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廊下のむし探検 蛾の巻

廊下のむし探検 第369弾

一昨日の「廊下のむし探検」の結果です。今回は蛾を中心に書いてみます。この日はあまり目立った蛾は見つからなかったので、この蛾から始めたいと思います。





今日の最初はこのカノコガからです。この日は2匹いました。カノコガは、「大図鑑」にはカノコガ科に属しているとされているのですが、「標準図鑑」ではヒトリガ科カノコガ亜科に入っています。カノコガとスカシバガはよくハチに擬態しているといわれています。Wikipediaを見ると、カノコガはフタオビドロバチに似せているということです。ハチに似せることは昆虫ではよく行われていて、ハチ擬態と呼ばれています。アブの仲間、カミキリムシの仲間、それに、これら蛾の仲間がよく例に挙げられています。スカシバガの仲間は本当によく似ていて、以前、廊下の壁に止まっていた時には本当にハチに間違えてしまいました(2014/06/21のブログ参照)。

でも、カノコガは野外でもよく見かけますが、止まっている時に見ても、飛んでいるときに見ても、およそハチに間違ったことはありません。おそらく、捕食者である鳥もすぐに見分けがつくと思うのですが・・・。上田恵介編、「擬態」(築地書館、1999)のコラム欄を読むと、怖いと感じるのは過去の経験によるものではなくて、一種の刷り込みによるものだろうと書かれていました。つまり、黄色と黒の模様は本能的に危険な色と思って、ハチでないと分かっていても、思わず引いてしまう、そんな感覚を利用をしたものかもしれません。



私の蛾嫌いもおそらくそんな感覚によるのでしょうね。スズメガを見ると、相変わらずぞっとしてしまいます。先日は胴体に金色の帯が見えたキイロスズメですが、ちょっと下から撮影したら、金色というよりは、やはり黄色に写ってしまいました。光が正反射するような方向から写さないと金色には見えないのかもしれません。



こちらはイナズマコブガです。



それにこの間からいるクロスジホソバでしょうね。



天井に止まっていたのですが、フラッシュをたくと翅に光が反射してしまい、模様がよく見えなくなることがあります。この蛾もまさにそうで、いろいろな方向から写してみたのですが、ちょっと斜め前から写してやっと反射を避けることができました。模様から、おそらくイチジクキンウワバだと思います。



何となく古風な模様を連想させますが、ヤガ科のシロスジシマコヤガです。どうしてこんな模様にしたのでしょうね。



これはヒロバチビトガリアツバです。翅が広くて、小さくて、頭の先が尖っているという意味でしょうが、5000種もいる蛾に一つ一つ名前をつけていくのは大変な作業でしょうね。



こちらはヨモギエダシャクです。



これはマメノメイガです。名前の通り、幼虫はササゲやアズキの花とさやと食べる害虫だそうです。蛾の名前も模様や形で付けられるときと、このように食草で付けられることがありますね。





さて、問題のウスグロノメイガBradina属です。ほとんど区別がつかない種が何種もあり同定がほとんどできません。ただ、上の2つの写真を比べると、翅の色や外横線の形などに少し違いが見られます。何となく、上はモンウスグロノメイガ、下はヒメアカウスグロノメイガとしたらどうかと思うのですが、あまり根拠はありません。



最後はこの小さな蛾です。翅の先端が丸いので、おそらく○○キバガかなと思って図鑑を見ていったら見つかりました。たぶん、ホソオビキマルハキバガだと思います。

あとがき)生物学のカテゴリーに出しているのですが、この間から新着リストにタイトルが載らなくなってしまいました。検索をしても引っかからないし、どうしたのでしょう。
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廊下のむし探検 目の大きなテントウムシ

廊下のむし探検 第368弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。今日はかなり変わった虫から紹介します。



やけに目の大きなテントウムシです。そう思って、甲虫図鑑を徹底的に調べてみたのですが、テントウムシにこんな大きな目の種はいません。それでは、ハムシの仲間かなと思って探したのですが、やはり見つかりません。いよいよ奥の手だと思って、「目の大きなテントウムシ」で画像検索してみました。すると、似た写真が見つかりました。実に、キボシマルウンカというウンカの仲間だったのです!びっくりしました。まさか、こんな形をしていて甲虫でないなんて・・・。学研生物図鑑には、「山地で見られるが、まれである。」と書かれていました。テントウムシに擬態しているのでしょうね。テントウムシの真似をして何か良いことでもあるのでしょうか。(追記:通りすがりさんから、「テントウムシが体内にアルカロイドを持っているからでしょう。捕まえると足関節から黄色い液体を出すのがそれで、カメノコテントウは胸部と足関節から匂いのキツい赤い液体を出します。」とのコメントをいただきました



次はこのコメツキです。ずんぐりした形をしているので、おそらくサビキコリの仲間だなとすぐに気が付きました。以前、コメツキの検索表を見ていた時に、「肢の爪の内側基部に対またはより多くの剛毛を生じる」とあったので、一度観察してみたいと思って採集してきました。



この写真は生物顕微鏡で撮影したものですが、爪の基部に剛毛が一本ずつ生えています。これのことなのかと初めて納得です。さて、サビキコリにもいろいろな種類があるのですが、この個体は体長15.5mmと大型です。こんな大型で本州に棲息するのは、「原色日本甲虫図鑑」では、サビキコリ、ホソサビキコリ、ムナビロサビキコリの3種です。絵合わせから、おそらくサビキコリかなと思いました。(追記:通りすがりさんから、「サビキコリで合ってると思います。」とのコメントをいただきました



また、クサカゲロウがいました。ちょっと高いところに止まっていたので、顔が写せなかったのですが、採集して調べてみると、カオマダラクサカゲロウと思われる個体でした。例によって、翅の段横脈の数を数えてみると、前翅は7/8、後翅は6/7でした。どうやらこのくらいに数値に落ち着きそうですね。



この間、調べたトゲナシケバエの仲間だと思われる個体がまたいました。やはり♂です。先日、通りすがりさんからコメントがあったように、♂が早く羽化しているのかもしれません。この間と同じ種だとすれば、Plecia membraniferaでしょうね(私の同定があっているとすれば)。



これはウシアブですね。(追記2018/03/05:検索表が♀用しかないので、♂の場合はTabanus sp.としておきます





ショウリョウバッタモドキがまたいました。いつ見てもスマートですね。



廊下の手すりの端にカマキリがいました。廊下から撮ると後ろ姿になるので、手すりから乗り出して前から写してみました。どうも、まだオオカマキリとチョウセンカマキリの違いがよく分かりません。



これはウスバカゲロウでしょうね。

あとはいつものクモたちです。



これはミスジハエトリですね。



そしていつものヤガタアリグモ。蛾は次回に回します。


廊下のむし探検 芫菁ほか

廊下のむし探検 第367弾

一昨日の「廊下のむし探検」の続きです。この日はこんな虫がいました。



ゲンセイ(芫菁)の仲間でキイロゲンセイだと思います。近縁に翅の先が暗色のツマグロキゲンセイがありますが、触角と脚から見分けられるようです。キイロゲンセイは触角第3節が第2節より長く、第4節は第2節の約2倍ということです。また、脚の脛節、跗節は暗色、ときに強く黒、ということは、腿節は黒くないということになります。写真で調べてみると、触角の第2節、第3節、第4節の長さの比は1:1.3:1.9となり記述とほぼ合っています。また、脚については、写真で黒く見えているところは脛節と跗節で、胴体の脇に見えている突起のように見える部分が腿節で橙色になっています。ということでキイロゲンセイでよいのではと思います。

ゲンセイはツチハンミョウの仲間で、ファーブル昆虫記の「ツチハンミョウのミツステリー」の中にも登場します。この仲間は、曲芸のようなことをしながらハチの♀の体にとりつき、産卵のときに卵に乗り移り、それを食するという変わった習性を持っています。図鑑にはハナバチ類に寄生すると書かれていますが、以前出てきたウツギヒメハナバチにもツチハンミョウの仲間が少数寄生していたという記録がありました(前田泰生、但馬・楽音寺のウツギヒメハナバチ その生態と保護、海游舎 (2000).)。ゲンセイ(芫菁)という言葉の由来については以前書きましたので、そちらを参照してください。



これはサビカミキリかなと思うのですが、はっきりはしません。サビカミキリという名前は「原色日本甲虫図鑑IV」には載っていませんが、「学研生物図鑑 昆虫III」には載っています。カミキリムシの和名変遷を書いたサイトがあり、それを見ると、ムナクボカミキリとサビカミキリという名前が時代により交互に出てきます。学名もArhopalus rusticusからArhopalus coreanusに変わったようです。あまりよくは分かりませんが・・・。



これは以前にも出てきたハチで、その時は、コマユバチ科のハラボソコマユバチ亜科ではないかと書きました。ハラボソコマユバチ亜科は九大の目録を見ても50種、それ以後の目録では86種もあり、そこからが進みません。ハチもなかなかとっかかりが見つかりません。(追記2015/07/06:これはオオハリアリ♂だそうです



普通のハエかなと思ったのですが、翅脈がやけにはっきりしているので、「原色日本昆虫図鑑(下)」を使って、翅脈だけで検索をしてみました。すると、ナガレシギアブ科の翅脈によく似ていることが分かりました。本当かどうかは分かりませんが・・・。(追記2016/02/12:「大図鑑」の図版をつらつら見ていたら、シギアブ科のサンジョウダケシビアブ♀に似ているみたいです



こんな細長い体なのですが、これもカメムシの仲間でクモヘリカメムシです。



最後はこのおどろおどろしい姿のオオゴキブリです。こんなゴキブリが家の中に出てきたら、きっとパニックになってしまいますね。幸い、林の中で暮らすゴキブリなので家の中までは入ってこないでしょう。幼虫、成虫ともに朽木の木質部を食べると書いてありました。

廊下のむし探検 蛾が増えてきた

廊下のむし探検 第366弾

8月も終わりになり、少しずつ虫が増えてきたみたいです。昨日の「廊下のむし探検」の結果です。この日は蛾がたくさん見られました。



まず、小さい蛾からです。この蛾の名前調べはだいぶ大変でした。特徴としては、触角を前に伸ばしていることです。このことから、おそらく、メイガではないだろうな、多分、○○キバガかなと思って、「大図鑑」で調べたのですが、見つかりません。それで、「標準図鑑III」を探してみて、似た種類を見つけました。ヒゲナガキバガ科の蛾です。模様の似た種があるのですが、そのうちクロカクバネヒゲナガキバガの方は、黒点の後ろに淡褐色斜帯が前縁から後縁まで走るという特徴が書いてありますが、この蛾ではそのような淡い色の帯は見えません。それで、もう一種のコゲチャヒゲナガキバガの方ではないかと思います。本州と九州で見られているそうです。



