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クサカゲロウを調べる

この間から、クサカゲロウの名前調べがよく分からなくなってしまいました。今回、次の2種が得られたので、それを使って少し詳しく調べてみました。


調べたのはこの2種です。上の個体は頬の模様からカオマダラクサカゲロウ、下の個体は翅脈の横脈が黒く、頬と複眼の後ろに黒点があるのでフタモンクサカゲロウだと思われます。

この両者については、「原色昆虫大図鑑III」にも詳しい説明がないので、1919年の岡本半次郎氏の「本邦産草蜻蛉科に関する研究」(こちらからダウンロード可能)を基にして調べてみました。この論文の中では、当時の日本(台湾を含む)に生息するクサカゲロウ35種について個別に詳しい説明がなされています。ただ、文章が漢文調なのと長いので、関係しそうな種類について表にまとめてみました。



カオマダラクサカゲロウ、ヤマトクサカゲロウ、スズキクサカゲロウ、フタモンクサカゲロウの4種を選び、部位別にその特徴をまとめたのが上の表なのですが、字が小さいので拡大して見て下さい。

まず、カオマダラクサカゲロウだと思われるFig. 1aについて、その特徴を表の順に調べていきます。顔面の模様について、カオマダラはこの部分に「人」型の黒い模様があることが特徴なのですが、拡大するとこうなりました。



さらに拡大したものが次の写真です。



湾曲した区切り線のある上側が額でしょうか。その境界に沿って黒い模様があります。一方、下側の部分(頭盾でしょうか)の境界線に沿っても同様に黒い模様があり、さらに、頬の部分には四角い黒い点があります。これを合わせて「人」型というのでしょうが、この個体は上に向かう黒い線がはっきりせず、あまり「人」型には見えません。



次に、小腮鬚をFig. 4に載せましたが、上の表では黒色ということですが、薄い褐色程度です。一方、下唇鬚はFig. 2に見えるように黄色でした。触角の長さは12.8mmで、前翅長の11.3mmより少し長くなっていました。なお、体長は8.2mmでした。



前胸背には、中央に横隆起があり、そのすぐ下には深い横溝があります。さらにその下には緩い横隆起があり、中央に縦溝が見られます。この辺の様子は、ヤマトの特徴と似ているかもしれません。さらに、前胸背の両側には黒い毛が生えています。



前胸背の前縁角の下部分を横から見ると、黒い模様が二つ見えています。このあたりはカオマダラの特徴とよく合っているようです。



さらに、前翅の翅脈を見てみます。この中で、3と書いた部分が第3分室なのですが、その一部を第3中分室(cc)と呼んでいるようです。この中分室に、矢印で示した横脈がかかるか、あるいは、外側で交わるかという点ですが、この図では外側になっています。スズキではやや内側で交わるのですが、カオマダラやヤマトでは頂点か、あるいは外側で交わるということです。(追記:翅中央部分のMと書いた脈は、発生過程でいくつかの脈が合わさってできているので、Psm(pseudo-media)と書いた方がよいようです。14/10/18のブログを見てください

さらに段横脈と書いたのは、Rs脈の枝脈同士を結ぶ脈で、右側に矢印で示しています。上段のものを内段横脈、下の段のものを外段横脈と呼ぶようです。これの数を問題にしています。この個体の場合は、内段横脈の数は4、外段横脈の数は7なので、4/7と表現するのでしょう。この数は表とはまったく合いません。一般に、カオマダラは脈が密だと書かれていますが、かなりまばらな感じです。

ということで、カオマダラにかなり近いのですが、顔面の模様、小腮鬚の色、前胸背の隆起、段横脈の数などに違いが見られました。これがカオマダラの変異の内なのか、それとも別種なのかはよく分かりません。

次にフタモンを調べてみました。こちらは体長8.8mm、前翅長は12.6mm、触角の長さは14.1mmです。



この場合はかなり明確で、黒点の位置、両方の鬚の色などは書かれている通りです。



前胸背については書かれていませんが、中央に横溝が見られ、両側の毛は白いようです。



翅脈はところどころ、横脈が黒くなっています。また、特に書かれてはいませんが、第3中分室に横脈が交わっています(左矢印の部分)。段横脈は内が6箇所、外が6箇所なので6/6となり、書かれているものと一致します。ということで、この個体はフタモンクサカゲロウで間違いないと思われます。(追記:上で述べた通り、翅中央部分のMと書いた脈は、Psm(pseudo-media)と書いた方がよいようです。14/10/18のブログを見てください



最後はおまけです。フタモンクサカゲロウの脚の爪が面白かったので、ついでに撮ってみました。

クサカゲロウを調べた後の感想としては、特徴は分かりやすいといえば分かりやすいのですが、カオマダラについてはもう少し別の個体や近縁種も見てみないとよく分からないなという感じでした。おまけですが、写真では触角が曲がっていたのですが、ImageJというソフトのsegmented lineを選んで触角に沿ってなぞっていくと、曲がっていても長さが計れることが分かりました。

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廊下のむし探検 外壁にギンモンスズメモドキ

廊下のむし探検 第343弾

昨日の探検結果です。この日も虫は少なかったのですが、終わりごろにマンションの外壁をふと見上げると、こんな蛾が止まっていました。



ギンモンスズメモドキというシャチホコガの仲間です。この銀紋は、以前調べたウスイロギンモンシャチホコと同様に光の反射方向による色の違いがあるのかどうか分かりませんが、この写真では銀というより白く見えます。この蛾の♂は腹側に赤い毛の束を持っていて、捕食者を脅かすとされています。



これは十数年前に撮影したものですが、こんな赤い毛です。本当に脅かすかどうかは見たことがないのですが、何となく怖そうですね。



そのほかの蛾としては、ウスベニコヤガがいました。割りによく見る蛾だと思っていたのですが、ギンモンスズメモドキもこの蛾も「廊下のむし探検」初登場でした。



それに、コホソスジハマキです。



甲虫は4種でした。最初はこれで、前胸背の正中溝と翅の間室が平らなことから、ユミアシゴミムシダマシとしている個体です。この日は2匹いました。



2番目は以前教えていただいたセスジナガキマワリです。これも2匹いました。



それから、カナブン



それに、クシコメツキの仲間かなと思われるコメツキムシです。



ハチは2種。両方ともツチバチでした。これは、オオモンツチバチだと思われる個体で、死んでいました。



次は、翅の下に微かに黄色の模様が見えるので、キオビツチバチかなと思われる個体です。



それからウスバカゲロウです。模様が薄いのですが、他の特徴は合っているので、おそらくホシウスバカゲロウだと思われます。



またまたクサカゲロウがいました。顔に黒い点が少なく、翅の横脈が黒くなっています。例によって顔を拡大してみます。



眼のすぐ横の黒い四角い紋、眼の後ろの黒紋から、フタモンクサカゲロウだと思われます。これも捕獲したので、今度調べてみたいと思っています。



最後はクモです。脚が長いので、アシナガグモの仲間です。顔の前ににょっきと突き出しているのが上顎で、その下にわずかに黒く線のように見えるものが上顎の牙です。牙が湾曲していて、その基部に突起がないことから、ヤサガタアシナガグモかなと思っています。



次もアシナガグモです。これは上顎がずいぶん小さいので、別種かなと思ったのですが、名前までは分かりませんでした。何度も書いているのですが、クモももう少し大きな図鑑が欲しくなりました。


廊下のむし探検 ひさびさのヘビトンボ

廊下のむし探検 第342弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。昨日は本当に虫が少なかったです。ほとんどいないといってもよいくらいでした。そんな中、探検の最後にヘビトンボを見つけて嬉しくなりました。



ヘビトンボとはこんな昆虫です。アミメカゲロウ目だと思っていたら、ヘビトンボ目というのがあるのですね。以前は、このヘビトンボと、ヤマトクロスジ、タイリククロスジの3種がマンションにやってきていましたが、最近はまったくといってよいほど見かけなくなりました。ヘビトンボは川の指標生物になっていて、「きれいな水」を代表する生物なので、近くの川が汚れてきたのかなぁと思っていました。そういえば、最近は、キイロカワカゲロウ、シロタニガワカゲロウなど「少しきたない水」に棲む生物が増えてきたようです。でも、ともかく見れて良かったです。



トビケラも一向に名前が分かりませんね。かなりの数やってくるので、名前が分かるとよいのですが・・・。



また、クサカゲロウがいました。例によって顔の部分をアップします。



カオマダラクサカゲロウかなと思ったのですが、また、少し違うような気もしました。今度は捕まえてきたので、一度調べてみます。クサカゲロウの違いがだんだん分からなくなってきました。



これはアオメアブですね。



この甲虫、ひっくり返っていたので、起こして写真を撮りました。大きな顎を持っているなという印象だったのですが、図鑑で調べるとよく分かりません。最初、コクヌストかなと思ったのですが、ぜんぜん違います。次はナガクチキムシあたりかなと思ったのですが、これも違うようです。結局、ギブアップです。絵合わせで種を調べるときは、図鑑と同じように、真上から写真を撮っておくことと、寸法を測っておくことが大事ですね。(追記:虫者さんから、「ぱっと見クロカミキリに見えたのですが如何でしょうか」というコメントをいただきました。確かにそうですね。触角が短いので、カミキリとは思わず、ブログを見ると昨年も同じ虫で悩んでいました。ちっとも進歩していませんね



後は、コガタシロモンノメイガ



イナズマコブガでした。

8月3日(日)10時か17時まで、マンションの集会室で昆虫展を開くことになりました。カメラを持って廊下をうろうろしているので、不審者に思われていないか心配になって・・・。その準備がだいぶ終わりました。パネルを8枚作って、「廊下のむし図鑑」をファイル5冊にまとめ、マンション周辺で見たチョウ、トンボ、鳥、動物もまとめました。昨日は小型の実体顕微鏡の用意と、子供用に図鑑やら昆虫の本やら絵本などを整えました。後は、標本箱を整理するだけになりました。借りられる机の大きさから、最大24箱のドイツ箱が載るので、適当に選別しようと思っています。

