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廊下のむし探検 昨日は7匹

廊下のむし探検 第424弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。いったいどうしたのでしょうね。昨日はツチハンミョウが全部で7匹。こんなにいっぱい見たのは初めてです。



廊下にこんな感じでのそのそと歩いています。







触角の途中が太いので、いずれも♂で、しかも、触角第1節が長いので、ヒメツチハンミョウのようです。どれもみな廊下を歩いたり、壁を登ったり、うろうろうろうろ。一体何をしているのでしょうね。





天井にコオロギが止まっていました。いつものオカメコオロギかなと思ったのですが、どうも口が長い感じがします。ひょっとすると、クチナガコオロギの♂かもしれません。そうだったら良いのですが・・・。



この間からオンブバッタをよく見ますね。



これはモリチャバネゴキブリの幼虫でしょうか。



ハエの仲間ですが、名前は分かりません。(追記2018/02/20:ヒゲナガケバエ科のクロヒゲナガケバエではないかと思います



これもハエですが・・・。



オオトビサシガメですが、上翅が一枚取れているのでしょうか。



この間もいたシラオビアカガネヨトウです。以前、教えていただいたので、今回は横からも撮ってみました。



白い模様が翅の前縁まで届いていません。従って、マエグロシラオビアカガネヨトウという長い名前の蛾のようです。



この蛾の名前調べが大変でした。色々調べた結果、ヤガ科アオイガ亜科のAmyna属であることは間違いなさそうです。ただ、腎状紋の下部と翅端に白い点があると、いつものサビイロヤガなのですが、それがありません。変異なのかもしれませが、ひょっとするとマドバネサビイロヤガ♀かも。これだと、分布が小笠原、奄美で、本州では見つかっていないと思うのですが・・・。いずれにしても「サビイロ」という名前がよく似合う蛾ですね。



これはギンモンシロウワバです。昨年は11月に見ました。



それに、この間も見たアオバハガタヨトウです。



いつものムラサキトガリバのようですが、中央に黒い毛が見えています。これは腹に生えている毛で、これがあるとニッコウトガリバです。今年、ムラサキトガリバがずいぶん多かったのですが、ニッコウトガリバは今回が初めてです。



最後はウスキツバメエダシャクです。10月も終わりになってきましたが、まだまだ面白い虫が出てきますね。
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廊下のむし探検 ツチハンミョウが3匹も

廊下のむし探検 第423弾

昨日の午前中の「廊下のむし探検」の結果です。この日は、北側の外壁にツチハンミョウが実に3匹も止まっていました。







3匹とも、触角に塊がついているので♂です。真ん中の写真は以前紹介した、目盛入りのマスキングテープの切れ端を貼ったところです(だいぶ汚れてしまった!)。このテープの切れ端をいつもカメラレンズにくっつけておいて、必要なときに貼り付けて撮影しています。大変便利ですが、時として、貼り付けた途端に虫が落ちたり、飛んで行ったりすることもあります。撮影した後、ImageJというソフトで寸法を測っています。この3匹の体長はそれぞれ12.6mm、15.5mm、13.5mmでした。

この辺りにはキュウシュウとヒメという2種類のツチハンミョウがいて、触角で見分けられるので、今回も触角を拡大してみました。



触角第1節が長く、第2から第4節までを足したものとほぼ同じ長さです。また、第7節がハート型です。このことから、ヒメツチハンミョウの方ではないかと思いました。どれも地上から50cmから1mくらいのところをゆっくりゆっくりと上に登っています。いったい何をしているのでしょうね。



これも動きはツチハンミョウに似ているのですが、ヤニサシガメの5齢幼虫だと思います。やはりゆっくりゆっくりと登っていました。



先日もいたオンブバッタです。今回の個体は小さくて痩せているので、上に乗る♂の方なのでしょうか。



それに消火栓のところにいたハラビロカマキリです。



クサカゲロウは2匹いましたが、いずれもスズキクサカゲロウでした。



また、ヒメノコメエダシャクがいました。しかも今回は床の上。腹を左側に向けていますが、これは明らかに重力の影響ではないですね。やはり、以前、通りすがりさんが言われていたように、右利きとか左利きとかがあるのかもしれませんね。



前から写してみました。後翅の後縁がめくれ上がっています。腹を曲げた時に後翅に当たらないようにという配慮なのでしょう。心持ち、向かって右側のめくれ方が激しいので、腹を曲げやすい方向と一致しているのかもしれません。それとも曲げた方の後翅をよりめくれ上げるようにするのでしょうか。



似た種が多いのですが、後翅の模様からフタツメオオシロヒメシャクではないかと思います。銀色の模様がたいへん綺麗です。



こちらはソトシロオビナミシャクだと思います。



これも似た種が山のようにいるのですが、外縁に沿った部分の模様と翅の中間辺りの線の曲がり方などから、コガタツマキリヨトウではないかと思いました。ちょっと自信はありませんが・・・。図鑑に載っている出現時期は5-9月になっていて少し合いません。



これはいつものオオバコヤガでしょうね。今回は比較的模様がはっきりしていました。この日は他にもいたのですが、模様がほとんど消えてしまっていました。



これはウスチャモンアツバかなと思います。



この蛾の名前調べに半日以上もかかってしまいました。「大図鑑」と「標準図鑑」を何度見直したかわかりません。うっすらとした模様を手がかりに探したのですが、見つかりません。最後に鋭角な翅端、それに濃い色の直線的な外縁部だけに注目して、模様を見ないようにして図鑑を探してみたら、やっとそれらしい種に行き着きました。タバコガの仲間です。これもオオタバコガとタバコガという似た種があるのですが、翅脈M3以下の亜外縁線が鋸歯状にならず不明瞭というところから、オオタバコガの方かなと思っています。



だいぶ高いところに止まっていたので、両手を伸ばして撮ったら、こんな姿になってしまいました。クロモンキノメイガですね。



それに、最後はいつものネコハグモです。

廊下のむし探検 バッタ、甲虫、カメムシ

廊下のむし探検 第422弾

一昨日の「廊下のむし探検」で見た蛾以外の「むし」です。秋になって虫は減ってきているのですが、それでも、マンションの隅々まで探すといろいろな虫が見つかります。今日の最初はバッタ目からです。



これはツユムシ科のヒメクダマキモドキです。昨年はやはり10月に見ていて、その時はツユムシかなと思ったのですが、知り合いの先生に教えて頂きました。今年は9月25日に幼虫を見ていました。生態図鑑によると、もともとは南方系ですが、最近は都市公園などの緑地でもよく見られるとのことです。図鑑には♂と♀がシュ・シュ・シュ・・・、ピチ・ピチ・ピチ・・・と鳴き交わすとありますが、どんな声なのでしょうね。





次はこれです。横からと背側から撮りました。茶色なので何だろうと思ったのですが、いつものホシササキリのようです。生態図鑑には、緑色型と茶色型があると書いてありました。これは、ジー・ジー・ジー・・・と区切って繰り返し鳴くとのことです。



次はこのバッタです。いつものショウリョウバッタと違って、ずんぐりとした感じです。これは、オンブバッタ科のオンブバッタだと思われます。♀の上に♂が乗っている姿をよく見かけますが、これは単独でした。



さて、これは何カマキリでしょう?



翅に白い点があるので、ハラビロカマキリですね。名前をちゃんと言えるというのは嬉しいですね。



カメムシは相変わらず多いです。マルカメムシは50cmに一匹ぐらいの割合かな、クサギカメムシは2mに一匹ぐらい、それに、ところどころでツヤアオカメムシもいて・・・。この日はこのクヌギカメムシの仲間もいました。



標本の整理をしていたら、過去にヘラクヌギ、サジクヌギ、クヌギの3種類がマンションで見つかっているみたいです。数としては圧倒的にヘラクヌギが多いのですが、やはり時々は調べないといけないみたいです。この写真の個体は気門が黒くないので、少なくともクヌギカメムシではなさそうです。



マツヘリカメムシはこの日だけでも4匹。思えば、昨年10月25日にマンションで見つけ、ひょっとしたら関西で初めてではないかとブログに書いたのが初めての出会いでした。それまでは見たことがなかったのですが、今年の多いこと多いこと。最近では毎日のように見かけます。それだけ、繁殖しているということでしょうね。世界的な松の大害虫で、松の新芽や球果、種の汁を吸うということで、マンションの周りの松は大丈夫でしょうか。



これは以前もいたクチキムシでしたね。



それに、外来種のヤサイゾウムシ。外来種、多いですね。昨年も一昨年も10月と11月に見ていました。単為生殖だそうです。



トビケラです。首の部分に橙色のものがあるので何だろうなと思ったのですが、これは脚の腿節のようです。ホタルトビケラ、ウルマートビイロトビケラ、トビイロトビケラという似た種があるのですが、脚が橙色なのと、翅がやや薄い感じなので、トビイロトビケラの方かなと思っています。



こちらもトビケラなのですが、捕まえてきて検索をしないと科すらよく分かりません。



これはホシウスバカゲロウです。あまりによく見るので、写真はたまにしか写さなかったのですが、今年はウスバカゲロウが多かったですね。



窓ガラスの上を動き回っていました。前伸腹節の部分の黄色い2つの縦帯が目立ちます。ヤマトアシナガバチですね。セグロほどではないのですが、やはり威圧感があります。



これは名前の分からないハチです。



最後はクモで、ヤミイロカニグモです。

もう10月末なのに、蛾を合わせるとかなりの数の「むし」がいますね。

アカスジシロコケガの性標を調べる

アカスジシロコケガというのはヒトリガ科コケガ亜科に属する蛾です。



こんな綺麗な蛾です。♂と♀は黒い点が2つか1つかで簡単に見分けられます。♂の黒点の付近(矢印)を見ると、模様が少し乱れ、また、前縁が少し歪んでいますが、この部分に性標があるということを聞きました。そこで、その部分を少し拡大して見てみました。





