調べているのですが、少しずつ分かり始めてきた気がするので、私の勉強のためにもう少し続けたいと思います。読まれる方はちょっと気持ち悪いかもしれませんが・・・。

今日は、先日、シマバエ科のHomoneura mayrhoferiかもしれないなと思ったハエを調べてみました。いつもは科まで調べるのですが、今回は種まで行くので少し長くなります。いつも言っておりますが、ハエには全くの素人なのでそのつもりで見てくださいね。



まず、調べたハエはこれです。翅に模様があるので、調べやすいかなと思って選んでみました。昨年の12月にも同じ種を見つけ、その時は何となくシマバエ科かなと思って画像検索し、同じ種らしい個体が載っているサイトをいくつか見つけました。それが先ほど書いたHomoneura mayrhoferiという種でした。ただ、ネット情報は怪しいものが多いので、自分でもひとつ調べてみようかと思ったのがきっかけです。

まず、種への検索をしてみます。これには、「絵解きで調べる昆虫」の中の検索表を用いました。絵解きの部分を適当に文章化して書くと次のようになります。



これはシマバエ科に至る部分だけを抜粋して書いたものです。それぞれの項目で除外されていく科は( )内に書いてあります。これらの項目に関連する写真を載せます。







まず、①は額線や半月板に関する項目で、Fig. 1に額線を示しています。なお、項目に関係する部分には、黒矢印あるいは白矢印と丸で囲んだ数字を書いています。額線は見えるのですが、半月板はよく分かりません。でも、とりあえずOKとしましょう。次は、この間勉強した無弁翅類に関するものです。まず、Fig.2には覆弁の有無を載せていますが、端覆弁だけで基覆弁はありません。さらに、無弁翅類の特徴だった触角梗節にも縫線はありませんでした(Fig.3に触角の写真を載せたのですが、梗節はちょっと見えにくかったようです)。ということで②まで終わりました。次からは翅脈に関するものなので、翅脈の写真を載せます。



③のR4+5脈とM1+2脈はこの図でもわかりますが、ほぼ平行です。これで③と⑥がOKになりました。④はSc切れ目に関するものですが、切れ目はないのでこれもOKです。⑤の鬚剛毛はFig.1を見ると分かりますが、ありません。次の⑦と⑧のために、さらに2枚の写真を追加します。





⑦は脛節末端の背面に剛毛があるかどうかですが、Fig.5のように1本だけあります。さらに、⑧の後単眼剛毛はFig.6のように交差しています。これでシマバエ科であることが分かりました。

次は属への検索を試みてみました。これには、株式会社エコリスのホームページにある「日本のシマバエ科 属への検索試案」を使わせていただきました。これもHomoneura属への検索の部分だけを抜粋して書くと次のようになります。



⑨は翅の外周を小剛毛列が覆っているかどうかについてです。図を載せます。



この写真にはちょっと感動しました。確かにちょうどR4+5脈のところまで太い剛毛列が並んでいます。次の中脛節の剛毛は次の写真を見てください。



これは中脚の写真ですが、脛節末端の内側(向かって左側)に長い剛毛が2本、外側(向かって右側)に1本あります。「底部先端」というのは内側の剛毛を指しているのでしょうね。⑩の上前腹板は載っていた英語訳から判断すると中胸上前側板のことかなと思って、Fig. 5を見てみました。特に、変わった剛毛は生えていません。これと対抗する側の項目を見てみると、「下方を向く1-2本の過剰剛毛を具える」ということなので、そのような剛毛はありません。さらに、翅には模様があるので、前腿節を見てみます。同じくFig.5を見ると、剛毛列が見えます。これが櫛歯状なのでしょう。ということで、Homoneura属に到達しました。

いつものならこの辺りで終わるのですが、今日は種までなので、もうすこし続きます。種への検索表は次の笹川満博氏の論文を用いました。

M. Sasakawa and S. Ikeuchi, 昆蟲 53(3), 491 (1985). (ここからダウンロードできます)

これは英文なので、また、必要な部分だけを翻訳してみました。



まず、1 はFig.3を見るとすぐに分かりますが、触角刺毛は軟毛に覆われています。この検索表に関係するところは図に黒矢印と数字で示しています。これに対向する項目は羽毛状です。そんな種があるのですね。次は腹部第6腹板に関するものですが、腹板をどうやって数えたらよいのかまったく分からず、ここでずいぶん苦労しました。

まず、腹部を背側から見てみます。



この場合は番号をつけやすいのですが、この図のようにつけていきます。ここで第1と第2の間には明確な境がないので、1+2と書くことがあるみたいです。さて、ここで見えているものは背板と呼ばれるものです。なぜ「板」というのかは次の図を見ると分かります。



こんな風に一部だけを覆う板状になっているからなのですね。それに対応して、腹側にも板があって、それを腹板と呼んでいます。腹側から見ると次のような感じです。



このように腹板が並んでいます。しかしどう見ても4枚しかありません。これが悩みの始まりでした。実は、Fig.10でも分かりますが、第1と第2の腹板は後脚の下にあって、普段は見えないのです。それを見えるようにしたものがFig. 10でした。しかし、これが見えてもどれをどう番号をつけるかはなかなか分かりませんでした。いろいろとネットを探していてとうとう見つけました。

S. P. Kim, "Australian lauxaniid flies: revision of the Australian species of Homoneura van der Wulp, Trypetisoma Malloch, and Allied Genera (Diptera : Lauxaniidae)", (CSIRO Australia, 1994)(ここで本の一部を見ることができます。この中のFig. 11に腹部の用語が書かれています)

という本です。それによると、番号の付け方はFig.10のようになるそうです。特に、第2腹板がちょっと飛び出しているだけで板のようには見えないのですが、そう呼ぶのでしょうね。

これでとりあえず、第6腹板が分かりました。そこで、その付近を拡大してみます。



このように第6腹板には強靭な剛毛はありません。笹川氏の以前の論文(M. Sasakawa and S. Ikeuchi, Kontyu 51, 289 (1983). (ここからダウンロードできます))を見ると、強靭な剛毛というよりは棘のある種がいるので、その意味が分かりました。これから後は楽で、トントン拍子にHomoneura mayrhoferiまで到達できます。最後の腹部背板の後縁の縁取りはFig.9とかFig.10を見ると分かります。最終的には翅に4つの斑紋があるというところが決め手になりそうです。

笹川氏の論文にはこの種の特徴についても書かれていたので、その部分も翻訳してみました。



全般的な特徴のところで書かれていますが、翅の紋と後で述べる上雄突起の大きさで♂についてはすぐに分かるということです。特徴を順に見ていきます。①の茶色の縞はFig.6にある1対の暗い筋のことを言っているのだと思います。なお、今回の特徴に関係するところには図に赤矢印と赤い丸数字で示しています。②についてはこの個体では前翅長は4.5mm、体長は4.4mmでしたので範囲内に入ります。4つの斑紋の位置も一致しています。さらに、③の腹部背板後縁の縁取り、それに中央の黒い縦線はFig.9を見ると分かります。そして、④です。上雄板と上雄突起はおそらくFig. 10と11に書いてあるものだと思います。上雄突起はFig.12を見るとその巨大なことが分かります。♂ならばすぐに分かる特徴なので、翅の模様とこれさえあればHomoneura mayrhoferiだということでしょうね。この後の⑤以下は日本語訳も怪しいですが、内容もよく分かりませんでした。

ということで、シマバエ科の種の同定をしてみました。種までの同定だったので時間がかかったのと、検索表では抜けている種もあるかもしれないと思って、書かれていた特徴まで調べたので、かなり大変でした。その代わり、腹部の背板や腹板について少し分かったことが収穫でした。一方、交尾器の辺りの言葉の意味がほとんど分からなかったので、もう少し勉強が必要だなと思いました。Fig. 12に見える腹端の構造は折りたたまれて収まっていると思うので、これを引き出すともう少し構造が分かるかなと思うのですが、今度やってみます。(追記:あおやまはるまさんから、「小さな昆虫の、昆虫に限らず動物の体の、この精巧さには驚くばかりです。」というコメントをいただきました