廊下のむし探検 モリアオガエルがやってきた

廊下のむし探検 第341弾

モリアオガエルというのは白い卵塊を木の枝につけるので良く知られていますね。私のマンション近くのため池でも、周りの木にはよく卵がついています。だいぶ前、そのモリアオガエルがマンションにやってきたことがありました。最近は見ないねと話していたら、昨日、廊下の手すりに止まっていました。



でも、写真を撮られるのがいやみたいで、近づくと裏側に回ろうとします。仕方なく、裏側から撮ろうとすると、今度は表側に回ります。



それで、前からちょっと失礼。でも、手すりの上に止まって何をしているのでしょうね。

今日は蛾で目立つ種類がいました。



初めはこのトビイロトラガです。一ヶ月前ほどにも見ましたね。クモの巣のような模様をしてますね。



次はこの蛾です。見るからに南方系のようですが、東北地方まで分布しているようです。ベニスジアツバといいます。(追記:うっかりして「大図鑑」の隣に載っていた種の名前を書いてしまいました。正しくは、ニジオビベニアツバです。「標準図鑑」によると、5月、8-10月に出現し、本州南西部、四国、九州に分布するそうです

次からはちょっと地味な蛾です。



内、外横線の曲がり方から、ウラジロアツバかなと思います。



次の蛾は、「大図鑑」ではウスオビチビアツバになっていましたが、「標準図鑑」ではウスオビアツバモドキとなっていました。アツバモドキ亜科という亜科があるのですね。初めて知りました。



このハマキガが難問でした。あーでもない、こーでもないと迷いながら、最終的には、ニセネジロクロヒメハマキにしたのですが、自信はありません。



大きな蛾もいました。オオミズアオです。



これはおそらく、ウスバミスジエダシャクでしょう。



地下駐車場の天井には、このヒメクロイラガがこんな感じで何匹もぶら下がっていました。

その他の昆虫です。



クサカゲロウがいました。クサカゲロウは顔をアップしなければ種類が分からないので、アップしてみました。



頬の模様からカオマダラクサカゲロウかなと思ったのですが、ちょっと自信がありません。(追記:通りすがりさんから、「小顎鬚の内側が淡色なのでカオマダラクサカゲロウとは違う感じですね。」というコメントをいただきました。もう少し検討してみます



これはおそらくフタモンホシカメムシだと思われます。



このハエ目の昆虫は何となく姿が面白いので撮りましたが、名前は分かりません。



これはたぶんアメリカミズアブですね。Wikipediaによると、アメリカ原産で、日本には1950年代に入ってきたそうです。



これはクチキムシの仲間ですね。触角が長いので、クチキムシではなくて、オオ、ホソオオ、ヒメの3種が考えられます。このうちオオは触角の第3節より第4節の方が明らかに長いというので、写真の個体で測ってみると、第3節:第4節=1:1.25となりました。おそらく、オオクチキムシではないかと思います。



このクモはワシグモ科のシノノメトンビグモかなぁ。



最後のこのクモはヤミイロカニグモの♂ではないかと思います。クモもなかなか難しいですね。

廊下のむし探検 バッタ、甲虫、蛾など

廊下のむし探検 第340弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。来週の日曜日、マンション集会室で昆虫展を開くための準備で、何かと忙しいのですが、廊下を歩かないと何か不安で、つい歩いてしまいました。昨日も大阪は37度を越える暑さだったのですが、それでも虫はそこそこいました。



今日の最初はヒシバッタです。バッタは、「バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑」(北大出版、2011)で調べているのですが、ヒシバッタはなかなか分かりません。この写真の個体も前胸背が滑らかというところを手がかりに調べてみて、ヒメヒシバッタかなと思うのですが、全く自信はありません。



白い帯のあるコオロギは、エンマコオロギの中齢幼虫でしょうね。この日は2匹見ました。



これもコオロギの幼虫ですね。こちらは難しく、目と目の間に白い帯のある、タンボ、イエ、モリオカメ、ハラオカメ、クチナガ、ツヅレサセなどから探してみたのですが、モリオカメコオロギかなというところです。(追記2015/10/27:オカメコオロギの区別がつきません。一応、保留ということにしておきます



天井に止まっていました。ゴミムシダマシでしょうね。図鑑には似た種がずらりと並んでいるので、説明をずっと読んでみました。これも何となくですが、前胸背に正中溝があること、上翅の間室が平坦であることから、ユミアシゴミムシダマシかなと思っています。



今度はエンマコガネです。これも似た種がぞろぞろいて何を見たらよいか分かりません。床の模様から推定すると、体長は9.8mmになるので、この体長と分布で絞ってみました。すると、シナノ、フトカド、クロマル、コブマルあたりが残ります。後は上翅の色と頭盾の形から、シナノ、フトカドを除きました。残りはクロマルとコブマルになったのですが、コブマルの♂では特徴ある形をしているのですが、♀はこの個体と似たような感じです。これから先は何となくですが、コブマルエンマコガネの♀かなと思っているところです。



ごみやクモの脱皮殻に紛れていますが、アオドウガネだと思います。



マダラウスバカゲロウがいました。それにしても見事な模様ですね。



よく分からないのはたいていトビケラというわけではないですが、これはきっとトビケラでしょうね。(追記2018/02/02:これはホソバトビケラ科のホソバトビケラかその辺りの種だと思われます

次からは蛾です。



似た種があるのですが、これはヒロバチビトガリアツバでしょうね。



この蛾の名前調べには時間がかかりました。図鑑で見ても良く分からないので、標本箱を見てみると、ずらっと並んでいました。マエテンアツバですね。



綺麗な色の蛾です。これも似た種があるのですが、縁毛が紫がかっていること、白色紋の形からカバイロシマコヤガだと思います。



こちらは点が見えないけれど、ナミテンアツバでしょうね。



これはホソキスジヒメシャクですね。(追記:ホソスジキヒメシャクの間違いでした



綺麗に撮影できたので載せました。これはコガタシロモンノメイガです。



最後は難問です。翅に三点紋があるのは、ミツボシキバガとか、イガ辺りが考えられますが、ともに、止まり方が違う感じです。いろいろと調べたのですが、結局ギブアップです。

吸虫管を買ってみた

この間からアリを調べています。



マンションの庭、それに山道を歩いていて捕まえたアリは、「日本産アリ類全種図鑑」(学研、2003)にしたがって分類し、それぞれこんな小さなシャーレに入れて、実体顕微鏡で眺めています。まだ、働きアリしか分類できていないのですが、そのうち雄アリもやってみようと思っています。

ところで、アリを捕まえるのが思ったより大変でした。大きなアリは頭をこつんとたたいて気絶させてから捕まえたりしていたのですが、小さなアリはたたくとつぶれるし、手でつまもうとしても難しいので、指にツバをつけてくっつけて捕まえていました。でも、口の中が次第に泥だらけになってしまい・・・。

それで、今回、吸虫管というのを初めて買ってみました。



買ったのは志賀昆蟲普及社のこんなガラス製です。



誤って虫を吸い込まないように、吸い口側にはこんな金網が張ってありました。実は、ネットで探したときには、いろいろな手作り吸虫管の作り方が載っていたのですが、最初なので買ってみようと思ったのです。

まだ試していないのですが、吸い取った後はどうすればよいのかなぁとちょっと迷っています。アリだったら、ピンセットでつまめばよいのかも知れませんが、それでも動き回るので結構大変かも。さらに、小さなハエとかハチなどは翅が生えているのでいったいどうしたらよいのでしょう。


廊下のむし探検 アブラゼミ登場

廊下のむし探検 第339弾

7月も終わりになると、マンションの回りでもセミがうるさく鳴き始めます。いつもなら、梅雨明けになると、クマゼミがうるさいほど鳴き始めるのですが、今年は梅雨明けしてもちっとも鳴きません。そんな中、マンションの壁にアブラゼミが止まっていました。いよいよセミの季節だなぁと思って見ていました。



これから、ニイニイ、ツクツクホウシ、クマゼミなども見られると思います。以前は、9月なるとチッチゼミも止まっていたことがあったのですが、最近では鳴き声は聞かれるものの、姿は見なくなりました。



セミと同じ仲間のベッコウハゴロモです。壁に止まりながら、右に傾いたり、左に傾いたり、まるでハンググライダーでも楽しんでいるような感じでした。



そして、これも同じ仲間のカメムシです。チャイロナガカメムシだと思います。「日本原色カメムシ図鑑第3巻」には検索表が出ていて便利です。それによると、白い紋と触角などから似た種から見分けられるようです。



その図鑑も幼虫になると途端に情報がなくなってしまいます。これは翅が出来かけなので、5齢幼虫でしょうね。たぶん、オオモンシロナガカメムシだと思うのですが・・・。



革質部に黒い筋がないので、おそらくヒゲナガカメムシでしょうね。



これはこの間から出ているキベリヒョウタンナガカメムシです。



チャタテもいました。チャタテは気がつかないと見過ごしてしまうのですが、いったん気がつき始めると、チャタテは本当に多いですね。これは絵合わせから、カバイロチャタテかなと思ったのですが、はっきりとは分かりません。



これはヒゲナガゾウムシの仲間ですね。



斜めから見たところです。雰囲気からシロヒゲナガゾウムシに似ているのですが、図鑑の説明にあるような、前胸中央に横に並んだ3個の毛房、上翅第3間室には3-4個の黒毛房が見当たりません。別種かもしれません。(追記:通りすがりさんから、「シロヒゲナガゾウムシ♀のスレ個体」というコメントをいただきました