上が♂、下が♀です。♀の方は乱れのない模様ですが、♂は黒点部分がかなり凸凹している感じです。また、前縁からは白くて長い鱗粉がその部分の上側を覆っているようです。

裏側を見てみましょう。





上は♂の裏側、下は♀の裏側です。♂の翅の裏にはかさぶたのような覆いがあります。それに対して、♀の方はまったく普通です。この奇妙な構造が性標なのでしょうね。

もう少し拡大してみてみましょう。まず、表からです。



黒点の右側に鱗粉のない部分があります。そこを更に拡大してみます。



表面に細かい粒々があるような感じですが、これが何なのかさっぱり分かりません。(追記:別の個体で調べてみると、この部分は盛り上がっていて鱗粉がいっぱいついていました。従って、これは鱗粉が脱落した後でした)ついでに、裏側も見てみます。



かさぶたのような構造の下にやはり鱗粉のない部分がありました。そこを拡大してみます。



その部分には鱗粉を裏返したようなもの(つまり、鱗粉の付け根が上に出ているような感じ)が見えます。それが何なのかもさっぱり分かりません。性標には発香鱗があるということですが、どれがそれなのかも分かりません。

たいへん不思議な構造ですね。でも、かえって謎が深まってしまいました。(追記:どうやら擦れて鱗粉が取れた個体を調べていたようです。もう少し綺麗な個体で今度撮影してみます

廊下のむし探検 蛾いろいろ

廊下のむし探検 第421弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。秋晴れの午後、マンションの廊下をブラブラと歩いてみました。結構、涼しく感じるのですが、意外に虫はいるものです。今日は蛾から始めます。



最初はこの蛾です。蛾の名前で「金」の字がつくものはいくつかありますが、これもその一つで、本当に翅が金色に光っています。名前はキクキンウワバといいます。名前の通り、幼虫はキク科に寄生します。金色は人間にとっては金属の金を連想するので壮麗な感じがしますが、赤色の見えない昆虫では単なる黄緑色の色にしか見えていないので、それほどの感動はないかな。捕食者である鳥は金属的な輝きを嫌う傾向があるので、そういう意味では役に立っているかもしれません。



こちらもキンウワバの仲間ですが、金属的な輝きはありません。ウリキンウワバで幼虫がウリ科の植物につく蛾です。



これはウスチャヤガです。



これはアオアツバですね。翅の敗れ方が先日の個体と同じなので、同じ個体でしょうね。違う階に止まっていました。うろうろしているみたいですね。



地下駐車場の天井からクモの糸か何かでぶら下がっていました。クヌギカレハです。今年はクヌギカレハが多いですね。



天井の蛍光灯のところにヒメヤママユが止まっていました。今年2匹目です。風でゆらゆらしていたので、ちょっと気になります。



いつもその模様に感心するセスジナミシャクです。この他、ナカウスエダシャク、ヒロバウスアオエダシャク、オオバコヤガ、ムラサキトガリバはそれぞれ何匹かいたのですが、いつもいるので省略です。



この日はトリバガがたくさんいました。このスマートな蛾もトリバガの仲間です。上から見てみましょう。



こんな感じです。こういう感じのトリバガはいつもヒルガオトリバだと思っていたのですが、模様をよく見るとそのようにも思えるし、そうでないような気もして、もう少し検討が必要かもしれません。



いつもいるエゾギクトリバはこんな角度から撮ってみました。ちょっと違った感じに見えますね。



それに天井に止まっていたブドウトリバです。この日、トリバガは全部で十匹ほどいました。



最後はこのヘリオビヒメハマキかなと思われる個体です。近似種とは♂の後翅で見分けられるので楽しみにしていたのですが、今回も♀でした。

その他の虫は次回に回します。

廊下のむし探検 キリガが出てきた

廊下のむし探検 第420弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。相変わらず、カメムシはぞろぞろいるのですが、常連ばかりなので今日は省略して蛾から始めます。



ノコメトガリキリガというキリガの仲間です。秋に出てくるので秋キリガと呼んでいます。キリガにはこの他、越冬する越冬キリガ、春に出る春キリガ、そしてこんな言い方をするのかどうか知りませんが、夏に出る夏キリガがあります。

以前、キリガが何を意味するのか、近くにお住まいの先生に尋ねたことがあります。そうしたら、木を食べる幼虫が○○キリムシと呼ばれていたところから付けられた名前だそうです。でも、そのうち分類学的に近いからと、草を食べる種もキリガと呼ばれるようになってしまいました。いずれにしても、食べ物で名前を付けたので、キリガと名の付く種はヨトウガ、セダカモクメ、カラスヨトウなどいろいろな亜科に分かれて入っていました。最近出された「標準図鑑」では、キリガ亜科という亜科が新たにできたので、まとめられたのかなと思ったのですが、ブナキリガなどはヨトウガ亜科なので、相変わらずいろいろな亜科に分かれて入っているようです。



これはアオバハガタヨトウで、やはり秋に出てくるキリガ亜科の仲間です。例年より一週間ほど早い発生です。



色が黒っぽいので、よく分からないのですが、おそらくアオアツバかなぁ。



こちらもちょっと迷ったのですが、ウスチャモンアツバかなと思っています。このほかオオバコヤガはたくさんいたのですが、今日は省略です。



いかにも枯れ葉のような蛾ですが、これは夏に出てくる蛾で、キバラエダシャクです。



これは以前教えていただいた、ヤマトエダシャクですね。



こちらはシロシタトビイロナミシャクです。後翅の白いことがちょっとだけ分かります。



これはクロモンキノメイガです。



これはナナホシテントウですが、これから冬にかけてだんだん見る機会が増えてくると思います。



これはツチバチの仲間ですが、たぶん、ヒメハラナガツチバチではないかと思います。



最後はこの小さなハエですが、名前は分かりません。

虫を調べる ニセコガタクサカゲロウ属

先日、マンションの廊下で捕まえたクサカゲロウについて調べてみました。これまで見たことがなかった種類なので、あまり自信はないのですが、とりあえずその結果を報告してみたいと思います。



まず、対象とするクサカゲロウはこんな外観を持っています。♀の個体で、体長は9.4mm、前翅長11.9mm、触角長12.0mmです。ざっと見ると、翅のほとんどが黒い翅脈で覆われていて、また、体の中央を走る黄色い筋はありません。

このクサカゲロウを、塚口茂彦著"Chrysopidae of Japan (Insecta, Neuroptera)"(1995)に載せられている検索表で調べてみたいと思います。なにぶん素人なので、間違っているところが多いと思いますので、ご指摘よろしくお願いします。まず、属の検索からです。


これは、以前載せた検索表と基本的には同じですが、若干、表現などを変えたところがあります。また、検索表の原文は英文ですが、私のつたない語学力で翻訳しているので、間違っているところもあるかと思います。ご容赦を。

まず、検索項目1については図はないのですが、そのような構造は見当たりませんでした。従って、3に飛びます。頭部の紋については次の写真を見てください。





頭部には複眼の横に黒い紋があるのが分かります。これは頬の部分に当たります。従って、7に飛びます。額は複眼の間に相当しますが、ここには紋がありません。従って、8に飛びます。8は翅脈に関するものなので、その写真を載せます。


ほとんどの横脈、分枝脈は黒いので、10に飛びます。10は前翅の基部近くにある小さな翅室imに関するものです。この先端がRs-M脈を越えているかどうかという点ですが、Fig. 4のように越えているので10'、すなわち、ニセコガタクサカゲロウ属であることが分かります。

次にコガタクサカゲロウ属の種への検索を行ってみます。



同じ本に載っていた検索表を翻訳したものです。まず、1は胸部と腹部に関するものです。胸部を拡大したものが次の写真です。



前胸背板にはそのような点がなく、腹部第2節にもそのような構造はありません。従って、2に移ります。それにしても、発音器を持っているクサカゲロウがいるのですね。2については、額に紋がないので、5に飛びます。Fig. 2とFig. 3を見ると、触角柄節の外側側面に色がついています。従って、6に飛びます。次は口肢に関するものです。Fig. 2とFig. 3では写真がはっきりしていないので、もう少し拡大して写してみました。





横からと下から口肢を写したものです。Fig. 7の外側の口肢が小顎肢、内側が下唇肢です。小顎肢の末端節が第5節に当たるので、第3節から第5節にかけて黒褐色に着色しています。特に第5節は強く着色しています。下唇肢については末端節だけが強く着色しています。検索の項目6はこれが強く着色するか、ほとんどしないかなのですが、一応、強く着色しているようなので、クロヒゲフタモンクサカゲロウかなと思っています。この最後の項目はやや相対的な表現なので、、上記の本に出ているミナミとクロヒゲフタモンの特徴を部位別にまとめてみて、比べてみることにしました。



字が小さいので拡大して見てください。クロヒゲフタモンの特徴に沿って、気になる点だけを見ていきます。まず、前翅長は♀で11.9mmだったので、書いてあるものよりやや小さめです。次に頭部で、頬の紋はほぼ円形で、通常複眼から離れているという点については、むしろ、ミナミにあるような四角形に近い感じで、さらに、複眼にかなり接近しています。この本に描かれている図や千葉大のサイトにあるような頬の紋に引き続いて頭楯の側辺に沿うように出る黒い筋が、今回の個体にはないのですが、本の説明では「稀に・・・弱い筋紋がでることがある」という表現だけで、本当にそうなのか少し疑問になりました。さらに、説明では触角の長さは前翅より少し長いということですが、この場合はほぼ同じでした。

さて、ミナミとクロヒゲフタモンの決定的な違いは、口肢の色と翅脈の色です。つまり、ミナミの口肢で着色しているのは、小顎肢の第3節内側基部に筋があることと第5節が弱く着色するだけなのですが、クロヒゲフタモンでは、小顎肢3-5節と下唇肢末端節が強く着色するということです。この個体の場合は、ミナミの説明とは全く異なり、クロヒゲフタモンの説明とほぼ一致しています。ただ、強く色づくという点が小顎肢第3,4節ではやや弱いような気もしました。翅脈が黒くなる場所に関しても、ミナミとクロヒゲフタモンで大きな隔たりがあります。この場合も、クロヒゲフタモンの記述の方にほぼ一致しました。ついでに、段横脈の数も数えてみました。前翅で7/7、後翅で5/7となり、これはいずれにしても合っています。

