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廊下のむし探検 変わった蛾がいました

廊下のむし探検 第448弾

今日はちょっと変わった蛾に出会えました。



この蛾です。私は見たのが初めてだったのですが、おそらくクロモンウスチャヒメシャクだと思います。「標準図鑑」には、「本州での記録は少なく、山口県周防大島町、大阪府箕面市で採れているほか、・・・」と書かれていて数は少なそうです。箕面市と書いてあったのでひょっとしてと思って、山本義丸先生の「箕面山蛾類目録」(誘蛾燈 Suppl. 5 (1996))を見てみると、「4、6-8、10-11月:少ない。1988年以降の採集個体は8頭。」と書かれていました。やはり、この辺りでは見られていたのですね。



クロスジフユエダシャクがあちこちにいます。いよいよフユシャクのシーズンですね。



今日も♀がいました。廊下の手すりのところに止まっていました。



ちょっと顔をアップ。ちゃんと口吻を持っているのですね。翅がないのに、何を吸うのでしょうね。(追記:通りすがりさんから、「クロスジフユエダシャクやナカオビアキナミシャクには退化した口吻があった気が。退化してるんで摂食はできなかった筈です。」というコメントをいただきました。中島秀雄氏の「冬尺蛾」を調べてみると、確かにフユシャクでは口吻が退化しているみたいです。おまけに口吻の長さまで測っておられ、クロスジフユエダシャク♂では3.7-4mm、♀では1-1.4mmとのことです。上の写真ではもっと長いように見えますが・・・。本によると、口吻の退化は耐寒性を身につけるため、凍結核となるエサの摂取をやめたためというのが氏の推測のようです



ナカオビアキナミシャクもあちこちにいました。この蛾を見ると何か秋を感じますね。枯葉色だからでしょうか。



ちょっと写真の写りが悪いので、何だか分からなかったのですが、ナカオビキリガあたりかなと思っています。





地下駐車場の天井にマエアカスカシノメイガがたくさん止まっています。普段は撮らないのですが、今日はなぜか撮ってみようと思って、何枚か撮りました。



これはウリハムシですね。



そしてこれはサビマダラオオホソカタムシ。今日はヒメツチハンミョウはいませんでした。



クサカゲロウは何匹かいたのですが、調べてみると、みんなスズキクサカゲロウでした。



黒い三本線があるのでニクバエ科でしょうか。今日は採集してきたので、後で調べてみます。(追記:「原色昆虫大図鑑III」の検索表を用いて検索をしてみました。やはりニクバエ科で合っているようです



そして、これは翅脈からイエバエ科かなと予想しています。これも採集してきたので、後で調べてみます。ハエも見始めると結構、面白いですね。(追記:これも「原色日本昆虫大図鑑III」の検索表で検索してみました。この写真では分かりませんが、A1脈が前方に湾曲しているので、イエバエ科ではなくてヒメイエバエ科のようです





上の写真のような格好をしているとアリみたいですが、下のような格好をすると、やはりクモですね。ヤサアリグモだと思います。
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廊下のむし探検 フユシャクの♀など

廊下のむし探検 第447弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。





この日最大の見ものはこのフユシャクの♀でした。マンションの廊下をひょこひょこと1匹だけ歩いていました。上の2枚の写真はちょっと角度を変えて写したものです。翅の大きさや腹の部分の模様、それに、発生時期から、おそらくクロスジフユエダシャクの♀でしょう。♀は、昨年、マンションで初めて見つけたのですが、今年は早々と見ることができました。



蛾が出たついでにこのトリバガも出しておきます。今迄、こんな形で止まるトリバガがいると、いつもヒルガオトリバだと思っていたのですが、よく見ると、翅の後縁に鱗粉列が見えます。また、前翅の端には白い線が入っています。これから図鑑を調べてみて、トキンソウトリバではないかと思ったのですが、ちょっと自信はありません。これまで撮影した写真ももう一度見直してみないといけないな。(追記:通りすがりさんから、トリバガは多分トキンソウトリバかもというコメントをいただきました



ヒメツチハンミョウを久々に見ました。今日は♀1匹だけでした。



ナミテントウは相変わらずたくさんいました。今日は基本形の写真です。



いつもナミテントウばかりなので、たまにはナナホシテントウを写そうと思ったら、伸びでもしたのでしょうか、こんな格好になりました。



今日もツヤマルガタゴミムシ?があちらでもこちらでも歩き回っています。何で今頃こんなに多いのでしょうね。



これはアルファルファタコゾウムシです。侵略的外来種に指定されています。



これも外来種のマツヘリカメムシです。最近はいつも2,3匹見るので、あまり写していなかったのですが、今日は写しておきます。



クヌギカメムシです。調べていないのですが、おそらくヘラクヌギカメムシでしょう。



何となく雰囲気的にアワフキの仲間だなと思って、図鑑やネットを探してみたのですが、これも何となくマツアワフキに似ている感じです。



翅脈から判定するとクロミャクチャタテだと思いますが、どうでしょう。



それに、名前の分からないハチ。



最近、ハエがいたら捕まえてきているのですが、私の姿を見るだけで皆逃げていってしまいます。噂でも伝わっているのかもしれませんね。これは採集してきました。中副基節に剛毛列があるので、おそらくクロバエ科かなと思いますが、前胸背の剛毛の付き方が文献と違っていてちょっと悩んでいるところです。



通りすがりさんからユスリカ科かもと教えていただいた双翅がまたいました。今回は採集してきたのですが、毒ビンに入れておいたら、翅がくちゃくちゃになってしまい、どうしても広がりません。ちょっと失敗でした。



以前から分からなかったこのクモの名前がやっと分かりました。マダラヒメグモという外来種でした。初め、名古屋で見つかってから各地に広がっていったようです。マンションでもたびたび見ています。



これはウロコアシナガグモです。本当に脚が長いですね。今日もいっぱい「むし」がいました。

廊下のむし探検 ヒシバッタやらケバエやら

廊下のむし探検 第446弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。この日も虫は少なかったです。そんな中、結構、名前調べの難しい虫がいました。



まずはこのヒシバッタです。これまでヒシバッタがいても、「ヒシバッタはよく分かりません」とだけ書いていたのですが、この日は採集してきました。そして、日本直翅類学会編、「バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑」(北大出版、2006)の検索表と市川顕彦著、「絵解き検索日本全土のヒシバッタ類」、昆虫と自然 33(2), 43 (1998)、33(4), 31 (1998)に書かれた検索表を使って調べてみました。結果は同じで、共にハラヒシバッタにたどり着きました。ヒシバッタの検索は初めてだったので、ちょっとあやしいですが・・・。






詳細はまた今度にしますが、ポイントは上の写真で見える前胸背板の側面に2つの凹み(ノッチ)がある点と、下の写真の矢印で示した前胸背板の前縁が丸みを帯びているという点です。丸みを帯びるというのはなかなか微妙な表現なのですが、これを選ばないとかなり特徴の違う種にたどり着くので、おそらくいいのかなと思っています。それにしても、ヒシバッタの上の長い部分が翅ではなくて前胸背板、前翅は横に付いている小さなものであることを知って驚きました。





次はこのケバエ♀です。この日は2匹いました。これも検索をしてみたのですが、最終的に平均棍が黄色いのでウスイロアシブトケバエ(Bibio flavihalter)になりました。でも、今回の個体の体長はわずか6.5mmほどしかありません。さらに、今回の個体には前胸背に黒い縦線が3本あります。一方、先日調べた個体は縦線はなくて、体長が10mmほどあったので、果たして同一種なのかどうか微妙なところです。



次はマルガタゴミムシです。これは琵琶湖博物館の「里山のゴミムシ」の標本写真と見比べて調べてみました。今回はツヤマルガタゴミムシにたどり着いたのですが、どうでしょうね。



後は色違いのナミテントウ



アオモンツノカメムシ



それにセスジユスリカです。



蛾はこのイチジクキンウワバだけ。本当に少なくなりましたね。

廊下のむし探検 甲虫など

廊下のむし探検 第445弾

一昨日の「廊下のむし探検」の蛾以外の結果です。この日は甲虫がたくさんいました。ちょっと変わったところでは、



こんな虫です。これがタマムシの仲間だとはなかなか思えませんが、昨年の4月に見たことがあったのですぐに分かりました。ヒシモンナガタマムシです。「原色日本甲虫図鑑」によると、「新成虫は秋のうちに材より脱出し、成虫で越冬する。」とのことなので、これが新成虫みたいです。



次はゴミムシの仲間です。この写真からかなり特徴が分かるので、例によって、琵琶湖博物館の「里山のゴミムシ」に載っている標本写真と比べてみました。コクロツヤヒラタゴミムシとか、ヒメヒラタゴミムシなどいくつかの候補は挙がったものの決定打がなくて、結局、迷宮入りです。ゴミムシは難しいですね。



ナミテントウは例によって色変わりのものばかり写してみました。







色変わりとはいうものの、出やすいパターンがあるみたいですね。





ヤサイゾウムシは2匹いました。今頃、多いですね。



これは以前、名前調べをギブアップしたゾウムシです。たくさんいるのですが、マツノシラホシゾウムシかニセマツノシラホシゾウムシだか分かりません。一応、ニセマツノシラホシゾウムシ?としておきます。そういえば、この2,3日、ヒメツチハンミョウを見なくなりました。



