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廊下のむし探検 蛾の巻

廊下のむし探検 第120弾

昨日の「廊下のむし探検」の続きです。今回は蛾についてです。



この日の大きな蛾は、一昨日に引き続いてヤママユでした。今日はしかも、車のナンバープレートの下に止まっていました。蛾の苦手な私としてはこんな事態を恐れていました。もし、これが自分の車だったらと思うとぞっとします。幸い、2台先に止めてあった車でした。



これも地下駐車場の天井に止まっていました。ちっとも青くも緑色でもないのですが、シャクガ科アオシャクの仲間のオオアヤシャクです。5、6、9月に採集した標本があります。

その傍に止まっている小さな蛾も気になります。



拡大すると、翅に黒い点が3つ付いています。おそらく、ミツボシキバガかその仲間だと思います。



これもアオシャクの仲間で、ヒメシロフアオシャクです。アオシャクといってもいろいろいますね。



これは、先日もいたクロスジオオシロヒメシャクだと思います。ちょっと芸術的な模様を持った蛾です。



これはチャノウンモンエダシャクです。幼虫は茶の害虫です。



ウスオビトガリメイガです。いつもは天井に止まっているのですが、この日はなぜか廊下の壁に何匹も止まっていました。近くで撮影出来たので、載せておきます。





地下駐車場には相変わらずヒメクロイラガが、天井に止まっていたり、クモの糸にぶら下がっているものなど、たくさんいます。下側の写真はだいぶ色が違うのですが、独特の下唇鬚(かしんしゅ)を持っているので、間違いないと思います。



このような止まり方をするヒトリガ科の蛾が多くて、いつも同定に困ります。この蛾は、まったく模様がないので、おそらくツマキホソバ♀だと思うのですが、どうでしょう。
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廊下のむし探検 大きなシロスジカミキリほか

廊下のむし探検 第119弾

昨日は蒸し暑かったのですが、廊下を歩いてみると、結構、虫が多い感じでした。地下駐車場の天井に巨大なカミキリが止まっていました。



写真では大きさが伝わらないのですが、とにかく、大きなカミキリでした。図鑑で調べるとシロスジカミキリというようです。「黄色の筋なのに『シロスジ』とは?」と疑問に思ったのですが、図鑑の説明に、「生時は美しいクリーム色の微毛斑だが、死ぬと白くなる」とありました。生きているカミキリを見て、名前を付けてもらいたかったですね。



すぐ横に、別の中型のカミキリもいました。図鑑を見てもぴったりと来るものがありません。ゴマフカミキリに似ているなと思って、今度はネットで画像検索してみると、カタシロゴマフカミキリというのが似ています。改めて図鑑と見比べてみると、似ているような似ていなような。図鑑よりは、生態写真の方が絵合わせには良いのかもしれません。



カミキリでは、この間も出てきたアカアシオオアオカミキリが廊下の壁に止まっていました。



廊下には、この間もいたナガフトヒゲナガゾウムシもいました。何度見ても奇妙な感じがします。ひげが太くて短いからでしょうか。



この甲虫の触角も独特です。それを手がかりに図鑑を調べてみると、ナガニジゴミムシダマシか、その近傍の甲虫に似ていることが分かりました。触角の節が途中から逆三角形になっています。ネットの写真では、虹色に綺麗に写っている個体が多かったのですがが、ストロボをたいたせいか、お尻の方がわずかに虹色に写っているだけでした。もう少し、いろいろな写真を撮れば良かったと後悔しています。



これはスジコガネでしょうか。やはりストロボのせいか黒っぽく写ってしまいました。甲虫の場合、照明を少し考えないといけないですね。



コメツキは名前調べを諦めてしまっているのですが、一応、記録のために載せておきます。



廊下の隅にエンマコオロギがいました。コオロギというと秋を連想するのですが、今頃でもいるのでしょうか。



このクサカゲロウは、顔の模様を拡大して見ると、カオマダラクサカゲロウであることが分かりました。



地下駐車場の天井にトビケラも止まっていました。トビケラについては幼虫の図鑑は多いのですが、成虫が載っているの図鑑はほとんどなくて、種名までは分かりません。川の傍にあるマンションだからか、トビケラが良く来ます。一度、名前を調べてみたいですね。(追記2018/02/02:これはホソバトビケラ科のホソバトビケラかその辺りの種だと思われます

蛾については次の機会に載せます。

深度合成に初挑戦

実体顕微鏡にカメラを取り付けて昆虫の撮影をしているのですが、焦点深度が浅くて、どうにも像がはっきりしません。焦点深度を測定したりしていたのですが、やはり、どうしようもないなと諦めていたところ、外国の友人からサジェスチョンを受けました。深度合成という方法です。

これまで、そういうソフトがあることは知っていたのですが、ソフトで合成するのは、所詮、造り物だと思って試していませんでした。しかし、メールで「試してみる」と返事をした手前、やってみないといけないなと思い、今日、試してみました。

深度合成というのは、焦点位置を少しずつ変えて写真を撮り、焦点のあった所だけを使って一枚の写真を合成する方法です。焦点合成とか、多重焦点ともいわれています。英語では、Focus stackingと呼ばれているようです。

とりあえず、今使っている実体顕微鏡で試してみようと思いました。機材は、Olympus SZX7実体顕微鏡のカメラポートにNIKON D90を取り付け、ズームを5.6xにセットして、少しずつ、手動でフォーカス位置を変えて撮影していきます。試料には、以前、同定に用いていたケブカクチブトゾウムシの頭部を用いました。

普通に複眼に焦点を合わせて撮影すると、次の写真のようになります。



複眼の表面にはピントが合っていますが、それ以外はぼやけてしまって、あまりはっきりした印象が得られません。



同じような写真を少しずつ焦点を変え、全部で39枚の写真を撮りました。上の図はそのうち4枚ごとに抜粋したものです。撮影条件は、ISO-200、露出時間1/2sです。

深度合成には、2つの代表的なソフトを使ってみました。Helicon FocusとCombineZPです。前者は1カ月だけ無料で使えるソフトで、後者はフリーです。後者については次のサイトに使い方が詳しく書いてありました。前者の使い方は、少しずつ焦点を変えた写真を順番に指定していき、最後にRUNを押すと出来上がります。





上はHelicon Focusで、下はCombineZPで合成した写真です。複眼だけでなく、いろいろな場所に焦点が合っているように見えます。CombineZPの方は重ね合わせるときにずれてしまうのか、ちょっとぼやけています。それに対して、Helicon Focusの方はかなりうまくいっているように見えます。計算時間はいずれも、1-2分のオーダーでした。Helicon Focusの方は得られた写真を3次元で動かすアニメーションも付いていて、ちょっと感動的でした。

ネットを探してみると、深度合成の方法を用いて、恐ろしく綺麗に撮影されている方がおられます。それに比べると、恥ずかしいような出来ですが、初めてにしてはまずまずではないかと思っています。

