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ウスキツバメエダシャクの蛍光

この間から紫外写真やスペクトル測定をしてきました。ためしに、蛾の標本をUV-LEDで照らしてみると、ウスキツバメエダシャクだけがやけに強く蛍光を出していることが分かりました。今日はそれについて調べてみます。



右はウスキツバメエダシャク、左は比較のために置いたモンシロチョウです。ウスキツバメエダシャクの方はちょっと艶があり、わずかに黄味を帯びています。この標本を、電気を消してUV-LEDで照射して撮影してみました。



ウスキツバメエダシャクは鮮やかに光っています。それに対して、モンシロチョウはまったく光っていませんね。同じ仲間のコガタツバメエダシャクを調べてみると、ちょっと面白くて、光るものとあまり光らないものがありました。



蛍光灯のもとではこんな感じですが、紫外線を当てると



左側はよく光っていますが、右側は後翅の縁を除いてほとんど光りません。いくつかの標本で見ると、光り方がまだらになっているものもあります。顕微鏡で見ても、別に鱗粉がはがれているわけではないようです。

この蛍光を手作り分光器で測ってみました。今日は蛍光を測定するので、スリットは幅0.7mmと広めのものをアルミホイルで作り直しました。竹ひごに割れ目を入れ、そこに標本の針を刺して、分光器のスリットの前に置きました。UV-LEDは分光器の横に置いて、翅に斜めになるように照らしています。分光器の透過型回折格子フィルムにカメラ(Nikon D70とMicro Nikkor 55mm)を接近させて撮影してみました。



一番上は殺菌灯で、一番下は白熱電球です。スリットが広い分だけ、分解能も悪くなっています。真ん中はウスキツバメエダシャクの翅をUV-LEDで照らして測定したものです。紫色のUV-LEDの光のほかに、緑と青の領域でわずかに光っているのが見えます。

この画像をImageJを用いて、Gray valueに変換したものが次の図です。



真ん中のウスキツバメエダシャクでは、翅で直接反射(散乱)したUV-LED光のほかに、500nm付近をピークとする幅広い蛍光が出ていることが分かります。

白熱電球のスペクトルが変な形になっているのは、カメラの感度が波長で違っているためだと思うので、以前と同じようにプランクの輻射公式を用いて補正し、蛍光スペクトルも計算し直してみると、次の図のようになりました。



470nm(青)付近と520nm(緑)付近に2つの山が見えてきました。この蛍光スペクトルが合っているかどうかはまだ分かりませんが、青から緑にかけて蛍光を出していることだけは確かなようです。

いったい何が光っているのでしょう。「ウスキ・・・」の名前のもとになった黄色と関係があるのでしょうか。コガタツバメエダシャクでは個体によって違うのはどうしてでしょう。鱗粉の配列はどうなっているのでしょうか。いろいろと疑問が湧いてきますね。

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ウスバフユシャク

廊下のむし探検 第34弾

久しぶりの廊下の虫です。マンションの廊下を歩き回って、今日はフユシャク2頭だけでした。





今シーズン初めてのウスバフユシャクです。前翅を重ねるようにして止まるのが、フユシャク亜科のフユシャクの特徴です。上と下の写真では黒点の大きさがだいぶ違いますが、上のようなタイプと下のようなタイプの両方がいます。ウスバフユシャクは例年1月中旬から下旬にかけて発生しています。

手作り分光器の巻 スリットが少し改善しました

先日来、マニアックなブログを出しているのですが、今日は少しだけ進展しました。

透過型回折格子フィルムを使った分光器に一眼レフのカメラを取り付けて撮影しています。スリットがうまく作れなくて、スペクトルがみっともなかったのですが、厚めのアルミホイル(厚さ15ミクロン)にカッターナイフで切り込みを入れたら結構綺麗なスリットになりました。

今日は、嬉しくていろいろなものを撮影してみました。

殺菌灯、蛍光灯、ブラックライト、UV-LED、白熱電球などの光源だけでなく、写真用光沢紙をブラックライトで照らして出る発光についても撮影してみました。光沢紙は紫外線照射で青く光ります。