クロウリハムシかなと思ったのですが、脚の色が黒くないのが気になります。(追記:通りすがりさんから、「ハムシは奥側で確認できますが、前胸背板の後縁に突起が見えるので、キアシヒゲナガアオハムシだとおもいます。」というコメントをいただきました。確かに、クロウリハムシは中、後胸が黒いので違いますね



マメコガネです。やっと名前のはっきりした種に出会えました。



少しつぶれていたのですが、ヨツスジトラカミキリもいました。



蛾では少し大物がいました。クチバスズメです。スズメガはちょっと怖いので、離れたところからフラッシュの光量を増量して撮っています。





アカヒゲドクガが天井と床に止まっていました。翅にある三つほど続いた楕円模様が特徴なのですが、床に止まった個体を見ると胴体にある黒い点も目に付きますね。



えっ、キリガ?なぜ、今頃?とびっくりしてしまいました。おそらくカシワキボシキリガだと思うのですが、普通は晩秋に出て、翌春まで越冬する種です。間違って発生してしまったのでしょうか。



ちょっと名前調べに時間がかかってしまいました。おそらくコヤガだろうなと思って大図鑑を見たのですが、どうもピッタリくるものがなくて、クチバやら、コブガやら見てしまいました。最終的に標本箱を見たら、一発で分かりました。ハイイロコヤガでした。標本箱は一番いい図鑑ですね。名前が間違っているかもしれませんが・・・。



こちらはコネアオフトメイガです。



最後はアオオビハエトリです。このハエトリも時々見ますね。いつもならアリの巣の近くでうろうろしているのですが、廊下では意外に速く移動します。

8月3日10時から17時まで、マンションの集会室で「廊下のむし探検」と題して昆虫展を開くことにしました。いつもカメラをもって廊下をうろうろしているので、不審者と思われているのではないかと思って・・・。今は、その準備で大わらわです。一応、パネル展示と写真集と標本箱、もしかしたら顕微鏡なども展示しようかなと思っています。場所は大阪北部の辺鄙なところですが、外部の方も見れますので、ちょっとのぞいてみたいと思われる方は、「廊下のむし探検」専用メール r​ouk​ano​mus​hi@​hot​mai​l.c​omの方までご連絡ください。住民と子供向きですので、あまりたいしたものではないですよ。

廊下のむし探検 廊下にツバメが

廊下のむし探検 第338弾

掃除のおばさんが、ほらっと指さした方向を見ると、ツバメが二羽止まっていました。



コシアカツバメです。二羽とも口に泥をくわえています。「でも、ここの壁には土がつかないから」と言うので、見上げてみると、



どうやら巣作りをしているようです。今頃?と思ったのですが、2回目の巣作りをするつもりでしょうか。私がいなくなるのをじっと待っているようです。でも、巣の下には泥がいっぱい落ちているので、掃除のおばさんが気にするのも無理ありません。

この日もいろいろな虫がいました。まずはバッタからです。



眼がちょっと飛び出しているので、ニセハネナガヒシバッタかなと思います。



こちらはマダラスズでしょうね。



チャタテがいました。最近はチャタテがよく目に入ります。これはウロコチャタテですね。



この薄茶色のチャタテはまだ名前が分かりません。



そのチャタテもサシガメの赤ちゃんにやられています。ネットで調べると、このサシガメはヨコヅナサシガメのようです。



キイロカワカゲロウの亜成虫ですね。綺麗に撮れたので、載せておきます。



目の模様から判断すると、シロタニガワカゲロウですね。尾の先についているのは卵のようですが・・・。



これは何か分かりますか?ちょっと見ると、ネズミの仲間のようですが、触角を見ると、蛾だと分かります。これはヒメクロイラガですね。いつもは下唇鬚を前に出しているのですぐに分かりますが、こんな格好で止まっているのを見るのは初めてです。



面白い模様ですね。これはキベリチビコケガです。昨年も見ました。



名前の分かりにくい種ですが、綺麗に撮れたので載せておきます。外横線が折れ曲がっているので、ヒメアカウスグロノメイガかなと思うのですが、ほとんど根拠はありません。



ちょっと黒っぽいのですが、模様は似ているので、ハイイロホソバノメイガかなと思います。(追記:ヒメハナダカノメイガです。触角を前に伸ばしているの特徴です



こちらはヒメマダラミズメイガです。夏にいっぱい出てきます。



これも分かりにくい種ですが、おそらくホソバヤマメイガです。



次はこのエダシャクです。おそらくヨモギエダシャクではないかと思います。



ちょっと小型だったので、コフサヤガかなと思ったのですが、この写真ではフサヤガとの区別がつかないですね。



これはオオゾウムシですね。



最後はこのコガネです。以前見たキラチャイロコガネかなと思ったのですが、少し違うような気がして、よく分かりませんでした。(追記:通りすがりさんから、「頭盾の点刻と前脚脛節からビロウドコガネ?」というコメントをいただきました

廊下のむし探検 カッコウムシほか

廊下のむし探検 第337弾

今日はこんな変わった虫がいました。



頭のてっぺんと翅の先が黒い虫です。体長は8.8mm。何の仲間かさっぱり分からなかったので、「原色日本甲虫図鑑」を端から見ていったら見つかりました。カッコウムシ科のツマグロツツカッコウムシという虫です。



図鑑の図と触角が違うなと思ったのですが、違った角度から撮った写真ではこんな感じに見えました。以前、カッコウムシの語源を調べたことがあったのですが、あの時は中国で「郭公虫」と呼ばれていることまで分かっただけでしたね。



これは以前、MSWiさんから教えていただいたセスジナガキマワリでしたね。今日は捕まえてきて爪を見てみたら、やはり櫛歯状ではなかったです。体長は8.6mmでした。



今日はこんな感じの甲虫を見つけました。サシガメの幼虫たちに散々いじめられています。これはドウガネサルハムシでしょうか。肝心のサシガメの方は名前が分かりませんでした。(追記:MSWiさんから、サシガメは普通のヨコヅナサシガメでしょうかというコメントをいただきました



これもカメムシの幼虫です。おそらくオオモンシロナガカメムシの幼虫だと思うのですが、自信はありません。



こちらはこの間から見ているキベリヒョウタンナガカメムシですね。




翅が短いので、カマキリの幼虫ですね。カマキリも良く分からないのですが、これはコカマキリでしょうか。(追記:通りすがりさんから、コカマキリ♀の終齢幼虫みたいですというコメントをいただきました。♀は緑色もあり、体色の変異があるそうです



トビケラも相変わらずよく分かりません。名前の分からない写真がどんどんたまっていきますね。



これはキイロカワカゲロウです。背景が黒いので綺麗に見えますね。



そして、アミガサハゴロモですね。

後は蛾ばかりです。



ホタルガいました。いつも書きますが、マダラガ科の仲間なので、触角や胸の辺りの色が綺麗ですね。(追記:MSWiさんから、ホタルガでもシロシタホタルガの方だというコメントをいただきました。確かに、白い帯の入る位置が普通のホタルガと少し違うようです。どうも有難うございました



ヒメクロイラガが天井からぶら下がっていました。いつもこんな格好でいます。いったい何を真似ているつもりなのでしょう。



これはトサカフトメイガです。メイガと名のつく蛾では大型の方です。廊下に止まってじっとしていました。



これはトビイロシマメイガです。結構、綺麗な蛾でしょう。



これはカバイロトガリメイガかな。



これはシャチホコだということはすぐに分かったのですが、ちょっと名前調べに手こずりました。たぶん、ホソバネグロシャチホコですね。



リンゴツノエダシャクですね。



これは、たぶん、ウスバミスジエダシャクでしょう。



最後はこの蛾で、サザナミオビエダシャクです。

7月になったというのに、この日は結構虫がいました。午前中は廊下を歩き、午後からアリ探しに出かけました。小さなアミメアリについては顕微鏡を使って調べましたが、採集場所が廊下から逸脱するので、「なにこれ生き物探検」ブログの方に出しました。そちらもよろしく。

廊下のむし探検 分からない種が多かった

廊下のむし探検 第336弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果ですが、今日はスランプなのか、名前がはっきりしない種が多かったです。まず、甲虫から紹介します。



初めはこんな小さな甲虫です。胸部が長くて、歩いているところを見ると奇妙な感じのする虫です。とりあえず、図鑑を見て、ナガキクイムシの仲間であることは分かったのですが、それから先が分かりませんでした。それで、「原色日本甲虫図鑑III」の説明を読んでいると、カシノナガキクイムシの欄に「♀の前胸背中央部には6-8個の大きな円穴がある」との記述がありました。写真を見ると、まさにそんな穴がありました。これだなと思ってネットで探してみると、さすがキクイムシです。各地の農林事務所などに説明がありました。それによると、この穴は胞子貯蔵器官と呼ばれ、この中に共生菌Raffaeleaの胞子を取り込み、新しい木に運ぶと書いてありました。このキクイムシは木材の中の菌を食べて育ち、菌の胞子はこの穴で育てられるという共生関係にあるようです。「養菌性キクイムシ」という言葉を初めて知りました。





この日もクワガタが2匹いました。このごろ毎日のように見ますね。これはコクワガタでしょうか。(追記:通りすがりさんから、「アカアシクワガタの様ですね。メスは概ね前脚脛節の形、前胸の形と点刻、鞘翅の筋や点刻で見分けられますが、アカアシクワガタにはひっくり返すと赤いとか後脚脛節に突起が無いといった分かり易い特徴があります。」というコメントをいただきました。どうも有難うございました。これから、クワガタの♀も勉強してみます



このあたりからはっきりしない種が出てきます。これはアカハナカミキリでよいのでしょうか。昨年も見たような気がするのですが、どうも確信が持てません。(追記:通りすがりさんから、「賛成」というコメントをいただきました。山猫さんから、カミキリが白いものに集まる習性があるので、マンションの白い壁に集まる種もあるかもというコメントをいただきました