廊下のむし探検 ヤママユ登場

廊下のむし探検 第118弾

夏の定番、ヤママユはいつだろういつどろうと待っていたら、昨日、やっと見られました。



ヤママユガ科のヤママユです。科名には「ガ」がついて、種名には「ガ」がつきません。時々、種名に「ガ」がついたかどうかあやふやになることがあります。私は大きな蛾が苦手なのですが、これだけ大きくなると怖さを通り越して諦めがつきます。それに止まっているとめったに飛ぶことがないので、何となく安心感もあります。地下駐車場にいたのですが、もし、これが私の愛車にでも止まっていたらどうしようなんて考えることもあります。繭からは糸が取れるので、飼っている地方もあるとか・・・。



ヤママユに比べると、ずっと小さい蛾です。マドガ科のアカジママドガだと思います。「思います」と書いたのは似た種もあるからです。前翅と後翅の線が連続的につながるようになっている所が何となく面白く感じます。



これはアオイラガです。イラガの仲間ではやや大型です。



ドクガ科のアカヒゲドクガです。前日のリンゴドクガと同様に、毛むくじゃらの前脚を前に突き出した独特の止まり方をします。



あまり特徴のない蛾ですが、メイガ科のオオツヅリガだと思います。時々見ます。



綺麗な蛾ですが、同定が大変難しい蛾です。私の住む地域でも、ベニスジヒメシャク、コベニスジヒメシャク、フトベニスジヒメシャク、ウスベニスジヒメシャクの4種がいて、ベニスジヒメシャクはちょっと異なるので除外できても、他の3種はほとんど区別がつきません。図鑑にはいろいろと書いてはあるのですが、図鑑の写真を見ると必ずしもその特徴が当たっていなくて困ります。例えば、大図鑑には、「(ウスベニスジは)横脈紋を持つ個体が多い」とありますが、標準図鑑を見ると、この3種のほとんどの個体が持っています。標準図鑑では、「(ウスベニスジは)内横線が現れる傾向がある」とありますが、コベニスジには見えているものもあります。いろいろと考えた末、ウスベニスジヒメシャクかなと思うのですが、まったく、自信はありません。

交尾器や遺伝子レベルでは種として分かれても、外観がほぼ等しい時は、これを統一的に呼ぶ名前が欲しい気がします。分類では亜種や亜科など「亜」という文字を付けて細かく分類する方向には進みますが、「上種」のように種をまとめるような方向にはなかなか進んでくれません。実際に個体がいても、「sp」、あるいは、「の一種」としか名前を呼べないのはつらいことです。



前の日もいたカナブンです。



オオゾウムシです。地下駐車場の壁に止まっていました。



たまにクモも入れておきます。これはズグロオニグモだと思います。私の住むマンションにはたくさんいます。

廊下のむし探検 ミヤマクワガタほか

廊下のむし探検 第117弾

マンションの掃除に来ているおばさんが、虫の情報を教えてくれました。6階の廊下の隅にクワガタがいるよ。おばさんの情報は、クワガタをいつもカブトムシと言うのであまり当てにはなりませんが、今回は、クワガタと言ったので間違いないかもしれません。



行ってみると、廊下の隅の排水溝の近くに立派なクワガタいました。今年2匹目のミヤマクワガタです。言われないと気がつかないような隅にいました。捕まえると、上半身を持ち上げたような形で威嚇しているようです。いつものように、ティッシュペーパを一眼レフのレンズの上に広げ、影ができないように写真を撮ってみました。



近くにはカナブンもいました。生きてはいるのですが、だいぶ弱っているのか、下翅を出したままでじっとしています。



前日まで地下駐車場にいたコスズメが廊下の壁に止まっていました。同じ個体かどうか分かりませんが・・・。



これはドクガ科のリンゴドクガです。毛むくじゃらの前脚を伸ばした独特の形で止まります。



これはヒトリガ科のベニヘリコケガです。前翅の前縁が少し飛び出したような形になっているのは、オスの特徴です。



模様がくっきりしています。ヤガ科のクロハナコヤガです。小夜蛾(コヤガ)の仲間は何となく好きですね。



芸術的な感じのする蛾です。シャクガ科のアシブトチズモンアオシャクです。似た種にチズモンアオシャクがいますが、前翅の筋がほぼ後縁に直角に付いているのが前者、後縁に斜めに付いているのが後者です。



ほとんど模様がないのですが、僅かに見える模様から、フタナミトビヒメシャクかなと思いますが、どうでしょう。蛾もそうですが、近くのトビケラも気になりますね。



似た種もあるのですが、これはおそらくチャノコカクモンハマキだと思います。久しぶりのハマキガです。



この間もでてきた、コガタシロモンノメイガです。縁毛が綺麗に写っているので、まだ、新しい個体ですね。

暑さも本番になり、蛾も甲虫も下火になりました。早く、カブトムシのオスがやってこないかなと待っています。

廊下のむし探検 キボシカミキリほか

廊下のむし探検 第116弾

昨日は虫の姿はあまり見かけませんでした。そんな中、カミキリムシにまた出会いました。どういうわけか、マンションの廊下ではカミキリムシをよく見かけます。



廊下を堂々と歩いていたので、遠くからでもよく分かりました。綺麗なカミキリです。キボシカミキリというようです。保育社の「原色日本甲虫図鑑IV」を見ると、この種にはいろいろな亜種がいるようです。説明を読む限り、前胸の黄色い縦条が中断し、斑紋は黄色く、触角の基部が白いなど、原種に似ているようです。



この甲虫の名前はなかなか分かりませんでした。触角がやけに短いということを手がかりに、甲虫図鑑をずっと見ていくと、ゴミムシダマシ科に似た種がありました。さらに、脚の脛節が幅広いとか、脚や翅の色、前胸の形などを手がかりに探していき、ミナミエグリゴミムシダマシ付近ということで、今度はネットを調べてみて、ヤマトエグリゴミムシダマシではないかということろまでたどり着きました。残念ながら、写真では大きさが分からず、確かではありません。今度はスケールを一緒に写すようにします。



これはカメムシの仲間です。模様の似た種が多いのですが、前胸が平坦で小さいので、おそらくオオモンシロナガカメムシではないかと思います。



ウスバカゲロウの仲間ですが、この間から出ている、ウスバカゲロウやマダラウスバカゲロウとは翅の模様が違います。調べてみると、ホシウスバカゲロウというようです。ウスバカゲロウにもいろいろな種類があるのですね。