これは先日も見たネマルハキバガ亜科の一種ですね。何となくコネマルハキバガに近い感じですが、よく分かりません。



これはハマキガの仲間です。図鑑を見てもなかなか分からなかったのですが、以前作った画像リストを見てすぐに分かりました。グミツマジロヒメハマキですね。やはり、これまでに出した写真をまとめた画像リストを作っておくと便利ですね。和名や科名がだいぶ間違っているので、早く直さなければ・・・。



これはハイマダラコヤガという蛾だと思います。図鑑には数が少ないと書いてありますが、私のマンションでは意外によく見ます。



これもコヤガの仲間でウスキコヤガですね。



フタキボシアツバですね。黄色の点がよく目立ちますね。



いつもと止まり方が違っていたので撮ったのですが、いつものアオアツバでしょうね。



これはマエシロモンキノカワガですね。以前はヤガ科に入っていたのですが、「標準図鑑」ではコブガ科に移され、さらに、キノカワガ亜科ではなくてリンガ亜科に入っています。いろいろと変遷がありますね。



この日はこのモンクロギンシャチホコが2匹いました。



この間もいたプライヤエグリシャチホコです。天井に止まっていたのですが、こういう小さい蛾はなかなかうまく写せません。



この目立たない蛾はクロスジホソバです。この頃、たくさん見ますね。



リンゴドクガも最近よく見ますね。



最後はこのアオシャクです。これはヘリジロヨツメアオシャクという種です。同じ蛾でも、アオシャクは上品な感じがしますね。

残りの虫は次回に回します。

廊下のむし探検 外出前にちょっと観察

廊下のむし探検 第365弾

昨日、外出の前にちょっとだけ廊下を歩いてみました。虫はあまり多くはなかったのですが、甲虫や蛾が少しだけいました。



大きなコメツキです。体長を測ってみると、31.3mm。こんなに大きなコメツキは、フタモンウバタマコメツキくらいしか見たことがありません。図鑑で調べてみると、ウバタマコメツキのほか、ヒゲコメツキの仲間とか、サカグチオオヒラタコメツキ、オオクシヒゲコメツキ、オオナガコメツキくらいです。消去法からオオナガコメツキかなと思うのですが、自信はありません。(追記:通りすがりさんから、「オオナガコメツキで合ってると思います。」というコメントをいただきました



後はだいたい蛾ばかりです。これはマエキオエダシャクです。マエキの意味がよく分かりますね。



そして、これはリンゴドクガです。前脚を伸ばした独特の止まり方をしますね。



こちらはハガタベニコケガだと思います。なかなか綺麗な蛾です。





こんな目立たない蛾が3匹いました。翅脈が黒くなっているので、おそらくクロスジホソバでしょうね。



ときどき、こんな模様のアカテンクチバが見られますね。



例によってヤガタアリグモがいました。今回はクモでも襲っているのでしょうか。なかなか獰猛ですね。

トゲナシケバエを調べる

最近、マンションの廊下では、次の写真のような小型のケバエが時々見られます。不思議とオスだけなのですが、先日、捕獲して調べてみました。



調べてみたのはこの写真のようなケバエです。これはトゲナシケバエといわれるケバエの仲間になるのですが、それは前脚の脛節にトゲがないことによっています。



この写真は以前、ケバエ科ケバエ亜科Bibio属の検索のときに用いた写真ですが、脛節に鋭い刺が2本あることが分かります。従って、ケバエ科のケバエ亜科かトゲナシケバエ亜科かはこの刺があるかないかを見ればすぐに分かるのです。

さて、上の種の名前を調べる手がかりとしては、以前も紹介した次の論文が非常に役立ちます。

D. Elmo Hardy and Mitsuo Takahashi, "Revision of the Japanese Bibionidae (Diptrera, Nematocera)", Pacific Insects 2, 383 (1960)(こちらから、pdfをダウンロードできます。以下、HTと略します)

この論文に従って調べていきたいと思います。なお、上の種がケバエ科かどうかは、日本環境動物昆虫学会編、「絵解きで調べる昆虫」(文教出版、2013)(こちらから購入できます)で調べることできますが、以前にも行ったので、ここでは省略します(なお、以前の文献では、ケバエ科はケバエ亜科とトゲナシケバエ亜科に分かれることになっていますが、「原色昆虫大図鑑III」では、種の解説ではトゲナシケバエ亜科、科の一覧表ではトゲナシケバエ科になっていました)。

HTに従って検索を行っていくと、この写真の個体はPlecia membraniferaという種にたどり着きました(素人がやっている検索なので、そのつもりで見てくださいね)。そこで、検索表に従って、その特徴を調べていきたいと思います。



まず、属の検索で必要な部分を抜き書きしました。原文が英語なので、適当に訳していますが、間違っているかもしれません。関連する図を次に載せます。






まず、①ですが、Rs脈は分岐するかという点は、Fig. 2を見ると分かりますが、Rs脈は末端にいくとR2+3とR4+5という2つの脈に分岐します。さらに、先ほどお見せした前脛節の刺がないことを、「脚は単純」と表現しています。

次の②はFig. 3を見てください。触角は太く短く頑丈に見えます。第3節はやや長いのですが、全体としては長くないのでOKなのでしょう。また、これは複眼が大きいので♂で、しかも、両側の複眼は接しています。このことから、HTではヒゲナガケバエを除外しています(「大図鑑」ではヒゲナガケバエはヒゲナガケバエ科として別に取り扱っています)。

さらに、③については、Fig. 3に示すようにR2+3脈が短く斜めにまっすぐ伸びています。このことから、この種はトゲナシケバエ亜科のPlecia属であることが分かります。

次は種の検索です。例によって、Plecia membraniferaに辿り着く部分だけを抜き書きすると、以下のようになります。



関係する部分の図を出します。



ちょっと暗くて分かりにくいのですが、④にある中胸背板はFig.4の中央に見える部分です。この部分に溝があるかという点が、この写真で見える縦溝かどうかは分かりませんが、ともかく、溝はあります。さらに、Fig. 3で示すように全部で9節の触角を持っています。また、R2+3は途中で大きく曲がることがなく、直線的です。

最後の⑤は、中胸背板には特に模様はなく、全体にくすんだ黒をしています。体長は測ってみると5.5mm、翅長は4.3mmでした。HTではwings 5.7-7.0mmと書かれているのですが、これが翅長を意味するのであれば翅はかなり短いということになります。

さて、最後の腹部第9節背板がU字型かどうかですが、迂闊にも撮影を忘れてしまい、捕まえた個体は縮こまってしまってうまく写せませんでした。その代わり、HTには♂交尾器の絵が出ているのですが、それはまさにこの個体のものとよく似ています。



これは実体顕微鏡で腹面から写したものですが、非常に特徴的な形をしていて、HTに載せられた図とそっくりでした。生物顕微鏡を使ってさらに拡大して写してみました。





Fig. 6は腹面から、Fig. 7は腹部先端側から写したものですが、特徴がよく出ていると思います。著作権の関係から(著作権は著者の死後50年までとなっています)、HTのFig. 7bを載せられないのが残念ですが、関心の有る方は見てください。ということで、Plecia membraniferaで間違いないのではと思っています。なお、この種はHTによると九州に分布し、5月に成虫が発生すると書かれていますが、その後、本州にも分布することが分かり、どうやら秋にも見られているようです。

廊下のむし探検 バッタが多い

廊下のむし探検 第364弾

この間から、近くの土手の草刈りをしているからかどうか分かりませんが、マンションの廊下には最近バッタの仲間がたくさん来ています。昨日はこんなバッタが来ていました。



たぶん、クルマバッタモドキだと思います。土手とは100mほど離れているのですが、そこから飛んできたのでしょうか。



いつものクビキリギスかなと思ったのですが、顔のところがちょっと違います。その部分を拡大してみます。



先の尖り方が鈍く、白い線が先端だけですね。図鑑で調べてみると、クサキリのようです。クルマバッタモドキもクサキリも「廊下のむし探検」初登場です。(追記:通りすがりさんから、クサキリの近似種についてのコメントがありました。調べてみると、確かに厄介です。オオクサキリは分布が違うとして除いたとしても、ヒメクサキリとクサキリの違いが微妙です。「大図鑑」には、ヒメは頭頂が細長く突出し、突出部は複眼間の幅より長いとあります。また、「生態図鑑」には、ヒメでは翅端がやや尖るとあります。Wikipediaには「ヒメは後脚脛節の褐色部分が少なく色が薄い」となっています。この写真を見ると、突出部は複眼幅よりは短かそうですが、翅端はやや尖り、後脚脛節は褐色が薄いので、結局、よく分かりません。とりあえず、クサキリとしておきましょう





コオロギも最近良く見るようになりました。目と目の間に白い線があるので、多分、オカメコオロギの仲間ですね。産卵管があるから♀で、しかも長い翅があるので、最近、羽化した個体でしょうね。これだけ分かっても、名前の方は残念ながら分かりません。



こちらの方はカネタタキ♂の幼虫のようです。



甲虫はこのハムシだけでした。これはおそらく、スジカミナリハムシではないかと思います。



クモもいろいろといました。これはサツマノミダマシですね。



名前調べに時間がかかったのはこのクモでした。「日本のクモ」を何回見直しても見当たりません。おそらく、コモリグモの幼体だと思われるのですが・・・。何となく、色合いはカガリビコモリグモに似ているような気がしますが、やはり違うでしょうね。



こちらのクモも名前が分かりませんでした。アシナガグモの幼体かなと思うのですが、クモの名前調べは本当に難しいですね。



最後はヤスデです。ヤスデも拡大してみると、意外に整然とした美しさがありますが、名前は何を調べてよいのかさっぱり分かりません。

廊下のむし探検 金色に輝くスズメガ

廊下のむし探検 第363弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果で、今日は蛾からです。最近は天気がころころと変わり、廊下にもあまり虫がいそうにありません。それでも歩いてみると、なんだかんだといるものです。

今日の最初はこの蛾からです。



大きなスズメガが地下駐車場の壁に止まっていました。キイロスズメです。キイロスズメは比較的よく見る蛾で、昨年も8月26日に写しているのですが、、あまり正面から写したことがなかったためか、胴体がこんなに金色に光っているとは知りませんでした。翅の前縁部や頭部も緑色を帯びていて、嫌いなスズメガであることを忘れるくらい綺麗でした。思わず近寄って撮影してしまいました。



近くには、この間もいたギンモンスズメモドキがまたいました。この白い紋は見る方向により輝きが変化します。この角度から撮影するとこんな暗い色ですが、角度を変えると、



鮮やかに光るようになります。写真では銀色というよりは、むしろ白色ですが、輝きを増していることが分かりますね。



このごろの地下駐車場はちょっとした蛾のウォッチングプレースですね。これはキシタバの仲間で、おそらくコシロシタバではないかと思います。普通のキシタバは下翅が黄色と黒の縞模様なのですが、これは黒地に白の帯のある模様です。