ということで、いくつか気になる点はあるのですが、クロヒゲフタモンクサカゲロウに近いと言ってよいような気がします。ただ、この本ではクロスジフタモンについては9♂、8♀を調べているのですが、ミナミについては2♂だけなのと、生きた個体に接していない点が気になりました。今回調べた個体で、本の記述と異なる点については、もう少しいろいろな個体を調べてみないとはっきりしないので、さらに調べてみたいと思います。(追記:千葉大のサイトにある写真を見てみると、ミナミとして載せられている個体の頬の紋は今回の個体とよく似ているのですが、小顎肢末端節と第3節の後半部分が強く着色し、下唇肢の末端節の先が弱く着色しているだけで、本の記述とはかなり異なり、また、今回の個体とも異なります。変異の範囲なのか、別種なのかよく分かりません。原記載論文や他の論文も調べないといけないかもしれません。クサカゲロウは調べれば調べるほど、分からなくなる虫ですね

廊下のむし探検 今頃はカメムシが多い

廊下のむし探検 第419弾

今頃になると、マンションの廊下にはカメムシがたくさん現れます。特に、クサギカメムシ、マルカメムシ、ツヤアオカメムシが多いのですが、あまりに多いので、今日は省略。それ以外のカメムシたちです。



まず、こちらはオオホシカメムシです。階段の手すりの柱に止まっていました。



それからいつものマツヘリカメムシです。廊下の手すりの下に止まっていました。



それと廊下にいたオオトビサシガメ



壁に止まっているホソヘリカメムシ



それに、廊下にいたカメムシです。ホソハリカメムシかなと思います。あるいは、ハリカメムシの方かもしれませんが。それにしてもカメムシのオンパレードですね。



これもカメムシ目の仲間で、アオバハゴロモです。目を見るとちょっと眠そうですね。



小さいテントウです。似た種にコカメノコテントウがいますが、おそらくヒメカメノコテントウの方かなと思います。ひっくり返して、腿節の色を見ればよいことを後で知りました。



これはこの間もいたオオアメバチかなと思います。ついでに、横からも写しておきますね。



なかなかスマートな体をしています。



ゴキブリの幼虫です。チャバネゴキブリとの違いがはっきりしないのですが、ネットを見ているとモリチャバネゴキブリの幼虫に似ています。



これはセスジササキリモドキだと思います。



外壁に黒い塊が止まっているなと思って近づくと、このクヌギカレハでした。どうもカレハガは気持ち悪くて仕方ありません。



これはエグリヅマエダシャクです。



これはウスキツバメエダシャクでしょうね。



これはマメノメイガですが、天井の面から立ち上がるような角度で止まっています。横から撮ると



こんな感じです。こういう止まり方も何か意味があるのでしょうね。



最後はこの毛虫です。外壁に1cmほどの小さな毛虫がいっぱいついています。以前、教えていただいたヤネホソバとはちょっと違うようです。何か分かりません。

廊下のむし探検 ツチハンミョウ、ヒメヤママユなど

廊下のむし探検 第418弾

今日の「廊下のむし探検」の結果です。数はそれほど多くはなかったのですが、名前調べの難しい種が多かったです。まだ、分からないものもいるのですが、とりあえず出すことにします。



今日の最初はこの虫です。マンションの外壁に止まっていました。体長9.2mm。かなり小さいですが、ツチハンミョウです。昨年は10月30日に初めて見ているので、今年はちょっと早目です。この辺で見られる種類としては、ヒメツチハンミョウとキュウシュウツチハンミョウがいるので、いつものように触角を調べてみました。





触角の途中にこんな塊のあるのは♂の方です。触角第1節と第2~4節の長さの和を比較して、ほぼ同じならばヒメ、第1節のほうが明らかに短ければキュウシュウということになっています。上の写真では明らかに短いです。また、第7節が心臓形はヒメ、腎臓形はキュウシュウです。写真ではあまりはっきりとは分かりませんが、少なくとも心臓形ではなさそうです。ということで、どうやらキュウシュウツチハンミョウのようです。キュウシュウを見たのは初めてです。



これはヤサイゾウムシです。ブラジル原産の外来種で、野菜の害虫です。



フタモンクサカゲロウのようですが、小腮鬚と下唇肢が部分的に黒いこと、触角の柄節の外側が褐色になっている点、胸部の側辺の模様などが違います。というので、どうやらフタモンではなさそうです。早速、塚口茂彦著"Chrysopidae of Japan (Insecta, Neuroptera)"(1995)の検索表を使って、検索をしてみました。その結果、ニセコガタクサカゲロウ属のクロヒゲフタモンクサカゲロウにたどり着きました。(追記:口肢が強く色づくというところから、クロヒゲフタモンを選んだのですが、頬の模様はむしろミナミクサカゲロウに似ています。ミナミの説明を読むと、小腮鬚第3節の基部側面が色づくというので、ひょっとしたらミナミの方かもしれません。ただ、分布は鹿児島、沖縄なので合わないのですが。もう少し検討してみます)(追記:上記の本の説明を詳細に見てみました。口肢の色、頬の紋の位置、翅脈の色など、ほとんどクロヒゲフタモンと一致します。おそらく、クロヒゲフタモンクサカゲロウでよいのではないかと思っています



これはアメバチの仲間です。中胸背に目立った模様がありません。これも以前用いた検索表を用いて調べてみました。結局、オオアメバチではないかというところです。



これはアオバハゴロモですね。



それにオオホシカメムシです。

蛾もいろいろといました。



壁にかけてある消火器の裏にいました。ヒメヤママユです。よく見ないと分からないようなところに潜んでいますね。昨年は10/15と10/22に見ていました。ちょうど今頃なのですね。



これはワイギンモンウワバです。銀色の模様がY字型なので付けられた名前でしょうね。昔は普通に見られたのですが、どういうわけか「廊下のむし探検」初登場です。



こちらは以前から見ているニジオビベニアツバです。



これはいつものエゾギクトリバです。



そして、これはまた別の種です。翅の中央部分の下に大きな黒い三角形が見えています。これは第3羽状翅の先端に付いている鱗粉塊です。この特徴からおそらくブドウトリバだなと思うのですが、後胸背面の白い部分があまり顕著ではありません。ひょっとすると、イッシキブドウトリバの方かもしれません。



翅の模様はパッとしないのですが、縁毛が薄茶色だったり、触角の先端が白かったり、立派な下唇鬚があったりと、何となく魅力的な種です。でも、図鑑を何度見ても見つかりません。



最後はクモですが、これも名前が分かりませんでした。名前調べは結構大変ですね。

追記:今日は写真がちょっとスランプでした。最初のツチハンミョウの写真、触角に一様にピントが合うように撮るのに、実に40枚も撮るはめになってしまいました。オートフォーカスだとどうしても背景や脚に合ってしまうし、マニュアルフォーカスだと対象が小さ過ぎて合っているかどうかも分からないし・・・。結局、3度も出直して撮影しました。それから、クサカゲロウの顔の拡大写真がまったくうまくいきません。実体顕微鏡下、深度合成の方法で撮影しているのですが、背景との境界部分が汚くなってしまい、特に口肢の部分がよく見えなくなってしまいます。背景を変えたり、照明を変化させたりして、何度も撮り直しているのですが・・・

今日はその他に地域の文化祭の展示のために、カメムシを標本にして標本箱に入れました。特に、標本にしようと思って捕まえていたわけではなかったのですが、何となくたまっていたものを整理したのです。だから展足などはしていないのですが、全部で60匹もあってなかなか大変な作業でした。

廊下のむし探検 蛾、カメムシなど

廊下のむし探検 第417弾

気温は下がってきたのですが、まだまだ虫はいそうです。昨日の「廊下のむし探検」の結果です。この日は常連さんが多かったのですが、意外に初めての蛾もいました。



今日の最初はこれにしました。ちょっと変わった色と模様ですが、キンウワバの仲間です。ウリキンウワバとモモイロキンウワバという似た種がいるのですが、外横線が二重で繊細な波状なのは前者だということなので、ウリキンウワバの方だと思います。昨年も10月23日に見ています。今頃なのですね。



模様がやけにはっきりしていますが、アオアツバだと思います。



これはオオバコヤガで良いのでしょうね。この手の蛾はなかなか分かりにくいです。(追記:コウスチャヤガとオオバコヤガについては、14/10/17のブログで通りすがりさんの見分け方を書かせていただきましたが、それによると、翅色が薄く、環状紋が円からやや崩れ、亜外縁線が内側に3回屈曲しているところが何となく見えるので、オオバコヤガのようです)(追記:亜外縁線で見るのが何となく分かりやすい感じです



白い蛾がひらひらと飛んでいたので、止まるまで待っていたら、私のすぐそばに止まりました。写真を撮ってもらいたかったのかな。クロミスジシロエダシャクです。「廊下のむし探検」初登場です。



カバナミシャクは似た種が多くてなかなか分からないのですが、翅端に白点があって、後胸にもあるので、シロテンカバナミシャクかなと思ったのですが、自信はありません。



ヘリオビヒメハマキかなと思ったのですが、一応、捕まえてきて調べたら今回も♀でした。♂だと似た種の間で識別がつくのですが・・・。

後はカメムシが多かったですね。



マルカメムシ、この日はずいぶん多かったです。廊下を歩くと、数十センチに1匹くらいの割合くらいでいたかな。ともかく多かったです。



クサギカメムシも出てきました。



これはアオモンツノカメムシです。



それにマツヘリカメムシ



おそらく、ヒメナガカメムシだとは思うのですが、「日本原色カメムシ図鑑第3巻」を見ると、似た種もいろいろといるようです。



ナナホシテントウです。これからはテントウムシもよく見るようになるので、ここに入れておきます。



ゴミムシの仲間だと思うのですが、名前は分かりませんでした。



クロオオアリですね。



最後はコカマキリです。脚の模様がよく分かりますね。

クサカゲロウ科の検索-ヨツボシクサカゲロウ

最近、マンションの廊下でクサカゲロウをよく見かけます。その名前をきちんと調べてみたいなとつねづね思っていました。クサカゲロウについては、塚口茂彦著"Chrysopidae of Japan (Insecta, Neuroptera)"(1995)という本があります。今回、それをお借りすることができました。この本は日本産43種についての検索表や、種の詳しい説明、それに、詳細な図が載っており、大変素晴らしい本です。