廊下のむし探検 今日は5匹

廊下のむし探検 第472弾

今日は散歩に行くついでに、午前中、廊下を歩いてみました。相変わらず何もいなかったのですが、小さな虫はちょこちょこいました。



最初はこの甲虫です。体長は3mm。以前にも見たことがあったような気がしたので、私のデータベースである画像リストを見てみたら、案の定、似た種がいました。この時はタマキノコムシ科Leiodes属かもと教えて頂いたのですが、それと似た種かもしれません。偶然かもしれませんが、この時も1月に見ていました。





2匹目はこの虫です。ちょっと見では白い点があるのでナガカメムシの仲間かなと思ったのですが、よく見るとハエ目の仲間でした。体長は約2,8mm。とりあえず採集してきて、例によって「絵解きで調べる昆虫」の検索表で調べてみました。翅に毛がいっぱい生えているので、翅脈が完全には分からなかったのですが、検索の結果、ヌカカ科になりました。これ以上は分かりませんが、触角が面白いので、ちょっと拡大してみました。



ずいぶん変わった触角ですね。(追記:「危険・有害生物」(学研、2003)をパラパラ見ていたら、ヌカカの仲間には吸血性で寄生虫やウィルスを媒介する種類もあると書いてありました。『ヌカカに刺されると、チクリとした軽い痛みがあり、まもなく円形の紅斑となり、激しい痒みが生じ、数日続く。』とのことです。もし本当にヌカカだったら、要注意ですね)(追記:通りすがりさんから、「ヌカカ科のものは昆虫やクモなどから吸血する微小種以外は気を付けた方が良いんでしょうが、殆ど出会わないですね。」というコメントをいただきました)(追記2018/02/15:コメントをいただき、Forcipomyia属らしいことは分かりました。まだ、調べていないのですが、一応、そのように記録しておきます



3匹目はユスリカでした。♂だと思うのですが、触角の片方がちょっと変ですね。



後はフユシャクです。これは間違いなくウスバフユシャクですね。



それにウスモンフユシャクでした。(追記:通りすがりさんから、「ウスバとウスモンは見比べれば翅形の違いもはっきりしますね。」とのコメントをいただきました

廊下のむし探検 ハネカクシ?

廊下のむし探検 第471弾

外出ばかりしていて3日ほど「廊下のむし探検」をさぼってしまいました。それで、昨日、久しぶりに歩いてみました。でも、風は冷たく、すぐそこまで雪雲が来ているのか、近くの山が白い霧のようなもので覆われています。廊下を歩く人の姿もなく、一人ぽつぽつと歩いてきました。こんな季節にカメラを持って歩いていると、また、不審者に間違えられそうです。

それでも、歩くとなんだかんだと虫はいるものです。この日はこんな虫がいました。



ハネカクシの仲間です。体長は3.8mm。小さな個体です。ハネカクシの仲間は皆よく似ているので、これまではハネカクシがいても図鑑をさっと見るだけでパスしていました。今回は特徴がはっきりしているのでじっくり見てみました。頭部や前胸の形や大きさ、触角、脚・・・。図鑑も「原色日本甲虫図鑑II」、「原色昆虫大図鑑II」、「学研生物図鑑 昆虫II」の3冊を何回か見直しました。ぱらぱら見ているとクロズトガリハネカクシに何度か目がいったのですが、詳しく見るとやはり違います。で、結局、よく分かりませんでした。どなたかお分かりのの方はお教え下さいませんか。(追記:通りすがりさんから、「ハネカクシ科は日本産だけでも二千種以上ですから、一筋縄ではいきませんね。」というコメントをいただきました。二千種以上とは気の遠くなるような数字ですね



年末にも見たハエがまたいました。その時はネットで調べて、シマバエ科のHomoneura mayrhoferiという種によく似ているが、自分でもう一度調べてみますと書きました。でも、他のハエの名前調べで忙しくてそのままにしていました。今回はまた採集してきて、簡単な検索を行いました。シマバエ科はOKです。また、Homoneura属もOKみたいです。最後の種名のところで、ちょっとつまづいています。非常に初歩的な点で。まずはハエの♂と♀はどう違うのかというところです。通常は複眼がくっつくと♂、離れていると♀というのがハエの特徴かなと思っていたのですが、シマバエ科はどうやら♂♀とも離れているようです。さらに、上の個体の腹端を見ると、かなりごつい構造が見えるので、これが♂なのかなとも思うのですが、次の論文に載っている腹板や交尾器の図のどれがどれだか対応がつきません。

M. Sasakawa and S. Ikeuchi, 昆蟲 53(3), 491 (1985). (ここからダウンロードできます)

あぁ、ハエの構造の初歩的な講義が聞きたい感じです。でも、もう少し頑張ってみます。



いつもいる小さなハエの仲間です。そして、いつもキノコバエかなとだけ書いているのですが、面倒くさいので、この日は採集してきました。「絵解きで調べる昆虫」の検索表を使って調べると、やはりキノコバエ科に到達しました。でも、ここから先はどう進んでよいのやら。



そして、アメリカから本を取り寄せようかどうか迷っているキモグリバエの仲間です。本というのはこれです。

Kenkichi Kanmiya, "A systematic study of the Japanese Chloropidae (Diptera)" (Memoirs of the Entomological Society of Washington ; no. 11) (1983).

1種だけのために取り寄せるのもどうかなと思ったり、でも、たとえ1種だけのためでも分からないなら取り寄せるべきだと思ったり、しかし、取り寄せて内容が理解できるのかなとも思ったりして、そのままになっています。



廊下の壁に止まっていました。2cmほどはある感じです。以前教えていただいたヤネホソバの幼虫かなと思っています。そう思って以前の記事を見てみると、昨年11月6日のブログに同じようなことを書いていました。ちょっとその時の文章を繰り返すと、「外壁の苔を食べるのでよく大量に発生し、さらに悪いことに、背中には毒毛が生えているようです。ご用心、ご用心。」



初め、紋が薄いので、ウスモンフユシャクかなと思ったのですが、外横線が真っ直ぐなので、ウスバフユシャクかもと思って迷い始めました。ウスバの特徴である翅頂からの黒い筋もはっきりしているので、今のところ、ウスバ7:ウスモン3ぐらいの気持ちです。(追記:通りすがりさんから、「ウスバフユシャクには賛成です。変異が激しくて紛らわしいものが居ますが、総合的に見るとやっぱりウスバなんですよね。」というコメントをいただきました



虫が少ないわりにはこの日は迷ってばかりでしたが、最後はスカッとマエアカスカシノメイガです。普段の季節なら無視しているのですが、こんな冬に見るとちょっと嬉しい感じです。(追記:ほしさんから、「図鑑では幼虫または蛹と書かれていました。多化性なので、単純に外気温次第で羽化しちゃうのかもしれませんね。」というコメントをいただきました。確かに今頃出てくるなんておかしいなと思っていたら、通りすがりさんから、「温暖な地域では通年発生する様で、千葉では通年見られます。」というコメントをいただきました

廊下のむし探検 ハエとフユシャクくらい

廊下のむし探検 第470弾

毎日毎日ハエばかりやっていて、早くハエの呪縛から逃れたいものだと思っていたのですが、昨日も廊下を歩くとやはりハエかフユシャクくらいしかいませんね。仕方なく、今朝もハエを調べてみました。



この日目立ったのはこのハエでした。写したときはミバエかなと思ったのですが、いろいろと図鑑を見ても載っていません。そういえば翅脈がミバエと少し違うなと思っていたら、「学研生物図鑑 昆虫III」には載っていました。シモフリシマバエというシマバエ科のハエみたいです。





この2匹は今年の正月に見たミバエです。上がクロホソスジハマダラミバエ、下はクチジロハススジハマダラミバエかなと思った種です。比べてみると、ちょっと止まり方も違いますね。でも、翅脈を見ると決定的に違っています。



これはシモフリシマバエの翅を拡大したものです。実は、赤矢印の部分が違うのです。



これはクロホソスジハマダラミバエらしい種の翅の基部を拡大したものです。翅の上の端を走る脈を前縁脈(C脈)といいますが、これが赤矢印の部分で3ヶ所途切れています。特に、Sc脈が前縁脈に達するところをSc切れ目と呼んでいます。このSc切れ目があることがミバエの特徴で、さらに、Sc脈が直角に近く曲がってSc切れ目に向かっています。これがもう一つの特徴です。



これはもう1種の方のミバエですが、やはり同じ特徴があります。これに対して、シモフリシマバエは前縁脈に切れ目がなく、Sc脈もゆるやかに曲がっています。ここが決定的に違うのです。