地下駐車場の天井にいました。ベッコウハゴロモです。ストロボをたいたので、あちこち光って綺麗に見えます。

蛾はいつもの常連ばかりでした。



マエキオエダシャクですが、「マエキ」という名前の由来である、前翅前縁の黄色の筋がかすかに見えています。



翅の中央に白っぽい紋があるので、何だろうといつも思うのですが、翅の端に鎌状の黒い紋があり、いつものアカテンクチバであることが分かります。

廊下のむし探検 ミヤマカミキリ、ヤブキリなど

廊下のむし探検 第115弾

最近、蛾が少し下火です。メイガ類が多くなったので、全体の小ぶりになったせいでしょうか。その代わり、甲虫が再び多くなってきた感じです。



地下駐車場の天井に、やけに大きな虫がいるなと思って近づくと、このカミキリでした。ミヤマカミキリというそうです。wikipediaには日本最大級と書いてありました。触角が長いので、全体を撮ると体が小さくなってしまうので、体の部分を大きくして撮りました。前胸の部分にしわが入ってような感じです。果樹の害虫だそうです。



これはやや小型のカミキリです。調べてみると、ホソカミキリというのが似ていました。触角の第1節が異様に太いのが目立ちます。



廊下ではひっくり返っている甲虫が多いのですが、これもそうでした。もとに戻してやると、翅がずいぶん光っているのが目立ちました。模様からキョウトアオハナムグリかなと思っています。綺麗な甲虫です。



廊下の壁には2-3mmの小さなカゲロウがいっぱい止まっています。どうせ名前が分からないからと思って撮影しませんした。代わりに、いつもいる大きめのカゲロウですが、キイロカワカゲロウを撮りました。



地下駐車場にじっとしていました。長い直線的な産卵管が目立ちます。キリギリス類はよく分からないので、「バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑」という図鑑を頼りに調べてみると、どうやらヤブキリのようです。



綺麗なクモなので写してみました。「日本のクモ」という写真図鑑やネットを頼りに調べてみると、ジョロウグモの幼体のようです。



ついでに近くにいたクモも写してみたのですが、これは名前が分かりませんでした。クモはメスとオスが極端に違うし、おまけに幼体も異なります。図鑑ではメスだけとか、メスとオスしか出ていないので、絵合わせではなかなか難しいです。



これはトビギンボシシャチホコというシャチホコガ科の蛾です。

蛾も幼体はあるのですが、これは毛虫なので、蛾を見るときと毛虫を見るときでは、かなり視点が変わります。さらに、オスとメスの違いも小さいので、図鑑を丹念に見ていくと名前が分かることが多いです。初めのころ、蛾の名前を調べるのに、一般的な図鑑を使っていたのですが、蛾は5-6000種もあるので、小さな図鑑には載っていないことが多く、結局、講談社の「日本産蛾類大図鑑」を買いました。どの科も分からない時は、これを最初から見ていくのです。かなり面倒臭いですが、でも、だんだん慣れてきて、こういう蛾はこの辺りのページに載っているというが分かってきて、探すのが速くなります。それでも分からない種が多いので、標本作りを始めました。



この手の蛾は写真では分かりにくいです。何となく色合いから、ヒトリガ科のムジホソバかなと思いますが、外縁の縁毛が黄色でないのが気にかかります。別の種かもしれません。



これはツトガ科のヨシツトガかなと思いますが、翅にしわがよってちょっと奇妙です。脱皮に失敗したのかもしれません。



これはメイガ科のナカムラサキフトメイガですね。

前日見たアケビコノハはそのまま地下駐車場の天井に止まっていました。コスズメは場所は変わっていましたが、やはり天井に止まっていました。

廊下のむし探検 アケビコノハとヤモリほか

廊下のむし探検 第114弾

7月も終わりになってきました。でも、「廊下のむし」は尽きることなく登場しています。今日の主人公は地下駐車場の天井にいました。



ヤガ科のアケビコノハです。名前の通り、幼虫はアケビを食草としています。蛾が苦手な割には、蛾を集めていた私にとって、このくらいの大きさの蛾を見ると、恐怖感を覚えます。おそるおそる撮影してから、後で写真を見てみると、頭の先端にある下唇鬚(かしんしゅ)の先が膨らんでいます。また、前脚の根元と先に銀色の点が点在しています。翅は枯れ葉にそっくりの模様をしています。いろいろと面白い蛾です。翅を広げると、下翅が黄色いのでどきっとします。これで鳥を驚かすのでしょう。

すぐ近くに別の蛾もいました。



スズメガ科のコスズメです。すっきりした形の翅、太い胴体をしています。胴体の横の部分に肌色の光る鱗粉を持っているようです。夜中、この2匹が、地下駐車場で暴れ回っていたと思うと、ぞっとしますね。



これも地下駐車場の天井付近にいました。ヤモリです。正式にはニホンヤモリというようです。ヤモリとイモリはどちらが両生類でどちらが爬虫類だっけとよく迷いますが、イモリはアカハライモリといって、水の中で生活しています。従って、イモリが両生類です。ヤモリの体は虫よりもずっと重いのですが、壁でもガラス窓でも平気で歩いていきます。これは指の先に細かい繊維がいっぱい出ていて、その繊維によって接着しているからです。この技術を活かしたバイオミメティックス(生物模倣技術)が今盛んに研究されています。



こんな甲虫もいました。体全体に白い毛がいっぱい生えているので、オオコフキコガネだと思います。本当は毛が体全体を覆っているので、「粉ふき」という名前がついています。



これはクロコガネかその仲間だと思います。



この虫の名前を探すのが一番大変でした。形がキマワリに似ているので、まず、ゴミムシダマシの辺りから図鑑を見始めました。いろいろと迷ったのですが、最終的には、クチキムシ科のホソオオクチキムシではないかと思います。



体に付いているだいだい色のものはダニのようです。拡大すると、脚のようなものが見えていて、体に毛が生えているのも分かります。ネットで探すと、節足動物に付くタカラダニという名前がよく見られますが、それかどうかは分かりません。



小型のメイガです。ツトガ科のコガタシロモンノメイガといいます。これまで、6-8月にかけて多数採集しています。



この間から出てきている蛾ですが、記録のためにまた載せておきます。外横線がやや直線的なので、アカウスグロノメイガかなと思いますが、よく分かりません。



綺麗な蛾ですが、大図鑑を見ても、標準図鑑を見ても、いろいろと書いてある割にははっきりしない蛾です。採集していると、名前が分からないので、この種の蛾がどんどん集まってきます。ここではとりあえずフキノメイガとしておきます。



これはメイガ科のトサカフトメイガです。フトメイガの中では模様がはっきりしている方です。



これはヤガ科のカブラヤガでしょう。



この間もでてきた、ウンモンクチバだと思います。似た種があるので、はっきりとはしませんが・・・。

廊下のむし探検 アカアシオオアオカミキリほか

廊下のむし探検 第113弾

昨日の朝、廊下を歩いてみました。一時期、虫はほとんどいなくなっていたのですが、昨日はそこそこ見られました。



歩き始めてすぐに、白い壁にやや大きな虫が止まっているのが見えました。何だろうと思って近づいてみると、アカアシオオアオカミキリという綺麗なカミキリでした。ネットで調べてみると、夜間、クヌギでカブトムシなどに混じって吸蜜に来るということです。私のマンションでは、以前から、時々見られています。