面白かったのはブラックライトです。私は殺菌灯の可視光の部分だけをカットしたものだと思っていたのですが、ブラックライトにはそれなりの歴史とポリシーがあるようです。まず、放電管のガラスにはウッドガラスという酸化ニッケルを含んだバリウム-ナトリウム-シリケートガラスを用いていて、320-400nmの間だけ光を通すようになっています。さらに、SrB4O7F:Eu2+やSrB4O7:Eu2+などの蛍光体が塗られていて、発光のピークが350-360nm付近になるようにしてあるのです。実際、手作り分光器で測ってみると、水銀の発光線と共にブロードな発光も見られました

これらの写真から、また、フリーソフトのImageJを用いてgray valueを求めてみました。これまでグレイスケール強度と書いていたのですが、通常、グレイスケール強度というと、視感度を考慮に入れて、RGBに重みをつけて足し合わせていることが分かりました。ImageJではRGBを均等に足しているので、ここでは、gray valueと書いておくことにします。





ブラックライトは鋭い水銀の輝線と共に、蛍光体による幅の広い発光が見られます。UV-LEDは水銀の輝線に比べるとかなり幅が広いことも分かりました。蛍光灯や白熱電球がいびつな形をしているのはカメラの検出特性のためだと思われます。

このいびつな形をなんとか補正したいと思い、白熱電球が2500Kの温度の黒体放射であると仮定して、プランクの輻射公式を用いてスペクトルを計算してみました。



左上のA図で赤い線が計算結果です。本来、白熱電球は赤い線のようにならないといけないのですが、カメラの検出感度が波長によって異なるので、こんないびつな形になると仮定し、割り算をしてその補正曲線を計算しました。それがBです。この補正曲線を用いて、蛍光灯のスペクトルと光沢紙からの発光スペクトルを補正したものがCとDです。500nmの辺りの小さな山がまだ少し残っているのですが、ほぼ補正できた感じがします。650nm以上の近赤外はカメラに感度がないので、あまりあてにはならないようです。

だいたいうまくいったので、ムラサキシジミの紫外線反射も測ってみたのですが、暗くてまったく写りませんでした。明らかに感度不足です。明日は、スリットの広いものを作ってもう一度チャレンジしてみます。そのほかに、たくさんある蛾の標本をUV-LEDで照射してみると、ウスキツバメエダシャクなどの白っぽい蛾が蛍光を発しているようでした。これも明日測ってみようと思います。

キチョウとムラサキシジミの紫外撮影

紫外の光源として輝線ではなく連続光源があれば、紫外での分光にも使えるかなと思って、いろいろな光源を試してみました。試料は紫外線をよく反射するキチョウのオスとムラサキシジミです。

午前中、久しぶりによく晴れたので、まず太陽光のもとで撮影してみました。カメラとレンズはNikon D70とMicro Nikkor 55mmです。



この状態で、レンズにU-360フィルターを取り付けて撮りました。



さすがに直射日光の下で撮影すると、1秒露出でも十分に撮れそうです。むしろ、露出時間が長くなると背景が明るすぎてコントラストが悪くなっています。

ところで、紫外を透過するフィルターは赤外も通過させます。



この図はメーカが出している透過率のグラフですが、U-360の場合は700nm以上が少し透過してしまいます。太陽光の場合、赤外が邪魔をしてコントラストが悪くなっているかもしれないと思って、BG40という赤外をカットするフィルターも併用してみました。それが上の右の図ですが、確かに背景が少し暗くなり、コントラストが良くなっています。



その状態で、太陽光の下、撮影した写真を載せておきます。ムラサキシジミは全体によく光っていますね。キチョウも右の翅が光っています。

今度は、手元にある、いろいろな電球を使って撮影してみました。



電球を標本から25cm離して置き、斜め上方向から照射しました。シャッター速度は30秒で固定です。ミニクリプトン球と電球型蛍光灯ではわずかに光っているのが見えますが、40WレフLEDはまったく光りません。ハロゲンランプは手元に10Wしかなかったので、パワー不足かもしれません。プロジェクターは150Wハロゲンランプを用いていて、これなら少し見えます。しかし、いずれも暗くてあまり使いものになりません。

やはり太陽光は偉大ですね。その分、日焼けをするのでしょうけど。375nmのUV-LEDで照らしたものも載せておきますが、これは明るく光って見えます。しかし、LEDからの光はスペクトルの線幅が狭く、反射や透過測定には向きません。どうしたらよいのか、思案中です。

分光器挑戦の続き

昨日は、手作り分光器と一眼レフカメラを使ってスペクトル測定の挑戦をしました。今日のテーマはカメラボディによる違いを見ることとグレイスケール強度の直線性を調べることです。