ちょっと趣味的に、クチジロハススジハマダラミバエかなと思った種のSc切れ目の部分を拡大してみました。



切れ目の片側には刺毛が生えています。切れ目というのは脈だけでなく、翅の一部も切れているみたいですね。(追記:昨日、こんな図も作っていたのですが、出しそびれてしまいました。せっかくだから、出しておきます。



「絵解きで調べる昆虫」の検索表を使ったシマバエ科とミバエ科の見分け方です。いろいろと書いてありますが、要はSc切れ目があるかないかというのが一番大きな違いです。でも、こんなもの見なくても、外見で分かるでしょうけど・・・。それでも、検索の流れが分かりやすくなったかなと自分では悦に入っています。ついでに、「原色昆虫大図鑑」の検索表も図式化してみました。これはだいぶ複雑です。




この図では途中で特殊な科を除外するためだけの項目は除いています。ミバエ科が三箇所に分かれて入っているので、ややこしいです。でも、Sc切れ目はミバエ科には必ず入っています。
確かに、クロホソスジハマダラミバエらしき個体を見ると、Sc脈が直角に曲がっているというわけではないので、右側の枝に行ってからミバエ科にたどり着きそうです。親切といえば親切ですねミバエが三箇所に分かれているのが、亜科か族の違いによるものだといいのですが、それについてはなんとも書かれていないので分かりません



次はこのハエです。この間からたびたび見ているのですが、あまりに小さいので、名前はおろか科も分かりませんでした。昨日はこれも採集してきました。小さい小さいハエです。体長は2mmしかありません。「絵解きで調べる昆虫」に載っている検索表で検索してみました。翅が薄いのか翅をピンセットでつまむとピンセットにくっついてしまい、それでピンセットをちょっと振ったら、今度は床のどこかに落ちてしまい、探すのも大変。でも、一応、科までたどり着きました。ノミバエ科のようです。Manual of Nearctic Diptera Vol. 2を見てみると、まさに同じような翅脈が載っていました。



その本に載っていた翅脈の名称です。従って、「原色昆虫大図鑑」とは違っているのではないかと思います。変わった翅脈ですね。ついでなので、ちょっと顔のアップです。



小さいくせにごつい感じのハエですね。(追記:Ziramさんから、「Metopininae亜科(トゲナシアシノミバエ亜科)ではないかと思います。[おそらくMegaselia属あたり] 」というコメントをいただきました。「『触角上棘毛が斜下方に湾曲している』のは確認出来ますし、全身図では(見え方的に完全な保証までは出来ませんが)見るからに『脚の脛節に(2本棘の特徴的な)独立剛毛を有しない』と見られるのでMetopininae亜科かと思います(中胸側板が2区画に分かれていればほぼ確定です)。」だそうです。

さらに、「Megaselia属と判断した理由といたしましては、まずMetopininae亜科に属するハエの半分ほどを占めるのではないかと推測されている、そして後脚脛節の後背部に氈毛列(微細な毛の集まりから成る線)を持つように見られるの2点です。」とのことです。また、「Megaselia属は未記載種だらけの属する種類の多い属で、現状としては約1600種程度の記載がありますが(未記載種を含めると)その10倍前後いるのではないかと言われていますので、種まで分類するのは困難かと思います。」とのことです。

このコメントで紹介していただいた、金子ほか、衛生動物 12, 238 (1961)(ここからダウンロードできます)に載っている検索表を見ると、確かにMetopininae亜科に属するようです。さらに、後脚脛節の背部に氈毛列のようなものもかすかに見えます。こんな小さなノミバエでもいろいろなことが分かってくるものですね。本当にどうも有難うございました
)(追記:ついでに、金子ほか(1961)の図に従って、頭部の各部の名称を付けてみました。



ごついごついとしか表現できなかった頭部の各部に名前が付けられるようになってちょっと嬉しいですね)(追記:Ziramさんに教えていただき、もう少し詳しく調べてみました。この種はトゲナシアシノミバエ亜科メガセリア属アフィオカエタ亜属に属するかもしれません。詳しくはこちらを御覧ください



これも小さいのですが、これは採集しませんでした。左右の複眼がつながっている感じなので、たぶん、クロバネキノコバエ科(クロキノコバエ科)かなと思います。



後はフユシャクです。これはウスモンフユシャクだろうと思います。



最後のこのフユシャク。撮影した時は、いつものシロオビフユシャクだと思っていたのですが、帰ってからよく見ると、全体に黒いし、白い帯模様の曲がり方が鈍角になっている感じもします。ひょっとしたらクロバネフユシャクの方かもしれません。クロバネフユシャクは昨年も1月後半に見ました。(追記:通りすがりさんから、「フユシャクはクロバネフユシャクですね。シロオビフユシャクとは前翅前縁部が反ることで見分けられますが、確か翅脈の違いが翅形の違いとなっていた筈です。」というコメントをいただきました。これは分かりやすい見分け方です。私は「標準図鑑」に書いてあるように、白い外横線のR1脈上での屈曲の様子で見分けていたので、なかなか判断がつきませんでした。「標準図鑑」によると、分布は、はじめ東京付近の雑木林に限定されていたが、関東を中心に福島、静岡、愛知でも見られているとあります。ちょっとネットでも探してみたのですが、近畿にはまだ記録がないみたいです。大阪北部にある私のマンションでは昨年も見られていたので、こちらではすでに定着しているかもしれません

今日はハエの標本作り

「廊下のむし探検」でハエを採集してきては検索をしていたのですが、家の中にハエがだんだん溜まってきました。今日は一つ、ハエの標本を作ってみようと思ってやってみました。

採集したハエは毒瓶として使っている、蓋のついたニューPPサンプル管(マルエム、60ml)に入れています。



この中に、まずティッシュペーパを固めて底に入れて、それに100円ショップで買ったノンアセトン・エナメルリムーバをポタポタと落とします。さらに、その上にティッシュペーパを半分に切ったものを半分に折り、真ん中を指で押さえて中に入れています。これで出来上がりです。この中に別の毒瓶で採集したハエをポンポン入れています。このエナメルリムーバの成分は水、酢酸エチル、エタノール、グリセリン、香料と書いてあるのですが、水が入っているせいか、ハエを入れておいてもちっとも固くなりません。入れてから1ヶ月ほど経ったハエでも自由に脚や翅が動きます。不思議ですね。

ともかく、その1ヶ月ほど経ったハエで標本を作ってみました。



まず、ハエの胸背に針を刺します。次に大きなペフ板の上に、小さなペフ板を縦にして針で固定します。それにハエが横向けになるように取り付けます。ちょうどこの写真のような状態にして実体顕微鏡で見ながら、ピンセットで脚を伸ばしていきます。適度に柔らかくて伸ばせばそのままの形になっています。ハエは胸の横側の剛毛を見なければならないので、脚が邪魔にならないようにこんなことをしています。



これは昨年の12月16日の「虫を調べる」シリーズに出したキアシフンバエです。もう1ヶ月くらい前になりますが、うまく脚が伸びたでしょう。



さらに、展翅板を使って今度は翅を伸ばして固定しました。ちょっと中心からずれてしまっていますが・・・。このまましばらく放っておきます。展翅板の溝が邪魔をして、脚がもとのように曲がっていかないことを期待しているのですが、どうなるでしょうね。今日は中型のハエばかり20匹ほど展翅しました。後は2-3mmの小型のハエばかりが残ってしまいました。これはどうしたらよいでしょうね。

ハエの有弁翅類の特徴

ハエの翅基部に膜状の覆弁があるものを有弁翅類と呼んでいます。これまでハエの検索をいくつか試みたのですが、フンバエらしき個体のところでいつもつまづいてしまうので、昨日は覆弁について少し勉強してみました。

覆弁があるかどうかというのは、イエバエ、クロバエ、ヤドリバエなどの仲間か、シマバエ、ヤチバエなどの仲間かを区別する重要な項目として検索表に載っています。ただ、昨日お見せしたように、無弁翅類といっても覆弁が全くないというわけではなく、シマバエでも2種類ある覆弁のうち、端覆弁の方は持っていて、基覆弁だけが見られないということが分かりました。ただ、フンバエのように有弁翅類でありながら基覆弁が線状になって見難い種もあり、覆弁だけで判断するのは難しそうです。