冬に越冬している姿をよく見るアカエグリバがいました。パイプの下に顔を入れて隠れているつもりかもしれません。木の葉に似た模様をしています。



小さい蛾はよく天井に止まっているのですが、上を向いて写さなければならないので、手持ちだとどうしてもブレてしまいます。でも、記録だからよいことにしましょう。これはヒメネジロコヤガです。



これはスジキリヨトウです。



これもぼやけてしまったのですが、プライヤエグリシャチホコです。

この日は廊下にもいろいろな蛾がいました。



廊下の壁に止まっていました。近づいて写そうとすると、突然に飛び始めました。昔なら、叫び声をあげていたかもしれませんが、もう2年近く蛾を写したせいか、それほど怖いという感じがしませんでした。後ろを追いかけて行ったら天井に止まってくれました。翅に巴マークが入っているので、○○トモエという名前の蛾になるのですが、今頃はオスグロトモエとハグルマトモエという2種の♂が、ほとんど同じ模様になるので区別が難しいです。でも、私が怖がらなかったくらい小型だったので、おそらくハグルマトモエの方だったのでしょう。



この蛾、初めシャクガかなと思って探したのですが、見つかりません、次はクチバの辺りをみたのですが、やはり見つかりません。結局、「大図鑑」の初めから終わりまで見たり、シャクガの辺りを何度も探したりしてほとんど諦めかけたころに見つかりました。シタクモエダシャクという普通種でした。私の標本箱にも8月に採集した個体が入っていました。蛾の名前調べはなかなか大変ですね。



そのすぐ近くにいました。ナミシャクだと思うのですが、どうもぴったりくる種が見つかりません。一応、ケブカチビナミシャクにしておきますが、もう少し検討が必要かもしれません。



こちらはアシブトチズモンアオシャクです。アオシャク類は綺麗ですね。



シロテンキノメイガが綺麗に撮れたので、載せておきます。



これはヨモギネムシガというハマキガの仲間です



最後のこの蛾、非常に小さいのですが、触角を後ろの方に伸ばしているとか、頭のところに毛がぼうぼうと生えているとか、ツトガの特徴がよく出ています。それで、図鑑でもすぐに見つけることができました。モンチビツトガという蛾です。これは「廊下のむし探検」初だろうと思っていたら、今年の6月14日に写していました。

蛾以外は次回に回します。

廊下のむし探検 蛾ばかり

廊下のむし探検 第362弾

一昨日の「廊下のむし探検」の結果です。昨日、蛾以外の虫を報告したので、残りの蛾を出そうと思ったのですが、あまり目立ったのがいなくて何を最初に出そうかと迷ってしまいました。結局、こんな小さな蛾から始めることにしました。



翅の中央に黒い点があるのが特徴です。こんな感じの小さな蛾を調べるときには、〇〇コヤガ、〇〇アツバ、〇〇コケガ、〇〇コブガなんかを探していきます。で、すぐに見つかりました。クロテンカバアツバです。「廊下のむし探検」初登場ですが、時々見る蛾です。



これも似たような蛾なので、〇〇コヤガから探していくと、図鑑とはだいぶ色が違うのですが、ウスベニコヤガと模様が似ていることに気がつきます。おそらくそれでしょう。



隙間に止まっているので見難いですが、翅の上に丸く飛び出ている部分は下翅の一部です。こんな風に下翅の一部が見えるような形で止まるのはシャチホコガの仲間です。図鑑のその部分を探してみると、ナカキシャチホコであることが分かります。



これは下翅が見えないのですが、やはりシャチホコガで、クロシタシャチホコといいます。



こんな感じの蛾はヒトリガ科の〇〇ホソバというのですが、それからが名前調べの難しい蛾です。ただ、黄色の無地なので、ツマキホソバ♀かなと思うのですが、よくは分かりません。





このように壁にぺたっとへばりつくような形で止まるのはシャクガに多いのですが、特に、こんな色をしているのはヒメシャクの仲間です。ヒメシャクの仲間は同じような模様の種が多くて名前調べが難しい仲間です。上の写真も同じような蛾ですが、よく見ると翅に入っている線の形や線の両端にある黒点などが違います。上はミジンキヒメシャク、下はオイワケヒメシャクではないかと思います。



翅の先端を見ると丸くなっていて角ばっていないので、ヒロズコガの仲間かなと思います。寸法を測らなかったのですが、模様からマダラマルハヒロズコガかなと思いますが、以前、撮影した個体と止まり方が違うので、ひょっとしたら違うかもしれません。(追記2016/02/08:ヒロズコガ科のナガバヒロズコガみたいです



こういう変わった止まり方をする小さな蛾は〇〇トガリメイガであることが多いのですが、これは模様がはっきりしていなくて暗い赤なので、カバイロトガリメイガではないかと思います。



最後はこの蛾です。触角を後ろに伸ばしている姿は〇〇メイガや〇〇ツトガという種に多いのですが、色も明るく、模様もはっきりしているので、分かりそうですが、実はなかなか難解な蛾です。Ostrinia属の蛾だと思われるのですが、Ostrinia属には良く似た種が何種かあり、区別がつきません。

実は、「日本産蛾類大図鑑」という1982年に出された図鑑でも、これらの種はいくつかの群に分けられ、その群内で種に分けることも困難と書かれています。私もこの手の種の名前調べは諦めていたのですが、最近出された「日本産蛾類標準図鑑IV」(2013)を読むと、この種の蛾には近縁5種があり、服部・六浦(1987)に従って、成虫の形態による区別を記述したと書いてありました。主に線が翅脈のどの部分で曲がるかという記述なのですが、標本を使って少し勉強してみようと思っています。今日、JST(科学技術振興機構)に植物検疫という雑誌に書かれた上の論文の複写依頼を出しました。その結果を別の機会に出せるようになるといいなと思っています。

廊下のむし探検 バッタ、カメムシ、クモなど

廊下のむし探検 第361弾

だんだん虫の数が増えてきて、ブログに出すのが滞り気味になってきました。昨日の「廊下のむし探検」の結果です。



大きなキリギリスの仲間が廊下の壁の天井近くに止まっていました。近くの土手で草刈をしているので、追われてきたのかもしれません。名前はよく分かりませんが、これはヤブキリでしょうか。





たいへんスマートなバッタです。何だろうなと思って図鑑を見てみると、ショウリョウバッタモドキという種に似ています。こんなバッタがいるとは知りませんでした。図鑑にはチガヤなどのイネ科の草地に住むと書かれているので、これも草刈で草地から逃げてきたのでしょうね。



ケナガスグリゾウムシも外壁に何匹も止まっていました。これも草刈の影響なのでしょうか。



小さいハエかなと思って撮ったのですが、どうやらカメムシみたいです。カメラを近づけたらさっと飛んでいってしまったので、こんなぼやけた写真しか撮れませんでした。体長は1-2mmほどなので、ハナカメムシの仲間ではないかと思います。今度、じっくり撮ってみたいですね。(追記12015/06/21:ヒョウタンナガカメムシ科のヒナナガカメムシみたいです。詳細はこちら



壁にこんな大きなハチが止まってした。ベッコウバチですね。でも、「原色昆虫大図鑑III」を見ると、和名がベッコウクモバチに変わってしまっていました。科名も、私の持っている「学研生物図鑑 昆虫III」ではベッコウバチ科になっていますが、それがクモバチ科になったのですね。さらに、学名までもCyphononyx dorsalisがC. fuluognathusに変わっていました。



いつもの羽アリです。今度、名前を調べてみますね。



この間から見られ始めたケバエです。今回は採集してきて、以前紹介したHardy and Takahashi (1960)の論文で検索をしてみました。詳細はまた次回に回しますが、非常に特徴的な交尾器をしていて、おそらく、Plecia membraniferaという種で間違いないのではと思いました。ただ、論文によると、分布が九州で、発生が5月となっているのが気になります。あるいは近縁種かもしれません。(追記:ネットで検索すると、双翅目談話会「はなあぶ」(2011)に「Plecia membranifera本州に産す」という記事があったり、9月に三重県で見られたとする記事が見つかりました。私の住む大阪北部にも普通にいるのかもしれません

この日はクモも多彩でした。



このクモ、どちらからカメラを向けても、体の向きを変えて常にこんな感じで写ってしまいます。



やっと諦めて、別の場所に移動し始めました。模様からミスジハエトリ♂のようです。



こちらはアオオビハエトリです。



ヤガタアリグモが小さな蛾を捕まえています。いつもはうろうろしているだけなのですが、こんな感じの狩りをするのですね。



こちらはチュウガタシロカネグモです。前日から見るようになりました。



オニグモの仲間かなと思うのですが、名前が分かりませんでした。(追記:ナミハグモ、ヤチグモあたりか



最後はこのオオゲジです。いつ見てもちょっと怖い存在ですね。でも、ゴキブリなどの小昆虫を食べるので、益虫とされています。Wikipediaによると、積極的に人に噛みついたりはしないとのことです。

蛾は次回に回します。

廊下のむし探検 アリに似たハチほか

廊下のむし探検 第360弾

ちょっと遅れてしまいましたが、一昨日の「廊下のむし探検」の結果です。最近は、虫の数は多くないものの、なかなか面白い種が多いので、結構、楽しませてもらっています。

今日はまずこんな虫を紹介します。





マンションの外壁に止まっていました。上と下の写真は同じ個体です。撮影しているときはてっきりハチだなと思って、何の気なしに撮ってしまいました。後で、写真を整理していると、何と翅がない!(本来は写しているときに気がつくべきなのですが・・・)一瞬、アリかなと思ったのですが、アリ独特の腹柄節がないし、触角も違います。学研生物図鑑「昆虫III」を見ていたら載っていました。アリバチの仲間で、フタホシアリバチというようです。

この仲間は、♀には翅がなく、♂には翅があり、そんなところもちょっとアリに似ています。ただ、♀と♂は大きさも色もかなり違っています。アリバチは、ハナバチ類などの幼虫に寄生する寄生蜂の一種です。学研の図鑑には6種が出ていますが、「月刊むし」2011年3月号には「日本産アリバチ図鑑」というタイトルで、日本産アリバチ全17種を写真入りで解説しています。これを見ると、同じように腹部に白い点が2つある種として、別にフクダアリバチという種もあるようですが、脚の色が違うので、おそらくフタホシアリバチで合っているのではと思っています。

♀はアリによく似ていますが、針を持っていて刺すので、ご用心。因みに、この記事の副題は「美麗なアリには手を出すな」でした。でも、なぜ、アリに似せなくてはいけないのでしょう。蜂のままの方が安全と思われるのに・・・。それとも、アリがアリバチに似せたのでしょうか。少なくとも、私みたいに初めからハチと思ってしまうものもいるのですが・・・。