これも分からなかった種です。ネットを見て、オオヨツスジハナカミキリといわれている種と似ているような気がしたのですが、よく分かりません。(追記:通りすがりさんから、「賛成」というコメントをいただきました。さらに、大きな交尾器が無いので♀とのことです



こちらはホソカミキリでしょうね。



このゾウムシもよく分かりませんでした。(追記:通りすがりさんから、「クチカクシゾウムシ?の仲間」というコメントをいただきました



このチャタテは絵合わせでスカシチャタテかなと思うのですが、あまり確かではありません。



アリは働きアリの検索が少しだけできるようになりましたが、雄アリの方はさっぱりです。昨日、論文をダウンロードしたので、今度やってみます。



初め、ヒゲナガ○○という蛾かなと思ったのですが、トビケラの方かもしれません。トビケラは今のところお手上げです。(追記2018/02/02:これについては2017/05/25のブログで調べました。たぶん、ヒゲナガカワトビケラ科のクサツミトビケラの仲間と思われます



これも変な形ですが、蛾の仲間です。エゾギクトリバだと思います。どうしてこんな形になったのでしょうね。



この蛾はウスベニツマキリアツバです。



ヨツモンマエジロアオシャクですね。



名前がつけにくい種です。前日もいたのですが、そのときは外横線が少しだけ「くの字」に曲がっていましたが、これはまっすぐなので、シロテンウスグロノメイガ♀だと思いました。でも、ほとんど根拠はありません。



こちらはアカシマメイガです。



最後のこの蛾、小さくて天井に止まっていたので写真がはっきりしません。ヒメハマキであることは間違いなさそうですが、図鑑を何度見ても、該当種がありませんでした。とりあえずギブアップです。

ということで、今日はギブアップが多かったですね。ちょっとスランプなのか、それとも集中力がなかったのか・・・。

廊下のむし探検 甲虫やら蛾やら

廊下のむし探検 第335弾

7月になると虫の数がほどよくなってきますね。廊下を歩いても、ぽつぽつ見えるだけになりました。昨日の「廊下のむし探検」の結果を紹介します。



初めはこの虫です。廊下の脇でひっくり返っていました。起こしてやると、



こんな感じで歩き始めました。ゾウムシであることは間違いないと思って、何度も図鑑を見直したのですが、見当たりません。ほとんど諦めていたのですが、チョッキリのところをちょっと覗いてみたら、そこに載っていました。おそらく、ハイイロチョッキリですね。ゾウムシとチョッキリってどこが違うのでしょう。(追記:検索表を見ると、ゾウムシ科とチョッキリの属するオトシブミ科の間にはいくつかの違いがあるのですが、一番分かりやすいのは、前者は触角が「くの字」に折れ曲がり、後者は折れ曲がらないというところです。ゾウムシという名のつく類では、ヒゲナガゾウムシ、ミツギリゾウムシ科、ホソクチゾウムシ科ホソクチゾウムシ亜科は折れ曲がらず、ゾウムシ科、オサゾウムシ科、ホソクチゾウムシ科チビゾウムシ亜科では折れ曲がるようです



体長は3.9mm。以前も見た甲虫です。そのときはヒメジョウカイモドキだとしたのですが、どうでしょう。



これはアカハラクロコメツキかな。ひっくり返して腹の色を見たら良かったのでしたね。



翅端が丸く切れ込んでいるので、フタモンウバタマコメツキですね。



この日は蛾もそこそこいました。これはキバラエダシャクですね。



こちらはベニヒメシャクですね。



それにムラサキツマキリアツバです。



翅に点列があるので、ホシホソバということが分かります。



これは分かりにくい種類です。胴が短いので♀でしょうね。外横線の形からヒメアカウスグロノメイガとしたいのですが、どうでしょう。



チャハマキ



それにマエモンヒロズコガですね。



珍しく、手すりにトンボが止まりました。コオニヤンマですね。久々に背景が緑の写真が撮れました。



この間から出ているオオハチモドキバエです。綺麗に撮れたので載せておきます。



「学研生物図鑑昆虫III」を見ると、クロオビハナバエというのに似ています。



カも良く見ると翅の一部が青く写って綺麗です。農研機構の蚊の検索で調べてみたのですが、ナミカ亜科かなというところで止まってしまいました。前に長く伸びているのは口吻、その根元で少し太くなっている部分が小顎肢がくっついている部分、両側の細いものが触角です。(追記:通りすがりさんから、「ヤマトヤブカ?」というコメントをいただきました。写真を見ながら検索表を前から調べていくと、ナミカ亜科ナミカ族あたりでとまってしまうのですが、後ろから見ていくと確かにヤマトヤブカによく似ています。いずれにしても採集しないとはっきりしたことは言えませんが、仮にヤマトヤブカということにしておきます。今度いたら、蚊も採集してみます。うーむ



このクモはウロコアシナガグモだと思います。



これは廊下ではなくて、ベランダのプランターにいました。意外に速く走ります。やっと止まってくれたので写真を写しました。サツマノミダマシです。この名前、どこで切ったらよいのか悩みますが、説明を読むと、「サツマの実」で切るようで、ハゼの実を意味するようです。

廊下のむし探検 変わった止まり方の蛾

廊下のむし探検 第334弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。天井に枯葉のようなものがぶら下がっていました。いろいろな方向から見てみたのですが、何だかよく分かりません。



カメラで拡大してみてはじめて、これが蛾であることが分かりました。下にぶら下がっているのが腹部です。これはシロモンフサヤガというヤガ科の蛾でした。



止まり方は変わっていますが、展翅をするとごく普通の形になります。翅の形は変わっていますが・・・。



以前はこんな蛾がいると、だいたいクロハグルマエダシャクだと言っていたのですが、「標準図鑑」を見ると、ミナミとかオオツカという似たような色合いの仲間がいました。これらとの違いはよく分かりません。



こちらはヤガ科のスジキリヨトウです。



この間見た、カバイロモクメシャチホコがまたいました。何となく変わった色合いの蛾です。



これはクロシタアオイラガです。



これはマエモンシマメイガです。先日もいたのですが、綺麗に撮れたので載せておきます。




これはおそらくシバツトガだと思います。



地味な蛾ですが、マダラマルハヒロズコガでしょうね。

次からは蛾以外の昆虫です。



このゾウムシにはだいぶ悩みました。最終的に上翅にある瘤を手がかりにして、アカコブコブゾウムシかなと思いました。図鑑の説明の「第3間室基部と第5間室後方に瘤がある」というところはよく一致しています。(追記2018/05/27:「日本列島の甲虫全種目録 (2018年)」によると、和名がアカコブゾウムシとなっていました。訂正しておきます



体長は4.8mmの小さな甲虫です。先日も出てきたのですが、アリモドキ科のアカクビボソムシだと思われます。



これはスナゴミムシダマシの仲間だろうというところまでしかたどり着きませんでした。



先日見た個体より触角が長いので、これはノコギリカミキリの方でしょうか。



翅に模様のないウスバカゲロウには、ウスバカゲロウとコウスバカゲロウという種があるのですが、縁紋のところで翅の幅が最大になるというウスバカゲロウの方だと思います。



これはエビイロカメムシです。



そして、これはマルツチカメムシです。

全体に虫の種類は少ないのですが、そこそこバラエティに富んでいますね。

廊下のむし探検 蛾その他

廊下のむし探検 第333弾

昨日の「廊下のむし探検」で見た蛾とその他の虫です。7月になってから、蛾の数はぐっと減ってしまいました。この日は小さい蛾が多かったですね。





この手の蛾が夏になると多くなります。どれも皆似ているのですが、よく見ると模様が少しずつ違います。上は数が少ないキモントガリメイガ、下はよく見るウスオビトガリメイガです。いわゆる蛾という感じがしなくて、まあまあ可愛いですね。



野外では花によく集まる蛾です。マンションでも時々見ます。シロオビノメイガです。



これもよく見る蛾です。シロテンキノメイガです。近くにいたので、綺麗に撮影できました。



写真がはっきりしないのですが、マダラメイガですね。図鑑と模様を比較すると、ホソアカオビマダラメイガではないかと思われますが、ちょっと自信はありません。どうもマダラメイガは苦手ですね。



似た種が多いので、何とも言いがたいのですが、クロフタオビツトガではないかと思います。



これも近くにいたのでばっちり撮れました。マダラマルハヒロズコガかなと思っています。



最後はチャドクガの♂です。今頃出てくるチャドクガは、黄色が♀、こげ茶が♂と分かれますが、秋に出てくるのは両方とも黄色で見分けにくいです。



これはニンギョウトビケラかな。



そして、例によって名前の分からないハチです。



クモもいました。ズグロオニグモです。これはまだ大きい方ですが、もっと小さいクモが山のようにいます。



最後はこのクモです。アサヒエビグモかなと思うのですが、よくは分かりません。

廊下のむし探検 甲虫とカメムシ

廊下のむし探検 第332弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。また、掃除のおばさんに会いました。「今日は虫が少ないね」と言うと、「ほらっ」と言って、指差す方向をみるとこんな虫が止まっていました。



「さっきまで飛んでいたよ・・・」。確かに、翅を少し開いています。そう思って近づいていくと、



また、突然、飛び出しました。飛ぶとかなりの大きさを感じます。触角が短いので、おそらく、ニセノコギリカミキリの方でしょうね。



綺麗なコガネです。点刻列がやけにはっきり見えるなという印象です。図鑑で調べてみて、シロテンハナムグリではないかと思いました。



背中と頭にに大きな水滴が載っています。一見、コガネムシの仲間かなと思ったのですが、触角が違うようで、「原色日本甲虫図鑑III」を見ていくと、似た種にぶつかりました。ゴミムシダマシ科です。「前脛節は平圧され、先端へ広がるが、基方内側1/3はえぐられて縮まり・・・」という表現から、ミナミエグリゴミムシダマシの亜種ヤマトエグリゴミムシダマシではないかと思いました。ネットで調べると、和名がオオエグリゴミムシダマシに変わったようです。