「原色昆虫大図鑑III」のハエ目の検索表には、有弁翅類の特徴として、1)翅下瘤が発達する、2)触角梗節の背面に明確に縫線が入る、3)通常は鬚剛毛を生じる、4)通常は基覆弁が発達する、5)翅のSc脈とR1脈は融合しない、の5つの必要条件を載せています。この条件をすべて満足したら有弁翅類だということです。覆弁についても4)に載っていますが、「通常は」とされていて、それほど強い条件ではありません。無弁翅類の特徴も比較しながら読むと、5つある項目のなかでは、むしろ、2)が重要な特徴であることが分かりました。

それで、昨日は有弁翅類についてもその特徴的な部分の写真をいろいろと撮ってみたので、記録のつもりで載せておきます。



写真を撮ったのはこんなハエです。検索の結果、イエバエ科になったのですが、名前は分かりません。3-4mmの小さなハエです。なぜもっと大きなハエでやらないかというと、大きなハエはちょっと気持ち悪くて・・・。

とりあえず初めに、また、翅の基部をお見せします。



翅の基部には端覆弁、基覆弁という2つの覆弁が見えます。これで4)は満足されました。その他、この写真では翅脈も見えるので、5)も調べてみます。上の方にある細い翅脈がSc脈です。その下の太い翅脈がR1脈です。写真でも分かりますが、2つは独立していて融合していません。従って、5)も満足されました。この図にはついでにいろいろな翅脈の名称を「大図鑑」に従ってつけてみました。なお、素人がやっていますので、間違っているかも知れません。



次は体の横側です。横側はいくつかの部分に分かれています。それぞれの部分に名称がついているので、勉強のつもりで、「大図鑑」の絵を見ながら名前を付けてみました。翅の基部あたりでちょっと分からない部分もあるのですが、大体は名前が付けられました。翅の基部のところを拡大してみます。



覆弁が2枚見えています。この2種類の覆弁は起源が少し異なっていて、Manual of Nearctic Dipteraなどの説明を読むと、端覆弁が翅の根元で広がった部分の延長として考えられているのに対して、基覆弁は小盾板の付属物と考えられているようです。さて、その覆弁の左側には丸い突起が見えます。これがおそらく翅下瘤だと思います。1)の項目はこれが発達するということですが、どの程度を発達しているかというのはよく分かりません。おまけに、無弁翅類でもこれが発達している種があるようです。でも、ともかく、1)は満足されました。



次は3)の鬚剛毛についてです。「大図鑑」の検索表の本文には鬚剛毛とあり、絵には鬚刺毛とあって、統一されていませんが、絵の方を採用して上の写真には鬚刺毛として書いてあります。太い大きな鬚刺毛が1対あります。これで3)もOKです。勉強ついでに、図鑑を見ながらいろいろな部分の名称も入れてみました。(追記:額眼縁刺毛のうち、長い刺毛は内頭頂刺毛のようです。後で、写真を訂正しておきます)(追記:刺毛の名前を訂正しました



最後は、2)の「触角梗節の背面に明確に縫線が入る」という点です。梗節は触角の各節のうち、ちょっと黄色に見えている部分です。この背側に縫線が入るということですが、縫線はこの写真でも十分に見えますが、趣味的にその部分だけもっと拡大してみました。



赤矢印の部分がその縫線だと思います。ということで、2)も満足されたので、無事、有弁翅類だということが分かりました。

2,3ヶ月前にはどれもこれもハエで済ませていたのですが、最近は検索をしてみることにしています。まだ、慣れなくて悩んでばかりいるのですが、こうして写真を撮って名前を入れていくと知らず知らず各部の名称に親しみが湧いてきます。まさに、「習うより慣れよ」ですね。

ハエの覆弁を調べる

この間からハエの検索を試みているのですが、最近、有弁翅類と無弁翅類に大きく分かれる部分が分からなくなってしまいました。それで今日はちょっと勉強です。

日本にいるハエ目の昆虫には1万種とか1万5千種とか、膨大な種類がいるようです。ハエ目は大きく分けて、ガガンボやカなどのように触角の節の多い糸角亜目(長角亜目)と通常のハエのように触角が基本的に3節からなる短角亜目に分けられます。さらに、短角亜目には触角を囲む額囊溝という溝のある額囊類と溝のない無額囊類があります。前者にはイエバエなど普通のハエが、後者にはオドリバエなどが属しています。さらに、額囊類には翅の基部に覆弁といわれる膜構造のある有弁翅類と、これを欠く無弁翅類とがあります。前者にはイエバエやクロバエなどが、後者にはシマバエやヤチバエなどが含まれます。

イエバエ、クロバエなどの検索をしていくと必ずこれらの道を辿ることになります。ところが、イエバエなどと近い種類であるフンバエを調べている時にどれが覆弁なのか分からなくなってしまいました。そこで、手元にあるハエで覆弁を調べてみました。

まず、普通のイエバエ科だと思われる種類からその部分を見ていきます。



これは検索でイエバエ科になったハエの翅の基部を拡大したものです。翅の基部には小翅片という広がった部分がありますが、さらに基部の部分には毛の生えた膜構造が見えます。これを覆弁といっています。イエバエなどには通常2種類の覆弁があって、順に端覆弁、基覆弁と呼ばれています。つまり、このような構造があれば有弁翅類だということになります。

一方、無弁翅類であるシマバエ科について調べてみます。



これは先日調べたときに、シマバエ科のSteganopsis属らしいことが分かった種です。この個体の翅の基部を調べてみると、小翅片は同様にありますが、覆弁については端覆弁がはっきり分かるものの、基覆弁に当たる部分には(赤い矢印で示してあります)、棒状の構造があるだけで弁と呼ばれるような膜状の構造ははっきりしません。

同じく別のシマバエ科らしい種についても調べてみました。



これも同様に赤い矢印で示しています。端覆弁はあり、その基部に細い棒状のものは見えますが、覆弁のような膜状の構造は見えません。つまり、無弁翅類は覆弁が全くないというわけではなく、端覆弁はあるけれど基覆弁がないという意味なのですね。実際、「原色昆虫大図鑑III」の検索表にも、「通常は基覆弁の発達が悪いかこれを欠く」とあり、それと一致しています。

ところで、フンバエ科は有弁翅類なのですが、検索表には「基覆弁は線状」と書かれています。これについては以前調べたことがあったのですが、もう一度載せておきます。



これはキアシフンバエらしい個体での写真ですが、翅の基部には端覆弁があり、さらに、棒状の構造も見えます。しかし、シマバエ科と異なり、周辺に毛が生えていて、いかにも覆弁が細くなったような感じを与えます。検索表に書かれていた「線状の基覆弁」というのはこういう意味だったのでしょうね。いずれにしても、かなり分かりにくい構造であることは確かです。



最後は私がフンバエ科だと早とちりした種ですが、小さな端覆弁と筋状の構造があるだけなので、上の判定基準だと無弁翅類になるのかなと思っています。でも、この先の検索がなかなかうまくいかず、現在はやや挫折気味です。

有弁翅類と無弁翅類について、覆弁の様子を見てみました。無弁翅類といっても端覆弁はあることと、フンバエについては基覆弁があるといってもかなり微妙なものであることが分かりました。有弁翅類と無弁翅類の違いを調べるには、検索表にある通り、1)翅下瘤が発達する、2)触角梗節の背面に明確に縫線が入る、3)通常は鬚剛毛を生じる、4)通常は基覆弁が発達する、5)翅のSc脈とR1脈は融合しない、という5つの必要条件をすべて満足したら有弁翅類、このうち一つでも違ったら無弁翅類だと思った方がよいようです(「通常は」と書いてある項を除いて)。4)の「基覆弁が発達する」という項目に「通常は」と書いてあるのは、おそらくフンバエを意識した表現なのでしょうね。ということで、今日はちょっと覆弁について勉強しました。

廊下のむし探検 フユシャク♀

廊下のむし探検 第469弾

最近は廊下を歩いてもまったく動くものの気配がしません。今日は気温が8度ほどあって比較的暖かかったのですが、それでも風は冷たく、廊下もしーんと静まりかえっていました。いつものハエの姿も見えないので、今日はダメだろうなと思って歩いていたら、ひょんな収穫がありました。