これはヒメナガカメムシだと思います。



最近、クサカゲロウがいると必ず顔の模様を調べているのですが、今頃いる種はほとんどスズキクサカゲロウです。



脚が橙色なのでホタルトビケラでないことは分かるのですが、トビイロトビケラかウスマートビイロトビケラか区別がつきません。



翅脈からはキノコバエのような感じなのですが、触角がずいぶん短いので違うのかなぁと迷っています。やはり採集してこないといけなかったですね。



小さい虫ですが、頭部を拡大してみると、例の左右の複眼をつなぐ眼橋が見られました。おそらく、クロバネキノコバエ科ですね。

廊下のむし探検 昨日の蛾

廊下のむし探検 第444弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。なんだかんだ虫がいたので、とりあえず蛾だけアップします。



今日はちょっと変わったアングルの写真からです。地下駐車場の天井にあるパイプの上に止まっていました。何となく目が可愛いでしょう。おそらく、ミツモンキンウワバだと思います。



翅の中央の白い模様がどこか見覚えがありました。調べてみると、プライヤオビキリガという秋キリガでした。



白さが目立つ蛾です。翅にある2つの黒い点が気になります。見たことがないなと思って調べてみたら、今月初めにも見ていました。タケアツバという竹の害虫です。



この間から出始めたカバエダシャクです。何となく秋を感じさせる蛾です。



それに枯れ葉のようなナカオビアキナミシャク



さらに、フユシャクもいました。クロスジフユエダシャクです。



翅の白い帯が独特です。ちっとも青でも緑でもないのですが、クロスジアオナミシャクだと思います。(追記:通りすがりさんから、「クロスジアオナミシャクではなくて、ソトシロオビナミシャクですね。変異があるナミシャクですが、シロオビの内側にある折れ曲がった特徴的な白線が目印で、今頃の時期と春に見られる蛾です。」というコメントをいただきました。本当にそうですね。よく見る蛾だったのですが、うっかりしていました。ご指摘有難うございました



それからナミスジチビヒメシャクかな。



それに最後はエゾギクトリバです。探すと、まだまだ蛾はいますね。

廊下のむし探検 ハエとハチ

廊下のむし探検 第443弾

一昨日、外出する前にマンションの廊下をざっと歩いて、写真撮影とハエの採集を行いました。ハエは毒瓶に入れているのですが、中に100円ショップで売っている除光液(酢酸エチルを含む)を入れておくと、意外に保湿効果があって、乾燥も硬化もせず、そのまま観察できます。それで、一昨日採集した個体だったのですが、今日はじっくりと観察出来ました。



今日の最初はこのハエです。これまでのヤドリバエ科、クロバエ科と比較すると、明らかに翅脈が異なります。「原色昆虫大図鑑III」の検索表を用いて検索するとイエバエ科にたどり着きました。



翅の写真を載せます。翅脈の名称は「大図鑑」によっています。イエバエ科にはM1+2脈が上に曲がる種と真っ直ぐになる種がありますが、これは真っ直ぐなタイプです。この辺りが「絵解きで調べる昆虫」の検索表では分かりにくくなっていました。



これは側面図です。検索表では、中副基節に剛毛列がないこと、それにCuA+CuP脈が翅端に達しないこと、それにA1脈の延長がCuA+CuP脈の延長とが交わらないという条件で、イエバエ科にたどり着きます。何度かやっているうちに検索にも少し慣れてきましたが、科がやっとで、種まではまだまだというところです。



これも上と同じような翅脈ですが、検索して見るとやはりイエバエ科にたどり着きました。



このハエはこの間からいるので、捕まえようと毒瓶を構えるのですが、意外にすばしっこくて捕まりません。やはり捕虫網が必要みたいです。



こちらはセスジユスリカかなと思っている個体です。ユスリカについては、属までの詳しい検索表が「日本産水生昆虫」に載っています。今回は採集していなかったので、写真だけから亜科までの検索をやってみました。



これは前脚と翅の部分を拡大したものですが、M脈とCuA1脈の間に横脈がないこと、R2+3脈があること、それに、前脚の第1跗節の長さが脛節の長さより長いという3つの条件で、ユスリカ亜科にたどり着きました。これから先はかなり長い道のりでユスリカ属に達し、その属に属する20種のうちの1つがセスジユスリカになるはずですが、まだまだ大変みたいです。



これはヒメバチ科のトガリヒメバチ亜科だと思っている種ですが、これも亜科までの道のりが大変でまだ到達していません。今日は、H. Goulet and J. T. Huber (eds), "Hymenoptera of the world: An identification guide to the families"(Agriculture Canada, 1993) (ここからpdfをダウンロードできます)をダウンロードしてその検索表も見てみましたが、これもかなり大変なようです。でも、何とかしたいですね。



最後はこの間もいたツヤアシブトコバチらしい個体です。いろいろな方向から写してみたのですが、このぐらいの角度が一番良いかなと思いました。

廊下のむし探検 蛾が少し

廊下のむし探検 第442弾

いよいよ秋が深まってきました。一昨日の「廊下のむし探検」の結果です。







今日の最初はこの蛾からです。カシワオビキリガ、ミヤマオビキリガ、テンスジキリガという似た種がいてあまり区別がつきませんでした。これまで、一番下のように翅脈の白いのがはっきりしている個体はテンスジ、真ん中の個体のように環状紋の下部に黒い点がはっきりしたものがカシワオビ、ミヤマオビはよくわからないなと思っていました。先日、通りすがりさんからカシワオビとテンスジの見分け方を教えて頂きました。「標準図鑑」にも違いが図付きで載っているのですが、翅形で見分けるのはどうも難しく、眼状紋と内横線で見分けるのが簡単なようです。眼状紋が丸くて、二重になった内横線が太くて波状になっているのがカシワオビ、眼状紋が長細く斜めになっていて、内横線が細くて直線的なものがテンスジという区別法です。それによれば、この3枚はいずれもカシワオビキリガかなと思うのですが、どうでしょう。(追記:通りすがりさんから、「3枚ともカシワオビキリガに見えますね。」というコメントをいただきました



次はこの蛾です。あまり似た種がいないので、おそらくイラクサギンウワバで間違いないと思います。キンウワバとギンウワバという名前が混在していて、いつもどっちだったかなと迷ってしまいます。調べてみると、ほとんどすべてがキンウワバなのですが、中にはイラクサのようにギンウワバになっている種もあります。アミメ、イブシ、キク、マルデオオキク、オオキク、タマナ、アルプス、ホクトです。その他、ケイギンモンウワバというのもいました。どうしてこんな違いができたのでしょうね。名前をつけた時の歴史的な経緯からでしょうか。それとも、翅が金色や銀色に光るのでしょうか。



撮影した時にはオオタバコガかなと思いました。写真を見ると黒い点があるので、オオバコヤガあたりかなとも思います。いずれにしても、こんなに鱗粉が落ちたら名前がつけようがない感じです。



これも鱗粉が落ちてしまったようですが、黒い鱗粉塊が2つはっきり見えるので、ムラサキトガリバでしょうね。



こんな止まり方をするニトベエダシャクは初めて見ました。



それにナカオビアキナミシャクです。





アオモンツノカメムシもよく見かけるようになりました。

そういえば、この日はヒメツチハンミョウを見かけませんでした。10月21日に見始めてから、見なかったのはこの日が初めてではなかったかな。いつも見ていたので、ちょっと寂しい気がしました。



最後はこのクモです。チャスジハエトリだと思います。地下駐車場にいました。

ハチとハエは名前調べをしてからにするので次回に回します。

廊下のむし探検 ハエとハチを調べてみた

廊下のむし探検 第441弾

昨日の「廊下のむし探検」のハエ目とハチ目編です。これまではハエの1種とか、ハチの1種とかで済ませてきたのですが、最近は少し調べるようになったために、この2目のむしの名前調べはひどく大変になってしまいました。



ケバエの♂が見られました。以前、ウスイロアシブトケバエにしては大きいかなと思われる♀ばかりが見られたので、なんとか♂が見られないかと探していました。この日、やっと見られたのですが、どうも少し小さいようです(体長7.5mmくらい)。捕まえてきて、Hardy and Takahashi (1960)(HTと略します)の検索表を用いて調べてみました。基本的にはウスイロアシブトケバエとほとんど同じなのですが、ただ1つ、平均棍が黒いところだけが違いました。これが黒いと、Bibio gracilipalpusという種になります。交尾器もHTに書かれている図と比較的よく似ています。この種は、HTによると、10月から12月に発生し、北海道、本州、九州に産するとありました。学名のgraciliは細長いという意味で、palpusは口肢の意味なので、細長い口肢ということになります。実際、この個体の口肢は細長いです。



このハエは「絵解きで調べる昆虫」の中のハエの科の検索表を使って調べてみました。やっとこさっとこヤドリバエ科にたどり着きました。おそらく○○ハリバエとでも名付けられそうな種です。名前までは分かりませんでした。



いかにもハエという種類です。このハエを検索してみると、今度はクロバエ科になりました。いわゆるハエの格好をしていると、知らず知らずのうちに、扱いがぞんざいになってしまいますね。(追記:いわゆるハエはあまり採集したくないのですが、ハエの検索表に従うと、イエバエとそれ以外を分けるポイントは中脚副基節(中脚の根元)に剛毛列があるかないかになります。剛毛列がなければイエバエ、あればそれ以外です。ヤドリバエとそれ以外を分けるポイントは小楯板(体の真ん中の三角形の部分)の下にある亜小楯板が土手状に発達するかどうかで、発達していればヤドリバエ、していなければそれ以外になります。さらに、側背板(胸の横の部分)に2本の剛毛があればクロバエ、3-4本だったらニクバエとなります。上の写真では最後の側背板以外は分からないので、どうしても採集ということになります。もう少し慣れると、見ただけで分かるようになるのでしょうが・・・