そこで、早速、そこに出ているクサカゲロウ科の検索を実際に試してみました。





試料は昨日採集したヨツボシクサカゲロウです。まず、ヨツボシクサカゲロウというのはこんな虫です。顔の両側に2つずつ黒い点があるので、ヨツボシクサカゲロウと呼んでいます。この個体で検索表を使って本当にヨツボシクサカゲロウに到着するかどうかを試してみます。なお、素人がやっていて間違っているところも多いと思いますので、そのつもりで見てください。



まず、この本によれば日本産クサカゲロウ科には上のような種がいます。クサカゲロウ科は大きく分け、クサカゲロウ亜科、アミメクサカゲロウ亜科に分かれます。さらに、クサカゲロウ亜科はクサカゲロウ族、ヒロバクサカゲロウ族、フトヒゲクサカゲロウ族に分かれ、それぞれがさらにいろいろな属に分かれます。

まず初めに、亜科への検索を行います。



原文は英語なのですが、私のつたない語学力で訳してみました。はっきりしないところは元の単語も載せています。亜科への検索は翅脈について行います。



これは先程のヨツボシクサカゲロウの前翅ですが、本に従って翅脈と翅室に名前を付けてみました。ここで、疑問に思うのはPsmとPscという馴染みのない翅脈です。この解釈にずいぶん時間がかかってしまいました。結局、J. H. Comstockの"The Wings of Insects"(1918)という本に載っていました(ここから一部ダウンロード可能)。



クサカゲロウの翅脈は上図のように見かけ上名前を付けることができます。ここで、M'とCu1'と書いた翅脈に注目してみます。これは通常ではM脈、Cu1脈と付けたくなるのですが、蛹の中での発生期の翅脈を見ると、M脈もCu1脈も共に一本の脈としては発達していないことを、Tillyard(1916)が見つけました。(追記:Tillyardの論文は、R. J. Tillyard, Proc. Linn. Soc. New South Wales 41, 221 (1916)で、この雑誌はpdfがここからダウンロード可能



これはその時に載せられていた図ですが、図aは発生期の翅脈です。R系、M系、Cu系の脈が重なり合って、M'脈とCu1'脈を作り上げていることが何となくうかがえます。それを使って解釈したのが図bです。M脈は根元近くからM1+2とM3+4の2つの脈に分かれ、さらに、Cu1脈に重なりながら、最終的に翅端に到達します。このように、見かけ上、M脈、Cu脈だと思っていた脈はいろいろな脈が重なりあって作られているというので、TillyardはPseudo-media M'とPseudo-cubitus Cu’と名づけました。これを、現在ではその頭文字を取って、Psm、Pscと呼んでいるようです。

さて、検索表では前翅Sc領域の基部に1横脈があるということですが、Sc領域はSc areaを私が勝手に訳したもので、ScとRに挟まれた領域を指しています。これに、Sc-Rという横脈が基部にあるかないかがアミメクサカゲロウとクサカゲロウを分けるポイントになっています。Fig. 1では確かに横脈があります。そのほか、M脈が屈曲し、分岐しているというのは先程の発生期の翅脈を見て解釈するとよく分かります。PsmとPsc脈が離れているかどうかは相対的な話ですが、アミメクサカゲロウではこれが接近して長く続いているので、それに比べると離れているという意味です。これでクサカゲロウ亜科になりました。



次は族への検索ですが、Fig. 1を見てim室が三角形に近いこと、m3室が分かれていないことはすぐに分かります。大顎と口肢については次の図を見てください。





大顎はFig. 2のように見えることは見えるのですが、幅が広いのか、あるいは、非対称なのかというところまでは見えません。口肢についてはFig.3に小腮鬚を載せていますが、先端が切断状でしょうか。また、C領域はC脈とSc脈の間の部分ですが、これがあまり広がらないというのは、ヒロバクサカゲロウとの比較の問題で、多分、これは広がっていないのでしょう。ということで、クサカゲロウ族にたどり着きます。


追記:この検索表では、ニセコガタクサカゲロウ属(I)はセホシクサカゲロウ、コガタクサカゲロウ属(II)はカオマダラクサカゲロウ、ヒメクサカゲロウ属(II)はヤマトクサカゲロウを指しています

次は属への検索です。検索表の1の第2腹節の構造は次の図を見てください。



第2腹節にも特に構造は見られません。それで、3に飛びます。頭部に紋があるので、7に飛びます。7の紋が触角直下の縫合線に接続するかどうかは次の図を見てください。



これは触角直下の拡大図ですが、縫合線と黒い紋が接していることが分かります。これで、クサカゲロウ属に到達しました。



種の検索は♂については詳しいのですが、今回の試料は後で載せるように♀でした。従って、♂の表記を飛ばして読むと、頭頂に紋がなく、頭部に4-5個の黒紋があることで、無事、ヨツボシクサカゲロウになりました。



最後に、腹部末端の側面からの写真も載せておきます。こういう形は♀のようです。

というように紆余曲折しながらも、ヨツボシクサカゲロウになんとか辿りつけたようです。♂はもう少し見るところが多いので、今度は♂についても挑戦してみたいと思います。

廊下のむし探検 まだまだ虫はいます

廊下のむし探検 第416弾

10月も半ばを過ぎ、虫がいそうになくなりますが、そこは我がマンション、まだまだ虫は健在です。今日の「廊下のむし探検」の結果です。



今日もまた、ノコメエダシャクからです。6階の外壁に止まっていたので、廊下から身体を乗り出すようにして撮影しました。外縁部の凸凹がはっきりしているのと、外横線が線状になっているので、いままでのヒメノコメエダシャクではなくて、オオノコメエダシャクだと思われます。いずれにしても、腹は重力の方向に向いています。それにしても、毎日のようにノコメエダシャクがいますね。



廊下には淡い色のアオシャクが止まっていました。ヒメカギバアオシャクです。何となく優雅な感じですね。



それ以外のシャクガは、ヒロバウスアオエダシャク



ナカウスエダシャクでした。



この蛾は「廊下のむし探検」初登場です。ヤガ科のオオカブラヤガです。図鑑には、年1回10月発生と書いてありますが、実際、これまで採集した個体はいずれも10月でした。



似たような種が多くてあまりはっきりしないのですが、いつものオオバコヤガかなと思います。ちょっと色が濃いような気がしますが・・・。(追記:通りすがりさんから、「オオバコヤガではなくて、コウスチャヤガのメスっぽいですね。」というコメントをいただきました。♂では触角に明らかな違いがあるのですが、実のところ、♀では両者の違いはよく分かりません。もう少し勉強しなくては・・・)(追記:通りすがりさんから、個人的な見分け方だとして、次のような詳しい説明を頂きました。

翅色が濃いもので環状紋が円形で小さめ、腎状紋の中央を中心に明るい色、亜外縁線は翅頂付近のみ鋭く内側に折れ曲がる傾向があり、その後の外側で折れ曲がる頂点はほぼ翅脈と重なり、その後の亜外縁線は緩やかに2回内側に曲がるものがコウスチャヤガ

翅色は薄いものが多く、環状紋がやや楕円か大きな円形で翅脈に接して円形が崩れ、亜外縁線はコウスチャヤガより緩やかな曲がり方で3回内側に曲がるものがオオバコヤガ

この説明と比べると、この写真の個体は、翅色が濃く、環状紋が丸く、亜外縁線は翅頂付近のみ鋭く内側に折れ曲がる点が見えるのでコウスチャヤガらしいことが分かりました。また、かすかに見える触角が両櫛歯状(♂の特徴)ではないので、♀ということになります




こちらはスカシコケガです。玄関のガラスに止まっていたのですが、フラッシュをたかないと本当に透けているような感じでした。



翅に黒い2つの点。チャドクガです。年2回7月と10月に発生します。7月の時は♂はこげ茶、♀は黄色で区別がつきやすいのですが、10月には両方共黄色になって区別がつきにくくなります。♂は毒毛は持っていないのですが、いずれにしても注意した方がよいですね。



奇妙な形をしていますが、ハマキガの仲間です。おそらくチャハマキだと思います。



それから、いつものエゾギクトリバです。

次はカメムシです。



今頃になるとこのマルカメムシをたくさん見ますね。



それに、普通種になってしまったマツヘリカメムシです。ほとんど毎日のように見ています。



おそらく、オオモンシロナガカメムシの5齢幼虫だと思いますが、自信はあまりありません。



今頃のクサカゲロウです。顔の模様で見分けますが、スズキクサカゲロウですね。



それにヨツボシクサカゲロウです。





最後はアメバチの仲間です。以前、アメバチの検索をしたことがあったのですが、もうすっかり忘れてしまいました。前翅に途切れた脈があるので、おそらくOphion属でしょうね。

夏にマンションの集会室で「むし展」を開いたことがきっかけで、この11月初めに地元の小学校で開かれる地域の文化祭にも出展することになってしまいました。初め、1ブースを予定していたのですが、昨日、電話があり、教室を一つ用意したので、もうお一方と半分に分けて使ってほしいとのこと。だんだん話が大きくなってしまい、ちょっと心配です。

廊下のむし探検 ヒメノコメ、今度は横向き

廊下のむし探検 第415弾

夏に「むし展」を開いたせいか、最近はマンションの住民によく声をかけられます。「虫はもういないでしょう」って。その言葉の通り、台風が過ぎ去って急激に寒くなったので、見るからに虫の季節ではなくなりました。昨日の「廊下のむし探検」の結果です。



最初は、この間から出ているヒメノコメエダシャクです。右に傾き、左に傾き、天井に止まり、と続いたのですが、今度は壁に真横に止まっていました。当然、重力にしたがって腹は下に曲げています。どうやら、壁に止まった時は重力にしたがって腹を曲げるというので間違いなさそうです。これに対して、天井に止まっているときは、無理に左右に曲げているようです。いずれにしても遠くからみると、枯れ葉の切れ端のように見えて、まず、蛾には見えません。これも1種の擬態なのでしょうね。



