先日、顕微鏡写真を試してみたという記事を書きましたが、その後もいろいろとやってみました。理屈も分からずに、ただいろいろと試している段階で、まださっぱり分からない状態なのですが、メモ代わりに書いておきます。
先日書いたのは、小型のデジカメを実体顕微鏡の接眼レンズに密着させるとよい。特に、レンズの出てこないフラットズーム方式が手軽だ、というようなことを書きました。ネットで調べると、たいてい、接眼レンズの口径よりデジカメのレンズの口径の小さいことが必要だと書いてあります。ただ、小型のデジカメだとオートフォーカスで、勝手にフォーカスを合わせようとして、結果としてボケてしまうことが多かったのと、基本的にオートでの撮影なので、明るさを変えるには照明を変えるしかないのが不便でした(後で考えれば、露出補正を使えばよかったのかも)。
そこで、一眼レフも試してみました。カメラボディはNikon D90で、三脚で固定して用いました。レンズは手元にあるものをいろいろと試してみました。基本的に、レンズの長さが長いタイプ、たとえば、望遠系やマクロ系は画面の中央部分しか写らなくて駄目でなようでした。逆に、広角系は接眼レンズにカメラを近づけさえすれば画面全体に写るので、十分使えそうでした。
そこでまず、いろいろなカメラやレンズを用いて、対物ミクロを透過の条件で撮ってみて、ボケ具合を調べてみました。
一目盛が0.01mm、すなわち、10ミクロンです。一眼レフのレンズはいずれも、手元にあった古い広角系のズームレンズばかりです。この条件では、目盛線が10-20ミクロンに広がっているので、これが分解能になります。注目すべきは、カメラやレンズにあまりよらないことです。あまり定量的に調べたわけではないので、はっきりしたことは言えませんが、分解能はもっぱら顕微鏡によっているのかなと思われます。なお、FZ150は画面の中央部分しか写らなかったので、その部分から切り取って載せています。
次に一眼レフで、Nikon 28-80mmのレンズを用いたときに撮影条件を変えてみました。一眼レフはこれができるので便利です。撮影は基本的にマニュアル、フォーカスは固定で行っています。
試料には、昨日捕まえたスズキクサカゲロウをしばらく冷凍庫に入れておいたものを使わせていただきました。一番上は顕微鏡のフォーカスを少しずつ変えていったものですが、この操作でうまくフォーカスを合わせられることが分かりました。一番下はシャッタースピードを少しずつ変えていったものですが、明るさの調整はこれでできることが分かります。
問題は中央の露出を変えたものですが、F16とF8はほとんど変わらず、F4.5では急に暗くなりました。やってみるとこの逆になることもありました。接眼レンズから出てくる光は、レンズから数センチ離れたところで焦点を結んでいる感じで、普通の光と違うので絞りは基本的に効かず、むしろ邪魔になっているのかもしれないなと思いました。この点はもう少し詳しく調べてみる必要があります。
従って、普通の撮影のように、絞りで焦点深度を変えることが出来ないようです。最初のテストは被写体が平面の場合でした。後のテストは立体的なものの撮影です。後の場合、焦点深度はもっぱら顕微鏡で決まっているようです。
次は、実際にNikon 28-80mmレンズで撮影した画像の例です。
使ってみると、ズームは倍率を変えることで、画面のケラレを取り除いたり、像の大きさを変えたりできるので便利です。ズームの広角側はやはりケラレが出るので、この写真はズームの40mm付近で、F8、1/10の条件で撮りました。シャッターはリモコンで行っています。明るさがシャッター速度で変えられるのは便利で、少しずつ変えながら撮影したものの一枚です。同じ条件で、望遠側の80mm付近で撮影したものが、下の写真です。
まったく同じ条件で、デジカメでも撮影してみました。
Coolpix 5900を三脚で固定して、「遠景」にダイヤルを合わせて、顕微鏡のフォーカスを変化させ、カメラの液晶画面を見ながら目でフォーカスを合わせてから測定したものです。ちょっと暗いのは照明が一眼レフと同じ条件だったからです。シャッター速度が変えられないので、若干不便ですが、基本的に解像度などは一眼レフと変わらない感じです。
フラットズームタイプのDimage X60で手持ち撮影したものです。今日はなかなか明るい写真が撮れず、こんな写真になってしまいました。手持ちなので、うまくいくときといかないときがあるようです。解像度としてはあまり変わりません。
結局、シャープさという面での改良はそれほどなかったのですが、自由度の多い一眼レフでも使えることが分かったので、ちょっと嬉しくなりました。