残念ながら、このハエは採集しなかったので、よく分かりません。



「絵解きで調べる昆虫」で検索してみると、キノコバエ科にたどり着きます。ただ、書かれている翅脈の図と少し違うので、今度は「原色昆虫大図鑑III」の検索表でも調べてみたのですが、やはりキノコバエ科になりました。おそらくそうかなと思っています。



小さな小バエですが、今、マンションにいっぱい来ています。おそらく、キモグリバエの仲間だと思いますが、それ以上は分かりません。



ユスリカの♂ですね。今日はハエの名前調べで消耗し、ユスリカの名前調べまでする元気を失いました。



アメバチ型の格好をしたハチです。一応、採集して、「絵解きで調べる昆虫」で科の検索してみると、比較的簡単にヒメバチ科に到達しました。でも、これからが大変です。Information station of Parasitoid waspsの「日本から記録のある(もしくは確認されている)亜科への検索表」を使って検索を試みるのですが、あまりに項目が多くて、途中で挫折してしまいました。ヒメバチはともかく大変ですね。



これもヒメバチかなと思うのですが、こちらの方は採集しませんでした。



最後はこの変わったハチです。特に、後ろ脚が変わっています。この変わった脚と小楯板に縦筋があることから、ツヤアシブトコバチにしたのですが、どうでしょう。

廊下のむし探検 ナミテントウがいっぱい

廊下のむし探検 第440弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果の続きです。昨日は蛾をアップしたので、今日はその他の「むし」なのですが、ハエとハチはまだ名前調べが終わっていないので、次回に回します。この日はマンション中、ナミテントウでいっぱいでした。





だいたいはこんなテントウなのですが、特にマンション北東側の外壁から廊下にかけてが多くて、全部で4-500匹くらいかな。ただ、固まっているというわけではなくて分散しているので、「たくさん」という感じがなかなか写真では表現できません。

ナミテントウは色変わりが多いのですが、よく見るといろいろな模様のテントウが見られました。面白くて、テントウばかり50枚ほど写真を撮ってしまいました。



ナナホシテントウみたいな感じのものもいれば、



斑紋の色の薄い個体、



斑紋のなくなったもの。



斑紋が三日月形のもの、



斑紋の中に黒い点があるもの、



それにこんなまだら模様など。見ていて飽きませんね。越冬場所を探しているのでしょうか。それにしても、なぜ、北東側だけなのかなぁ。朝日が当たって暖かいからかな。昨日ぐらいから、この北東側には小さなキモグリバエらしきハエも集まってきました。何年か前には壁びっしりという状態になりました。



ヒメツチハンミョウは昨日は1♂2♀でした。こちらも堅実にきていますね。



こちらはあまり望ましくない害虫のヤサイゾウムシです。



アオモンツノカメムシもこの日は4匹。これも今頃よく見るようになりますね。こんなことを書いていると、マンション中、虫だらけという印象を持たれるかな。



これはおそらくホソハリカメムシです。よく似た種類にハリカメムシがいるのですが、ハリカメムシは触角第1節の外面に黒い筋があります。触角だけを写した写真もあるのですが、この個体にはないので、ホソハリかなと思っています。



これはムラサキナガカメムシです。拡大しているので大きく見えますが、実際の体長は数ミリしかない小さいカメムシです。小さいので数えていないのですが、かなりの数いるようです。





こちらはチャタテムシの仲間です。本当は触角は長いのですが、全体を写真にいれると体が小さく見えてしまうので、触角はカットです。採集して調べてはいないのですが、翅脈から見ると、この間調べたクロミャクチャタテではないかと思います。



これもチャタテですが、名前は分かっていません。採集すればよかったのですが、うっかりしていました。



それとホタルトビケラです。



クサカゲロウもいました。顔の部分を拡大してみます。



顔に黒い大きな斑紋が1つ見えます。それに触角の柄節の外面下側に茶色い模様、それに口肢がかなり強く色づいています。この特徴からこの間調べたクロヒゲフタモンクサカゲロウだとした個体と同じだと思われます。ただ、口肢の色の付き方が小腮肢の末端節は強く色づいていますが、第4節は基部側2/3ほどが色づき、さらに、第3節は外面だけが色づいています。また、頭楯に沿った部分に黒い筋が出ていないこと、さらに、触角柄節の下半分だけが色づくことなど、塚口氏の"Chrysopidae of Japan (Insecta, Neuroptera)"に書かれた特徴やイラストともちょっと違います。検索表ではクロヒゲフタモンに行き着くのですが、特徴が少し異なるので、ひょっとしたら本に載っていない種かもしれません。



クモが何か虫を捕まえています。捕まえられているのは翅脈から、おそらく、クロミャクチャタテでしょうね。それでは捕まえている方は?これが悩みました。エビグモ科のアサヒ、キンイロ、コガネのどれかよく分かりません。模様ははっきりしているのですが、図鑑の色や模様とはだいぶ違っていて・・・。クモも検索表が欲しくなりました。



脚が長いので、アシナガグモの仲間かなと思うのですが、第1脚、第2脚が奇妙な感じです(クモはこうやって脚を呼ぶようです)。脚の色や模様などを手がかりに調べたのですが、結局、名前は分かりませんでした。

廊下のむし探検 フユシャクが出てきた

廊下のむし探検 第439弾

今日は暖かかったせいか、虫が沢山出てきました。あまりに多かったので、まず、蛾からです。



フユシャクが今シーズンの初登場です。クロスジフユエダシャクです。昨年は12月5日、一昨年は12月9日だったので、今年はだいぶ早い出現ですね。



ついでにナカオビアキナミシャクもいました。これも、昨年は11月25日、一昨年は12月8日だったので、だいぶ早い出現です。どうやら冬が駆け足でやってきているようですね。



カバエダシャクも今シーズン初登場です。一昨年は11月30日、昨年は12月5日だったので、これも一週間以上早い出現でした。



ニトベエダシャクは今日は10匹以上いました。今年はやはり多い感じです。ついでにチャエダシャクは4匹でした。



これはカシワキボシキリガです。これも今年はよく見ます。



それに、イチジクキンウワバです。



黒っぽく写ってしまって名前が分かりませんでした。何でしょうね。(追記:山猫さんから、「タマナヤガのような気がします。」というコメントをいただきました



最後はいつも見るマエアカスカシノメイガです。今日は壁に止まっていてくれたので、綺麗に写せました。

蛾以外は、名前の分からない種がぞろぞろいるので、明日、また出します。

廊下のむし探検 虫が少ない

廊下のむし探検 第438弾

今日の「廊下のむし探検」の結果です。毎日、今日は多かった、今日は少なかったと、一喜一憂していますが、今日は本当に少なかったです。



虫が減ってくると、ハエやらハチやら、普段、あまり気にしない虫に目が行ってしまいます。これはおそらくヒメバチ科のトガリヒメバチの仲間かなと思ったのですが、今日は採集してきて、検索を試みてみました。例の「絵解きで調べる昆虫」の中の検索表を用いると、比較的簡単にヒメバチ科には到達します。でも、日本産ヒメバチ目録によるとヒメバチ科だけで1479種。せめて、亜科への検索を行おうと、Information station of Parasitoid waspsの「日本から記録のある(もしくは確認されている)亜科への検索表」で検索を試みました。でも、なかなかトガリヒメバチにはたどり着きません。ハチはなかなか厄介です。明日、また、やってみます。今日は体長2mmほどのアリ3種の検索もしたのですが、1種がどうしても分からず、ちょっとスランプ気味です。



それではハエはと思ったのですが、こちらは採集してこなかったので、どうやって調べて良いのやら皆目分からず、結局、名前は分かりません。やはり、採集してきて、一本一本毛を調べていかないと・・・。

後はいつもの常連ばかりです。



ニトベエダシャクは今日は8匹。やはり多いですね。チャエダシャクは4匹でした。





これはこの間からテンスジキリガといっている種です。今日は2匹いました。(追記:これは典型的なカシワオビキリガのようです。通りすがりさんから、詳しいコメントを頂きました。詳細に説明していただいたので、ここに転載させていただきます。「Conistraは変異が多いですが、カシワオビキリガに見えますね。太短く翅端の広い翅形、円形に近い眼状紋、はっきりしない波打った内横線、褐色の翅色は典型的なパターンのカシワオビキリガの特徴ですね。テンスジキリガでも褐色のものが出ますが、今の時期の新鮮な個体なら、典型的な個体の特徴とされる白く浮き出た翅脈や斜めに傾いた眼状紋、直線的な内横線も見易く、翅形も翅端がカシワオビキリガやミヤマオビキリガよりも細いものが普通ですね。」



それにカシワキボシキリガ



ヘラクヌギカメムシも2-3匹。あちこちをウロウロと動き回っています。





最後はいつものヒメツチハンミョウです。今日も1♂1♀でした。いつも♂♀1匹ずつなので、ひょっとしたら同じ個体かもしれませんね。そう思って、端っこにちょっと白ペンキでも付けたくなったのですが、せっかくの綺麗な体に汚れを付けたくなくて今日は止めました。