こちらは翅のあるアリですね。この間からいるのですが、まだ調べていなくて名前が分かりません。



羽アリがヨコズナサシガメの幼虫にやられていました。以前は首の部分を刺していたのですが、これは中胸と後胸(前伸腹節)の間くらいを刺しているようです。



ウスグモスズ
♀の長翅型が死んでいました。昨年はこれをマツムシモドキとしてしまったのですが、マツムシモドキはマツムシ科、ウスグモスズはヒバリモドキ科です。今から見ると色がぜんぜん違うので、すぐに分かりますが、以前見たときは奇妙な翅脈と後ろに伸びた長い翅を見て、それに違いないと思ってしまったようです。

マツムシ科とヒバリモドキ科の区別は「バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑」の検索表を使ってすぐにできます。実は、先週初めにヒシバッタについて調べてみようと思って、この「大図鑑」を所蔵している大阪府立中央図書館(東大阪市)にまで行って、ヒシバッタの検索表の部分をコピーしてきました。家に帰ってから見てみると、コピーした部分以外にも必要な部分があることが分かって、翌日、今度は茨木市立中央図書館まで行って、検索表を全部コピーしてきました。さらに、阪大図書館にも行って、「昆虫と自然」に載っている「絵解き検索日本本土のヒシバッタ類(I)、(II)」もコピーしてきました。

さて、その「大図鑑」の検索表によると、

中~大型種。後脛節外側には、長い棘の間に鋸歯がある。ふつう、腿節は細い・・・・マツムシ科
小型種。後脛節背面には、長い棘があり、その棘に毛がたくさん生えている・・・・・・・ヒバリモドキ科

とあります。早速、後脛節外側の棘を顕微鏡で拡大してみました。



確かに、棘には毛が生えています。腿節が太いか細いかは比較の問題なので分からないのですが、ヒバリモドキ科のウスグモスズで間違いないのではと思っています。



非常に可愛い目をしていますが、ヤブキリの幼虫だと思います。(追記:通りすがりさんから、「ヤブキリの幼虫にしては時期が遅すぎるんで、成長の遅かったササキリ類の幼虫?」というコメントをいただきました)(追記2016/04/7:ホシササキリの幼虫のようです



こちらはマダラスズの幼虫のようです。このごろ、バッタ目の虫が多いですね。さすが秋です。





また、クサカゲロウがいました。頬の模様や下鰓鬚の色、触角の長さ(上翅長の1.24倍)などから、カオマダラクサカゲロウかなと思っています。



何となく「人」形の黒紋も見え、下鰓鬚が黒いのもよく見えます。ただ、カオマダラの特徴である前胸前縁角の下の2個の小黒褐紋が1個しか見えません。



左前翅の翅脈です。ccと書いたのは第3中分室と呼ばれる部分で、矢印で示すように、それの外側で横脈と交差しています。この特徴もカオマダラと合っています。さらに、多数の矢印で示した段横脈の上側と下側の数は、この場合、7つと9つなので、これを7/9と書くことにします。前翅は左右ともに7/9、後翅は6/8となることが分かりました。以前、紹介した岡本(1919)の論文によれば、前翅、後翅でそれぞれ8/9、7/8なので、当たらずといえども遠からずという結果でした。でも、個体でいろいろなバリエーションがあるのかもしれませんね。



後はクモです。この間から良く見るヤガタアリグモです。脚が透き通って見え、写真に撮ると綺麗ですね。



これは本家本元のアリグモを正面から見たものです。顔の前に突き出しているは顎です。こんな大きな顎を持つのは♂の方です。(追記2015/05/18:ヤサアリグモのようです



はじめジョウロウグモの幼体かなと思って写したのですが、腹の部分が銀色に光って意外に綺麗です。



その部分を拡大してみました。おそらくシロカネグモの幼体でしょうね。黒い点が二つあるので、ひょっとするとチュウガタシロカネグモかもしれません。

廊下のむし探検 大型蛾登場

廊下のむし探検 第359弾

先日のヤママユに引き続いて、昨日は大型蛾が地下駐車場にいました。この蛾です。



オオトモエといいます。ヤママユより一回り小さいのですが、ヤママユはどちらかといえばおっとりした感じで、一方、こちらは機敏な感じがして、蛾の苦手な私にとってはちょっと怖い存在です。かなり遠くから望遠で撮影しました。



地下駐車場の天井には、こんなスズメガもぶら下がっていました。これはトビイロスズメです。これもかなり大きな蛾ですね。



こちらはオオエグリシャチホコです。エレベータホールの床に止まっていました。よく見てみると、木目のような模様ですね。



そして、これはホソバシャチホコです。やはり地下駐車場の天井に止まっていました。マンションの廊下の照明を赤っぽくしてから、廊下にくる蛾は確実に減ったのですが、以前のままの照明の地下駐車場には相変わらず蛾が多い感じですね。



ちょっと変わった模様の蛾ですが、ヨツメアオシャクです。



これはウスキクロテンヒメシャクだと思われます。



こちらも同じだと思うのですが、外縁に沿う黒点がつながって線状になっています。いろいろなバリエーションがあるのかもしれません。



初め、ハマキガだと思って図鑑を探したのですが、ぴたりとくる蛾がいません。顔や触角の辺りの雰囲気がハマキガとは違うなと思って、コヤガを探したら見つかりました。フタオビコヤガでした。「大図鑑」によると、「著名なイネの害虫で、稲作文化とともに温帯に移入された種であろう。」と、なかなか興味深い記述がありました。



フラッシュであちこち光ってしまい見にくいのですが、マツノシンマダラメイガだと思われます。マツノマダラメイガとよく似ていますが、内横線内側の帯の色や、外縁線の様子から、マツノシンの方ではないかと思われます。



最後もマダラメイガですが、図鑑を見てもなかなか名前にたどり着きませんでした。図鑑とはだいぶ色が違うのですが、模様が良く似ているので、おそらくヤマトマダラメイガではないかと思うのですが、自信はありません。

そのほかの虫は次回に回します。

廊下のむし探検 蛾と蜘蛛

廊下のむし探検 第358弾

朝の続きで、昨日の「廊下のむし探検」の結果のうち、蛾と蜘蛛についてです。この日は難しい種が多くて名前調べに時間がかかってしまいました。結局、よく分からないものばかりになってしまいましたが・・・。



初めはこの蛾です。写したときはマダラメイガだとばかり思っていたのですが、写真を見ると翅の先端が尖っていて、縁に毛がいっぱい生えています。これは違うなと思って、「標準図鑑III」を調べていきました。何度か見直したのですが、結論的には、ネマルハキバガ科という聞きなれない科のウスイロネマルハキバガか、コネマルハキバガかなというところにたどり着きました。



次はこの蛾です。いかにもヨトウガという感じですが、白い点が二つというところで、ヒメサビスジヨトウを連想しました。白点の位置、横線の入り方はかなり似ている感じですが、図鑑で見る翅の色は濃い茶色で、この写真とはだいぶ違います。結局、よく分からずじまいになってしまいました。(追記:通りすがりさんから、「ヒメサビスジヨトウのスレ個体でしょう。」というコメントをいただきました



これも分かりにくい種です。アオシャチホコかオオアオシャチホコあたりだと思うのですが、よく分かりません。



難解な蛾が続いた後にヒメシャクだとがっかりしますが、これはおそらくミジンキヒメシャクではないかと思います。



翅脈が黒くなっています。ヒトリガ科のクロスジホソバだと思われます。



やっと分かりやすい種が出てきました。廊下の壁にヤママユがいました。今年2回目です。今回は離れたところから写せたので、正面から写せました。今日、廊下を歩いてみると、翅だけになっていました。鳥の仕業でしょうね。スズメがこんな大きな蛾を食べに行くのでしょうか。



それから、キノカワガです。木の幹に止まっていると保護色でほとんど分かりませんが、壁ではこんなに目立ちます。



この日はホシミスジもいました。



クモではアリグモがまたいました。このごろ、よく見ますね。これはヤガタアリグモだと思います。



最後はこのクモです。何度写してもぼやっとしているなと思ったら、網を張ってその裏側にいたのですね。名前は分かりませんでした。


廊下のむし探検 甲虫、バッタ、カメムシなど

廊下のむし探検 第357弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。相変わらず虫は少ないのですが、昨日は名前調べの難しい虫が多かったです。最初は甲虫からです。



何となく複眼あたりの雰囲気がゴミムシダマシに似ているなと思って、図鑑のその部分を探し始めました。割とすぐに似た種にぶつかりました。ルリゴミムシダマシです。ゴミムシダマシというとキマワリを思い出し、脚の脛節が湾曲しているイメージですが、これはそれほど湾曲していません。







また、ハンミョウがいました。ちょうど1m先にいたので、しゃがんで写してみました。別に、いろいろな方向から撮るつもりはなかったのですが、ハンミョウ自身があちこち向くので、自然にいろいろな方向から撮ることになってしまいました。口のあたりはかなりごついですね。翅や前胸の色もその濃さが方向により変化するみたいです。





変わった感じの虫がいました。コオロギのようでもあるのですが、目の部分がちょっと違うようです。「生態図鑑」で調べてみると、ウスグモスズの♀ようです。初めて見ました。ヒバリモドキ科という変わった名前の科に入っています。鳴かない虫のようです。(追記:初めてだと思ったのですが、昨年の9/17のブログにマツムシモドキとしていた個体が、このウスグモスズの長翅型だったようです



それにツチイナゴの幼虫です。ツチイナゴは成虫越冬するのですが、以前、我が家のベランダで一冬越したことがありました。



これはクモヘリカメムシです。



フタテンカメムシです。最近では、クサギカメムシより、このフタテンカメムシの方が多い感じです。



この間からいるハネナガマキバサシガメです。



それにヒメホシカメムシです。カメムシも探すといろいろといますね。





触角が短く、下鰓鬚の内側が黒くなく、頬の模様などから、ヤマトクサカゲロウかなと思います。



以前、いろいろと調べていたケバエの仲間がいました。もうだいぶ忘れてしまっています。目が大きいので♂、前脚の脛節に特徴的な刺の対がないのでケバエ亜科でないことは分かります。おそらくPlecia属かなと思いますが、識別には翅脈を写さなければいけなかったのですね。すっかり忘れていました。前脚がやたら長い感じです。

蛾はまだ名前調べが終わっていないので、後に回します。

廊下のむし探検 イソヒヨドリとかくれんぼ

廊下のむし探検 第356弾

廊下を歩いていると、美しい鳴き声が聞こえます。声はすれども姿は見えません。



そっと近づいてみると、排水パイプの裏側でイソヒヨドリが鳴いています。パイプが邪魔になっていてよくは見えないのですが、向こうもこちらには気がついていない様子です。3mほどの距離まで近づいてみました。後姿だけなので、何とか横顔でも写らないかとカメラを構えて待つことにしました。