昨日はスリットがいい加減だったので、今日はカッターナイフで切り方を変えたり、いろいろとやってみました。結果はどれもこれも似たようなものでした。それで、スリット作りは諦めて、カメラボディをNikon D90とD70に変えて測定してみました。これは、D70だと紫外写真が撮れるのですが、D90では撮れないので、その違いを見てみようと思ったからです。



この写真は、殺菌灯のスペクトルを撮影したものです。輝線が途切れたり、太さが変わっているのは、例によってスリットのせいです。上はD90にMicro Nikkor 60mmを取り付けたもの、下は紫外写真を撮るときのセットで、D70にMicro Nikkor 55mmを取り付けたものです。ともに、ISO400でF8、20秒露出で撮影しました。D70では矢印で示した紫外の輝線が、はっきりと見えることが分かります。特に、右の矢印の輝線はD90では見えなかったものです。

この写真から適当なところを選んで、ImageJでグレイスケール強度を計算したものが次の図です。



この図から、D90では404nmのピークがやっと見える程度なのに、D70では404nmはかなり強く、さらに、365nmのピークまで見えていることが分かります。やはり、紫外が撮影できるのです。40Wの白熱電球でも同じ実験をしてみました。



形がいびつなのでなんとも言えないのですが、D70はあまり青を強調していないようです。また、D90では420nmに紫外カット、690nm付近に赤外カットが入っている感じですが、D70は紫外側も赤外側もだらだらと減少していくだけです。シャープカットのフィルターが入っていない分だけ、D70では辛うじて紫外撮影ができるのでしょう。

最後に、縦軸の直線性を調べてみました。これはどうやるかといえば、シャッター速度を変えながら撮影した写真のグレイスケール強度を調べるのです。殺菌灯の4つの輝線について行った結果が次の図です。



両対数グラフになっていますが、縦軸はImageJで計算したグレイスケール強度、横軸はシャッター速度です。斜めの線が比例関係を示しています。この図から、グレイスケール強度が100まではほぼシャッター速度に応じて強度は増えていますが、それ以上では飽和している様子が分かります。従って、反射率の計算のときのように、直線性を必要とするときには、グレイスケール強度が100以下になるようにしないといけないことが分かります。明日はいよいよ測定をしてみようと思います。

今度は分光器に挑戦

紫外撮影を行ったついでに、簡単な分光器を作ってみました。目的は紫外領域でのスペクトルも測ってみたいなと思ったからです。

準備するものは、透過型回折格子フィルムという薄いフィルムと紙で作ったスリットです。



スリット(左)は黒画用紙にカッターナイフで切り込みを入れて作りました(いい加減です)。回折格子フィルム(右)はエドモンド・オプティックスから500本/mmというのを買いました。15cm×30cmのシート2枚で1200円だから、写真に写っているフィルム1枚だと12円位です。さらに、黒画用紙で四角の筒を作り、その片側にスリットを、もう片側にフィルムを貼りました。これで分光器は出来上がりです。

このまま回折格子フィルム側から覗いてもスペクトルは見えるのですが、写真に撮ってみようと思いました。



真ん中の筒が手作り分光器です。右に置いてあるのは携帯用の蛍光灯で、今は、殺菌灯が入っています。左に一眼レフカメラをセットしました。カメラがちょっと斜めになっているのは、スペクトルが斜めの方向に見えるからです。カメラと分光器の上を、黒いTシャツを暗幕代わりに覆って、撮影しました。

その結果が次の写真です。



カメラはNikon D90、これにMicro Nikkor 60mmを取り付け、ISO400、F8の30秒露出の条件で撮りました。実はレンズは、あまり望遠でなければ何でも構いません。また、コンパクトデジカメでも焦点さえ合えばOKです。上の写真では何本かの輝線が見えてますが、水銀の発光線です。線がとぎれとぎれだったり、太さが一定しないのは、黒画用紙にカッターナイフで筋をつけただけのいい加減なスリットだったからです。この写真から適当なところを抜き出し、フリーソフトのImageJでグレイスケール強度を計算しました。その結果が次の図です。