この虫の名前を調べるのに、本当に苦労しました。初めは顎がすごいので、クワガタの仲間かなと思ったのですが、触角が違います。その次は、ゴミムシの仲間かなと思ったのですが、胸が違います。それで、また甲虫図鑑を初めから見ていったのですが、オサムシやコメツキ、カミキリ、ゾウムシなどは除いて、そのほかの虫を順に見ていったのですが、何度見てもどうしても見つかりません。もう諦めるつもりで、学研の昆虫図鑑をパラパラめくって見ていたときに見つかりました。クロカミキリです。触角が短いので、まさかカミキリとは思いませんでした。やはり、先入観はいけませんね。



ノコギリカミキリか、ニセノコギリカミキリかよく分かりません。触角が短いので、ニセノコギリカミキリの方かなと思うのですが、どうでしょう。



一昨日もいたのですが、センチコガネの方でしょうか。



これは、以前にも苦労したゴミムシの仲間です。おそらく、ゴモクムシの仲間だと思いますが。琵琶湖博物館の「里山のゴミムシ」という電子図鑑と見比べてみたのですが、残念ながら分かりませんでした。



先日のニイニイゼミに続いて、この日はアブラゼミも止まっていました。



これも以前に見た、ハチモドキバエの仲間です。もう一度、掲示板を見直してみました。翅の暗色部の模様から、どうやらオオハチモドキバエのようです。以前も同じ掲示板を見て、同じ模様の種をフトハチモドキバエにしたのはどうしてだったのだろう。読み間違ったのかもしれません。



廊下の壁に羽アリがいっぱい来ています。名前までは分かりません。

次は蛾です。



小さな小さなガですが、模様がはっきりしているので、分かりやすいです。シロスジエグリノメイガといいます。



これは、いつも迷うガです。最近、毎日のように見ますが、綺麗な個体なのでもう一度出しておきます。先日と同様、外横線が角ばっているので、ヒメアカウスグロノメイガとしましたが、あまり自信はありません。



廊下の壁に立派なハグルマトモエが止まっていました。私はこのくらいの大きさの蛾を見ると、ちょっと恐怖感を覚えます。恐る恐る、横を通り過ぎました。



最近、地下駐車場もガが少なくなりました。これは、ヤガ科のマダラエグリバという種類です。翅の下の部分ががえぐれているので、こんな名前がついたのでしょう。



これはヤガ科のタイワンキシタアツバといいます。タイワンという名前がついていますが、普通に見られます。



これはシャクガ科のウスキオエダシャクです。5月ごろにも登場しました。



これはシャシホコガ科のホソバシャチホコです。よく見る種類です。



地下駐車場には、一昨日も見た、ヒメクロイラガがたくさんいました。今頃、発生するのですね。

廊下のむし探検 メイガが多い

廊下のむし探検 第112弾

昨年10月に始めた「廊下のむし探検」も、早や9カ月経ってしまいました。この間、登場した「むし」は

蛾 330種、カメムシ 40種、カミキリ 24種、ゾウムシ 15種、コガネムシ 12種
クモ 9種、ハムシ 7種、チョウ 6種などなど

と、大変な数になります。野外で観察しても、なかなかこんな数になることがないのに、マンションの廊下をわずか15分ほど歩くだけで観察できるので、廊下もなかなか捨てたものではありません。この辺りで、少し整理をしておこうと思って、これまで登場した「むし」の索引や記事の総目次を作ってみました

さて、今日は一昨日歩いた時に見つけた虫の紹介です。





廊下で仰向けにひっくり返っていたので、起こしてみました。黒っぽいコガネムシです。シロテンハナムグリかなと思ったのですが、どうでしょう。



このコガネムシも似た種類があってなかなか決め手がありません。アオドウガネかなと思っています。



前胸背板中央の溝が浅いので、センチコガネの方かなと思います。オオセンチコガネと同じで、綺麗に光っていますが、光り方がやや鈍い感じです。



廊下の天井にいました。しきりに動いています。触角がノコギリの歯のようになっています。アカハナカミキリかなと思っています。



手すりに止まっていたので、思い切って接近して撮影してみました。シオヤアブのメスの方でしょうか。



大型のメイガです。5月終わりごろにも登場しましたが、ツゲノメイガです。



地下駐車場の天井に止まっていました。模様からウスヒメトガリノメイガではないかと思います。私は採集したことがありません。



小さい蛾ですが、やはりメイガの仲間です。ツトガ科のハイイロホソバノメイガです。



野外では花などに止まっている姿をよく見かけます。シロオビノメイガです。



さて、同定が難しい種類が出てきました。図鑑としげしげと見比べたのですが、外横線の曲がり方がヒメアカウスグロノメイガに似ています。自信はありません。



この日は、この種の蛾が何匹かいました。外横線はアカウスグロノメイガに似ていますが、翅頂が尖るというところが違うような。一度、捕まえてきてじっくり観察する必要があるようです。



これも天井に止まっていました。特徴がはっきり出ているので、ツトガ科のツトガだと思います。



この蛾はマドガ科のアミメマドガです。これまで、5、7、8月に採集しています。



奇妙な形で止まっていますが、イラガ科のヒメクロイラガです。イラガ科の幼虫は毒棘を持っていて刺されると激痛が走るということなのですが、ヒメクロイラガの幼虫は毒棘のほかに、ドクガと同じような毒針毛まで持っているそうです。毒の内容はヒスタミンとたんぱく質のようで、危険・有毒生物図鑑によると、イラガ科の毒は痛みは激しいが、数時間で消えるとありました。カキやアブラギリに多いそうなので気をつけましょう。

廊下のむし探検 甲虫(カブトムシ、アオバアリガタハネカクシ)ほか

廊下のむし探検 第111弾

夏はいつもこうだったのか、あまり注意していなかったので分かりませんが、マンションの廊下も梅雨明けになると急に虫が少なくなってきました。それでも、この日は甲虫がいろいろといました。



もうそろそろ出てきてもよいなと思っていたら、メスが地下駐車場にいました。カブトムシです。車の横の地面にいたので、車にひかれないか心配です。オスもそのうち出てくるでしょう。



このやや大きなカミキリの名前がなかなか分かりませんでした。図鑑とネットを交互に見て調べて、オオクロカミキリのメスかなというところまではたどり着いたのですが、確かではありません。





この2枚の写真の甲虫もよく分からなかったのですが、脚の刺が独特の感じで図鑑とネットで探していたら、アカビロウドコガネという名前にたどり着きました。



これはきっとセマダラコガネですね。以前、ウスチャコガネと混同してしまっていました。



イタドリハムシですね。



体長数ミリの小さなハネカクシです。じっとしていたので、カメラを近づけると急に動き始めました。図鑑で調べてみると、アオバアリガタハネカクシのようです。この名前は聞いたことがありました。昔、毒を持っているから気をつけるようにとテレビか新聞で言っていたような気がします。危険・有毒生物の図鑑を見てみると、体液にペデリンという有毒物質を含むそうです。皮膚に付いて払いのけるときにつぶしてしまい、皮膚がみみずばれ(線状皮膚炎)になることが多いとありました。皮膚に付いた時にはそっとのけるようにということです。気をつけなくては。