フユシャクの♀です。



向きを変えて写してみました。



こんな風に近くに目盛り付きテープを貼って寸法を測ります。後はImageJというソフトで寸法を計算しています。それによると、体長は8.6mm、前翅長は2.3mmになりました。翅がはっきり見えるので、フユシャク亜科ではありませんね。でも、その翅があまり大きくはないので、ナミシャク亜科でもありません。ということで、結局、エダシャク亜科ということになります。「やどりが」152号(1993)には、中嶋秀雄氏が書いた記事があって、そこに♀の図鑑が載っているのですが、写真が小さすぎてどれだかよく分かりません。そこで、先ほど測った寸法と発生時期、地域を手がかりに「日本産蛾類標準図鑑」を探してみると、シロフフユエダシャクが一番可能性が高そうだということになりました。ただ、今迄の私の記録によると、例年2月初旬頃から発生しているので、少し早すぎる気がするのですが・・・。(追記:通りすがりさんから、「遅くに出てきたか、取り残されてしまったクロスジフユエダシャクのメスに見えますね。1月に見られることもあるそうですし、(中略)前翅の模様からもクロスジだと思います。」というコメントをいただきました

後は例によってハエばかりです。





上が♂、下が♀ですが、下のハエはやや毛深いので、違う種かもしれません。以前、この種のように胸背が金属光沢を持っている個体を調べた時にはクロバエ科になったので、これらもそうかもしれません。(追記:通りすがりさんから、上の写真はツマグロキンバエの♂だというコメントをいただきました



翅脈のCu融合脈が翅縁まで達しているような感じです。だとすれば、フンバエ科かハナバエ科になるのですが、よく分かりません。最近、ハエの同定は、フンバエ科などで基覆弁がどれだかよく分からなくなり、有弁翅類と無弁翅類という大本のところでつかえてしまい、四苦八苦しています。

廊下のむし探検 冬の廊下

廊下のむし探検 第468弾

今日、外はみぞれ混じりの雨。いかにも虫はいそうにありません。それでも、義務のようになった廊下歩きをしてみました。ハエぐらいはいるだろうと思って。



でも、本当に虫は少なかったです。面白そうな虫は、わずかに私の家の前にいた小バエだけでした。寒かったわりにはちょこちょこ動き回っていました。でも、飛ぶだけの力はなさそうで、私が小さい毒瓶を近くに持って行ったらさっと中に入ってしまいました。この写真からでもCu融合脈が翅縁まで届いていることが見えますが、検索表で調べてみると、フンバエ科に行き着きました。はじめ、翅の基部にある膜状の覆弁が小さくて、無弁翅類かなと思って検索を進めたのですが、どうも違うような気がして、引き返しました。それで、もう一度翅を広げて翅の基部を見たら、以前見たことがあった線状の基覆弁が見られ、フンバエかなと思ったら、やはりそうでした。(追記:実はよく分からなくなりました。「原色昆虫大図鑑」の検索表によると、有弁翅類の特徴は、1)翅下瘤が発達する、2)触角梗節の背面に明確に縫線が入る、3)通常は鬚剛毛を生じる、4)通常は基覆弁が発達する、5)翅のSc脈とR1脈は融合しない、という5つの必要条件があります。つまり、この5つを満足してはじめて有弁翅類ということになります。この個体の場合、5)は満足しますが、3)は剛毛の後だけあってよく分かりません。2)はなくて、1)と4)もどうもなさそうです。ということで、無弁翅類の可能性が大きいのですが、そこから先、どこに進んでも矛盾を生じ、迷子になっています。ハエは本当に難しいですね。ちょっと自信喪失状態です)(追記:後でもう一度見てみました。鬚剛毛が取れた後があるので、おそらく鬚剛毛があったのだと思われます。だとすると、トゲハネバエ科かなと思って翅の前縁を見てみると、確かに剛毛列が見えました

その他は、いつもの虫たちばかりでした。



まずはキモグリバエの仲間ですね。今日はじっとしていてくれたので綺麗に撮れました。



フユシャクはこのウスモンフユシャク1匹だけ。



虫が少ないので、いつも撮らないクサギカメムシも撮ってしまいました。



それに、これもいつもは撮らないネコハグモです。冬はやはり寂しいですね。

虫を調べる フンコバエ科

また、小さなハエを調べてみました。あまり興味のある人はいないとは思いますが、自分の記録のためだと思って出しておきます。今回はフンコバエ科という科に属するハエです。



先日、こんな小バエが廊下の壁に止まっていました。検索表で調べてみた結果、フンコバエ科に属することが分かりました。ネットで調べてみると、いくつかのサイトでマダラオオフンコバエ Crumomyia annulusと称しているハエとよく似ています。本当にそうなのかちょっと気になったので調べてみました。



これは横から見た写真ですが、体全体がツヤのある黒です。脚は黄褐色で黒い帯状の模様があるのが分かります。体長は3.7mmでした。

「原色昆虫大図鑑III」のハエ目の検索表を使って調べてみます。まず、触角が短い短角亜目であることは上の写真を見れば分かるので、そこから先を調べてみました。なお、いつも言うのですが、素人がやっていることなので、間違っているところが多いと思います。そのつもりで見て下さいね。



これは検索表のうち、フンコバエ科に至る項目の抜粋です。さらに、メバエ科やシュモクバエ科など特別な科だけを除外する項目を青色で書いています。これらは実際には確かめていきましたが、特殊な項目が多いので今回は省略しておきます。残りの部分を確かめていきます。



まず、項目43の額囊類かどうかは上の写真を見てください。項目に関係する部分は黒い矢印と番号で示してあります。額囊溝ははっきりしていて半月板も見えるので、次の72に進みます。



項目72は翅の基部に弁と呼ばれる膜状の構造が発達しているかどうかについてです。Fig. 2には基覆弁と思われる小さな膜状構造が見られますが、発達していないので、無弁翅類だと思われます。それで82以下に進みます。途中を飛ばして最後の87を調べてみます。これは重要な項目で、これでフンコバエ科かどうかが分かります。(追記:田中和夫氏の「屋内害虫の同定法(2)双翅目の科の検索表」、家屋害虫 22, 95 (2000)(こちらからダウンロード可能)をパラパラ見ていたら、シマバエ科の翅の基部にある小さな覆弁のことを上覆弁と書いてありました。「原色昆虫大図鑑」によると、上覆弁は端覆弁のことのようです。上の図で基覆弁と書いた部分は端覆弁と書くべきでした。つまり、無弁翅類は覆弁がないというわけではなく、「基覆弁の発達が悪いかこれを欠く」という意味でした



87の最初の項目は後脚の跗節第1小節が肥大しているかどうかですが、Fig. 4で分かるように肥大しています。さらに、第2小節の長さより短いことも分かります。次は翅脈に関するものです。



この写真で分かるように、Sc脈は途中で途切れていて不完全です。また、M3+4脈も途中で途切れています。このことからフンコバエ科であることは確かそうです。

次にマダラオオフンコバエの属するCrumomyia属に属するかどうかを調べてみました。このために、Manual of Nearctic Diptera, vol. 2(ここからpdfをダウンロード可能)というカナダで出されている本を利用してみました。この本の中にフンコバエ科Sphaeroceridaeの属への検索表も載っていて、しかも、カナダでもマダラオオフンコバエ Crumomyia annulusが記録されているようなので好都合です。ただし、原文が英語なので、私の拙い英語で訳してみました。訳が間違っているかもしれませんが、あしからず。



これも長い表なのですが、Crumonyia属に関するところだけ抜書きしてみました。また、この表に関連するものについては図に赤い矢印で示してあります。まず、項目1は翅があり、平均棍があるので、2に進みます。2は翅脈に関するものです。この本では翅脈の名称が「大図鑑」とは異なっているので、改めて翅脈の図を載せます。



項目2のcup室とbm室はFig. 6のように閉じています。さらに、M脈は翅縁まで達しています。貯精嚢については分からないので、パスします。次の下前側板刺毛はFig. 3のように生えていません。それで、次に進みます。項目3もFig. 6のように、CuA1脈はdm-cu横脈からわずかに伸びているだけで、それも翅縁のすぐ近くです。これで3の最初の項目もOKです。