カメラの縦軸は8ビットの255までしかないので、30秒露出だと強い線は飽和してしまいました。しかし、弱い線も見えるので図に載せています。下は1/2秒の露出時間です。紫外側は水銀の404nmの線くらいまでかろうじて見えています。水銀の発光線の位置と波長から、横軸を換算し直して、光の波長に直すことができます。この分光器で分解能はだいたい1nmくらいです。たった12円の回折格子フィルムでも、結構、測定できるでしょう。

次に40Wの白熱電球を測定してみました。




スリットの出来不出来が露骨に見えてしまいますね。しかし、構わず、綺麗な部分を使ってスペクトルに直してみました。


非常に奇妙な格好です。でも、何度撮影してもこうなるので、おそらくカメラの中のフィルターのせいだと思います。白熱電球は、本来は赤い方が強くて青に向かって滑らかに減少します。そのスペクトルはプランクの輻射公式で計算したものとほぼ合うはずです。そこで、フィラメントの温度を2500Kとして計算して、上の結果を割って比較してみることにしました。



理想的な検出器だと波長によらず一定になるはずですが、カメラを用いると、とてもとても一定とは言えません。450-500nmの青色部分がやけに強く出ていて、また、600nmの付近の赤色もちょっと強めに出ています。さらに、420nmあたりに紫外カットが、690nmあたりに赤外カットが入っているようです。手作り分光器とカメラを使った分光測定もまだまだ前途多難ですね。

冬の虫探し

廊下のむし探検 第33弾

あちこちにつららが見られるような寒い朝でした。
マンションの廊下を歩いてみましたが、やはり虫なんかほとんどいませんねぇ。



ナミスジフユナミシャクです。
ちょっとひらひらと飛んだと思ったら、すぐにまた止まってしまいました。



シロオビフユシャクです。とにかくじっとしています。



種類までわからなかったのですが、クサカゲロウです。
今どきいるということは、成虫で越冬するのでしょうか。

今日はこれだけでした。


モンシロチョウ類の紫外写真

先日に引き続いてチョウの紫外写真を撮ってみました。今回は、モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、エゾスジグロシロチョウの3種です。モンシロチョウはメスが紫外線を反射するので、キャベツ畑に止まっていてもオスにはすぐ分かるという話をよく聞きます。実際にそうなのか確かめてみました。

撮影は前回と同じで、Nikon D70にMicro-Nikkor 55mmを取り付け、これにU-360という紫外フィルターを取り付けました。赤外カットフィルターは汚れてしまったので、今回は付けていません。撮影条件は、F2.8、ISO400、10秒露出です。光源には4Wブラックライトを用い、標本から約30cmほど離して、カメラの少し上から照らしました。




その結果がこの写真です。左がメス、右がオスです。紫外線下ではその差は明瞭で、オスは暗い色、メスは明るく輝いています。メスが紫外線を反射するという話はやはり本当でした。照明の方向をいろいろと変えてみても、変わらず光るので、方向性のない反射といえます。



スジグロシロチョウ夏型も同じで、紫外線下では、やはり、オスは暗い色ですが、メスは輝いています。



エゾスジグロシロチョウ夏型も全く同じです。

ところが、スジグロシロチョウの春型を撮影したときに驚きました。



メスがほとんど光らないのです。照明の当て方が悪いのかなと思って、いろいろと変えたのですが、やはり、暗いままです。これが個体差なのかどうかは、春型の標本が他にはなくて確かめられませんでした。これまで、春にはあまり採集していなかったようです。今年の春はちょっと頑張って採集してみようと思います。


紫外写真に挑戦

紫外写真に挑戦してみました。実は、以前にも試したことがあったのですが、そのままになっていたので、今回は再挑戦です。以前はネットでいろいろと調べ、特別な道具が無くても、UVフィルターさえ買えばできるというので試してみました。

今回も、以前と同じフィルターを使おうと思ったのですが、以前使っていたU-330とBG40フィルターはいずれも中央が濁ったようになって使えなくなっていました。放っておいたのが悪かったのかもしれません。仕方なく、ケースに入れておいたU-360フィルターだけを使って撮ってみました。U-330は240-400nm、U-360は300-390nmの間の紫外線を通します。BG40は赤外カットフィルターです。

U-360を、古いMicro-Nikkor55mmレンズに取り付け、やはり古いNikon D70で撮影します。この古いというのが重要で、最近のカメラやレンズは紫外線を通さないのでうまくいきません。