外では盛んに鳴いているのですが、マンションでもやっとセミの姿を見ることができました。ニイニイゼミです。よく見ると頭から胸にかけて複雑な模様をしていますね。



翅の先端に黒い模様があるので、すぐに見つかるだろうと高をくくっていたら、なかなか見つかりませんでした。何となく感じから、大図鑑のヤガ科クチバ亜科周辺を探していたのですが、見つかりません。仕方なく、最初から見直していたのですが、やはり見つかりません。もう一度クチバ亜科の辺りを探していて、やっと見つかりました。クリイロアツバです。標本写真とだいぶ違う感じです。今は、テンクロアツバ亜科に入っていました。



似たような色の種類が多いので、写真からの同定は難しいのですが、前翅全縁の黄色の入り方と、翅の形から、ヒトリガ科のキベリネズミホソバとしたのですが、それほど自信はありません。



これは模様がはっきりしていてすぐに分かります。シャクガ科のベニヒメシャクです。

廊下のむし探検 虫が極端に少なくなりました

廊下のむし探検 第110弾

この2、3日、マンションの廊下にいる虫が圧倒的に少なくなりました。もともと夏は少ないのですが、それにしても少ないです。最近は廊下と地下駐車場を合わせても10匹いるかいないかです。梅雨明けとともに、虫の季節も一段落ですね。今日は2日分の報告です。

まずは甲虫、カメムシから。



マンションの廊下でひっくり返っていました。もとに戻してあげたのですが、もうあまり動けません。図鑑で調べてみると、ノコギリカミキリのような感じですが、ニセノコギリカミキリとの区別が今一つはっきりしませんでした。



これはオオゾウムシですね。



ゴミムシの仲間だろうと思うのですが、名前まではよく分かりません。触角は無くなってしまったのでしょうか。



元気よく廊下を歩いていました。アカサシガメですね。マンションの廊下、初登場です。

次からは蛾です。蛾もメイガの仲間が多くなってきています。



翅の先が曲がってとがった独特の形をしています。こんな翅を持っているのはカギバガの仲間です。これはウコンカギバです。



小さな蛾で天井に止まっていました。写真で拡大して見ると、特徴ははっきりしています。これはソトジロコブガだと思います。小さくて灰色の蛾はコブガであることが多いです。



これも小さくて細長い蛾です。おそらく、ホソバヤマメイガだと思います。



これもメイガの仲間ですが、たぶんウスオビトガリメイガですね。





色はだいぶ違うのですが、この2匹は共にアカシマメイガだと思います。



最後にこの蛾なのですが、鱗粉がだいぶ無くなっていて、よく分かりませんでした。フトメイガの仲間であることは確かだと思うのですが。

夏になり、「廊下のむし」が少なくなってきたので、これから9月まで少し休憩ができます。また、顕微鏡やカメラの実験でもやってみようかな。

廊下のむし探検 オオシマトビケラ、蛾など

廊下のむし探検 第109弾

「廊下のむし探検」では、北摂にあるマンションの廊下や地下駐車場にやってくる虫を、無差別に取り上げているので、いろいろな虫が登場します。私のマンションのすぐ近くには小川が流れています。その影響なのか、カゲロウやトビケラ、カワゲラなどの水生昆虫の成虫もよくやってきます。これらの多くは名前が分からないのですが、昨日ははっきりした模様のトビケラがいました。



オオシマトビケラです。私は初めて見ました。水生昆虫は水質の評価によく使われています。私のマンションの近くの川の水質がどうなっているのか気になってちょっと調べてみました。

環境省の水質の指標生物はIからIVまでにわけられているのですが、オオシマトビケラはそのうちIIの「ややきれいな水」に入っていました。ちなみに、これまでマンションの廊下にやってきた水生昆虫では、オナシカワゲラ、ヤマトフタツメカワゲラ、ヤマトヒメカワゲラなどのカワゲラ類がIの「きれいな水」、ヒゲナガカワトビケラがI、ニンギョウトビケラがII,ナミヒラタカゲロウがI,キイロカワカゲロウがIIになっていました。

これから、私のマンションの近くの川は「きれいな水」と「ややきれいな水」の中間くらいかなと思います。最近、川が汚れてきている気がしています。そういえば、以前よく見たヘビトンボをほとんど見かけなくなりました。ヘビトンボはIに入っています。



天井に止まっていたので、はっきりとは分かりませんが、やけに脚が長い感じがします。また、例によって図鑑を端から眺めていきました。ゴミムシダマシ科のクロナガキマワリというのに似ている気がしますが、どうだか分かりません。(追記2016/05/29:セスジナガキマワリだと思われます

蛾の方は比較的小さな蛾が多くなりました。



キバガの仲間だろうというのはすぐに分かりますが、それ以外は翅にある白点が、よく見ると3つあることが特徴です。これから、コゲチャオオフサキバガかなと思うのですが、あまり自信はありません。



ハマキガの仲間ですが、独特の模様をしています。スネブトヒメハマキだと思います。



小さい蛾ですが、模様には記憶がありました。ノシメマダラメイガです。



この間も登場しています。今回のはやけに綺麗な個体なのですが、相変わらず名前の方は確かではありません。シロテンウスグロノメイガかなと思っています。



黒っぽく写ってしまい、模様がよく見えませんが、アカシマメイガかなと思います。



これもアカシマメイガと同じような格好で止まっていますが、同じ仲間のオオウスベニトガリメイガです。



これはシロアヤヒメノメイガだと思います。



色からアオシャクの仲間であることはすぐに分かりますね。これはヒメシロフアオシャクです。これまで、やはり7月に採集しています。



ずいぶん鼻を突き出したような形をしていますが、ソトシロオビナミシャクではないかと思います。



変わった色合いですが、ヤガ科のシマキリガです。やはり夏に出るキリガです。



この枯れ葉のような蛾はアカエグリバです。結構、多い蛾です。

最後に、こんな「むし」もいました。



ムカデです。種類までは分かりません。つぶれて死んでいましたが、ちょっと気持ちが悪いですね。

廊下のむし探検 ミヤマクワガタほか

廊下のむし探検 第108弾

廊下を掃除するおばさんが、「カブトムシがいたよ」と言って、家まで持って来てくれました。私がいつも廊下の虫の写真を撮っているからでしょう。バケツに入った虫を見てみると、間違いなくクワガタです。どうもおばさんにとっては、カブトムシもクワガタムシも一緒みたいです。



ちょっと小型ですが、立派なミヤマクワガタです。喜んで写真を何枚も撮りましたが、ストロボをたいて写真を撮ると、大顎の影が邪魔になってしまいます。そこで、カメラレンズの先端部分にティッシュペーパを広げて影をなくしてみました。昨日はコクワガタ、今日はミヤマクワガタとクワガタのオンパレードです。