似た種にアシベニカギバとオキナワカギバがいていつも迷います。後者はもともと南方系なのですが、「標準図鑑」には本州(三浦半島、大阪府)が挙げられていて、さらに、北上している可能性があるということなので、大阪に住んでいる私としては無視できません。外観上の区別点は、前翅外縁中央部が出っ張るかどうか、横脈点が「く」の字になるか点になるかというところです。出っ張って、「く」の字だとアシベに、そうでないとオキナワになります。この写真の個体は外観上はオキナワに近い感じですが、いつも、ここからが進みません。とりあえず、オキナワカギバにしておきます。

ムラサキトガリバは山のようにいるので、今日はパスします。



外壁の床に近い部分に止まっていました。セスジナミシャクです。いつもこの模様を見ると感心してしまいます。どうやってこんな模様を設計したのだろうかと。



そのすぐ横にいました。完全に背景に溶け込んで、初めはまったく気が付きませんでした。おそらく、ナカウスエダシャクだと思います。



この季節、こういう色の蛾が増えています。たぶん、オオバコヤガだと思います。これは模様がまだはっきりしていますが、



こうなると何だかさっぱり分かりません。でも、おそらく、同じオオバコヤガかなと思っています。



それから問題の種です。似た種がいろいろあるのですが、今頃はヘリオビヒメハマキとハラブトヒメハマキという2種の可能性があるということを、以前、ご指摘を受けました。♂の後翅基部を見ると区別できるので、この日は採集してきました。でも、♀でした。結論はちょっとお預けです。



外壁にルリタテハが止まっていました。蛾ばかりを見た後だと、実に鮮やかですね。壁に口吻をさして、しきりに何かを吸おうとしています。隙間に水でもたまっているのでしょうか。(追記:通りすがりさんから、ミネラルを摂取しているというコメントをいただきました



トビケラは写真だけ撮って、名前調べの方はちっとも進みません。そのうち、そのうちとは思うのですが・・・。



ちょっと得体のしれない虫です。おそらくトビケラだと思うのですが・・・。これまで、5月に1回、7月に2回見ています。(追記2018/02/02:これはホソバトビケラ科のホソバトビケラかその辺りの種だと思われます



ハチも現在はお手上げ状態です。これはこの間見た種と同じようです。中胸背に模様があるので、この間はそれを手がかりに探したのですが、やはり分かりませんでした。



最近、クサカゲロウが気になっていて、見つけると顔を拡大しているのですが、たいていはスズキクサカゲロウですね。口の周りにある小腮鬚、下唇鬚が黒くて、頬に黒い丸があるので分かりやすいです。



そして、いつものカネタタキ



それにこのゴミムシです。前胸後縁の両側に特徴的出っ張りがあり、中央に凹んだ線が入っているので、それを手がかりに、琵琶湖博物館の「里山のごみむし」で探してみました。ノートパソコンの画面の左側にこの写真を右90度回したものをおき、右側に「里山のごみむし」の標本写真を置いて、矢印を押しながら次々と比べていくので、大変楽だし、また、面白いです。最終的には、ヒョウゴマルガタゴミムシかなと思ったのですが、決め手はありません。



最後はこのクモです。この間から何度か出ていますが、おそらくコクサグモではないかと思います。

廊下のむし探検 天井にヒメノコメエダシャクが・・・

廊下のむし探検 第414弾

台風一過とはいかずに、相変わらず厚い雲で覆われていたのですが、台風の後は一応歩いてみようと思って、昨日朝、マンションの廊下を歩いてみました。

私は大阪北部に住んでいるのですが、それにしても一昨日の台風はちょっと妙でした。台風が淡路島にいたころから、それまで猛烈だった雨や風が急にやみ、一転して静かになってしまいました。ひょっとして台風の目かなと思ったのですが、まだ、淡路島。その後、台風は大阪南部に上陸して、紀伊半島を横断するのですが、ずっと静かなままで、雨がしとしと降っていました。台風がこんなに近くを通ったのは久しぶりだったのですが、ちょっと意外でした。

さて、マンションの地下駐車場にまたヒメノコメエダシャクがいました。この蛾はなぜか斜めに止まって、腹を右や左に曲げます。先日出した写真をもう一度出してみますと、





こんな感じです。右に傾くと腹を右に曲げ、左に傾くと左に曲げています。どうやら重力の方向によっているようです。それでは天井に止まった時はどうなるのでしょう。そんな疑問が湧いてきました。この日、ちょうど天井に止まっていた個体を見つけました。





同じ個体を斜め前と横から撮ったものです。重力に従うのなら下に垂れるはずですが、やはり横に曲げています!腹は一度天井に向かい、その後、少し下りながらも急に右側に曲がっています。でも、よくよく見ると、蛾は天井に対して平行に止まっているのではなしに、心持ち斜めに止まっているのです。翅の影の大きさを見ると分かりますが、右側の翅の影は左側の翅の影より大きくなっています。これは右側の翅を少し天井から離して止まっていることを意味します。

壁に止まるときは実際斜めに止まるのですが、天井に止まるときは天井の面に対して少し斜めに止まっているようです。そして、下側になった翅に向かって腹を曲げていることになります。翅の傾きは僅かなので、これは重力の影響というわけではないですね。かなり筋肉を使って曲げていることになります。なぜ腹を曲げるのかということに関しては、星谷 仁さんの面白い仮説があります。そちらを御覧ください。



廊下の天井付近に恐ろしいような、やや大きめの蛾が止まっていました。図鑑を見るとピタリというわけではないのですが、模様の変異が多いというので、おそらくクヌギカレハだと思います。カレハガの幼虫は毒を持っています。成虫は大丈夫だと思うのですが、ちょっと触る気がしませんね。



ムラサキトガリバは相変わらずあちこちにいました。去年はこんなにいたかなぁと思ってしまいました。



同じ蛾でもクヌギカレハに比べるとずいぶん優雅な感じがしますね。これはウスギヌカギバです。



地下駐車場入り口の天井に止まっていました。クビシロノメイガです。触角が途中で折れ曲がっています。「標準図鑑」にはこんな説明がありました。「♂の触角基部から中央部までは黒褐色の微毛状。中央部に黒褐色の毛束をもち、その先は灰色の糸状。」、まさにそんな感じがします。



エゾギクトリバもこの日は3匹いました。



地下駐車場には相変わらずガガンボがいっぱいいるのですが、その他にもこのクヌギカメムシも10匹ほどいました。クヌギカメムシにも何種かいるのですが、これまで調べた時はいずれもヘラクヌギカメムシだったので、今回もそうでしょう。



そして、定番のクサギカメムシ。これから冬になってくるとどんどん増えてきます。



カネタタキもよく見ます。これは♂の方ですね。



そして、ズグロオニグモ



それにミスジハエトリ

結局、台風の風に乗ってやってきた南国の虫はいませんでした。

廊下のむし探検 2年間のまとめ

廊下のむし探検 第413弾

「廊下のむし探検」を始めてから一昨日でちょうど2年になりました。マンションの廊下にどんな「むし」がいるだろうか。ともかく、どんな虫でも調べてやろうと思って、軽い気持ちで始めたブログが、どんどん内容が膨らんでいきました。さらに、皆様の助けをお借りしながら、少しずつですが、知識も深くなっていったような気がします。

1年目もまとめたのですが、この2年間で見られた「むし」についてまとめてみました。これまで見た種で名前がだいたい分かったものは全部で1355種になりました。分類別に主なものをあげると次のようになります。



一番左の欄は分類の目の名称です(カメムシと蛾・蝶は違います)。2番目の欄はこの2年間に見られた種類数、3番目は初めの1年間に見た数です。この2年目でどれだけ増えたかを示すために1年目との比を次の欄に載せています。蛾はかなり網羅的に調べているので、この数字が基準になると思います。1年目に比べると、2年目はやはり少し数が減り、2倍にはならず、1.6倍になりました。これに比べ、他の目ではだいたいこの数字を越えています。これは、少し名前が分かるようになったことを意味しているのではないかと思っています。特にハエ、クモあたりはかなり増加しています。

一方、これらの種類数が全体としてどのくらいのレベルなのかは、大阪府のデータと比較すると分かります。ちょっと古いですが、大阪府野生生物目録(2000)に載っている数字がその次の欄に載っています。また、それとの比がその次の次の欄に載せています。蛾はだいぶ頑張ったので、大阪府全体の約1/3になりました。カメムシはもっと多くて約1/2です。これに対して、甲虫は約1/6とまだまだの感じです。

ところで、チャタテムシを見ると、比が1になっているので、あれっと思って種名を比べてみると、それほど一致していません。おそらく大阪府でもあまり調べていないのだろうと思って、今度は日本全体の種類数を日本産生物種数調査からとってきました。それが最後の欄です。大阪府のデータは、チョウやトンボは5割に達し、蛾でも4割ほどありますが、チャタテムシでは1割にも満たないことから、調査があまりされていないのだろうと推測がいきます。チョウやトンボはあまりマンションにはやってこないので諦めるとして、甲虫、ハエ、ハチ、クモあたりをもう少し頑張ってみようかなと思っています。

最近の1年間で印象に残った虫を少し集めてみました。








まず、蛾です。左上から、オオシモフリスズメ、エゾヨツメ、フシキキシタバ、ナカモンカギバです。オオシモフリスズメやエゾヨツメは久しぶりに見れて嬉しかったです。フシキキシタバやナカモンカギバは珍しい蛾です。








左上から、タチバナチビチョッキリ、ナミガタチビタマムシ、ダンダラカッコウムシ、オオシロカミキリです。タチバナチビチョッキリは初めて見ました。チビタマムシは顕微鏡で詳しく調べました。カッコウムシなんて名前の虫がいるのを初めて知りました。オオシロカミキリは立派でした。








左上から、オニアシブトコバチ、キボシマルウンカ、ウロコチャタテ、ウスグモスズです。こんな変わったハチがいるなんてちっとも知りませんでした。キボシマルウンカはてっきりテントウムシの仲間だと思いました。ウロコチャタテは顕微鏡で調べ、それからすっかりお馴染みの虫になりました。最後はウスグモスズです。ちょっと面白い話がありました。

さて、ブログを書いていくと、内容がどんどん増えていくのですが、昔のデータをいかに活用したらよいかという点にはいつも悩まされます。今更整理するには記事や写真が多すぎるし・・・。ということで、データベースとして活用できないかと考えました。種名や画像で見て、この時にどんなことを思ったのかとか、どんな資料を調べたのかとか、また、どんなコメントがあったのかなどがすぐに見られるようにして、データベースとして活用すればよいのではと思ったのです。