廊下のむし探検 カメムシ、アケビコノハなど

廊下のむし探検 第437弾

11月も後半になってきたのに、虫は少なくなるどころか、ますます出てきました。昨日の「廊下のむし探検」の結果です。



この日の最初は、いつもいるこのクヌギカメムシです。これまで採集した種がほとんどヘラクヌギカメムシだったので、いつもヘラクヌギカメムシだと言っていたのですが、この日はたまたま翅をブルブルと震わせました。



その瞬間、生殖器の突起がちょうど写りました。



先端がへらのように平らなのでヘラクヌギで合っているようですね。



アオモンツノカメムシはこの日は2匹いました。



これはアオクサカメムシだと思います。やはり、カメムシはいろいろいますね。



ウスイロアシブトケバエらしき個体はやはり♀だけ。♂の姿がなかなか見つかりません。



これはニクバエなのかな。写真だけだとなかなかハエが分かりません。



ミツバチはちょうど後翅が写っていました。以前、後翅の翅脈からセイヨウミツバチかニホンミツバチかが区別できると教わったので、早速見てみました。これはセイヨウミツバチのようです。



ゴミムシの名前はなかなか分かりません。





ヒメツチハンミョウはこの日、♀が1匹だけでした。



蛾ではアケビコノハが廊下の天井に止まっていました。ずいぶん大きいですね。私は大きい蛾はどうも苦手です。



これも大型の蛾です。たぶん、オオシマカラスヨトウだと思いますが、似た種がいてはっきりしません。



これはテンスジキリガかな。(追記:内横線が波打っているように見えるので、カシワオビキリガかもしれません



これはカシワキボシキリガ



そして、イチジクキンウワバ



それに、ワモンノメイガです。



最後はこの蛾です。独特の下唇鬚、3つの黒点、まだらな縁毛、それに、角の丸い翅型。いろいろと特徴があるのですが、名前が分かりませんでした。残念!

クロバネキノコバエの眼橋を写してみた

マンションの廊下を歩いていると、小さなハエがいることによく気が付きます。



拡大するとこんな感じの虫ですが、普段は小さいのであまり気にしていませんでした。先日、1匹を採集してきて顕微鏡で観察してみました。すると、眼橋と呼ばれる面白い構造があることが分かったので、いつもの深度合成の方法で写してみました。

まず、これが何科のハエかを調べてみました。検索には、「絵解きで調べる昆虫」(文教出版、2013)を用いました。この本は絵解きなので、素人でも分かりやすく書かれています。



大きさは体長が5mmほどの小さなハエです。このハエについて先ほどの検索表で調べていくと、最終的にはクロバネキノコバエ科にたどり着きました。ここに到着するのに必要だった項目を並べてみると、次のようになります。



タイトルにある長角亜目はハエ目のうち、長い触角を持っている仲間を指します。



今回の個体もこんなに長い触角を持っています。①はガガンボ類を除外する項目ですが、中胸背にV字型の溝があればガガンボ、なければその他ということになります。



この写真のように中胸背には溝はありません。この写真でも少しだけ眼橋が見えていますが、最後にもっと拡大した写真をお見せします。②から④は翅脈に関するものです。



この個体の翅脈は非常に単純で、二次脈と言われる細い脈や中室などの脈で囲まれた部屋はありません。さらに、C脈は翅を一周することなく、R4+5を過ぎた辺りで終わっています。これでいくつかのハエの仲間を除外することができました。(追記:翅脈の名前はManual of Nearctic Diptera Vol. 1 (1981)によっています。この本に載せられている翅脈の名称は、CuPの解釈が異なっているため、おそらく「原色昆虫大図鑑III」のものとは違うのではないかと思います

⑤の単眼は上の写真でも見えていますが、ちゃんとあります。⑥はまた翅脈の部屋の話です。⑦の中・後脚脛節の刺は次の写真を見てください。



この写真から刺があることが分かります。次の⑧は翅脈に部屋がないので、開いていることになります。そして、いよいよ眼橋です。



頭の上から写したものです。ちょっと触角が邪魔をして完全には写らなかったのですが、右側の複眼と左側の複眼を結ぶ眼橋(eye bridge)と呼ばれる複眼が延長したような構造が見られます。よく見ると、右と左は完全に結合しているわけではなく、中央でわずかだけ離れています。こんな構造は初めて見たので、ちょっと興奮しました。いずれにしても、この眼橋があるとクロバネキノコバエ科だということになります。一般には、特徴的な翅脈と眼橋が見つかるとこの科だということがすぐに分かるようです。

廊下のむし探検 今年はニトベエダシャクが多い

廊下のむし探検 第436弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。



今年はニトベエダシャクが多い感じです。この日だけで10匹もいました。「原色日本蛾類幼虫図鑑」によると、ニトベエダシャクは幼虫が5月上・中旬に老熟して土の中に入り蛹化し、成虫は晩秋に1回だけ発生します。幼虫で活躍する時期が春なので、今年の春から夏にかけて、マンション周辺で毛虫がやたら多かったことと関係しているかもしれません。



その意味では、チャエダシャクも4月から5月にかけて幼虫が活躍し、5月下旬に土中で蛹化するとのことなので、ニトベエダシャクと同じ状態だったかもしれません。この日は5匹いました。

その他の蛾です。



これはフトジマナミシャクです。よく見ると、小さなハエも写っていましたね。



天井の角に止まっていたので、こんな角度からの撮影になってしまいました。ケブカチビナミシャクです。



それにエゾギクキンウワバです。



キバラヘリカメムシは本当に綺麗ですね。脚が青色を帯びています。



小さいムラサキナガカメムシの姿をよく見るようになってきました。小さいので普段は目につきにくいのですが、今頃は虫が少ないのでよく気が付きます。





ハエがウロウロしているので、下の写真の個体を採集して、科と種の検索を試してみました。ハエの科への検索表は、「原色日本昆虫図鑑」、「原色昆虫大図鑑」、「絵解きで調べる昆虫」、それに、田中和夫、「屋内害虫の同定法(2)双翅目のかの検索表」、家屋害虫22、95 (2000)に出ています。いくつか試してみたのですが、どれもクロバエ科になりました。さらに、田中和夫、「屋内害虫の同定法(3)双翅目の主な屋内害虫」、家屋害虫24、67 (2003)で種の検索もしてみました。まだ、ピタリとくる種が見つからないのですが、とりあえずColliphora属らしいことは分かりました(田中氏の論文はいずれもCiNiiからダウンロード可能)。もう少し調べてみます。





というわけで、他のハエ目の名前調べまではまだ進んでいません。(追記:先日採集した個体と同じ種かどうか分かりませんが、検索の結果、下の写真の個体はクロバネキノコバエ科のようです。両方の複眼を結ぶ眼橋という構造がありました。今度、写真を撮ってみますね



ハチも早く名前調べをしたいなと思うのですが、なかなか手が回りません。



今日はチャタテムシが2匹いました。早速、採集してきて、富田康弘、芳賀和夫、「日本産チャタテムシ目の目録と検索表」、菅平研報 12、35 (1991)(こちらからダウンロード可能)で検索をしてみました。おそらく、チャタテ科クロミャクチャタテだと思います。今度、詳しく報告します。



後はナミテントウ



それにヒメツチハンミョウでした。この日は1♀1♂でした。



ヤスデの仲間ですね。よく見ると綺麗なのですが、どうやって名前を調べるのか皆目見当がつきません。





このクモは初めて見ました。調べてみると、ヒメグモ科のオオヒメグモのようです。地下駐車場にいました。

ウスイロアシブトケバエ?を調べる

この数日、急に増えてきたケバエがいます。今回はそのケバエを調べてみました。



そのケバエというのはこんな虫です。複眼と複眼の間が離れているので♀の方です。♂についてははっきりしないのですが、先日見た個体がそれかもしれません。一応、写真を載せておきます。



複眼が接するようについていて、また、後脚の跗節第1節が膨張しています。♂と♀はいずれにしてもこんなに姿が違います。

さて、このケバエは何という種かというのを調べるために、次の文献を用いました。

D. E. Hardy and M. Takahashi, Pacific Insects 2, 383 (1960) (ここからpdfがダウンロード可能)

この論文はケバエ科36種(現在では別の科とされるトゲナシケバエ科やヒゲナガケバエ科を含む)について、詳細な説明と検索表、それに綺麗な図が載せてあり、素人の私にも分かりやすく書かれています。この検索表を用いて、上記の種を調べてみると、Bibio flavihalterという種にたどり着きました。そこで、その検索の経過を紹介したいと思います。なお、私はまったくの素人で、間違っているところも多いと思いますので、そのつもりで見て下さい。

ケバエ科にもいろいろな属がありますが、Bibio属であることは後述する前脚脛節末端に2本の棘があることから確かめられます。そこで、Bibio属について調べてきます。



これはBibio属の検索表のうち、Bibio flavihalterに至る部分を抜粋したものです。なお、原文は英語で、私のつたない語学力で翻訳していますので、間違っているところもあるかと思います。ご容赦ください。なお、上記の論文で、秋に発生するケブカ科Bibio属としては、B. flavihalter(10-11月)の他、B. gracilipalpus(10-12月)、B. metaclavipes(11月)、B. montanus(9月)がいますので、それらとの関連も示していくつもりです。