クワガタの♀です。私はクワガタの♀はほとんど区別がつきません。ただ、色が暗褐色なこと、上翅に点刻列が見られないことなどから、なんとなくいつものコクワではなくて、ノコギリクワガタかなと思ったのですが、まったく根拠はありません。



また、分かりにくい種が出てきました。何となく、ベニボタル科のハナボタル属(Melaneros)かなと思うのですが、そこから先が進みません。



これは以前もいたヒゲブトハムシダマシでしょうね。



触角第3,4節の長さを見て、クチキムシ科かなと思ったのですが、クチキムシにしては脚が長いような。ちょっと名前が分かりませんでした。(追記:MSWiさんから、セスジナガキマワリゴミムシダマシ科)ではないでしょうかというコメントをいただきました。図鑑と見比べてみると、確かによく似ていますね。どうも有難うございました



アトモンマルケシカミキリ。すっかりお馴染みになってしまいました。でも、意外に小さいカミキリなので、歩いていると見過ごしてしまうかもしれません。



シルエットみたいになってしまいましたが、この間紹介したナガヒラタムシです。



今日はこのカメムシがたくさんいました。前胸がくびれているので、ヒョウタンナガカメムシの仲間で、サビヒョウタンナガカメムシ属だと思われます。「原色日本カメムシ図鑑第3巻」には検索表が出ていて、それによると、体表面の毛と前腿節の棘で判断するようです。一匹採集してきたので、調べてみると、キベリヒョウタンナガカメムシのようです。今度、部分を拡大した写真を載せてみます。



カスミカメムシです。変な格好で止まっていますが、赤い腿節が見えているのが後脚だと思います。アカスジカスミカメとアカホシカスミカメで迷ったのですが、アカホシカスミカメの方ではないかと思います。



ヒラタカメムシの仲間で、仮にトビイロオオヒラタカメムシとしている個体です。この間から、ヒラタカメムシの検索をしてみようと思っていたのですが、時間がなくてやっていませんでした。ちょっと余裕ができてきたので、今度してみようかな。

蛾とそれ以外の虫は次回に回します。

廊下のむし探検 ハチモドキバエなど

廊下のむし探検 第331弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。昨日は天気がそれほど良くなかったので、歩くのをやめようと思ったのですが、つい歩いてしまいました。でも、虫の数は少なかったです。それでも、少ないなりに名前調べに悩む種類もいました。

今日の初めはこのハチモドキバエです。





いかにもハチみたいですが、ハエの仲間です。デガシラバエ科のハチモドキバエというのですが、よく見ると、この2枚の写真の個体は少し異なっています。前胸の模様もちょっと異なりますが、下の個体は上の個体に比べ、翅が全体に褐色を帯びていること、それに腿節が黒いことなどです。ハエに関する専門的な掲示板「一寸のハエにも五分の大和魂・改」にはこの仲間に関する相談が出ていました。それを読むと、上はオオハチモドキバエ、下はフトハチモドキバエではないかと思われました。ただし、この両者の区別について書かれた文献は日本にはなく、Korneyev and Nartshuk (2004)にあるとのことです。この論文はここからダウンロードできるのですが、残念ながらロシア語で書かれています。ロシア語は学生時代にかじったことがあるので、おそらく辞書があれば読めると思うのですが、辞書が手元になく、ひとまず名前調べはお預けです。



アリもいました。なかなか強烈な印象の写真ですが、これはクロオオアリだと思います。





そのほかにもこんなアリがいました。両者とも、頭部、前胸背板がつやつやです。上の写真の個体では脛節、跗節にふさふさの毛が生えていて、先日採集した個体と同じ種類のようです。下の個体ではそんな毛は生えていませんが、翅が取れた後があり、上とはよく似ていますが、細かいところで差も見られます。(追記2015/07/09:上の写真はヤマアリ亜科ケアリ属ヒラアシクサアリ♀だと思われます

アリの名前調べをしてみようと思って、マンションの周りでアリ探しをしました。上の写真を含め、全部で6種を採集したのですが、「日本産アリ類全種図鑑」で同定できたのは、3種に留まりました。もう少し頑張ってみたいなと思っています。



チャタテもいました。何となく全体に薄黒いのですが、図鑑には出ていないようなので、名前は分かりませんでした。



おそらくヒシウンカの仲間だと思うのですが、これも名前調べはギブアップ。



アリ探しをしているときに見つけました。シロヘリナガカメムの仲間ですが、これについては「日本原色カメムシ図鑑第3巻」に検索表が載っています。要は、革質部に白色紋があり、小盾板の両側の細い爪状部の基部に黒色紋があり、さらに、触角第4節の基部近くに白色環状紋があれば、モンシロナガカメムシ。白色紋がなければ、シロヘリナガカメムシ、黒色紋と白色環状紋がなければ、アムールシロヘリナガカメムシということになっています。この個体は白色紋があり、黒色紋もあり、触角の白色環状紋がちょっとはっきりしないのですが、おそらくモンシロナガカメムシだと思います。



同じくアリ探しのときに撮ったものです。ヒメウラナミジャノメです。だいぶ、廊下を逸脱してしまいましたね。



それでは廊下に戻って、蛾に移ります。この手のアオシャクはいつも悩むのですが、ツバメアオシャクではないかと思います。



コヨツメアオシャクは綺麗に撮れたので、載せておきます。



それにウスギヌカギバです。これも綺麗に撮れました。何だかアジア的な感じのする模様です。



これはマエモンシマメイガです。真後ろから撮ってしまって、ちょっと変な感じです。ハグルマエダシャクを除けば、蛾は実にこれだけでした。



カナブンです。フラッシュをたくと、いつもこんな色になってしまいますね。



変な形の甲虫ですが、おそらくナガクチキムシの仲間でしょうね。(追記2018/01/31:ハナノミの仲間かな



このカミキリは名前調べに苦しみました。初め、以前見たオオクロカミキリかなと思ったのですが、どうも違います。そこで、図鑑を見ていくと、どうやらヒメカミキリの仲間のようです。「原色日本甲虫図鑑III」に載っている種で、本州にいそうなのは、ヨコヤマ、テツイロ、リュウキュウ、チャイロあたりです。これらは、触角の第1,3,4節の長さと、前胸の長さ・幅の大小関係で見分けるようです。この個体で計ってみると、触角の第1節:3節:4節=48:55:42、前胸の長さ:幅=89:84となり、チャイロカミキリになりそうなのですが、分布は四国・九州となっていてちょっと分かりません。(追記2016/04/02:和名が間違っていました。チャイロヒメカミキリです

最後は地下駐車場の住人たちです。地下駐車場は薄暗くて、誰もいないとちょっと気味が悪い感じなのですが、そんな中で天井の隅を歩いていたのはこれです。



ムカデです。ムカデの種類についてはいろいろなサイトに書かれていて、これはトビズムカデのようです。(追記2018/02/26:ムカデの種類は分からないので、とりあえずムカデの仲間ということにしておきます



薄暗い天井にはこんなハチも止まってした。近づくと、向きを変えてこちらをにらむような体勢をとります。仕方なく、遠くから撮影しました。前伸腹節の模様がよく分からないのですが、おそらくセグロアシナガバチだと思います。

クチキムシ?を調べる

今日は雨。どうせマンションの廊下には虫がいないだろうなと思って、先日、採集したクチキムシを調べてみました。ただし、甲虫の素人がやっていますので、そのつもりで見てくださいね。



先日いたクチキムシというのはこんな虫です。



採集してきた個体の表と裏を撮影してみました。体長は11mm。体と翅は黒くて、脚や触角は赤褐色です。おそらくクチキムシ科のクチキムシだと思うのですが、図鑑の説明や科・属への検索表を手がかりにその特徴を調べてみました。




まず、「原色日本甲虫図鑑 I」に載っている科の検索表で、クチキムシの属しているクチキムシ科の周辺からの抜粋です。その内容からクチキムシの特徴を調べてみました。関連する部分の写真を次に示します。





まず、科の検索からで、①は腹部第1から第3節までが融合しているという内容です。腹側を見ますと(Fig. 2)、腹部は全部で5節から成り立っていて、そのうち第1から第3節までは融合しているようにも見えます。図で科①という部分を見ると切れ目が見えますが、それ以前では見えないからです。

②と③はFig. 3に関連するのですが、用語が難しいので、はっきりとは分かりません。②の前胸腹板突起は科②と書いた部分に相当するのではないかと思いますが、側方には拡張していないようです。③の前基節窩は科③と書いてある部分だと思うのですが、後方に開いているようには見えません。ということで、広義のゴミムシダマシ科と一致しているようです。

次はゴミムシダマシ科とクチキムシ科を分ける決定的な特徴です。



これは脚の爪の部分を拡大したものです。例によって、生物顕微鏡の10xの対物鏡を用いて写しました。以前のクシコメツキとよく似た櫛歯状の爪をしています。比較すると、クシコメツキよりは櫛の目が少し細いような感じです。

次は属の検索表を見ていきます。



これは、「原色日本甲虫図鑑 III」に載っていた属の検索表で、クチキムシ属に至る部分の抜粋です。関連する部分の写真を載せます。







まず、属への検索の①ですが、Fig. 5の属A①に示すように、複眼はえぐられたようになっています。この特徴は以前、キマワリで見たものと似ています。A②はFig. 2の属A②を見ると、腹部第1節の基縁と第1から3節の側縁は縁取られたようになっていることが分かります。A③はFig. 2の属A③で示すように、前脚、中脚などは基節がはっきり分かるのですが、後脚はほとんど隠れてしまって見えません。そのことを指しているのではないかと思いました。