階段の手すりの柱に止まっていました。ウスバカゲロウの仲間ですが、翅にいろいろな模様が出ています。図鑑で調べてみると、マダラウスバカゲロウと言うそうです。



マンションの外にある階段の所で死んでいたのですが、色が綺麗なので撮影してみました。アカウシアブというようです。



地下駐車場の天井に止まっていました。アオスジアオリンガという種類です。以前はヤガ科リンガ亜科だったのですが、新しい図鑑では、コブガ科リンガ亜科になっていました。



これはヤガ科のキノカワガです。成虫越冬して、6月ごろに新しい成虫が出るので、6月から3月ごろまでいつでも見ることができます。(これもコブガ科に入っていました)



これはヤガ科のニレキリガです。キリガには、秋キリガ、越冬キリガ、春キリガがあるのですが、これは夏にでるキリガです。分類的にはキリガ亜科には違いないのですが、コスミア亜族という別の亜族として扱われています。



これも廊下で死んでいたのですが、マドガ科のスギタニマドガです。兵庫県ではレッドデータのCランクに入れられていますが、マンションでは時々見ます。



これはアカフマダラメイガといいます。マダラメイガの仲間は模様がはっきりしていて分かりやすいです。



似た種類が多いので、分かりにくい種です。外横線の曲がり具合だとか、翅の細さだとか、色の具合などで見分けるのですが、決め手がなくていつも困ってしまいます。とりあえず、シロテンウスグロノメイガとしておきますが、あまり当てにはなりません。

廊下のむし探検 甲虫、蛾など

廊下のむし探検 第107弾

昨日の「廊下のむし探検」の結果です。今回は小さな蛾の名前が分からず、昨日からずっと悶々としていたのですが、とうとう諦めて出すことにします。

まずは甲虫からです。



いつもメスばかりだったのですが、今日はオスのクワガタが来ていました。大顎が発達していなくてよく分からないのですが、おそらくコクワガタかなと思っています。



あまり特徴のないカミキリなので、名前調べが大変でした。チャイロヒメカミキリに似ているような気がしますが、どうでしょう。



この間から何度か出てきたオジロアシナガゾウムシです。



これもこの間から出てきているシロヒゲナガゾウムシです。カミキリとゾウムシの名前調べは少し慣れてきました。



ベッコウガガンボが窓のところで飛び回っていました。いつも止まっているところばかり見ていたので、初め何が飛んでいるのか分かりませんでした。(追記:「一寸のハエにも五分の大和魂」という双翅目の掲示板を見ていて、クシヒゲガガンボ属のホリカワクシヒゲガガンボらしいことが分かりました。)



地下駐車場の天井に止まっていました。恐ろしく長い触角です。写真からかなりはみ出しています。図鑑で調べてみるとホシササキリかなと思うのですが、どうでしょう。

次は蛾に移ります。



同じく地下駐車場の天井に大型の蛾が止まっていました。ヤガ科のハグルマトモエです。よく見ると見事な模様ですね。



一昨日、メスのチャドクガが2匹いたのですが、今日はオスが2匹いました。黒い個体がオス、黄色い個体がメスなのですが、図鑑によれば、第1化(7月上旬)のオスは圧倒的に黒褐色の個体が多く、第2化(10月上旬~中旬)はメス型ばかりになると書いてありました。この仲間は触角が立派なので、オスだとすぐに分かります。(蛾をやっている人は2匹と言わずになぜか2頭と言うのですが、ちょっとマニアっぽくなるので、ここでは2匹にしておきます)。



これはシャクガ科のフタテンオエダシャクです。以前にも出てきたと思います。



異様な形をして止まっていますが、これも蛾の仲間です。翅をよく見るとシマメイガっぽい模様をしています。クシヒゲシマメイガです。これまでに4匹採集していますが、いずれも7月でした。



すっきりした形の蛾です。これはヒトスジオオメイガといいます。



この真っ白な蛾はシロツトガです。白が輝いていて、とても綺麗です。(追記:マエキツトガのようです)



あまり特徴のない蛾ですが、翅の形、黒い点、下唇鬚が名前を探すときの決め手になりました。おそらく、ムモンヒロバキバガではないかと思います。(追記:和名がムモンハビロキバガに変更されているようです

さて問題の蛾にやってきました。



こんなにはっきりした模様なのに、大図鑑と標準図鑑を何度見ても名前が分かりませんでした。とうとうギブアップです。



こちらの方は模様もはっきりしないので、初めからギブアップ気味でした。

小さな蛾になると名前調べがなかなか大変です。

廊下のむし探検 甲虫、カメムシなど

廊下のむし探検 第106弾

朝の蛾に続いて、甲虫、カメムシ、アミメカゲロウ類などについての報告です。今日は何故か甲虫がたくさんいました。



最近、マンションの廊下にもクワガタがぼつぼつ出始めました。これはこの間から出ているコクワガタのメスです。



こちらは初めて見ました。やはりクワガタの仲間でチビクワガタというようです。



先日も出てきたフナガタクチキムシのようです。廊下の壁の凹んだところに頭を突っ込みじっとしていました。



先ほどの種類と触角が似ています。図鑑でその辺りを調べてみると、似た種が見つかりました。クロツヤバネクチキムシですが、自信はありません。



廊下をのそのそと歩いていたので、遠くからでも分かりました。フタモンウバタマコメツキです。



天井の隅に、この間から何度も見ているキマダラミヤマカミキリがいました。



これは初めて見るカミキリです。キスジトラカミキリですね。綺麗なカミキリです。



やはり廊下の隅をアシナガオニゾウムシがのそのそと歩いていました。



ゾウムシのすぐ脇を小さな点のような虫が動いていました。なんだか分からず撮影して、採集してきました。家で調べてみると、カメムシみたいです。体長2.5mmの小さなカメムシです。図鑑を見ると、どうやらカスミカメムシ科のダルマカメムシのようです。図鑑によれば、以前は東京でも普通に見られたが最近は見ることが難しくなったと書かれていました。また、天然林より人の手の入った里山に見られ、里山型の種だそうです。



これもカメムシの仲間で、ツチカメムシの5齢幼虫のようです。



地下駐車場の天井に、この間からウスバカゲロウが止まっています。行くたびに止まっている場所が変化するのですが、いつも一匹なので同じ個体でしょうか。



これはアミメカゲロウ目のチャバネヒメカゲロウだと思います。



これも同じ仲間だと思いますが、先ほどの種類と模様が違うので名前までは分かりません。



羽アリもたくさんいますが、名前の方はさっぱりです。



最後にカタツムリです。本当はカタツムリも種類が多いと思いますが、とりあえずカタツムリにしておきます。(追記:TMさんから、「カタツムリはクチベニマイマイだと思います。口の部位がまだできていないので亜成かと思われます。」というコメントをいただきました。カタツムリはまったく分からなかったので、いい勉強になりました。どうも有難うございました