4Wのブラックライトを光源にしてキチョウを撮影してみました。



これは蛍光灯で照明して、U-360フィルターなしに撮影したものです。左がオスで右がメスです。撮影条件はF2.8、1/100です。次にU-360フィルターを取り付け、部屋の電気を消し、ブラックライトだけを光源として撮影してみました。



これは手前側から照明したもので、オスのキチョウの前翅だけが光っています。メスはまったく光りません。撮影条件は、F2.8で2秒です。紫外にするとフォーカス位置が少し近めにずれてしまいます。フィルターを付けると目では見えないので、ピントを少しずつ変えて合わせていきます。キチョウは光源の方向で光り方が変わります。



この写真は、照明を左から、右から、手前側から、上から、前から撮影したものをまとめたものです。これから、照明が前や上からではほとんど光ってないことが分かります。よく光るのは手前側から照明したときで、左右からは反対側の翅だけが光ります。

同じようなことをムラサキシジミでもやってみました。撮影条件は同じです。




これは、蛍光灯の照明下での写真です。紫外フィルターを付けると、



このようになります。これは真上から照明したものです。前翅も後翅もよく光っていますね。光源の方向を変えてみると、



このようになります。この場合はむしろ手前側からは弱くて、そのほかはよく光っていることが分かりますね。同じ紫外を反射するといっても、キチョウには方向性があるのですが、ムラサキシジミにはあまり方向性のないことが分かります。

今日のフユシャク

廊下のむし探検 第32弾

日中でも気温が4度までしか上がらない寒い日でした。そんな中でも、望遠と接写レンズを持ってマンションの廊下を歩いてみました。今日はウスモンフユシャクが2頭いただけでした。






天井に止まっている蛾を望遠で写していると、おばさんが横を通り過ぎながら、「それ、冬のなんとかいう蛾ですか?」と尋ねました。あれっ、フユシャクって、もうそんなに市民権を得ているのだろうかとびっくりしてしまいました。ちょっと前までは、蛾を集めている人の中でもマニアだけが知っているような蛾だったのに・・・。しばらく歩いていると、今度は掃除のおばさんから、「寒いのに今日も撮っているの?」と、また、声をかけられました。寒いせいか、廊下を歩く人は私くらいしかいないようでした。


元旦のむし探し

廊下のむし探検 第31弾

元旦に、わざわざ虫探しなどしなくても・・・と言われそうですが、それでもマンションの廊下で虫探しをしてみました。

今日はもっともフユシャクらしいフユシャクがいました。





ウスモンフユシャク(上)とシロオビフユシャク(下)です。この2頭ともシャクガ科フユシャク亜科に属しています。まるで着物を着ているように、翅を重ねて止まっています。これからもこのフユシャクの仲間が続々出てくると思いますが、いずれも翅を重ねた姿がいかにも寒そうで、もっともフユシャクらしいフユシャクだという気がします。



そういう意味ではフユシャクらしくないフユシャクですが、ナミスジフユナミシャクといいます。実は、この蛾が一時、オオナミフユナミシャクとコナミフユナミシャクに分けられ、しかも、オスでは区別がつかないと言われ、大いに困ったことがありました。幸い、2種は同種ということになり、元の名前ナミスジフユナミシャクに戻ってほっとしました。というのも、区別がつかないと名前では呼ぶことができないからです。

キリガもいました。



先日も登場したノコメトガリキリガです。





ヘラクヌギカメムシ(上)とクサギカメムシ(下)も、もう常連になってしまいましたね。





ナミテントウ(上)とナナホシテントウ(下)です。それぞれ1頭ずついました。



この間から出てきているカオマダラクサカゲロウです。
そのほかにもいろいろといましたが、だんだん名前が分からなくなってきます。



これはオナシカワゲラの一種でしょう。横に小さなハエも写っていますが・・・。



ハエであることは分かるのですが、それ以上は・・・。



ネコハグモというハグモ科のクモのようです。建物の周りによくいるそうで、数ミリの小さいクモです。



最後のこれは何だかさっぱり分かりませんでした。長さが1cmに満たない細い棒状で、細かい石の粒でできています。巣か蛹のような感じで、水の中にいるトビケラの幼虫を思い浮かべますが、マンションの壁に結構いっぱいついていました。いったい何でしょう。

今日はたいへん寒かったのですが、さいわい晴れていたので、こんなにも「むし」が多かったのかもしれません。



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