そこで、「廊下のむし探検」付録のホームページに、種名索引と画像リストをつくり、種名や画像と同時にブログの日付をいれてリンクを貼ることで、Yahooのメモリが壊れない限り、いつでも昔のブログが見れるようになるのではと思っています。でも、Yahooのメモリが壊れない限りというところがちょっと心配ですね。

廊下のむし探検 台風直前の虫

廊下のむし探検 第412弾

台風19号が接近している大阪からの「廊下のむし探検」です。今日は台風が来るというので、午前中にマンションの廊下を歩いてみました。ひょっとして台風を避けて来ている虫でもいるかなと思ったからです。



今日の最初はこの蛾です。大変、派手な模様です。似た種もあるのですが、翅の前縁が黒くないので、シラオビアカガネヨトウだと思います。もし、前縁が黒いならば、マエグロシラオビアカガネヨトウというやけに長い名前の蛾になったのですが・・・。図鑑によると発生時期が6-8月というのでだいぶずれていますね。(追記:通りすがりさんから、発生時期については生態が把握しきれていない可能性があるというコメントをいただきました。MSWiさんからは、翅の前縁部分を折りたたんでいるので、背側からの写真では区別点の部分が見えない。したがって、時期の合っているマエグロの方かもしれないというコメントをいただきました。写真では確かに前縁の部分が見えていません。これは失敗撮影でしたね



こういう模様のはっきりしない蛾が最近多いですね。オオバコヤガあたりかなと思うのですが、よく分かりません。



ヒメノコメエダシャクがまたいました。今度は左側に傾いていて、腹は左に曲がっています。やはり重力の方向に曲がるのかもしれませんね。でも、あえて斜めに止まるのはそれを意識したのかもしれません。遠くから見た時は蛾だとは思わず、枯れ葉かなと思ってしまいました。やはり、星谷 仁さんの左右非対称にして、天敵の目をくらますという説は合っているかも・・・。



これはシロオビノメイガですね。



相変わらず、地下駐車場にはガガンボがいっぱい。その他に、ムラサキトガリバも3匹いました。



小さいのであまり熱心に撮影しなかったら、実は、変わった形をしていますね。トビケラの仲間でしょうか。



これはベッコウハゴロモですね。



すっかり普通種になってしまったマツヘリカメムシが今日もいました。この日だけで2匹。本当に多いですね。



ツヤアオカメムシもたくさんいます。



顔を見てみると、これはスズキクサカゲロウのようです。どうやら数種のクサカゲロウが来ているようですね。



カネタタキは台風でも避けているのでしょうか。こんな格好でじっとしています。



最後は毛虫です。蛾類幼虫図鑑で見たのですが、残念ながら分かりませんでした。(追記:通りすがりさんから、セスジヒトリの幼虫かもしれないというコメントをいただきました。「標準図鑑」を見ると、近畿、四国北部、熊本などの都市近郊で見つかっているので、国外からの侵入種の可能性があるということです

外では風がゴウゴウと音を立てています。もうすぐ、大阪に台風がやってくるのですね。

廊下のむし探検 ヒメノコメエダシャクほか

廊下のむし探検 第411弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。この日はちょっと面白い蛾がいました。



似た種にオオノコメエダシャクという蛾もいるのですが、外縁部の突出が少なく、外横線が翅脈上で点列になっているので、ヒメノコメエダシャクの方かなと思っています。腹を上に持ち上げる格好で止まる蛾は多いのですが、この蛾はなぜか横に曲げます。昔、どちらに曲げるのが多いか調べたことがあったのですが、結果は忘れてしまいました。この写真の蛾の場合は単に重力の方向のような気もするのですが、それなら、なぜあえて斜めに止まる必要があるのでしょうね。(追記:星谷 仁さんから、左右非対称にすることで天敵の目をくらますという、面白い仮説を紹介して頂きました。詳細はコメントを御覧ください



色が薄いのですが、いつものコヨツメアオシャクです。



エゾギクトリバがまたいました。いつ見ても変わった格好の蛾ですね。



ちょっと変わった模様です。あの黒い点はおそらく鱗粉が盛り上がってできているのでしょう。模様がはっきりしているようで、はっきりしないので、だいぶ迷ったのですが、おそらく、ハマキガ科のセウスイロハマキではないかと思います。



綺麗な蛾ですね。ギンモンシマメイガといいます。これは腹を上に向けて止まっています。



野外ではよく花に来ているところを見ます。マンションにはそれほど多くはやってこないのですが、シロオビノメイガです。



これはネグロシマメイガ



そして、いつものクロテンハイイロコケガ



それに、ソトウスグロアツバです。虫が減ってくると、普段、あまり写さない蛾も写してしまいますね。





最後は一昨日から出始めたムラサキトガリバです。翅にある黒い筋が目立ちますね。個体によっては白い縁取りがあるのもありますが、先日拡大してみたところによれば、先半分が黒い鱗粉が盛り上がっている隣に白い鱗粉が並んでいるのが原因みたいです。

廊下のむし探検 ウスグモスズ、甲虫ほか

廊下のむし探検 第410弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。この日は思いの外たくさんの虫がいました。今日の最初はこの虫からです。





これはウスグモスズというヒバリモドキ科の虫で、8月終わりから何度か紹介しています。翅が長いので長翅型ですね。ネットで調べていたら、面白い話が載っていました。この虫は「日本で発見された日本でしか確認されていない外来種」というのです。なぜ外来種かというと、初めて見つかったのが都会の真中の東京渋谷だったから。

このときの記載論文が見つかりました。発見したのは古川晴男氏という渋谷に住んでおられた昆虫学者なのですが、1966年9月、自宅の庭のクリの木に奇妙な虫がいるのを見つけました。よく探すと7匹もいて、地上から2mほどの高さの枝にとまり、お互い同士5-50cm離れて縄張りを張っているようです。この虫は昼行性でも、夜行性でもなく、夜明けと夕方だけ動き回るとのことです。

詳しく調べると、これまで記録されていない新属新種であることが分かりました。そして、色が薄雲のような灰色なので、Usgmosa genjiという学名を付け、1970年に報告しました。その後、しばらくは注目されなかったのですが、最近では関東を中心に分布を広げ、現在では近畿、九州にまで分布しているそうです。2010年には中国の上海でも見つかったという報告がなされました(pdfがダウンロード可能)。この報告では、Usgmosa属はAmusurgus属の亜属として扱われています。ひょっとしたら中国からやってきた外来種かもしれませんが、逆に、日本のものが行ったのかもしれません。

それではその他の虫を紹介します。まずは甲虫から。



今年5月に見た種と似ています。その時はクチキムシ科と教えていただきました。あらためて図鑑を探したのですが、やはり種までは分かりません。採集してきて調べてみればよかったのですが・・・(クチキムシ科は爪が櫛歯状)。(追記:これは以前調べたクチキムシ科のクチキムシかな



サビマダラオオホソカタムシですね。本当によく見ます。



それにオオゾウムシです。

次はカメムシです。



クヌギカメムシがたくさん出てきました。この日だけで10匹あまり。今まで、このマンションではヘラクヌギカメムシしか見ていないので、これもおそらくヘラクヌギカメムシでしょう。写真を撮ろうと思ったのですが、近づくとそわそわし始めました。1枚目は大丈夫だったのですが、



2枚目はこんな感じになってしまいました。



すっかり普通種になってしまったマツヘリカメムシ



それに、ムラサキナガカメムシです。

その他の虫では、



また、クサカゲロウがいました。今度も顔を拡大してみました。



顔の模様、鬚の色など、まさにヤマトクサカゲロウのようです。



名前の分かりそうにない虫も撮ってみました。トビケラの仲間です。



ハエ目。



それにチャタテです。最後の写真、ピントが合わなくて、ちょっと失敗。小さい虫をオートフォーカスで撮影すると、よくこんな風に背景にピントが合ってしまいます。その時に気がつけば良いのですが、たいていは家に戻って写真を見てから気が付きます。たとえその場で気がついても、何度撮ってもうまくいかないこともあります。ちょっと工夫が必要ですね。



てっきりキバガがハマキガあたりの蛾だと思って接写したら、突然、もそっと動き出してびっくりしました。



よく見るとこんな幼虫が入っています。これもミノムシなのでしょうか。



最後はクモです。♂のヤガタアリグモです。上顎を開いたところが撮れたのですが、鋭い牙のようなものが見えます。



最近はこのクモがやたらたくさんいます。小さなクモが動いているなと思うと、たいていこのネコハグモです。

これでやっと蛾以外の虫が終わりました。蛾は次回に回します。

廊下のむし探検 オビガ、ムラサキトガリバなど

廊下のむし探検 第409弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。早く出さないと次々と溜まってくるので、慌てて出すことにしました。



今日の最初はこの蛾です。結構、大型の蛾ですが、何となく丸っこくて、あまりスマートとはいえない感じです。これは、オビガ科のオビガです。日本には1科1種だけいる蛾です。図鑑を見ると全国的に普通の蛾のようですが、マンションでは過去にも何年かに1度程度の割合で見るだけで、あまり見かけません。もちろん、「廊下のむし探検」初登場となりました。



次はこの蛾です。ムラサキトガリバといいます。晩秋に出る蛾ですが、これまでの記録を見ると、10月中旬から11月中旬にかけて見ているようです。今年は少し早めですね。翅の中央に黒い筋が2本入っていますが、そこを拡大してみると、



こんな感じで、先端の黒い鱗粉が盛り上がるように重なって筋を作っています。こんな風に、鱗粉が盛り上がって模様を作るのは、蛾ではよく見られる現象です。



これはクロテンハイイロコケガです。壁に止まっていたので、綺麗に写せました。



これはゴマダラキコケガです。



こちらはゴマフリドクガです。蛍光灯が錆びている部分にまるで保護色のように止まっていました。



キンウワバの仲間はいつ見ても綺麗ですね。これはイチジクキンウワバだと思います。



小さな蛾です。ヤガ科のフタテンチビアツバだと思います。



オオアカマエアツバとニセアカマエアツバを見分けるには、下唇鬚の先端を見ればよいと一つ覚えで覚えていたので、横から撮影したのですが、区別ができるのは♂だけだったのですね。♀はどちらも先端が尖っていると書いてありました。これは♂なのか♀なのかよく分かりませんが、わずかに見える触角からは♀のようでもあり、結局、よく分かりませんでした。



これはクロズウスキエダシャクですね。



それにマエキトビエダシャク



そして、これはナカウスエダシャクです。



それから、問題のハマキガです。ヘリオビヒメハマキなのか、ハラブトヒメハマキなのか。今度、採集して調べてみます!