一瞬、右側を見ました。これ幸いとシャッターを切ったら、どうやらその音に気がついたようです。



じろっとこちらを見て、飛んでいってしまいました。ほんの一瞬のドラマ。

後は一昨日見た残りの蛾です。蛾は相変わらず小型のものが多いです。



最初はこんな地味な蛾ですが、ヒトリガ科のウスバフタホシコケガです。普通、蛾の翅には鱗粉が生えているのですが、この蛾は例外的に一面に毛が生えています。毛と鱗粉は起源が一緒なのですね。



斜めから写したので、ちょっと分かりにくいのですが、カザリニセハマキというニセハマキガ科の蛾です。昨年も8月に見ていました。



これははっきりした模様の蛾です。サツマキノメイガといいます。小型の蛾です。



夏中、このトガリメイガの仲間をよく見ます。あまりに多くいるので、普通は写真を撮らないのですが、近くにいるときだけ写すことにしています。これは壁に止まっていました。ウスベニトガリメイガだと思います。



トガリメイガは上の写真のような止まり方をしますが、たまにはこんな止まり方もします。これは、おそらくオオウスベニトガリメイガだと思います。



アシブトチズモンアオシャクです。先日いた大型のヤママユがそのまま止まっていて、そのすぐ脇に止まっていたので、おそるおそる撮っています。



模様がはっきりしませんが、これはヤガ科のシロズアツバだと思います。「廊下のむし探検」初登場です。



それからおまけですが・・・。マンションの外壁にこの間から体長1-2cmほどの毛虫がところどころについています。何をしているのでしょう。これはヨツボシホソバというヒトリガ科の蛾の幼虫です。



最後のこの毛虫は特徴が少なくて名前を調べる気力が起きませんでした。3匹いました。(追記:通りすがりさんから、「ヤネホソバっぽいですね。」というコメントをいただきました。「原色日本蛾類幼虫図鑑」を見ると、図版の写真もはっきりしないのですが、確かに似ています。上の写真からよく分かるなぁと感心してしまいました

廊下のむし探検 カッコウムシほか

廊下のむし探検 第355弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。カッコウムシという奇妙な虫がいます。以前、語源を調べたことがあったのですが、中国語でも「郭公虫」ということが分かっただけで、それ以上は分かりませんでした。因みに英語ではcheckered beetleで、格子縞の甲虫とか色とりどりの甲虫とでもいうのでしょうか、和名とは全く違います。そんな郭公虫の仲間がいました。



体長6.2mmの小さな甲虫ですが、翅の途中までが赤褐色になっています。触角も面白い形をしています。調べてみると、カッコウムシ科ホシカムシ亜科のアカクビホシカムシという名前のようです。干魚などの乾燥動物質を食べるということで害虫ですね。ところで、「ホシカムシ」とはまた訳の分からない名前ですね。おそらく、干鰯虫(ほしかむし)のことだと思いますが、よくは分かりません。



こちらは体長3.7mmで、もっと小さな虫です。カツオブシムシの仲間だと思いますが、以前見られたヒメマルカツオブシムシとは触角の形状が違います。おそらく、チャマダラカツオブシムシではないかと思われるのですが、はっきりとはしません。カツオブシムシは名前からも分かりますが、乾燥した動物質を食べる害虫です。同じようなものを食べる害虫が続きました。



廊下の真ん中でフタホシウバタマコメツキが前脚を伸ばして伸び上がっていました。コメツキというと床にへばりついている感じなのですが、飛ぼうとでもしているのでしょうか。(追記:通りすがりさんから、フタモンウバタマコメツキではとコメントをいただきました。まさにその通りです。なんで間違ったのだろう



この日はコメツキがいろいろいました。これはサビキコリの仲間だと思います。



こちらは名前が分かりませんでした。また、コメツキに悩まされそうです。

甲虫以外にもいろいろといました。



カマキリが天井に止まっていました。この手のカマキリにはカマキリ(チョウセンカマキリ)とオオカマキリがいます。図鑑の説明を見ると、この写真から判断できそうなところでは、前胸背後部と前基節との長さの比、頭部顔面の縦横比などの区別点があります。いろいろと見てみたのですが、結局、カマキリの方かなという感じだけで、はっきりとは分かりませんでした。



最近、コオロギをよく見るようになりました。これはエンマコオロギですね。やはり、この間見た個体と同様で、長い後翅が見えています。



こちらはオカメコオロギの仲間です。長い後翅、それに産卵管が見えています。産卵管の先が見えるような角度から写してみました。ちょっと分かりにくいのですが、オカメコオロギ類のものと似ている感じです。



しばらく忘れていたのですが、ハチの名前調べもほとんど手付かず状態です。何を手がかりに調べていったらよいのでしょうね。



最後はアリみたいですが、これはクモの仲間で、ヤガタアリグモといいます。姿は似ているのですが、歩き方がアリとは異なるので、見ていると何となく分かります。

蛾は次回に回します。

廊下のむし探検 やっとヤママユ登場

廊下のむし探検 第354弾

いつも7月終わりごろから見るのですが、今年は遅いな遅いなと思っていたら、とうとうヤママユがやってきました。



といっても、ヤママユは私が怖い蛾の筆頭なので、こわごわ後ろの方から撮影しました。廊下の壁に止まっていたのですが、風に揺れてゆらゆらして、いかにもすぐに飛び出しそうです。いつもなら1シーズン10-20匹くらいは見るのですが、今年はこれがまだ1匹目です。ずいぶん少ない感じです。

ヤママユを除くとほかの蛾も低調で、小さな蛾ばかりでした。



こちらはヒトリガの仲間で、クロテンハイイロコケガといいます。コケガという名は、幼虫が地衣類を食べる種が多いからです。



これも同じヒトリガの仲間なのですが、似た種が多くてなかなか断定的に名前を言えません。おそらく、キマエホソバではないかと思いますが、自信はありません。



こちらはヤガ科のトビモンアツバです。これも似た種が多いのですが、これで大丈夫でしょう。



これも似た種が多いのですが、おそらくイネヨトウです。



この間からいるキオビベニヒメシャクです。



また、Scopulaがいました。今度はウスキクロテンヒメシャクではないかと思いますが・・・。



鮮やかな色の蛾で、ミツテンノメイガといいます。ミツテンというのは、前翅に淡い色の模様が三つあることによっています。



チャバネアオカメムシですね。



触角の節の太さから、ホシハラビロヘリカメムシではないかと思います。



こちらはハネナガマキバサシガメです。



クワガタの♀ですね。また、名前が分からないのですが、ノコギリクワガタかなと思っています。



天井に止まっていると、遠くからでもよく目立ちます。オオゾウムシという大型のゾウムシです。



これはホソアナアキゾウムシでしょうね。



そして、これもゾウムシで、ケナガスグリゾウムシです。この日はゾウムシがたくさんいました。



アオドウガネだと思うのですが、フラッシュをたくと緑色には見えなくなります。以前から思っているのですが、甲虫の写真はちょっと考えないといけないですね。



この間から、家の玄関の下にいてじっとしています。おそらくクシコメツキの仲間かなと思います。



天井に止まっていました。セスジササキリモドキの♀だと思います。「バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑」によれば、よく灯火に飛来し、低山の林内や樹上に住むと書いてありました。



コオロギがいました。写真を撮ってから後で写真を眺めてみると、後ろに伸びている白いものが見えます。これはいったい何なのでしょう。「生態図鑑」を見ても、長いものが見えているものとそうでないものがいます。でも、それに関してはちっとも説明がありません。

松浦一郎氏の「日本産オカメコオロギ属近似種の分類」New Entomol. 37, 17 (1988)を読むと、その点に関して詳しく載っていました。まず、白く長く伸びている部分は後翅のようです。この後翅は、羽化後1-2週間で脱落してしまうようです。それから、白い翅のすぐ下にある縞の入ったものは後翅が折れ曲がったものです。その下にある、黄褐色のものが産卵管です。従って、これは♀ということになります。

白い翅の上にあって、茶色い部分は前翅です。この写真では、前翅が腹の先端近くまで伸びていますが、これも実はあてにならないようです。というのは、同じ論文に「前翅も羽化当時は腹端まで覆っているが、成熟したものは腹端が出ている」というので、腹部と前翅の相対的な長さも変化するからです。ということで、図鑑を見るとき、翅の長さはあまりあてにならないことになります。そこで、今度は頭部を見ると、白い線が見え、頭部が盛り上がってような形になっています。従って、おそらくオカメコオロギの仲間だろうと思われます。本当は産卵管の先端の形を見ても分かったようなのですが、残念ながらこの写真には写っていませんでした。今度写してみます。

アリを調べる トビイロシワアリ

この間からアリの勉強を始めています。今回は、マンションの近くでもよく見る小さなアリを調べてみました。



対象とするアリはこんなアリです。マンションの近くにいる小さなアリを片端から吸虫管で吸うと、大部分がこのアリでした。大きさは2mmほどの小さなアリです。

アリの検索には、「日本産アリ類全種図鑑」(学研)と「アリ類画像データベース2003」が大変役に立ちます。このアリはおそらくトビイロシワアリというフタフシアリ亜科シワアリ属に含まれるアリだと思われます。そこで、顕微鏡写真を使って、検索表に沿って確かめていきたいと思います。



まず、亜科の検索は上の3項目を確かめることでフタフシアリ亜科であることが確かめられます。関係する画像を載せます。




検索項目に該当するところには矢印を入れています。また、項目には通し番号をつけていますので、図を見て確かめてみてください。亜科の検索の場合、関係するのは①から③で、腹柄が2節あること、触角の入り口が額隆起で覆われていること、爪が単純なことでフタフシアリ亜科であることが確かめられます(②の額隆起縁は後で載せるFig. 6の方が分かりやすいと思います)。

次は属への検索です。



項目が多いので、もう少し関連する画像を増やします。







こうして拡大してみると、しわがいっぱいで、シワアリという名前の由来もよく分かります。検索各項目を順に図を見ながら、追いかけていけるようにしてあります。この中で、シワアリ属を見分けるのに特に重要な項目は、⑬の触角の先端の太い部分(こんぼう部)が3節であることと、⑭の触角挿入部の前方で顕著な隆起縁を形成するという点です。特に、後者は分かりにくいので、さらに拡大してみました。Fig. 6は生物顕微鏡に対物レンズ10xを取り付けて撮影したものですが、次の写真は20xを取り付けたものです。



この写真ではしわよりは高いはっきりとした隆起線(白矢印)が見られます。おそらくこれのことを指すのだと思います。

これでシワアリ属にたどり着いたのですが、種への検索は次のようになっています。




これに関係する図を一つ増やします。



この項目の中では、⑯がよく分からなかったのですが、色から判断しても、トビイロシワアリで間違いないのではないかと思います。

この間のアミメアリに引き続いて、トビイロシワアリの検索をしてみました。このアリは日本全土で見られますが、特に、西日本では普通に見られるということです。検索をしてみた感想としては、⑭の隆起縁が初めよく分からず悩みました。おおよそ分かってからは、それを写真で表すのに苦労しました。これで合っているのかどうかは分かりませんが、こんなことをしていると少しずつアリにも親しみが湧くようになってきました。