次の中胸盾板はFig. 7を見ていただけると分かりますが、剛毛が生えています。また、小盾板の端にも刺毛が生えています。さらに、Fig. 3を見ると分かりますが、中胸上前側板には刺毛はありません。項目3の最後の項目の触角については次の拡大図を見てください。



触角の第3節には長い刺毛があり、それは柔毛で覆われています。これで項目3はすべて確認できました。最後はCrumomyia属の性質を示す項目39です。最初の觀刺毛と鬚刺毛はFig. 2に示してありますが、生えている方向が違うので、写真では直接長さの比較はできません。でも、半分よりは長いようです。次の後頭部の毛がちょっと問題でした。



これは頭部の後ろ側を拡大したものですが、複眼の後ろには後頭刺毛がいっぱい生えています。問題は次の後単眼刺毛に関する記述です。Fig. 9を見ると分かるのですが、後単眼刺毛らしきものはありません。あるのは単眼刺毛だけです。この部分がちょっと不安材料として残ってしまいました。次は中脚に関するものです。



中脚の脛節背面には刺毛が何本も生えています。最後は翅の横脈上に帯模様が出ることですが、Fig. 6のように暗い模様がありました。というので、いつものように不安材料を抱えながら、Crumomyia属らしいことが分かりました。ここから先の種への検索表はなかったので、ここまでになります。でも、マダラオオフンコバエでよいのかもしれないなと思っています。

後は検索に使わなかった写真を載せます。



この写真は後脚で跗節第1小節が太くなっているところを見せています。



これは頭部を上から見たところです。半月板が中央にあります。



最後はいつものように刺毛の名前をつけてみました。体が黒いと刺毛も黒いので、写真にはうまく写りません。それに刺毛がだいぶ折れてしまったところもあります。こういうのを補填しながら、長い刺毛の位置を黄色で示しました。名前は適当です。間違っているところもあると思います。

ハエが小さいと写真がなかなかうまく撮れないので、ちょっと苦労しました。でも、こうやってきちんと調べてみると、その科の特徴がよく分かるので、いい勉強になるなと思いました。

廊下のむし探検 クモガタガガンボほか

廊下のむし探検 第467弾

昨日の午後の「廊下のむし探検」の結果ですが、この日はえっと思うような、びっくりするような虫がいました。





こんな虫です。撮影した時は、ほとんど100%疑いもなく、クモだろうと思って簡単に撮影してしまいました。でも、家に戻ってから写真を眺めてみると、どうも脚の数が足りません。6本脚なので昆虫だろうか。





そういえば口の辺りがクモとは全く違いますし、眼も複眼のようです(クモは単眼)。「原色昆虫大図鑑」の図版をぱらぱら探してみたのですが、こんな奇妙な昆虫は見当たりません。と、その時、平均棍の存在に気が付きました。これはひょっとしてハエ目。もう一度図鑑を見なおして、クモバエなんか似ているかなと思ったのですが、やはり違います。それで、「クモのような虫」とかなんとかキーワードを入れて画像検索をしてみると、やっと見つかりました。クモガタガガンボの仲間のようです。よく雪の上を歩いているという、あのガガンボです。びっくりしました。

ちょっと文献を調べてみました。こんな解説がありました。

J. R. Schrock, Univ. Kansas Sci. Bull. , 38(2), 3 (1992).(ここからpdfがダウンロード可能)

ちょっと冗長な文章なのですが、やさしく書いてあります。

これによると、ガガンボの仲間ですが、翅はなく、また、胸背にあるV字の溝もありません。寒い冬に対応して、体液にグリセリンが入っていて、-6度くらいまでは活動できるようです。10-11月や2-3月の午後遅く、雪の上を探すと見つかるということですが、古木の下、ネズミの巣、枯れ葉の下などを探しても見つかるそうです。寿命は普通のガガンボが1週間から10日ほどなのですが、これは長生きで2ヶ月くらい生きるようです。なぜ、雪の上を歩くのかというと、少しでも活動域を広げて、別の遺伝子を持つ個体を探すためではないかということです。

なぜ、冬にだけ活動するのかというと、クモ、トンボ、アリ、カエル、サンショウウオなど多くの虫を食べる動物がいなくなるか、冬眠し、天敵の鳥も渡ってしまうからだろうと思われています。でも、冬に何を食べてるの、この質問には誰も答えられないとのことです。卵は8日から3週間で孵化し、夏は幼虫で過ごし、秋に蛹になり、冬に脱皮します。冬は寒いといっても、地表近くは意外に暖かく、気温が-2から-23度まで変化しても、地面近くは-1から+3度の範囲でしか変わらなかったというデータもあるそうです。

さて、「日本産水生昆虫」によると、分類的にはガガンボ科ヒメガガンボ亜科ホシヒメガガンボ族クモガタガガンボ(Chionea)属に属しています。九大の昆虫学データベースによると、Chionea属には3種登録されています。

カネノクモガタガガンボ Chionea kanenoi Sasakawa 北海道、本州
ニッポンクモガタガガンボ Chionea nipponica Alexander 北海道、本州
チビクモガタガガンボ Chionea gracilistyla Alexander 本州

このうち、C. kanenoiとC. gracilistylaについては、韓国の方の論文で検索表が出ていました。

S. Suh et al., Entomol. Res. 44, 86 (2014).

これでは、1. 脛節は先に行くほど太くなっていないこと、さらに、2. 触角の節数が7ならばC. gracilistyla、11ならばC. kanenoiということです。触角の節数はこの写真でははっきり分かりませんが、少なくとも7よりは多いので、C. kanenoiの方になります。残念ながら、C. nipponicaについては分からないので、このどちらかというところでストップです。

次はチャタテです。



こんなチャタテです。翅脈がはっきり写っていたので、なんとかなるかなと思ったのですが、富田氏の検索表(1991)は翅だけの検索ではないので手が出せません。止むを得ず、田中氏の「屋内害虫の同定法 (5)チャタテムシ目」(2003)(ここからダウンロード可能)の検索表で検索してみました。これは何とかなって、ヒメチャタテあるいはカシヒメチャタテにたどり着きました。でも、ネット調べた外観はカシヒメチャタテはだいぶ違うようです。これもこの辺りでストップです。どれも途中で止まってしまいますね。(追記2015/12/26:翅脈はヒメチャタテとよく似ていますが、ケチャタテの方ではないかと疑っています





蛾はこの2種。上はウスモンフユシャク、下はよく分かりませんが、クロチャマダラキリガではないかと思います。



それにいつものヒメバチ。







そして、これもいつもの小バエたちです。一番下の写真の個体は採集してきて、先ほど検索してみました。初めシマバエかなと思ったのですが、後単眼剛毛がほぼ平行なので、ヤチバエのようです。ホントかな?(追記:「原色昆虫大図鑑」の検索表でもう一度調べ直してみました。小さい覆弁が1枚だけあるのですが、これをあるとするのか、無い、あるいは、発達していないとするのかが判定できませんでした。小さな覆弁が1枚しかないので、覆弁は無いとして無弁翅類にすると、検索の結果はシマバエ科になりました。ヤチバエとシマバエの違いは、シマバエの後単眼剛毛は収斂し、交差することもあるのですが、ヤチバエなどでは平行、離反、または欠如するという点です。さらに、ヤチバエなどのCu融合脈はほとんど、あるいは完全に翅縁まで達しますが、シマバエは翅縁よりはるか手前で終わるということです。このハエでは、後単眼剛毛はほぼ平行なのですが、先端が内向きに向いています。また、Cu融合脈は短くて翅縁には全く達していないので、シマバエ科かなということになりました。有弁翅類だとすると、ヒメイエバエ科かイエバエ科あたりになるのですが、どうも違うようです。やはりシマバエ科のような気がします。ハエの検索は難しいですね)(追記:田中和夫氏の「屋内害虫の同定法(2)双翅目の科の検索表」、家屋害虫 22, 95 (2000)(こちらからダウンロード可能)をパラパラ見ていたら、シマバエ科の翅の基部にある小さな覆弁のことを上覆弁と書いてありました。「原色昆虫大図鑑」によると、上覆弁は端覆弁のことのようです。つまり、無弁翅類とは覆弁がないという意味ではなく、「基覆弁の発達が悪いかこれを欠く」種という意味でした)(追記:上から2番目の写真のハエはノミバエ科Megaselia属Aphiochaeta亜属のようです)(追記:覆弁が1枚は無弁翅類で間違いないと思われます