次のBはFig. 6を見ると分かりますが、爪のついている第5節の手前の節の下側が葉状になっています。この図は中脚の場合ですが、第3,4節が葉状になっています。これに対して、後脚の跗節は4節から成り立っていて、第3節だけが葉状になっていました。

検索表のC①は触角に関するもので、Fig. 7を見て下さい。第2節は確かに短くなっています。Dは小あごひげに関するもので、Fig. 5の属Dで示すように、先端節は盃状になっています。Eは外形に関するもので、最終的に、クチキムシ属になりました。



クチキムシという種に関してはそれほど詳しくは載っていません。上の表は、「原色日本甲虫図鑑 III」と「原色昆虫大図鑑 II」の記述です。両者はほとんど同じですので、前者に従って調べていきます。





まず、①に関してはFig. 5に示すように頭部は深く点刻されています。後頭の後ろ側が点が連なって盛り上がっているように見えるのですが、これが⑤の小顆粒を意味するのでしょう。②は前胸背板についてですが、基部凹陥というのがよく分からなかったのですが、Fig. 8の種②に示したものだとすると、話は通じます。⑦については前胸背板が曲がって両側が落ち込んでいることを指しているのかなと思っています。最後の③は上翅についてですが、Fig.9の種③に示すように点刻が条溝にも間室にもあることが分かります。

ということで、ここに書いてある内容からクチキムシで合っているかなと思いました。甲虫もこうして1種ずつ詳しく調べていくと、だんだん分かるようになるかもしれませんね。ただし、日本にいる甲虫は1万種ですから、毎日、1種ずつ調べていっても、27年もかかってしまいますが・・・。

廊下のむし探検 虫が減ってきたぁ!

廊下のむし探検 第330弾

7月なって次第に虫が減ってきましたね。特に蛾が少なくなりました。今日は甲虫から始めます。



最初はこの大き目のコメツキです。触角に鬚が生えていないのですが、これはヒゲコメツキの♀の方です。最近、コメツキコンプレックスも少し無くなってきました。



以前なら全く分からなかったのでしょうが、最近は触角の各節が同じくらいの長さなので、クチキムシ科かなと思うようになりました。今回は捕まえてきたので、早速、爪を見てみてみました。クチキムシ科の特徴である櫛歯状でした。図鑑と見比べて、これはクチキムシ科の中でもクチキムシのようです。今度、拡大してお見せしますね。



綺麗に撮影できました。アトモンマルケシカミキリですね。



これはハムシの仲間です。おそらく、マダラアラゲサルハムシではないかと思います。



ゾウムシですね。名前調べはだいぶ苦労しました。あまり確かではないのですが、アカナガクチカクシゾウムシかなと思っています。



これはビロウドコガネかな。





アリがたくさんいました。特に上のアリが。下のアリはつやつやで、脚の脛節と跗節に毛がたくさん生えています。何だろうと思って、今回は両方とも採集してきました。先ほどから検索を試みているのですが、なかなか種まではたどり着きません。もう少し頑張ってみます。(追記20150709:下のアリはヤマアリ亜科ケアリ属ヒラアシクサアリ♀だと思われます)(追記2018/02/06:上のアリはハリアリ亜科ホンハリアリ属のケブカハリアリ♂のようです。詳細はこちらをご覧ください



ゾウムシを撮影していたら、すぐそばを何か点のようなものが動いています。拡大してみるとどうやら無翅型のチャタテムシのようです。体長は1.7mmしかありません。まだ名前までは分かりません。(追記2015/11/29:次の論文をぱらぱら見ていたら、似た種が見つかりました。

田中和夫、「屋内害虫の同定法(5)噛虫(チャタテムシ)目」、家屋害虫 25, 123 (2003). (ここからダウンロードできます)

コチャタテ科のマルコチャタテです。まだ、そのものズバリかどうかは分かりませんが、少なくともその近辺だと思われます。




アミメカゲロウ目のチャバネヒメカゲロウではないかと思われる個体です。詳しい図鑑がないのでよく分かりませんが・・・。(追記:通りすがりさんから、チャバネヒメカゲロウだと思いますというコメントをいただきました



次は蛾です。これは先日から良く見るヒョウモンエダシャクです。このくらいの模様だと、ちょっとチョウのような感じになりますね。



小さい蛾ですが、ベニシマコヤガだと思います。



それに、ツマグロシマメイガですね。



模様がはっきりしませんが、フタナミトビヒメシャクだと思います。



これはチャドクガの♂ですね。♀は黄色いのですが、秋に発生するときは♂も♀も黄色になるので、分かりにくくなります。



最後はクモです。模様が実にはっきりしているので、名前調べは簡単かなと思ったのですが、図鑑に同じような模様の種がなくてギブアップです。オニグモの仲間だろうか。



こちらはコモリグモの仲間で、たぶん、ハラクロコモリグモだと思います。

廊下のむし探検 蛾、クモなど

廊下のむし探検 第329弾

前回の続きで、蛾、アミメカゲロウ、ハエ、アリ、クモなどです。



今日の最初はこの蛾からです。先日もいたのですが、マドガ科のギンスジオオマドガです。マドガの仲間はこの写真のように、前脚を突っ立て上体を起こしたような止まり方をします。だから、こんな止まり方をしていると、まずマドカかなと思ってしまいます。以前は、東南アジアに生息する種と同じだと思われ、モリヤママドガと呼ばれていましたが、その後、異なることが分かり、学名とともに和名も変わってしまいました。



ウスイロギンモンシャチホコが廊下の壁に止まっていました。綺麗に撮ろうと思って近づいて撮りました。でも、先日、どういう条件で銀色の紋が綺麗に見えるかを調べたことをすっかり忘れていました。内蔵フラッシュで撮影したので、フラッシュの光が銀紋に対して斜めから当たってしまったのですね。銀紋がすっかり黒っぽくなってしまいました。ちょっと鏡みたいな感じです。



これはヒトリガ科のハガタキコケガです。実に不思議な模様をしていますね。どんな意図があるのでしょうか。



また、マエモンシロスジアオシャクがいました。今度はずいぶん派手に翅が破れています。



ヒメシャクの仲間です。廊下の壁に止まっていたので綺麗に撮れたのですが、名前調べはちょっとうんざりです。オオウスモンキヒメシャクかなと思いますが、自信はありません。



これはモンキクロノメイガです。



それに、ツマグロシマメイガ



それに、ネグロシマメイガです。



アカテンクチバも地下駐車場にいました。



それに、アヤホソコヤガです。蛾は常連ばかりでしたね。



学研生物図鑑昆虫IIIによると、アミメカゲロウ Nacaura matsumurae (Okamoto, 1912)という名前で載っていたのですが、原色昆虫大図鑑にはこの和名では載っていません。Catalogue of Lifeというサイトに、Dynamic ChecklistあるいはAnnual Checklistという検索があって、学名で検索できます。それによると、Nakaura matsumuraeはApochrysa matsumurae Okamoto, 1912のシノニム(同意語)となっていて、現在は後者が使われているようです。もう一度、大図鑑を調べ直してみると、和名はアミメクサカゲロウになっていました。クサカゲロウ科です。



これは以前にも出てきた、デガシラバエ科のオオハチモドキバエですね。



アリもたくさんいたのですが、名前調べは進んでいません。今度一度捕まえてきて調べてみます。

これからはクモです。



こちらはジョロウグモの幼体です。小さいうちはまだ可愛いのですが、大きくなるとどうも・・・。



アシナガグモの仲間です。アシナガグモは似た種が多いので、これまで名前調べは諦めていました。今回は、「日本のクモ」と昔、古本屋で買った「原色日本蜘蛛類大図鑑」の説明をじっくり読んでみました。その結果、ヤサガタアシナガグモだろうということになりました。このクモの説明には、前者では「腹部にある黒い波状の条が、対斑が並んでいるように見えることから他種と区別できる」、後者では「上顎の牙は基部外側に突起はなくまるく湾曲しているので簡単に区別できる」とあります。波状の対斑は腹部後半の模様をいうのでしょう。また、上顎の牙は頭の部分から出ている黒いものを指すのだと思います。この外側が湾曲しているようなので、そうかなと思いました。



最後はこのクモです。ヒメグモの仲間かなと思ったのですが、それ以上は分かりませんでした。

廊下のむし探検 甲虫とカメムシ

廊下のむし探検 第328弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。ちょうど出かける寸前に時間が30分ほど空いたので、あわてて廊下を歩いてみました。でも、時間に余裕がないとやはり駄目ですね。後で見てみると、写真がどうもいまいちでした。

今日の最初はこんな甲虫です。



甲虫らしからぬ体です。頭と胸が細い首で結ばれているので、まるでアリのようですね。アリモドキ科に属する甲虫です。名前はアカクビボソムシというのではないかと思いますが、ちょっと自信はありません。甲虫にもいろいろな形のものがいますね。



これはアオドウガネではないかと思う個体です。フラッシュをたくと、こんな色に写りますが、フラッシュを使わず、自然光で撮影すると、



こんなに鮮やかな緑色になりました。やはり自然光でないと、見たときの色が出ませんね。でも、このときカメラの設定を変えたのをすっかり忘れてしまっていました。絞りを開いて撮ってしまっていたのです。その後の写真はみなピントが合ってないものが多くて・・・。