廊下のむし探検 ヒシバッタほか

廊下のむし探検 第353弾

廊下を歩いていると、掃除のおじさんが気の毒そうに言います。「虫がいないねぇ~。」
この間、マンションの集会室で虫展をしてから、少しずつ認知されてきたようです。何か変わったものがいましたかと声をかけられるようになりました。

それでも、今頃は本当に虫がいません。



外壁にヒシバッタが止まっていました。バッタは、「バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑」という北大出版会の図鑑を見ているのですが、ヒシバッタは種類が多くてさっぱり分かりません。近畿に分布していそうなもののだけを拾っても、ハネナガ、ニセハネナガ、コバネ、モリ、ハラ、ヤセ、ヒメ、ノセなどがいて、図鑑の説明も少なく、何を見てよいやらさっぱり分かりません。(追記:後日、似た種を検索してみたところハラヒシバッタであることが分かったので、この個体もそうかもしれません

それで、いつもはあまり調べないのですが、今日はちょっとだけ図鑑の説明を読んでみてびっくり。翅のように後ろまで伸びているのは実は翅ではなくて、前胸背板が伸びたものだそうです。翅はその下にあって、前翅はこの写真では薄橙色の模様のすぐ脇にある網目模様のもののようで、後翅は前胸背板に隠れているみたいです。以前の写真で見てみると、



こんな感じなのですね。今度、一度捕まえてきてじっくり見てみたいです。



いかにもアカスジカメムシという感じのカメムシの幼虫です。翅が生えかけているので、5齢幼虫でしょうね。マンションの外壁に止まっていました。



この間もいたフタテンカメムシです。



アミガサハゴロモです。遠くからみると蛾が止まっているみたいでしたが、写真に撮ってみると目つきが違いますね。



マダラメイガの仲間であることは間違いないのですが、図鑑を見ていてもなかなかこれっという種にぶつかりません。そこで、ちょっとネットの画像検索でカンニングをしました。たぶん、ナシモンクロマダラメイガです。



トビイロシマメイガは普通こんな風に翅を広げて止まるのですが、先日の個体は翅を閉じて止まっていましたね。



これはヒメマダラミズメイガといって、幼虫は水の中で暮らす水生昆虫です。近くに川があるせいか、こういう水生昆虫がいっぱいやってきます。図鑑を見ると、幼虫はウキクサ、トチカガミ、ヒシ、スイレンを食べるということで、川よりは池に棲んでいるみたいです。



こちらはシロモンノメイガです。模様がはっきりしていますね。



これはアオアツバです。普段、たくさんいるので無視しているのですが、今日は虫が少ないので載せておきます。



Scopulaです(私も学名で格好良く書いてみました)。ヒメシャクですね。格好は良かったのですが、結局、種名が分かりませんでした。まず、中、外横線の形を調べました。なんとなく、ウスキクロテンヒメシャクに似ています。さらに、外縁の黒点列を調べます。これも似ています。ただ、ウスキクロテンの特徴である前後翅の横脈点が前翅に見えません。これから悩み始めました。モントビ、マエキ、ヤスジマルハ・・・。悩んだ挙句、結局、ギブアップです。(追記:翅が赤っぽい感じがしたのですが、ひょっとしてギンバネヒメシャクかな

廊下のむし探検 ハンミョウは綺麗ですね

廊下のむし探検 第352弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。マンションの外壁にハンミョウがいました。近づいて撮影しようとすると、さっと逃げて、近くの草むらに入ってしまいました。ちょっと追いかけて撮った写真です。



それにしても綺麗ですね。ハンミョウは山道を歩いているときに時々見かけるのですが、こんなに綺麗だったかなぁ。背景が緑だと、やはり虫が映えますね。



で、これはいつもの廊下での写真です。ちょっと模様が図鑑とは異なるのですが、やはりヨツスジトラカミキリでしょうね。図鑑には「体表の黒紋にはかなりの変異が認められる」と書いてありました。



ぴかぴかの虫がひっくり返っていました。



起こしてやると、やはりぴかぴかでした。図鑑を見ると、分布からはムラサキシラホシ、シラホシ、シロテン、キョウトアオ♀あたりが考えられるのですが、前二者は赤銅色ないしは紫銅色です。この写真はフラッシュをたいたので紫に見えますが、実際は緑がかっています。従って、シロテン、キョウトアオのどちらかということになるのですが、前脛節の突起がシロテンとほぼ同じなので、シロテンハナムグリの方かなと思います。



こちらはコアオハナムグリです。



図鑑では翅の白い点々が見えないのですが、おそらくコイチャコガネでしょうね。



これは例によって種名が分からないゾウムシです。とりあえず、マツノシラホシゾウムシ類ということにしておきます。



ホソヘリカメムシがエレベータホールの壁に止まっていました。こんな形でじっとしています。



オカメコオロギ類の♂の幼虫です。オカメコオロギにはモリ、ハラ、タンボ、ネッタイの4つの近似種がいるので図鑑を見ても種まではなかなか分かりません。昨年、松浦一郎氏の「日本産オカメコオロギ属近似種の分類」New Entomol. 37, 17 (1988)という論文をJSTから取り寄せたことを思い出して、もう一度見てみました。ネッタイは南西諸島なのではずしてもよいと思うのですが、後の3種はなかなか厄介です。♂の若齢幼虫では、触角の途中が白くなるのがタンボとモリで、ならないのがハラということが書いてありますが、齢が進むにつれ暗淡色に変わっていくというのであてにはなりません。結局、よく分かりませんでした。



いつものクロオオアリに比較するとつやつやした感じです。捕獲して、「日本産アリ類全種図鑑」で属の検索をしてみました。あまり、疑問が残らずオオアリ属にたどり着くので、後は絵合わせで調べてみました。絵合わせは図鑑に付属しているCD版が写真を拡大できるので役に立ちます。結局、ミカドオオアリかなというところです。(追記:その後、CD版に載っている種の検索もしてみました。ミカドオオアリで間違いなさそうです

アリも少しなれてきた感じです。最近は散歩に行くときに、吸虫管を持っていき、小さいアリを吸っています。小さいアリは肉眼では皆一緒に見えるのですが、少なくとも数種類は混じっているみたいです。なかなか同定はできないのですが・・・。



これはこの間もいたホシウスバカゲロウですね。地下駐車場の天井に止まっていました。



地下駐車場にはドクガもいたのですが、翅の破れているところが一致するので、この間と同じ個体ですね。



トガリメイガもいろいろな種類がいるのでややこしいですが、これはウスベニトガリメイガでしょうね。



最後はトビイロシマメイガです。いつもは翅を広げた格好で止まるのですが、こんな格好で止まることもあるのですね。気分によって変えるのでしょうか。

ヤマトクサカゲロウを調べる

この間から、クサカゲロウの勉強のために、廊下に来たクサカゲロウを捕まえては調べているのですが、今回はヤマトクサカゲロウらしい個体が見つかったので調べてみました。



これがいたのは2日前で、こんな写真の個体です。クサカゲロウの仲間は遠目から見ると皆よく似ているのですが、頭部や胸部の斑点が結構違っていて、それを使って見分けることができます。



これは4種の頭部と胸部の一部を写したものですが、この4種は下唇肢や小腮鬚の色、矢印で示した頬や前胸前縁角の斑点に違いがあることが分かります。カオマダラクサカゲロウの写真は先日調べた個体で、カオマダラとは断言できなかったのですが、少なくともそれに近い種かなと思った個体です。

クサカゲロウの種の個別の説明は図鑑ではそれほど詳しくないので、1919年の岡本半次郎氏の「本邦産草蜻蛉科に関する研究」(こちらからダウンロード可能)の説明を使って調べています。ヤマトクサカゲロウについて、部位別に書いたものが次の表です。この表に沿って調べてきます。



まず、ヤマトクサガゲロウの体色については、ここに書かれているような淡赤紫色のほかに、上の写真のような黄緑色の個体がいます。淡赤紫色の個体は越冬型だと考えられています。次に、頭部については顕微鏡を使って少し拡大してみました。







Fig. 1と2は実体顕微鏡、Fig.3は生物顕微鏡に対物10xを取り付けたもので、写真はいずれも深度合成の方法を用いて合成しています。顔の模様は複眼近くに長方形状の黒い模様があり、境界(額片の境界?)に沿って黒いぼんやりとして模様があり、記述とほぼ合っています。ただ、複眼の周りが赤く彩られるというところは見られませんでした。おそらく、体色が淡赤褐色の個体で見られるのではと思っています。

次に小腮鬚と下唇肢の色についてですが、Fig. 1や2を見ると、書かれている通り、外側だけが黒褐色になっていることが分かります。小腮鬚の部分をさらに拡大してみました。



こんな風に、下唇鬚の各節の一部だけが黒褐色になっていることが分かります。

触角は一番上の写真を使って長さを測ってみると、触角の長さ:上翅の長さ=0.81:1となって、触角の方が遥かに短いことが分かります。次の頭頂がはなはだしく突出するというのは、Fig. 2の矢印の部分を指しているのかもしれませんが、上から2番目の写真を見ても、他の種と比べてもそれほどはなはだしくというわけでもなさそうです。



前胸についてはFig.5で示すように、横隆起、横溝、縦溝が見られました。この部分の形状は種により少しずつ異なっている感じです。

腹部、肢については書かれている通りで、次に翅に移ります。



これは前翅を示したものですが、まず、右上にうっすらとした縁紋が見られます。次に翅脈の色について書かれていて、ところどころに黒色の部分があるということですが、よく見るとそうかなぁという程度ではっきりとはしませんでした。(追記:翅中央部分のMと書いた脈は、発生過程でいくつかの脈が合わさってできているので、Psm(pseudo-media)と書いた方がよいようです。14/10/18のブログを見てください

第1横脈(左の矢印の部分)が第3中分室(cc)に直接交わるのではなく、より外方で交わっていることが写真からも読み取れますが、これも書かれている通りです。次の段横脈は写真の右側の矢印で示した部分だと思うのですが、その数は上側では6個、下側では5個になっています。従って、6/5と書かれると思うのですが、記述とは若干異なりました。これは、個体差なのか、あるいは、季節などでも異なるのかはよく分かりませんでした。

ということで、おそらくヤマトクサカゲロウで合っているのではという感じですが、もう少し別の個体も調べてみることと、淡赤紫色の越冬型の個体も調べてみる必要があるなぁというのが感想です。

廊下のむし探検 台風後も虫は少なかった

廊下のむし探検 第351弾

台風11号が過ぎ去り、ひょっとして南方系の虫が風に乗ってやってきているのではと期待して、朝、早めにマンションの廊下を歩いてみました。結果は、特に珍しい種はいなくて、また、虫も少なめでした。