廊下のむし探検 蛾の巻

廊下のむし探検 第105弾

昨日は不思議と甲虫など蛾以外の虫の方が多かったので、まず、少なかった蛾の方から書いてみます。

この日一番の変わり種は次の蛾でしょう。



地下駐車場の蛍光灯のソケットに止まっていました。初め、何だか分からなかったのですが、どこか見覚えのある蛾でした。シャチホコガを探してみて無かったので、蛾類大図鑑の最初の方から見ていったら、最初の方にありました。ボクトウガ科のボクトウガです。過去のデータを見てみると、7-8月に採集していました。ボクトウガはマダラガ、スカシバガなどに近いやや原始的な蛾の仲間です。

「ボクトウガ」とはどういう意味なのか調べてみました。どうやら中国語の「木蠧蛾」という字から来ているようです。真ん中の字はごちゃごちゃしているので、ちょっと拡大しておきます。

「蠧」は日本語読みで「と」と読み、シミ類やむしばむという意味を持っているそうです。中国語の辞書で調べてみると、1)きくいむし、2)虫が食い破る、3)物事を損ない破る、とありました。いずれにしても、木蠧とは「木を食う虫」という意味のようです。ネットを調べてみると、幼虫がポプラやヤナギなどの木の幹に穴を開け、しかも、一部分に固まって穴を開けるため、風などで折れてしまうということです。





やはり地下駐車場の天井に黄色い蛾が二匹止まっていました。チャドクガのメスです。字の通り、お茶の害虫です。チャノキ、サザンカ、ツバキなどのツバキ科の葉について、その葉を食します。幼虫は毒毛をもっているので、何の気なしに近づいて刺されたという話もよく聞きます。毒の成分はヒスタミンとタンパク質分解酵素です。メスは幼虫の時の毒毛を腹の先につけて、産卵するときにその毒毛をまぶして卵を守るので、成虫も要注意です。



一時期盛んに飛び回っていたマイマイガですが、最近、少し下火になってきたようです。これもドクガの仲間ですが、毒はありません。



この変わった形と模様の蛾も見たことがあったのですが、思い出せませんでした。調べてみると、ヤガ科のシロスジキノコヨトウでした。これまでの記録では6-7月に採集しています。鶏冠のように盛り上がっている部分は鱗粉の塊です。



翅に白い部分が付いているので何だろうと思ったのですが、独特の鎌状の模様がついているので、アカテンクチバで間違いないと思います。図鑑で見てみると、白い模様のあるものも出ていました。



小さい蛾ですが、ヒメシャクの仲間です。外横線がはっきりしているので、オオウスモンキヒメシャクかなと思います。



これはメイガであることは確かなのですが、ちょっと迷いました。クロスジキンノメイガとウスイロキンノメイガのどちらかなと思ったのですが、黄色が濃いことと線が点状になっていることからクロスジキンノメイガではないかと思います。



これはこの間出てきたツマグロシマメイガに似ていますが、はるかに小さくて、マエモンシマメイガの方です。



これは翅の真ん中に黒い模様があるのでシバツトガでしょう。



そして、定番のマエアカスカシノメイガもいました。しばらく出していなかったので出しておきます。

廊下のむし探検 甲虫や蛾など

廊下のむし探検 第104弾

昨日の続きと、昨日新たに撮影した虫の写真を紹介します。掃除のおばさんが、「カブトムシがいたよ」と知らせてくれたのですが、私が行ったときには、「もう逃がしてやった」というので見られませんでした。でも話を聞くと小さかったということで、この間からいるコクワガタのメスだったのではないかと思います。



最近は蛾に比べて甲虫類はちょっと低調です。これは先日もいたヒゲナガゾウムシ科のシロヒゲナガゾウムシではないかと思います。



この写真の甲虫は似た種類が多くて、大いに迷いました。触角の鋸歯が大きいことと赤色の出方から、ベニボタル科のカタスジアミメボタルとしたのですが、自信はありません。



写真を撮り損ね、全体に白っぽくなってしまったので、画像修整しました。本当の色が出ていないかもしれません。この写真をもとに調べた結果、クチキムシ科のクリイロクチキムシかなと思ったのですが、どうでしょう。

コメツキムシは毎日2-3匹出会えます。一応、写真は撮っているのですが、同定する自信がないので、今回は一つだけ出しておきます。



そのうち、捕まえてきて一度、調べてみたいと思います。




色が黄色でないのですが、カワカゲロウ科のキイロカワカゲロウだと思います。どうしてこんなに白っぽく写ったのだろう。



トビケラです。ちょっと模様があるので、「水生昆虫ファイル」や「水生昆虫小宇宙」などフライフィッシャー向けの写真集を調べてみたのですが、見つかりませんでした。トビケラ、カワゲラ、カゲロウなどは、釣り関係の本の方が詳しく出ています。



先日も見たデガシラバエ科のハチモドキバエです。おそらくこの間と同じフトハチモドキバエかなと思います。今回の写真では、退化して小さくなった後翅がよく写っています。それにしても、これがハエだとはとても思えません。(後記:オオハチモドキバエの方かなと思います。)



蛾なのかそうでないかもよく分かりませんが、触角が立派なので、おそらくスカシクロバの仲間かなと思います。もう少し注意して写真を撮ればよかったと悔やまれます。



前回もいた蛾です。この辺りにはモモノゴマダラノメイガとマツノゴマダラノメイガの2種がいるので、今回は注意して見たのですが、モモノゴマダラノメイガの方かなと思います。



これもメイガの仲間で、ヤマトマダラメイガだと思います。マダラメイガの仲間は模様が比較的はっきりしているので助かります。



昔、何度も見たような蛾だったのですが、図鑑を見てもどうしても思い出せません。仕方なく標本箱を見てみると、いっぱい入っていました。ワモンノメイガです。



全体に黒っぽいですが、翅端に特徴的な「鎌」模様があり分かりやすいです。ヤガ科のアカテンクチバです。



キシタバの仲間もいました。キシタバは後翅が黄色なので、飛ぶと良く目立ちますが、こうして止まっているとただの黒い蛾に見えます。これはコガタキシタバだと思います。



これはヤガ科のスジキリヨトウです。

蛾の仲間では、やはりメイガやツトガが目立つようになりました。夏になると全体に虫の数が減ってくるので、これからは「廊下のむし探検」も少し楽になるでしょう。

廊下のむし探検 蛾の巻

廊下のむし探検 第103弾

忙しくてばたばたしている間にちょっと間が開いてしまいました。4日ぶりの廊下のむし探検です。昨日は天気が良くなくて、虫がいそうになかったのですが、いざ歩いてみると蛾だけはいっぱいいました。6月がピークだと思っていたのですが、7月になっても多いようです。