さて、上記の検索表を順に調べていきます。それに関連する写真を載せます。



まず、全体写真からです。この写真から、体長は9.4mm、前翅長は8.9mmであることが分かります。頭の部分が下に曲がっているので、体長はもう少し大きいかもしれません。









まず、検索表の①は前脚脛節の刺についてですが、Fig. 3ともう少し拡大したものがFig. 4に載せてあります。先端が鋭いことが分かります。先端も拡大すると丸くなるのですが、もっと丸い種類がいるので、比較の問題ですね。とりあえず、②に進みます。翅のr-m横脈とRs脈の基部の部分の長さの比較ですが、Fig. 5の矢印の部分を見るとほぼ等しいことが分かります。ということで③に進みます。③'は前脚脛節の内側の刺が外側の刺より短いということで、Fig. 3あるいは4を見ると明らかですね。この条件で、B. maetaclavipesは候補から除外できます。

次は㉙に飛びますが、㉙aは②と同じです。㉙bはFig. 1を見ると、脚で赤褐色なのは腿節と脛節なので、㉚に進みます。㉚aは翅の色ですが、翅は茶色を帯びていますが、ほぼ透明に近い感じです。また、前脚脛節の内側の刺は外側のものの1/2以下であることはFig. 3あるいは4を見るとすぐに分かります。それで、㉛に飛びます。

㉛は♂か♀かというので、♀を選びます。㊲は口肢に関するもので、Fig. 3を見てください。長い口肢が見えます。この末端節の長さと触角鞭節の4-5節の長さを比較しています。この写真で実測すると、口肢末端節の長さは396ピクセルと389ピクセルで、鞭節の初めの4節と5節の長さはそれぞれ305ピクセルと372ピクセルでした。まあまあ合っていることになります。とにかく口肢末端節が長いということを言っているのでしょう。この条件で、B. montanusを除外できます。

最後は胸部の色と平均棍の色ですが、Fig. 1とFig. 6を見ると、胸部は赤褐色、平均棍は薄い茶色です。平均棍が黄色なのかどうかは迷うところなのですが、対立する項目が平均棍のこぶの部分が茶色あるいは黒なので、まあ黄色でよいのでしょう。この条件で、B. gracilipalpusを除外できます。ということで、最終的にB. flavihalterにたどり着きました。なお、flavihalterという学名のflaviは黄色を意味し、halterは平均棍を意味します。従って、最後の性質を示したものですね。また、Bi. flavihalterは「原色昆虫大図鑑III」ではウスイロアシブトケバエという和名で載っています。

ついでに撮った写真も載せておきます。



これは腹側からの写真です。腹部は背側から見ると黒いのですが、腹側はやや茶色を帯びています。



腹部末端の写真です。



口肢末端節の拡大写真です。ずいぶん毛がいっぱい生えていますね。

最後に感想なのですが、ウスイロアシブトケバエは翅と前脚脛節の刺、それに、口肢を見ると分かるので、検索は比較的容易でした。ただ、上記論文には♀の体長が7.4mm、前翅長は9mmと出ています。前翅長はほぼ合っているのですが、体長がだいぶ違うので、ちょっと心配しています。それでもう1匹♀を採集してきたのですが、ほぼ今回と同じ大きさでした。変異の範囲なのか、それとも別種なのかはよく分かりません。

廊下のむし探検 蛾、ハエ、ハチなど

廊下のむし探検 第435弾

秋も深まってくると、出てくる虫は常連ばかりになってきます。昨日、廊下を歩いた結果です。今日の最初はこの蛾からです。



この蛾の対称的な姿にはいつも感心してしまいます。ウスミドリナミシャクです。触角の曲がり具合やら、前脚の曲げ方などに、何かポリシーを感じますが、どうしてこんな格好をしているのでしょうね。



それから、もうすっかり常連になったチャエダシャクです。この日は2匹いました。



それからニトベエダシャクです。これも2匹いました。



これはウスモモイロアツバです。



それから、カシワキボシキリガです。春早くによく見ますが、越冬キリガです。



これはクサシロキヨトウかな。似た種が多いので、あまり自信はないのですが。



先日も見たケバエの仲間で、ウスイロアシブトケバエとした種です。この日は♂を探したのですが、いたのは♀ばかりでした。



昔はこんなハエをいつでもイエバエと言っていたのですが、最近、ハエの検索をするようになってからよく分からなくなってしまいました。今度、一度、捕まえてきてちゃんと調べようかな。(追記:通りすがりさんから、「この色で三本線の胸背と独特の模様の腹部でこの面構えならニクバエ科でしょう」というコメントをいただきました



これもハエの仲間ですが、先ほどとは明らかに翅脈が違いますね。(追記:通りすがりさんから、「小型そうなハエはショウジョウバエ科かミギワバエ科辺り?」というコメントをいただきました



今度はハチの仲間です。これも名前が分かりません。トガリヒメバチの仲間でしょうかね。



これもハチの仲間ですね。図鑑を見たのですが、名前は分かりませんでした。どうもハチやらハエやらは名前が分からなくてストレスがたまりますね。



甲虫ではこんなゾウムシがいました。アルファルファタコゾウムシですね。日本の侵略的外来種ワースト100に挙げられている虫です。普通の虫とは違い、11月から春まで活動する冬型の虫です。



それからいつものヒメツチハンミョウです。今日は1♀でした。横から撮るとこんな感じになります。



どうも口の辺りがごつく感じます。



これはチャバネヒメカゲロウかな。



ホソヘリカメムシもいました。



それにヘラクヌギカメムシです。この日は3匹もいました。



ズグロオニグモがだいぶ大きくなってきていました。



最後はこのクモ。遠くから見ると、細長いゴミにしか見えません。でも、アシナガグモの仲間ですね。名前は分かりませんが・・・。

廊下のむし探検 ケバエ、ホタルトビケラなど

廊下のむし探検 第434弾

昨日午後の「廊下のむし探検」の結果ですが、この日はどうしたことか蛾がまったくいませんでした。いよいよこんな日がやってきましたね。これから冬。今年はどうなるかな~。

さて、蛾の代わりにこの日目立ったのは、このケバエでした。





ケバエというのはこんな虫です。複眼が離れているので♀の方ですが、この日は♀ばかり全部で5匹もいました。結構、大型です。ケバエというので済ませようと思ったのですが、ついでに1匹採集してきました。夜、いつものHardy and Takahashi (1960)の検索表で名前を調べてみました。前脚脛節末端に長い刺と短い棘があることが、写真からも分かりますね。このことからBibio属であることが分かります。この後、Bibio属の検索表を丁寧に見ていくと、Bibio flavihalterという種にたどり着きました。

B. flavihalterは北隆館の「原色昆虫大図鑑III」にも出ていて、ウスイロアシブトケバエという和名がついています。発生が10-11月という秋から晩秋にかけてというところや分布が本州、九州というところは合っています。そのほか、大体の特徴はよく合っているのですが、体長が実測では10mmほどあり、論文では♀7.4mmとなっている点が気になりました。今度、もう少し詳しく調べてみます。



虫が少なくなるとついハエの写真を撮ってしまうのですが、名前調べをする段になると撮らなければよかったと悔やんでしまいます。これも翅脈をみると、ヤドリバエ辺りだと思われますが、それ以上は分かりません。それにしても、顔の前に出ている長い棘みたいなものは何なのでしょう。口器にしてはおかしいし・・・。



この間もいたトガリヒメバチの仲間ですね。これも採集してくれば、属への検索くらいはできるかなぁ。



この日はホタルトビケラも3匹いました。川べりを歩いていても、ひらひら飛ぶ姿をよく見かけます。



カメムシではキバラヒメヘリカメムシがいました。色がはっきりしていて、結構、格好がいいですね。



マンションにはヘラクヌギカメムシが多いので、おそらくヘラの方だと思いますが、ときどきは調べないと、別の種が混じっているかもしれません。



小さいカメムシで、ムラサキナガカメムシです。今年の3月初め頃、マンションの廊下に大量に出てきました。



そして、いつものヒメツチハンミョウです。今日は2♀。でも、1匹は潰されかけていました。廊下をうろうろと歩いているので仕方がないですね。この写真も頭の部分が何となく変な感じがするのですが・・・。

マツムラクサカゲロウを調べる

先日、マンションの廊下で変わったクサカゲロウを見つけました。



こんなクサカゲロウです。翅に黒い点のある種を初めて見ました。そこで、これが何であるのか調べてみることにしました。



まず、上の写真をもとに外形を計測してみました。体長と前翅長は直線で、触角の長さは折れ線で近似して計測しました。それによると、体長は7.5mm、前翅長11.7mm、触角の長さ12.8mmでした。

日本産クサカゲロウについては、塚口茂彦氏の"Chrysopidae of Japan (Insecta, Neuroptera)" (1995)という本に詳細に載っています。そこで、この本に載っている検索表を用いて調べてみました。クサカゲロウ科はクサカゲロウ亜科とアミメクサカゲロウ亜科に分けられますが、その区別はすぐにつくので、クサカゲロウ亜科の族への検索をまず行ってみました。



なお、検索表の原文は英文で、私のつたない英語力で翻訳しています。従って、間違っているところも多々あるかと思いますので、そのつもりで見てください。この検索表に関係するのは、翅脈、大顎、口肢です。そこで、まず、前翅と後翅の写真を載せます。