オオセンチコガネがひっくり返っていました。腹部もきらきらと光って大変綺麗です。



手で起こしてやりました。やはり同じような色です。全身メタリックなのですね。



これはこの間からいるクロホシクチブトゾウムシですね。



それにコクワガタ♀ですね。これもこの間から良く見ます。



コメツキも2匹いたのですが、おそらく、クシコメツキの仲間だろうと思って、採集しませんでした。



天井に止まっていてあまりうまく写りませんでした。触角の節の長さや腿節の太さなどを比べ、オオクロカミキリかなというところです。



これはナガカメムシの仲間です。特徴は前胸が中央で段差のある点です。こういう種はヒョウタンナガカメムシになるのですが、絵合わせではヒラタヒョウタンナガカメムシに似ているなと思いました。ただ、説明を読むと、「前胸前葉は黒褐色で、一対の大きい赤褐色紋がある」と書いてありますが、この写真ではよく分かりません。別の種かもしれません。



これもカメムシの仲間で、ハネナガマキバサシガメです。昨年も今頃見ました。



後はよく見るカメムシです。これはシラホシカメムシ



それにツヤアオカメムシです。

蛾とハエ、クモは後に回します。

廊下のむし探検 コクワガタほか

廊下のむし探検 第327弾

7月に入ると、やはり虫の数は減ってきますね。蛾も圧倒的に減りました。でもそんな中、廊下にコクワガタがいるのを見つけました。



堂々とした感じですが、実は、廊下でひっくり返っていました。もとに戻してやると、こんな格好で威嚇的に構えています。せっかく戻してあげたのに、ちょっとぐらい感謝されても良いような気がしたのですが・・・。



こちらは♀です。♀はみな似ていて名前ははっきりしないのですが、おそらく、コクワガタかなと思っています。クワガタはどれを見てもクモの巣まみれになっていますね。



これはシロコブゾウムシでしょうね。廊下の窓際にいました。夏になると、どの家も窓を開けているので、写真を撮るときには気を使います。普段、窓側にいる虫は撮らないようにしているのですが、目立つ虫はそうもいかず、すばやく撮るようにしました。



いつものアオカミキリモドキとは異なる虫がいました。おそらく、キイロカミキリモドキだと思うのですが、これも近似種があるかもしれませんね。



廊下の手すりに止まっていました。たぶん、フタモンホシカメムシの5齢幼虫です。



おそらくハチの幼虫だろうと思って、幼虫図鑑を調べたのですが、載っていませんでした。何でしょう。(追記2018/02/10:ハグロハバチか、その辺りの幼虫かもしれません



綺麗な蛾ですが、似た種が多くてうんざりする蛾の仲間です。点の数がやや少なく(36個くらい)、その配列から、おそらくマユミシロスガかなと思うのですが、自信はありません。



これも似た種が多いのですが、黄色の紋があるので、分かりやすいです。キモントガリメイガだと思います。1年に1匹ぐらいの割合で見る、数少ない蛾です。



薄暗い地下駐車場の天井で、ひときわ白く光っています。マエキツトガだと思います。



これも小さな蛾ですが、ヤガ科のアヤホソコヤガでしょうね。



これはいつもいるマエキオエダシャクです。フラッシュをたいたら、その瞬間に飛んでしまいました。でも写真にはばっちり写っていました。



翅の外縁のえぐれ具合が激しい蛾です。マエモンシロスジアオシャクだと思います。



これはマイマイガではなく、カシワマイマイの♂の方です。今頃、マイマイガと共に飛び回っているのでしょうね。



最後はこのクモです。図鑑を見てもよく分からなかったのですが、全体の形や色と脚の色だけで判断し、ワシグモ科のナミトンビグモかなと思っています。試験で答えを空欄にしておくよりは何か書いておいた方が合っている可能性もあるから・・・というぐらいの答えです。

ナガヒラタムシを調べる

ナガヒラタムシはナガヒラタムシ科に属する甲虫です。「原色日本甲虫図鑑II」によると、ナガヒラタムシ科は現存する甲虫目のうちで、起源がもっとも古く、2億年前に遡るとされています。したがって、化石にも多く発見されています。そこで、その変わった形状を顕微鏡を使って調べてみました。



ナガヒラタムシはこんな甲虫です。体長は12mmで、全体に暗褐色をしています。「原色日本甲虫図鑑II」や「原色昆虫大図鑑II」によると、ナガヒラタムシの特徴は次のようにまとめられます。



説明は「原色日本甲虫図鑑II」の方が詳しいですが、基本的に2つの図鑑の説明はほぼ等しいものでした。また、「原色昆虫大図鑑II」では腹部と脚に関して説明⑦⑧が加えられていました。

まず、①の特徴は上の写真で分かりますが、黄矢印で示したところに灰褐色の部分が見られます。②の正中溝と瘤は次の写真で分かります。




触角の長さは上翅の長さより若干長いので、④の説明から、♂なのかなと思います。⑤は前胸背板についてで、次の写真で分かります。



まず、中央の黄矢印が中央縦隆で、その両側は深くえぐれたようになっています。また、前角は上の黄矢印で示すように鋭角に尖っています。

⑥は上翅に関するものです。




上翅にはこの写真で示したような筋(間室)とその間に横隆で区切られた点刻列が並んでいます。間室は奇数列が強く隆起しているのですが、⑥にあるように第3間室は確かに途中で弱くなっています。

さらに、⑦に関しては、次の写真で分かります。



各腹節に弱い2条の横隆起が見られます。ということで、説明に書かれていることはほぼ確認できました。次からはおまけです。



これは頭部を真上から写したものですが、歯のある大きな大顎と半球型の複眼が見られます。以上の写真は実体顕微鏡を用いて撮影し、深度合成により合成したものです。次の写真以降は生物顕微鏡を使って約10倍の倍率で撮影し、やはり深度合成により合成したものです。



これは口の部分を下から見たものです。歯のある鋭い大顎が目につきます。その下にある黄色いものは何なのでしょうね。体は鱗のような鱗片で覆われていることが分かります



これは頭頂部を写したものです。やはり鱗片に覆われ、瘤が尖っている様子や中央に正中溝が走っていることなどが分かります。



これは触角を拡大したものです。ちょっと変わった形の節が連なっています。



上翅の部分の拡大です。やはり鱗片で覆われています。上翅末端近くなので、灰褐色の鱗片も見えています。ところどころで白く光っているものが顆粒なのでしょうか。この赤い部分は何なのでしょう。



最後に後脚の先端を裏側から写してみました。毛のようなものがいっぱい生えています。これも一種の滑り止めなのでしょうね。

いろいろと面白い特徴は見られたのですが、いったいどの特徴が原始的なのかはちょっと分かりませんね。

廊下のむし探検 蛾、甲虫、カメムシなど

廊下のむし探検 第326弾

7月に入って少し虫が減ってきました。虫が減ってくると名前調べが楽になるので、ちょっとうれしい気分もあり、一方、面白い虫に出会える機会が減るので、ちょっと寂しい気もします。昨日の「廊下のむし探検」の結果で、最初はこの蛾です。



一見、コブガに似ているので、撮影しているときはてっきりコブガだと思っていました。ところが、図鑑を見ても出ていません。それじゃぁ、コヤガかなと思って探してみると、ちゃんとありました。ヒメネジロコヤガという種です。じっくり見てみると、ずいぶん凝った模様をしていますね。標本箱を見てみると、これまで8月に2匹採集していました。



小さい蛾ついでにもう2,3種載せておきます。これも、撮影したときはてっきりミズメイガだと思いました。でも、図鑑には載っていません。それでも、メイガ・ツトガの仲間だろうと思って探してみると見つかりました。シロエグリツトガです。これまで6月から9月にかけて7匹も採集していました。一見して分からなくて、とりあえず採集するので標本が増えるのですね。



綺麗に撮影できたのですが、名前調べが難しい仲間です。あまり根拠はないのですが、シロテンウスグロノメイガではないかと思います。



写真は綺麗に撮れたのですが、模様がはっきりしません。ヤマメイガであることは間違いないのですが・・・。わずかに見える、外横線と内横線の曲がり方を調べて、おそらく、いつもいるホソバヤマメイガではないかと思われます。



たいへん小さな蛾で、カクバネヒゲナガキバガです。近づくと逃げるので、廊下でおっかけっこをしていました。こんな小さな蛾でも、一人前に細い下唇鬚が生えています。触角の出方も面白いですね。



追記:1匹載せるのを忘れていました。マドガ科のスギタニマドガです。お隣の兵庫県では準絶滅危惧種に指定されていますが、私のマンションでは時々見ます



大きな蛾はこのナシケンモンとハグルマエダシャクだけでした。あれほど蛾で賑わっていた地下駐車場も閑散としていました。



甲虫では大型のミヤマカミキリがいました。眼のところを拡大してみるとちょっとびっくり。



複眼が大きくえぐられています。この間、キマワリでもこんな感じに触角が複眼に食い込んでいたのを見たのですが、これはさらに極端です。頭部の設計方針としては、先に触角の位置を決めて、後から複眼を残りの部分に配置したのでしょうか。それとも、何も考えずに配置したら、重なってしまったので、個眼の集まっている複眼の方をちょっと削ったのでしょうか。いずれにしても、頭の大きさがちょっと小さいというところに問題があるようですね。



これは、この間も出てきたヒメヒゲナガカミキリだと思います。



これは以前通りすがりさんに教えていただいた、ナガヒラタムシですね。甲虫図鑑の1番初めに載っているので有名というのはとても印象的でした。原始的な種類のようで、どこが原始的なのか見てみたいと思って、採集しました。今度、報告しますね。



そのほかは、いつものキボシツツハムシ



それに、クロホシクチブトゾウムシかなというゾウムシです。



これはビロウドコガネらしいというところまでは分かったのですが、それからが進みません。



ヤニサシガメです。廊下をのそのそと歩いていたのですが、カメラを向けたらぴたっと止まってしまいました。おそらく、こちらをかなり意識しているはずなのですが、表情から見る限り、いつもの表情です。