これはササグモ



これは何だか分かりませんが、以前、ナミハグモといった種に似ています。よく分かりませんが・・・。

冬は虫がいないかなと思ったのに、こんなにたくさん虫がいるのです。冬でも暇になりそうにないですね。

廊下のむし探検 フユシャクとハエぐらいかな

廊下のむし探検 第466弾

最近はハエの顕微鏡写真ばかり撮っていたのですが、昨日、久しぶりに廊下を歩いてみました。ぱっと見た感じでは何もいないのですが、よくよく見ると小さなハエはいっぱいいます。昨年だったら絶対に見逃したと思うのですが、少しは目が肥えてきたのでしょうか。



まずはメジャーなところから。ウスバフユシャクです。今シーズン初めてです。この間からチャバネフユエダシャクはよく見るのですが、フユシャク亜科はなぜか少ない感じがします。



手すりのところのちょっとした窪みにこの間からテングチョウが止まってじっとしています。前回見たのが1月1日だから、もう4日間じっとしていることになります。越冬しているのでしょうね。



それにムラサキナガカメムシです。これも廊下の窪みのところでじっとしていました。





それから、小さなハチもいました。ヒメバチ科でしょうね。でも、ヒメバチ科だけで1,500種もいるのだから、単にハチだと言っているのとさして変わらないですね。せめて亜科、できたら属まで言えるようになりたいなと思っています。

昨年までだったらここで終わったのですが、これから小さなハエ目の虫が続きます。



この間から調べているシマバエ科のStegnopsis sp. 1らしき個体がいました。S. melanogasterかS. vittipleuraらしいのですが、よく分からないのでsp. 1としておきます。腹部が90度近く折れているので、こんな格好になっていて、写真写りがどうもよくありません。前回、頭と胸背にピントを合わせたらよいと思ったのですが、撮ってみると確かにピントはだいたい合っているのですが、何か変です。



やはりちょっと斜めぐらいから撮るのがよいかなと思いました。



これはちょっと変わった格好をしているので、採集してきました。「原色昆虫大図鑑」の検索表で簡単に検索してみたところ、フンコバエ科(ハヤトビバエ科)になりました。最後の決め手は後脚跗節第1小節が丸く膨れて第2小節より短いこと、Sc脈が不完全でM3+4脈も翅縁に達しないことなどでした。検索は文字だけで追いかけていくので、到達した結果がまったく違うことも多々あります。これも本当かどうか分からなかったので、画像検索してみました。すると、似た種が出ていました。脚の色などからマダラオオフンコバエという種に似ていますが、種までどうやって調べていったらよいのでしょうね。



これもちょっと変わった感じだったので採集してきました。これはイエバエ科にたどり着きました。合っているかどうかは分かりませんが・・・。(追記2016/01/06:MSWiさんから教えていただいたヘリグロハナレメイエバエみたいです



翅の方にピントが合ってしまったのですが、この写真で意外に検索ができます。「絵解きで調べる昆虫」の検索表を使うと、ほとんど翅脈だけで追いかけられるので、科まで到達することができます。ただ、単眼があるかどうか、中後脛節に距刺があるかどうかの二点が必要ですが・・・。それで、ニセケバエ科に到達しました。



これは雰囲気からですが、キノコバエ科かな。





後は何だか分かりません。写真を見ると上の種はちょっと面白そうだったのですけど。(下の写真のハエはノミバエ科のようです)(追記:上の写真のハエもノミバエ科のようです



最後はユスリカです。これは♂なので、捕まえれば属くらいまではたどり着けたのかなぁ。

虫を調べる シマバエ科Steganopsis属2

先日のシマバエ科Steganopsis属に引き続いて、先日見られたもう1種の方も写真を撮ってみました。



やはり翅を折って、カスミカメムシのような格好で止まるハエです。これはシマバエ科のSteganopsis sp. 2あるいはS. dichroaと呼ばれている種ではないかと思われます。基本的にはこの間のSteganopsis sp. 1と同じなので、今日は属の検索はしないで、写真を撮るだけにしました。



毒瓶に入れておいたらこんな格好になっていました。腹部がほとんど90度になるまで折れているので、口と腹の先端間の直線距離を測ると2.2mm、口の先端から体に沿って測ってみると3.3mmでした。腹部はペシャンコで上が平らになっています。翅を折って止まるのに適した格好ですね。



次は翅です。例によって、「原色昆虫大図鑑III」に従って翅脈の名称を付けてみました。翅脈はこの間の種とほとんど同じでした。やはりR2+3脈が大きく上に曲がっています。ちょっと翅に触ってみると簡単に翅が折れ曲がりました。



これが折れ曲がった時の写真です。折れ曲がった場所を黄色の破線で書いてみました。R1脈とSc脈のちょうど中間付近で折れ曲がるようです。通常のハエではR2+3脈は翅縁までまっすぐに伸びるのですが、翅が曲がる部分であるR1脈とSc脈を基部に近いところで接近させて配置すると、残りの部分が強度的に弱くなるので、R2+3脈を少し上側に曲げて補強しているのかもしれませんね。



後は写真だけです。体は黒光りしています。脚の跗節が白くなっています。また、触角の第2節と第3節の中間付近までが黄色になっています。眼に面白い模様がありますね。



これは頭部を上から見たところです。体は黒いですが、頭部は綺麗な色で配色されていますね。





生物顕微鏡を用いて、さらに拡大してみました。眼の模様がはっきり見えます。小さいけれどなかなか面白いハエですね。

虫を調べる シマバエ科のSteganopsis属

また、ハエかと思われるでしょうね。私もいろいろと調べてみたいのですが、とにかくハエぐらいしかいなくて・・・。先日、カスミカメムシのように翅を折って止まるハエを見つけました。ネットで調べた結果、シマバエ科のSteganopsis属らしいことが分かりました。その後、通りすがりさんから、S. melanogasterかS. vittipleuraらしいことを教えていただきました。せっかくだから、少し調べてみようと思って調べてみた結果です。



ターゲットはこんなハエです。翅が途中で折れていて、まったく変わった姿です。



採集して毒瓶に入れておいたら、こんな感じになっていました。腹部が曲がり、しかも上側が平らになっていて、先ほどのような格好になりやすくなっていますね。腹部が曲がっているので、体長をどうやって測るのか分かりませんが、頭と腹部の先端を直線で測ると2.6mm、曲がった腹部に沿って測ると3.0mmになりました。いずれにしても小さなハエです。

せっかくなので、「絵解きで調べる昆虫」の検索表で調べてみました。シマバエ科は初めてだったので、ちょっと楽しみです。



検索表は先日のヤチバエ科の検索とまったく同じものです。最後の項で、1対の後単眼剛毛の先端が離れる方向に曲がっているとヤチバエ科、先端が近づくように曲がっているシマバエ科になります。それでは順番に見ていきましょう。



頭部の拡大です。写真がとうもうまく撮れなかったのですが、我慢して下さい。この写真から、ヒゲナガヤチバエでははっきりしなかった額線(額囊溝)や半月板が明確に分かります。赤矢印で示したのが、検索表のそれぞれの項目に対応する部分です。今の場合は①で示した赤矢印がそれにあたります。項目2は次の写真を見てください。





翅の基部に弁があるかどうかですが、Fig.3を見ると特に弁は見えません。でも、Fig.2で見ると、小さな弁のようなものが見えます。シマバエは無弁類のはずなのにと思って悩んでいたのですが、「原色昆虫大図鑑III」のハエ目の検索表には、無弁類について「基覆弁の発達が悪いかこれを欠く」とあるので、おそらく発達の悪い弁があるのだろうと勝手に解釈しました。(追記:田中和夫氏の「屋内害虫の同定法(2)双翅目の科の検索表」、家屋害虫 22, 95 (2000)(こちらからダウンロード可能)をパラパラ見ていたら、シマバエ科の翅の基部にある小さな覆弁のことを上覆弁と書いてありました。「原色昆虫大図鑑」によると、上覆弁は端覆弁のことのようです。上の図で基覆弁と書いた部分は端覆弁と書くべきでした。つまり、上の文章は覆弁がないという意味ではなく、「基覆弁の発達が悪いかこれを欠く」という意味でした