次からは蛾以外の「むし」です。



まず、カスミカメです。たぶん、ケブカカスミカメ



これはカネタタキの♀ですね。翅がありません。



これはチャバネヒメカゲロウかな。



そして、例によって名前の分からないハチです。そのうち、名前が分かるようになるかもと思って出しておきます。



最後はズグロオニグモです。ズグロというのは頭の黒いことですが、この写真でよく分かりますね。

ウスモンミドリカスミカメを調べる

ちょっと外出したときに、小さなカメムシを見つけました。



こんなカメムシです。ヒメジョオンの花に止まっていました。家に戻ってから調べてみると、コアオカスミカメ、ツマグロアオカスミカメ、それに別属のウスモンミドリカスミカメという、色彩変異の多い3種の可能性のあることが分かりました。

図鑑に書かれている特徴を比べながら調べてみると、どうやら、このうちウスモンミドリカスミカメらしいことが分かりました。そこで、その特徴を顕微鏡を用いてきっちり調べてみようと思いました。「原色昆虫大図鑑III」に書かれている説明をまとめてみると次のようになります。



これを一つづつ調べていきたいと思います。



この写真は表と裏から見た写真ですが、まず、体長は実測すると4.0mmでした。ちょっと書かれている値よりは小さめです。次に、色は淡黄緑色、翅には細かい毛がいっぱい生えています。(追記:写真が露出オーバーだったので、入れ替えました

頭部を見てみます。



これは頭部の拡大写真ですが、頭頂の基部がどこかよく分かりませんが、図の矢印の部分に隆起線があります。これのことでしょうか。



次に重要な特徴である口吻の長さです。口吻が後脚の基節末端より長くなっています。この特徴はウスモンミドリカスミカメの属するTaylorilygus属を特徴付ける一つの特徴になっています。

次は翅についてです。爪状部は上の図の矢印の部分ですが、その末端で左右が合わさっている部分に淡い黒条があります。さらに、革質部にも2本程度の淡い黒縦条があります。また、楔状部は図に示してあるとおりですが、その先端は小さく黒くなっています。さらに、その内側の膜質部にも黒い点がいくつか見えます。ということで、書かれている特徴とだいたい合っているようです。



最後は脚の脛節の棘についてですが、上の写真のように薄い褐色になっています。この特徴もTaylorilygus属を特徴付ける性質です。

というとこで、この個体はコアオカスミカメなどが属するApolygus属ではなく、Taylorilygus属のウスモンミドリカスミカメではないかと思っています。ちょっと調べたついでに、記録として残しておこうかなと思って、頑張ってみました。

廊下のむし探検 カトリヤンマがいた!

廊下のむし探検 第408弾

廊下の虫がどんどん減ってきています。秋が深まってきたのですね。虫の名前調べは楽になってきましたが、ちょっと寂しくなってきました。

そんな「廊下のむし探検」を励ますかのように、昨日、地下駐車場の天井にこんな虫が止まっていました。



横から見ると、



こんな風です。ヤンマはいつもこんな止まり方をしますね。これはカトリヤンマです。地下駐車場にはときどきこんな風にヤンマが止まっていますが、最近はずっと見ていませんでした。カトリヤンマの写真がなかったので、撮影出来てちょっと嬉しくなりました。



同じ地下駐車場の天井にはこんな虫もいました。名前は分かりませんが、ゴミムシの仲間でしょうね。



小さいヒシバッタの仲間です。ヒシバッタも名前がなかなか分かりませんね。



分からないついでにこれも出しておきます。トビケラもまだほとんど手付かず状態で、名前がまったく分かりません。



死んでいるみたいですが、これはチャバネゴキブリですね。似た種のモリチャバネゴキブリは森林に住んでいますが、こちらは家の中に住む方です。最近、家の中に住むゴキブリが増えてきた感じがします。





翅に三角模様がついているので、ヘリオビヒメハマキでしょうね。最近、よく見ます。(追記:MSWiさんから、ハラブトヒメハマキの可能性もあるとのコメントをいただきました。ハラブトがいることをすっかり忘れていました。もう一度、調べてみる必要がありますね

追記2016/01/29:MSWiさんから、「どうも上で変な事を言っていたようで…。少なくとも下はヘリオビ♂でしょう、すみません(笑)。上は微妙ですがやっぱりヘリオビ♀じゃないかな…。」とコメントを再度いただきました。いつもどうも有り難うございます。

自分のコメントを読み返すと、前回コメントを頂いた時に、手元の標本で調べていたようです。その時のコメントを転記すると、「図鑑の説明を読むと、♂後翅基部に特徴があるようです。手元に15年ほど前に作った標本がいくつかあるのですが、そのうち、マンションで捕まえた6♂を調べてみると、すべて楕円形の片状物がついていてヘリオビのようです。吹田で捕まえた1♂には基毛叢があり、クロサンのようでした。ということで、手元にはハラブトはなかったのですが、15年も経っているのでもう一度調べてみる必要がありそうです。どうもご指摘有難うございました。」とのことでした




階段の裏側に止まっていたので、カメラを片手で持って撮影しました。ホソバヤマメイガでしょうね。



これはシバツトガです。あまり、認識していなかったのですが、外来種なのですね。「大図鑑」には、1968年頃に兵庫県三田市千刈ゴルフ場でアメリカのジョージア州からティフトン芝を輸入したときに入ってきたらしく、コウライシバにも発生するようになり、その後、各地のゴルフ場や庭園に広がったと書いてありました。三田市というと、ここと目と鼻の先ですね。



これも死んでいるようですが、サツマヒメシャクです。



それに、最近良く見るヒロバウスアオエダシャク



模様からモンヤガの仲間だろうなと思ったのですが、図鑑で見てもなかなか分かりませんでした。結局、オオバコヤガかなというところです。



色の違うネコハグモが2匹並んでいました。フラッシュをたいて撮影したら、両方ともびっくりしたのか飛び上がりました。これは夫婦なのでしょうか、親子なのでしょうか。



ワスレナグモだと思いますが、よく見ますね。



最後はミスジハエトリです。ハエトリグモもいろいろと見られますね。昨日はこれで全部です。

廊下のむし探検 綺麗な蛾がいろいろ

廊下のむし探検 第407弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。昨日早朝、近畿地方の近くを台風18号が通過したのですが、幸い、私の住む大阪北部は風も雨もあまり強くはありませんでした。従って、台風の後の虫はまったく期待できなかったのですが、一応、午後から歩いてみました。午後になっても台風一過というわけにはいかず、空は雲に覆われ、ときどき雨が降るという天気でした。

この日は意外に綺麗な蛾が多かったです。



今日の最初はこのアオシャクです。前翅の外縁に白い部分があり、これが銀色の筋だというので、ギンスジアオシャクという名前がついているのでしょう。チョウやガの翅は鱗粉一枚一枚が一つの色を受け持ち、それを並べて全体としてモザイクのように色を作り上げるので、こんなグラデーションのついた模様はどうやって作っているのでしょうね。



こちらはニジオビベニアツバというヤガ科の蛾です。いかにも南方系のようですが、結構、寒い地方まで分布しています。7月28日のブログでも紹介したのですが、このとき、うかつにも「大図鑑」で隣に載っていた種の名前を書いてしまいました。今日、見てびっくり。早速、訂正しました。綺麗なので、私の標本箱にも何匹かの標本があります。



一昨日、紹介したトガリバがまたいました。今度もオオアヤトガリバの方だと思います。今回は鳥にやられたようなビークマークがありませんでした。ちょっと翅を拡大してみると、



こんな感じになります。まったく見事な模様です。こんな模様がどうやって作られるのか不思議でしようがありません。

後は普通の色や模様の蛾です。



天井にシロツバメエダシャクがいました。この間もそうだったのですが、普通のエダシャクは天井にピタッとへばりつくように止まっているのですが、この蛾はこのようにぶらさがっています。大きさはだいぶ違いますが、まるで、アゲハ類のような止まり方です。



こちらは普通の止まり方のクロクモエダシャクです。



ヒメシャクはあちこちにいるのですが、たいてい無視しています。これは模様がずいぶんはっきりしていたので写しました。ナミスジチビヒメシャクのようです。



こちらはナシケンモンです。ナシ以外にもいろいろな植物を食べる多食性です。



この蛾にはだいぶ迷いました。いつものクロテンカバアツバと比べると黒点が小さく、筋がはっきりしません。図鑑の隣に載っているホソバカバアツバという種にも似ています。いろいろと悩んだ末、ホソバカバアツバかなと思いました。



鱗粉がだいぶ脱落して模様がほとんど分かりません。良く見るとかすかに模様が見えていて、翅の色合い、翅型も参考にして図鑑や標本箱を探してみたのですが、結局、分かりませんでした。モンヤガかカラスヨトウあたりかなと思っています。



これはソトウスグロアツバです。





この2匹、翅に三角形の黒紋があります。共にヘリグロヒメハマキだと思います。似た種にクロサンカクモンハマキがいるのですが、発生時期が春から初夏にかけてということで除外しました。



切れ切れの翅をもつトリバガの仲間です。エゾギクトリバだと思います。こんな翅だと飛ぶのが大変で、普通よりはるかに速く翅を動かして飛びます。



これは以前教えていただいたヒゲブトハムシダマシですね。



それに、すっかり普通種になってしまったマツヘリカメムシです。北米原産の外来種です。



ヨコヅナサシガメ
の幼虫は少しずつ大きくなっているようですね。



地下駐車場にまたガガンボが大量発生していました。ガガンボは名前を調べようがないので、ちょっとお手上げです。

今日は捕虫網をもって、無紋のクサカゲロウを探してみました。天井や壁に合計3匹止まっていたのですが、フタモン、ヨツボシ、スズキでした。ヨツボシはかなり大きいですね。