まずはドクガからです。これまで黄色の蛾はご用心と何度か書いてきたのですが、そのときはたいていゴマダラドクガかチャドクガでした。この蛾はこれらよりちょっと大きめで、本家本元のドクガです。マンションではあまり数は多くないのですが、時々見ます。「大図鑑」には、「♀が家屋内に侵入し、電灯の笠や壁にぶつかったとき尾毛に付着した幼虫時の多数の毒針毛が飛び散り、皮膚にささって被害の出ることがある。」と書いてあります。夏が発生時期なので、ご用心を。なお、幼虫は雑食性で、サクラ、バラ、キイチゴ、コナラ属、カキなどを食するそうです。



こちらは清楚な感じですが、ヤマトカギバです。



小さい蛾です。はっきりした模様で、最初はコブガかなと思ったのですが、コヤガの方でした。ヒメネジロコヤガです。



よく見るヒメシャクで、キオビベニヒメシャクといいます。



これも時々見ます。地下駐車場の天井に止まっていました。ネグロシマメイガです。



模様がはっきりしないので何だろうと思ったのですが、ネットで検索していて見つかりました。ヒメハナダカノメイガです。以前、誤ってハイイロホソバノメイガとしていたことがあったのですが、ノメイガの中では珍しく触角を前に伸ばして止まるのが特徴です。これまで何度か見ています。

次からは蛾以外のむしです。



黒い塊なのですが、「鼻」が長いのでゾウムシの仲間だと分かります。図鑑でゾウムシのところを何度か見て、やっとクロコブゾウムシにたどり着きました。合っているかどうかは分かりません。翅の筋がはっきりせず、不規則な瘤が並んでいるような感じです。



この日、唯一の大型昆虫でした。カナブンです。



翅が茶色なのでチャバネアオカメムシかなと思ったのですが、前胸背の二つの大きな黒い紋が気になりました。チャバネアオカメムシ属は日本に3種、ルリ、チャバネアオ、ヒメチャバネアオがいますが、いずれもこんな模様はありません。図鑑やネットを何度か見たのですが、同じような模様の個体は見つかりませんでした。ということで、たぶんチャバネアオカメムシでよいのではないかと思います。おそらく、個体変異か何らかの理由で死後黒化したのではと思っています。



マンションの外壁に小さなヨコヅナサシガメの幼虫が何匹かついています。よく見ると、こんな風に虫の体液を吸っている姿が見られます。先日はチャタテムシだったのですが、今回はアリの仲間です。



首の後ろに強度的に弱いところがあるのでしょうね。先日のチャタテもこの写真のように同じ場所に口吻をさしていました。



こちらもカメムシ目の仲間ですが、ベッコウハゴロモです。



また、クサカゲロウがいました。触角の長さが翅の長さより明らかに短いことが分かりますね。



また、例によって顔を拡大してみます。この模様からヤマトクサカゲロウだと思われます。これも採集してきたので、今度、顕微鏡で特徴を調べてみたいと思います。



以前はベッコウガガンボだと思っていたのですが、翅の模様が違います。ネットで調べて、ホリカワクシヒゲガガンボかなと思っていますが、近似種がいるのかどうかは分かりません。



最後はこのクモです。銀色が何とも言えず綺麗です。シロカネイソウロウグモといいます。「シロカネ」は銀を意味するのですが、シロカネと言われるとどうも銀色という感じがしません。「イソウロウ」については、「日本のクモ」によると、「他のクモの網の中に侵入して、網の主が捕らえた獲物を盗み食いしたり、網にかかった小昆虫を食べる。(中略)ジョロウグモの網に70個体いた記録がある。」とのことです。「イソウロウ」という意味も分かりますね。

廊下のむし探検 台風の中の蛾

廊下のむし探検 第350弾

台風11号が四国に上陸し、その後、兵庫県を通過しました。こんな中で、「廊下のむし探検」をするわけはないのですが、風がおさまってきたころ、ちょっと覗いてみるとこんな大きな蛾が廊下の壁に止まっていました。



キシタバの本家、キシタバで、「廊下のむし探検」初登場です。おそらく、雨宿りでしょうね。外はまだ雨が激しく降っていました。

廊下のむし探検 虫は少なめ

廊下のむし探検 第349弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果ですが、虫は断然少なかったです。



ちょっと変わったところではこんな蛾がいました。マドガ科のウスマダラマドガといいます。これまで7月、8月に採集していましたが、「廊下のむし探検」では初登場です。



これまで何度か見ていますが、クロシタシャチホコといいます。下翅が黒いので、こんな名前がついています。



地下駐車場の車の上の天井に止まっていたため、こんな角度からの撮影になってしまいました。キシタアツバ、タイワンキシタアツバ、クロキシタアツバという3種の似た種があるのですが、この写真のように三角紋がはっきりしているのはタイワンキシタアツバです。



綺麗に撮れました。トビイロシマメイガです。



触角も脚も長いですが、これもカメムシの仲間です。



胴体部分を拡大してみました。これはヒゲナガサシガメというサシガメの仲間です。カメムシにもいろいろな種類がありますね。



羽アリは名前が分からないのですが、また写してしまいました。



この間もいたヒメカメノコテントウです。



最後はこのクモです。おそらく、ワシグモの仲間だろうと思うのですが、名前は分かりませんでした。というよりは最初からギブアップです。

廊下のむし探検 セダカシャチホコほか

廊下のむし探検 第348弾

先ほどの続きの蛾編です。最初はこの蛾です。



頭のところに冠のような毛があります。上から見るとこんな感じです。



これはセダカシャチホコというシャチホコガ科の蛾です。これまで5月から10月にかけて見られていますが、8月が一番多かったです。



次の蛾はこれです。展翅した標本のような止まり方をしています。オオシロアヤシャクというアオシャクの仲間です。



これはヨスジキヒメシャクという蛾です。変わった模様ですね。



よく分からないヒメシャクの仲間です。外縁に黒点列があったり、外横線が薄く、やや点状に並んでいるので、サクライキヒメシャクかなと思いますが、自信はありません。



これはモンシロドクガです。♂か♀か分かりませんが、♀だったら毒毛を持っているので要注意です。



こちらはイラガです。幼虫は毒毛を持っていますが、成虫にはありません。



これはアカジママドガです。



これはヤガ科のヒロバチビトガリアツバです。下唇鬚が長いですね。



こちらはキベリトガリメイガです。上の方の縁毛が部分的に黄色くなっているのが特徴です。



これも同じ仲間の蛾ですが、ウスオビトガリメイガだと思います。



ちょっと黒っぽいので何だか分からなかったのですが、おそらく、この間からいるシバツトガではないかと思います。





後はよくいる蛾です。上は名前がはっきりしないのですが、ヒメアカウスグロノメイガかなと思っている蛾です。下はコガタシロモンノメイガです。

8月も半ばに近づいてきたので、そろそろ虫が出始めたのかもしれませんね。5月から6月にかけては多かったですが、8月から9月にかけても例年多いのでこれから大変かもしれません。

廊下のむし探検 カメムシが多かった

廊下のむし探検 第347弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。この日は久々に虫がいっぱいいました。中でも、カメムシが多かったようです。



最初はこのフタテンカメムシです。。一見すると、よくいるクサギカメムシのような気がするのですが、何となく長細いのでおやっと思ったら、このカメムシでした。この日は2匹いました。三角形状の小盾板の両端に白い点が二つあるのでこの名前がついたのでしょう。「日本原色カメムシ図鑑第1巻」によると、海岸のススキなどで生活し、個体数は少ないとありますが、マンションでは時々見ます。



次はこの緑色のカメムシです。色彩変化の激しいアオクサカメムシの仲間です。よく似た種にミナミアオカメムシがいます。後者は熱帯系のカメムシで、地球温暖化とともに徐々に北上を続けているカメムシで、近畿地方では大阪、兵庫あたりでも確認されています。ともに、いろいろな植物に寄生し、特に、稲の穂に加害するので害虫として知られています。見分け方は、触角第3,4,5節の後半が黒いのがアオクサ、褐色なのがミナミアオだとされています。この写真では黒いのでおそらくアオクサカメムシでしょう。



この細長い虫もカメムシの仲間でクモヘリカメムシといいます。やはりイネ科に寄生し、イネの穂を吸収加害する害虫として知られています。



これも似たような形ですが、これはハネナガマキバサシガメというカメムシです。こちらは小さい昆虫の体液を吸います。



マンションの外壁にたくさんついていますが、これはヨコヅナサシガメという大型のカメムシの若齢幼虫です。

次からはカメムシ以外です。



変わった形の甲虫ですが、どうやら死んでいるようです。頭部が突き出していて真ん中に凹みがあります。このあたりを手がかりに図鑑を調べてみると、どうやらダイコクコガネの仲間のようです。その中でも、ゴホンダイコクコガネ♀かなと思っています。♂は頭部に長い角があるのですが、♀はちょっと飛び出るだけのようです。この写真をよく見ると頭部に小さい突起があります。



これはセンチコガネです。フラッシュをたいて撮影すると、いつもこんなえんじ色になってしまうのですが、実物はもう少し綺麗です。



これはアオドウガネだと思われます。これもフラッシュをたいて撮影するとこんな茶色になるのですが、実物は緑色です。



こちらはオオゾウムシです。この日は2匹いました。



この淡い色の虫はハゴロモの仲間で、おそらくアオバハゴロモだと思われます。実はハゴロモもカメムシの仲間です。



キイロカワカゲロウです。翅が不透明なので、亜成虫ですね。



こちらは眼の模様に特徴がありますね。シロタニガワカゲロウです。翅が不透明なので、これも亜成虫です。キイロカワカゲロウもシロタニガワカゲロウもともに「少し汚い水」に住む生き物です。昔はあまり見なかったのですが、最近はこの2種をよく見るようになりました。川の水が汚れてきているのかもしれません。



地下駐車場の天井にいましたが、クビキリギスです。



それにウシアブです。(追記2018/03/05:検索表が♀用しかないので、♂の場合はTabanus sp.としておきます



それとクロオオアリです。



最後はこのクモです。「日本のクモ」をずっと見ていったのですが、そのものずばりの種は見つかりませんでした。ナミハグモの仲間かもしれません。

虫の数が多くなったので、蛾は次回に回します。

廊下のむし探検 いろいろ虫がいました

廊下のむし探検 第346弾

「虫展」疲れが治まった昨日、午後から廊下を歩いてみました。「夏=昆虫採集」という図式がありますが、実は、夏はほとんど虫を見かけません。やはり暑いからでしょうね。でも、マンションの廊下はそんな暑さを避けてきている小さな虫も多いようです。



今日はこんな小さな虫から紹介します。廊下の壁を黒い小さなハエのようなものが結構速く動いているなと思ったら、この虫でした。以前にも何度か出てきましたが、チャタテムシの仲間のウロコチャタテです。「ウロコ」は鱗を意味していて、翅には毛でなく、鱗粉が生えているのです(詳細は以前のブログを参照してください)。気がつくと、マンションの上から下まであちこちでこの虫を見かけました。