上が前翅、下が後翅です。検索表の1は前翅のim室についてです。Fig. 1に書かれているim室(②)を見ると、長細い三角形に近く、横にあるm3室も小室に分かれていません。そこで、1'の方を選び、2に進みます。2の3つの項目のうち、翅脈に関するものは前翅のC領域(C area)基部(①)が広がるか広がらないかという問題ですが、比較の問題なので、普通のクサカゲロウと比較してみました。



Fig.3の上が今回のクサカゲロウ、下がヨツボシクサカゲロウです。C領域は図にC areaとして示してあります。この部分をヨツボシクサカゲロウと比較すると、今回の種では大きく広がっていることが分かります。従って、2'の方が合っていそうですが、他の項目も見てみます。






口肢と大顎の部分の写真を載せます。口肢はFig. 4か5の小腮肢を見ると分かりますが、先端が細くなっています。これも2'が合っています。大顎はFig. 6に一部見えていて、かなり細いですが、先端は隠れていて見えません。これらのことから総合すると、2'のヒロバクサカゲロウ族に該当しそうです。

次に属および種への検索を行ってみます。



いずれも前翅の翅脈に関するものなので、Fig. 1の前翅の写真から判断できます。まず、属への検索ではim室が三角形に近くて(②)、C領域が滑らかな曲線を描く(①)ことからヒメヒロバクサカゲロウ属を選ぶことができます。

種への検索では、前翅のdcc室の基部と、外側の段横脈の基部に黒褐色の点があること(③)、dcc室の2つの横脈が翅端では分かれている(④)ので、ほぼ間違いなくマツムラクサカゲロウであろうと推測できます。さらに、腹部先端の形から♀であることも分かります。

マツムラクサカゲロウの説明では、♀の前翅長は11.0-12.5mmとなっていて、実測の11.7mmと合っています。また、触角も前翅長よりいくらか長いとあり、これも合っています。さらに、段横脈は前翅6-7/7-8、後翅4-6/5-6と書いてありますが、実測では前翅7/8、後翅5/6となり、これも範囲に入っていました。また、分布は本州、四国、九州になっていました。

ついでに各部の写真も載せておきます。



横からの写真です。


これは上からです。



そして、これは頭部を下から写したものです。

それにしても、マンションでいろいろなクサカゲロウを見ることができますね。

廊下のむし探検 秋の蛾ほか

廊下のむし探検 第433弾

一昨日、秋の蛾の代表であるニトベエダシャクが見られたと思ったら、昨日はチャエダシャクが見られました。これも秋の蛾の代表格です。





チャエダシャクというのはこんな蛾です。いかにも蛾らしい蛾で、私も好きではないのですが、秋は虫が少ないのでちょっとだけ歓迎です。名前に「チャ」という単語がついていますが、文字通り、お茶の害虫です。



一昨日見たニトベエダシャクもこの日は2匹いました。チャエダシャクとニトベエダシャクは秋を代表する蛾ですが、今年は少し出現が早いような気がしました。そこで、初めて見た日(初見日)を比べてみることにしました。データとしては、このブログ3年分と、15年ほど前に毎日蛾を調べていた頃の8年分があります。ちょっとグラフにしてみました。



もともと初見日なるものは、たまたま1匹早く出現すれば早くなってしまうので、あまり当てにはならないのですが、とりあえずグラフにするとそれなりに面白い感じです。年によって差はありますが、15年ほど前はチャエダシャクの方が10日ほど早く出現しています。それがこの3年はむしろニトベエダシャクの方が数日早く出ています。年によって1ヶ月近く初見日が変化していますが、2つはパラレルに変化しているので、データのばらつきというよりは気候の変化と対応しているのかもしれません。そう思って平均気温と比べてみたのですが、あまり相関はありませんでした。



後はキリガですね。これはナカオビキリガという、少し小型の秋キリガです。



この蛾はお分かりになりますか。翅が細い感じで、どこかで見たような気がしたのですが、一応、採集してきました。やはり細いという印象が合っていました。ヤマトホソヤガというヤガ科ホソヤガ亜科の♂でした。「大図鑑」も「標準図鑑」も7-10月に出現と書かれていますが、これまで11月と3月に採集しています。ひょっとすると成虫越冬かも。



このボロボロの蛾はオオシマカラスヨトウ辺りだと思います。



それにチャドクガです。

さて、昨日のヒメツチハンミョウはどうなっていたでしょう。





やはりいました。この日は2♂1♀でした。



それにウリハムシです。



キバラヘリカメムシがいました。横からも撮ってみました。



腹部が本当に黄色ですね。モルタルの白い部分がまるで雪のように見えますね。



それに、オオホシカメムシ



マンション中で数匹はいそうな感じのするマツヘリカメムシです。



これはルリチュウレンジかな。



最後はアメバチですが、たぶんオオアメバチだろうと思います。



外壁にヤマトシジミが寒そうに止まっていました。

廊下のむし探検 ニトベエダシャクほか

廊下のむし探検 第432弾

秋が深まってくると、秋にだけ出てくる虫が次々出てきます。



窓枠の外側に何か止まっているなと思って横からのぞいてみると、ニトベエダシャクでした。このニトベエダシャクも今頃だけに見る蛾です。「ニトベ」の由来については、以前調べたことがあります新渡戸稲雄という新渡戸稲造のいとこにあたる昆虫学者が命名したことに因んでいます。一昨年の初見日は11月24日、昨年は11月18日、今年は11月10日でした。年々、出現時期が早くなっているのかな~。



これはシロシタトビイロナミシャクです。

キリガの仲間もいろいろと出てきています。



これはノコメトガリキリガですね。



それにアオバハガタヨトウ



この蛾はあまり自信はないのですが、テンスジキリガではないかと思っています。(追記:内横線が波打っているので、カシワオビキリガかもしれません



それに最近よく見るナカジロトガリバです。



それからウスギヌカギバです。この蛾の模様には、いつも惚れ惚れしてしまいます。



最近、よく見るクロモンキノメイガですね。



いつもいるのであまり写さないのですが、今日は蛾が少なめなので写してみました。マエアカスカシノメイガです。



最後はこのチャハマキでした。蛾が少ないといってもそこそこはいますね。

廊下のむし探検 面白い虫がいろいろ

廊下のむし探検 第431弾

秋も深まってきましたが、今日はいろいろと面白い虫がいました。



まず、今日の最初はこのクサカゲロウです。翅に黒い点が2つあって、これまでのクサカゲロウとは明らかに違います。千葉大のページの写真と比べると、クサカゲロウ族ではなくて、ヒロバクサカゲロウ族のようです。まだ、検索表を使った同定はしていないのですが、どうやらマツムラクサカゲロウのようです。それにしても、マンションにはいろいろなクサカゲロウが来ますね。



次はヒメツチハンミョウです。今日は♀がいました。今シーズン初めてです。♀の触角には瘤のようなものがないので、♂か♀かはすぐに分かります。



こちらは♂の方です。今日は結局、3♂1♀がいました。ほとんど毎日見ることができますね。



変わった模様のハエがいました。何だろうと思って撮ったのですが、同じ模様のハエは図鑑には載っていません。さらに、翅脈を調べると、イエバエ科に似ています。そういえば、頭、胸辺りは普通のハエみたいです。



横から撮ってみました。縞模様のように見えるのは、どうも何かの分泌物のような感じです。一体何なのでしょう。(追記:星谷 仁さんから、「ハエカビのようなものに寄生されているではないでしょうか」というコメントを頂きました。ハエカビというのは全く知らなかったのですが、ネットで調べるとよく似た写真がいっぱい出てきました。おそらく、そうですね。ハエカビは接合菌綱ハエカビ目に属するカビだそうです。ハエの体に胞子がつくと、内部に入って増殖し、分節菌糸体という菌糸の短いかたまりのような状態になります。体表面には胞子を作って、やがて、母体であるハエを殺してしまうという寄生菌の一種だそうです。つまり、外から見えている白い部分は胞子なのですね。コメント、どうも有難うございました



これはクロヒラタアブでしょうね。フラッシュをたいて撮影したら、いきなりカメラにつけた「影とり」に止まってしまって撮影できませんでした。



ハエ目の虫です。名前は分からないのですが、一応、撮影してみました。(追記2018/02/20:ヒゲナガケバエ科のクロヒゲナガケバエではないかと思います



天井からガガンボがぶら下がっていたのですが、どうも翅が逆を向いている感じです。



横から撮ってみました。やっぱりよく分かりません。



後はカメムシです。これはオオホシカメムシですね。



これはミナミトゲヘリカメムシですね。棘が尖っているのでうっかり触ると刺さると図鑑に書いてありました。



これも横から撮ってみました。白い体に黒い点が点々とついています。これは気門でしょうね。南方系のカメムシで南西諸島だけに分布していたものが、最近では関東あたりまで分布を広げたようです。



これはホソヘリカメムシですね。



それに、たぶんフタモンホシカメムシの5齢幼虫です。



最後はこのハンゲツオスナキグモです。今頃はよく見ますね。

蛾は次回に回します。

地域の文化祭で昆虫展開催

昨日、地元の小学校で地域の文化祭が行われました。教室をお借りして、そこで昆虫展を催しました。教室をちょうど2分して、一方は折り紙展、もう一方は昆虫展という風です。

前日の金曜日午後、標本箱やパネルを搬入し、机を並べてその上に配置しました。翌日は9時から16時の予定で文化祭が開かれるのですが、小学校の先生が教室にいていただけるというので、こちらは教室に詰めていなくても良いとのことでした。