廊下のむし探検 蛾いろいろ

廊下のむし探検 第406弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。気候はすっかり秋になったのですが、蛾はまだそこそこいました。今日の最初はこの蛾です。



アヤトガリバかなと思ったのですが、似た種にオオアヤトガリバがいます。両方共、年2化で今頃は2化目が出ている頃です。図鑑によると両者の違いは、アヤトガリバの方が斜めの白線は太くて、後縁にまで達し、さらに、腎状紋、環状紋を縁取る白線がはっきりしているということです。この個体は紋を縁取る白線はよく見えていますが、斜めの白線は細くて、後縁まで達していません。したがって、オオアヤトガリバの方かなと思いました。翅の後角が鳥にでもやられたのか、綺麗に破れています。



「大図鑑」には載っていないわりには、以前、マンションではよく見ました。Neomusotima fuscolinealisという学名で呼ぶしかないので、いつも「ネオムス」と呼んでいました。「標準図鑑」にはカニクサシダメイガという名前がついていました。カニクサというシダに寄生するようです。シダメイガ亜科に入っています。



これはフタスジシマメイガです。



そして、いつものヒメクロミスジノメイガです。



ゴマフリドクガも今頃多い感じですね。あまり近づきたくないですね。



これはヒトリガの仲間でクロテンハイイロコケガです。この日は2匹いました。



後はいつも見ている種が多いですね。これはヒメエグリバ



縁毛が真っ白なので、たぶん、イネヨトウですね。



これはマメチャイロキヨトウです。



これは○○マダラエダシャクです。全体に色が薄いのですが、やはり名前までは分かりませんでした。





それに、アオシャクの仲間で、ヒメツバメアオシャククロモンアオシャクです。

これでだいたい終わりですが、一昨日、外出の際に見た蛾もプラスすると、



オオウンモンクチバと、



ツゲノメイガでした。

廊下のむし探検 カマキリ、甲虫など

廊下のむし探検 第405弾

今日はちょっと暖かかったせいか虫がそこそこいました。それでも風は涼しく、もうすっかり秋になっています。



翅に白い点があって分かりやすいカマキリがいました。ハラビロカマキリですね。顔をちょっと拡大してみました。



こんな顔でした。今日のカマキリは大人しくて、いろいろな方向から撮ってもちっとも動きませんでした。



触角は折れていますが、色合いが淡くて綺麗な虫いました。カネタタキの♂です。これまで♀は何度か見たのですが、今年♂は初めてです。



コオロギもいました。おそらくオカメコオロギの仲間の♀でしょうね。翅と後脚が片方ずつ取れてしまっているようです。今頃の虫はどこかダメージを受けていますね。



クワガタの♀がいました。最近は♀も頑張って名前を調べています。これはコクワガタですね。





翅に焦点を合わせると頭がぼやけてしまうし、頭に合わせると翅がぼやけてしまいます。接写は難しいですね。これは、脚は細いのですが、オオモモブトシデムシだと思います。触角の先端3節の茶色なのがよく分かります。



これは以前からよく見ているケナガスグリゾウムシです。



廊下を歩き始めた当初、虫がいないなと思って、普段撮らないマルカメムシも撮ってみました。



ヨコヅナサシガメの幼虫は以前より少し大きくなっていました。



黒い虫がひっくり返っているなと思って起こしてあげたら、こんなオオゴキブリでした。さっさと歩き始めて、どなたかの玄関の隅でじっとしていました。



最後はこのクモです。マンションにはいっぱいいます。ズグロオニグモです。今日はちょっと綺麗に撮れたので、載せておきます。

蛾は次回に回します。

廊下のむし探検 ムモンクサカゲロウかな

廊下のむし探検 第404弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。10月になって急激に虫が少なくなってきました。9月の追われるような毎日が懐かしいような気さえします。しかし、数が少なかった割には悩む種類が多かったです。今日の最初はこの虫です。





最近、廊下の壁にクサカゲロウが止まっていることが多いので、また、いつものかなと思っていたのですが、一応、写真だけ撮っておこうと近づくと、さっと飛び立ってしまいました。でも、いわゆる「カゲロウ」ですね。ふらふらと廊下を飛んで、また、壁に止まりました。よくみると、翅の横脈が黒くなっています。フタモンかなと思って、顔を接写しました。



顔にまったく黒紋がありません。こうなるとはたと困ります。一応、採集して・・・と思ったら大失敗をしてしまいました。蓋を閉める時に毒瓶の縁で頭部を挟んでしまったのです。触角も切れて・・・。とても、写真に撮れそうにありません。

それでもとりあえず、種だけは調べようと思って、千葉大のページに行ってみました。紋がなさそうなのは、キントキ、ムモン、オオフトヒゲ、クラカタウ、キタオオ、オオ、ヒメオオ、マボロシなど8種もあります。このうち、以前から用いている岡本氏の「本邦産草蜻蛉科に関する研究」(こちらからダウンロード可能)に載っているのは、キントキ、ムモン、ヒメオオの3種です。これによると、キントキは横脈が黒くなく、ヒメオオはかなり大型で除外できそうです。

また、キタオオについては、桑山氏の記載論文(こちらからダウンロード可能)から、やはりかなり大型です。おそらく、オオもそうなのでしょう。オオフトヒゲは体色が黄色で明らかに違います。それで、ムモン、クラカタウ、マボロシが残りました。クラカタウとマボロシは塚口氏の書いた「Chrysopidae of Japan」という自費出版の本に載っているようなのですが、京大、北大あたりの図書館にしか置いていないのでとりあえず手に入りません。

ということで、岡本氏のムモンクサカゲロウの説明と比べることにしました。まず、体長、前翅長は10.5mm、13mmで、説明にある体長10mm、前翅長♂13mm、♀15mmとそれほど大きくは違っていません。書いてあることはほとんど確認できたのですが、小腮鬚が外側のみ黒褐色という点と段横脈が前翅6/7という点だけが違っていました。この個体では、小腮鬚は淡褐色、前翅の段横脈は7/9です。ということで確定はしなかったのですが、とりあえず、ムモンクサカゲロウかなというところです。(追記:通りすがりさんから、「このクサカゲロウは小腮鬚の色から、ムモンではなさそうですね。顔の特徴はクラカタウですが、背面の筋が薄い様な…」というコメント頂きました。もう少し、検討した方がよさそうです



次はこの虫です。オオホシカメムシ科の4齢幼虫だと思います。ただ、オオホシカメムシとヒメホシカメムシの幼虫は似ているので図鑑で調べてみました。「日本産幼虫図鑑」によると、ヒメホシの幼虫は明らかに小型で、腹部の地色と黒色の斑紋の対比がよりはっきりしているので、区別は比較的容易と書かれています。この種は斑紋の対比がはっきりしていないので、オオホシカメムシの方かなと思います。



これはすぐに分かりますね。ベッコウハゴロモです。



こちらは前脛節末端に棘がないので、トゲナシケバエです。おそらくこの間から出ているPlecia membranifera♂だと思います(詳しくはこちらを御覧ください)。



翅に特徴的な白紋があります。マエテンアツバだと思います。



先日もいたチャオビチビコケガです。



それに、よく見るマエグロホソバ♂です。



地下駐車場の天井にぶら下がっていました。先日、ご指摘をいただいたので、今回はじっくり見てみました。触角が櫛歯状なので、間違いなく、シロツバメエダシャク♂ですね。



これもいつも迷うのですが、おそらくアシベニカギバだと思います。



そして、問題の蛾に到着しました。いかにも特徴がないのですが、よく見ると、翅に3つの黒点があります。ミツボシキバガの仲間です。似た種に、ミツボシキバガのほか、ヒマラヤスギ、ヒロバ、エンジュがあります。決め手は黒点がはっきりしているかどうかと、前翅縁毛の色です。この写真もよく見ると、縁毛に白っぽい線が入っています。このことから、ヒマラヤスギミツボシキバガかなと思っています。



腹部が橙色なので写しました。でも、いつものネコハグモでしょうね。若い個体でしょうか。



これはチャスジハエトリです。



そして、最後は定番のムカデです。トビズムカデかアカズムカデかなというところですが、ひっくり返して脚の棘を接写しなければいけないところに抵抗感があります。

廊下のむし探検 クスサンほか

廊下のむし探検 第403弾

一昨日の「廊下のむし探検」の結果です。今回は蛾が中心です。



地下駐車場の天井にクスサンがまたいました。この間も、廊下でクスサンの翅が落ちていたのを見たので、今年はこれで3匹目。今年はクスサンの当たり年かも。例年、クスサンはよく見る年でも2匹程度だったので・・・。今年はいろいろと変な年でしたね。テングチョウが大量発生して廊下を歩くときも手で払いながらだったし、ヤママユがほとんどいなかったし、・・・。



色合いは綺麗な蛾ですが、名前調べにはいつも迷う種です。アシベニカギバとオキナワカギバという似た種がいるからです。オキナワカギバは南方系のですが、近畿南部にはいるので、それらしい個体はこれまでも何匹か来ていました。翅の形や、後翅の色合い、「く」の字の白点などを見ていくのですが、正直、よく分かりません。あまり根拠はないのですが、この写真の個体はアシベニカギバの方かなと思っています。



これは毒毛を持たないドクガの仲間で、スギドクガといいます。名前通り、幼虫はスギやヒノキなどを食します。



これはウスクロスジチビコケガというヒトリガ科の蛾です。「廊下のむし探検」初登場です。



そして、これはこの間からよく出ているウスバフタホシコケガです。



それから、黒点が1個なのでアカホシシロコケガの♀でしたね。そういえば、♂の性標を顕微鏡で見ようと思って、現在2♂を展翅中です。固まるまでもう少しお待ちください。



これはフタモンクロナミシャクです。



これはシロモンノメイガです。黒と白がはっきりしていてちょっと惹かれる蛾です。



こちらはヒメクロミスジノメイガ。似た模様の種がいろいろといるので、あまり惹かれない種です。



最後はナガハマツトガ。蛾自体よりも、「ナガハマ」という語の響きに惹かれます。あれっ、この名前の由来は何だっけ。

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Author:廊下のむし

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