この小さな羽アリもよく見かけます。雄アリは名前が分からないと書いてきたのですが、日本産アリ類画像データベースには雄アリの亜科と属の検索についても載っていました。左のメニューから検索キー→雄アリと進んでみてください。今朝はこの検索表を使って調べてみましたが、「腹部第2節前板は腹部第1節に覆われて隠れる」というところでつまづいてしまいました。前板というのが何を指しているのか分かりません。この項目を飛ばして、二股の両方の道をたどると、一つの道は行き止まりになってしまいました。そこで、もう一つの道をたどっていくと、最終的にオオアリ属にたどり着きました。本当かどうかはほとんど分かりませんが・・・。なお、オオアリといっても体長は僅か4.5mmです。



虫展で皆さんが気にされていたカメムシもいました。普段はあまり撮影しないのですが(そのくらいたくさんいる)、マルカメムシです。



それとヒゲナガカメムシです。カメムシも種類が多くて、こんなに細長くてもカメムシの仲間です。



テントウムシもいました。ヒメカメノコテントウだと思うのですが、似た種にコカメノコテントウもいるのではっきりとはしません。



それに、先日もいたシロテンハナムグリです。



この日の「廊下のむし探検」の最後のころにいたので、ぞんざいに撮影してしまいました。後で考えると、寸法を測ったり、もう少し丁寧に写せばよかったなと思いました。脚の脛節が曲がっているので、ゴミムシダマシかなと思って図鑑を見ていきました。上翅の点刻列と列との間である間室が平坦のようです。触角も少し見えています。こんなところを手がかりに、コマルキマワリかなと思ったのですが、まったく自信はありません。



オオフタモンウバタマコメツキの本州亜種をフタモンウバタマコメツキというのでしたね。沖縄に生息する原名亜種とは上翅の末端の切り込みを見ればよかったのでした。詳細は以前のブログを参照して下さい。



ここからは蛾です。ハマキガの仲間は区別がなかなかつかないのですが、これははっきりした模様です。ヨモギネムシガといいます。幼虫がヨモギの根や茎の下部に侵入するそうです。



いつもは斜め前から撮影するのですが、この日は後ろから写してみました。小さい蛾なのですが、翅がきれいに見えますね。オオウスベニトガリメイガです。



これはカシノシマメイガです。



翅の中ほどが黒いので、おそらくシバツトガですね。



そして、よくいるコガタシロモンノメイガです。



幼虫が苔を食べるコケガの仲間です。ベニヘリコケガです。翅の中ほどにある黒い点が長いものがベニヘリ、短いものがハガタベニです。この日は2匹見かけました。



ヒメシャクの仲間で、種類は分かりにくいです。おそらくヤスジマルバヒメシャクではないかと思います。蛾はこれで全部でした。それにしても7月終わりごろからいつもは見るヤママユにまだ一度もお目にかかっていません。

最後はあまり見たくない連中たちです。



小さなクモですが、びっくりするような速いスピードで動きます。追いかけていってやっと写しました。でも、何だか分かりません。



長さは2-3cmのムカデの子供です。といっても、ムカデは幼体と成体の区別がないというので、どれが子供で親なのかはよく分かりません。オオムカデという種には3亜種があって、それぞれトビズ、アオズ、アカズという名前がついています。「ズ」は頭の意味でしょうか。頭部がちょっと青いのでアオズムカデかなとも思うのですが、このあたりにいるのはトビズムカデなので、トビズムカデの子供かもしれません。(追記2018/02/26:ムカデの種類は分からないので、とりあえずムカデの仲間ということにしておきます



最後はオオゲジです。玄関ホールの天井にいました。論文によると、オオゲジにもオオゲジ、カマクラオオゲジ、ヤマシナオオゲジの3種が、日本に生息しているそうです(高桑、1943)(ここからダウンロード可能)。その論文によると、触角鞭状部、および、第1対歩肢の前腿節の刺で見分けるらしいです。いずれにしても捕まえないといけないのですが、それはちょっと・・・。

虫展「廊下のむし探検」を開きました

8月3日(日)10時から17時まで、私の住んでいるマンションの集会室を借りて虫展「廊下のむし探検」を開きました。実は、これまでに2度ほど開いたことがあったのですが、だいぶ昔のことで、十数年ぶりの虫展になりました。



集会室は広いので、壁際に机をおいて、その上に標本箱とパネルを並べました。





こんな感じです。写真は全部、ブログに出したものばかりです。昔は標本を作っていたのですが、最近は写真ばかりなので、標本は十数年前の古いものばかり。蛾の標本が多いのですが、そのほかに、カメムシ、アミメカゲロウ、カゲロウ、トビケラなども置きました。



それだけだと、ちょっと地味な標本ばかりだったので、真ん中にチョウとトンボの標本も置きました。



また、低い机を二つ並べて、その上に、子供用の図鑑と絵本、それに前日まで作っていた「廊下のむし図鑑」のファイルを並べ、周りに座布団を置いて座って見れるようにしました。



さらに、小型の実体顕微鏡を2台置いて、鳥の羽、チョウの翅、アリなどが見られるようにしました。

これで準備万端です。これだけの準備にわずか1時間。結構、手際よかったのかも。

会場は10時ちょうどに開いたのですが、早速、子供さん二人を連れた方が見に来られました。ちょうど子供さんが遊びに来られていたようです。見学者は合計5-60名ほど、そのうち子供が1/4ほどかな。昔、開いたときは小学生くらいの男の子であふれていたのですが、今回は親子連れが多くて、ちょっと子供は少ない感じでした。見学者は午前中と夕方が多くて、昼過ぎは閑散としていました。それでも、来年もまた開いてくださいといわれたり、地域の文化祭にも出してくださいといわれたり、反応があってちょっと嬉しかったです。チョウとトンボを除いて、これらの標本はみんなマンションで捕まえたものばかりと話したらびっくりされていました。

反省点としては、マンションで見られる変わった虫や珍しい種を写真で見せていたのですが、来られた方はいつも見るカメムシの名前を知りたいとか、小さい羽アリは何かとか、身近な種類をもっと知りたかったようです。それから、標本が限られているのも問題ですね。来年も開くとしたら、標本をどうしたものか。同じ、標本を出すわけにもいかないし・・・。いろいろと問題もありましたが、それでも住民の交流の一助にはなったのではないかと思っています。

廊下のむし探検 虫展の途中でちょっと探検

廊下のむし探検 第345弾

昨日はマンションの集会室で虫展を開きました(それについて後ほど書きます)。午前中は見学者が多かったのですが、お昼を過ぎるとばたっと見学者の足が途絶えました。そこで、その機会を利用して、廊下を歩いてみました。やはり虫は少なかったですね。



まず、初めはこの間も見たヘビトンボです。朝、虫展が始まる前に家の近くで見つけました。これは、生きた虫の展示にちょうどいいと思って捕まえました。



鋭い大顎をしています。プラスティックの容器に入れたのですが、怒ってこの顎を開き、首を上に伸ばして翅をばたつかせています。でも、ヘビトンボを見られた方がほとんどいなくて、その意味では好評でした。夕方、虫展が終わってから、ご苦労様といって逃がしてやると、マンションの上空高く飛んでいきました。



このカメムシも朝いました。これも展示用に捕獲しました。シャーレに入れられてじっとしていたので、顕微鏡で顔の観察などを行いました。こちらも、夕方、離しました。虫展のときは、黒い丸い紋が小さい気がしたので、ヒメホシカメムシと書いておいたのですが、後で写真を見ると、過去に見たヒメホシと比べると黒い紋が大きい気がしてきました。図鑑でみると、黒い紋の大きさではなく、背面の点刻が強いか弱いかで見分けるようです。過去の写真と比べて、点刻は強い方だと思われるので、やはりヒメホシカメムシであっているようです。



廊下を歩き始めてすぐにコガネムシの仲間がひっくり返ってもがいているのに出会いました。



起こしてやると、猛烈な勢いで動き回り、結局、またひっくり返ってしまいました。似たような種類が多いので、名前調べは迷ってしまったのですが、シロテンハナムグリかなと思いました。





いずれもエレベータホールにいました。これはアオドウガネかなと思っています。



小さなハムシです。前胸背に深い横溝があるので、以前見たスジカミナリハムシではないかと思いました。



最後はこの蛾です。似た種がいてどうしようもない仲間なのですが、外横線が折れ曲がっているので、ヒメアカウスグロノメイガかなと思っています。

廊下を歩いてから虫展に戻ってみると、会場はやはり閑散としていました。その代わり、夕方、終了間際にたくさんの人がこられました。

廊下のむし探検 奇妙な形の虫に出会った

廊下のむし探検 第344弾

暑いのでほとんど虫はいないだろうなと思ったのですが、ちょっと気分転換のつもりで廊下を歩いてみました。やはり、ほとんどいなかったのですが、廊下の壁にこんな奇妙な虫が止まっていました。



長い触角、眼が突き出し、胸には段差ができています。拡大してみると、



こんな感じになります。捕まえてみようと近づいたら、意外にすばやく飛んでいってしまいました。名前調べが大変かなと思ったのですが、触角がヒゲナガゾウムシと似ているなと思って、図鑑を開いてみると、まさにそのページに載っていました。エゴヒゲナガゾウムシというようです。「廊下のむし探検」を始める前は甲虫がまったく分からなかったのですが、少し進歩したなと思いました。図鑑によると、エゴノキに卵を産み、幼虫は「ちしゃ虫」と呼ばれ、川釣りの餌にするそうです。



地下駐車場では、カミキリがほこりまみれになりながら、ひっくり返っていました。起こしてやると、のそのそと動き出しました。触角が短いので、おそらくニセノコギリカミキリですね。



虫が少ないとつい小さい虫にも目がいくようになります。これはこの間から見ているウロコチャタテですね。



羽アリもたくさんいるのですが、相変わらず名前は分かりません。



この虫は何だろうと思ったのですが、何となく形からゴキブリを連想させます。調べてみると、やはりクロゴキブリの若齢幼虫でした。クロゴキブリは家によくいるゴキブリです。これまで、私のマンションでは一度も見たことがなかったのですが、こんな郊外にまでとうとう進出してきたのかもしれませんね。

後は蛾の仲間です。



エルモンドクガがいました。白い壁に止まっていると、本当に保護色ですね。



ヤガ科コヤガの仲間ですが、似た種類がいてなかなか厄介な種です。白い筋の外側の薄茶色の部分の特徴から、ウスシロフコヤガかなと思ったのですが、自信はありません。



これはおそらくマエキヒメシャクですね。



そして、コガタシロモンノメイガ



それに、サツマキノメイガですね。

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廊下のむし

Author:廊下のむし

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