この間からこの手のカメムシが増えてきました。昨年調べて、フタモンホシカメムシだとしたのですが、似た種があるので、もう一度確かめてみないといけませんね。



キイロカワカゲロウです。カゲロウは水質の良し悪しを調べる指標生物になっていますが、キイロカワカゲロウは「少し汚い水」で4段階の良い方から2番目です。以前は一番上の「綺麗な水」の生物が多かったのですが、上流を開発したので、最近は水質が落ちてきたのかもしれません。



最後はこのオナシカワゲラです。一時期、オナシカワゲラも調べ始めたのですが、情報不足でそれ以上進みませんでした。カワゲラは「綺麗な水」の指標生物です。

廊下のむし探検 木目模様のシャチホコガ

廊下のむし探検 第325弾

昨日の「廊下のむし探検」の続きで、蛾を紹介します。今日の最初はこの蛾です。



廊下の窓枠に止まっていました。翅の模様は木材を新しく切ったときの模様とよく似ています。これはシャチホコガの仲間で、カバイロモクメシャチホコといいます。木の割れ目に止まっていたらきっと保護色になるでしょうが、こんなマンションの廊下の窓枠だと目立ってしようがないですね。



こちらはクロオビリンガで、コブガ科の蛾です。



あまり特徴のない蛾ですが、それにしては立派な下唇鬚をしています。翅の形、黒い点、それに、この下唇鬚を手がかりに探しに探したのですが、結局、名前は分かりませんでした。(追記:通りすがりさんから、ヒゲナガキバガ科のムモンヒロバキバガだと思いますというコメントをいただきました。確かに、下唇鬚のところなどそっくりですね。どうも有難うございました)(追記:和名がムモンハビロキバガに変更されているようです



こういう止まり方をするとツトガの仲間ですね。おそらく、クロフタオビツトガではないかと思います。



昨日と似たアオシャクがいました。どうもこの手の蛾は苦手です。今回は外横線のぎざぎざに加えて、外縁の白点や翅の形を手がかりに、もう一度調べ直し、ウスキヒメアオシャクではないかと思っています。



これはケブカチビナミシャクですね。



それに、フタモンクロナミシャクです。



翅がだいぶ痛んでいますが、ミスジツマキリエダシャクですね。



最後はツマジロエダシャクです。この蛾は通常、前翅と後翅を離して止まる癖があるのですが、この蛾はそれほどではありませんね。そのときの気分によるのでしょうか。

廊下のむし探検 蜘蛛がいっぱいだね

廊下のむし探検 第324弾

朝、廊下を歩いて虫探しをすると、掃除のおじさんやおばさんたちと競争になります。掃除のおじさんやおばさんは床はもちろんのこと、壁や天井についている虫まで、ほうきや先に釘のついた棒で綺麗に取ってしまいます。だから、掃除の後に歩くと、本当に虫1匹もいない綺麗な廊下になっています。

そんな掃除のおばさんが言いました。「蜘蛛がいっぱいだね。ほうきで電気の周りをこすると10匹ほど落ちてくる。」確かに、廊下の壁を見ても小さな蜘蛛がいっぱいついています。



天井も同じかどうかは知りませんが、廊下の壁にはこんな小さな蜘蛛がいっぱいいます。ズグロオニグモです。どれもみな、ちょっとした凹みに体をいれてじっとしています。これが全部大きくなるとマンションは蜘蛛だらけになるでしょうね。



そう思ってよく見ていくと、こんな綺麗なクモもいました。腹が銀色に光っています。腹が大きいので歩き方もよちよちしています。図鑑で調べると、ヒメグモ科のシロカネイソウロウグモのようです。



こんなクモもいました。



脚が長いので、体の部分を拡大するとこんな感じになります。これも図鑑で調べると、アシナガグモ科のウロコアシナガグモのようです。クモは苦手なのですが、まあ綺麗なクモたちですね。

クモ以外の虫です。



廊下の手すりにこんな黒い塊がいてびくっとしました。よく見ると、もっとびくっとしました。ゴキブリですね。ただし、これはオオゴキブリといって、森林性のようです。



天井にはチャバネゴキブリがいました。こちらは家にいるゴキブリです。







こんなアリがたくさんいます。相変わらず名前は分かりません。一度、調べてみたいなと思うのですが、なかなか余裕がありません。



淡い色のカワゲラがいました。カワゲラも今のところ、お手上げ状態です。ハエ目、ハチ目、カワゲラ目、トビケラ目など、お手上げ状態の昆虫がまだまだたくさんいます。



ホシカメムシの仲間です。似た種がいるのですが、昨年調べてみると、フタモンホシカメムシだったので、これもきっとそうでしょう。

次は甲虫です。案外大きな甲虫がいました。



初めはこの甲虫です。こんな甲虫は見たことがないなと思って、図鑑をめくっていると、何となくコカブトムシに似ています。カブトムシに「コ」がつくものがいたなんてまったく知りませんでした。ただし、合っているかどうかは分かりませんが。





これもやや大きな虫です。翅の形からシデムシの仲間だなということはすぐに分かりました。図鑑で調べてみると、オオモモブトシデムシに似ています。触角の先端3節だけが色が茶色に変わっています。過去のデータを調べてみると、昨年も6/30に見ていました。駐車場の床をかなり速い速度で歩いていました。



雰囲気はキマワリの仲間に似ていますが、触角の第3節と4節の長さがほぼ等しいので、ひょっとしたらクチキムシの仲間かなと思って図鑑を見てみました。何となく、ヒメオオクチキムシに似ているような気がしますが、よくは分かりません。



次はカミキリです。これも似たようなカミキリが多くて、名前調べが大変でした。合っているかどうかは分かりませんが、ナガゴマフカミキリではないかと思います。



最後はハムシです。ルリ色のハムシはどれも皆、同じに見えてしまうのですが、これはスジカミナリハムシではないかと思います。自信はまったくありませんが。

甲虫はどれも難しいですねぇ。蛾は次回に回します。

廊下のむし探検 報告が遅れてしまいました

廊下のむし探検 第323弾

所用で出かけることになり、報告が遅れてしまいました。6月30日分の「廊下のむし探検」です。この日、虫はちょっと少なめでしたが、名前調べに手こずる虫が多かったです。



出かける前に図鑑でちょっと調べたのですが、まったく手がかりがなくてそのままになっていました。昨日、改めて「原色昆虫大図鑑III」の図版を眺めてみると、コマユバチの仲間に似ています。そこで、今度はネットで画像検索をしてみると、ギンケハラボソコマユバチに似ている感じですが、触角や前胸は少し違うようです。いずれにしても、ハラボソコマユバチ亜科あたりのハチのようですが、採集していないのでこれ以上どうしようもないですね。(追記2015/07/06:これはオオハリアリ♂だそうです





ユスリカもいろいろな種類がいそうで、名前調べはまったく進んでいません。上はこれまでセスジユスリカかなと思っていた種ですが、下はおそらく違う種でしょうね。



これもだいぶ苦労した甲虫です。「原色日本甲虫図鑑III」を見ると、エグリゴミムシダマシという種に似ているような気がしたので、今度はネットで画像検索してみると、似たような種がぞろぞろ出てきました。ただし、前胸背板の前縁部分がだいぶ凹んでいるような個体とそうでもない個体があります。おそらく、エグリという名前がこの凹みを指しているのかなと思って、図鑑の説明を改めて読んでみると、「頭部の押圧は弱いが明確なY字型で・・・」とありました。おそらく、先ほどの凹みのことを指しているのでしょう。この写真ではそんな凹みは見えないので、結局、よく分かりませんでした。



やっとよく知った種が出てきました。キイロテントウはいつ見ても可愛いですね。





小さいカミキリです。鞘翅の模様から、アトモンマルケシカミキリだと思われます。この日は2匹いました。



この間、九州亜種に近いキマワリとした種です。この日もまたいました。



フタモンウバタマコメツキですね。「原色日本甲虫図鑑III」によると、オオフタモンウバタマコメツキ Cryptalaus larvatusには2亜種があって、上翅端がほぼ直線状に切断されるものが原名亜種C. l. larvatusで、オオフタモンウバタマコメツキと呼ばれているようです。



これに対して、この写真のように上翅端が弧状もしくは「へ」の字型に切り込まれるものを本土亜種C. l. piniと呼び、フタモンウバタマコメツキという和名で呼んでいるそうです。さて、上の写真は上翅端を写さなかったので、どちらか分かりませんが、おそらく本土亜種の方でしょう。



蛾でも悩みに悩んだ種がこれです。ウスズミアオシャクかなとか、マルモンヒメ、スカシヒメ、ウスキヒメ、ツバメなど、外横線がこのように鋸歯状になっている種の図版を拡大鏡を使ってじっくり見てみたのですが、前後翅にある半月や三日月紋が明確で、鋸歯状の形状が一致する種は見つかりませんでした。結局、もっとも鋸歯の形状が似ているツバメエダシャクかなと思ったのですが、図鑑を見てもネットで見ても、これだけ白紋がはっきりした個体は見つかりません。とりあえず、ツバメエダシャクとしておきますが、もう少し検討する必要がありそうです。(追記:なぜ間違ったのか分かりませんが、ツバメアオシャクです)



こちらもアオシャクですが、先ほどのようなぎざぎざの線は見られません。これはコウスアオシャクだと思います。



これはウスキツバメエダシャクですが、壁に卵を産んでいるようですね。



その部分を拡大するとこんな感じです。もう少し拡大して撮影すればよかったですね。



これはフタキボシアツバです。



そしてツマグロシマメイガ



それにクロモンキノメイガです。



最後はこのヤスデです。日本産生物種数調査のホームページによると、節足動物門ヤスデ綱に属する種は推定未知種を加えて371種もいるようです。名前調べは一苦労ですね。
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