午前中は学習発表会が開かれ、展示を見に来られる人は少ないという話だったので、その間に教室の写真を撮りに行ってみました。



左側が折り紙展で、右側が昆虫展です。カメムシが置いてあるところです。



これが全貌です。左から、チョウ、トンボ、アミメカゲロウなどの標本、それに奥に蛾が置いてあります。中心部分には「廊下のむし探検」で撮影した写真を図鑑風にファイルにしたものを置いています。



これは奥の蛾のところです。机と椅子が小学校のものなので、いかにも教室という感じでしょう。

午前中、写真を撮り、その他の方の展示を見て一旦家に戻りました。夕方、片付けがあるので、ちょっと早めに行ってみました。いずれもお客さんはポツポツという感じでした。先生のお話では男の子が喜んでいたということでしたが、どの程度の人が見に来られたのかは分かりませんでした。

今回の展示は、標本をコンパクトにまとめたので、全般的に見やすくなったのではないかと思います。反省点としては、標本の説明をするパネルを新たに加えたので、パネルの数が多すぎたという感じです。あまりに多すぎて、どれを見て良いのか分からなくなってしまったかもしれません。また、地元で採集したものばかりだということを強調しなかったので、そのあたりも分かりにくかったかも。

こんなに自然がいっぱいのところにある小学校ですが、子供の数が減少して、かつては3学級あったものが今では1学級になってしまいました。来年度にはここを廃校にして、近くにある中学校に移り、小中一貫校になるとのことです。ちょっと寂しいですね。

廊下のむし探検 ホタルトビケラほか

廊下のむし探検 第430弾

今日は地域の文化祭だったのですが、展示をしておけばよいだけなようで、今朝はのんびりとマンションの廊下を歩いてみました。さすがに秋が深まってきたようですね。ほとんど虫を見かけなくなりました。

ちょっと新しいところではこんな虫がいました。



いつもトビケラは名前が分からないので、無視していることが多いのですが、これは前胸が橙色なので名前が分かります。似た種にトビイロトビケラとかウルマートビイロトビケラなどがいるのですが、脚が黒いのでおそらくホタルトビケラでしょう。普通トビケラの幼虫はずっと水中で暮らすのですが、ホタルトビケラの仲間は、水中にいた幼虫が夏眠のために一旦陸上へ上がるという奇妙な習性があります。マンションでは、例年11月頃に姿を見ています。



一昨日いた蛾と同じかもしれませんが、オオトビモンシャチホコです。今日は近くで撮影出来ました。



これはネグロシマメイガです。これも近くで撮影出来ました。



カメムシもクサギカメムシやマルカメムシ、マツヘリカメムシは見かけましたが、それ以外に、この小さなヒメナガカメムシもいました。



ヒメツチハンミョウもいたのですが、今日は無残な姿になっていました。



これはヤサイゾウムシです。冬に出て、野菜の新芽、新葉を好んで食べるそうです。



今日は虫が少ないので、ネコハグモも写しました。



ついでにダンゴムシも。



ダンゴムシは後ろから見ればよかったのでしたね。後ろがV字型になっているのが、オカダンゴムシでした。

廊下のむし探検 ヒメツチハンミョウやら蛾やら

廊下のむし探検 第429弾

今日の「廊下のむし探検」の結果です。今日もマンションの廊下や外壁にヒメツチハンミョウがいました。





今日は実に8匹も。いずれも♂だったのですが、少し大き目の個体が出てきました。下の写真の個体の体長はおよそ18mm。♀はいつ見れるのでしょうね。



これはゴミムシの仲間です。いつものように、琵琶湖博物館の「里山のゴミムシ」で調べてみました。クロツヤヒラタゴミムシの仲間かなというところまで行ったのですが、それから先が進みませんでした。



その他、ナナホシテントウも一応、写しておきますね。



次はカメムシの仲間です。これはオオホシカメムシでしょうね。



ブチヒメヘリカメムシとケブカヒメヘリカメムシとで、以前、だいぶ迷った種類です。後腿節の内側が黒くないので、ケブカヒメヘリカメムシの方だと思います。



ユスリカがいました。田中和夫氏の「屋内害虫の同定法(3)」、屋内害虫 24, 67 (2003)(こちらからダウンロード可能)にユスリカの亜科・族への検索表が載っていました。翅脈とか前脚とかで見分けるのですが、一応、やってみると無事ユスリカ族になりました。特に面白いなと思ったのは、前に長く伸びている前脚についてです。この前脚の脛節より跗節第1節の方が長いのですね。残念ながら、種までは分からないのですが、おそらくセスジユスリカだと思います。



廊下の溝にこんな格好の虫がいました。前脚の脛節に棘が2本あることからケバエ科であることは間違いなさそうです。この写真から翅脈が見えて、また、前脚、後脚もよく見えるので、Hardy and Takahashi (1969)の論文(ここからpdfをダウンロード可能)で検索ができるかなと思ったのですが、どうも違った種にたどり着いてしまいます。Bibio属♂だということは間違いなさそうですが・・・。(追記:再検索を行い、どうやらBibio flavihalter♂であることが分かりました。これに対応すると思われる♀を14/11/15のブログに載せています



次は蛾です。これはオオトビモンシャシホコといって晩秋に出てくる蛾です。昨年も11月中旬に見ていました。



先日から出始めたナカジロトガリバです。この蛾を見ると何故か秋を感じてしまいます。



これはクロクモヤガです。これも3日ほど前に見ました。



それにヒロバウスアオエダシャク



ヘリオビヒメハマキかなと思われる個体です。似た種があり、♂では見分けやすいのですが、この間から3匹採集したら、いずれも♀でした。今日はもう採集はやめておきます。



これはニジュウシトリバですね。二十四鳥羽と書きますが、本当に翅が鳥の羽のようになっていますね。いつ見ても見事だなと思ってしまいます。



こんな毛虫が以前から外壁にいたのですが、だんだん大きくなってきました。今日は2cm近くになっていて、ちょっと気味が悪い感じです。やはり、ヤネホソバの幼虫でしょうか。外壁の苔を食べるのでよく大量に発生し、さらに悪いことに、背中には毒毛が生えているようです。ご用心、ご用心。



面白い模様のクモですね。昨年もいて、その時は自信がなかったのですが、だんだん、ハンゲツオスナキグモかなと思うようになりました。



これはコクサグモですね。ときどきいるやや大きめのクモです。

その他、クサカゲロウもいたのですが、スズキでした。さらに、ナカウスエダシャク、マエアカスカシノメイガは撮影していません。でも、なんだかんだ虫はいますね。

地域の文化祭で昆虫展を開催します

この夏にマンションの集会室で「むし展」を開いたことがきっかけとなり、今週の土曜日に小学校で開かれる地域の文化祭にも出展することになってしまいました。初め、1ブースをお借りして、標本箱3箱とパネル3枚程度を出展するつもりで申し込んだのですが、その後、教頭先生から電話があり、教室を別に用意したので、これの半分を使って展示してほしいということです。子供の数が減少して、この小学校も来年は中学校と統廃合になるので、これが最後の文化祭になるとのことでした。

一度、下見をさせていただくと、教室なので案外広くて、標本箱を周辺に並べても15箱は優に入りそうです。また、小学生や親子連れが多く見に来られるので、蛾ばかりではなく、できるだけいろいろな種類を並べた方がよさそうです。さらに、マンションですとそれほど虫に詳しい方もおられないでしょうが、地域となると詳しい方もおられるかもしれないので、いい加減な標本や解説も出せないなと、かなりのプレッシャーがかかりました。

その準備が昨日だいたい終わりました。



チョウの標本を2箱にまとめ、蛾も4箱だけ出すことにしました。




普段、あまり出さないアミメカゲロウ目に加えて、



今回初めてハチとハエを加えました。名前を書いたラベルを頑張って貼ってみたのですが、かなり怪しいものばかり。でもまぁ、いいやと思って、一応、再同定をしてから入れてみました。このほか、トンボ、カメムシ、それから、甲虫、シリアゲ、ナナフシ、カゲロウ、カワゲラ、トビケラなど、標本箱は全部で14箱、種類数でいうと11目530種になりました。

前回、マンションでむし展を開いた時に、標本箱とパネルの説明が対応していなかったので、その反省として標本箱に対する簡単な説明も作ってみました。



こんな感じです。このボードは発泡スチロール板にコルクが貼ってあり、両面コルクボードという名前で900円ほどで売っていました。これを4枚買って、カメムシ、チョウ・トンボ、ガ、ハチ・ハエ・カゲロウの4枚のパネルを新たに作りました。



これに加えて、むし展で出したパネルも5枚程度出すことにしました。このボードはジグソーパズルのパネルを使ったもので、もう20年ほど前に買ったのですが、当時でも結構高かったような気がします。

明日金曜日の午後、展示品を搬入し、土曜日9:00-16:00までが展示時間になります。内容はあまり小学生向けというわけにはいかなかったのですが、標本がいろいろあり、説明もあるので、それなりに面白いのではないかと思っています。お近くの方はどうぞお越しください。内容はあまり期待しないで・・・。