次の3と4は翅脈に関するものなので、Fig. 3を見ると分かります。まず、R4+5脈とM1+2脈はほぼ平行なので、3はOKです。4はSc脈がC脈とぶつかる点でC脈が切れないということですが、切れていないのでこれもOKです。
次は鬚剛毛ですが、Fig. 1で分かるように、口の周りの剛毛がありません。さらに、6も翅脈に関することなので、すぐに分かります。7は脚の脛節末端の剛毛に関するものです。



この写真のように脛節の背側に剛毛があります。従って、これもOK。最後の後単眼剛毛は次の写真を見てください。



頭頂部に単眼があるのですが、その後ろにある1対の剛毛が後単眼剛毛です。ヤチバエではこの1対の剛毛の先端が互いに離れていく方向に曲がっていました。このハエでは逆に近づく方向に曲がっています。これでシマバエ科であることが分かります。「くせ毛の向き」で区別するなんて、何だか微妙な話ですが・・・。

シマバエ科であることが分かったので、次は属の検索を試みてみました。これには株式会社エコリスのホームページにある「日本のシマバエ科 属への検索試案」を使わせていただきました。おそらくSteganopsis属だろうと思い、そこに到達するのに必要な部分のみを抜粋しました。



この検索表に関係する部分については図に黒矢印で示しています。まず、1の最初の項目はC脈に沿ってある小剛毛列についてですが、Fig. 3でも分かりますが、R2+3を過ぎた辺りで消えてしまっています。そこでこの項目はOKです。次の項目は中脛節の末端の剛毛に関するものですが、おそらく脛節腹側に1本のことかなぁと思って、それならばOKです。次は肩後剛毛に関するものです。Fig. 2には肩後剛毛らしいものを示していますが、これが肩後剛毛ならばOKということになります。

6、7、8には顔面が膨らむとか突出しないとかいう項目が続きます。あまりよくは分からないのですが、一応、横からみた写真も載せてみます。



確かに、顔面は丸く膨らんでいるのですが、これを「瘤状に大きく膨らむ」と呼ぶべきか、それとも、「突出はしない」というべきかちょっと判断できません。次の額眼縁剛毛はFig. 5に載せていますが、2対ある剛毛の前の方については確かに内側を向いています。最後は8についてです。最初は翅脈に関するものです。Fig. 3を見ると、項目に書いてある通り、R2+3脈が大きく上に湾曲しています。さらに、3項目は「(後)単眼剛毛が短い」というところはFig. 5を見てもすぐに分かりますが、「単眼瘤から生じている」についてはどうもそうではなくて、単眼瘤の後ろから出ているみたいです。4項目の触角については次の図を見てください。



触角の第3節は長く伸びています。そこに長い刺毛がついています。従って、この項目もOKです。ということで、またしても不安材料を含みながらも、Steganopsis属だろうということになりました。検索はなかなか難しいですね。でも練習ですので、もう少し頑張ってみます。

ついでに、今、剛毛の名付け方の練習をしています。このシマバエも「大図鑑」にならって名称を付けてみました。





まだ、翅後刺毛と肩後刺毛あたりは怪しいのですが、それでも少し慣れてきました。

最後の最後はおまけです。



生物顕微鏡を使って、顔の部分のアップを撮ってみました。これは手前から照明したものですが、半月板をはっきり見せるには後ろ側から照明した方がよいみたいです。

廊下のむし探検 今日は少ない

廊下のむし探検 第465弾

昨日は大阪北部でも珍しく雪が積もりました。5cmほどでしたが・・・。昼過ぎになってもマンションの北側は雪や氷が残っていました。寒いですね~。それでも、廊下を歩いてみました。やはり何もいませんね。



こういう時はハエだけです。この間見たカスミカメムシのように翅の折れ曲がったハエが、またいました。この間のものと比べてみます。


(2014.12.29撮影)

この間よりはだいぶ茶色が強く、胸の横の黄色の筋が目立ちます。また、頭頂の黒点も今回の方が長い感じです。ネット情報からは、この間の種はシマバエ科のSteganopsis sp. 2と呼ばれている種ではないかと思われるのですが、今回もSteganopsisで画像検索してみました。すると、似た種がぞくぞく出てきます。Steganopsis melanogasterという種にも似ていますし、Steganopsis sp. 1としている種にも似ている感じです。詳細は分かりませんが・・・。いずれにしてもこの辺りの種なのでしょう。それにしても、どうも写真が不鮮明で納得いきません。こういう体が曲がった種は頭と胸背にピントを合わすようにして撮らないといけなかったようです。(追記:通りすがりさんから、「今回のものはS. melanogasterかS. vittipleuraかもしれませんが、どうやら交尾器必須の様ですね。前回のものはS. dichroaかもしれませんが、こちらも交尾器必須だと思います。図鑑の時点で未記載種だったのは、外国産のそれらの種との比較検討不足だったのかと。いずれにしても普通種らしいですが、暖かい地方の方が見られている感じがしますね。」というコメントをいただきました。ハエはせいぜい科までと思っていたので、ハエでこれだけ種まで近づくことができるとはちょっと感激ですね



廊下の手すりのところの溶けた雪の近くに集まっていました。小さいのでなかなかピントが合わなくて、いろいろ角度を変えながら撮っていたら、突然、風が吹いてみな吹き飛ばされてしまいました。まだ感が働かなくて、写真を見ただけだと何科なのか分かりません。



これはガガンボダマシの仲間で、ガガンボ類ではないようです。ガガンボダマシ類はチョウバエ型下目に入っていて、一方、ガガンボ類はガガンボ型下目なので分類上もちょっと遠い種のようです。どこで見分けたらよいかというと、



単眼があるかどうかと、A1という脈が翅の基部から近いところで急激に曲がって翅の後縁に達しているかどうかです。でも、これから先の名前調べは一向に進みません。



この日もチャバネフユエダシャクの♀がいないか楽しみに行ったのですが(実は、この日歩いた目的がこれだったのですが)、残念ながら見当たりませんでした。代わりに♂が1匹だけいました。

廊下のむし探検 元日の虫たち

廊下のむし探検 第464弾

今日は昼を過ぎても気温は2度ほど。おまけに3時頃からは雪まで降り始めて・・・。それでも、一応、新年初だからと思って午後すぐに廊下を歩いてみました。でも、思わぬ収穫がありました。



チャバネフユエダシャクの♀です。これまで他の方のブログではよく拝見したのですが、私のマンションにも来ないか来ないかと心待ちにしていたら、やっと来てくれました。3階の廊下をゆっくり歩いていました。どうやってここまで上がって来たのでしょうね。壁を伝って?それともエレベータで?



ちょっと顔をアップしました。いやもう立派な姿ですね。つくづく感動しました。(追記:あおやまはるまさんから、なぜ♀には翅がないのかという質問をいただいたので、ちょっと調べてみました。中島秀雄氏の「冬尺蛾」という本には♀の翅が縮小した理由について、冬はそもそもエサがないので、口吻が退化し、従って、外部からエネルギーが得られないので、できるだけ損失を防がなければならない。さらに、産卵器官を持つ♀は♂の数倍の体重があり、エネルギーを猛烈に消費する飛翔や風による温度低下を招く翅自体をなくしたというような話でした)(追記:通りすがりさんから、「鳥糞擬態もマンションの廊下では目立ちますね」というコメントいただきました。この色は鳥の糞に似せていたのですね



同じ階のちょっと離れた天井には♂も止まっていました。近いのですが、♂がじっとしているのでこのままでは出会えないでしょうね。中島秀雄氏によると(やどりが152, 2 (1993))、チャバネフユエダシャクの配偶活動は日没後だそうです。日が暮れてから見ないといけなかったのですね。





その他にもウスモンフユシャクが2匹いました。



枯れ葉のようなテングチョウもいました。壁の面にぴったりとくっつくような格好で止まっていました。



それにアオモンツノカメムシ。探してみると結構色々虫がいますね。

後はハエです。





今日はミバエが2種類いました。翅に独特の模様があるのでなんとか名前が分かるかなと思ったのですが、図鑑には載っていないようです。そこで、ネットで調べてみました。その結果、上がクロホソスジハマダラミバエ、下はクチジロハススジハマダラミバエと似ていることが分かりました。でも、これ以上は調べようがなく、ここでストップ。



最後はいつものキモグリバエの仲間です。これは最近、いつもいますね。
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