廊下のむし探検 蛾の巻
廊下のむし探検 第369弾
一昨日の「廊下のむし探検」の結果です。今回は蛾を中心に書いてみます。この日はあまり目立った蛾は見つからなかったので、この蛾から始めたいと思います。
今日の最初はこのカノコガからです。この日は2匹いました。カノコガは、「大図鑑」にはカノコガ科に属しているとされているのですが、「標準図鑑」ではヒトリガ科カノコガ亜科に入っています。カノコガとスカシバガはよくハチに擬態しているといわれています。Wikipediaを見ると、カノコガはフタオビドロバチに似せているということです。ハチに似せることは昆虫ではよく行われていて、ハチ擬態と呼ばれています。アブの仲間、カミキリムシの仲間、それに、これら蛾の仲間がよく例に挙げられています。スカシバガの仲間は本当によく似ていて、以前、廊下の壁に止まっていた時には本当にハチに間違えてしまいました(2014/06/21のブログ参照)。
でも、カノコガは野外でもよく見かけますが、止まっている時に見ても、飛んでいるときに見ても、およそハチに間違ったことはありません。おそらく、捕食者である鳥もすぐに見分けがつくと思うのですが・・・。上田恵介編、「擬態」(築地書館、1999)のコラム欄を読むと、怖いと感じるのは過去の経験によるものではなくて、一種の刷り込みによるものだろうと書かれていました。つまり、黄色と黒の模様は本能的に危険な色と思って、ハチでないと分かっていても、思わず引いてしまう、そんな感覚を利用をしたものかもしれません。
私の蛾嫌いもおそらくそんな感覚によるのでしょうね。スズメガを見ると、相変わらずぞっとしてしまいます。先日は胴体に金色の帯が見えたキイロスズメですが、ちょっと下から撮影したら、金色というよりは、やはり黄色に写ってしまいました。光が正反射するような方向から写さないと金色には見えないのかもしれません。
こちらはイナズマコブガです。
それにこの間からいるクロスジホソバでしょうね。
天井に止まっていたのですが、フラッシュをたくと翅に光が反射してしまい、模様がよく見えなくなることがあります。この蛾もまさにそうで、いろいろな方向から写してみたのですが、ちょっと斜め前から写してやっと反射を避けることができました。模様から、おそらくイチジクキンウワバだと思います。
何となく古風な模様を連想させますが、ヤガ科のシロスジシマコヤガです。どうしてこんな模様にしたのでしょうね。
これはヒロバチビトガリアツバです。翅が広くて、小さくて、頭の先が尖っているという意味でしょうが、5000種もいる蛾に一つ一つ名前をつけていくのは大変な作業でしょうね。
こちらはヨモギエダシャクです。
これはマメノメイガです。名前の通り、幼虫はササゲやアズキの花とさやと食べる害虫だそうです。蛾の名前も模様や形で付けられるときと、このように食草で付けられることがありますね。
さて、問題のウスグロノメイガBradina属です。ほとんど区別がつかない種が何種もあり同定がほとんどできません。ただ、上の2つの写真を比べると、翅の色や外横線の形などに少し違いが見られます。何となく、上はモンウスグロノメイガ、下はヒメアカウスグロノメイガとしたらどうかと思うのですが、あまり根拠はありません。
最後はこの小さな蛾です。翅の先端が丸いので、おそらく○○キバガかなと思って図鑑を見ていったら見つかりました。たぶん、ホソオビキマルハキバガだと思います。
あとがき)生物学のカテゴリーに出しているのですが、この間から新着リストにタイトルが載らなくなってしまいました。検索をしても引っかからないし、どうしたのでしょう。
スポンサーサイト