廊下のむし探検 虫が少ない

廊下のむし探検 第428弾

マンションの廊下を歩いてみたのですが、今日は本当に虫が少なかったです。何から出したらよいのか分かりませんが、まずはこの虫から。



なかなか格好のいいハチなのですが、近づくとすぐに向こうを向いて逃げようとするので、後ろ姿ばかり写ってしまいます。名前が分からないので、いろいろとネットで調べてみたのですが、ヒメバチ科トガリヒメバチ亜科らしいところまでで、それ以上は分かりませんでした。似ている種がだいぶいそうです。(追記:ヒメバチ科トガリヒメバチ亜科の目録が日本産ヒメバチ目録Information station of Parasitoid waspsに出ていました。後者によると、トガリヒメバチ亜科だけで、日本に95属228種も記録されているそうです



次はヨコヅナサシガメの幼虫です。少し大きくなった感じです。壁の上の方にも2、3匹固まっていました。



そしていつものヒメツチハンミョウです。今日も♂が1匹だけいました。



マツヘリカメムシです。最近は毎日2、3匹は確実に見ることができます。近くの松林に行ったのですが、そちらでは見つかりませんでした。皆、越冬準備でマンションにやってきているのかも。





後はアオバハガタヨトウが2匹。それに、昨日もいたスカシカギバ、キトガリキリガ、アオアツバ、それと、いつも見ているナカウスエダシャク、クロモンキノメイガぐらいでしょうか。本当に少なくなってしまいましたね。

廊下のむし探検 スカシカギバ、タケアツバなど

廊下のむし探検 第427弾

今日の「廊下のむし探検」の結果です。蛾は10種あまり、ちょっと少なめでした。



今日の最初はこの蛾です。地下駐車場の天井に止まっていました。スカシカギバです。翅に透き通った部分があるので変わっていますが、それよりも変わった止まり方が気になります。後翅をふくらませるように止まっているからです。



だから、後ろから撮るとこんな感じになります。どういう意味があるのか分かりませんが、蛾らしくなく止まることが捕食者から避けるのに役立つとすれば、十分に効果はありそうです。ところで、「大図鑑」を見ると、発生は5-8月になっていたのであれっと思ったのですが、「標準図鑑」では関東地方の低山地では5月下旬から11月上旬まで3~4回発生となっていました。私も過去に10月に採集したことがありました。



この小さい蛾も地下駐車場の天井に止まっていました。翅に黒い点が2つ並んでいます。調べてみると、タケアツバという竹の害虫として知られている蛾でした。「廊下のむし探検」初登場です。



右翅にわずかに模様が残っているので、おそらくクロクモヤガだと思います。5月頃に発生し、その後、夏眠をして、秋に再び登場するようです。越冬は幼虫のようです。



頭を隠していますが、ケンモンミドリキリガですね。以前はミドリケンモンと呼んでいたので、そちらの方が親しみが湧きます。秋キリガです。



キトガリキリガです。昨日と同じ個体かもしれませんが・・・。



ずいぶん派手な模様なので何だろうと思ったのですが、アオアツバしか該当する種が見つかりません。やはりアオアツバなのでしょうね。



これはクロモンキノメイガですね。



翅に茶色の紋があるので別種かと思ったのですが、やはりいつものホソバヤマメイガのようです。



模様がはっきりしないので、いろいろと迷ったのですが、結局、変異の多いチャノコカクモンハマキの変異のうちかなと思っています。



クロウリハムシでしょうね。小さい虫ですが、色が色だけに、白い壁に止まっていると遠くから目立ちました。



ヒメツチハンミョウは今日も♂が1匹だけいました。



「大阪府のハバチ・キバチ類」を見ると似た種もあるようですが、ルリチュウレンジで良さそうな感じです。一度捕まえてきて調べてみたいですね。



小さいアリだったので、いい加減に撮影したら、初めてのアリでした。採集してきて日本産アリ類画像データベースに載っている検索表で調べてみたら、オオズアリの兵隊アリになりました。「オオズ」は頭が大きいという意味ですね。アリの検索が少しできるようになってきて嬉しいです。



これはトビケラですが、名前はよく分かりません。



これはチャバネヒメカゲロウですね。



ヒシバッタです。ヒシバッタも種類が多いので、一応、検索表を揃えました。でも、写真だけで採集してこないとやはり難しいみたいです。



最後はいつもクモで終わりますね。これはズグロオニグモです。

この他、スズキクサカゲロウ、マツヘリカメムシ、オオトビサシガメ、ムラサキトガリバなどがいたのですが、今日は省略です。

廊下のむし探検 秋の蛾

廊下のむし探検 第426弾

11月になると、本当に秋も深まった感じになりますね。昨日の「廊下のむし探検」の蛾の巻です。昨日も蛾は20種あまり。そのうち、気のついたものをご紹介します。



この日はこのナカジロトガリバが3匹いました。今年初めて見ました。十数年前に集めた標本を見ると、10月終わりから11月初めにかけていくつか採集していました。ちょうど今頃ですね。やや弱々しい感じのする蛾です。



それからキリガの仲間も登場です。キトガリキリガで、秋キリガです。私の古い標本では10月終わりから12月中旬にかけて採集していました。



それからキバラモクメキリガです。木切れにそっくりの形です。こちらは越冬組です。窓枠に止まっていたのでフラッシュをたいたら、ちょっと浮き出た姿で撮れました。





この間から出ている秋の蛾のアオバハガタヨトウギンモンシロウワバです。



それにオオバコヤガです。模様がややはっきりしているので、載せておきます。



夏頃に発生し、だいぶ長生きしているのでしょうね。翅がぼろぼろです。シマカラスヨトウ、オオシマカラスヨトウ、ナンカイカラスヨトウという3つの似た種がいてこの写真ではほとんど区別がつきません。とりあえず、よく見るオオシマカラスヨトウ?ということにしておきます。これも秋遅くよく見かけます。



やや小型だったので、初め、コフサヤガという名前が浮かんだのですが、フサヤガとの区別は♂触角それに後翅でしか分からないようです。コフサヤガは時期的にもう少し早く発生し、成虫越冬ではないようなので、今頃から見る種はフサヤガの方だと思います。これは越冬組です。



これはモクメクチバです。これも越冬組です。



次はこの蛾です。これもだいぶ翅が傷んでいますが、おそらく、アカマエアツバなどのSimplicia属でしょう。似た種にアカマエアツバ、オオアカマエアツバ、ニセアカマエアツバがあって、下唇鬚で見分ければよいのですが、この間、見分けられるのは♂だけだと知って、ちょっと自信をなくしています。とりあえず、頭の部分を拡大してみます。



Aの部分で触角が少し太くなっています。これがおそらく、図鑑に載っている「瘤状の結節」でしょう。従って、♂ということで、さらに、結節のないアカマエアツバは除外できます。次は下唇鬚Bの形状なのですが、先端は丸みを帯びるのがニセ、尖っているのがオオということです。毛が生えていてよく分からないのですが、全体に尖っているようには見えないので、ニセアカマエアツバかなと思うのですが、自信はありません。今度、標本で少し勉強してみます。



小さいので、初めノメイガかなと思ったのですが、拡大してみるとアオアツバでした。



今頃はヤガばかりなのですが、その中で一人気を吐いていたのが、このニッコウナミシャクです。私のマンションではそれほど多くは見かけません。標本箱には11月中旬の1匹だけが入っていました。写真を撮ろうと思ってフラッシュをたいた途端、飛び上がりました。ふらふらと飛んでなかなか止まらないので、撮影を諦めました。だから、写真はこれ1枚です。



薄いグレーの色のやや大きめの○○ホソバがいました。どうもホソバは苦手です。大きさと色彩の変異を考えると、キシタホソバ、ムジホソバ、ツマキホソバあたりが可能性がありますが、何となくツマキではなさそう。ムジは外縁が暗くなる傾向があるので、消去法からキシタホソバかなと思っているのですが、まったく自信はありません。



最後はシロモンノメイガです。この蛾はいいですね。模様がはっきりしているし、名前もすぐに分かるし。

廊下のむし探検 ウンカやハゴロモなど

廊下のむし探検 第425弾

今度の土曜日に開かれる地域の文化祭に昆虫を出品することになり、その準備で、ちょっと「廊下のむし探検」を休んでいました。今日は、雨模様で、風も冷たく、あまり虫はいそうにありません。それでも、久しぶりに歩いてみようかと思って歩いたら、意外に虫はいました。今日、面白いなと思ったのはこの虫です。



最初、蛾かなと思ったのですが、頭がやけに長細いので、ウンカの仲間であることが分かりました。図鑑で調べてみると、ナワコガシラウンカという種に似ています。この種は今年の3月にも見ていました。どういう生活史をしているのでしょうね。



ついでに、こんな虫もいました。「学研生物図鑑」にも、「原色昆虫大図鑑」にも出ていないので、「軍配 ウンカ」とか、「軍配 ハゴロモ」などのキーワードで画像検索していたら見つかりました。キノカワハゴロモというそうです。皆さん、図鑑に出ていないような虫の名前をどうやって調べられたのでしょうね。



ヒメツチハンミョウはどうなったかなと思って、いつもの場所に行ってみたら、1匹だけいました。まだ、健在のようです。



センチコガネがひっくり返っていたので、ちょっと起こしてやりました。それにしても、いつもひっくり返っていますね。



これはクチキムシかな。



これはヒメハラナガツチバチでしょうね。外壁に止まってじっとしていました。



ガガンボもいたのですが、名前調べは諦め気味です。





そして、定番のツヤアオカメムシクサギカメムシです。



最後はこの毛虫です。以前、教えていただいたヤネホソバの幼虫に似ているような、似ていないような。今日は外壁に何匹か止まっていました。

蛾は多かったので次回に回します。

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