まずはやや大型のシャクガからです。これはリンゴツノエダシャクといいます。なぜ「リンゴ」かというと、「チャ」の場合と同じで、リンゴの害虫だからです。でも、実際は、リンゴ以外にもバラ科、カエデ科、ツツジ科などいろいろな植物の葉を食べるようです。



これもやや大型のシャクガですが、ヨモギエダシャクです。これも「ヨモギ」という名前に関係なく、きわめて雑食性で草でも木の葉でもいろいろな植物を食べます。ネットで調べると、リンゴの害虫でもありました。数が多い蛾です。



本当は後翅が見えないように翅を閉じて止まるのですが、ちょっと近づくとすぐに飛んでしまうので、こんな姿に写ってしまいました。似た種が多いのですが、おそらく、オオハガタナミシャクではないかと思います。「ハガタ」は翅の模様の「歯型」から来ているのでしょう。



ちょっと図鑑と色合いが違うのですが、翅形や線の入り方からミスジツマキリエダシャクとしましたが、どうでしょう。



ちょっと変わった蛾もいました。透き通るような翅をもったホシシャクです。名前の由来は何となく分かりますね。数は少ないのですが、マンションではときどき見ます。飛んでいる姿は見たことがないのですが、ネットで調べるとやはり昼飛性のようです。



これは以前にも登場しましたが、ウチムラサキヒメエダシャクです。



これも似た種類が多くて、いつも迷うのですが、ヤガ科のシラクモアツバではないかと思います。



廊下の壁の下の方に止まっていたので、廊下の上に這うようにして撮影したのですが、全体に黒っぽく写ってしまいました。仕方なく、翅の黄色がかった細長い点、長い下唇鬚、前翅前縁が反るような形になっているところなどを手がかりに探しました。ヤガ科のアツバやクルマアツバには似たような種があるので、やはり捕まえないと分からないなと思って採集にいったら、もう掃除の方が綺麗に掃除した後でした。改めて写真を見てみると、よくいるフタキボシアツバだということが分かりました。



翅に丸い模様がはっきり見えるのは、ヤガ科のナシケンモンですね。やはり雑食性ですが、「ナシ」の害虫でもあるようです。



おそらくヤガ科だろうと思うのですが、最後まで名前が分かりませんでした。講談社と学研の図鑑を2回ずつ調べたのですが・・・。手掛かりは前翅の外縁が直線状であること、前縁にちょっとした模様があること、頭に黒い筋が入っていること、全体に灰色であることなどです。ちょっと残念です。



気味が悪い蛾ですが、ドクガ科のカシワマイマイです。これはオスの方で、メスはもっと大型で色合いがまったく異なります。



夏になるとメイガが多くなります。これはモモノゴマダラノメイガだと思います。綺麗な蛾です。



これはツマグロシマメイガだと思います。メイガ科だったものが、ツトガ科とメイガ科に分かれてしまい、私のような古い蛾愛好家にとっては難しくなってしまいました。これはメイガ科の方ですね。



いつもと違う角度で撮影したために、同定が難しくなってしまいました。翅の縁に生えている縁毛の色や後翅の2本の筋から、ウスベニトガリメイガだとしたのですが、どうでしょう。



模様ははっきりしているのですが、意外に難しかったです。自信はありませんが、ハスジフトメイガかなと思っています。しっぽを上げて止まっています。

そのほか、以前から見られている蛾が数種いたのですが、今日はここまでです。

廊下のむし探検 可愛いキイロテントウ

廊下のむし探検 第102弾

虫が一番多い6月が過ぎ、あっという間に7月になってしまいました。「廊下のむし探検」もこれからはちょっとずつ楽になっていくでしょう。昨日も虫はちょっと少なめでした。今日は甲虫から紹介します。



何とも可愛いテントウです。キイロテントウです。黒い2つの点がまるで目のように見え、私の方を見上げて、じっと見つめている感じがします。本当の目はどれでしょう。触角の脇の黒い2つの点がそれですね。



こちらはナミテントウです。全体が黒くて目がどれかよく分かりませんね。



廊下の壁に小さな黒いものがついていました。ゴミなのか虫なのかと思って、とりあえず拡大して写してみると、実にカミキリでした。体長は4-5mm程度の小さな小さなカミキリなのですが、一人前にカミキリの形をしています。体全体と触角に一面毛が生えています。図鑑で調べてみると、ガロアケシカミキリというのに似ています。こんな小さなカミキリもいるのですね。



この手のコガネムシの仲間はストロボをたくとどうしても綺麗に写りません。でも廊下は暗いので、ストロボをたかないとどうしてもブレてしまいます。これはキョウトアオハナムグリかなと思います。



地下駐車場の天井にいました。やや大型の甲虫です。翅の形からシデムシの仲間であることはすぐに分かりました。図鑑を調べてみると、オオモモブトシデムシのようです。

「廊下のむし探検」を始める前までは、甲虫はまったく分からなかったのですが、最近、少しずつ感が働くようになってきました。



それでも、コメツキはまったく分かりません。

蛾に移ります。



地下駐車場の蛍光灯に止まっていました。オオミズアオです。この蛾を綺麗だと思う人も多いかもしれませんが、私はどうも大型の蛾は苦手で、怖さが先に出てしまいます。おそるおそる遠くから写しました。こんなにたくさん蛾の写真を撮り、しかも、蛾の標本まで作っているのに、なかなか怖さだけはなくなりません。



廊下で死んでいました。クロスズメという蛾です。過去のデータを見ようと思ったのですが、やや大きい蛾なので標本は1つしか作っていませんでした。4月に採集していました。図鑑によれば、年2回の発生で、5-6月と、7-8月に見られるようです。



これは先日もでてきたヒトリガ科のアカスジシロコケガです。



これも地下駐車場の壁に止まっていました。キシタバです。おそらく、コガタキシタバではないかと思います。触角を真横に伸ばしている姿は面白いですね。キシタバの仲間はオスもメスも細い糸状の触角をしています。



似た種類があっていつも同定に苦しむ種です。カバスジヤガ、ウスイロカバスジヤガ、オオカバスジヤガの3種です。主に外横線の形状で見分けますが、カバスジヤガは鈍角をなすことから除外でき、ウスイロカバスジヤガはやや高地に産出することから、オオカバスジヤガの可能性が高いかなと思うのですが、自信はありません。



これは先日もでてきたヤガ科のハナオイアツバです。



車のボディに止まっていました。雰囲気からてっきりヤガ科のクチバの仲間だと思って、何度探しても見つかりません。以前見たこともあるのにと思いながら、試しにエダシャクを探してみるとありました。この間もみたウスネズミエダシャクです。こういう先入観がいけないのですね。



最後に昨年秋にも出てきたニジュウシトリバがいました。「二十四鳥羽」と書きます。私はいつも「ニジュウ」+「シトリバ」と呼んでしまうのですが、「ニジュウシ」+「トリバ」と読むのが正式なのでしょうね。

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Author:廊下のむし

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